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全能の爆誕
038:街にお忍び。
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生まれてきてかれこれ四年。
俺はこのランスロット家の敷地内から一歩も外に出たことがないから、もうそろそろで外に出てみたいと思っている。
前世ではあまり外に出ない感じの人間だったから最初こそあまり気にしなかったが、さすがに外に出てみたいと思ってしまう。
赤ん坊の時でさえ出たことがないんだぞ? 普通は外に出たりしないか? いや広さなら敷地内だけで十分だが。
それをそれとなくお父上様に聞いたら外は危険だからという理由で許可されなかった。いや、俺よりも強い人なんているわけがないからいいと思うが、お父上様も心配なんだろう。
でもこのランスロットの屋敷がある街にはさすがに出てもいいだろうと思う。さすがに引きこもりの公爵子息とか言われたくないんだけど。
そもそも街の人たちに俺を知らせなくていいのだろうか。領民さんたちに知らせると思っていたのだが、そこら辺はお父上様の裁量次第か。
よし、街に出るか。さすがの俺でも四年間引きこもり生活は飽きた。
ということで善は急げ! 今日はシルヴィー姉さんとルーシー姉さんは鍛錬でいない、授業も鍛錬もないから、以前にやった俺の人形を使って部屋に置いておけば問題ない。
……いや待て。いや行けるか? 街に出たとしても俺の全能があれば怪しまれることはないし、何か分からないことでも知ることはできる。
ベラに付き添いを頼もうかと思ったが、ベラは生真面目な部分があるから俺が街に出たことを秘密にしてくれない可能性というか街に出ることすら拒もうとしてくる。
それなら俺が一人で行った方がまだいいか。
「あとは任せた」
「はい、いってらっしゃいませ」
俺の人形を部屋の中で作り出して誰か来た時でも対応できるようにした。そして透明になりながら部屋の窓から出た。
浮遊魔法で浮きながら誰にも気が付かれずにランスロット家の敷地内から出た。
街に入ったら透明魔法を解除するつもりだが、この服だと貴族だと気付かれるかもしれないから相手が普通の四歳児に見えるように幻覚魔法をかける。
お金も金貨ではなく銅貨を持ってきているから怪しまれる要素などないし、何なら怪しまれないように魔法をかけることができる。こういうところはとても便利だ、全能。
街の人通りが多い場所へ向かうと、活気にあふれている場所に出た。
さすがは公爵家の屋敷がある街だというべきか、ここが王都かと思うくらいに色々なお店やギルドがある大きな街だ。
俺は公爵家の子息だが、授業を受けるまで何が特産品とかを知らなかった。ここまで大きい街があるのも知らなかった。
どうやら俺は鳥かごの中の鳥になっていたようだが、まあ知ろうとすれば知れたから特に怒りも何も起きない。
「……このにおいは」
食欲をそそるにおいが屋台から漂ってきたからそちらにつられて行ってみると、串に肉を差して焼いている、いわゆる焼き鳥を焼いていた。
「おじさん! 三本ちょうだい!」
「はいよ、金は持っているのか?」
「もちろん持ってるよ」
「何本ほしいんだ?」
「三本ちょうだい」
「はいよ、ちょっと待ちな」
屋台のおじさんに銅貨を渡して焼き鳥三本をそのまま貰った。
行き交う人に邪魔にならない場所に立って焼き鳥を一本食べると、どこか懐かしい感じがしてきた。ランスロット家の食卓ではこういう庶民的な食事は出てこないからそれがまた美味しく感じる。
二本目を食べようとした時に、こちらを見ている視線に気が付いた。ただその視線に悪意は微塵もなく、俺というよりはこの焼き鳥を見ている感じか。
そちらに気付かれない程度で視線を向けると、長い茶髪でルーシー姉さんくらいの歳の女児が路地裏の入り口から俺の持つ焼き鳥を見てよだれを垂らしている。
……すっげぇ見られているな。こんなに見られていたらすごく食べにくいんだが。何だ? ほしいのか? まあそういう顔をしているよな。
思い切って女児の方に顔を向けても、女児は顔をそらす素振りもなくずっと俺が手に持つ焼き鳥を見ているから、さすがにこんな状態で食べるのはすごく食べにくい。
食べるのを諦めて女児の方に真っすぐと向かって行くが、女児はそんなこと気にしないとばかりに俺の焼き鳥を凝視している。
「食べる?」
「食べる」
聞きながら焼き鳥を差し出したら即答して焼き鳥を奪った女児は一瞬で焼き鳥を食べて、もう一個の焼き鳥も凝視している。
「……ほしいの?」
「ほしい」
焼き鳥を左右に動かすとそれを目で追っている女児が、まるで犬のように見えたが失礼だと思って差し出すとすぐに俺から奪い取るように取って食べた。
「もうない?」
「もうないかな」
いや、女児が焼き鳥二本も食べたらお腹いっぱいになりそうなんだが。
「……お腹空いた」
だがこの女児は例外らしく、お腹を鳴らして俺の方を見てよだれを垂らしている。
えっ、俺にまだ買えと言ってくるのか? この女児は。まさかそんなことを目で訴えかけられる日が来るとは思わなかった。
「家に帰ったら、何かないの?」
「何もない」
あっ、これは質問したらいけない感じの質問だったか? それなら少し悪いことをしたような。
「家だとお腹いっぱいにならない。いつも三食しか食べれない」
「……それが普通じゃないの? もしかして量が少ないとか?」
「パパとママと同じ量を食べてる」
「あー……?」
それはみんなの量が一緒で少ないということなのか? イマイチ分からない。
「パパとママにもっと食べたいって言っても、うちはもうお金がないって言われた」
これは本当に貧乏だったということなのか? だがもう一つの可能性、この子が食べ過ぎてお金がないという可能性がある。
まあどちらにしても、この子と一緒にいたら永遠と餌付けを要求されそうだから立ち去るか。こういう問題は俺が解決するものではない。
「そうなんだ。じゃあ、僕はこれで」
早々に立ち去ろうとしたが、女児に服の袖をつかまれてそれが叶わなかった。
「お金持っているなら、食べさせてほしい」
「い、いや、僕はそんなにお金を持っていないから……」
「でもそんな服を着ていたらお金持っていそうだと思う」
女児のその言葉で俺は女児の方を振り返った。
さっきの屋台のおじさんにも俺の魔法は通じていたから魔法がかかっていないわけではない。それならこの女児が特殊な力を持っているということになる。
「僕がそんな風に見えるの?」
「だから食べ物を見たらくれるかと思った」
なるほど、だからか。これは……魔眼か? 真実を見抜く魔眼か。これは周りに知られたらとてもややこしいことになりそうだ。
「……焼き鳥でいい?」
「あっちのお店には少しお高いお肉が売ってる」
「意外と容赦ないね。でもいいよ」
「こっち」
女児が俺の手を引いて歩き始めるから、女児の隣に並んで歩く。
「僕は……ヒル。キミは?」
「私はアリス」
「よろしくね、アリス」
「よろしくヒル」
さすがにアーサーとは名乗れないから偽名を使った。アーサー、アサ、朝、朝の次は昼、ヒルという感じで安直すぎだがそれが一番いい気がする。
「へいらっしゃい! おっ、アリスちゃんじゃねぇか。隣にいる男の子は見かけない顔だな。友達かい?」
「うん。いいところの」
「最近引っ越してきたヒルです! それよりもいいにおいですね! 六本ください!」
「おう! ちょっと待ってな」
アリスが口を滑らそうとしたから何とか誤魔化した。
「アリス、僕がお金持ちとかそういうことは秘密だからね」
「なんで?」
「そういうものなの。じゃないとおごってあげないよ。秘密にしていればおごるから」
「秘密にする」
こういう関係は非常に助かる。まあお金を揺すられる未来が来るかもしれないけど、その時は記憶を消そう。
屋台のおじさんにお金を渡して串に刺さった魔獣の焼き肉を俺とアリスで三本ずつ受けとる。
屋台から少し離れた場所で俺とアリスは焼き肉を食べる。
「……美味しい」
「そうだね、美味しいね」
魔獣の肉は普通の動物の肉と比べて肉の質がいい。
例えば豚と魔獣の豚、強さと凶暴さは圧倒的に違うが、それ以上に魔力を持っている魔獣は魔力によって肉の質を底上げしているとか。
あー、そう言えば歴史の中で魔女を狩って魔女の肉を食べる、なんてことがあったな。それを考えるとあまり美味しく感じなくなるかもしれないから考えを捨てよ。
「早いね」
「美味しくて手が止まらない」
アリスは俺が一本食べている間に二本食べており、三本目を食べていた。
そして一本食べ終わる頃には、アリスは三本食べ終わっていて、俺が持っている二本の焼き肉をジッと見つめているという、さっきと同じ状況になっていた。
「……食べる?」
「食べる。ありがとう」
二本とも渡すとすぐに食べ始めるアリス。
そんな小さな体なのによく入る。でも、それは魔眼が原因だろうな。
魔眼は他の人と比べて違うものが見えていて、オンオフができないと常時それを使っていることでエネルギーの消費が激しいと聞いた。
だからアリスは他の人よりも多くお腹がすいていることになる。
「……美味しかった」
食べ終えたアリスは満足している顔をしていた。
「食べさせてくれたお礼に秘密基地に招待する」
ほぉ、秘密基地とな? それは面白そうだな。
「秘密基地なのにいいの?」
「いい。お礼だから」
「それなら招待されるね!」
「うん」
少しワクワクしながら、アリスと手を繋いで歩き始めた。
俺はこのランスロット家の敷地内から一歩も外に出たことがないから、もうそろそろで外に出てみたいと思っている。
前世ではあまり外に出ない感じの人間だったから最初こそあまり気にしなかったが、さすがに外に出てみたいと思ってしまう。
赤ん坊の時でさえ出たことがないんだぞ? 普通は外に出たりしないか? いや広さなら敷地内だけで十分だが。
それをそれとなくお父上様に聞いたら外は危険だからという理由で許可されなかった。いや、俺よりも強い人なんているわけがないからいいと思うが、お父上様も心配なんだろう。
でもこのランスロットの屋敷がある街にはさすがに出てもいいだろうと思う。さすがに引きこもりの公爵子息とか言われたくないんだけど。
そもそも街の人たちに俺を知らせなくていいのだろうか。領民さんたちに知らせると思っていたのだが、そこら辺はお父上様の裁量次第か。
よし、街に出るか。さすがの俺でも四年間引きこもり生活は飽きた。
ということで善は急げ! 今日はシルヴィー姉さんとルーシー姉さんは鍛錬でいない、授業も鍛錬もないから、以前にやった俺の人形を使って部屋に置いておけば問題ない。
……いや待て。いや行けるか? 街に出たとしても俺の全能があれば怪しまれることはないし、何か分からないことでも知ることはできる。
ベラに付き添いを頼もうかと思ったが、ベラは生真面目な部分があるから俺が街に出たことを秘密にしてくれない可能性というか街に出ることすら拒もうとしてくる。
それなら俺が一人で行った方がまだいいか。
「あとは任せた」
「はい、いってらっしゃいませ」
俺の人形を部屋の中で作り出して誰か来た時でも対応できるようにした。そして透明になりながら部屋の窓から出た。
浮遊魔法で浮きながら誰にも気が付かれずにランスロット家の敷地内から出た。
街に入ったら透明魔法を解除するつもりだが、この服だと貴族だと気付かれるかもしれないから相手が普通の四歳児に見えるように幻覚魔法をかける。
お金も金貨ではなく銅貨を持ってきているから怪しまれる要素などないし、何なら怪しまれないように魔法をかけることができる。こういうところはとても便利だ、全能。
街の人通りが多い場所へ向かうと、活気にあふれている場所に出た。
さすがは公爵家の屋敷がある街だというべきか、ここが王都かと思うくらいに色々なお店やギルドがある大きな街だ。
俺は公爵家の子息だが、授業を受けるまで何が特産品とかを知らなかった。ここまで大きい街があるのも知らなかった。
どうやら俺は鳥かごの中の鳥になっていたようだが、まあ知ろうとすれば知れたから特に怒りも何も起きない。
「……このにおいは」
食欲をそそるにおいが屋台から漂ってきたからそちらにつられて行ってみると、串に肉を差して焼いている、いわゆる焼き鳥を焼いていた。
「おじさん! 三本ちょうだい!」
「はいよ、金は持っているのか?」
「もちろん持ってるよ」
「何本ほしいんだ?」
「三本ちょうだい」
「はいよ、ちょっと待ちな」
屋台のおじさんに銅貨を渡して焼き鳥三本をそのまま貰った。
行き交う人に邪魔にならない場所に立って焼き鳥を一本食べると、どこか懐かしい感じがしてきた。ランスロット家の食卓ではこういう庶民的な食事は出てこないからそれがまた美味しく感じる。
二本目を食べようとした時に、こちらを見ている視線に気が付いた。ただその視線に悪意は微塵もなく、俺というよりはこの焼き鳥を見ている感じか。
そちらに気付かれない程度で視線を向けると、長い茶髪でルーシー姉さんくらいの歳の女児が路地裏の入り口から俺の持つ焼き鳥を見てよだれを垂らしている。
……すっげぇ見られているな。こんなに見られていたらすごく食べにくいんだが。何だ? ほしいのか? まあそういう顔をしているよな。
思い切って女児の方に顔を向けても、女児は顔をそらす素振りもなくずっと俺が手に持つ焼き鳥を見ているから、さすがにこんな状態で食べるのはすごく食べにくい。
食べるのを諦めて女児の方に真っすぐと向かって行くが、女児はそんなこと気にしないとばかりに俺の焼き鳥を凝視している。
「食べる?」
「食べる」
聞きながら焼き鳥を差し出したら即答して焼き鳥を奪った女児は一瞬で焼き鳥を食べて、もう一個の焼き鳥も凝視している。
「……ほしいの?」
「ほしい」
焼き鳥を左右に動かすとそれを目で追っている女児が、まるで犬のように見えたが失礼だと思って差し出すとすぐに俺から奪い取るように取って食べた。
「もうない?」
「もうないかな」
いや、女児が焼き鳥二本も食べたらお腹いっぱいになりそうなんだが。
「……お腹空いた」
だがこの女児は例外らしく、お腹を鳴らして俺の方を見てよだれを垂らしている。
えっ、俺にまだ買えと言ってくるのか? この女児は。まさかそんなことを目で訴えかけられる日が来るとは思わなかった。
「家に帰ったら、何かないの?」
「何もない」
あっ、これは質問したらいけない感じの質問だったか? それなら少し悪いことをしたような。
「家だとお腹いっぱいにならない。いつも三食しか食べれない」
「……それが普通じゃないの? もしかして量が少ないとか?」
「パパとママと同じ量を食べてる」
「あー……?」
それはみんなの量が一緒で少ないということなのか? イマイチ分からない。
「パパとママにもっと食べたいって言っても、うちはもうお金がないって言われた」
これは本当に貧乏だったということなのか? だがもう一つの可能性、この子が食べ過ぎてお金がないという可能性がある。
まあどちらにしても、この子と一緒にいたら永遠と餌付けを要求されそうだから立ち去るか。こういう問題は俺が解決するものではない。
「そうなんだ。じゃあ、僕はこれで」
早々に立ち去ろうとしたが、女児に服の袖をつかまれてそれが叶わなかった。
「お金持っているなら、食べさせてほしい」
「い、いや、僕はそんなにお金を持っていないから……」
「でもそんな服を着ていたらお金持っていそうだと思う」
女児のその言葉で俺は女児の方を振り返った。
さっきの屋台のおじさんにも俺の魔法は通じていたから魔法がかかっていないわけではない。それならこの女児が特殊な力を持っているということになる。
「僕がそんな風に見えるの?」
「だから食べ物を見たらくれるかと思った」
なるほど、だからか。これは……魔眼か? 真実を見抜く魔眼か。これは周りに知られたらとてもややこしいことになりそうだ。
「……焼き鳥でいい?」
「あっちのお店には少しお高いお肉が売ってる」
「意外と容赦ないね。でもいいよ」
「こっち」
女児が俺の手を引いて歩き始めるから、女児の隣に並んで歩く。
「僕は……ヒル。キミは?」
「私はアリス」
「よろしくね、アリス」
「よろしくヒル」
さすがにアーサーとは名乗れないから偽名を使った。アーサー、アサ、朝、朝の次は昼、ヒルという感じで安直すぎだがそれが一番いい気がする。
「へいらっしゃい! おっ、アリスちゃんじゃねぇか。隣にいる男の子は見かけない顔だな。友達かい?」
「うん。いいところの」
「最近引っ越してきたヒルです! それよりもいいにおいですね! 六本ください!」
「おう! ちょっと待ってな」
アリスが口を滑らそうとしたから何とか誤魔化した。
「アリス、僕がお金持ちとかそういうことは秘密だからね」
「なんで?」
「そういうものなの。じゃないとおごってあげないよ。秘密にしていればおごるから」
「秘密にする」
こういう関係は非常に助かる。まあお金を揺すられる未来が来るかもしれないけど、その時は記憶を消そう。
屋台のおじさんにお金を渡して串に刺さった魔獣の焼き肉を俺とアリスで三本ずつ受けとる。
屋台から少し離れた場所で俺とアリスは焼き肉を食べる。
「……美味しい」
「そうだね、美味しいね」
魔獣の肉は普通の動物の肉と比べて肉の質がいい。
例えば豚と魔獣の豚、強さと凶暴さは圧倒的に違うが、それ以上に魔力を持っている魔獣は魔力によって肉の質を底上げしているとか。
あー、そう言えば歴史の中で魔女を狩って魔女の肉を食べる、なんてことがあったな。それを考えるとあまり美味しく感じなくなるかもしれないから考えを捨てよ。
「早いね」
「美味しくて手が止まらない」
アリスは俺が一本食べている間に二本食べており、三本目を食べていた。
そして一本食べ終わる頃には、アリスは三本食べ終わっていて、俺が持っている二本の焼き肉をジッと見つめているという、さっきと同じ状況になっていた。
「……食べる?」
「食べる。ありがとう」
二本とも渡すとすぐに食べ始めるアリス。
そんな小さな体なのによく入る。でも、それは魔眼が原因だろうな。
魔眼は他の人と比べて違うものが見えていて、オンオフができないと常時それを使っていることでエネルギーの消費が激しいと聞いた。
だからアリスは他の人よりも多くお腹がすいていることになる。
「……美味しかった」
食べ終えたアリスは満足している顔をしていた。
「食べさせてくれたお礼に秘密基地に招待する」
ほぉ、秘密基地とな? それは面白そうだな。
「秘密基地なのにいいの?」
「いい。お礼だから」
「それなら招待されるね!」
「うん」
少しワクワクしながら、アリスと手を繋いで歩き始めた。
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