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全能の爆誕
016:ルーシー姉さんとカメラ。
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鍛練初日はルフェイの魔法の授業とベラの授業、お父上様の戦闘の授業。
二日目はベラの授業とお父上様に代わってパスカルによる戦闘の授業。
三日目には武器の授業がないだけでルフェイの魔法の授業、ベラの一般教養の授業があった。
ルフェイの授業では見事魔法陣を展開、そして見事に風魔法で部屋の中を吹き飛ばすということをしてしまった。
ルフェイは微笑みながら何も気にしないでいいと言って魔法で元通りにしてくれたから、本当にいい人なのだろうなと思った。
そしてベラの授業も本当に何もなく、ただただ知識を詰め込むだけで終わった。それが勉強というモノだから代わり映えしなくて当たり前か。
「それにしても……これを何とかしないとなぁ……」
俺が握っているスマホには、あり得ないほどの着信履歴が残っていた。相手はもちろんルーシー姉さんとシルヴィー姉さんの二人しかいない。
鍛練があった三日間は、朝食や夕食で顔を合わせはしたが遊ぶということを全くできなかったから、その分の反動で電話をかなりかけてくるのだ。
どんだけかけてくんだよ、ヤンデレか?
驚いたのはシルヴィー姉さんもかなりかけてきたことだ。これも練習の成果か。
本当なら喜ばしいことなのだがな、こんな状況でなければ。
俺の鍛練の時間を減らしたもらうことはできないだろうな。早めに俺を鍛え上げるために鍛練を開始したのだから、鍛練の時間を減らすことは意味が分からない。
それなら何かでルーシー姉さんとシルヴィー姉さんに気を紛らわせてもらうしかないわけだが。
「……カメラ。カメラにするか」
ゲームも一瞬よぎったが、それはまだ全然早すぎる。まだスマホの基本機能で満足してもらえるのならそれにこしたことはない。
写真と動画なら、かなり満足してもらえるだろう。その機能は現代でもいつまでも使われている機能であるから、中世ヨーロッパみたいな人たちに満足できないわけがない。
今日は俺とシルヴィー姉さんとルーシー姉さん。三人とも鍛練や授業がない日だから、ルーシー姉さんあたりは俺の部屋に来そうだ。
てか、シルヴィー姉さんは俺の服を差し上げていれば満足してくれそうだが、それはそれで俺とのコミュニケーションがはかれなくなる可能性が出てくるからやめよう。
未だに俺が起きていると俺に目を合わせてくれないし喋ってはくれない。寝ていると思っている時は好き好き口撃を連発しているのに。
これだと俺の服で我慢できなくなって起きている俺のところに来ても、喋れないような気がする。
シルヴィー姉さんの対処を考えていると、走っている足音が聞こえてきて、その足音がルーシー姉さんのものだと分かった。
「おはようアーサー!」
ルーシー姉さんが扉を蹴破る勢いで入って来て、ベッドに腰かけて考えていた俺にダイブしてきた。
「わっ! ルーシーお姉ちゃん!」
ルーシー姉さんに押し倒されてベッドに後ろから倒れる。
「すんすん、あー、アーサーの匂いだわぁ……アーサーと遊べなかったから全然楽しくなかったわぁ」
「僕もルーシーお姉ちゃんと遊べなくて寂しかったよ!」
「ホント? それなら相思相愛ね! うーん、この匂いがないと寝れないくらいに好きかもしれないわ……」
ちょっとぉ? シルヴィー姉さんと同じことをしていますよ?
「僕そんないい匂いがする? 僕は何も感じないんだけど……」
「すっっっごくいい匂いよ! どんな匂いよりも安心するし、落ち着くし、一生忘れられない匂いよ……」
俺の胸に顔を埋めて深呼吸をして、まるで俺の匂いをすべて吸い込もうとしているルーシー姉さん。
シルヴィー姉さんもベラもルーシー姉さん。これだけ証人がいるのならこれはもう確定だな。
俺の匂いはフェロモンか何かは知らないが、そういう成分が含んでいるみたいだ。ハァ、勘弁してほしいけど今のところ実害はないからいいか。
後々面倒ごとになったとしても、どうすることもできないから放置しておこう。
目の前のルーシー姉さんに目を向けると、匂いを嗅ぎながらもふつふつと怒りを燃やしている感じだった。
「あー、少し腹が立ってきた……お父さんはどうして一年も早くアーサーの鍛錬を始めたのよ! おかげでアーサーとの遊ぶ時間が減ったじゃない!」
まああの着信やメールの状況ならこうなるよな。このままだと鍛錬を受けないとか言い出すんじゃないのか?
「こんな生活が続くのなら我慢できないわ! お父さんに言わないといけないわね!」
あー、三日しか経っていないのにもう言い出してしまったか。
こうなってしまえば、ボロが出てスマホがバレてしまう可能性が出てくる。だからここで新しいスマホの機能を出してしまおう。
「実はね、そんなルーシーお姉ちゃんのためにスマホの新しい機能を考えたんだ! きっとお姉ちゃん気に入るから!」
「アーサーと遊ぶよりも? そんなことで私が満足するとは思えないわね。どんなもの?」
ツンとした態度をしているルーシー姉さんだが新機能はとても気になるようだ。
「前にルーシーお姉ちゃんには話したことがあると思うけど、外の光景をこのスマホの中に取り込む機能、カメラだよ」
「あー、前にそんなこと言ってたわね。それがついにできたのね!」
とてもワクワクしている感じのルーシー姉さん。今までの鬱憤が嘘のようだ。
ずっと抱きついていたルーシー姉さんに横に座ってもらってスマホを手に取る。
「お姉ちゃんのスマホにも機能を追加するんだけど、このマークをタッチすると……」
スマホを持つ手を少し遠ざけてカメラを起動すると、俺と隣にいるルーシー姉さんがスマホの画面に映っていた。
「鏡みたいね」
この世界でも鏡が存在しているからこの状態ではさほど驚きはしないのかな。まあこれからたっぷりと驚いてもらうけど。
「これはまだ準備段階だよ。今は内カメラ、ここの小さい穴から映している状態で、裏面にある小さい穴から向こう側も映すことができる、こうやって」
「それで?」
「ここの画面の下にあるここをタッチすると――」
パシャっとシャッター音がスマホから出て俺とルーシー姉さんの画像が撮影できた。
撮影した写真を確認してみると、笑みを浮かべている俺と、不思議そうに画面を見ているルーシー姉さんがいた。
「ほら、これが写真だよ」
「……えっ、動いてない……えっ?」
その写真を見て、ルーシー姉さんは写真を凝視して困惑しながらもどこか興奮している様子だった。
よし、驚いている二人に追い打ちをかけてやるぞ。録画オン!
「こんにちは、アーサー・ランスロットです!」
俺はスマホに向けて手を振りながら笑顔で挨拶する。そしてルーシー姉さんに視線を向けると、意図は分からないようだったが。
「ルーシー・ランスロットよ!」
元気よくスマホに向けて手を振りながら言い放ってくれた。
「僕はルーシーお姉ちゃんが大好きです!」
「私は世界で一番アーサーのことを愛しているわ!」
これくらいでいいかと録画ボタンを再び押して撮影を終える。
「これは何をしていたの? よく分からずに言ったのだけれど」
よく分からずにできていたのなら、動画投稿サイトで投稿者としてバッチリだろう。
こういう世界で誰がどういう才能を持っているかなんて分からないものだからな。むしろそれだけ人材が埋まっていることになる。
とりあえずさっき撮影した動画を再生し始める。
『こんにちは、アーサー・ランスロットです!』
『ルーシー・ランスロットよ!』
「へ……何これ⁉」
「これが動画だよ」
動画を見てさっきの写真よりも驚いた反応をしているルーシー姉さんに内心ムフフと笑ってしまう。
「見せて見せて!」
「うん、いいよ」
目を輝かせてお願いしてくれるルーシー姉さんにスマホを渡す。
「ここで動画を再生できたり、ここを移動させたらどこからでも再生ができるよ」
「こんなことができるのね……!」
ルーシー姉さんは何度も何度も再生を繰り返していた。
ここまで見るということは、かなりハマってくれるだろうな。それならルーシー姉さんのストレスを発散させることができる。
「ルーシーお姉ちゃんのスマホに機能を追加するから貸して?」
「あっ! そうよね!」
ルーシー姉さんはすぐにポケットからスマホを取り出して俺はそれを受け取ってすぐに機能を追加する、というよりも機能を解放した。
最初からカメラの機能は搭載されていたけれど使えなかっただけだ。
ここでルーシー姉さんのスマホに思い付く機能を追加することもできるけれど、一度に説明するよりも段階で開示した方が効果的だろうからしない。
「はい、追加できたよ」
「早速やってみたいわ!」
「うん。このレンズがスマホの目みたいなところで、ここで写真、ここで動画をとることができるよ」
写真と動画のとり方をルーシー姉さんにレクチャーして、ルーシー姉さんは俺にカメラを向けてきた。
「アーサー! お姉ちゃん大好きって言って!」
「ルーシーお姉ちゃん! 大好きだよ!」
「私もよ!」
満面の笑みでそう言うとかなり興奮している様子のルーシー姉さん。
数秒しか撮影していない動画を何度も繰り返して見ているルーシー姉さん。
全能を使ってお姉ちゃん大好き光線を放ったんだから、こんな反応になるのは当然と言えば当然か。
この全能を使えば、前世でとてつもない人気の有名人になれるのは間違いない。まあそんなことは絶対にしないけどね。
俺が目指している社会は前世みたいに情報が行き交う社会で、そういう世界だとアイドルや俳優、芸能人などの有名人の活躍が欠かせない。
映画、ドラマ、バラエティーなど、こういう世界でそれを広めるのも面白そうだ。
ただそういう有名人がいないわけではない。舞台は存在していて役者もいる。でもそれを見るのは貴族だけみたいな感じだな。
俺が最初に広めたとしても、絶対に関わらないけどね。俺はネットを部屋でダラダラ見るのを目標にしているんだから。
「アーサー! 次は写真!」
「イエーイ!」
ルーシー姉さんの要望にダブルピースで応える。
これで少しはルーシー姉さんのストレスは解消できるな
二日目はベラの授業とお父上様に代わってパスカルによる戦闘の授業。
三日目には武器の授業がないだけでルフェイの魔法の授業、ベラの一般教養の授業があった。
ルフェイの授業では見事魔法陣を展開、そして見事に風魔法で部屋の中を吹き飛ばすということをしてしまった。
ルフェイは微笑みながら何も気にしないでいいと言って魔法で元通りにしてくれたから、本当にいい人なのだろうなと思った。
そしてベラの授業も本当に何もなく、ただただ知識を詰め込むだけで終わった。それが勉強というモノだから代わり映えしなくて当たり前か。
「それにしても……これを何とかしないとなぁ……」
俺が握っているスマホには、あり得ないほどの着信履歴が残っていた。相手はもちろんルーシー姉さんとシルヴィー姉さんの二人しかいない。
鍛練があった三日間は、朝食や夕食で顔を合わせはしたが遊ぶということを全くできなかったから、その分の反動で電話をかなりかけてくるのだ。
どんだけかけてくんだよ、ヤンデレか?
驚いたのはシルヴィー姉さんもかなりかけてきたことだ。これも練習の成果か。
本当なら喜ばしいことなのだがな、こんな状況でなければ。
俺の鍛練の時間を減らしたもらうことはできないだろうな。早めに俺を鍛え上げるために鍛練を開始したのだから、鍛練の時間を減らすことは意味が分からない。
それなら何かでルーシー姉さんとシルヴィー姉さんに気を紛らわせてもらうしかないわけだが。
「……カメラ。カメラにするか」
ゲームも一瞬よぎったが、それはまだ全然早すぎる。まだスマホの基本機能で満足してもらえるのならそれにこしたことはない。
写真と動画なら、かなり満足してもらえるだろう。その機能は現代でもいつまでも使われている機能であるから、中世ヨーロッパみたいな人たちに満足できないわけがない。
今日は俺とシルヴィー姉さんとルーシー姉さん。三人とも鍛練や授業がない日だから、ルーシー姉さんあたりは俺の部屋に来そうだ。
てか、シルヴィー姉さんは俺の服を差し上げていれば満足してくれそうだが、それはそれで俺とのコミュニケーションがはかれなくなる可能性が出てくるからやめよう。
未だに俺が起きていると俺に目を合わせてくれないし喋ってはくれない。寝ていると思っている時は好き好き口撃を連発しているのに。
これだと俺の服で我慢できなくなって起きている俺のところに来ても、喋れないような気がする。
シルヴィー姉さんの対処を考えていると、走っている足音が聞こえてきて、その足音がルーシー姉さんのものだと分かった。
「おはようアーサー!」
ルーシー姉さんが扉を蹴破る勢いで入って来て、ベッドに腰かけて考えていた俺にダイブしてきた。
「わっ! ルーシーお姉ちゃん!」
ルーシー姉さんに押し倒されてベッドに後ろから倒れる。
「すんすん、あー、アーサーの匂いだわぁ……アーサーと遊べなかったから全然楽しくなかったわぁ」
「僕もルーシーお姉ちゃんと遊べなくて寂しかったよ!」
「ホント? それなら相思相愛ね! うーん、この匂いがないと寝れないくらいに好きかもしれないわ……」
ちょっとぉ? シルヴィー姉さんと同じことをしていますよ?
「僕そんないい匂いがする? 僕は何も感じないんだけど……」
「すっっっごくいい匂いよ! どんな匂いよりも安心するし、落ち着くし、一生忘れられない匂いよ……」
俺の胸に顔を埋めて深呼吸をして、まるで俺の匂いをすべて吸い込もうとしているルーシー姉さん。
シルヴィー姉さんもベラもルーシー姉さん。これだけ証人がいるのならこれはもう確定だな。
俺の匂いはフェロモンか何かは知らないが、そういう成分が含んでいるみたいだ。ハァ、勘弁してほしいけど今のところ実害はないからいいか。
後々面倒ごとになったとしても、どうすることもできないから放置しておこう。
目の前のルーシー姉さんに目を向けると、匂いを嗅ぎながらもふつふつと怒りを燃やしている感じだった。
「あー、少し腹が立ってきた……お父さんはどうして一年も早くアーサーの鍛錬を始めたのよ! おかげでアーサーとの遊ぶ時間が減ったじゃない!」
まああの着信やメールの状況ならこうなるよな。このままだと鍛錬を受けないとか言い出すんじゃないのか?
「こんな生活が続くのなら我慢できないわ! お父さんに言わないといけないわね!」
あー、三日しか経っていないのにもう言い出してしまったか。
こうなってしまえば、ボロが出てスマホがバレてしまう可能性が出てくる。だからここで新しいスマホの機能を出してしまおう。
「実はね、そんなルーシーお姉ちゃんのためにスマホの新しい機能を考えたんだ! きっとお姉ちゃん気に入るから!」
「アーサーと遊ぶよりも? そんなことで私が満足するとは思えないわね。どんなもの?」
ツンとした態度をしているルーシー姉さんだが新機能はとても気になるようだ。
「前にルーシーお姉ちゃんには話したことがあると思うけど、外の光景をこのスマホの中に取り込む機能、カメラだよ」
「あー、前にそんなこと言ってたわね。それがついにできたのね!」
とてもワクワクしている感じのルーシー姉さん。今までの鬱憤が嘘のようだ。
ずっと抱きついていたルーシー姉さんに横に座ってもらってスマホを手に取る。
「お姉ちゃんのスマホにも機能を追加するんだけど、このマークをタッチすると……」
スマホを持つ手を少し遠ざけてカメラを起動すると、俺と隣にいるルーシー姉さんがスマホの画面に映っていた。
「鏡みたいね」
この世界でも鏡が存在しているからこの状態ではさほど驚きはしないのかな。まあこれからたっぷりと驚いてもらうけど。
「これはまだ準備段階だよ。今は内カメラ、ここの小さい穴から映している状態で、裏面にある小さい穴から向こう側も映すことができる、こうやって」
「それで?」
「ここの画面の下にあるここをタッチすると――」
パシャっとシャッター音がスマホから出て俺とルーシー姉さんの画像が撮影できた。
撮影した写真を確認してみると、笑みを浮かべている俺と、不思議そうに画面を見ているルーシー姉さんがいた。
「ほら、これが写真だよ」
「……えっ、動いてない……えっ?」
その写真を見て、ルーシー姉さんは写真を凝視して困惑しながらもどこか興奮している様子だった。
よし、驚いている二人に追い打ちをかけてやるぞ。録画オン!
「こんにちは、アーサー・ランスロットです!」
俺はスマホに向けて手を振りながら笑顔で挨拶する。そしてルーシー姉さんに視線を向けると、意図は分からないようだったが。
「ルーシー・ランスロットよ!」
元気よくスマホに向けて手を振りながら言い放ってくれた。
「僕はルーシーお姉ちゃんが大好きです!」
「私は世界で一番アーサーのことを愛しているわ!」
これくらいでいいかと録画ボタンを再び押して撮影を終える。
「これは何をしていたの? よく分からずに言ったのだけれど」
よく分からずにできていたのなら、動画投稿サイトで投稿者としてバッチリだろう。
こういう世界で誰がどういう才能を持っているかなんて分からないものだからな。むしろそれだけ人材が埋まっていることになる。
とりあえずさっき撮影した動画を再生し始める。
『こんにちは、アーサー・ランスロットです!』
『ルーシー・ランスロットよ!』
「へ……何これ⁉」
「これが動画だよ」
動画を見てさっきの写真よりも驚いた反応をしているルーシー姉さんに内心ムフフと笑ってしまう。
「見せて見せて!」
「うん、いいよ」
目を輝かせてお願いしてくれるルーシー姉さんにスマホを渡す。
「ここで動画を再生できたり、ここを移動させたらどこからでも再生ができるよ」
「こんなことができるのね……!」
ルーシー姉さんは何度も何度も再生を繰り返していた。
ここまで見るということは、かなりハマってくれるだろうな。それならルーシー姉さんのストレスを発散させることができる。
「ルーシーお姉ちゃんのスマホに機能を追加するから貸して?」
「あっ! そうよね!」
ルーシー姉さんはすぐにポケットからスマホを取り出して俺はそれを受け取ってすぐに機能を追加する、というよりも機能を解放した。
最初からカメラの機能は搭載されていたけれど使えなかっただけだ。
ここでルーシー姉さんのスマホに思い付く機能を追加することもできるけれど、一度に説明するよりも段階で開示した方が効果的だろうからしない。
「はい、追加できたよ」
「早速やってみたいわ!」
「うん。このレンズがスマホの目みたいなところで、ここで写真、ここで動画をとることができるよ」
写真と動画のとり方をルーシー姉さんにレクチャーして、ルーシー姉さんは俺にカメラを向けてきた。
「アーサー! お姉ちゃん大好きって言って!」
「ルーシーお姉ちゃん! 大好きだよ!」
「私もよ!」
満面の笑みでそう言うとかなり興奮している様子のルーシー姉さん。
数秒しか撮影していない動画を何度も繰り返して見ているルーシー姉さん。
全能を使ってお姉ちゃん大好き光線を放ったんだから、こんな反応になるのは当然と言えば当然か。
この全能を使えば、前世でとてつもない人気の有名人になれるのは間違いない。まあそんなことは絶対にしないけどね。
俺が目指している社会は前世みたいに情報が行き交う社会で、そういう世界だとアイドルや俳優、芸能人などの有名人の活躍が欠かせない。
映画、ドラマ、バラエティーなど、こういう世界でそれを広めるのも面白そうだ。
ただそういう有名人がいないわけではない。舞台は存在していて役者もいる。でもそれを見るのは貴族だけみたいな感じだな。
俺が最初に広めたとしても、絶対に関わらないけどね。俺はネットを部屋でダラダラ見るのを目標にしているんだから。
「アーサー! 次は写真!」
「イエーイ!」
ルーシー姉さんの要望にダブルピースで応える。
これで少しはルーシー姉さんのストレスは解消できるな
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