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学園編
第十七話
しおりを挟む(アリア視点)
ここは私の世界。私が1番に輝ける世界なの。
私は最初から前世の記憶を思い出してた。最初からっていうと少しおかしいかもしれないけど、小さい頃からこの世界に無い言葉が分かってたから間違いではナイと思うの。
そしてこの世界が前世で大好きだった乙女ゲームの中だって気づいたのは、王太子様の絵姿を見たとき。あの時はびっくりしたけど感動したなぁ~!結構好きなケータイの乙女ゲームだったし、課金も少し?しながらやり込んだわ!
そして確信した。私がヒロインだ!
あまりヒロインのビジュアルが出なかったけど、ピンクっぽいサラサラヘアーだったし、こんなにも可愛いんだから間違いないわ!!
だから今はまだこの家にも我慢できる。
顔はそこそこ良いけど人が良すぎてカモられている父と、そんな父の顔にベタ惚れな普通の母。
平民だから綺麗な服は着れない。化粧も出来ない。宝石とか綺麗な装飾も買えない。
でもこの国の王太子様と結婚できれば全部できる!全部私のモノになる!!
そうと決まれば忙しいわ!
私はヒロインなんだから先ずは綺麗にならないとね♪
***
なんで?ねぇなんでっ?!
どうしてうまくいかないのっ!?私はちゃんとしているのに!!
王太子様以外にはちゃんと攻略できるのになんで?!
でも一代限りの騎士爵の息子とか地味過ぎる!宰相息子は貴族だしお金持ちだけど
私の1番好きなのは王太子様なのよ!私は将来王妃になるんだから!!
だから王太子様が攻略できないと駄目なのよ!!
それなのにあの王太子様は………優しく笑顔をくださるけど2人っきりで勉強見てくれるイベントや、魔法ゲームのイベントとか全部全部違う人回しちゃうんだから!!!!
こんなに美少女が頼んでるのになんでよーっ!!
…………あっそうだ、課金アイテムを使えばいいんじゃない?それなら簡単だよね。確かこのクラスに1人だけ商家の息子がいた気がする……。地味だからうろ覚えだけど。
そうだよ!クラスにいる商家の息子って大体お助けキャラだよね~♪
美少女の私が頼むんだから聞いてくれるはずだわ!多少のお金はあるけど……美少女が頼んだら割引してくれるかも?うふふ♪
ーーーーアイツが商家の息子かぁ~。……地味だなぁ。私には相応しく無いわ~。まぁモブだから仕方ないか。でも……
「はじめまして!私はアリア・エヴリーっていうの。これからよろしくね♪」
「はい。よろしくお願いします~」
こんなに可愛い私が笑顔で挨拶されたら惚れちゃうかな?もしそうだったらごめんね~!私の王子様は決まってるんだ~♪
「同じ平民出身なんだから敬語なんていらないよ~!アリアって呼んでね♪」
「はい。ありがとうございます~」
「それでね!アラン君のお家って商会やってるんだよね?"天使の雫"って商品を売って欲しいんだけど……」
「………"天使の雫"…ですか?
申し訳ありませんが我が商会では取り扱っていない商品ですね~。他の商会にご確認ください~」
「えっ?」
「ではまた~」
えっ?えぇっ?!嘘でしょ………なんで??
こんな可愛い美少女の私が、お願いしているのになんであっさり帰っちゃうの?
「あっ!そうか……ちょっと調べてくれるのかな?あともしかして私と話すと緊張しちゃうから逃げちゃったのかな?」
結構可愛いところあるじゃん~!
あと美少女って大変~♪でも悪い気にはならないわ~うふ♪
じゃあ少しだけ待ってあげようかな♪
***
おかしい……あれから結構経ったのに……。
「アラン君!"天使の雫"は入荷した?」
「ですから~取り扱ってないんですよ~」
「まだ入荷してないの?!いいから早く入荷させてよ~!!あれ無いと私困っちゃうの……。ねぇお願い?」
美少女の上目遣い+涙目のお願いだよ!これならイチコロでしょ♪
「そう言われても無い物はないんですよ~。ごめんなさいね~」
「えっ?いやいや、待ってアラン君!!」
あっさり行こうとするから慌てて腕を掴んで止めるけど
「離してくださいよ~。」
えっ?なんですぐに離れようとするの??
あっ!照れてるのかな?この子モブ顔すぎて分かりづらいよ~!!
「お願いだから私の話を聞いて!」
「また今度でお願いします~僕、これから約束があるのですみませんが失礼しますね~」
掴んでいた腕をするっと抜けられ、手を振られる。えーっ?!なんでー?!
最近なんか上手くいかない…なんで?私はちゃんとしているのに……。
王太子様だってにこやかな笑顔だけど悪役令嬢の人と仲が良いみたいだし……なんで?嫌々の婚約者なんだよね?
やっぱり課金アイテムを使わないと駄目なんだよ。前もそうやって攻略したんだから今回もそうやらないと駄目なんだ!!
「アラン君待ってー!」
慌てて追いかけるとアラン君はモブの女の子と話しているようだった。とても、嬉しそう………?えっ?私がさっき話しかけた時と違くない?
ーーーーそう考えたら目の前が真っ赤に染まったーーーーーー
そこからの記憶は全く無い。気付いたらベットの上で寝ていた。
「あれ?………なんで私はここにいるんだろう………?」
確か……モブキャラのアランを追いかけた気がするんだけど……ここは私の寮の部屋だわ。
ーーーー結構可愛くレイアウトしてるんだけど、平民だから部屋の大きさはとても狭い。でも今だけだから我慢できる。だって私は王太子妃になるんだから。そうしたら大きな綺麗な部屋になるんだわ!
とりあえず部屋から出て、ご飯を食べに行こう。お昼もまだ食べてないからお腹すいちゃったな~。
ーーーーーガチャガチャッ
「なんで開かないの~?!ちょっとー!!誰かー!!」
扉には外から鍵がかかってるの?!これ内鍵のドアよね?なんで?!
ーーーーートントントンッ
「失礼致します。エヴリーさん起きられましたね。」
「はい……。」
いやーーん!!チョーきっびしい寮母さん来ちゃったー!!普通寮母さんってふくよかな優しい人じゃないの~?
「貴女は何故部屋にいるか理解していますか?」
「いえ……私、確か教室にいたはずなんですが……。」
「そうですか……。はぁ……」
めっちゃ溜め息はかれた!なんか失礼しちゃう!!この人いっつも口煩いから嫌っ!
「貴女は魔力にあてられ気絶したのでこちらに運ばれました。また、貴女には一週間こちらで大人しくして頂きます。つまり外出禁止です。くれぐれも大人しくしていてください。詳しくは王太子殿下から通達があると思いますので。」
「えっ?……つまり授業はお休みですか?」
えっ?早口すぎてよくわからないんだけど…
「はい。授業等も参加出来ません。王太子殿下からのお言葉もありますが、くれぐれも大人しくしていてくださいね。」
「はい………。」
よく分からないけど……寮母さんはさっさと退出してったからいっか!
とりあえず私は魔力にあてられ?気絶したってことだから……それで大事をとってお休みってことかな?
王太子様がそう言ってたってことは……王太子様って心配性なんだね~!私のことが心配なんだ~うふふ♪
少しゲームの時よりも好感度低いのかなって思ったけど……こんなに心配してくれるならやっぱり私のこと好きってことじゃん~♪
じゃあ私は一週間休んで、その後に元気な姿を王太子様に見せにいかないとだね♪
うふふ♪王太子様に会えるの楽しみだな~♪
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ヒロイン、どうしてそうなった(笑)
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おすすめから来ました。めっちゃ面白いです!テンポ良くて読みやすいです!
途中色々あったようですが、削除せず残してくださってありがとうございます✨
もう5年程更新が止まってるようなので恐らく続きは出ないのでしょうがもし気まぐれに更新されたら読みますので!!!!
批判的な奴らの事を気にするなと言うのは難しいでしょうが、私は貴方の作品が好きです。他にも沢山の人が応援してると言う事を忘れないでください。
更新楽しみに待っています。いつまでも。
久しぶりに読みました。
是非是非続きが読みたい作品です。