モブに転生したので前世の好みで選んだモブに求婚しても良いよね?

狗沙萌稚

文字の大きさ
上 下
13 / 18
学園編

第十二話

しおりを挟む
本日2話目です。


============================






学園が始まって数週間、だいぶ生活には慣れてきたかな。初日に挨拶したエイダとも今では呼び捨て&普通に笑い合える仲になった。
クラスも大体のグループができたけど、うちのクラスの仲は良好だから安心。

他のクラスではやはり身分によって肩身の狭い思いをしている人がいるみたい……。
一応学園内は平等を謳っているんだけどね。やっぱり身分差はどこでもあるよね~。
そんな身分社会でも、たまに例外はある訳で……

「聞きました?Sクラスの"光の乙女"の方!今度はAクラスの公爵家の方と2人でいらっしゃったみたいよ!」

「聞きましたわ~!あの代々宰相を務めていらっしゃる方でしょう?少し前迄は騎士団長の御子息だったのに……」


例外……光の魔法適性があって平民ながらSクラスになったヒロイン(仮)が凄い話題になっているのよね~……。


「リリーどうしたの?」

「エイダ!……いえね、最近頻繁に"光の乙女"の名前を聞くなぁって思ってね。」

「あぁ……。彼女って凄いわよね。
騎士団長の御子息の方の時は、お父様が一代限りの騎士爵だから本人には爵位は無いし、婚約者もいないからあまり騒がれてなかったけど……。今度は公爵の方だもんね~。流石に婚約者がいらっしゃる方とのは皆気になっちゃうわね。」

「ほぇ~……エイダって詳しいのね……」

乙女ゲームで騎士団長の息子とか、宰相の息子、後は魔法師団の息子とかは攻略対象のあるあるだよね。
私は王太子様ルートは大体覚えてるけど、他の攻略者のことはさっぱり覚えてない……。確実に全員クリアしたと思ったんだけどな~……。


まぁ話は戻して……今話題の"光の乙女"と言われている、アリア・エヴリー嬢が多分ヒロインだと思う……。何故多分かと言うと、ヒロインのことも覚えてません!あまりヒロインのビジュアルが出ないゲームだったしなぁ~…。でも確かヒロインも王太子様と同じクラスだったから、光魔法が使えて同じクラスなのは理にかなっているし……。
私も彼女がヒロインかなとは思っている。
まぁ~彼女がヒロインでもモブの私には関係無いからね。入学してから遠目で見ていただけだし……うん、大丈夫!


「リリー大丈夫?」

「えぇ。大丈夫……ちょっと考え事してただけだから。」
 
「あぁ……貴女ののこと?大丈夫よ!彼はあの子に話しかけられても気にもとめて無いみたいよ。ほとんど外用の笑顔で対応しているみたいだし。」

「ええっ?!」

「あれ?知らなかったの??」

「うん、知らなかった……。アラン君も何も言わないし……。」

アラン君とは毎日お昼ご飯を食べてるし…帰りもタイミング合えば一緒に寮まで帰ってるんだけど……。


「まぁ~彼も何にも無いかは言わないんじゃない?聞いた話だと、迷惑がっているらしいわよ。」

「そうなんだ……。……まぁ私はアラン君に何か言える立場じゃないからなぁ……。」

私は婚約者候補……って言えば良い方だけど、実際はただの幼なじみの位置づけでしか無い。問い詰める資格など私には無いんだ……。






***





先程エイダにはあぁ言ったし、問い詰めれないのは分かってはいる。……でも気になるのは気になる!
なのでこっそりとSクラスに行ってみよう~!

アラン君には迎えに来ないでいいって言われてるんだけど……なんでかな?



「あっ……終わったかな?」


数人が教室から出てきたのでこっそりとSクラスを覗いてみると……いたっ!やっぱりアラン君かっこいい~♪
クラスの中でのアラン君ってどんな風なんだろ?いつも聞いても"普通だよ~"ってしか言わないかなら~……


……………うん。アラン君めっちゃ営業用笑顔でいらっしゃるね。てか商売してる?!学園内の販売やっていいのかな?
何人かに紙袋を渡してるけど……お金は受け取っていないからセーフ?プレゼントだったら大丈夫だもんね!そう思おう!!

「……あっ」

あの子だ。アリア・エヴリーさん……ピンクの髪が腰まで長いサラサラヘアーは1人しかいないもんね。
アラン君の所まで来て………話し声は聞こえないか…………えっ?でもなんか腕に縋ってる?てかくっついてる?あんなにくっついていいの?!

「……………ねぇ。」

私だってあんなにくっついた事無いのにー!!
アラン君はいつもの営業用笑顔だけど……あの笑顔で勘違いする子だっているかもしれないのに…………

「………ねぇ、ちょっとそこの貴女!」

「はっ、はいっ!!」

「やっと気づいてくださいましたわね。」

「もっ、申し訳ありません。」

ヒェェェェ!!全然気づかなかったよ………
……誰だろう?波打つ赤髪が綺麗なものすごいナイスバディな女性は……?

「いえ、ワタクシの方こそ突然お声掛けしてしまってごめんなさいね。
申し遅れましたわ、ワタクシはノルディック公爵家長女、オリビアと申します。貴女のお名前をお伺いしても?」

「はいっ!私はシグニワ子爵家三女、リリメアールと申します!!オリビア様に御目通り頂けてとても嬉しく思います。」

ヒェェェェ!!まさかの公爵令嬢登場とは!慌ててカーテシーをして自己紹介をさせていただきます。怖いけど。だってノルディック公爵家は名門貴族!しかも……確かオリビア様は王太子様の婚約者だったような…?

「ありがとう。どうぞ楽になさって。
……それで貴女はここで何をしているのかしら?まさかと思うけど………レイモンド殿下に逢いに来られたの?」

「いえっ!私なんかが王太子殿下に御目通り等恐れ多いです!」

「じゃあどうして子爵家の貴女がSクラスに?こちらには高貴な方々しかいませんわ。」

「わっ、私は、友人が、こちらのクラスに所属していまして……その方の迎えにきました…。」

本当の事を言っているのに体が竦む。なんだろうこの緊張は……。空気が重い気がする……。

「そうでしたの……。突然ごめんなさいね。
……最近殿下の側に近寄る礼儀知らずの方がいらっしゃるって聞いたので……」

「いえ、滅相もありません。私は大丈夫です。」

良かった……さっき迄の空気は無く、オリビア様からとても優しい雰囲気が漂ってきた。
思わず息を深く吐いてしまう。

「メアリー?どうしたの?」

「あっ!アラン君!!いや、あの、迎えにきました……。
オリビア様、こちらが私の友人です。」

「まぁ、はじめまして。ワタクシはノルディック公爵家長女、オリビアと申しますわ。」

「ご丁寧にありがとうございます。先程リリメアール嬢から紹介がありました、私はアラン・ゴドウィンと申します。家は商家をしております。」

「あぁ…貴方が平民ながらも闇の魔法適性があってSクラスに所属しているという……。
そう、良く分かったわ。リリメアール様、お引き留めしてしまってごめんなさい。ワタクシは失礼しますわ。」

「はい……。ありがとうございました(?)」

よく分からないけど……とりあえず無事に終わってよかった……。

「アラン君、突然きちゃってごめんね。」

「いいよ~……。とりあえずここにいると厄介だから食堂に行こっか~。」

「うん。じゃあ…「アラン君!待って」」

  

今度は誰じゃーーーーい!!






しおりを挟む
感想 96

あなたにおすすめの小説

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

私はモブ嬢

愛莉
恋愛
レイン・ラグナードは思い出した。 この世界は前世で攻略したゲーム「煌めく世界であなたと」の世界だと! 私はなんと!モブだった!! 生徒Aという役もない存在。 可愛いヒロインでも麗しい悪役令嬢でもない。。 ヒロインと悪役令嬢は今日も元気に喧嘩をしておられます。 遠目でお二人を眺める私の隣には何故貴方がいらっしゃるの?第二王子。。 ちょ!私はモブなの!巻き込まないでぇ!!!!!

【完結済】けもみみ悪役令嬢は婚約回避する。~前世の推しを諦める決意をしたのに運命の番なんて~

降魔 鬼灯
恋愛
前世嵌まった乙女ゲーム『あなたに天上の音を』の世界で、もふもふの白い虎耳がご自慢の侯爵令嬢アンドレア・サンダーウッドに生まれ変わった。 しかし、彼女は、ざまあされる悪役令嬢だった。 前世の推しのクロード殿下との婚約を回避して、ざまあされる運命から逃れたい。 でも、獣人に生まれ変わって初めてわかった真実。それは、クロード殿下が自分の運命の番だということで…。 このままでは、クロード殿下が好きすぎてゲーム以上にヤバいキャラになりそう。 アンドレアは煩悩と本能に打ち勝てるのか? もふもふをもふりたいのに、クロード殿下に1日三回ブラッシングされもふりたおされるアンドレア。 アンドレアは気付いていませんがクロード殿下に溺愛されてます。 完結済み。1日二回ずつ更新予定です。

生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~

こひな
恋愛
市川みのり 31歳。 成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。 彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。 貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。 ※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。

転生令嬢の涙 〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜

矢口愛留
恋愛
【タイトル変えました】 公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。 この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。 小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。 だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。 どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。 それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――? *異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。 *「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

(本編完結)無表情の美形王子に婚約解消され、自由の身になりました! なのに、なんで、近づいてくるんですか?

水無月あん
恋愛
本編は完結してます。8/6より、番外編はじめました。よろしくお願いいたします。 私は、公爵令嬢のアリス。ピンク頭の女性を腕にぶら下げたルイス殿下に、婚約解消を告げられました。美形だけれど、無表情の婚約者が苦手だったので、婚約解消はありがたい! はれて自由の身になれて、うれしい! なのに、なぜ、近づいてくるんですか? 私に興味なかったですよね? 無表情すぎる、美形王子の本心は? こじらせ、ヤンデレ、執着っぽいものをつめた、ゆるゆるっとした設定です。お気軽に楽しんでいただければ、嬉しいです。

私はモブのはず

シュミー
恋愛
 私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。   けど  モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。  モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。  私はモブじゃなかったっけ?  R-15は保険です。  ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。 注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。

処理中です...