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学園編
第九話
しおりを挟む手を繋いで歩いていると、先程の耳破壊ボイスからちょっと慣れてちゃんと歩けるように……。
アラン君はニコニコとなんか上機嫌そうだけど…?
「あらら~着いちゃったねぇ~」
「えっ?あー…本当だ…。アラン君、お昼は一緒に食べよう?」
「いいよ~。先に終わった方が教室に迎え行くでいいかな~?」
「分かった。アラン君、Sクラス大変だろうけど頑張ってね!」
多分ね~と言いながらSクラスに行っちゃった…。アラン君大丈夫かなぁ?
さて、私もこれから3年間通う教室だから頑張らないと……お友達もできるといいなぁ~
………しっかし良く見ると日本の高校の教室みたい……。流石日本が作った乙女ゲームね。
後ろの引戸を開けると、もう既に何人か生徒がいたみたいでチラホラ席が埋まっている。
……机と椅子は固定されているのね。
ちょっと昔の高校みたいな机と椅子だったら懐かしかったのに残念だな~。
まぁ貴族の子にあの机と椅子だとアンバランスか…笑
席は決まってなさそうなので、適応に窓際へ座ると目の前の人物が振り返った。
「はじめまして。私、アジュール子爵家長女、エイダと申します。これからよろしくお願いしますわ。」
「はじめまして。私はシグニワ子爵家三女、リリメアールと申します。こちらこそよろしくお願いしますわ。」
くりっとした可愛い印象のゆるふわヘアーの女の子だ。………推定おっぱいサイズはCかな。……羨ましい……。
他にも同じ子爵家の方々や男爵家の方々と挨拶をして過ごせた。このクラスは大体同じ位の家格の方が多いようだから、下手な身分によるいじめとかは無さそうで安心だなぁ~。
仲良くなれそうな友人も出来たし……。
そうなるとやっぱりやっぱりアラン君の方が心配だな~………大丈夫かなぁ?
***
(アラン視点)
凄くめんどくさい……。なんで風魔法だけじゃなくて闇魔法の適正も出ちゃったんだろう……。
でも風魔法だけじゃなんで人の感情が分かるのか説明出来なかったから……ちょっと納得している部分もあるけどね。……でもめんどくさい……。
闇魔法が無ければメアリーと同じクラスだったかもしれないのに……。
メアリーは変わっていると思う。
小さい頃に、俺の見た目をかっこいいと言ってさらに結婚したいと言った。
いくら子爵家だからといっても、探せば条件の良い貴族のところへは簡単に嫁に行けるだろうに…平民の俺の所がいいらしい…。
いくらそこそこ大きな商会とはいえ、うちの商会は良くて中の上くらいにしかなれない。王都の商会は別にいっぱいあるんだから。
学園に入る前に送られてた手紙を見ると、料理も最近は色々と作らせてもらえるようになったらしく、嬉しそうな文面が伝わってきた。貴族の娘が料理を嬉々としてやるなんて……本当に変わっている。
他にも掃除やら自分の支度とかもメイドに教わったから一通りのことは自分でできるらしい。
メアリーは俺の何がいいのかさっぱり分からない。
でも俺も、メアリーのことを恋愛で好きなのかも…良く分からない。
顔は平凡だけど、そこそこ大きな商会の息子、伸びた身長等でたまに仕入れ先でお誘いをされる時がある。
なんとなくメアリーの顔がチラつくから受けた時は無いが……。
胸が大きい女性とかいるとやっぱり目に行ってしまうし、正直におっぱいは好きだ。てか嫌いな奴はいないだろう。
そう考えると…メアリーはまだまだ足りないなぁっと思っている。……まぁ本人には言えないが。本人はまだ諦めてないみたいだし。
今まで仕入れやら父さんの仕事に付いて回った俺と違って、メアリーの世界は狭かった。
たまに母か姉のお茶会に一緒に行くくらいだと聞いた。
この学園には様々な生徒がいる。そこでメアリーの世界が広がるだろう。
…そうすると俺たちの関係も変わるのだろうか?
まだ分からないが、もし変わるならメアリーに対して抱いてるこの感情も親愛か、友愛か、それとも別の感情か……分かるようになるだろうか……。
そう考えると、このめんどくさい教室も少しだけ悪くないと思ってきた。
……まぁあまり仲良くはなりたくないが。
平凡な俺は出来れば学園生活も平凡に行きたい。
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遅くなり申し訳ありませんでした。
アラン君は色々と拗れてます。笑
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