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幼少期
第三話
しおりを挟む5歳児やっかいだわ………。全然泣き止めなかった……。でも一通り泣いたらスッキリしたわ~。アラン君はずーっと背中を撫でてくれて本当に天使。まじで尊い。拝みたい。
「アラン様…いきなり泣いてしまい申し訳ありませんでした…。あと、ありがとうございます…。」
「いいよぉ。落ち着いた?」
「はい……。」
落ち着いたけど……アラン君が可愛くて心臓ドキドキだよお!!!
「あの、アラン様………もしよろしければ、私とお友達になって…くださいませんか……?」
「いいよぉ~」
「突然嫌ですよね、でも私同年代のお友達って一人もいなくて…あっ!勿論変な意味ではナイですよ!ただ、アラン様とはもうちょっと、その、仲良く…なりたいなって思いまして…」
「だからいいよぉ~」
「本当に下心なんて、無いんですが……いやちょっとなら……って、えっ?!いいんでしょうか?!」
「別に断る理由ないし……」
「ありがとうございます…!!」
やったぁぁ!!!アラン君のお友達になれたぁぁ!!
「じゃあ早速遊ぼ~。何して遊ぶ?木登り以外がいいなぁ~」
うっ…!!忘れられてないか……。
「勿論木登りはしません……。アラン様はいつも何して遊んでいますか?」
「うーん……追いかけっこや冒険ごっことか…あとボール遊びとかかな?」
「冒険ごっこ!私冒険したいです!!」
「よし!じゃあお庭の探検をしよ~!」
おーっと拳を突き上げ、アラン君と一緒に駆け出す。いつも一人だから誰かと駆けるのって楽しい!
***
推しとの冒険ごっこ楽しい~♪
見慣れた家の庭だけどアラン君と一緒なら全部が新鮮に見えて本当に楽しい!!
そしてアラン君博識!お花の名前とかもスラスラ言えちゃうしかっこいいわ~!!
「メアリーはどうして僕と友達になりたかったの~?」
「えっ?………同じ年頃のお友達がいなかったので……」
「ふ~ん……」
なんか……凄くニヤニヤしている……。
その顔もちょっと意地悪っぽくて可愛いです。……鼻血出そう…。
「駄目でしたか?」
「いや~そんな事ないよぉ。でも…なんか僕と友達になりたいって言う別の理由がありそうだなぁって思ったんだ~」
なんと!私の下心が透けて見えてるのかしら…!!
確かにアラン君と友達になって、あわよくばそのまま恋仲になって、ゆくゆくは結婚したいんだけど……
えっ?これ言って引かれないかな?大丈夫かな?
「ねぇ、僕の気のせい?」
はうぅぅ!!!幼児かわえぇ……!!
「気のせい…じゃないです……。」
「やっぱり~!ねぇ、教えて?僕怒らないし」
「……引かない?」
「うん、勿論~」
もう…アラン君におねだりされたら断れないことが分かった……。貢ぎすぎないように今から気をつけよう。でも推しに貢ぎたくなるオタクの性が……
「……結婚…したいです…。」
「えっ?」
「…だから!アラン様がとってもかっこいいから!将来はアラン様と結婚したいんです!!」
ーーーーーーーーシーン
やっっっばぁい!!結構素で叫んじゃった…
えっ?アラン君引いた??お嫁さんにしてくれない??それとも木から落ちるお転婆な女の子は嫌い??推しに失恋とか………死にそう………
「……………ふっ、…………ふふっ」
「えっ?」
あれ?アラン君の肩が震えてる…?顔は俯いて見えないけど…
「ふふっ…ふくっ、ふふふっ!!」
アラン君…めっちゃ笑ってる……。もうお腹抱えちゃってるし……
「アラン様、いっそのこと普通に笑ってください……。」
「ごっ、ごめんねぇ~…ふふっ」
それから約10分間はずっと笑っていました……。可愛いから許す!ちょっと乙女心は傷ついたけど!!
「ふぅ~……ごめんねぇ~」
「いえ……私も突然失礼しました……。アラン様が落ち着いて良かったです……。」
穴があったら入りたい……。
「ふふふっ……。さてと……さっきの話だけど、メアリーは僕が好きだから一緒にいたいんだねぇ?
僕がゴドウィンの子供だからじゃないんだ?」
「ゴドウィンの子供?……何かあるんですか?」
「僕、ゴドウィン商会の息子だから結構有名なんだ~。不本意だけど。」
最後の一言がとても低くて……ちょっと怖いけど深くは聞かないでおきましょう……。
「あっ!今日お父様の所に来ている商家の!」
「……今気づいたの?僕はなんでここにいると思ってたの~?」
確かに……。アラン君がかっこよくて可愛くて何故我が家の庭にいるのか…気にしてなかったわ……。
「今度は知らない子供がお庭にいたら警戒してね~。」
「ごめんなさい……。」
「まぁ今はいいよ~。
メアリーからの好意の風の意味が分かったから……」
「えっ?今なんと…?」
こういのかぜ?なんのことだろ??
「なんでもな~い♪
それで……お嫁さんだっけ?本当に僕のお嫁さんになりたいの?なんで?」
「えっ?………かっこいいから……です。」
「僕かっこいいかなぁ~?自分で言うのも変だけど……僕は平凡だと思うよぉ?見慣れないからそう思うんじゃないのぉ?」
確かに……この世界の子供は自分の姉達くらいしかちゃんと知らない……。
前世のことを言うわけにもいかないし……。
「確かに…友達はいないので説得力は無いかもしれないのですが…
でも…でもやっぱり、私はアラン様がとても素敵だと思います!
最初は一目惚れですが……お話してみて、中身も……素敵……です。」
「ふぅ~ん……。そっかぁ~……。
でも僕ね、結婚するならおっぱい大きい人がいいんだ~。メアリーはおっぱい大きくなるかなぁ?」
「…………えっ?」
えっ?えぇっ?!まさかの……アラン君まさかのおっぱい星人!?こんな小さい幼児なのに?!
って小さいからか……?確かに小さい子って男女関係なくおっぱいとか大好きだよね………多分。
「将来……どうなるか分かりませんが……
私のお母様も、お胸は割と大きい方なので……可能性はあるかと……多分。
これから頑張れば大丈夫だと思います!!というか頑張りますので是非お友達からでも良いのでよろしくお願いしますっ!!」
「分かった~。じゃあ……婚約者候補ってことかな?よろしくね~。
あと僕も普通に話してるからメアリーも普通に話そうよ~。アランで良いよ~。僕別に気にしないから~。」
アラン君軽いなっ!そんな簡単に婚約者候補にしてくれるの?!とりあえずやったぁ!
「分かった……。でもアラン君って呼ぶね。あと人前だと戻っちゃうかもだけど……。」
「それでいいよ~。」
アラン君ののんびり口調まじで可愛い!
とりあえず婚約者…候補にもしてもらえたし!
「アラン君、お父様達には私がアラン君のこと…好き…なんだって言ってもいいかな?」
「いいよ~。じゃあ今から行こっかぁ。
僕のお父さんもいるだろうし~」
アラン君が手を出してくれたのでその手を掴み、手を繋ぎながらお父様達がいる屋敷へと走り出したーーーーーーーーー
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冒険ごっこという名のお庭散策。笑
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