物理重視の魔法使い

東赤月

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4. 変化

魔導器の欠点

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 あー、それは悪手じゃないか?
 障壁魔法を背にリンとクロムが防御魔法を発現させたのを視認し、心の中で呟く。さっきの試合で俺に回り込まれたことを反省してのことなのだろうけど、それじゃあ中から攻撃するのが難しくなる。
 いや、何か考えがあってのことなのかもしれないな。油断せずに最善手をとるとしよう。
 気を引き締め直して相手に近づいていく。攻撃が来ない分距離が縮まるのは早かった。あと十歩といったところで、ミスティの魔術式が形成を終える。

「降れ、『ライト・シャワー』」

 筒のような形状の魔導器、それを肩で支えるための太い革紐の長さを調整したのか、魔術式はかなり上を向いていた。そこから放たれる光弾は、数こそ多いものの飛距離はまるでなく、防御魔法を飛び越えてすぐに落下を始める。
 シルファやシイキへの攻撃じゃなくて、俺への牽制といったところか。けれどこの程度の密度なら問題ない。
 俺は落ちてくる光弾を避けつつ、リンが構えた傘のような魔導器、その先に形成された魔術式から発現した防御魔法に狙いを定める。

 ボボボン!

 楕円形魔術式から発現させた威力偏重の光弾が炸裂する。攻撃された防御魔法は破られはしないものの、確実に損傷を受けていた。
 お、そこは脆そうだな。重点的に攻めてみるか。
 光弾の雨に当たらないよう右に左にと移動しつつ、弱そうな箇所を執拗に狙う。魔導器によって形成された魔術式は脆くなった部分を補強するといった器用なことはできないようで、攻撃を集中させるとすぐに穴が空きそうになった。相手の薄膜は身に付けている魔導器にまで及んでいるため、このまま攻撃を続ければ光弾は魔導器の薄膜にまで届き、リンは戦闘不能になるだろう。

「ゴメン、もう……!」
「させない!」

 もう一押しといったところで、ミスティの攻撃が変化する。二つの防御魔法の前方に広く降らせるのではなく、範囲を狭めて攻撃の密度を高めてきた。
これは流石に避けきれない。けど――

「あ!」

 俺はリンの防御魔法への攻撃を中断すると、その隣、クロムが発現させた防御魔法の方へと移動する。ミスティが攻撃を集中させたことでこちら側、特に障壁魔法に近い場所は全く光弾が降ってなかった。
 ミスティは魔術式の向きを変えることで俺に狙いを向けようとするものの、両手で抱えた魔導器を正確に動かすのは簡単じゃないようで、動きが鈍い。
 その間に楕円形魔術式の形成を終えた俺は、そこから発現した手のひら大の防御魔法、落下するその面を強化魔法が付与された足の爪先で思いきり蹴った。

「『盾蹴り』!」
 バガァン!

 防御魔法越しに蹴りの衝撃を受けたクロムの防御魔法は大きな音を立てて破れた。足を戻した俺は防御魔法が修復される前に、驚くクロム目掛けて光弾を放つ。

 ボボボン!

 三つの光弾を受けたクロムの薄膜が、一瞬強い光を放って消える。これでクロムは戦闘不能だ。

「っと」

 遅れてやってきた光弾の雨を後ろに下がることでやり過ごす。さて、これで相手の防御力は半減。あとは――

「ぶった切れ!」
「っ!」

 リンの背後に隠れていたカールが魔導器を振りかぶっていた。光の線で繋がった三つの連なった魔術式の先から、赤い刃が覗く。

「『魔刃』!」

 伸びる刃が横薙ぎに振るわれた。しかし思ったより伸長速度は速くない。これも俺を狙ったもののようだ。高さは胴の辺りか。
 俺は体を沈ませながら、予測した刃の軌道上に、左右それぞれの手で形成した楕円形魔術式から防御魔法を発現させた。

 ガギィン!
「はぁあっ!?」

 手前、奥と、僅かな時間差で二ヶ所に力が加わった刀身は、手前に当たった箇所から折れていった。魔術式もそこまで大きくなかったし、強度が足りなかったんだろう。

「突き進め、『アイス・ピラー』!」
「斬り進め、『ブレイド・タプルート』!」

 背後からの声を聞いて高く跳ぶ。片手で発現させた防御魔法にもう片方の手でぶら下がる俺の下を、シルファの氷塊とシイキの黒刃が通過した。

 ドガァン!
「そこまで! チーム・シルファの勝利!」

 フィディー先生の宣言に、防御魔法もろとも三人の薄膜を破った大規模魔法が空気に溶けるように消えていく。ある程度地面が見えたところで、俺もまた防御魔法の維持を止めて地上に降りた。

「……完敗だね」
「……うん」
「四対三で二連敗となると、言い訳できませんね」

 そこにリンとミスティ、離れて身を守っていたクロムがやってくる。

「お疲れ。怪我はないか?」
「うん。薄膜が守ってくれたから」
「魔導器も、無事みたい」
「僕のことはそちらの教師の方が守ってくれました」
「良かった。カールは大丈夫か?」
「………………」

 三人に遅れて、カールがこちらに歩いてきた。魔導器を片手に俯いたまま、無言で足を進めている。

「どこか痛むのか?」
「……問題ねぇよ」

 それだけ言うと、俺の横を通り過ぎて障壁魔法の中心に向かう。強がり、じゃあなさそうだけど。

「まったくアイツは……。ごめんねユート、気にしないでいいから」
「悔しがってるだけ」
「他人を煽る割には、こういう時機嫌が悪くなるんですよね」

 ああ、そういうことか。

「まあ気持ちは分かるな。悔しいって思えるのはいいことだと思うし、俺は気にしてないぞ」

 俺もじいさんに負ける度に悔しくなって、その気持ちをバネに成長できたんだ。周りに八つ当たりしているわけでもないし、自分の力不足を良しとしない姿勢は好感が持てた。

「ユートって、すっごく大人だね。器が大きいっていうか……」
「うん。同年代でそんな反応した人、初めて」
「やはり強い人というのは心も立派なのですかね。先生の翼についても、何も言いませんし」
「ああ、翼か。えっと、気にしたほうが良かったか?」
「ううん、全然! ほら、普通、っていうか、大体の人は、翼人族ってだけで変わった目でみてきたりするじゃない?」
「先生は片翼だから、そういうこと、もっと言われる」
「失礼な人なんかは、どんな悪さをしたんだ、なんて言ってきたりもしますしね」

 そういうものなのか。変な考え方する人もいるんだな。

「翼がないから悪いなんて、馬鹿馬鹿しいよな。俺、翼がどっちもない翼人族の人知ってるけど、全然そんなことないし」
「はえー……。翼が無い翼人族……」
「先生と、話が合いそう」
「ふむ、やはりそういった知り合いがいる方は偏見が少ないようですね。いい人に声をかけてもらいました」
「ホントだね! 改めてありがとう、ユート!」
「私たちの恩人」
「いや、それほどでも」

 少しくすぐったい気持ちになりながら、四人で障壁魔法の中心へと移動する。そこにはもう、シルファとシイキ、フィディー先生も集まっていた。

「両チーム、礼」
「ありがとうございました!」

 互いに頭を下げ合う。カールも表情は曇らせたままだけど頭を下げていた。

「さて、もう一度試合を行いますか?」
「あ、いえ、課題も分かりましたし、これ以上戦っても勝ち目はなさそうなので、やめておきます」
「そうですか。それでは私は一旦、これで失礼させていただきます。もし何か困ったことがありましたら、近くの生徒に尋ねてください」
「はい! ありがとうございました!」
「フィディー先生、ありがとうございました」

 障壁魔法を消したフィディー先生は、頭を下げるリンとシルファに微笑みつつ、普通のよりも大きな半球状の障壁魔法石を持ち上げると、魔法競技場の外に向かって歩いていった。流石はここの教師と言うべきか、かなり重そうなのに全くそんな素振りを見せなかった。

みんなお疲れ様! いい試合だったぞ」

 入れ替わるようにして、障壁魔法の外にいたアンソニーさんがやってくる。笑みを浮かべるアンソニーさんに対し、向かう四人の表情は曇っていた。

「先生、ごめんなさい……。負けちゃいました……」
「………………」
「完敗、だった」
「不甲斐ない姿を見せてしまいました。まだまだ壁は厚かったようです」
「まあまあ、そんなに落ち込むことないさ。お前たちが負けた相手は、ここでも特に優秀なチームなんだろう? その前の相手には勝つことができたんだ。その成果だけでも十分だと思うぞ」

 四人を慰めるアンソニーさん。そう言えば、チーム・グレイスの四人はいつの間にか居なくなっていたな。周囲を見渡していると、軽く肩を叩かれる。

「シルファ?」
「挨拶に行くわよ」

 そう言ってシルファはアンソニーさんの元へと歩いていく。シイキは既に隣を歩いていて、納得した俺も続く。

「少し、よろしいでしょうか?」
「お、何だい?」
「わざわざ私たちとも試合をしていただいてありがとうございました」

 シルファに合わせて、俺とシイキも頭を下げる。

「いやいや、お礼を言うのはこちらの方だ。お陰で沢山改善点も見つかったしな。なあお前たち?」
「はい! 防御魔法の一箇所を集中して攻撃された時のことを考えて、部分部分で防御を厚くできる魔術式の改変ができるよう調整します!」
「私は、まだ魔導器の重さに慣れてなかった。もっと早く、正確に狙いをつけられるように頑張る」
「僕の魔導器は、魔法の切り替えの早さが課題ですね。ただでさえ一から魔術式を形成し直しているのに、その前の、形成する魔術式を変更する操作で手間取ってしまったので、相手の早さについていけませんでした」
「………………」

 他の三人が反省点を述べる中で、カールだけは黙って自分の魔導器を見下ろしていた。

「カールは何かないか?」
「……俺の魔導器は完璧だった。これ以上は俺自身が強くなるしかない、です」

 おっと? そういう認識か。

「ふむ、三人はどう思う?」
「んー、まあ魔術式の改変は問題なさそうだったかな」
「重さで振り回されてるようにも見えなかった」
「魔法の切り替えこそしませんが、連成による発現の早さはちゃんと機能しているように思えましたね」
「成程な。そちらはどうだろう? うちの生徒と戦ってみて、何か気づいたことがあれば教えてくれないか?」

 アンソニーさんに話を振られる。俺が口を開くより先に、シルファが答えた。

「そうですね、魔導器の性能が想像以上で、純粋に驚きました。シイキはどう?」
「う、うん。僕も驚い、驚きました。もしかしたら今後、自分で魔術式を作ることはなくなっちゃうんじゃないか、なんて思ったくらいです」
「……そうか。ありがとう。ユートくんはどうだい?」
「正直に言ってもいいんですか?」

 ようやく話す機会が回ってきた俺は、一応断りを入れる。アンソニーさんはにこりと笑って、大きく頷いた。

「勿論だ。遠慮なく意見を聞かせてほしい」
「分かりました。じゃあ先ずは、カール」
「な、何だよ」
「連成した魔術式だけど、間に挟まれた二つ目の魔術式、若干魔力が偏ってるぞ」
「なっ!?」
「わわ! 障壁魔法もないのに魔術式の形成をしようとしちゃダメだよ!」

 確かめようと魔導器に魔力を込め始めたカールをリンが止める。ミスティとクロムは半信半疑といった表情で俺を見た。

「……本当?」
「言われてもあまりピンときませんが……」
「二つの魔術式に隠れて分かりにくかったけど、間違いないと思う。現にあの魔法、『魔刃まじん』だっけ? 強度があまりなかったしな」
「言われてみれば、確かに……」

 似たような魔法を使っているからか、シイキが納得するように呟く。

「他はどうだい?」
「他は、それぞれ自分で言っていた通りですね。加えるとしたら、リン」
「え、あ、うん」
「リンの防御魔法の魔力配分なんだけど、まだ少しムラがある。魔術式の改変をした後とか特にそうだったから、脆い部分ができちゃってたぞ」
「うわ、マジ?」
「ミスティは魔法の向け先を変えるのに、一々魔導器ごと動かさなくちゃならないのが良くないかな。どうしても動かさなくちゃならない時もあるだろうけど、多少狙いを変えるだけなら、魔導器の先に形成した魔術式だけを動かせば事足りるはずだ」
「……それは、盲点だった」
「クロムは早さもそうだけど、魔法の規模はどれも大体同じっていうのが気になったかな。あれ、もう少し調整できたりするのか?」
「いえ、魔法の種類を増やしたことで、一つひとつの魔法は規模を変えられないんです。仰る通り、それも今後の課題ですね」
「そっか。あとは、全体的に魔力を多く使っている気がする。魔術式の光が、魔法を発現する前からなんか強かったから、その分余計に魔力が消費されてるんじゃないか?」
「あー、うん。それもその通り」
「魔導器は、ちょっとした体の動きでも起きる魔力のブレを補正できないから……」
「魔術式の固定に沢山の魔力を使わざるを得ないんですよね」

 三人が顔を見合わせて苦笑いする。アンソニーさんは声を上げて笑った。

「はっはっは! いやぁすごいな。この短時間でそこまで改善点を見つけ出すとは。まだあったりするかい?」
「いえ、これで全部です」
「そうか。ユートくん、本当にありがとう」

 アンソニーさんは俺に礼を言うと、四人に向き直った。

「聞いた通りだ。どうやらまだまだ改良の余地があるようだし、帰ったらまた調整だな」
「はい!」 
「………………」

 力強く返事をする三人とは対照的に、カールは無言のまま視線を落としていた。

「……カール?」
「返事くらい、しなきゃダメ」
「悔しい気持ちは分かりますが、意固地になってもいいことありませんよ」
「……分かってるよ!」

 そう吐き捨てるように言ったカールは、出口に向かって歩き始めた。

「ちょ、どこ行くのよ!?」
「頭を冷やす!」
「おいカール! 止まれ!」

 アンソニーさんの制止も聞かず、カールはどんどん遠ざかっていく。

「入場許可証預かったままだってのに……」
「私追いかけます」
「ああ、頼む」

 リンが二人分の入場許可証を持って、駆け足でカールの後を追った。

「念のため、私も追います」
「え、ああ、すまない。とんだ迷惑を……」
「いえ、お気になさらず」

 さらにその後ろを、一礼したシルファが走っていく。ここの敷地は広いから迷わないか心配だったけど、シルファがいれば十分だろう。

「……えっと、大変ですね」
「……すまないな。いつもはもう少し大人しいんだが」

 おずおずと口を開くシイキに、アンソニーさんが頭を下げる。

「俺たちが何か、気に障るようなことをしたってわけじゃないんだよな?」
「そんなこと、ない」
「彼はなんと言いますか、色々とこじらせているんです。どうか気にしないでください」
「ん、分かった」

 気にはなるけど、ここにいない相手のことだし、深く踏み込むのは止めておこう。

「ところで、俺たちの戦い方についてはどうだった?」
「あ、それ、すごく気になってた」
「他の二人もすごかったですけど、何よりユートさんの魔法が斬新すぎましたね。あれ、どうやってるんです?」

 ちょった話題を逸らす程度のつもりの質問だったが、ミスティとクロムは俺の予想以上に食いついてきた。

「楕円形魔術式のことか? どうと言われてもな……。少しコツはいるけど、基本は普通の魔術式と一緒だから、練習すればできるようになると思うぞ」
「だとしても、あんなに速く動きながらじゃ、普通の魔術式だって形成できない」
「魔力がブレて、まともに操作することもできないはずです。どうやって魔術式の形にしているんですか?」
「ええと、そうだな……。慣れない内は外枠を先に作って、多少ブレても魔術式の形が崩れないようにする、とか?」
「魔導器でもそうしてるけど、あんな激しい動きの中じゃできっこない」
「いえ、成程、ユートさんの魔術式は小さいですし、外枠を先に作るなどの工夫に加え、自分が意図した動きに合わせて魔力で補助すれば不可能ではない、ということですか。だとしても絶技としか言えませんが……」
「そっか。なら、もしそれを実装するとしたらどうしよう?」
「僕たちはあそこまでの動きをすることはないでしょうが、そうですね、魔導器の微細な動きを感知することができれば――」

 あれ? おかしいな。俺が質問したのに、何だか二人で議論をし始めたぞ?

「あー、すまない。うちの生徒は珍しい魔法を見ると、その実現方法について考え出すんだ」
「そ、そうですか」

 研究熱心なんだな。まあ俺としてもそう簡単に欠点なんかが見つかるとは思ってなかったし、答えがなくても構わないけど。

「代わりにといってはなんだけど、俺から一つ、いいかい?」
「あ、はい」

 教師であるアンソニーさんは、何かに気がついたのだろうか? 俺は自分の動きを思い返しつつ、アンソニーさんの言葉を待った。
 果たして、どんな指摘を……?

「その戦い方、どのくらい続けられる?」
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