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4. 変化
自由時間
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「明日はチームとしての予定は入れないでおくわ。本戦前最後の休みだから、しっかりと羽を伸ばしなさい」
そうシルファが言ったのは昨日の練習が終わった後だった。
そんなわけで今日は丸一日自由時間となったわけだけど、予定があってもなくても、朝にやることは変わらない。俺は今日も日が昇る前から男子寮の扉の前でジョージさんを待っていた。
「お、今日はユート一人か?」
「おはようございます。シイキは昨日の夜、筋肉痛起こしてたんで、今日は休むみたいです」
「ま、慣れないことするとそうなるわな」
口を動かしながら、ジョージさんは鍵を開ける。
「それじゃ、気をつけてな」
「はい。行ってきます」
挨拶をして外に出る。さて今日はどの辺りを走ろうか――
「おはよう、ユート」
「えっ」
走り出そうと前に傾けた体を止め、声のした方へと向く。薄暗い中でも、その銀髪ははっきりと目に映った。
「シルファ、おはよう。もしかしてシルファも寮長さんにお願いして、早めに鍵を開けてもらったのか?」
「ええ、あなたを待つためにね。それにしてもこんなに早いとは思ってなかったわ」
そう言って、シルファは手で口元を隠しながら欠伸をする。走りやすそうな服装に身を包んだシルファはどこか新鮮だった。
「俺を待ってたのか? どうして?」
「訊きたいことがあったのよ。ただその前に、一緒に走らない? 私がいつも走ってるコースで良ければだけど」
「ああ、勿論いいぞ」
「それじゃ、行きましょう」
走り出したシルファの後を追う。いつも走ってると言うだけあって、それなりの速さで安定した走りだった。
まだ暗く静かなグリマール魔法学院の敷地内に、二人分の足音が響く。その音は見晴らしのいい高台の、広い屋根と柱だけでできた休憩所のような場所に着くまで続いた。
「ここがゴールよ」
軽く息を弾ませたシルファは、屋根の下にある椅子に腰かける。
「こんな場所もあったんだな」
走ってきた道から考えるに、ここは魔法競技場から少し離れた程度のところだった。丁度空も明るくなり始め、魔法都市グリマールの街並みがはっきりと目に映る。いい景色だ。
「ここまで付き合ってくれてありがとう。ユートも座ったら?」
「ん? ああ」
促されるまま、シルファの向かいに座る。ここでさっきの話をするのかな。
「それで、訊きたいことなんだけど」
「ああ」
予想通りだ。さて、こうして二人きりになってまで訊きたいことって何なんだろう? シイキやフルルには聞かれたくないことなんだろうか? 時期的にチーム対抗戦の本戦についての話だと思うけど、新しい技や戦法についてとかか?
話の内容を予測立てる俺に、シルファは言葉を続けた。
「今日はどう過ごすつもりなのかしら?」
「……今日の予定?」
「ええ。教えてくれる?」
予想外の質問内容に若干面食らいつつ、俺は大雑把に考えていた今日の過ごし方を話す。
「先ずはいつも通り朝の運動をして、朝ご飯を食べてからジェンヌ先生のところに行ってパトロールの手伝い。お昼ご飯を食べた後は魔法都市グリマールを一通り回って、特に困ってる人がいなかったら街の外で魔法の練習。門限までには寮に戻って、夕ご飯を食べてから体を洗って寝る……ってところかな」
「そう、やっぱりね」
シルファは小さくため息をつく。
「やっぱりって、知ってたのか?」
「予想した通りだったのよ。あなたは間違いなく休みの日でも休まないって思ってたけど、……いざ実際に聞いてみると驚くものね」
「いや、休みもちゃんと取るつもりだぞ」
「食事と睡眠以外で?」
「……それ以外だと、何か頼まれた時の待ち時間とかかな」
「それを休みと呼んではいけないわ」
ばっさり切られた。
「じゃあどんな時間が休みになるんだ?」
「その名の通り、体や心が休まる時間よ。あなたの場合、いつもどちらかを酷使しているでしょ? そんなんじゃ近いうちに壊れるわよ」
「壊れるって……」
昔大怪我したこともあったけど今じゃすっかり治ったし、ここの環境もじいさんと過ごしていた山の中ほど過酷じゃない。近いうちに壊れると言われても全然実感が湧かなかった。
「壊れないにしても、あまり文化的とは言えないわね。朝から晩まで鍛錬ばかりだなんて。山の中でビャクヤさんと過ごしていた時ならともかく、ここは安全な都会よ。少しくらいは訓練とかそういうのを忘れて、自分の見聞を広めてもいいんじゃない?」
「とは言ってもなぁ。俺はまだ強くないままだし、困っている人を助けるならともかく、自分磨き以外に時間を使うのは違うと思うんだよな」
俺の夢はどんな敵からでも守りたいものを守れる最強の魔法使いになることだ。その夢を叶えるためにも、立ち止まっている暇はない。
「確かに強くなることは大事だけれど、その街の文化に触れることも、そこに住む人を守ることに繋がるわ」
「……? どういうことだ?」
「例えば、そうね……。以前の依頼を覚えているかしら? 竜神様と戦った時のことよ」
「勿論覚えてるさ。あれだけのことがあったのに、忘れるわけないだろ」
「それもそうね」
シルファはほんの少しの間だけ小さく笑って見せてから、元の表情に戻って続ける。
「もしもよ。あなたが竜神様を倒せるほどの実力を持っていて、アイさんを連れ去った竜神様しか知らないでその現場に立ち会ったとしたら、あなたはどうする?」
「……多分、竜神様を倒すだろうな」
「そう。だけど実はその竜神様は長年村を守ってきていて、あの時も誰かに操られていただけだった。それを知らないで討伐した結果、竜神様を失った村は魔物の被害に怯えることになった。……果たして、これは村を守ったと言えるかしら?」
「……言えないな」
成程、何となくシルファの言いたいことが分かってきた。首を横に振る俺に、シルファは頷いて見せる。
「魔物から人を守ることは大切よ。だけどその結果、その人たちが大切にしてきた何かを失うことになるのは極力避けるべきだわ。物なのか、場所なのか、あるいは古くからのしきたりなのか、それが何なのかは人に依るでしょうけれど、それを知るためにもその社会の文化に触れることは重要なの」
「守る相手のことを考えろってことか」
「ええ、その通りよ。理解が早いのね」
「じいさんからも言われていたことだからな。けれど、そうか、文化か……」
守ることはお主一人で完結するものではない。そこには必ず守られる人物が存在するのじゃ。その相手のことを考えずにいるうちは本当の意味で守ることなどできはせんぞ。
魔物に襲われている人がいるという想定で訓練していた俺に、じいさんが言った言葉だった。言われた時は意味が分からなかったけど、魔物に襲われた人は俺の想定通りに動いたりするわけじゃないと、旅行で他の人と関わっていくうちに理解していった教訓だ。
「そこに住む人と仲良くなるのが一番だけど、話しかけられること自体を嫌がる人もいるし、間接的にでも何を大切にしているのかを知れるのはいいかもな」
「……もしかしてあなた、他人と距離を詰めるのはそういう理由からなの?」
「まあそれもあるけど、折角関われた相手とは仲良くなりたいって思うからかな。シルファも、そうだな、あまり人が立ち入らない山奥で自分以外に人がいたら、なんとなく親近感が湧かないか?」
「……確かにそうかもね」
シルファは僅かに表情を柔らかくすると、俺を真っすぐに見た。
「話を逸らしちゃったわね。そういう理由で、鍛錬だけじゃなくてこの街の文化に触れてみたらどうかって伝えたかったのよ。休養も兼ねてね」
「俺としてはそういう、戦い以外で必要な知識は座学の授業で教えられるものと思っていたんだが、違うのか?」
「文化に触れる授業もあるけれど、百聞は一見に如かずと言うでしょう? 遠く離れた国の文化なんかは中々お目にかかれないけれど、魔法都市グリマールは目と鼻の先よ。だったら実際に体験してみるのが一番だと思わない?」
「それもそうか」
都会の文化か。体験するって言われると、何だかワクワクしてきたな。あれだけ多くの人がいる都市で形成された文化、それは一体どんなものなんだろう?
「納得してくれて良かったわ。それじゃあ戻って朝ご飯を食べたら、早速行きましょう」
「え、もしかしてシルファもついてきてくれるのか?」
「当たり前でしょう? 案内もなしに文化体験をしたって、魅力の半分も理解できないわ。それとも、私が同行するのは嫌だったかしら?」
「いや、嫌などころかすごくありがたいんだが、いいのか?」
「良くなかったら、わざわざこうして言い出さないわよ」
「……ありがとう、シルファ」
手で銀髪を払うシルファに頭を下げる。
「今日一日、よろしくな」
「ええ、こちらこそ」
そして顔を上げて笑って見せると、シルファも微笑んだ。
そうシルファが言ったのは昨日の練習が終わった後だった。
そんなわけで今日は丸一日自由時間となったわけだけど、予定があってもなくても、朝にやることは変わらない。俺は今日も日が昇る前から男子寮の扉の前でジョージさんを待っていた。
「お、今日はユート一人か?」
「おはようございます。シイキは昨日の夜、筋肉痛起こしてたんで、今日は休むみたいです」
「ま、慣れないことするとそうなるわな」
口を動かしながら、ジョージさんは鍵を開ける。
「それじゃ、気をつけてな」
「はい。行ってきます」
挨拶をして外に出る。さて今日はどの辺りを走ろうか――
「おはよう、ユート」
「えっ」
走り出そうと前に傾けた体を止め、声のした方へと向く。薄暗い中でも、その銀髪ははっきりと目に映った。
「シルファ、おはよう。もしかしてシルファも寮長さんにお願いして、早めに鍵を開けてもらったのか?」
「ええ、あなたを待つためにね。それにしてもこんなに早いとは思ってなかったわ」
そう言って、シルファは手で口元を隠しながら欠伸をする。走りやすそうな服装に身を包んだシルファはどこか新鮮だった。
「俺を待ってたのか? どうして?」
「訊きたいことがあったのよ。ただその前に、一緒に走らない? 私がいつも走ってるコースで良ければだけど」
「ああ、勿論いいぞ」
「それじゃ、行きましょう」
走り出したシルファの後を追う。いつも走ってると言うだけあって、それなりの速さで安定した走りだった。
まだ暗く静かなグリマール魔法学院の敷地内に、二人分の足音が響く。その音は見晴らしのいい高台の、広い屋根と柱だけでできた休憩所のような場所に着くまで続いた。
「ここがゴールよ」
軽く息を弾ませたシルファは、屋根の下にある椅子に腰かける。
「こんな場所もあったんだな」
走ってきた道から考えるに、ここは魔法競技場から少し離れた程度のところだった。丁度空も明るくなり始め、魔法都市グリマールの街並みがはっきりと目に映る。いい景色だ。
「ここまで付き合ってくれてありがとう。ユートも座ったら?」
「ん? ああ」
促されるまま、シルファの向かいに座る。ここでさっきの話をするのかな。
「それで、訊きたいことなんだけど」
「ああ」
予想通りだ。さて、こうして二人きりになってまで訊きたいことって何なんだろう? シイキやフルルには聞かれたくないことなんだろうか? 時期的にチーム対抗戦の本戦についての話だと思うけど、新しい技や戦法についてとかか?
話の内容を予測立てる俺に、シルファは言葉を続けた。
「今日はどう過ごすつもりなのかしら?」
「……今日の予定?」
「ええ。教えてくれる?」
予想外の質問内容に若干面食らいつつ、俺は大雑把に考えていた今日の過ごし方を話す。
「先ずはいつも通り朝の運動をして、朝ご飯を食べてからジェンヌ先生のところに行ってパトロールの手伝い。お昼ご飯を食べた後は魔法都市グリマールを一通り回って、特に困ってる人がいなかったら街の外で魔法の練習。門限までには寮に戻って、夕ご飯を食べてから体を洗って寝る……ってところかな」
「そう、やっぱりね」
シルファは小さくため息をつく。
「やっぱりって、知ってたのか?」
「予想した通りだったのよ。あなたは間違いなく休みの日でも休まないって思ってたけど、……いざ実際に聞いてみると驚くものね」
「いや、休みもちゃんと取るつもりだぞ」
「食事と睡眠以外で?」
「……それ以外だと、何か頼まれた時の待ち時間とかかな」
「それを休みと呼んではいけないわ」
ばっさり切られた。
「じゃあどんな時間が休みになるんだ?」
「その名の通り、体や心が休まる時間よ。あなたの場合、いつもどちらかを酷使しているでしょ? そんなんじゃ近いうちに壊れるわよ」
「壊れるって……」
昔大怪我したこともあったけど今じゃすっかり治ったし、ここの環境もじいさんと過ごしていた山の中ほど過酷じゃない。近いうちに壊れると言われても全然実感が湧かなかった。
「壊れないにしても、あまり文化的とは言えないわね。朝から晩まで鍛錬ばかりだなんて。山の中でビャクヤさんと過ごしていた時ならともかく、ここは安全な都会よ。少しくらいは訓練とかそういうのを忘れて、自分の見聞を広めてもいいんじゃない?」
「とは言ってもなぁ。俺はまだ強くないままだし、困っている人を助けるならともかく、自分磨き以外に時間を使うのは違うと思うんだよな」
俺の夢はどんな敵からでも守りたいものを守れる最強の魔法使いになることだ。その夢を叶えるためにも、立ち止まっている暇はない。
「確かに強くなることは大事だけれど、その街の文化に触れることも、そこに住む人を守ることに繋がるわ」
「……? どういうことだ?」
「例えば、そうね……。以前の依頼を覚えているかしら? 竜神様と戦った時のことよ」
「勿論覚えてるさ。あれだけのことがあったのに、忘れるわけないだろ」
「それもそうね」
シルファはほんの少しの間だけ小さく笑って見せてから、元の表情に戻って続ける。
「もしもよ。あなたが竜神様を倒せるほどの実力を持っていて、アイさんを連れ去った竜神様しか知らないでその現場に立ち会ったとしたら、あなたはどうする?」
「……多分、竜神様を倒すだろうな」
「そう。だけど実はその竜神様は長年村を守ってきていて、あの時も誰かに操られていただけだった。それを知らないで討伐した結果、竜神様を失った村は魔物の被害に怯えることになった。……果たして、これは村を守ったと言えるかしら?」
「……言えないな」
成程、何となくシルファの言いたいことが分かってきた。首を横に振る俺に、シルファは頷いて見せる。
「魔物から人を守ることは大切よ。だけどその結果、その人たちが大切にしてきた何かを失うことになるのは極力避けるべきだわ。物なのか、場所なのか、あるいは古くからのしきたりなのか、それが何なのかは人に依るでしょうけれど、それを知るためにもその社会の文化に触れることは重要なの」
「守る相手のことを考えろってことか」
「ええ、その通りよ。理解が早いのね」
「じいさんからも言われていたことだからな。けれど、そうか、文化か……」
守ることはお主一人で完結するものではない。そこには必ず守られる人物が存在するのじゃ。その相手のことを考えずにいるうちは本当の意味で守ることなどできはせんぞ。
魔物に襲われている人がいるという想定で訓練していた俺に、じいさんが言った言葉だった。言われた時は意味が分からなかったけど、魔物に襲われた人は俺の想定通りに動いたりするわけじゃないと、旅行で他の人と関わっていくうちに理解していった教訓だ。
「そこに住む人と仲良くなるのが一番だけど、話しかけられること自体を嫌がる人もいるし、間接的にでも何を大切にしているのかを知れるのはいいかもな」
「……もしかしてあなた、他人と距離を詰めるのはそういう理由からなの?」
「まあそれもあるけど、折角関われた相手とは仲良くなりたいって思うからかな。シルファも、そうだな、あまり人が立ち入らない山奥で自分以外に人がいたら、なんとなく親近感が湧かないか?」
「……確かにそうかもね」
シルファは僅かに表情を柔らかくすると、俺を真っすぐに見た。
「話を逸らしちゃったわね。そういう理由で、鍛錬だけじゃなくてこの街の文化に触れてみたらどうかって伝えたかったのよ。休養も兼ねてね」
「俺としてはそういう、戦い以外で必要な知識は座学の授業で教えられるものと思っていたんだが、違うのか?」
「文化に触れる授業もあるけれど、百聞は一見に如かずと言うでしょう? 遠く離れた国の文化なんかは中々お目にかかれないけれど、魔法都市グリマールは目と鼻の先よ。だったら実際に体験してみるのが一番だと思わない?」
「それもそうか」
都会の文化か。体験するって言われると、何だかワクワクしてきたな。あれだけ多くの人がいる都市で形成された文化、それは一体どんなものなんだろう?
「納得してくれて良かったわ。それじゃあ戻って朝ご飯を食べたら、早速行きましょう」
「え、もしかしてシルファもついてきてくれるのか?」
「当たり前でしょう? 案内もなしに文化体験をしたって、魅力の半分も理解できないわ。それとも、私が同行するのは嫌だったかしら?」
「いや、嫌などころかすごくありがたいんだが、いいのか?」
「良くなかったら、わざわざこうして言い出さないわよ」
「……ありがとう、シルファ」
手で銀髪を払うシルファに頭を下げる。
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