物理重視の魔法使い

東赤月

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3. 秘密

死ぬよりも怖いこと

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 どこをどう歩いたのかも覚えていない。
 ただ、逃げ出したくて、消えたくて。
 気がついたら、林の中にいた。

「……こんなところも、あったんだ」

 まるで見覚えのない場所だった。茂みが多く、ここでかくれんぼをしたらまず見つからないような所だ。静かで、人の影も全くないそこは、今の僕にはとても落ち着ける環境だった。
 ゆっくりと地面に腰を下ろす。土がむき出しだったけど、全然気にならない。視界が狭まり、小さな空間に僕だけがいた。

「……何してんだろ、僕」

 自嘲気味に呟く。この声を聞いているのも僕だけだ。そんな安心感からか、つらつらと口から言葉が湧いて出る。

「無理言ってチームに入れてもらったのに、またあんなことして、逃げ出してさ。ホント、どうしようもない、最低な奴だよね」

 言葉にすることで、自己嫌悪の念が一層強くなった気がする。それだけでなく、こうして自分を貶めることにどこか安堵すら覚えていて、いよいよもって救いようがない。

「シルファも愛想を尽かすに決まってんじゃん、こんな裏切り者なんてさ。なのにまた縋りついて、同じ失敗して、結局逃げ出して、自分を客観視できないバカそのものじゃないか」

 失敗してしまったものは仕方ないわね。
 そう言ってくれたシルファは、けれど、心の奥底では僕を完全に見限ったに違いない。

「フルルを危ない目にも遭わせてさ。翼が使えないのにどうしてチームに、だなんて、どの口が言ってるんだよ。魔術式もまともに形成できないで、それを直そうともしない阿呆がさ」

 わ、私は大丈夫でしたから……。
 そう言ってくれたフルルの目には、明らかな恐怖と、そして嫌悪の感情が宿っていた。

「ユート君の優しさにつけこんで、一方的に利用して、挙句には本人の努力も否定して。有害な魔法しか使えないくせに、何を偉そうにしてんだよ、この間抜け」

 まああんまり気にするなよ。
 練習の時から、きっとこうなると思ってたからさ。あの言葉はそう続くんだ。

「あーあ、ホント、こんなことになるって、どうして分からなかったかな?」

 近くに落ちていた短い木の枝を、無造作に地面に突き刺す。土を刺した感触から、能天気な過去の自分を断罪する行為を想起する。

「あの時から、僕は、同じ、失敗、ばっかり、してさっ」
 ザク ザク ザク ザク ザク ザク

 自分の笑顔を思い映した地面に、何度も枝を突き立てる。強く握った手の中の痛みも気にせず、何度も、何度も、何度も。

「こんな、僕なんて、初めから、いないほうが――」
「そんなこと言うなよ」

 振り上げた腕が、誰かに掴まれた。
 いや、誰かじゃない。この声は、紛れもなく……。

「……ユート、君?」
「……泣くほど悲しいんだろ? だったらそんなこと、もう止めろよ」

 そう言われて、僕はようやく、自分が涙を流していることに気づいた。


 ◇ ◇ ◇


 枝を捨てて、涙を拭って、膝を抱えて、暫く僕は黙った。その間、ユート君も何も言わなかった。

「……どうしてここが分かったの?」

 一分のようにも、一時間のようにも思えた曖昧な時間を経て、少しだけ気持ちの整理がついた頃、僕は背中越しに小さくそう尋ねた。

「この辺りを探していたら、靴跡を見つけてさ。それを追ったんだ」
「そっか……」

 そんなこと、全然考えてなかったな。僕はぼんやりと、何の感情もなくそう思った。

「シルファとフルルは?」
「俺と同じさ。手分けしてシイキを探してる」
「そう……」

 どうしてわざわざ、こんな役立たずを探すんだろう。失敗を責めるため? うん、きっとそうだ。

「シイキ、どうして独りでいなくなったりしたんだ?」
「……はは」

 ユート君は本当に分かっていないみたいだった。僕との出来の違いを思い知らされて、悔しさや諦めを通り越して可笑しくなってしまう。

「ユート君には、分からないよね」
「ああ、そうだ。だから教えてくれないか?」
「……やだ」

 声を落として、頭を下げる。

「何か言えない理由があるのか? だったらそれを教えてくれ」
「嫌だって言ってるだろ!」

 何の躊躇いもなく僕の領域に踏み込もうとするユート君に対して、瞬間的に怒りが湧いた。そこからはもう、自分でも止められなかった。

「なんで分かんないんだよ! 僕は前にも魔法を暴走させて、魔法使いとして絶対にしちゃいけない失敗をして、周りにも大迷惑をかけて、もう二度とこんなことをしないって誓ったはずなのに、また同じ失敗を繰り返したんだよ! こんな、こんな大罪人……もう皆に合わす顔がないんだよ!」

 張り裂けそうな胸の内をユート君にぶつける。ユート君は何も言い返さない。それが余計に気に障った。

「ユート君はいいよね。あれだけの技術があれば、魔法を暴走させたことなんてなかっただろうし、今までだって、こんな、僕みたいに、大失敗して、誰の顔も見れないような惨めな思いなんてしたことないでしょ? だからそんな気軽に、僕が逃げ出した理由なんて訊けるんだ。僕がどれ、どれだけの思いでいるかも、分からないんだからっ」
「………………」
「ユート君だってホントは、こんな出来損ないどうでもいいんでしょ? 魔術式が汚いって言ったのに、それを直そうともしないで、それで魔法を暴走させるような足手まとい、必要ないって思ってるんでしょ? だったらもう放っておいてよ……!」

 最後の方は、声がかすれた。鼻をすすって、目をこする。
 最低だ、僕。こんなのただの八つ当たりじゃないか。悪いのは全部自分だっていうのに。
 ユート君は今、どんな表情をしてるんだろう。怒ってる? 呆れてる? それとももう、いなくなってるのかな?
 そうだよね。きっともう、僕に愛想を尽かして、いなくなったに違いない。

「………………」

 僕は、何をやってるんだろう。
 折角ここまで探しに来てくれたユート君に、自分勝手な不満をぶちまけて、追い返して。
 ああ、もう、ホント。

「……僕なんか、死んじゃえばいいのに」
「シイキ!」
「っ!」

 突然大きな声をかけられ、肩が震えた。
 恐る恐る振り返ると、そこにはまだユート君がいた。
 その表情は、とても怒っているようだった。竜を相手に魔導士が及び腰だった時と同じ、いや、それ以上に険しい表情だった。

「死んじゃえばいいだなんて、冗談でも言うな」
「ゆ、ユート君……?」

 状況が飲み込めない僕に、ユート君がぐっと顔を近づける。怒りに燃えている目が間近に迫った。

「分かったか!?」
「う、うん!」

 あまりの剣幕に、反射的に頷く。僕の目の中を覗きこむユート君は、やがてゆっくりと目を閉じると、僕と同じように土の上に座った。

「これが失敗で良かったな」
「え?」
「俺が失敗して落ち込んでいる時、じいさんに言われた言葉だ」

 目を開いたユート君が、いつもと同じようで少し違う声音でそう言った。懐かしさなのか悔しさなのか、複雑な感情が滲み出ているようだった。

「最初は意味が分からなかった。だから、失敗でいいわけないだろって言い返したんだ。そしたらじいさん、死んでたら失敗したことにも気づけないって答えてさ」
「………………」

 ユート君が口にした「死」は、いつもとそう変わらない口調だったにも関わらず、僕が言った言葉とは比べ物にならないくらい、とても重いもののように響いた。

「これは前の依頼の時、フルルにも言ったことなんだけどさ、大抵のことは死ぬことに比べたらマシだと思うんだ。生きていさえすれば、何かはできるんだから」
「………………」

 その言葉は、前を歩いていた僕にも聞こえていた。あの時も、ユート君は僕なんかと違うんだって思い知ったことを覚えてる。

「確かにシイキは失敗したのかもしれない。けどまだこうして生きてる。ならその失敗を活かせる機会は、これからいくらでもあるだろ?」
「……ふふっ」

 違うんだ、違うんだよ、ユート君。
 僕は君ほど強くない。だから――

「僕にはね、死ぬよりも怖いことがあるんだよ、ユート君」
「なっ……」

 ユート君の顔が、純粋な驚きに染まる。僕は口元に笑みを浮かべたまま続けた。

「ユート君は言ったよね? 失敗を活かせる機会はいくらでもあるって。でもそれって、失敗を続ける機会にもなりうると思うんだ。ううん、寧ろ、そっちの回数の方が断然多いだろうね」
「………………」

 今度はユート君が黙る番だった。僕はそれを確認してから話す。
 ユート君の言葉を聞いたその日の夜に思い至った、僕が死ぬより怖いことを。

「僕はね、周りに迷惑をかけて、失望されることが怖いんだ。生きているだけで周りに迷惑ばかりかけているんだったら、こんな僕、死んじゃった方がいいって、本気で思っている」
「シイキ……」

 僕の本気が伝わったのか、ユート君は怒らなかった。

「今回も似たようなものさ。一度味方を巻き添えにして、二度としないと誓ったのに、今日また同じ失敗をした。こんなんじゃ、これから先も何度も同じ失敗を繰り返すに決まっている。いつか失敗しない時が訪れたって、それまでに何十人も仲間を傷つけて、何百の人から失望される。それにこの問題は僕個人だけのものじゃない。僕みたいなやつがいるだけで、グリマール魔法学院が、ひいては魔法使い全体が悪い印象を持たれて、何千、何万の人に迷惑がかかるんだ。……だったらもう、それ以上魔法なんか使わないで、どこかに消えてしまったほうがいい。その方が皆にとってもいいことだろう?」
「………………」

 上目遣いで見ると、ユート君は腕を組みながら目を閉じていた。僕の言葉を理解しようと考え込んでいるみたいだ。その気持ちは嬉しいけど、多分ユート君には分からないだろうな。

「だからさ、僕のことはもう放っておいてよ。謝罪なら後でいくらでもするからさ、このまま僕を、ここから退学させて」
「それは断る」
「えっ……」

 どうして……? ここまで言ったのに、まだ分からないの……?
 驚きと、落胆と、怒りと。複雑な感情が頭をよぎる僕の前で、ユート君は腕を解き、目を開いた。

「シイキは色々と勘違いしてるみたいだからな。その結論は一旦保留しておいてくれ」
「勘、違い……?」

 一体僕が、何を勘違いしているというんだろう? 一人じゃ何もできなくて、皆に迷惑をかけるだけ。それの何が間違っているというんだろう?

「いくつか言いたいことはあるけれど、先ずは一番大事なことから言うな。いいかシイキ、俺はシイキのことを迷惑だなんて思ったことなんてないぞ。寧ろすごく頼りにしてる」
「嘘だ!」

 反射的にそう返した僕に、ユート君はゆっくりと首を横に振る。

「本当だ。シイキがいなかったら遠足の時、チャールズとゲラルドを助けるのは難しかったし、依頼の時、竜神様を正気に戻すこともできなかったかもしれない。今日の予選だって、シイキがいなかったらここまで勝ちを重ねられなかったはずだ」
「そ、それは、でも、あれだけ時間を貰えたんだから、あの程度、できて当たり前のことばかりで……」
「できて当たり前? 少なくとも俺はできないけどな」
「ユート君は、だって、僕なんかより勇気があって、魔法を失敗することなんてないし……」
「けれど、シイキほど大きな魔術式なんて形成できない。それは分かるだろ?」
「………………」

 ユート君の言葉に、僕は黙って頷く。

「なら話は早いな。俺には俺の、シイキにはシイキの、できることとできないこと、長所と短所がある。できないことや短所にばっかり気が向くことは俺にだってあるし、どうにもならない自分に歯がゆい思いをしたことだってあるけれど、それでできることや長所まで消えてなくなるわけじゃない。だから一度や二度の失敗でシイキを迷惑に思うことなんてないし、必要ないなんてことも思わない」
「……でも、僕のせいで、チームは負けたんだよ?」
「それを言うなら、その前の三試合は、シイキのおかげで勝てたじゃないか」
「ち、違うよ! あれはユート君たちがすごかったからで……」
「そこが変なんだよ。俺たちはチームだろ? なのにどうして勝ったのはシイキ以外の三人のおかげで、負けたのがシイキ一人のせいになるんだ?」
「だ、だって、あれは明らかに僕のせいで――」
「それこそ、違うさ」

 ユート君は静かに、けれど強く断言する。

「攪乱が上手くできないで相手の大規模魔法を発現させたのは俺のせいだ。それをシイキが魔術式を完成させるまで防ぎきれなかったのはフルルだし、そうなったのはシルファの見込みが甘かったから」
「……そんな、こと」
「ないっていうなら、シイキの責任だってない。なあ、どうしてそんなに自分に厳しいんだ?」
「それは……」

 その先を続けようとして、言葉に詰まる。ユート君は暫く僕の言葉の続きを待っていてくれたけど、僕が答えられないと察してか、話を続けた。

「言いたいこと二つ目。俺、最初は魔法を失敗してばかりだったぞ」
「……そう、なの?」

 俄かには信じがたい言葉だった。けど、失敗って言ったって、そこまで大きな被害は――

「失敗した結果として、一番ひどかったのは全身骨折かな」
「へ?」
「四肢に加えてあばらと顎と……とにかく大怪我してさ。じいさんがいなかったらあのまま死んでたかもしれないな」
「えええ!? ど、どうしてそんなことに!?」

 予想以上の失敗談に驚く僕の前で、当の本人は照れ臭そうに笑う。

「いやあ、強化魔法を使ってちょっとした谷間を飛び越えようとしたんだけど、失敗して落ちたんだ。その時はまだ空中で防御魔法を発現できなくてさ。着地は上手くいったんだけど、先に地面に着いた両手両足、勢いを殺しきれずに打った腹と顎、あとはその衝撃で何か所か。筋肉もかなり断裂してたらしい」
「………………」

 けろっと話すユート君に絶句する。

「治療中もかなり痛くてさ。変な形で回復しないよう無理矢理腕や足を固定して、けど固くなり過ぎないよう適度に動かして。まあその甲斐あって、今こうして自由に動けるんだけどな」
「……怖く、ないの?」

 手をプラプラと振るユート君に、震える声で尋ねる。死ぬような思いをして、その後も僕には想像できないくらいの痛みに苦しんで、そんな経験をしたら、普通怖くて二度と強化魔法なんて使えない。なのに、ユート君は今でも強化魔法を、それも楕円形魔術式なんていうもっと失敗しやすい方法で使っている。僕にはそれが理解できなかった。
 ユート君には、怖いという感情がないのだろうか?

「魔法を使っていてヒヤッとすることは、今でもたまにあるぞ」
「そ、そうなの?」

 全然そんな風に見えなかったけど。

「そりゃあな。俺の魔法は少しの失敗が大怪我に直結するから、想定より少しずれただけでも怖くなる」
「………………」

 思いがけない告白が、すとんと胸に落ちた。そうだよ、怖いなんて当たり前じゃないか。遠い場所から魔法を飛ばしている僕たちとは違って、ユート君はいつ大怪我してもおかしくない場所にいるんだから。

「でも、どうして? 怖いのに、どうしてできるの?」

 そんな怖い思いをするならやめちゃえばいいのに、とは続けられなかった。けれどユート君は、明るい顔で微笑む。

「それは勿論、目標があるからさ」
「目、標?」
「ああ。どんな敵からでも、困っている人を助けることができる。そんな最強の魔法使いになるって目標」
「最強の、魔法使い……」

 それはユート君が編入してきた初日に聞いた言葉だった。あの時はとてもじゃないけど叶えられるとは思ってなくて、そんな夢見がちなところに親近感に似た何かを感じ取ったことを覚えている。
 けれど今、ユート君を、その努力を、苦悩を知ってしまった今、もうあの時と同じ気持ちではいられなかった。
 あるのはただ、劣等感と、罪悪感だけだ。

「大怪我した後も、何度も失敗したし、怪我もした。それでもこうして魔法を使えるのは、目標があるからだ。シイキにも、そういう目標はあるんじゃないか?」
「…………あるよ」
「なら――!」
「でも、もういいんだ」

 ユート君の言葉をかき消すように、首を横に振る。

「最初から分かってたんだ。僕には分不相応な夢だって。それなのにもしかしたら、なんて夢見て、結局大勢の人に迷惑をかけるだけで終わった。だからもう、これ以上は夢を追いかけられない。ううん、追いかけちゃいけないんだ」
「だから迷惑だなんて――」
「迷惑なんだよ!」

 声を荒げる。そんな僕の様子に戸惑ったようなユート君に向かって、暗い笑みを浮かべた。

「ユート君は優しいよね。本当に。だからきっとユート君は迷惑に思ってないのかもしれない。でもね、世の中ユート君みたいなお人好しな人ばかりじゃない。どんなにユート君が庇ったって、客観的にみれば僕は味方を攻撃する魔法使いさ。百人いれば九十九人は僕を危険だって思う」
「そんなことは――」
「何より! ……僕自身が、僕を許せないんだ。実家に迷惑をかけて、無理言ってわざわざこの学院に通わせてもらっているのに、実績どころか生き恥ばっかり積み重ねて、何度も人を裏切って……!」
「裏切りって、大げさだろ。あの失敗は、シイキが望んでしたわけじゃないんだし」
「ううん、違うよ、ユート君」

 もういい。
 どうせ退学になるのなら、最後に全てぶちまけてしまおう。

「僕は今までずっと、君のことを騙してきたんだ」

 僕は首のスカーフを外すと、顎を上げ、シャツを引いて、首元を見せた。ユート君の目が大きく開かれる。

「その、鱗は」
「僕は竜人族と人間族のハーフなんだ。性別も、男じゃなくて女。これが親友面した僕の正体さ」
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