物理重視の魔法使い

東赤月

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2. 依頼

総力戦です!

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「…………どうですか?」

 魔術式を保ちながら、リズさんに尋ねます。

「……うん。もうほとんど痛くない」

 その言葉を聞いて、私はほっと息をつき、魔術式を霧散させました。穴の中がまた暗くなります。

「フルルちゃん、すごいわ! それがフルルちゃんの魔法なの?」
「……はい。回復魔法です。ただ、使ったのはとても久しぶりでしたから、上手くいくかどうか分かりませんでした。治せてよかったです」
「ありがとう、フルル。これでまた、動けるようになった」

 リズさんは早速魔術式を形成し始めました。

「あ、う……」

 私は声を出そうとして、けれど結局言い出せずに俯いてしまいます。

「フルルちゃん、どうしたの?」
「……その、ごめんなさい、リズさん」
「なんで謝るの?」

 頭を下げる私に、リズさんは本当に不思議そうに聞き返しました。

「だって、私がもっと早く治せてたら、その分痛い思いをせずに済みましたし、もっと早く動けるようになれたはずです。なのに……」
「それは違う。回復魔法は難しい。長い間使ってなかったのなら尚更だから、慎重になるのは当然。寧ろ自分を誇るべき」
「そうですよ。意地悪をしたわけではないのですから、気に病む必要なんてありません」
「……ありがとうございます」

 私は二人に深く頭を下げました。

「ところで、リズさんはどんな魔法を使おうとしているの?」
「探知魔法。今、他の皆がいる位置を探る」

 魔術式を完成させたリズさんが、魔術式に魔力を込めます。

「……えっ?」
「ど、どうしたんですか?」
「……来てる。人が、沢山」
「人が? もしかして……」

 リズさんは今ある魔術式を片手に寄せると、もう片方の手で新たに魔術式を形成し始めました。程なくして、その魔術式も完成します。

「……聞こえる? …………うん、ありがとう。…………そう、そのまま広場に、でも罠があるから気をつけて」

 どうやら通信魔法だったようです。暫くしてから、リズさんはまた話し始めます。

「……もしもし? …………うん、私は平気。それよりも、今そっちに援軍が行く。…………そうだね、そうしよう」

 それで通信が終わったのか、リズさんは魔術式を霧散させます。

「リズさん、今のは、まさか……」
「うん。これで、勝機が見えてきた」

 リズさんはそう言って、小さく笑みを浮かべました。

「撤退は無し。皆であの竜を倒そう」


 ◇ ◇ ◇


「右翼、防御をもっと厚くしろ! 左翼、翼を中心に攻撃の手を緩めるな! 飛ばれたら厄介だ!」

 ボルドさんが大きな魔術式を維持させたまま、魔導士の皆さんに指示を飛ばします。それに対し、おう! と大きな返事が返ってきました。

「オノレ、虫ケラドモガ……!」

 地面に降ろされた竜は炎を吐きながら、空を飛ぼうとして翼を広げます。けれどその度に防御魔法の隙間から飛んでくる光弾を当てられて、思ったように動かせないようです。その足元には、ボルドさんの魔法で作られたぬかるみがあって、歩くことも難しそうでした。
 私も他の魔導士の方に混ざって、他の光弾にぶつからないよう、竜の翼に向かって光弾を放ちます。
竜をここまで連れてきてくれたリズさんとユートさんたちは、今はここから離れたところで休んでいます。ユートさんたちが頑張った分、私も頑張らないと!

「魔術式が完成したぞ!」

 ゴラさんが声を上げました。私は魔術式を霧散させると、急いで後ろに下がります。

「よし、今だ!」

 ボルドさんの合図に、防御魔法が消えました。それと同時に、人が呑み込まれてしまいそうなくらい大きな光弾が、いくつも飛び出します。

「グ、オ、オオオオオ!」

 動けない竜は腕で体を守りながら、その全てを体に受けます。そんな竜の上から、弧を描くようにして光弾が落ちてきました。

「グアッ!」

 その魔法を放ったのは、ゴラさんを含めた何人かの魔導士の方でした。あの大きさの光弾をあんな風に動かせるなんて、流石魔導士の方です。
 上からも降り注ぐ光弾に、竜は前のめりになって、その手を地面につきました。腕がぬかるみに沈みます。

「いいぞ! これで――」
「図ニ乗ルナ!」

 竜は地面に向かって炎を吐きました。その炎はどんどんと勢いを増し、やがて竜の周りが火の海のようになります。

「くそ、あっちぃ!」
「防御魔法、急げ!」

 攻撃をしていた魔導士の方と入れ替わるように控えていた魔導士の方が前に出ると、防御魔法を発現させて火が広がるのを防ぎます。その間に、竜が大きく翼を広げました。

「まずい、火で泥が乾いて!」
「攻撃だ! 竜を空に飛ばすな!」
「駄目だ! 防御魔法に隙間を作れない!」
「威力が落ちても構わん! 曲射で当てるんだ!」

 その言葉に続いて、防御魔法を飛び越えるようにして、いくつもの光弾が竜に落ちていきます。私も、小さな光弾を操作して翼を狙いました。
 けれど竜は、沢山の攻撃を受けながらも、大きく翼を羽ばたかせます。やがて竜の四肢を拘束する土が、バキバキ、と音を立てました。

「ボルド、早く魔法を!」
「とっくにやってる! だが固くなった部分が多すぎて、操作ができない!」

 ゴラさんの言葉に、ボルドさんは叫ぶように答えます。そしてついに、竜の体が宙に浮かび上がりました。パラパラと竜の手足から落ちる土くれは、空気に溶けるように消えていきます。

「ヨクモヤッテクレタナ、虫ケラドモガ!」
「総員、密集隊形! 上からの攻撃に備えろ!」

 すぐさま何人かの魔導士で固まって、死角が無いよう輪の形になり、魔術式を形成しました。輪の外側にいる人は防御魔法を発現させ、輪の内側にいる私は攻撃魔法の準備をします。

「遅イワ!」
「うわぁっ!」

 しかし竜は、その巨体からは考えられない速さで、準備が整っていない魔導士の方々を攻撃しました。

「援護しろ! また竜を引きずり下ろすんだ!」
「待ってくれ! 一人捕まっちまったんだ!」
「なにっ!?」

 一瞬攻撃が止んだ隙に、竜は空に舞い戻ります。その手には、確かに一人の男の人が捕まっていました。

「くそ、離せ!」
「クク、ナラバ望ミ通リニシテヤロウ」

 竜は手にした男の人を、他の魔導士の方々が展開した防御魔法に向かって投げました。

「なっ!?」

 防御魔法が霧散し、魔導士の方々が集まった所に男の人が飛び込みました。そこに竜が炎を吐きます。

「しまった!」
「『ブロウ』!」

 その直前、ボルドさんの魔法が竜の顔に当たりました。竜は僅かによろめき、ぎりぎりで炎が逸れます。

「ボルドに続け! 畳み掛けろ!」
「おう!」
「フン」

 迫る光弾に対して、竜は炎をぶつけます。光弾は少しだけ炎を押し返しますが、やがて飲み込まれてしまいました。炎を向けられた魔導士の方々は、攻撃を諦めて防御に専念します。

「くっ、化け物め!」
「怯むな! 別方向からも、ぐうっ!」

 竜はこちらが攻撃するよりも早く、首を動かして炎を広げます。私の光弾も炎の中に消えてしまいました。防御魔法を発現させた魔導士が前に出て、炎を防いでくれますが、その間に竜は飛び上がります。

「どこだ!?」
「落ち着け! 一旦態勢を」
「来たぞ!」
「馬鹿な、もうそんなところに!?」

 夜の闇に隠れた竜は、突然現れては襲いかかり、そしてすぐに飛び立ってしまいます。そのせいでこちらは満足に攻撃できず、一方的に消耗させられているように感じます。

「竜は弱いんじゃなかったのかよ!?」
「弱音を吐く暇があるなら集中しろ!」
「また来たぞ! 返り討ちにするんだ!」

 竜が現れた瞬間には攻撃できますが、どうしても後手に回ってしまい、攻撃を集中させることができません。味方同士の光弾がぶつかってしまうこともありました。

「探知魔法を使える奴はいないのか!?」
「防御に手一杯で使えないんだよ!」
「くそ、もう魔力が……!」

 竜の攻撃に備え、防御魔法を維持し続けてきた人たちは、限界が近づいてきたようです。
 負けるんじゃないか。ふとそんな気持ちが湧き上がってきて、頭を振ります。けれど不安は残ったままでした。
 集中しないといけないのに、どうして……!

「来た!」
「あっ!」

 竜が私たちの方へと襲いかかってきました。魔導士の方たちは、重ねるように防御魔法を発現させます。私も急いで、一番後ろに半透明の防御魔法を発現させました。その直後、竜の炎が迫りました。

「ううっ」

 竜の炎はすごい勢いでしたが、魔導士の方が発現させた防御魔法は破れません。流石です。そう思った時でした。

 バキィン!
「えっ?」

 重なった防御魔法、その一つが壊されました。竜が腕を叩きつけたみたいです。
 そんな、さっきまですぐに引いていたのに……!

「ぐぁあ!」
「きゃああ!」

 防御魔法が無くなったところから、竜の炎が入ってきました。魔導士の皆さんは慌ててそちらに魔法を向けようとしますが、大きな魔法は他の魔法とぶつかってしまい、上手く防ぐことができませんでした。

「熱い! 誰か!」
「押すな! うわっ!」

 魔導士の方が倒れると、その人が発現させていた魔法も消えてしまい、さらに炎が広がっていきます。私は小さな防御魔法で、自分を守るのが精一杯でした。
 ようやく炎が消えると、私の周りで沢山の魔導士の方が倒れていました。

「おいエイク、生きてんだろうな!?」
「……はは、やはり無理でしたかね?」

 無理。その言葉が、空気の熱さでぼうっとした頭に響きます。

「や、やっぱり無理だったんだ。竜と戦うなんて……」
「ちくしょう、こんなところで死ぬのかよ……!」

 倒れた魔導士の方からも、そんな諦めの声が出ます。
 私の手の先に形成した魔術式が消え、腕が下がりました。

「皆、諦めないで!」

 はっとして空を見上げます。そこには、空を飛ぶリズさんの姿がありました。リズさんは光弾を空に放ちながら上昇していきます。

「私が竜の位置を捕捉する。だから皆は攻撃の準備を――」
「フン、マダ動ケタカ。ナラバ貴様カラ片付ケルマデダ」
「あっ!」

 リズさんの魔術式の光が見えなくなります。間に竜が入ったのでしょう。
 怪我が治ったとは言え、リズさんの魔力と体力は回復していません。そんなリズさんが、一人であの竜を相手にできるわけがありませんでした。

「リズさん!」

 私は、自分でも気づかないうちに叫んでいました。
 リズさんが死んじゃう。
 そんなの、絶対に嫌だ!

「ああああああ!」

 私は両手を上に伸ばして、思いっきり魔力を出します。
 背中が燃えるように熱くなりました。いつもならそれに気づいて魔力を抑えるのですが、今はただ、魔術式の形成だけに意識を向けます。

「リズさん!」

 ユートさんの声が聞こえ、竜の陰から光が出てきました。リズさんの魔術式でしょう。そこから放たれた光弾が、竜の姿を浮かび上がらせました。
 そこです! 私は祈るような気持ちで、魔法を発現させました。

「『アロー』!」

 大きな魔術式から溢れた光が、一つに集まって、空に放たれました。

「グオオ!」

 そのすぐあとに、竜の叫びが聞こえました。腹部に魔法を受けた竜は、上空で動きを止めます。
 当たった……。良かった……!
 私は自分の魔法の行く末を見届けると、膝をつきました。今ので残っていた魔力をほとんど使いきってしまったのです。
 近づいてきたゴラさんが、私の姿を見て目を大きくします。

「お、おい、それは……?」
「後にしろ! 今しかない!」

 ボルドさんの指笛が高く響き渡ります。それは、道中で決めた総攻撃の合図でした。

「待ちくたびれたぜ!」

 ゲイルさんが山の中から飛び出しました。その体の前に、見る見るうちに大きな魔術式が現れます。光が漏れないよう形成した魔術式に、魔力を込めているのでしょう。竜の不意を突くための手段として、ゲイルさんが提案したものでした。

「貴様、逃ゲタノデハナカッタノカ!?」
「んなわけねぇだろ! てめぇに気づかれないよう魔術式を作ってやったんだ。たっぷり食らいなぁっ!」

 ゲイルさんの姿が見えなくなると、渦を巻く光が竜を囲みました。

 ゴオオオオオ!
「きゃっ!」

 直後、地面に叩きつけられた強風が辺りに吹き荒れました。上から下へと吹きつける、竜を地面に落とすためのゲイルさんの魔法です。
 すごい風です。これなら竜も……!

「侮ルナ!」

 けれど竜は翼を広げると、大きく羽ばたかせて風に抵抗します。

「援護しろ!」
「無茶だ! こんな風の中、あそこまで届く魔法なんて――」
「突き刺せ、『アイス・ピラー』!」
「斬り進め、『ブレイド・タプルート』!」

 広場から少し離れた場所から、二つの魔法が竜へと伸びていきました。尖った氷の塊と、それに並ぶ黒い刃です。シルファさんとシイキさんの魔法でした。

「ガアッ!」

 魔法は広がった翼に刺さりました。翼を動かせなくなった竜は、ついに地面へと落ちてきます。

 ドズゥン!
「よし!」
「やれ! 角を狙うんだ!」

 風が止んで、魔導士の人たちも次々と攻撃に参加します。

「ググ、コノ程度……!」

 しかし竜は尚も体を動かし、なんとか立ち上がろうとします。竜の手足が地面を叩く音が鈍く響き、それに伴い頭も揺れ、角を狙った攻撃はなかなか当たりません。

「急げ! また動き出すぞ!」
「大規模魔法は!?」
「今からじゃ間に合わねえ! どうにかこのまま――」
「竜の頭を押さえて!」

 ユートさんの声でした。続けて、ダダダダダダ! という音が連続しながら大きくなっていきます。見上げると、ジグザグな光が凄い速さで落ちてきていました。
 魔法じゃない……。もしかしてあれが、ユートさん……!?

「『プレス』!」
「グッ!」

 ボルドさんの魔法が、竜の顔を地面に押さえつけます。横を向いた竜と目が合いました。
 その直後、光が角に落ちました。

「『稲妻蹴り』!」
 バガァン!
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