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二歳児編
泥団子遊び
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あの嵐については、村の掲示板にも大々的に取り上げられたそうで、村に住む他の人たちもかなりの被害を受けたらしい。
「けどね、リンド。こういう時だからこそ、皆が協力し合ってかなきゃならないのさ」
アリーさんの言葉には、力が込められていた。
それから時は経ち、赤の月を経て、金の月となった。前世で言うところの十月である。
その間、どうにか無事だった数少ない稲の収穫が終わってからは、ずっと畑仕事に携わってきた今までの一日とはスケジュールがガラリと変わった。山に野草を探しに行ったり、川で魚釣りをしたりなど、内で育てる生活から外で採る生活となったのだ。そして採ったものの何割かは、嵐による被害が大きかった村の人に配って回るなんてこともした。
ただ、俺の心は晴れなかった。畑仕事ばかりでなく色々なことを体験できるのは刺激的だし、村の人たちに感謝されるのも嬉しいけれど、これもマイスが殆ど収穫できなかったせいでさせてもらっていることなのか、と変に考えてしまい、純粋に喜ぶことができないのだ。
(お主はいつまで過去を引きずっておるのだ)
そして時折もしものことを考えては、こうしてレイズに呆れられるのだった。段々と日も短くなり、それに反比例して夜中の魔法訓練の時間は長くなったけれど、実際に練習に充てられる時間は依然とあまり変わっていなかった。
(分かってるよ、考えても仕方ないことだって。だから切り替えるためにもこうして行動してる。けどどうしても不意に思い出しちゃうんだから仕方ないだろ)
(思い出すのは仕方ないかもしれぬが、それで一々後ろを向いていたら前には進めぬ。ありもしない妄想に浸る暇があるならば、目の前の現実に向き合うのだ)
(……それもそうなんだけどさ)
分かっているつもりではある。だけど気持ちではどうにもできなかった。もしあの時ああだったら。そんな幻想に逃げようとする自分を変えるのは、一朝一夕でできることじゃないのだろう。
ふう、と一息ついて気持ちを切り替える。また練習を中断してしまった。もっと集中しないと。
目を閉じて、意識を右手に、そこで軽く握った泥団子に向ける。
先ずは魔力を使って土を動かせ。それがレイズの指示だった。レイズが言うには、実際にある火に自分の魔力を与え自由自在に操れるようになることが始まりだったそうなので、俺もそれに倣い、畑の土をほんの少し拝借して、それを動かそうとしていた。
魔力を右手に集中し、それを手のひらから放出して、泥団子に注ぎ込む。この二か月でそこまではできるようになった。泥団子の中に動力となる魔力があることも感じ取れる。しかしながら、実際に動かそうとしてもうんともすんとも言わなかった。浮かべと念じても手の中に収まったままだし、転がれと念じても微動だにしない。重すぎるのかと考え、指先に乗るくらい小さな粒にして試した時は流石に少しは動いたけど、その動きは手のひらの上のちょっとした傾斜で転がっているだけなんじゃないかと疑ってしまうほど遅々としたものだった。そして今日も今日とて同じことを繰り返し、同じ結果が得られるという無為な時間が過ぎていった。
(なあ、本当にこれで操れるようになるのか?)
(ふぅむ、炎を操る時はそれで問題なかったのだがな。想像力が足りないのではないか?)
(想像力ねぇ)
そう言われて、団子から立方体になったり、正四面体になったりする想像を巡らせてみるも、結果は変わらない。
(土属性と火属性じゃ、そもそも操り方が違うってことか?)
(多少は異なるだろうが、魔力を通じて操るというのはどの属性にも共通していることだ。お主が行っている方法も、我が過去に耳にした、土属性の魔法を会得する手段とそう違わぬ)
(となると、何か見落としがあるのかな……?)
あれこれ考えてみるも答えは出ず、結局この日も収穫は特になかった。
翌日、俺はどう土を動かすかを考えながら、山に野草を採りに向かうアリーさんの後ろを歩いていた。涼しげな気候は山歩きをするのに丁度よく、水運びなどを通じて体力がついてきたこともあって、歩きながらでも思考する余裕があった。
(そもそも火と土じゃ物としてまるで別物なんだよな。その差異から原因を考えてみるか。うーん……。重さがない分、土よりも火の方が動かしやすかったりするんだろうか? ……いや、だとしてもその分魔力を込めれば、原理が同じなら動かせるはずだ。泥団子の体積分の魔力じゃその質量を動かすことはできないとか? ……それもないな。レイズの言葉を信じるなら、これが魔法の会得に使われた手段なわけだし。そもそもこの程度のものも満足に動かせないなら魔法として廃れるだろう。あと考えられるのは、魔力の質みたいなものかな。俺はまだ幼いから魔力の質が悪いみたいな。あ、けどレイズが手伝ってくれたとは言え、一応俺の魔力でかなり大規模な魔法を使うこともできたか。それともあの時は火事場の馬鹿力みたいなものを発揮しただけ? だとしても少しくらい動かせても――)
ガッ
「わっ!」
「リンド!?」
気が付いたら地面が目の前にあった。ぶつかる! と思って目をつぶるも、衝撃は顔ではなく両腕にきた。
「え……?」
恐る恐る目を開けると、両手の間で小さな雑草が地面から顔を出しているのが見えた。ポカンとしているうちに、アリーさんが俺を抱き起してくれる。
「リンド、大丈夫かい?」
「は、はい……」
「まったくもう。足元には気をつけるんだよ。この辺りは木の根が土を盛り上げているところが多いからね」
俺を立たせたアリーさんは、特に傷がないことを確認してから、俺の背後を指さした。それを追って振り向くと、確かに僅かながら土が盛り上がっている所があった。恐らくその傍に生えている木の根が下を通っているのだろう。
「あ……」
それを見て、閃いた。もしかしたら、上手くいくかもしれない。
「リンド、歩けるかい?」
「あ、はい!」
「よし。それじゃあ、もう少し先に進むよ」
軽く俺の肩を叩いたアリーさんは、立ち上がって歩みを再開する。俺は注意された通り、足元に気をつけてその後ろをついていく。
(カーネルよ、考えることも大事だが、身の安全を疎かにするようではいかぬぞ)
(そうだな、ごめん。ところで、さっき俺の腕を動かしたのはレイズか?)
(その通りだ。緊急事態だったのでな。許可なく体を動かしてしまった。許してくれ)
やっぱりか。俺が起きている間でも、そういうことができるんだな。
(いや、全然構わないさ。寧ろこういう仕事の時は、率先して代わってくれてもいいぞ?)
(それは断る。幼いうちから楽を覚えては大人になって苦労するぞ)
(はは、分かってる。冗談だよ)
俺としても、他人が育てたキャラクターを使う気にはなれない。自分の体くらい、できる限り自分で動かさないとな。
(それより、何か掴んだようだが?)
(ああ、少し試したいことができたんだ。夜を楽しみにしててくれ)
(ほう、ならば期待して待つとしよう)
レイズは嬉しそうに言う。それを聞いて小さく笑みを浮かべると、夜にすることが決まった俺は目の前の仕事に意識を集中させるのだった。
そして、夜。
(導火線がなかったんだ)
いつものように右手に乗せた泥団子に魔力を込めながら、俺は結論を先に告げた。
(導火線だと?)
(神経って言った方が合ってるかな。泥団子を動かすエネルギーはあっても、それを使えって指示する手段を確立してなかったんだ)
どんなに強力な爆弾も、火を着ける手段がなければただの鉄の塊だ。強化魔法の時は多分、自分の体を通して魔法を発動できたのだろう。けれど体の外にある泥団子に対して魔法を使うには、それと同じじゃ駄目だったんだ。
(だから動かすための魔力とは別に、動けと命じるための魔力、その伝達経路を組み込まなきゃならなかったんだ)
(しかしお主は今までも、魔力を通して動かそうという意思を送っていたのであろう?)
(ああ。けどその命令は多分、表面にしか届かなかったんだと思う)
ある程度動かすための魔力を注いだところで、今度は手のひらの先から根を生やすようなイメージで、泥団子の中に疑似神経を通していく。
(だから小さな粒みたいなもの程度なら動かせても、大きなものは動かせなかったんだ。中にまで動けって意図が伝わらなかったから)
(そういうことか。火とは違い易々と形を変えることのない土を操るものだからこそ、動かすにも工夫が必要になるのだな)
(と言っても、あくまでただの仮説だけどな)
それが正しいかどうか分かるのは、これからだ。どうか正解であってくれよ。
祈るような気持ちで、根の入り口に魔力を注ぐ。
動け、動け、動け――!
バラ
ある程度魔力を込めたところで、泥団子は崩壊した。
(………………)
えーっと、これは……。
(ふむ、どうやらお主の考えは正しかったようだな)
(そうなのか!?)
(うむ。火を操ろうとする際も、最初の内は動かし方も分からぬ故、四方に散って消えてしまうということが起こるものだ。これはその土属性版といったところだな)
(そうなのか……)
右手を軽く握り、崩れた泥団子を再び丸める。今の崩壊で空気に溶けてしまったのか、魔力はもう感じられない。明らかな失敗だ。
だけど、仮説は正しかった。その事実に心が震えた。気分はさながら、広すぎてどこに向かえばいいか分からない世界で、進むべき方向を示された時のようだった。これで物語が進行する。新しい領域に行ける。ゲームをしている時にも味わったワクワクとした気持ちが溢れてきた。
(よし、今の感覚を忘れぬうちに、反復して体に覚えさせるのだ)
(ああ!)
折角見つけた宝の地図を捨てるだなんてありえない。俺は右手に魔力を集中させると、泥団子の中に魔力の手を伸ばしていった。
「けどね、リンド。こういう時だからこそ、皆が協力し合ってかなきゃならないのさ」
アリーさんの言葉には、力が込められていた。
それから時は経ち、赤の月を経て、金の月となった。前世で言うところの十月である。
その間、どうにか無事だった数少ない稲の収穫が終わってからは、ずっと畑仕事に携わってきた今までの一日とはスケジュールがガラリと変わった。山に野草を探しに行ったり、川で魚釣りをしたりなど、内で育てる生活から外で採る生活となったのだ。そして採ったものの何割かは、嵐による被害が大きかった村の人に配って回るなんてこともした。
ただ、俺の心は晴れなかった。畑仕事ばかりでなく色々なことを体験できるのは刺激的だし、村の人たちに感謝されるのも嬉しいけれど、これもマイスが殆ど収穫できなかったせいでさせてもらっていることなのか、と変に考えてしまい、純粋に喜ぶことができないのだ。
(お主はいつまで過去を引きずっておるのだ)
そして時折もしものことを考えては、こうしてレイズに呆れられるのだった。段々と日も短くなり、それに反比例して夜中の魔法訓練の時間は長くなったけれど、実際に練習に充てられる時間は依然とあまり変わっていなかった。
(分かってるよ、考えても仕方ないことだって。だから切り替えるためにもこうして行動してる。けどどうしても不意に思い出しちゃうんだから仕方ないだろ)
(思い出すのは仕方ないかもしれぬが、それで一々後ろを向いていたら前には進めぬ。ありもしない妄想に浸る暇があるならば、目の前の現実に向き合うのだ)
(……それもそうなんだけどさ)
分かっているつもりではある。だけど気持ちではどうにもできなかった。もしあの時ああだったら。そんな幻想に逃げようとする自分を変えるのは、一朝一夕でできることじゃないのだろう。
ふう、と一息ついて気持ちを切り替える。また練習を中断してしまった。もっと集中しないと。
目を閉じて、意識を右手に、そこで軽く握った泥団子に向ける。
先ずは魔力を使って土を動かせ。それがレイズの指示だった。レイズが言うには、実際にある火に自分の魔力を与え自由自在に操れるようになることが始まりだったそうなので、俺もそれに倣い、畑の土をほんの少し拝借して、それを動かそうとしていた。
魔力を右手に集中し、それを手のひらから放出して、泥団子に注ぎ込む。この二か月でそこまではできるようになった。泥団子の中に動力となる魔力があることも感じ取れる。しかしながら、実際に動かそうとしてもうんともすんとも言わなかった。浮かべと念じても手の中に収まったままだし、転がれと念じても微動だにしない。重すぎるのかと考え、指先に乗るくらい小さな粒にして試した時は流石に少しは動いたけど、その動きは手のひらの上のちょっとした傾斜で転がっているだけなんじゃないかと疑ってしまうほど遅々としたものだった。そして今日も今日とて同じことを繰り返し、同じ結果が得られるという無為な時間が過ぎていった。
(なあ、本当にこれで操れるようになるのか?)
(ふぅむ、炎を操る時はそれで問題なかったのだがな。想像力が足りないのではないか?)
(想像力ねぇ)
そう言われて、団子から立方体になったり、正四面体になったりする想像を巡らせてみるも、結果は変わらない。
(土属性と火属性じゃ、そもそも操り方が違うってことか?)
(多少は異なるだろうが、魔力を通じて操るというのはどの属性にも共通していることだ。お主が行っている方法も、我が過去に耳にした、土属性の魔法を会得する手段とそう違わぬ)
(となると、何か見落としがあるのかな……?)
あれこれ考えてみるも答えは出ず、結局この日も収穫は特になかった。
翌日、俺はどう土を動かすかを考えながら、山に野草を採りに向かうアリーさんの後ろを歩いていた。涼しげな気候は山歩きをするのに丁度よく、水運びなどを通じて体力がついてきたこともあって、歩きながらでも思考する余裕があった。
(そもそも火と土じゃ物としてまるで別物なんだよな。その差異から原因を考えてみるか。うーん……。重さがない分、土よりも火の方が動かしやすかったりするんだろうか? ……いや、だとしてもその分魔力を込めれば、原理が同じなら動かせるはずだ。泥団子の体積分の魔力じゃその質量を動かすことはできないとか? ……それもないな。レイズの言葉を信じるなら、これが魔法の会得に使われた手段なわけだし。そもそもこの程度のものも満足に動かせないなら魔法として廃れるだろう。あと考えられるのは、魔力の質みたいなものかな。俺はまだ幼いから魔力の質が悪いみたいな。あ、けどレイズが手伝ってくれたとは言え、一応俺の魔力でかなり大規模な魔法を使うこともできたか。それともあの時は火事場の馬鹿力みたいなものを発揮しただけ? だとしても少しくらい動かせても――)
ガッ
「わっ!」
「リンド!?」
気が付いたら地面が目の前にあった。ぶつかる! と思って目をつぶるも、衝撃は顔ではなく両腕にきた。
「え……?」
恐る恐る目を開けると、両手の間で小さな雑草が地面から顔を出しているのが見えた。ポカンとしているうちに、アリーさんが俺を抱き起してくれる。
「リンド、大丈夫かい?」
「は、はい……」
「まったくもう。足元には気をつけるんだよ。この辺りは木の根が土を盛り上げているところが多いからね」
俺を立たせたアリーさんは、特に傷がないことを確認してから、俺の背後を指さした。それを追って振り向くと、確かに僅かながら土が盛り上がっている所があった。恐らくその傍に生えている木の根が下を通っているのだろう。
「あ……」
それを見て、閃いた。もしかしたら、上手くいくかもしれない。
「リンド、歩けるかい?」
「あ、はい!」
「よし。それじゃあ、もう少し先に進むよ」
軽く俺の肩を叩いたアリーさんは、立ち上がって歩みを再開する。俺は注意された通り、足元に気をつけてその後ろをついていく。
(カーネルよ、考えることも大事だが、身の安全を疎かにするようではいかぬぞ)
(そうだな、ごめん。ところで、さっき俺の腕を動かしたのはレイズか?)
(その通りだ。緊急事態だったのでな。許可なく体を動かしてしまった。許してくれ)
やっぱりか。俺が起きている間でも、そういうことができるんだな。
(いや、全然構わないさ。寧ろこういう仕事の時は、率先して代わってくれてもいいぞ?)
(それは断る。幼いうちから楽を覚えては大人になって苦労するぞ)
(はは、分かってる。冗談だよ)
俺としても、他人が育てたキャラクターを使う気にはなれない。自分の体くらい、できる限り自分で動かさないとな。
(それより、何か掴んだようだが?)
(ああ、少し試したいことができたんだ。夜を楽しみにしててくれ)
(ほう、ならば期待して待つとしよう)
レイズは嬉しそうに言う。それを聞いて小さく笑みを浮かべると、夜にすることが決まった俺は目の前の仕事に意識を集中させるのだった。
そして、夜。
(導火線がなかったんだ)
いつものように右手に乗せた泥団子に魔力を込めながら、俺は結論を先に告げた。
(導火線だと?)
(神経って言った方が合ってるかな。泥団子を動かすエネルギーはあっても、それを使えって指示する手段を確立してなかったんだ)
どんなに強力な爆弾も、火を着ける手段がなければただの鉄の塊だ。強化魔法の時は多分、自分の体を通して魔法を発動できたのだろう。けれど体の外にある泥団子に対して魔法を使うには、それと同じじゃ駄目だったんだ。
(だから動かすための魔力とは別に、動けと命じるための魔力、その伝達経路を組み込まなきゃならなかったんだ)
(しかしお主は今までも、魔力を通して動かそうという意思を送っていたのであろう?)
(ああ。けどその命令は多分、表面にしか届かなかったんだと思う)
ある程度動かすための魔力を注いだところで、今度は手のひらの先から根を生やすようなイメージで、泥団子の中に疑似神経を通していく。
(だから小さな粒みたいなもの程度なら動かせても、大きなものは動かせなかったんだ。中にまで動けって意図が伝わらなかったから)
(そういうことか。火とは違い易々と形を変えることのない土を操るものだからこそ、動かすにも工夫が必要になるのだな)
(と言っても、あくまでただの仮説だけどな)
それが正しいかどうか分かるのは、これからだ。どうか正解であってくれよ。
祈るような気持ちで、根の入り口に魔力を注ぐ。
動け、動け、動け――!
バラ
ある程度魔力を込めたところで、泥団子は崩壊した。
(………………)
えーっと、これは……。
(ふむ、どうやらお主の考えは正しかったようだな)
(そうなのか!?)
(うむ。火を操ろうとする際も、最初の内は動かし方も分からぬ故、四方に散って消えてしまうということが起こるものだ。これはその土属性版といったところだな)
(そうなのか……)
右手を軽く握り、崩れた泥団子を再び丸める。今の崩壊で空気に溶けてしまったのか、魔力はもう感じられない。明らかな失敗だ。
だけど、仮説は正しかった。その事実に心が震えた。気分はさながら、広すぎてどこに向かえばいいか分からない世界で、進むべき方向を示された時のようだった。これで物語が進行する。新しい領域に行ける。ゲームをしている時にも味わったワクワクとした気持ちが溢れてきた。
(よし、今の感覚を忘れぬうちに、反復して体に覚えさせるのだ)
(ああ!)
折角見つけた宝の地図を捨てるだなんてありえない。俺は右手に魔力を集中させると、泥団子の中に魔力の手を伸ばしていった。
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