転生して一歳児の俺が未来の大魔王として担ぎ上げられたんだけどこれなんて無理ゲー?

東赤月

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一歳児編

カーネル殿の観察記録

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○月○日
 本日、予定通りカーネル殿と世話役の生活が始まったが、初日から驚くことばかりだった。
 親に何か吹き込まれたのか、世話役の三人が仲違いをしたことも予想外だったが、まさかそれをカーネル殿が収めてしまうとは思いもよらなかった。そればかりか、様子を見ていた私を責めるような発言までして見せたことには、感心を通り越して恐ろしさを覚えてしまった。あれはどう考えても、一歳児にできることではない。
 やはり大魔王様がお目覚めになられているのだろうか? だとするならば、早めに手を打っておいて正解だった。もう自我を確立させていることには驚いたが、流石にまだ完全に力を取り戻したわけではあるまい。我々が制御できるうちに、できることはしておかねばならない。
 しかし今日のことで大魔王様も警戒をお強めになられたかもしれない。最悪、我々を敵だと認識した可能性もある。
 こうなれば、一刻も早く大魔王様とお話しをすべきだろうか?
 ……いや、それはまだ早い。相手は伝説の大魔王様だ。こちらに恭順の意志があると思われては、どんな要求をされるか分からない。敬意は払いつつも、絶対服従などはしないと、言外に訴え続けなければ。
 それでもやむを得ない場合は――止めよう。少なくとも今のところ、大魔王様は理不尽な要求をしたりなどはしていない。世話役の三人に対しての態度も常識的なものだった。あの子らも今日の出来事で反省しただろうし、今後はカーネル殿の気に障るようなことは控えるだろう。
 計画はまだ始まったばかりだ。功を焦ってはいけない。時間をかけて進めていかなければ。
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