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第10話 謎その一〜吉野さんは人間?〜
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お弁当を食べ終わり、高速で変わる景色を楽しむのも一旦落ち着いたところで、僕は前回のカウンセリングの謎に対する質問の口火を切った。
「先生、この前のカウンセリングについて質問いいですか?」
「もちろんです。どうぞ」
先生は楽しげにニコニコと笑って応えた。
「まず、吉野さんは桃太郎の生まれ変わりとか、それに近しい人の魂を持った人なのですか?」
「いいえ、吉野さんは、『桃太郎』を題材に映画の原作を書こうとしている普通の人です。俳優としてセンスのある立派な人だと思いますけどね。また、桃太郎のモデルになっている人物はいても、桃太郎はいません。だから、桃太郎の魂というものも存在しません」
「じゃあ、吉野さんは嘘をついたのですか?または、統合失調症とか妄想性パーソナリティ障害といったものでしょうか?始めに、桃太郎を名乗った時の様子は嘘とか冗談を言っているようには見えなくて・・・」
「意識が混濁していて、吉野さん自身の思考や言動に他者の思念が紛れ込んでしまっていたので、あの状態は吉野さんであって吉野さんではない状態です。なので、吉野さんが話しをしていた瞬間もありましたが、別の何かが話しをしていた時もあり、別の何かと吉野さんの創作が入り混じった話しになっている時もありました」
「その何かが、吉野さんが帰ってから私が言った、たくさんの鬼ですね」
茜ちゃんが、納得するように頷いている。僕には、その鬼が全く見えなかったから、吉野さんが精神錯乱状態にしか見えなかったのか。
「そうです。茜ちゃんが鬼というモノがあの部屋には何十もいました」
「先生はあのカウンセリングで吉野さんと何十人の鬼との会話をしていたということですか?」
「はい。本来なら吉野さんは人間ですから、兼人くんの担当ですが、このカウンセリングは人間以外の者とのカウンセリングになる可能性があったので、私が担当することにしました。さらに言うと、鬼は神である可能性もありますからね。なので、私が担当で適切だったと思います」
「私も初めは鬼は妖怪だから、私の担当ではないのかな?と思っていたのだけど、途中から私の手に負える相手ではないと思いました」
「今回の鬼に関して言えば、神と言われる鬼は一人もいませんでした。なので、数が少なければ、茜ちゃんも対応できたとは思います。でも、途中でサポートに回ってくれてお水を用意してくれたのはナイスサポートでした。あのお水のおかげでだいぶ穢れが祓われて、流れも変わりましたからね」
茜ちゃんは、いえいえと謙遜し笑顔で首を横に振りながらも得意げな表情だ。しかし、そんなやりとりが行われていたのに、僕は何も気が付かなかった・・・。お水もいつの間にかあったとしか思わなかった。僕はこのチームの何も役に立ってない・・・。
「兼人の祝詞の先生なかなか良かったよ!」
茜ちゃんが気を使ってくれているのか、明るい声で励ましてくれた。
「そうですね。今回のカウンセリングはチームで第一段階を乗り越えた感じがしますね。今は第二段階に臨む戦略会議といったところでしょうか」
先生も優しい・・・。今はその優しさに甘えさせてもらいます・・・。なるべく早く、必ずこのチームの役に立って見せます!という覚悟を胸に心と頭を切り替え、次の質問をした。
「吉野さんが人間だということは分かったのですが、ところどころ、辻褄が合わないというか、腑に落ちないことを言っていたのは何故なのですか?例えば、「軍人」という表現は明らかに現代の表現ですよね。なんか、第二次世界大戦の話しをしているのかと思いました。そこにも薄っぺらさを感じました。また、桃太郎をモチーフとした映画原作を書いているのに、戦場の舞台は東北と北関東と言ったり、坂上田村麻呂の蝦夷地討伐の話しをしていましたよね。桃太郎のモデルがいた場所も時代も違います。吉野さんのインタビューから見える真面目で勉強家な人柄からしても、「桃太郎」をモチーフとした原作を書くのに、坂上田村麻呂を出して来るのは不自然だと思いましたし、本気で書いて、それなら不勉強過ぎる気がしました」
「お!一瞬落ち込んだと思ったけど、調子出てきたね」
茜ちゃんが茶化すが、そんなことを気にしていられないくらい今の僕は成長欲求に満たされている。
「いいですね。疑問は何でも聞いて下さい。私が分かっていることは全てお話しします。また、推理も入れてお話ししますので、それも参考にして下さい」
「はい。お願いします」
「まず、吉野さんには鬼と言われる怨霊がたくさん憑いていました。しかし、その怨霊は憑いていると言っても、吉野さんの肉体を乗っ取って何か悪さをしようとか、生前の欲求を満たそうとする悪い霊、つまり、悪霊ではないのです。実は、そこも今回のカウンセリングの難しさと言えるのです。」
「肉体を乗っ取る目的ではないのに、何で取り憑いているのですか?」
「この怨霊たちの目的は、吉野さんに伝えたいことがあるから憑いているのです。また、この怨霊の発する汚れというかマイナスの気に引っ張られて東京や現代に近い怨霊も憑いてしまっている状態といえます。そして、吉野さんは優れた俳優だからなのか、自分の中に他者の思念や思考を取り入れる特殊なセンスがあるようです。だから、怨霊たちが競って吉野さんの中に出たり入ったりして、伝えてほしいことを叫んでいる状態でした。だから、表現も理屈も滅茶苦茶だと感じたのだと思います」
「しかし、伝えたいことがあるのなら、吉野さんの体を乗っ取って、怨霊自らの声で、その怨霊が伝えない誰か伝えたらいいのではないですか?」
「怨霊たちが望んでいることは世間に伝えたいことなのです。だから、吉野さんが正常な状態で世間に伝えないと意味がないのです」
ん?また謎が謎を呼んでいる。吉野さんが正常な状態で・・・?
「吉野さんのお仕事は?」
茜ちゃんが助け舟を出すように言った。
「吉野さんは・・俳・・・いや、映画原作者、桃太郎をモチーフにした映画原作を書いています」
「そうです。そこに書いてもらいたいことがあるから、吉野さんに取り憑いているのです。だから、一週間前に、兼人くんの祝詞で応急処置的には怨霊は祓われましたが、また集まって来ます。悪霊ではないので滅することはできません。言い換えれば、吉野さん自身が怨霊を鎮めて祓うことができるのです」
「でも、すでに死んでいる怨霊が、現代で生きている吉野さんに取り憑いて、生活に支障をきたしているのだから悪霊ではないのですか?滅してもいいような・・・」
「兼人くんは、クライアントが精神的に辛い状態で職場や周りに迷惑をかけている人でしたら、その人を排除することを考えますか?」
あ、そうか、僕たちは拝み屋や霊媒師ではないカウンセラーなのだ。吉野さんに憑いている怨霊も水亀先生のクライアントだ。また、反省しないといけない・・・。
「理解できたようですね。では、次の質問にいきましょうか」
先生は僕のやってしまったという気まずそうな顔を見て優しく微笑んだが、トレーニングはまだまだ続きますよと言わんばかりの表情だ。急に緊張してきた・・・。
「先生、この前のカウンセリングについて質問いいですか?」
「もちろんです。どうぞ」
先生は楽しげにニコニコと笑って応えた。
「まず、吉野さんは桃太郎の生まれ変わりとか、それに近しい人の魂を持った人なのですか?」
「いいえ、吉野さんは、『桃太郎』を題材に映画の原作を書こうとしている普通の人です。俳優としてセンスのある立派な人だと思いますけどね。また、桃太郎のモデルになっている人物はいても、桃太郎はいません。だから、桃太郎の魂というものも存在しません」
「じゃあ、吉野さんは嘘をついたのですか?または、統合失調症とか妄想性パーソナリティ障害といったものでしょうか?始めに、桃太郎を名乗った時の様子は嘘とか冗談を言っているようには見えなくて・・・」
「意識が混濁していて、吉野さん自身の思考や言動に他者の思念が紛れ込んでしまっていたので、あの状態は吉野さんであって吉野さんではない状態です。なので、吉野さんが話しをしていた瞬間もありましたが、別の何かが話しをしていた時もあり、別の何かと吉野さんの創作が入り混じった話しになっている時もありました」
「その何かが、吉野さんが帰ってから私が言った、たくさんの鬼ですね」
茜ちゃんが、納得するように頷いている。僕には、その鬼が全く見えなかったから、吉野さんが精神錯乱状態にしか見えなかったのか。
「そうです。茜ちゃんが鬼というモノがあの部屋には何十もいました」
「先生はあのカウンセリングで吉野さんと何十人の鬼との会話をしていたということですか?」
「はい。本来なら吉野さんは人間ですから、兼人くんの担当ですが、このカウンセリングは人間以外の者とのカウンセリングになる可能性があったので、私が担当することにしました。さらに言うと、鬼は神である可能性もありますからね。なので、私が担当で適切だったと思います」
「私も初めは鬼は妖怪だから、私の担当ではないのかな?と思っていたのだけど、途中から私の手に負える相手ではないと思いました」
「今回の鬼に関して言えば、神と言われる鬼は一人もいませんでした。なので、数が少なければ、茜ちゃんも対応できたとは思います。でも、途中でサポートに回ってくれてお水を用意してくれたのはナイスサポートでした。あのお水のおかげでだいぶ穢れが祓われて、流れも変わりましたからね」
茜ちゃんは、いえいえと謙遜し笑顔で首を横に振りながらも得意げな表情だ。しかし、そんなやりとりが行われていたのに、僕は何も気が付かなかった・・・。お水もいつの間にかあったとしか思わなかった。僕はこのチームの何も役に立ってない・・・。
「兼人の祝詞の先生なかなか良かったよ!」
茜ちゃんが気を使ってくれているのか、明るい声で励ましてくれた。
「そうですね。今回のカウンセリングはチームで第一段階を乗り越えた感じがしますね。今は第二段階に臨む戦略会議といったところでしょうか」
先生も優しい・・・。今はその優しさに甘えさせてもらいます・・・。なるべく早く、必ずこのチームの役に立って見せます!という覚悟を胸に心と頭を切り替え、次の質問をした。
「吉野さんが人間だということは分かったのですが、ところどころ、辻褄が合わないというか、腑に落ちないことを言っていたのは何故なのですか?例えば、「軍人」という表現は明らかに現代の表現ですよね。なんか、第二次世界大戦の話しをしているのかと思いました。そこにも薄っぺらさを感じました。また、桃太郎をモチーフとした映画原作を書いているのに、戦場の舞台は東北と北関東と言ったり、坂上田村麻呂の蝦夷地討伐の話しをしていましたよね。桃太郎のモデルがいた場所も時代も違います。吉野さんのインタビューから見える真面目で勉強家な人柄からしても、「桃太郎」をモチーフとした原作を書くのに、坂上田村麻呂を出して来るのは不自然だと思いましたし、本気で書いて、それなら不勉強過ぎる気がしました」
「お!一瞬落ち込んだと思ったけど、調子出てきたね」
茜ちゃんが茶化すが、そんなことを気にしていられないくらい今の僕は成長欲求に満たされている。
「いいですね。疑問は何でも聞いて下さい。私が分かっていることは全てお話しします。また、推理も入れてお話ししますので、それも参考にして下さい」
「はい。お願いします」
「まず、吉野さんには鬼と言われる怨霊がたくさん憑いていました。しかし、その怨霊は憑いていると言っても、吉野さんの肉体を乗っ取って何か悪さをしようとか、生前の欲求を満たそうとする悪い霊、つまり、悪霊ではないのです。実は、そこも今回のカウンセリングの難しさと言えるのです。」
「肉体を乗っ取る目的ではないのに、何で取り憑いているのですか?」
「この怨霊たちの目的は、吉野さんに伝えたいことがあるから憑いているのです。また、この怨霊の発する汚れというかマイナスの気に引っ張られて東京や現代に近い怨霊も憑いてしまっている状態といえます。そして、吉野さんは優れた俳優だからなのか、自分の中に他者の思念や思考を取り入れる特殊なセンスがあるようです。だから、怨霊たちが競って吉野さんの中に出たり入ったりして、伝えてほしいことを叫んでいる状態でした。だから、表現も理屈も滅茶苦茶だと感じたのだと思います」
「しかし、伝えたいことがあるのなら、吉野さんの体を乗っ取って、怨霊自らの声で、その怨霊が伝えない誰か伝えたらいいのではないですか?」
「怨霊たちが望んでいることは世間に伝えたいことなのです。だから、吉野さんが正常な状態で世間に伝えないと意味がないのです」
ん?また謎が謎を呼んでいる。吉野さんが正常な状態で・・・?
「吉野さんのお仕事は?」
茜ちゃんが助け舟を出すように言った。
「吉野さんは・・俳・・・いや、映画原作者、桃太郎をモチーフにした映画原作を書いています」
「そうです。そこに書いてもらいたいことがあるから、吉野さんに取り憑いているのです。だから、一週間前に、兼人くんの祝詞で応急処置的には怨霊は祓われましたが、また集まって来ます。悪霊ではないので滅することはできません。言い換えれば、吉野さん自身が怨霊を鎮めて祓うことができるのです」
「でも、すでに死んでいる怨霊が、現代で生きている吉野さんに取り憑いて、生活に支障をきたしているのだから悪霊ではないのですか?滅してもいいような・・・」
「兼人くんは、クライアントが精神的に辛い状態で職場や周りに迷惑をかけている人でしたら、その人を排除することを考えますか?」
あ、そうか、僕たちは拝み屋や霊媒師ではないカウンセラーなのだ。吉野さんに憑いている怨霊も水亀先生のクライアントだ。また、反省しないといけない・・・。
「理解できたようですね。では、次の質問にいきましょうか」
先生は僕のやってしまったという気まずそうな顔を見て優しく微笑んだが、トレーニングはまだまだ続きますよと言わんばかりの表情だ。急に緊張してきた・・・。
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