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-第二章-サマーオーシャン連合国-前編
-第二章三十七節 伝令と運営の人間-
しおりを挟む次の日、マサツグがゲームにログインするとマサツグの腹の上ではご恒例のシロの
開きが目に映る。そんなシロをマサツグが慣れた様子で起こさない様にベッドから
起きると宿屋の一階に降りて行く。そして宿屋の一階に下りるとそこにはマサツグと
同じ様に宿屋に寝泊りする冒険者達が朝食を食べに降りて来ていた。
「いやぁ、この町に来れる様になってから数日経ったけど結構素材集めの拠点に
向いている町だよな!」
「そうだな!この町の鎖国を解いた冒険者はマジで神だぜ!」
思い思いに他の冒険者が鎖国状態を解いたマサツグの事を知らずに喋っていると
ここでギルドの使いらしき人物が勢い良く宿屋に入ると急ぐ様に冒険者達に
有る事を話し始める。その内容に周りの冒険者達はバッと振り返り、話を聞き入る
のであった。
__バァン!!…キィ…キィ…
「な…何だ?…」
「如何したんだ?」
「で…伝令!!各冒険者達に通達!!
緊急のマスターオーダークエストを発令!!!」
このギルド職員の宣言に食事を取っていた冒険者や次の目的を考えていた冒険者達が
一斉に手を止めギルド職員の方に振り向く。その突然の様子に宿屋の店員や店主が
驚いているとギルド職員は更に続ける。
「今回ある冒険者がコカトリスの討伐に成功した際、ギルドの職員及び
ポップリングスの衛兵達による辺りの捜索をした結果!
以前より注意勧告していたユニークモンスターらしき痕跡を発見!!!」
__ざわざわ!!…どよどよ!!…
「これよりこのポップリングスを中心に辺りのモンスター一斉掃討及びユニーク
モンスターの発見、討伐のマスターオーダークエストを発令!!
尚、このクエストに強制参加の意図は無い為、自由参加とする!
腕に覚えのある者は振るって参加をとギルドマスター・ロディの言葉を
届けに来た次第!!参加する人はこれより三十分の内にギルド建設予定地の前に
集合されたし!!以上!!」
ギルド職員がマスターオーダーを伝え終えるとまた急いで他の宿屋に止まっている
冒険者達に伝える為に宿屋を飛び出す。宣言に周りに居た冒険者達はどよめき驚きを
露にするがそんな様子を尻目にマサツグがユニークモンスターについて疑問を
持っているとこの騒動で目が覚めたのか、眠い目を擦りながらシロが一階に下りて
来るのであった。
「おい!マジかよ!!ユニークモンスターだってよ!!」
「倒したら一攫千金だぞ!!それにレア素材も確定で取れるし!!
行ってみるか!?」
{ユニークモンスター?…ユニークモンスターって何だ?…
ユニークって言う位だから何か見た目が面白いとかかね?…}
「ふあぁ~……
ご主人様?…」
階段から降りて直ぐの所でマサツグが顎に手を当て考えている所を不思議そうに
シロが見つめる。マサツグも後ろからシロが起きて来た事に気が付くと後ろを
振り向き、シロに挨拶をする。
「ん?…あぁ、シロ。
おはよう。」
「おはよう御座います!
ご主人様!!」
「…ここで悩んでいても仕方ないか……
しゃ~ない!!」
シロがマサツグにお辞儀をしながら挨拶をするとマサツグは取り合えずシロを
連れてロディの居るであろうギルド建設現場に向かう事にする。その際、宿屋の
店員から歩きながら食べれるケバブを二つ買うと宿屋を後にする。マサツグと
シロがケバブを食べながら町を歩いているとギルド職員の報告を受けた他の
冒険者達が急いだ様子でギルドの建設予定地に向かう。やはりユニークモンスター
がそんなに珍しいのか何処か殺気立っている者も居る。そんな様子を見てマサツグ
も困惑しながらシロを連れて歩いていると後ろからレイヴンが急いだ様子でやって
来てはマサツグと挨拶を交わす。
「はぁ…はぁ…ッ!
ヤ…ヤブ!!」
「ん?レイヴン?
如何したんだ?」
「どうしたもこうしたも無いだろ!?
ヤブもさっきの宣言を聞いてギルドに向かうんだろ?」
少し食い気味にマサツグに詰め寄るレイヴンにマサツグが戸惑う。いつもなら普通
に気の抜けた挨拶をするだけのレイヴンが今日に限っては様子が違う。他の冒険者
達同様に何か急いでいる様子でマサツグにロディに会いに行くのかと尋ねると
マサツグはやはり戸惑いながらもレイヴンに答える。
「あ…あぁ、この騒ぎは何なのかって事と、機能の話で疑問を持った事についての
質問をしに……」
「じゃあ、一緒に行こう!!
俺もこのマスターオーダーに用があるんだ!!!」
「え?…ちょ!まっ!……」
マサツグがレイヴンに完全に返答する前にレイヴンがマサツグもロディの所に向かう
と分かるとマサツグの手を握り、ロディの所に向かい走り始める。突如手を握り
走り出されたマサツグは戸惑いながらも着いて行くとシロも慌てて二人の後を追う。
三人がギルド建設予定地に辿り着くとそこは冒険者達でごった返しており、一部
通路を遮断する様に集まっていた。上は完全武装の冒険者らか下は興味本位で
集まったまだ装備も駆け出しの下位ランクの冒険者が集まっていると即席で用意
されたお立ち台には仁王立ちするロディの姿があった。その様子を遠目から見ている
と時間が来たのかロディはスッと肩幅に足を開き後ろ手に手を組むと今回のクエスト
の説明を始める。
「…そろそろ時間ね…
皆、集まってくれた事に感謝するわ!!
今回皆に集まって貰ったのは他でも無い、今まで注意勧告をしていたユニーク
モンスターの痕跡が見つかったからよ!!」
ロディの最初の説明に冒険者達がどよめき始めるがロディが咳払い一つするとまた
静かになる。そしてロディが辺りを見渡すと説明を再会する。
「皆にはそのユニークモンスターを見つける為の捜索と出来るなら討伐の二つを
こなして欲しいの!このまま放って置くとこのポップリングスの周辺が魔界みたく
モンスターの巣窟になっちゃうのとその他のモンスター討伐も治安維持になるから
お願いするわ!!
もし、ユニークモンスターの討伐に成功した者はギルドから賞金と賞品を授与
しちゃうから頑張って倒してきて頂戴!!以上解散!!!」
ロディが説明を終え、前方に腕を回す様に突き出すと冒険者達が一斉に
ポップリングスの郊外に向け走る様に飛び出して行く。その様子にマサツグが
驚いているとマサツグ達に気が付いたのかロディがお立ち台から降りては
歩いてマサツグ達の方に歩いて来る。そしてロディの後ろにはギルドを建設し
始めてからさほど時間が経っていないにも関わらず五割完成したギルドの姿が
あった。
「あら?…マサツグちゃん!!
朝早くからごめんねぇ~♥
まさかここであんな物を見つけるとは思わなくって~♥」
「いや…それは良いけどユニークモンスターって何?」
マサツグに詰め寄る様に近づいてくるロディにマサツグが軽く抵抗して見せると
ロディにユニークモンスターについて尋ねる。しかし、その質問を聞いたロディと
先ほどまで急いでいたレイヴンは驚いた表情でマサツグを見つめる。その視線に
マサツグが驚いているとロディがユニークモンスターについての説明を始める。
「…え?何?
俺なんか変な事言った?……」
「…いえ…ただ珍しい事を言うのね?…」
「え?…」
「いいわ!説明するわね♪
ユニークモンスターって言うのはギルドで確認されているもののその生態及び
出現条件が不明のモンスターの事を言うのよ。レアモンスターはまだ時間を
浪費すればめぐり合う事が出来るけど、ユニークモンスターは何か痕跡が無いと
見つからない超レアモンスターよ!!
だけど、超レアモンスターだけあって簡単には倒せない様になっているの。
普通のレアモンスターより体力があったり、攻撃力があったりで生半可な覚悟で
挑むと簡単にやられてリスポーン。
なんて事が起きる位強いの、だから大抵はパーティを組んで戦いに挑むのが
セオリーなのだけど……今回のユニークモンスターは更に厄介で二つ名持ち
なのよ…」
このロディの説明にレイヴンが驚き戸惑うもマサツグは更にロディに質問をする。
その質問する様子をシロも見ていたのかマサツグの隣で仕草を真似する。
「二つ名って?…」
「二つ名も似たような物よ。そのモンスターの中で特質して強い固体に付く
もう一つの名前をそう言うの。
で、只でさえユニークモンスターって言うだけで面倒なのに今回何の乱数が導いた
のか更に強化個体の二つ名なのよ…
だから、分かっている身として言うのは如何かと思うけど大半の冒険者はまず
勝てないわね…それこそ、モンスターに対して圧倒的戦闘技術を積んだ
パーティでないと勝てないと思うわ…」
「マジかよ!……」
マサツグが驚いていると次の瞬間ポップリングスの郊外から衝撃音と悲鳴が
聞えてくる。そのユニークモンスターとエンカウントしたかどうかは分からないが
壮絶な戦いをしているのか硝煙が所々から立ち上る。その様子にマサツグが呆気に
取られていると昨日聞き損ねた話を思い出し、ロディに尋ねる。
__ボカァァァァァンンン!!!……
「うおあッ!!…」
「ッ!
早速やっているわね!!
皆無事だと良いけど……」
「………ッ!…
そうだ、ロディ!昨日話していた事なんだけど?」
マサツグがロディに昨日の事を尋ねると突如ぱあっと表情を変えてマサツグの方を
向くと笑みを浮かべてマサツグに返答する。その様子にマサツグが戸惑いながらも
デバッガーの仕事はモブに対してと言う事はモンスターも対象なのかと尋ねる。
「何♪また、私の事を聞きたいの♪」
「ま…まぁ、そうなんだけど……
昨日デバッガーの話をした時、あれってモブに対してって言っていたけどモンスター
もそうなの?だとすると魔王とかは如何なの?」
「あぁ…痛い所を突くわね……
魔王の事に関しては運営の人間として話せないけど、モンスターのデバッガーに
ついてはまず無いわ。町の人や衛兵はAIがコントロールしているけどモンスター
はプログラミングで動いているからよっぽどの事が無い限りバグは無いし、
見つかってもAIみたくプロテクターがある訳じゃないから直ぐに修正出来るわよ?
何か気になる事でも?」
ロディがマサツグに何か疑問があるのかと尋ねるとマサツグが眉間にしわを寄せた
まま考える様に表情を曇らせる。その様子にロディが不思議に思っているとマサツグ
はゲステウスの話をし始める。
「…いや…ゲステウスの屋敷に潜入した時玄関ロビーに悪趣味丸出しの女性が
拷問されている絵が飾られてあって、それが運営が設定した様には見えなかった
から…
もしあれが正規の設定で構成された絵なら運営は拗らせているなと思ってさ?…」
「…アレに関しては完全にゲステウスのAIがやった事ね…
マサツグちゃんがあの事件を解決した後にその事件の首謀者のAIを調べたら
案の定可笑しな事になっていたし、多分ゲステウスの残忍さを表現する為にAIが
やった事なんだろうケド…あれはやり過ぎだったわ……」
「………。」
ロディもその絵を見たのかロディの顔は曇り嫌悪感を露にした表情を見せ、腕を組む。
その様子はマサツグから見ても運営が用意した物では無いと分かる位ハッキリとした
表情であった。その表情にマサツグも顔を曇らせ俯いているとロディがマサツグの
様子に気が付き、肩をポンと叩く。突如ロディに肩を叩かれてマサツグが顔を上げる
とそこにはニカッと笑うロディの表情があった。
「…ッ!」
__ポン…
「え?…」
「うふふふ~♪」
そこには先ほどまでマサツグと同様に表情を曇らせていた様子は無く、マサツグに
クエストに行く様にロディが指示をするとマサツグに激励の言葉を掛けるの
であった。
「はい♪
この話はこれでお終い♪
マサツグちゃんは今までどおり自由奔放にこの世界を冒険すれば良いの♥
だってマサツグちゃんは運営の人間じゃないんだから気にしないの♥」
「え?…」
「だいじょ~ぶよ♪
こんな奇妙なバグが見つかっても私達がその都度修正すれば良いだけ。
私達はその為にこうして活動してるんだから♥私達を信じなさい♥」
満面の笑みでマサツグの前でポージング決めながら慰める様子にマサツグが困惑する
もロディのその表情に段々安心し始めると自然とマサツグの表情も晴れて行く。
そして、マサツグも大きくその場で伸びをすると吹っ切れた様子でロディと談笑を
始める。
「………ぷっ!!
くくく……そうだな!ここで悩んでいても仕方ないし、俺は俺でこのゲームを
楽しむとしようか!!」
「そうよ♪それでいいの♪
このゲームはまだまだ進化するわ!その目でこのゲームを楽しみ、
心を躍らせなさいな♥それが私達運営の願いでも有り目標でもあるんだから♪」
「…でも本音は?」
「……課金要素でもう少し業績を上げたいのが本音ね……
…って何言わせるのよ!!」
「あはははは!!…って、あれ?レイヴン?…」
マサツグがロディに背中を叩かれながら笑い合い、そんな話をしているが傍から
話を聞いていたレイヴンが酷く驚いた表情でマサツグとロディの顔を凝視して
固まる。そのレイヴンの表情にマサツグとロディが不思議そうに見つめていると
レイヴンは二人に確認する様にある事を尋ねる。
「…え?…ロディギルドマスターって運営の人間だったの?…」
「……あっ……」×2
ロディが運営の人間と知っているのはこの場に居るマサツグだけでレイヴンは
知らない。更にロディが運営の人間である事は他の者にバレてはいけないのに
あっさりとバレる。そんな二人に困惑した様子で視線を送るレイヴンにマサツグが
固まっているとロディが動く。
{しまった!…一応ロディ…と言うかギルドマスターが運営の人間である事は
秘密だって事忘れて普通に話してしまった!…
まぁ、レイヴンなら黙っててくれって言えば黙っててくれるだろうけど……}
「あ…あのな?レイヴ……」
__シュン!!…
「…え?」
マサツグがレイヴンに釈明しようとした瞬間、ロディはマサツグ達の目に止まらない
速度でレイヴンの背後を取ると腕をレイヴンに向け伸ばす。レイヴンは突如目の前
から消えたロディと背後から感じる嫌な気配に戸惑っているとロディに捕まり拘束
される。
__ガッシ!!…
「え?…ちょ!何!?」
「ごめんねぇ、レイヴンちゃん♥
今マサツグちゃんと話していた話は他の人には話さないで欲しいの♥」
後ろからレイヴンの耳元に向け、先ほどのロディが運営の人間である事を黙っている
様に頼むロディ。しかしその当本人はガチムチの巨人に捕まり耳元で喋られているの
がキツイのかまるで長きに渡って拷問を受けているような苦悶の表情を見せながら
声にならない悲鳴を挙げバタバタと抵抗していた。しかし、ロディの拘束は決して
緩む事は無く、更にロディのリップサービス?は続く。
「~~~~~~~ッ!!!」
「あら…暴れても無駄よ?ウンって言ってくれるまで離さないから♥」
{うわぁ~~……レイヴン…ワイトで表情が分かり難い筈なのに何故か今は
手に取る様に嫌がっているのが分かる……
それも半端ない嫌がりようだな……}
「ねぇ?お願い?
この事は誰にも言わないでちょうだ~い?バレちゃったら色々と問題があるのよ~?
ねぇ~?お・ね・が・い~?」
__ブンブンブンブンブンブンブンブンブンブン!!!!
オネエ全開のロディにレイヴンが遂に怖い物に捕まり必死に許しを請う様な首の振り
方で縦に振るのを見せる。それはまるで本気で泣いている様に見え、その様子に
マサツグが手を合わせ合掌をすると隣でシロが真似をする様に手を合わせ合掌を
する。
{あぁ~……南無三!!!}
「……?…ッ!」
__パンッ!!
そしてロディもレイヴンがロディが運営の人間で有る事をバラさないと分かると拘束
を解除する。拘束から解除されたレイヴンはその場に溶ける様に崩れるとピクピクと
痙攣する。その様子にマサツグの頭の中ではセルフSEで鐘の音が鳴るのであった。
そうして、レイヴンが溶けてから数十分、漸く起き上がれる様になると外から負傷
した冒険者達やアイテムの補充に帰って来た冒険者達がポップリングスに戻って
来る。その中にはマスターオーダーとは別のレアモンスターを倒したのか自慢げに
そのアイテムを手に凱旋をする者まで居た。
「いやぁ…ユニークモンスターは見つけてないけどマジックスワンを
見つけるとは!」
「この羽を見てみろよ!!綺麗な純白!!
この羽があればウェディングドレスが作れるんだぞ!?」
{ウェディングドレスって…結婚イベントとかあるのか?}
マサツグが自慢げに羽を見せる冒険者達の様子を観察しているとレイヴンがフラフラ
と立ち上がり、マサツグとシロにマスターオーダークエストへ向おうと提案をする。
しかし、マサツグ達の目の前には杖が無ければまともに立てそうに無いレイヴンが
写る。マサツグがもう少し休む様に進めるがレイヴンはクエストに向おうとする
のであった。
「……待たせたな……
さぁ、俺達もクエストに向おうか!!……」
__フラフラ…フラフラ…
「おい、フラフラじゃねぇか!!
杖が無ければまともに動けなさそうなのに無理をするな!
もう少し休め!!」
「…はぁ…はぁ……
い…いや!俺は行く!!行かねばならんのだ!!……」
「キャラが変わってるじゃねぇか!!」
マサツグが止めに入るもそれでもクエストに向おうとするレイヴンにマサツグが
溜め息を吐くと頭を掻きながらシロにレイヴンの護衛を任せる。シロはマサツグの
指示に手を上げ、返事をするとフラフラとするレイヴンの前を先導する様に歩き
始める。
「…はあぁ~……シロ?
悪いがレイヴンの護衛を頼めるか?
あの調子だとまずまともに戦えそうに無い…」
「はいです!!
レイヴンさんはシロがお守りします!!」
そうしてシロにレイヴンの護衛を任せるもレイヴンがフラフラするのを見てシロが
心配する。その様子はまるで孫と一緒に散歩に出るも脚が覚束無いおじいちゃんと
心配する孫、そんな様子にマサツグが不安を覚えながらもレイヴンとシロの後を
追ってポップリングスの郊外に出る。マサツグ達がポップリングスの外に出ると
周りからは硝煙が立ち上る。衝撃音や剣戟音が響く中、マサツグ達が近くの森に
入るとそこにはモンスターが大量にスポーンしていた。
「な!…何だこの量は!!
何時もならこんなに居ないだろ!?」
「…ユニークモンスターのせいだ……」
「…え?」
「ユニークモンスターが現れた場合そのユニークモンスターがスポーンする地点を
中心に縄張り設定がされる。縄張り内に居るモンスターは強制的にその縄張りの
外に追いやられてたむろするんだ……」
レイヴンが今だ疲労困憊の様子でマサツグにモンスターのスポーン数について説明
しているとモンスター達がマサツグ達に気が付き、襲い掛かり始める。マサツグが
レイヴンの前に立ちモンスターと対峙し始めるとレイヴンはぼそぼそと詠唱を
始める。
「本当に大丈夫かな?…これ?……」
「ぼそぼそ…ぼそぼそ……」
マサツグは今の現状に違和感を覚えながらもユニークモンスターを探し、モンスター
の大軍に向かい大剣を構え、走り出すのであった。
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