86 / 96
-第二章-サマーオーシャン連合国-前編
-第二章三十六節 コカトリスのお食事会とデバッガー-
しおりを挟むマサツグ達がコカトリスを倒し、鶏肉を手に入れるとシロの期待に満ちた目に
負けて近くの料理屋で調理して貰おうと店を探す。しかし何処にも料理屋は無く、
如何したものかとマサツグは考えるのであった。
「……参ったな…
料理してくれそうな店は無いな…俺も料理のスキルなんてないし…
如何したものか……」
マサツグが如何するかで悩んでいると後からマサツグとレイヴンがコカトリスと
戦っているのを見に来ていたミスティーと合流する。ミスティーはマサツグに声を
掛けると何処に行くのかと尋ねる。ちなみにレイヴンはコカトリスの解体に忙しい
のか討伐後コカトリスの死骸と残っていた。
「はぁ!…はぁ!…マサツグさま~!!」
「ん?…ミスティー?
如何したんだ?」
「はぁ…はぁ…い…いえ、お姿を見かけたのでご挨拶をと…
先ほどはお疲れ様でした!…それとどちらへ?」
「あぁ…良い肉?が手に入ったから料理して食べようと思ったんだけど…
何処にも料理屋らしきものは無いし、俺自身も料理出来ないしで途方に
くれていた所。」
マサツグがミスティーにそう答える傍らでは今だ期待に満ちた目で辺りに料理屋が
無いかを探すシロ。その様子にマサツグが苦笑いをしているとミスティーは少し
悩んで何かを思いつくとマサツグに提案をし始める。
「……ッ!
でしたら王宮に来て下さいませ!」
「…え?王宮に?」
「はい!
王宮の給仕をしている者ならそのお肉を調理出来ると思います!」
ミスティーの提案にマサツグが困惑するもシロはそのミスティーの提案を聞くと
王宮に向かう気でマサツグの腕を掴むと歩き始める。マサツグもシロの引っ張り様に
考える余地が無いと判断するとシロに落ち着く様に注意しミスティーの提案に
乗るのであった。
__ぐううぅゥ~~……
「ちょちょちょ!わかったから引っ張らない!
落ち着け!!…ったく!仕方ない…
じゃあ、ミスティー頼めるか?」
「…はい!」
ミスティーはマサツグの頼みにぱあっと顔を明るくするとマサツグと一緒に王宮に
向かい歩き始める。そしてその道中、道行く人達の話がマサツグの耳に入ると内容は
先ほどのコカトリスの話でマサツグが変わった技で倒した事が噂になっている。
「…おい、聞いたか?」
「あぁ、あの英雄様だろ?
何でも巨大な岩でコカトリスって言う化物の頭を砕いたとか!…」
「え?…巨大な岩ごとそのコカトリスって言う化け物の頭を叩き斬ったんだろ?…」
{オイオイ…早くも噂が有らぬ方向に歩き始めているぞ~…}
いきなり話の内容の変化にマサツグが心の中でツッコミを入れていると更に住人達の
会話は続く。その内容にマサツグも思わず聞き耳を立てる。すると、その内容は
マサツグがコカトリスに放った連携技の話になる。
「それとその戦いぶりを見ていた他の冒険者が同じ事が出来るのか試すとかで
飛び出した奴もいるんだろ?」
{また検証組か……
本当に好きだな~…}
そんな住人達の噂を通り過ぎながら聞いているといつの間にか王宮に辿り着く。
そしてマサツグ達が王宮中に入ってキッチンに向かう道中、たまたま見かけた
王宮の庭園ではコカトリスについての報告をする衛兵長と話を聞くフィリアに
対策を一緒に考えるロディの姿があった。そしてその三人もマサツグに気が付くと
マサツグの方に歩き、出迎えをする。
「おぉ!マサツグ殿!!
先ほどは!…」
「お疲れ!マサツグちゃん!!
コカトリスは食べれた?」
「いや、まだだ…
ミスティーの誘いでその肉を王宮に持って来たんだが…如何したんだ?」
マサツグが出迎えてくれた三人が何処と無く神妙な面持ちになっている事に気が
付くとその理由を尋ねる。すると、三人は更に眉間にしわを寄せて一斉に悩み
始める。その様子にマサツグが驚いているとロディが理由を話し始める。
「…実はあのコカトリス……負傷していたのよ…」
「…え?」
ロディの説明にマサツグが困惑するとロディが更に説明を続ける。その内容は
マサツグにとっては面倒この上ない話でまだ事件が終わっていないのかと考え
させられる内容であった。
「あのコカトリス…マサツグちゃん達と戦闘を始める前に既に傷を負っていた
でしょ?あの後更に調べてみたらそのコカトリスがある獣人にテイムされていた事が
分かったのよ…」
「…ほう…」
「マサツグちゃんも良く知っている人物でもうこの世界には居ない人…
もっと分かりやすく言うとマサツグちゃんは既にその人物とは戦闘をした仲だわ…」
「……まさか?」
「その人物は……ゲステウス…」
ロディの口から出た名前にマサツグが肩をガクッと落とし、脱力する。そしてその
様子にロディがおふざけ無しの真剣な表情で説明を更に続ける。
「どうやらそのゲステウスのコカトリスでマサツグちゃんが斬り飛ばした頭を見ると
隷属の呪いが書かれてあったわ…
隷属の呪いはその本人が死んだら効力を失うけど、そのコカトリスはこの近辺に隠し
て飼っていたみたいで、痕跡を辿ったらモンスターを飼う小屋に辿り着いたの。
幸い、そのモンスターはギルドの方で何とか対処出来たけど……
問題はその小屋から脱走したモンスターが後一体居るって事……」
ロディの説明にマサツグが顔を上げて話を聞くと何やら奥の方から良い匂いが
漂ってくる。マサツグがその匂いがする方を見るとそこには色々な鶏肉を使った
料理を王宮の給仕がマサツグ達の方に運んでくる。その様子にマサツグが困惑して
いるとハッと何かに気が付きアイテムポーチを調べる。するとそこには仕舞って
置いた筈の鶏肉は無く、空欄が三つ開いていた。そして、マサツグがシロの方を
見るとそこには満面の笑みで運ばれて来たフライドチキンに齧り付くシロの姿が
あった。
{……余程我慢の限界だったのか?…
シロよ……}
美味しそうに食べるシロにマサツグが視線を送っていると給仕の人達はテキパキと
テーブルや椅子を用意し、その場で食べれる様にセッティングをする。その様子に
マサツグも考えるのを止めると椅子に座る。そして、衛兵長やフィリア、そして
ロディに話の続きは食べながらしようと進めるのであった。
「…取り合えず食べようか。
冷めたら勿体無いし……」
「……構わないけど、良いの一緒に頂いても?」
「別に問題ないさ、量が量だし…
それに今は脱走してモンスターの事を考えていても仕方ないしさ。」
マサツグの誘いに衛兵長は戸惑い、フィリアはフッと笑うと席に座り、マサツグの
言うとおりに料理を食べ始める。その様子を見たロディもフフッと笑うと同じ様に
席に座り、料理を食べ始める。マサツグ達の目の前にはコカトリスの肉で作られたで
あろう料理が並ぶ。こんがり狐色に揚がったから揚げに照り焼き風のチキンステーキ
にシロの大好物のフライドチキン、どれも出来立てで湯気が立ち上り食欲をそそる
良い匂いがする。先に食べ始めていたロディとフィリアは美味しそうにその出てきた
チキンステーキや後から給仕が持ってきたチキンサラダを食べるが、未ださっきの
コカトリスと分かっているマサツグにはどうにも抵抗が出る。しかし、周りのロディ
やフィリア、ミスティーが美味しそうに食べているのを見て恐る恐る唐揚げを一口
食べる。
__カリッ!…
「…ッ!!」
マサツグがコカトリスのから揚げを食べた途端、口一杯にさっぱりとしながらも
しっかりと味がする肉汁が口の中に広がる。そしてマサツグが再度口に含んだ唐揚げ
を噛むと今度はコカトリスの肉の味とカリッと香ばしい皮の風味がマッチし更に
マサツグの食欲を増大させる!
{……チクショウ…うめェじゃねぇか!!!…
苦労?した甲斐があるぜ!……}
そうして、マサツグが唐揚げ一個を食べ終る頃にはマサツグの中のコカトリスに
対しての疑心感は消え、ただひたすらに某ハンティングゲームのプレイヤーキャラ
さながらに大げさな動きをして唐揚げやチキンステーキ、サラダを食べていく。
チキンステーキは照り焼きソースとコカトリスの肉が絶妙なハーモニーでマサツグ
達を満たし、歯が無くてもスッと切れる柔らかさとスッと余韻を残す後味が更なる
食欲を増幅させる。そんなコカトリスのフルコースにマサツグ達が一心不乱に食べて
いるといつの間にか出されていた料理は無くなり何とも居えない幸福感がマサツグ達
を満たしていた。
「……ふぅ…ご馳走様……」
「コカトリスとは中々に美味なのだな……」
「一応高級商材として出回っているわよ?ただマサツグちゃんが持って来たのは
更に希少だけど…」
「なんと!さすがマサツグだな!!」
{取って来たのはシロだけどな……}
「…と言うより、ここの給仕さんは何でこんなに手際が良いんだ?
俺が料理を頼む前に机とか椅子とかセッティングするし…」
マサツグが王宮の給仕さんの用意の良さに疑問を持つとフィリアはキョトンとした
顔でマサツグに答える。
「……え?
普通では無いのか?」
「…え?」
フィリアの全く疑問の無い表情にマサツグが驚いているとミスティーが苦笑いを
するとマサツグの疑問に答える様に説明を始める。その説明にフィリアは首を
傾げて不思議そうに一緒に話を聞くのであった。
「えっとですね?…
お父様の跡を継いで直ぐのお姉様はいつも公務で多忙でゆっくり食事をする
時間が無かった事があったのです…
時間が取れて食堂に向かうも着いた頃には料理は冷めていたりと大変で…
そんなお姉様の多忙ぶりにある給仕がこの何処でも直ぐに料理を用意する事を
考案し、今もこうしてその働きが続いているのです。」
「いやぁ、余は民に愛されておるからの!」
ミスティーの説明にマサツグが納得すると同時に給仕のスキルの高さに驚く。
そんなマサツグを尻目にフィリアは何故か自慢げに胸を張ると笑い始め、
隣に座っていたミスティーは苦笑いをする。そんな話をしているとシロも
コカトリスのフライドチキンに満足したのか手を合わせ合掌をすると口の周りに
食べかすをつけたままマサツグの元に駆け寄る。
__ぱん!
「ご馳走様でした……
…ご主人様~♪」
「ん?おわぁ!!
ちょっと待った!!」
__ガシッ!!
「んきゃ!」
マサツグが慌ててシロを受け止めると予め机に用意されてあったナプキンを手に取る
とシロの顔を拭く。シロはマサツグに顔を拭かれウナウナと声を漏らしているが抵抗
せずに黙って拭かれていた。
「まったく口の周りにお弁当一杯付けて!…
ちゃんと綺麗に食べなさい!」
「うにゅ、うにゅ…」
そうして、マサツグがシロの顔を拭いていると突如ロディがコカトリスとの戦闘に
参加出来なかった事をマサツグに謝り始める。突然の謝罪にマサツグが驚いていると
ロディは戦闘に参加出来なかった理由を話し始める。
「……それはそうとゴメンなさいね、助けに入れなくて…」
「…え?急に如何したの?」
「いえ、目の前でマサツグちゃん達がコカトリスと戦っているのに助けもしないで
見ているだけだったから…」
目の前で謝罪するロディにマサツグが何故戦闘に参加しなかったのかを興味本位で
尋ねるとロディは少し悩んで見せるが何かウンと頷いてみせるとマサツグにその
理由を説明し始める。しかしその内容はマサツグを酷く驚かせるものであった。
「…ッ!
別に良いけど点なんか理由があるとか?
実は戦闘は苦手とか。」
「あら、それは無いわ!だってこれでもギルドマスターをする前はマサツグちゃん
達と同じ冒険者だったし、二つ名なんかも付けられていたのよ?」
「へぇ…じゃあ、何で?」
「…そうね…マサツグちゃんがお気に入りのプレイヤーだから教えるけど…
私って運営チームの職員だったりするのよね。」
「……え?」
マサツグがロディの言葉に驚いた表情で固まるとロディは予想通りと言わんばかり
に笑い始める。そしてマサツグに顔を拭かれていたシロは自身の顔が綺麗になった
事を確認するとマサツグが突如固まった事を不思議そうに見つめる。そしてマサツグ
の膝の上にちょこんと大人しく座るのであった。
「……ッ!…ぷッ!!
ア…ッハッハッハッハッハ!!!
やっぱり固まったわね!!」
「…?ご主人様?」
ロディはマサツグが驚いた表情で固まった事に笑っていると周りに居たミスティーや
フィリア、衛兵長もシロ同様に不思議そうにマサツグを見つめる。そんなマサツグに
ロディは自分が運営チームの職員の一人とカミングアウトすると更に話を続ける。
「実を言うとね?各国のギルドのマスターはこのゲームのデバッガーで各国ごとに
担当バグやプログラムミスが無いかを監視しているのよ。何せこのゲームの住人や
モンスターは全てAIで管理されているから何かの拍子にそのバグが出てくるのよ。
それを私達がギルドのマスターって言う肩書きを利用して修正作業をしている訳。
…ちなみにこのキャラは私が一から作ったキャラで中身も本物のオネエよ♥」
ロディの説明をマサツグが固まった状態で聞いているとマサツグがハッと我に返り、
すかさずロディにツッコミを入れる。そのツッコミにロディは笑いながら受け流すと
更にマサツグと話を続ける。周りのシロやミスティーは突如ロディにツッコミを
入れるマサツグに驚きながらもその様子を見守っていた。
「……って!!!
最後の情報はいらん!!!てか本物のオネエって普通カミングアウトするか!!!」
「あら?だって事実なんですもの♥」
「頬を赤くして肯定するなぁ!!
こっちは只でさえ運営の人間が目に前に居る事に驚いているのに更にアンタの
オネエ宣言で自発的に混乱状態に陥りそうだわ!!!」
「あら?そんなシステムは無い筈だけど?…」
「知ってるよ!!!」
怒涛のマサツグのツッコミをロディがヒラリヒラリと交わしているとある話を
マサツグにし始める。それはこのゲームでのゲステウスの一連とも関係した話
だった。
「……でも、私が運営のデバッガーで色々とバグを修正していたのは事実よ。
現にこのポップリングスでのゲステウス事件……あれはゲステウスを管理する
AIの暴走でその対処を如何しようかで悩んでいたのよ?」
「…如何言う事なんだ?」
「まず、このゲームに使われているAIは普通にデータを書き換えて正常な状態に
する事は出来ないの、何故ならAI自身の判断で動いているから書き換えてもバグと
認識しては無効にするから。
だから、そう言ったバグが見つかったモブは一度プレイヤーに倒して貰ってAI自身
が死んだって事を認識しないとデータの書き換えが出来ない様になっているのよ。
ちなみに何でこんな面倒な仕様をしているかと言うとハッキング防止の為ね。」
「じゃあ、ギルドマスターがデバッガーの人って言うのは……」
マサツグがロディにそう聞き返すとロディはこっくりと頷きマサツグの考えを肯定
する様な反応を見せ、改めて説明をする。マサツグはそのロディの話を黙って聞いて
いるといつの間にかシロは満腹の状態から来たのかスヤスヤとマサツグの膝の上で
眠り始める。
__コックリ…
「そう…冒険者にそのモブを倒して貰ってAIを無力化して貰う
為の先導役と倒して貰った後のバグ修正の役割って事。」
「じゃあ、その俺達でも倒せない様な敵の場合は?」
「それに関しては大丈夫よ?
幾らAIでも能力を極端に上げる事は出来ない様に制限を掛けているし、制限を越えて
能力を上げようモンならそのAI自身にかなりの負荷が掛かって最悪消失だから。
AIの暴走の大半はそのモブの行動…挙動がおかしくなる事が殆どでマサツグちゃんが
心配するような能力の変動等は人の手が加わらない限りはまず無いわ。」
「じゃあ、戦闘に参加出来ないは?…」
「それは単純に運営の人間が他のプレイヤーに悟られない様にする為と私達が
動く時は本当にヤバイ時って決まっているから…
本当は目の前で倒れているプレイヤーとか放っては居られないのだけどね?…
でも規則だし…ぐすんッ…」
目の前で泣き真似をする黒いガチムチ巨人にマサツグがジト~…と視線を送るが
ロディは折れる気配を見せない。そして最後にマサツグは気になった事をロディに
尋ねるとロディは泣き真似を止めてその質問に嬉々として答える。
「…はあぁ~……じゃあ、最後に…
何でこの事を俺には教えたのか?確か、お気に入りのプレイヤーって
言っていたけど?」
「あぁ!それに関してはね♪…」
{急に態度が戻った……コロコロと忙しい上に回りの目も気にしない……}
「マサツグちゃんが私を含めた運営チームのお気に入りの冒険者だからよ♪」
「…はぁ?」
マサツグがロディの言葉に気に抜けた返事をするとロディはそんなマサツグの事
などお構い無しに内輪の話をする。その話にマサツグは頭を抱えてロディに更に
質問をする。
「うちの運営チームにもやっぱりお気に入りの冒険者さんってのが居てね?
その中でもマサツグちゃんってこのゲーム唯一の「超幸運」のスキル持ち
なのよね♪
これまでにもマサツグちゃんの様な「超幸運」の持ち主が居たけど…」
「ちょちょちょ!…ちょっと待って!!
俺以外にも「超幸運」の持ち主が居たのか!?」
「えぇ、居たけどその皆も急にゲームを退会して居なくなっちゃった…
原因は未だ不明で私達の方でも原因を調べたけど異常なし…
本当に如何してなのかしら?…」
ロディの話にマサツグは一旦は興奮するも自分だけしか居ないと分かると
落ち着きを取り戻し、スッと考え始める。そんなマサツグにロディは更に
内輪でマサツグが人気の理由の話を再会する。
{……俺しか居ない……じゃあ、この本当に効果の有るかどうか
分かり難いスキルが如何いう物かはやっぱり分からないって事か…
掲示板の方でも憶測だけだし、如何したものか?……}
「そんな事より!マサツグちゃんがうちの中で人気の理由はね!!」
「うおあ!!…こっちの事なんかお構いなし!?」
「だってこんな風にゲームのお話出来るの久しぶりなんだもん!!」
「何だモン!!って…」
久しぶりにゲームの話が出来る事に興奮しているロディにマサツグが押され
始める。そしてマサツグが他の者の事に気が付くとフィリアと衛兵長はまだ
仕事が残っているのかその場を後にして姿を消し、ミスティーはシロと同様に
満腹状態から来た眠気にやられたのか机に寄り掛かりながら静かに眠る。
そんな誰の助けも無い中、ロディの話はまだまだ続く。
「マサツグちゃんに興味を持ち始めたのはやっぱりスプリングフィールドでの
騎士団長との一騎打ちね!!運営メンバーもそのイベントを見ていたんだけど
圧倒的レベル差と装備を見て負けると思っていたのに蓋を開ければ大逆転!!
それはもう皆盛り上がったわよ!!それ以降マサツグちゃんがメンバーの中で
注目され始めて!!……etc etc」
このロディの話はリアル時間でマサツグが無理やり話を切って宿屋で一日を
終了するまで続き、その間シロはマサツグの膝の上でマサツグに寄り掛かり
ながら眠り続ける。一方マサツグは逃げるまでの間ただひたすらにロディの
話に付き合い、意識を朦朧とさせるのであった。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高校からの帰り道、錬金術が使えるようになりました。
マーチ・メイ
ファンタジー
女子校に通う高校2年生の橘優奈は学校からの帰り道、突然『【職業】錬金術師になりました』と声が聞こえた。
空耳かと思い家に入り試しにステータスオープンと唱えるとステータスが表示された。
しばらく高校生活を楽しみつつ家で錬金術を試してみることに 。
すると今度はダンジョンが出現して知らない外国の人の名前が称号欄に現れた。
緩やかに日常に溶け込んでいく黎明期メインのダンジョン物です。
小説家になろう、カクヨムでも掲載しております。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

30歳から始める音楽生活。女神さま付き
T
ファンタジー
音楽の女神なのに音痴!?
30歳売れないミュージシャンである主人公の前に現れたのは音楽の女神さま!
自分でも気づかなかった秘められた才能に喜んだのも束の間、この女神さま実は訳アリで……。
現役のミュージシャンが実体験を元に業界をリアルに描く、新たなガールズバンド物語。

豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜
自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで220万PV達成!
理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」
これが翔の望んだ力だった。
スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!?
ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる