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-第二章-サマーオーシャン連合国-前編
-第二章三十三節 お説教とギルド建設開始-
しおりを挟むメイドさん達の魔法攻撃を掻い潜りミスティーがフィリアに説教をしている頃、
マサツグは息を切らしその場で膝に手を付きうな垂れる。その様子を見たシロが
介抱する様に背中を撫で、レイヴンは魔法をメイドさん達の魔法を回避し切った
マサツグに感心する。
「ご主人様!…
本当に大丈夫ですか!?」
「…にしてもあの攻撃を回避し切るとは!……
あれ、回避ほぼ不可って書かれていた攻撃コンボなのにな……」
「ぜぇ…ぜぇ…ッ!!…やっぱりお前か!…
あんな波状攻撃教えやがって!!……
普通にシンドイわ!!!
てか…一介のメイドさんになんてもん教えやがる!!!」
「いや~…面白いように魔法を習得していくし…
それなら連携もと思って、しかしそれがお前相手に使われるとは……」
息を切らしながらもレイヴンに文句を言っているとミスティーの方も説教が終わって
来たのか徐々に辺りの緊張感が解けていく。しかしフィリアだけは変わらず、
ミスティーに恐怖しているとミスティーはフィリアに有る物を手渡し反省する様に
言い渡す。
「……では、お姉様には今日から一週間の間これを首から下げて公務を
して貰います。」
そう言ってミスティーが取り出したのは何処かで見た事の有る首輪に看板を
ぶら下げた物であった。看板には何やら文字が書かれており、マサツグが
その看板に書いてある文字を読むとそこにはこう書かれてあった。
[私はわるいことをしました。げんざいはんせいちゅう。]
「…何だ、あの漫画のお約束のような看板は?……」
マサツグがその看板に疑問を抱いているとミスティーがマサツグの問い掛けに
気が付いたのか答え始める。そして、ミスティーがその看板の問い掛けに答えて
居る間、フィリアは青ざめた状態でその場に正座しミスティーを待つ。その様子は
逃げたくとも逃げられない蜘蛛の巣に掛かった獲物の様に見える。
「これですか?
これはですねぇ…昔からお姉さまはやり過ぎる所があったのでお母様がお仕置き様に
作った調教……コホン!…お仕置き様のアイテムです♪」
{今…調教って言ったぞ!…
隠せていないぞ!……}
マサツグがそんな事考えているとここで漸く首輪について思い出す。そのお仕置き様
に使われている首輪は以前道具屋で買取を断られた隷属の首輪であった。その事に
気が付いたマサツグがミスティーを止めようとするが先に動いたのはロディで
あった。
「…あら?珍しい物を持っているわね…
隷属の首輪じゃない?…」
「…隷属の首輪?……」
ロディの指摘にミスティーが聞き返すとロディはミスティーに徐に近づき、首輪を
マジマジと観察する。ミスティーはロディに隷属に首輪について尋ねるとロディは
腰に手を当て説明を始める。
「ロディさま?
その…隷属の首輪と言うのは?…」
「ん?…あぁ、隷属の首輪って言うのはね?
昔の貴族が娯楽目的で作ったいけ好かない首輪の事よ!
その首輪を掛けられるとその掛けた本人の奴隷同然の様に扱える代物で、各国や
町ではその首輪は危険と見なされて廃棄する事が決まったの。
でも、やっぱり隠れて持っていたりする奴がいる訳で…
…とにかく色々と面倒事になっている魔道具の一つと思って頂戴♪
…でも変ね?…これからはそんな強力な拘束力は無い様に見えるわね?……」
ロディの説明も終わり不思議そうに首輪を見つめるミスティーにフィリアが
首輪を着けるのを止める様に訴えかける。その様子は必死でマサツグ達から見た
光景にはもはや今までの女王陛下の姿が見られない。
「な…なぁ!ミスティー?……
そんなに危ない物なら廃棄してしまった方が良いのではないか?
確かに今回の余のやった事には限度があったが……」
「お姉さまは黙っていてください……」
「……はい…」
フィリアが必死にミスティーに説得を試みるもお説教時のミスティーの様子で
黙る様に指示されるとスッと黙ってしまう。こうなるとどっちが姉で妹かどうか
解らなくなりそうになるがミスティーがロディに最後に尋ねた一言でやはり立場が
逆転する。
「…ロディ様?」
「…?なにかしら?」
「着ける事には問題ないのですよね?」
この一言にマサツグとレイヴンが心の中でフィリアに対し合掌する。フィリアは
フィリアで容赦の無いミスティーの質問に遂におかしなテンションになったのか
静かに笑い始める。そしてミスティーの質問にロディはキョトンとした様子で
返事をするのであった。
「…えぇ、問題ないわよ?
だって、もうその首輪ただの首輪に近い物なんですもの。」
「え?…」
「隷属の効力が切れ掛かっているし、術者の拘束力も無い。
だから着けても着けなくても隷属の効力は受けないわよ?」
ロディの説明にマサツグ達が呆気にとられているとミスティーはくるっと
フィリアの方に振り向きニコッと笑う。その微笑にフィリアもニコッと笑うが次の
瞬間ミスティーは何の躊躇いも無くフィリアに首輪を着ける。
「…あっ……」
フィリアの気の抜けた声が漏れるとミスティーはフィリアに笑って見せると
一言言葉を書ける。
「反省してくださいね?お姉様?」
「…はい……」
{南無三!!……}
その場にガックリと頭を落とし、押し込む姿に周りが何とも言えない雰囲気になる。
衛兵長は普段ミスティーの見えない一面に酷く驚き、メイドさん達は恐怖する。
そしてマサツグ達もあの温和なミスティーが性格が真逆のフィリアを恐れさせた事に
驚きながら心の中で二度目の合掌をする。ロディはロディでその一連の話に笑いそう
になりながらもプルプルと堪える。そうして、各々がミスティーの意外性に驚いてい
るとミスティーはマサツグの方に駆け寄る。そして、フィリアがやった事に対する
謝罪を始めるのであった。
「マサツグ様!!
申し訳ありません!!お姉様が悪い癖を!!……」
「い…いや、大丈夫だけど…
いいのか?フィリアは?」
「はい!…
何時もの事なので!…」
{何時もの事って!!……}
マサツグが心の中でツッコミを入れているとミスティーはマサツグに謝り続ける。
マサツグもそんなミスティーに大丈夫と答えているとレイヴンがメイドさん達を
集めては反省会を始める。
「…連携をもっと取る様に!…
それとイメージを鮮明に!遠くから聞いていたけどたまに失敗してか違う魔力を
感じたぞ!それらを踏まえてもう一度チャレンジだ!!…」
「は…はい!!…」
「はいじゃねえよ!!
お前は何を教えているんだ!!」
マサツグがメイドさん達に反省点を伝えている所をツッコムとレイヴンはスッと
マサツグの方を向き、何やら決意に満ちた表情をして見せる。相手はワイトなのに
何故かそう感じているとレイヴンは決意表明を始める。
「俺……決めた!!
このメイドさん達にもうワンランク上の魔法を教える!!」
「……は?」
マサツグのこの反応に対し、レイヴンのこの宣言に周りのメイドさん達が歓喜の声
を上げる。それと同時にミスティーが心配そうな表情でレイヴンとメイドさん達を
見つめる。そんな視線を感じ取ったのか、レイヴンはミスティーに釈明をする。
「あ、決して無理はしないぞ?
精々、マサツグに一撃を入れれる位までしか教えないし…」
「おい!!」
「…ぷっ!!…
あっはっはっはっはっはっは!!!」
マサツグがレイヴンにツッコミを入れているとその様子をフィリアが正座した状態
で笑う。マサツグとレイヴンのやり取りがおかしかったのか、それともこの今の
状況が面白かったのか、どちらか解らないにしても楽しそうに笑うのであった。
そうして、ワイワイと賑わった所でフィリアがロディに今日は休む様に提案を
し始める。首から看板を下げ、正座をした状態で……
「……さて、ロディ殿。
到着して直ぐに動いて貰うのも何なので今日はこの町の観光でもいかがかな?
作業は明日からで英気を養っては?…」
正座状態で話すフィリアにロディがフルフルと震え、笑いそうになるもスッと持ち
堪えるとフィリアに返事をする。
「あら、お心遣い痛み入るわ♪
でも、私は今から一働きさせて頂きますわ!」
ロディが準備運動で体を温め直すと体から蒸気が立ち上り始める。モアモアと
沸き立つ蒸気に周りの者達が驚いているとロディは突如後ろに振り返り、息を
大きく吸い込む。そして息を吸い込み切るとその場で肩幅に足を開き、手を後ろで
交差し組むと大声で叫ぶ!
「全員……集~合~~~~!!!!」
「うわぁっ!!」
まるで拡声器で喋っている様な大きな声が王宮広場に響き渡ると建築資材と一緒に
やって来た作業員が次々にロディの前に並び始めると同じ様にその場で肩幅に足を
開き、手を後ろで交差し組むとピタッと固まったかのように動かなくなる。そうして
作業員全員がロディの前に整列するとロディが作業員達に号令を掛ける。
「これよりポップリングスにてギルドの建設を始める!!
この作業は今後のギルド運営…いや、その他の者達にも有益な事業になる!!
心して掛かるように!!
更に今回はギルドの建設だけでなく、ポップリングスの復興にも尽力する!!
一切の妥協を許すな!!!」
「オオオオオオオ!!!!」
男らしいロディの号令に作業員達が返事をするとロディもそれを頷きながら
見つめる。そして号令も最後の方になってくるとロディと作業員達の様子が
変わり始める。まるで今から気合を入れ直すかのような面持ちにマサツグ達が
見つめているとそれは始める。
「いかなる作業も!」
っとロディが作業員達に尋ねる様に叫ぶとその問い掛けに答える様に作業員達が
叫び返す。
「安全第一!!」
その作業員の返事にロディが頷き、確認すると先ほどと同じ様に作業員達との問答を
始める。その様子は徐々にヒートアップして行き、今から建築をすると言うよりは
まるで戦いに赴く戦士達の鼓舞にも見える。
「いかなる作業も!!!」
「全力で!!!!」
「いかなる作業も!!!!」
「一切手を抜かず細微まで完璧な仕事を完遂するべし!!!!!」
ロディと作業員達との間でテンションが上がって来た所でロディが拳を握り、頭上に
掲げると更に声を張り、作業員達に最後の号令を掛ける!
「よし、行くぞぉ!!!」
「オオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!」
王宮広場内にロディを含む作業員達の意気込みが感じられる掛け声が響き渡る。
各々が拳を振り上げ返事をする様は何とも男らしく、周りに居たマサツグ達や
ミスティー達を圧倒する。そして一通りのコール&レスポンスが終わるとロディは
フィリアの方に振り向き、ギルドの建設予定地の場所を尋ね始める。
「じゃ、現場に案内してちょうだい♪」
そこには先ほどまで男らしいかったロディの姿は無く、元のオネエにまた戻る。
コロコロと表情を変えるロディにマサツグが困惑していると衛兵長がロディを
ギルド建設予定地まで案内を始める。
「け…建設予定地はこちらです。」
衛兵長もコロコロと変わるロディの様子に戸惑っているのか緊張した面持ちで王宮
広場を後にすると王宮まで続く道のメインストリートの一角ほぼポップリングスの
中心地と言っても良い場所にロディと作業員たちを案内する。ロディも中々の立地に
心を躍らせながら横媚を露にする。
「あら、なかなか良い立地条件じゃない!
ここなら目立つし、支援も出し易い!!いいじゃなぁ~い♥」
このロディの反応にもはやオネエの土建屋なのかギルドマスターか分からなくなる…
マサツグがそんなロディの様子を見ているとロディは徐に案内されたギルドの建設
予定地の中心部くらいの場所まで歩き出すとピタッと止まり動かなくなる。突然の
行動に衛兵長共々不審に思っているとロディは突如、ギュッと拳を固めると天高く
構える。
「…え?」
「な…何を?……」
マサツグと衛兵長がロディの行動にただただ疑問を持っていた次の瞬間、ロディの
拳が光り輝いたと思ったらロディはその拳を地面に向かい振り下ろす!
「ウオリャアアアアアアアアアア!!!!!」
__ズドォォォォォォォォンンンンン!!!!……
ロディが振り下ろした拳はギルドの建設予定地に深々と突き刺さると辺り一帯に
激しい地鳴りと共に地震が起きる。突然の地震に復興中の衛兵達及び住人達が驚き
戸惑う中、衛兵長とマサツグ達がロディの突然の行動に文句を言う。
「ちょ!…ロディ!!
アンタ何やってんだよ!!」
「そ…そうですぞ!?
いきなりこのような事をされては混乱が!!…」
「え?…あっ……」
マサツグと衛兵長の文句にロディがハッと気が付くと周りは突然の地震に驚き、
その場にしゃがんで身を丸くしていた。その光景にロディが初めて慌てて見せると
マサツグ達に釈明を始める。
「あらやだ!ごめんなさい!!
わたしったらつい興奮しちゃって!!
久々の良い土地に気合が入りすぎちゃった♪」
{もう…ギルドマスターじゃなくて建設業者で良いような……}
マサツグがそんな事を考えているとふとある物が目に入る。ロディが殴った地面
には、先ほどまで無かった魔法陣のようなギルドの紋章が描かれ、ギルド建設予定地
に光の球が浮いていた。その光景にマサツグが目を擦り、何度も確認をしていると
ロディはマサツグの様子に気が付き、説明を始める。
「…?……あ!…あぁ!
これね!
これはね、この土地神との契約の間に現れる…言わば契約書みたいなものよ♪
これが無いとここに来るまでの間に言ったとおり色々と面倒が有ってね?
こうやって地面に自身の魔力とギルドの紋章を書く事によって土地神と契約
出来るの♪
まあ、私の契約方法が特殊なだけなんだけど……」
ロディの説明にマサツグが呆気に取られていると慣れた様子で作業員達が資材と
道具を搬入し、ギルド建築予定地に棒を四本立てるとその中心に神棚のような
祭壇を作る。そして、何かの儀式の準備が終わるとロディは魔法陣の中央に現れた
光の球に手をそっと突き出すと何やら祝詞に似た魔法を詠唱し始める。その際、
祭壇を良く見るとそこには穀物や酒等が祭られ、その祭られた穀物や酒等が光った
と思ったら消えてなくなる。そしてその捧げられた穀物や酒等が消えてなくなって
いくと同時に魔法陣の光の球の光が次第に強くなり始める。
「…っ!まぶし!!……」
その眩しさにマサツグが直視出来ないで居るとロディの詠唱も徐々に熱を帯びて
行き、無事にロディの詠唱が終わると光の球は徐々に小さくなって行き、地面の中へ
と消えて行く。ここで漸くマサツグ達が目を開けられる様になりロディの様子を見る
とロディは目を瞑り、じっとその場で立っていた。
「…ロディさん?……」
マサツグが徐に距離を置きロディに声を掛けるとロディはその場でゆっくりと伸びを
すると一言呟く。
「これでいいわね!
さあ、作業開始よ!!」
このロディの一言に作業員達がギルドの建設予定地に一気に雪崩れ込むとギルドの
建設を我一番と始める。まるでお預けを喰らっていた犬の様に飢えた様子で建築を
始める作業員達に狂気を感じているとロディがマサツグ達に有る相談を持ちかけ
始める。
「さて…っと!これで後はあの子達に任せれば問題なくギルドの建設は進むわね!
後は…マサツグちゃん…少し良いかしら?」
__ズザァ!!…
「ッ!?
な…何でしょうか?……」
ロディの突然のちゃん付け呼びに驚き、後ろに下がるとロディは足音立てる事無く
後ろに下がったマサツグに間合いを詰め、話を切り出す。それはある討伐依頼で
あった。
「いやん♥
逃げちゃや~だ♥」
{お…音も無しに間合いを詰めて来た!?……}
マサツグがロディの動きに驚いていると後からやって来たレイヴンとミスティー達が
様子を伺いにギルドの建設予定地にやって来る。そこでマサツグがロディに襲われて
居る様に見えたミスティーは驚き戸惑う。
「な!…何を!?…」
「どうしてこうなる!!」
マサツグがこの状況に悩んでいるとレイヴン達と後からやって来たシロがマサツグを
護る様にロディとマサツグの間に割って入ると一生懸命にマサツグの盾になろうと
する。しかし、ロディはそれをフフッと笑うと二人まとめて抱きしめる。
「もう♥二人して可愛いわね♥」
「ぎゃああああああああ!!!!」
「きゃああああああ♪」
そうしてロディとマサツグがじゃれ合う事数分、漸くロディが当初の目的の討伐依頼
をマサツグ達に話し始める。その際、マサツグとシロはロディの情熱的な抱擁に
やられ、グロッキー状態になっていた。
「…さて、マサツグちゃん達に頼みたいのはコカトリスの討伐なのよ。」
「コカトリス?…コカトリスってあの?」
グロッキー状態のマサツグの変わりにレイヴンがロディから話を聞く。そして、
ロディはそのコカトリスの討伐依頼の詳しい説明を始める。
「何でもここ最近このポップリングスの森近辺でよく硬直して動かなくなった動物が
増えたって話が上がって、何でもコカトリスが突如現れては動物達を無差別に襲って
いるとか。このまま放置して置くと色々と面倒だし、先に討伐して後顧の憂いを排除
して貰おうと思って…」
「コカトリスかぁ……
厄介だな……」
ロディの説明にレイヴンが悩んでいるとグロッキー状態のマサツグがある事を疑問に
持ちロディに尋ねる。それはこのコカトリスの話は何処から出た話だと言う事で
あった。
「……この話は何処から出て来たんですか?……」
「この話はポップリングスの狩人達の話からよ。
まだ正式な依頼として受けていないし、ギルドも完全に機能していないしで色々と
不確かだけどこのまま放って置くのも問題だから貴方達にお願いしているの。
強制ではないから断ってくれても良いけど……」
「…なるほど…分かりました。
やってみましょう。」
マサツグが地面に顔を突っ伏した状態でロディに返事をするとロディは喜びを露に
マサツグを抱き起こす。マサツグはまたもやその場で何とも言えない悲鳴を挙げる
とまた地面に倒れる。その様子をレイヴンは自分に飛び火しない様に観察していた。
そうして今日は終わり、宿屋のベッドでログアウトすると現実世界に返ってくる。
現実世界に返ってくると部屋の前から母親がご飯が出来たと呼びに来る。
「マサツグ~!!
ご飯~!!」
「うぇ~い!!」
マサツグが部屋を出て家族が待つ居間に行くとそこには母親が用意したご飯と
心配そうにマサツグの様子を見る弟の姿を見つける。マサツグが不思議に
思っているとその弟はマサツグに大丈夫かと尋ね始める。
「兄さん…大丈夫?…」
「え?…何で?…」
マサツグがご飯を一口含み、弟に尋ね返すと弟はマサツグの質問に答える。
「部屋から変な悲鳴が聞えてきたから……」
__ブッ!!!…
弟の答えにマサツグが口に入れたご飯を目の前に座っていた父親に向け噴射する。
父親も酷く驚いた様子でマサツグが噴出した事に心配するとマサツグは慌てて
父親に謝る。そして弟の質問に大丈夫と答えると弟はまだ疑問を持った様子で
マサツグの様子を伺うのであった。
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