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-第二章-サマーオーシャン連合国-前編
-第二章二十九節 会議と訓練-
しおりを挟む話は少し飛び、ゲステウスの襲撃及び討伐から三日後。ポップリングスでは急いで
市街地や外壁の復興作業に追われていた。ゲステウスの連れて来たモンスター達に
よる被害は大きく、家を無くし帰る所を失う者も居れば、集合住宅の基礎に異変が
出て来たとかで家が有るにも拘らず帰れない者まで出て来る。幸いだったのが
ポップリングスに住む獣人族に死者が一人も出ていない事。町はボロボロの状態
で誰が亡くなっていても可笑しくない悲惨な戦いにも拘らず誰一人として亡くなって
おらず、不謹慎ながらに奇跡と言う者も現れる。
「急ぎ、市街地の復興に努めよ!
この間にもまた何処かの馬鹿者共に攻められては民が危ない!」
「ハッ!!」
フィリアもゲステウスに酷い拷問を受けて深手を負う中、復興の陣頭指揮を自ら
行い、衛兵達を動かす。衛兵達も先の戦闘で深手を負った者も多数おり、復興に
当たる者が少ない現状であったがそれでも民の市街地の復興に勤める。そんな中、
レイヴンは衛兵達の頼みで、ある事を衛兵達に施し、衛兵達の特訓に付き合う。
そして、マサツグとシロとミスティーは一度ホエールビアードに向かいある事を
ギルドに頼みに向かうのであった。
ここで話はゲステウス討伐後次の日の朝に戻る。マサツグ達がフィアナに会議室
まで来る様に言われて会議室に向かうと満身創痍のフィアナが治療を受けて直ぐの
状態で椅子に座っている。そしてその他の席には衛兵長や議員、官僚達が
座っていた。そしてマサツグとレイヴンが会議室に入り、フィリアからある相談を
始める。
「……まぁ、座ってくれ。」
「あ…あぁ……」
ボロボロの状態にも拘らずフィアナはそんな素振りを見せずに普通に振舞う。そんな
フィアナの姿にマサツグとレイヴンが思わず驚くもフィアナの誘いで近場の席に座る
とフィアナは開口一番マサツグとレイヴンに謝罪とお礼を言う。
「……すまない!……
身内の恥をマサツグとレイヴンに任せてしまい!……
ゲステウスの悪行を見抜けなかった私の責任だ!…本当に申し訳ない!!…
そして、民だけでなくミスティーや私までも救ってくれた事……
心から感謝する!!……」
マサツグとレイヴン以外が席から立ち上がるとフィアナはマサツグとレイヴンに
深く頭を下げてお辞儀をする。その際、マサツグが席から立ち、フィアナのお辞儀を
止めようとするがレイヴンがマサツグの腕を掴むと首を横に振り、マサツグを
静止する。
「ヤブ…これは止めてはいけない。
気持ちは分からなくも無いがこれを止めたらフィアナの立場が無くなる…」
「…了解……」
マサツグもレイヴンに腕を捕まれ、静止させられた事に疑問を持つがレイヴンの
説明で納得すると静かに座っていた席に座り直すとレイヴンは掴んでいた腕を放す。
そしてフィアナが約二分間のお辞儀を終え、頭を上げるとマサツグはフィアナに
用件を尋ねる。
「…それで?
フィアナの相談て何かな?」
「あぁ、マサツグのあの時の説得を受けようかと思ってな…
この国にギルドを建てられるかと相談したくて二人を呼んだ。」
「ッ!……」
フィリアのこの相談にマサツグとレイヴンが少し驚いてみせると次にマサツグ達は
腕を組み、悩み始める。その光景にフィリアが戸惑い二人に如何したのかと尋ねる
と険しい表情のままマサツグ達は答える。
「…?如何したのだ?
やはり、何か駄目なのか?…」
「いや…俺達もその方が今後またこんなクーデターが起きても助けられる様に
賛成したい所なんだが……」
「俺達ってあくまでも冒険者でギルドの関係者じゃないからそう簡単にギルドを
建てる建てられないの話が出来ないんだ…
こればかりは一旦ホエールビアードに戻ってギルドの人間に聞かないとな……」
「…なるほど…たしかに今までそう言う施設を建てると言ったことは、
議論には出てこなかったしな…
そう言う外交関係はゲステウスに任せておったからな…」
ここでも邪魔者になるゲステウスレイヴンの言い分を聞いてフィリアが顎に手を
当て一緒に悩み始めるとここで会議室にミスティーが入って来ると話を聞いて
いたのか話に混ざりに入る。
__ガチャッ
「あの…いいでしょうか?」
「ミスティー?…如何したのだ?
お前はもう少し休んだ方が……」
「それはお姉様の方です!…
まだ体を動かさないでくれとお医者様にも言われたのに!…」
このミスティーの一言でマサツグとレイヴンがフィリアの方を見るとフィリアは
器用に手を使わずに耳を折り畳むと三人からそっぽ向き、口笛を吹き始める。
その様子にミスティーが溜め息を吐くとミスティーが考えていた事を話し始める。
「…はあぁ~……お姉様ったら…
私は今回の件でいかに自分の国が無力か思い知らされました…
ですから、私はマサツグさんの言っていたギルドを建てる事に賛成します。」
この時のミスティーはいつものミスティーとは違い何か覚悟を決めた真剣な表情を
しており、マサツグとレイヴンそしてフィアナの前で堂々と自身の考えを答える。
その姿にフィアナが驚いた表情を見せるもレイヴンがミスティーにギルドの
デメリットの話をし始める。
「しかし、ミスティー姫。
冒険者も全員が善人とは限らないですし、その分、この国治安維持も大変に
なりますが?」
このレイヴンの話にミスティーは頷いてみせるとレイヴンの質問に答える。そこには
もう今までのミスティーは居なくなったかの様な堂々としたミスティーが立って
おり、一同を感心させる。
「それも重々承知です。
それでも、私はマサツグさんのような冒険者様も居るということを知っています。
もちろん、レイヴンさんもです。それに今回ゲステウスの件で私は決心しました!
私……私、ミスティアナ・レオ・レヴナント自身が外交を担当し、この国を更に
良くしたいのです!!」
{おぉ~~~……}
マサツグとレイヴンが感心しその表情をミスティーに見える様に見せるとミスティー
はマサツグ達に頷いてみせる。そして、他に会議室に居た議員と官僚達は驚きと
戸惑いにどよめき、衛兵長はミスティーの覚悟に感動したのか涙を流して感動する。
その際、衛兵長が白いハンカチで涙を拭きながら泣く姿に思わず笑いそうになる。
「ミ…ミスティアナ皇女……ご立派です!…ご立派です!!」
{おいおい…衛兵長さん、感動しすぎだぞ?…
ハンカチが間に合っていないからぼろぼろ零れているぞ……}
マサツグが衛兵長の感動振りに目が離せないで居るとミスティーの堂々とした姿に
思わず固まってしまったフィリアがハッと意識を戻すと俯き黙り込んでしまう。
その様子に周りの官僚や議員、衛兵長が固唾を呑んでフィリアの方を見つめる。
そしてやはりミスティーも緊張してかフィリアの方をジッと見つめたまま
動かなくなる。沈黙にして一分、しかし周りの者達にはその一分がとてつもなく
長く感じる。
「……本当にやるのだな?」
俯いた状態でフィリアがミスティーに確認に語りかけるがその場に更に重い緊張感
がその場の全員に圧し掛かる。ミスティーも思わず、フィリアの問い掛けにビクッ
と驚いて見せるも深呼吸をするとハッキリとした声でフィリアに答える。
「…すぅ~…はぁ~……
…はい!!」
このミスティーの返事の後またフィリアが沈黙すると周りが重い緊張感に圧され
始める。まるで喧嘩をしている様な緊張感、ちょっとでもきっかけがあれば直ぐ
爆発の一触即発状態に議員や官僚達が汗を掻き始める。衛兵長はジッとミスティー
を応援するような眼差しで見つめるがやはり汗を掻いているのか衛兵長の額から
汗が零れる。そうして、緊張感に包まれた会議室でフィアナが沈黙する事三分。
遂にフィアナがミスティーに話しかける。その間、周りの面々は緊張感でグッタリ
する者まで出て来る。
「…わかった。
この件はお前に任せよう!」
フィリアが顔を挙げ、ミスティーに苦笑いで答えるとミスティーの表情が明るく
なり、衛兵長は何故かガッツポーズをする。緊張感から解放された面々はまるで
息を止めていたかの様に息を吐き出すとその場で大きく呼吸を吸い始める。
「お姉さま!…」
「ただし!!
やると言った以上キッチリ務めを果たすのだぞ!!」
「…ッ!
わかりました!!」
フィリアに許可を貰い、しっかりとした声でミスティーが返事をすると笑いながら
軽く頷き席から立ち上がるフィリア。そしてミスティーの方に歩いて行くと
ミスティーを抱きしめ妹の成長に喜びを噛み締める。
「立派になったな…
ミスティー…」
この一言にミスティーが涙目になるも我慢し、フィリアを抱きしめる。しかし、
この感動的な場面にも関わらず周りの光景は死屍累々、息を切らしグッタリと
する議員と官僚達。そんな中をマサツグとレイヴンは困惑した様子で見守るの
であった。
「…なぁ、レイヴンさん。
ここの会議って毎回こうなのかな?…」
「どうなんだろうな?……
唯一つ言える事は、議員さんや官僚の人達が今現在グロッキー状態でまだ会議が
終わっていないって事だな……」
そうして方や感動の涙を流し、もう方やでは死屍累々と奇妙な光景にマサツグと
レイヴンが困惑するがそんな状況も長くは続かず、フィリアがマサツグの方を
向くとミスティーをギルドまで護衛する様に頼み始める。
「…それではマサツグ殿。
貴君には我がミスティアナ皇女をホエールビアードまで護衛して貰いたい!…
頼めないだろうか?」
突然、フィリアが真面目な態度でマサツグに頼み事をした事にマサツグが一瞬
戸惑いを見せるが、フィリアがマサツグに頭を下げた途端マサツグがすかさず手で
止めると頭を下げるのを止める様に言う。
「…悪いがこれは止めるぞ?
言われなくてもそのつもりだしわざわざ言わなくても良い。
まぁ、任せてくれ!」
マサツグがフィリアにそう言って退けるがフィリアはマサツグに頭を手で止められて
から動かず、それどころか若干マサツグの手に自身の頭を摺り寄せるような動作を
取る。この行動にマサツグが何と無く察するとフィリアの頭を撫でる。
「……ッ!……ッ!!……」
「…喜んでいるのかなんだか知らないですけど…
思いっきり尻尾振ってますよ?あんた犬じゃないんだから…」
マサツグに頭を撫でられ尻尾を振るフィリアにマサツグがツッコミを入れると
ミスティーが頬を膨らませマサツグの腕を掴むと会議室を出て、ホエールビアードに
向かう準備をしようと連れ出す。
「…ッ!?
ま…マサツグ様!
それでは私たちはホエールビアードに向かう準備をしましょう!」
「うぇ!?
急にどうし…ってそんなに引っ張るとコケるからちょっと待って!…」
しかし、フィリアもそれに着いて行く様にマサツグの後を追い始める。そうして、
会議室に残された議員・官僚達はポカーンとした様子で席に座っていた。レイヴンが
この様子に苦笑いをしてみせるとここで衛兵長がレイヴンの所にやって来てある事を
お願いし始める。
「…魔術師殿、少しお時間を頂けるだろうか?…」
「…?衛兵長?
別に良いですけど…?」
レイヴンが衛兵長に頼まれて会議室から出ると衛兵達の訓練場まで案内される。
そこには先日の戦いで負傷したにも拘らず衛兵達が治療を受けたばかりの姿で
整列しているのを見つける。そしてその光景にレイヴンが驚いていると衛兵長が
来た事に気が付いた衛兵の一人が号令をかける。
「ッ!?
整れーつ!!……倣え!!」
__ザッ!ザッ!!……
「おいおい…
負傷しているのに大丈夫かよ?…」
レイヴンが衛兵達に心配をしていると衛兵長が整列している衛兵達に敬礼する。
それを見て衛兵達も敬礼すると全員が片幅に足を広げ、休めの体勢を取る。
そして、その光景にレイヴンがただ驚いているとここで衛兵長がレイヴンに
本題のお願いを頼み始める。
「魔術師殿にお願いしたい事とは我々の訓練に付き合って欲しいのです。
それも魔術師殿の魔法にも耐えれる位に!」
「…え?」
「先の戦いで王宮警備の衛兵達が操られ、簡単にゲステウスの入場を許して
しまったのは奴の魔法のせい…
だったら我々が魔法に対する防衛策を体得すればと言う考えに至ったのです!
そして魔術師殿は英雄殿のご友人にしてモンスターの大群の侵攻口を封じる
事が出来たお方!これ以上に適任者は居ません。」
衛兵達の訓練場に連れてこられ衛兵長の急な訓練のお誘いにレイヴンが戸惑いを
見せるも衛兵長は頭を下げたまま動かない。レイヴンもそんな衛兵長の姿に
断れない雰囲気になるも一つだけ確認の質問をする。
「…別に良いけど…
本当に大丈夫か?見た感じ負傷者が多数居る様に見えるけど…」
「それは彼ら次第です。
今ここに居る衛兵達は自らの意思で集まった者達です。
それに予め衛兵になる前に自身を管理出来ない者には退団をさせて居る為
大丈夫だと思います!」
{…本当に大丈夫なのか?…}
レイヴンが衛兵長の説明に不安を覚えるも衛兵長の頼みを受諾すると衛兵達の
訓練に付き合い始める。ここまでがゲステウス討伐から三日前までの話。
そして今現在、レイヴンは衛兵達の訓練をしているのだが……
「マインドバインド!!」
レイヴンが獣人族の衛兵達に最も耐性の低い精神魔法を唱えると衛兵達がピタッと
体を硬直させ動かなくなる。衛兵達の訓練とデーモンロードを倒した事により、
レイヴンも成長していた。
-----------------------------------------------------------------------
「レイヴン」
「ワイトウィザード」
Lv.40 「魔導師」
HP 3650 TP 810 装備
ATK 155+10 DEF 250+180 武器 骨魔導の杖
MATK 390+120 MDEF 370+80 頭装 魔導の法衣(頭)
SPD 125 LUC 120 体装 魔導の法衣(体)
MS [魔法Lv.8] [短剣術Lv,5] 足装 魔導の法衣(足)
SS [鑑定LV.7] [採取術Lv.7] 装飾 骨のクロス
[技術向上] [リッチの系譜]
[魔法術の探求者] [二種詠唱]
[感知Lv.4] [念話]
[術技]
ファイアーボール TP 10 アイスボルト TP 15
ライトニング TP 20 エアロエッジ TP 20
ライトアップ TP 10 ダークネス TP 15
シャープアップ TP 20 ガードポイント TP 20
スピードラン TP 25 フレアレイン TP 35
アイスダッシャー TP 40 サンダーボルト TP 45
ウィンドランサー TP 45 ガイアスマッシュ TP 50
マインドバインド TP 25 ポイズンシャード TP 25
パラライズニードル TP 35 コンヒュージョン TP 35
エクスプロード TP 65 アイスコフィン TP 65
ダークブリンガー TP 70
-----------------------------------------------------------------------
「うあ!
か…体が動かない!」
新たに覚えた魔法に都合良く精神系魔法が有り、レイヴンが衛兵にその魔法を唱えて
は訓練をしていた。マインドバインドは相手の動きを止める精神系魔法で攻撃性は
無く、衛兵達の訓練には持って来いの魔法であった。この魔法で衛兵達に魔法に
対しての防御策を教えてはいるのだが如何せん魔法に弱い種族。レイヴンが防御法を
教えて三日経つもなかなかに上達しない。
「ほらほら、目を閉じてイメージ!イメージ!!
自分の前に障壁を張る感じ!!
次、行くぞ!
パラライズ二-ドル!!」
レイヴンが今度は別の非殺傷拘束魔法を唱えると衛兵達に打ち出す。衛兵達も
レイヴンの指摘に従い、自分の前に障壁を張るイメージをし身構えるも出来るのは
中途半端な魔法壁。レイヴンの魔法で簡単に魔法壁が壊れると衛兵達に麻痺性の
針が襲い掛かる。
__ヒューン…パスパスパスッ!
「ぐお!
し…痺れ…びれ…」
雨の様に降って来る麻痺性の針の雨に成術無く、衛兵達が被弾すると訓練に来ていた
衛兵達の大半が地面に転がり痙攣する。その様子は地面を一生懸命に這う芋虫の様で
その様子にレイヴンが頭に手を当て、うな垂れる。そんな中メキメキと魔法の腕を
上げる、ある獣人達が居た。
「…よし!
ファイアーボール!!」
それはポップリングスの王宮に勤めるメイドさん達であった。たまたま衛兵達の
昼食を届けに来たメイドさんの一人が魔法に興味を持った為にレイヴンが面白半分で
魔法を一つ教えると偶然にも成功。それを見て他のメイドさん達も有志で集まると
いつの間にかそこにはメイドさん達による魔法士団が出来上がっていた。更に
恐ろしい事に数は未だ現在増加中…
__ゴウッ!!…バシュン!!
「きゃあ!
出来た!!」
そしてこれが意外と飲み込みが早く、下級魔法は大抵唱えられるようになる。最初の
メイドさんもきっかけは生活魔法を覚えるのが目標と言っていたにも拘らず、
いつの間にかその目標もレイヴンに。レイヴンもさすがに止める様に諭す始末。
「メイドさん…兵士の皆より上達が早いな…」
思わず零したレイヴンのこの一言を聞いた衛兵達が拘束魔法を気合で解除すると
立ち上がり、意気込みながらレイヴンに次の魔法を撃つ様に頼み始める。その目には
闘志に似たメイドさんに対する対抗心が宿っていた。
「コナクソォ!!!
もういっちょお願いします!!!」
「お!
いいね!いいね!
じゃあ、いくぞ!!
コンヒュージョン!!」
レイヴンが今度は衛兵達に混乱魔法を唱えると衛兵達が必死の形相で同じ様に
魔法壁作り始める。するとその内の数人が障壁の展開に成功する。
__パキィィィィィンン……
「おぉ!!」
見事にレイヴンの混乱魔法を弾く衛兵にレイヴンも驚くと同時に弾いた衛兵達も
驚く。そして、辺りに若干の静寂が訪れると同時に衛兵が一気の湧き上がる。
その様子はまるで魔王を倒した勇者のようなノリである。
__ウオオオオオオォォォォォォォォ!!!!
「で…出来た!
出来たぞーーー!!!」
「コツを教えてくれ!!」
「どうイメージするのだ!!」
魔法障壁展開に成功した衛兵にコツを聞く為に他の衛兵に群がる。そしてよほど
嬉しかったのかその衛兵も他の衛兵にテンション高めにイメージを教え始める。
その様子にレイヴンがホッと安堵しているとフィリアがレイヴンの所にやって来る。
「…どうやら、訓練は順調に進んでいるようだな。」
「女王陛下!」
お祭り騒ぎの衛兵達がフィリアが来た事によりシュッと大人しくなるもフィリアが
手を挙げ、何かを許可すると衛兵達はまたテンション高めに訓練を始める。
そして、フィリアはレイヴンと他愛ない会話を始める。
「…すまんな、レイヴン。
衛兵達の訓練に付き合ってもらって…」
「いえいえ…
こっちも良い訓練になってますし、大丈夫ですよ。
それより復興の方は?」
「そうだな…
城壁の修復・町の再建の状況を見てざっと、三割と言った所か…
まだまだ時間が掛かりそうだ。」
「やっぱり結構掛かりますね…」
「そうだな…
しかし、仕方あるまい。
これも私の決断で招いた結果だ、これを糧に進まねばなるまい。」
フィリアが遠い目をしながら語る姿にレイヴンがさすが女王陛下と思っていると
メイド達が女王陛下に気付き、集まり始める。そして自分達が魔法を使える事
嬉しそうに話す姿に女王陛下も笑いながら聞くのであった。
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