どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ- リメイク!!

すずめさん

文字の大きさ
上 下
73 / 96
-第二章-サマーオーシャン連合国-前編

-第二章二十三節 痕跡とアンデット-

しおりを挟む



レイヴンがシロに怯えながらもゲステウスの屋敷地下ワインセラーから出てくると

痕跡を辿り始める。レイヴンが地面をジッと見ながら歩くとその後を

マサツグがシロを抱えて歩く。そうして、マサツグ達がゲステウスの屋敷を出た所で

マサツグがどうやってあの部屋で魔法陣を見つけたのかと尋ね始めるのであった。


「…なぁ、レイヴン。

あの拷問部屋に入った時お前さん直ぐに魔法陣に気が付いたけど、どうやった

気付いたんだ?俺には全くだったけど…」


「ん?

あぁ、あれな。実はおれが選んだこのワイトってのは魔術職に特化した種族で

最初から相手の魔力や魔道具に宿る魔力がサーモグラフィの様に見えるんだ。

人の場合はオーラが出ている様に見えて、魔道具はその道具の形で表示されて

色の濃さで魔力値が分かるみたいな。

だから入った時、部屋の床に魔法陣状に魔力を見つける事が出来たんだ。」


「じゃあ、今追っている痕跡も?」


「そうそう。

痕跡に関しては地面を見ると車のタイヤ痕みたいに表示されるから辿り易いし、

術者一人一人でその痕跡も違うから追い易いぞ?」


マサツグがワイトの特殊能力の話を聞き、今度は痕跡の事を尋ねるとレイヴンは

頷いて更に答える。その際、痕跡を追うマサツグ達はいつの間にかポップリングスを

出て、マサツグがドラゴンと戦った焼け焦げた森に入っていた。森の中からは本来

なら緑豊かな光景が広がる筈が目の前には薙ぎ倒され、焼かれた木々がマサツグ達の

行方を遮る。それらの障害を乗り越え歩いて行くと更に行く手を遮る様にモンスター

が現れ始める。


「ウギャギャギャギャーーーー!!!」


「ギゲギャーーーー!!!」


「ッ!!

敵!!」


マサツグ達もレイヴンの視線に釣られて歩いていると突如奇声が聞えてくる。

その奇声にマサツグ達が反応し、声の聞えた方を確認すると目の前から狼に跨った

ゴブリン達が現れる。


「ッ!?

へぇ~…ゴブリンライダーか…

珍しいのと遭遇したな!」


「…?

ゴブリンライダー?」


「文字通り乗り物に跨って襲い掛かってくるゴブリンだ。

機動力は高いわ攻撃は地味に痛いわで面倒なモンスターだ!

気を付けろ…」


レイヴンとマサツグが武器を構え、レイヴンが目の前からマサツグ達に向かい

走ってくるゴブリンライダーに説明をしていた途端、ゴブリンが跨っていた狼が突如

マサツグ達の目の前で急に止まると上に乗っていたゴブリンが急ブレーキの影響で

前に投げ出され、顔面から地面に突っ込む。


「グギャガ!?」


__ズシャーーー……


「……その機動力に振り落とされているが?」


このコントみたいな光景に武器を構えた状態で固まるマサツグ達。ゴブリン達は

戸惑いを隠せない狼の方を向き、狼にこっちに来る様に手招きをするが狼達は

従うどころかその場から逃げ出し始める。


「……その機動力に逃げられているが?」


武器を構えた状態でレイヴンにツッコミを入れるとレイヴンがこのコントみたいな

光景に耐え切れずに吹き出し始める。依然目の前ではゴブリン達が逃げた狼に

悲しげに手を伸ばし固まるがチラッとこっちを見ると狼を諦めてマサツグ達に

襲い掛かり始める。


「グ…グギャガアアアア!!」


「あっ。こっちに向って来た。」


マサツグ達に襲い掛かり始めるゴブリン達では有るがやはり勝ち目など無く、

呆気なくマサツグの横薙ぎダッシュ斬りで一掃されるとゴブリン達がアイテムを

ドロップして消えてなくなる。その後、狼が逃げた方向を見ると遠くからゴブリン達

の事を見ていたのか、ゴブリンがやられたと分かると森の中に逃げて行く。

マサツグとレイヴンが何故あんなコントみたいな光景を見る事が出来たのかと不思議

に感じているとマサツグに捕まってままのシロが肩元でフフッと笑うのであった。


「さっきのは何なんだ?……」


「俺も初めて見たぞ?

あんな近年稀に見る見事なヘッドダイブ……」


「フフフ!…

ミスティーに教えて貰ったとおりです!…」


「え?……」


この言葉を聞いたマサツグがシロに何を教えたとミスティーに疑問を持つが

そんな事を気にする間もないのか、またもやモンスターがマサツグ達の前に現れる。

が、そのモンスターは先ほどコントを見せたゴブリンとは違い、本来なら出て来ない

モンスターが現れるのであった。


「ヴァアアアア……」


「……何だこのやる気の無い声?」


マサツグ達がまた声が聞えた方を見るとそこにはフラフラとマサツグ達の方に歩いて

来る人影が多数。マサツグ達が他の冒険者かと警戒を緩めると突如シロが鼻を

ピクピクと臭いを嗅ぐと鼻を押さえて文句を言い始める。


__スンスン…


「ッ!?

あの人達すっごく臭いです!!」


「え!?…

…てことは……ッ!!」


シロが文句を言ってから5分と経たずにその人影がマサツグ達の視認出来る距離まで

来るとそこには腐臭を漂わせ、フラフラと歩いてくるゾンビの大群。マサツグが

慌てて刀を構えると後方ではレイヴンが魔法を唱え始める。そしてレイヴンが

マサツグにこの森ではゾンビが沸いて出てくるのかと尋ねてくる。


「……おい!

ヤブ!!この森はアンデッド系のモンスターが沸くのか!?

ここでドラゴンと戦ったんだろ!?」


「ンなもん知るか!

それに!ドラゴンと戦っている時はドラゴンと一対一の状態だったから

気付かなかっただけかも知れんし!!」


マサツグとレイヴンがゾンビに慌てる理由は只一つ。魔法以外で倒す事が

出来ない為である。例外として剣士の属性技や戦士の属性技で倒す事も

可能なのだがアンデット系は数で攻めてくる事が大半で一体居たら百体は

居ると思えとまるで例の黒い悪魔を連想させる言葉が付けられるほど。

かと言って、物理攻撃が一切効かない訳でなく、HPをゼロにしても

一定時間後には復活すると面倒極まりないモンスターなのである。


「チッ!!

とにかく魔法唱えるからそれまでタンカーよろ!!」


「俺剣士!!って言ってる暇ないか!…」


レイヴンにツッコミを入れようとするもそれどころで無い状況にマサツグがシロを

肩から降ろしてゾンビの大群に立ち向かう!シロも大きく息を吸い込むと腐臭を

嗅がない様にするとマサツグに当たらない様に援護を始める。


「どっせい!!」


__ザシュッ!!ドシュッ!!


「ヴァアアア…」


{ご主人様を攻撃するな~!!}


__サクーーーン……


「ヴェアアアア……」


「さすが、英雄様ご一行!

お強いことで!」


「そらどうも!」


マサツグが刀でゾンビを斬って行き、その後ろからシロが腕を振り回し、カマイタチ

で援護する。そんな様子にレイヴンが感心しつつも漸く詠唱を終えたのかマサツグに

ゾンビから離れる様に伝えるとレイヴンが杖を掲げ、魔法を放つ!


「~~~ッ!

ヤブ!!離れてくれ!!」


「ッ!!了解!!」


「フレアレイン!!」


レイヴンの指示でマサツグがゾンビ達から距離を置くとレイヴンの魔法が放たれ、

ゾンビの頭上から火の玉の雨が降り注ぐ。その火の玉にゾンビ達が焼かれ、消滅

していく様子に何とも言えない光景にマサツグが呆然とする。そして、魔法が

撃ち終わり、煙が晴れて行くとそこにはゾンビがドロップしたであろうアイテムが

転がっていた。


「…ふぅ…お疲れ…

しっかし突然だったな…」


「そうだな…

やっぱ、あれか?森にバイオでハザードな展開って付き物なのか?」


マサツグがレイヴンにお約束なのかと話しているとドロップしたアイテムに

気になる物を見つける。それは指輪だろうか、輪っか状に金属に内側には人の名前

らしき物が掘られてある。少し煤けているが何とか名前を読むとそこには聞き覚えの

ある名前が彫られていた。


「……「マルク・ノエル」?……

あれ?この名前って確か……」


「…どうかしたのか?」


「これって……ッ!!」


何かに気付いたマサツグが倒したゾンビの所持品を一斉に調べ始める。そして、

ゾンビの所持品からはその人の名前が書かれた指輪やペンダントがゴロゴロと

出てくる。これらを見てマサツグが確信するとレイヴンにゾンビの正体を教える。


「……これ…全部未だ見つかっていない行方不明者の遺品だ…」


「…マジで?」


「間違いない、王宮の報告会に出席した時に見た行方不明者リストに載っていた

名前が彫られてある…ただし、もうその本体も消滅したから確認のしようが無い

けど、多分そうだ……」


このマサツグの意見にレイヴンが驚くと同時にゲステウスの正体も解らなくなる。

何故なら悪魔召喚の魔法陣を扱い、ゾンビも指揮出来る獣人など聞いた事が無い

からである。しかし、今はそのゲステウスの痕跡と辿る事しか出来ないとマサツグと

レイヴンが互いに頷き、痕跡の続く方を見るとまた歩き始める。その際、辺りからは

スプリングフィールドのカルト教団の事件に似た不気味さをマサツグは感じながら、

警戒を強めるのであった。

ゾンビ達と遭遇した場所から更に森の奥に続く痕跡を追って行くと辺りが徐々に暗い

雰囲気に包まれる。まるで化け物が出る前のホラー映画の様な静けさに森の暗さ。

マサツグが思わず声に出してレイヴンとシロに注意を促すと辺りから妙な気を感じ

始める。


「…静か過ぎる……ホラーゲームかって位、静かで暗いな……

ここからは辺りに気を付けて進んでいくぞ?何かあったら報告で!」


「わかった。」


「了解です!」


二人の返事を聞いたところでマサツグが感知サーチを使い、辺りに敵反応が居ないかを

確認するが視界とミニマップには何も反応は無い。この事にマサツグが不気味に

感じながら歩いて行くとここである事を思いついたのか、レイヴンに尋ね事を言う。


「…そうだ、レイヴン。

瞬間移動みたいな魔法はないのか?

ほら、俺達が追っている痕跡の終着点に簡単移動みたいな?」


マサツグのこの質問にレイヴンは首を横に振り、否定すると何故出来ないのかを

答え始める。


「悪いが…そいつは無理だ。

俺が習得していないのもあるが、

このゲームのワープは一度行った場所でないとワープが出来ない仕様になっている。

一応ランダム転移魔法みたいのもあるが、それも本当に何処に飛ばされるか

分からないし……」


「…そうか…いいアイデアと思ったんだが…」


このゲームのワープ方法がまるで某有名龍退治のゲームの移動魔法みたいだなと

思うと諦めて暗い森の中を歩いて行く。そしてまた歩いて進んで行くと徐々に森の

様子が更に暗い雰囲気に包まれる。辺りには大量の石造りの墓にボロボロの外壁と

まるで墓地のような場所に出る。これを一人称で見るとなるともはやRPGでは無く

ホラーゲーム。雰囲気満点の光景にマサツグが少し恐怖を感じるとシロがそれを

読み取ったのかマサツグの手を握り、ぱぁっと笑ってみせる。その光景にマサツグの

恐怖心も薄らいでいくがマサツグ達の後ろに居る骸骨は何故か恩恵ブーストが

付与され困惑する。


「…え?何この恩恵ブースト?…

アンデットボーナス?」


「ん?

どうかしたの……」


マサツグがレイヴンの様子に気が付き振り返ると、レイヴンの全身から黒いオーラが

溢れ出すのと同時にそのオーラの中には怨念の様な人の表情がエフェクトとして

表示される。突然のレイヴンの変わり様にマサツグが驚き固まっていると、レイヴン

が恩恵ブーストの効果を調べる。


「え~っと…何何?

アンデットを除く種族に恐怖を付与?

確か恐怖って攻撃が出来なくなる効果だっけ?

こんなのが何の役に……あれ?」


レイヴンが効果に疑問を持っているとマサツグが固まっている事に気が付き、

固まって動かないマサツグに声を掛け、呼びかけるも反応が無い。その事にマサツグ

がこの恩恵ブーストで自身に恐怖したのかと思いひたすらにマサツグを呼びかける。


「お~い!!

どうした?俺が怖いのか?~」


「………」


「…フフフ…そう我こそがいずれこの世界を征服する者……

レイヴンだ!!フフフ…どうだ?怖いか?……」


「……ハッ!!」


「ヴヴヴヴヴヴヴ!!!」


マサツグの目の前で中ニ病の様な真似をするレイヴンにマサツグが反応するとマサツグ

の隣でシロが突如威嚇を始める。その事にレイヴンが驚き、慌てて訂正に入ろうとする

とマサツグがレイヴンの手を握って墓地の中へ走り出し始める。その際、シロも

マサツグが肩に乗せると全力疾走する。


「ちょ!…ちょっと!?

急にどう……」


「に~げるんだよ~!!

レイヴ~ン!!!」


マサツグの言動に疑問を持ち引っ張られながらも後ろを確認するとそこにはまさかの

アンデットの大群。スケルトンやゾンビとモンスターハウスに入ったような光景に

レイヴンも驚きを隠せない。マサツグの肩に乗りながらもシロは依然後続で追って

来るアンデットに威嚇を続ける。


「ええええええぇぇぇぇぇ!!!」


「ここが墓地だから警戒をしていたけど量が多すぎる!!

アレをまともに相手していたらこっちがあいつ等の仲間入りだ!!!」


「ヴヴヴヴヴヴヴ!!!」


マサツグが固まって動けなくなった事に納得するとレイヴンも慌てて走り始める。

マサツグとレイヴンが同じ様に逃げる中、墓地はまさかの迷路状に形成されており、

マサツグとレイヴンがどちらの道が正解かと悩みながら無我夢中で走り続けると

その走っている最中に更にアンデットに見つかり、後続が骨と腐肉の列を作る。

それでも走り続ける事数分、マサツグ達のTPが限界に近づいて来た所で目の前に

大きなオンボロの洋館を見つける。


「しめた!!

あそこに逃げ込むぞ!!」


「しょうがない!!了解!!」


マサツグとレイヴンがその洋館に駆け込む様に走ると突如マサツグ達を誘う様に

独りでに玄関扉が開く。その光景にマサツグとレイヴンが明らかな罠の臭いを

感じ取るも今は後ろのアンデットを何とかしたいと屋敷に飛び込む。マサツグと

レイヴンそしてシロが屋敷の中に入ると開いていた玄関は後から続くアンデット

達を締め出す様にまた独りでに玄関を閉じると今度はマサツグ達が逃げられない

様に鍵を掛ける。その時、マサツグ達の耳に聞える位の音で……


__ガチャリ……


「ぜぇ…ぜぇ…

やっぱこうなりますよねぇ……」


「ぜぇ…げほッ!ごほッ!!

あぁ~…でもあのアンデットの集団にすり潰されるよりはマシだろ?……

あぁ~たすかった……」


そう言いながら膝に手を付き辺りを確認するとやはり中もボロボロで床からは草や

きのこが生え、カーペットはカビが生えている。壁にかけてあるこの屋敷の主人か

肖像画も黒ずみ、別の人物に姿を変えると不気味さを醸し出している。しかし、

変わった事に一階にある談笑する為のスペースか、そこに設置されてある暖炉には

火がくべられてあり、屋敷一階を微かに照らしていた。


「……誰か居たのかな?

誰も居ない暖炉に火が着いているって……」


「でも誰かが居た痕跡は無いぞ?…

ほれ、暖炉近くに置かれてあるソファーに埃は積もってるし。」


__スンスン…


「何も臭いがしないです。

ただ少しカビ臭いですね?」


レイヴンが配置されてあるソファーを調べ、シロが臭いを嗅ぎ辺りを調べるも何も

居ない。ますますホラーな展開になる状況にマサツグが頭を抱えて悩むとここで

レイヴンがある事に気が付く。


「…あれ?」


「…?どうしたんだ?」


「いや…あのアンデットの大群に追われて気が付かなかったけどこの屋敷に痕跡が

あるんだ…それも俺達が追っていた奴の……」


「おいおい…更にトラップ臭いじゃないか!……」


レイヴンが屋敷の中でゲステウスの痕跡を見つけ、ますますこの屋敷が罠臭くなるが

ウダウダ言っている暇も無いマサツグ達は固まって行動を始める。屋敷は外から見た

限り、屋根裏部屋も含めて4階建て。その内今マサツグ達がいる玄関は直ぐに二階に

上がる為のバルコニー階段があるが階段の板が腐り、登れそうに無い。


「…二階は後回しで良いか…

登れそうにないし……」


「無理に登って踏み抜いたらそのまま下に落ちてダメージってのがオチだな…」


マサツグ達が二階を後回しにすると一階にある部屋を調べ始める。二階に行く

バルコニー階段の下に目立つ扉があり、そこを開けると横に長い廊下が現れる。

そして更にその廊下を挟むように扉が配置されて各部屋が倉庫であり、キッチン

大食堂、使用人の自室と見つけるも何かこれと言った物は見当たらない。


「これまでに何も無いな…」


「ガラクタとカビた本……そして埃だらけの家具と見事にオンボロ屋敷を

演出しているな…」


マサツグ達が一階の鍵が開いている部屋を調べ終わると廊下に何か無いかと捜索

し始める。更にマサツグ達を不安にさせる事にのが

不可解で仕方が無かったがここで廊下の一番端には玄関に有る二階の回廊に続く

階段を見つける。板は腐っておらず安全に二階に登れる事を確認すると二階に

上がって行く。


「…そろそろ…感知サーチ!!」


マサツグが二階に上り、辺りを調べるとここでマサツグに視界にある物が表示される。

それはまるで鎧甲冑の様に表示され、赤い影で表示される。この事に気が付いた

マサツグが反応があった場所に向うとそこはあの二階に上がる為の階段を

上がって直ぐの扉で、中に入ると居間なのかまた暖炉に埃を被ったソファーと机が

ある。


「…反応はここにあったけど…あれかな?」


「鎧甲冑?」


マサツグとレイヴンがその鎧甲冑を調べ始めると突如その鎧甲冑が独りでに動き

始め、手に持っていた武器でマサツグ達に襲い掛かる!


__ブンッ!!


「おっと!!

あぶね!!」


__ガシャン!!…ガシャン!!


「他のも動き始めたぞ!?

どうする!?」


「数は四体!!

これ位ならイケルだろ?」


そう言うとマサツグは大剣を構えると動く鎧甲冑に斬り掛かる!マサツグの攻撃が

鎧甲冑の横腹に入るとそこを起点にバラバラとその場に崩れる。


「…ッ!?

この軽さは!?…」


そして、マサツグはその何とも言えない手応えに違和感を覚えているとバラバラに

なった鎧甲冑が宙に浮き、また元の姿に戻る。その光景にマサツグがやっぱりと

ツッコミたくなるが今度は火炎斬りで鎧甲冑を攻撃すると煙を上げて、

その場に崩れる。


「でえええい!!!」


_ガラン!ガランガラン!!…


「やっぱり!

リビングアーマー!!」

 -----------------------------------------------------------------------------------

「リビングアーマー」

 Lv.25

 HP 6660 ATK 230 DEF 250 

 ------------------------------------------------------------------------------------

マサツグのこの一言にレイヴンが反応して見せると予め詠唱していた魔法を残りの

リビングアーマーに撃ち放つ!


「エアロエッジ!!」


__スパンッ!スパンッ!!ガラン!ガランガラン!!…


「よし!


レイヴンの魔法で二体のリビングアーマーを片付けると最後の一体を始末しようと

マサツグとレイヴンが振り向くと既にシロが最後の一体を倒し終えたのかリビング

アーマーの兜を被って遊んでいる姿を見つける。


「ご主人様~。

この帽子重いです~。」


フラフラとしながらマサツグに近づくシロにマサツグが兜を取って顔を見るとシロの

顔は埃で汚れ、泥棒髭が出来ている。それを見てマサツグがアイテムポーチから

ウェットティッシュを取り出すとシロの顔を拭き始める。


「ん~!!ご主人様~!!

苦しいです~!!」


「我慢しなさい!」


「…もはや父親じゃなくてオカンに見える光景だな……」


マサツグがシロの顔を拭く光景にそう感じるレイヴンはその場で腕を組み、

その様子を見ているのであった。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

とあるおっさんのVRMMO活動記

椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。 念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。 戦闘は生々しい表現も含みます。 のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。 また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり 一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。 また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や 無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという 事もございません。 また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。

高校からの帰り道、錬金術が使えるようになりました。

マーチ・メイ
ファンタジー
女子校に通う高校2年生の橘優奈は学校からの帰り道、突然『【職業】錬金術師になりました』と声が聞こえた。 空耳かと思い家に入り試しにステータスオープンと唱えるとステータスが表示された。 しばらく高校生活を楽しみつつ家で錬金術を試してみることに 。 すると今度はダンジョンが出現して知らない外国の人の名前が称号欄に現れた。 緩やかに日常に溶け込んでいく黎明期メインのダンジョン物です。 小説家になろう、カクヨムでも掲載しております。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました

グミ食べたい
ファンタジー
 疲れ切った現実から逃れるため、VRMMORPG「アナザーワールド・オンライン」に没頭する俺。自由度の高いこのゲームで憧れの料理人を選んだものの、気づけばゲーム内でも完全に負け組。戦闘職ではないこの料理人は、ゲームの中で目立つこともなく、ただ地味に日々を過ごしていた。  そんなある日、フレンドの誘いで参加したレベル上げ中に、運悪く出現したネームドモンスター「猛き猪」に遭遇。通常、戦うには3パーティ18人が必要な強敵で、俺たちのパーティはわずか6人。絶望的な状況で、肝心のアタッカーたちは早々に強制ログアウトし、残されたのは熊型獣人のタンク役クマサンとヒーラーのミコトさん、そして料理人の俺だけ。  逃げるよう促されるも、フレンドを見捨てられず、死を覚悟で猛き猪に包丁を振るうことに。すると、驚くべきことに料理スキルが猛き猪に通用し、しかも与えるダメージは並のアタッカーを遥かに超えていた。これを機に、負け組だった俺の新たな冒険が始まる。  猛き猪との戦いを経て、俺はクマサンとミコトさんと共にギルドを結成。さらに、ある出来事をきっかけにクマサンの正体を知り、その秘密に触れる。そして、クマサンとミコトさんと共にVチューバー活動を始めることになり、ゲーム内外で奇跡の連続が繰り広げられる。  リアルでは無職、ゲームでは負け組職業だった俺が、リアルでもゲームでも自らの力で奇跡を起こす――そんな物語がここに始まる。

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

処理中です...