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-第二章-サマーオーシャン連合国-前編
-第二章二十一節 裸族の女王陛下と現状報告-
しおりを挟むゲームを始めて数分で二度目の戦闘不能になりかけたマサツグがシロの顔面拘束から
解放されると息を切らして息をする。その様子を心配する様にシロとミスティーが
マサツグの背中を摩り、労る。
「ぶは~~~~!!
ぜぇ…ぜぇ…
し…死ぬかと思った…」
「ご…ごめんなさい!!」
シロがマサツグに謝り、反省の意思を見せる。マサツグも上体を起こし、しょぼんと
するシロを見るとゆっくりと頭を撫でる。すると、シロは頭を上げてマサツグの顔を
見るとにぱぁ~と笑い始める。マサツグもシロがどれだけ心配させたかを考えると
怒るに怒れず、シロに安心する様に言葉を掛けるしかなかった。
{…そうだよな……
目の前で親しい人がボロボロで帰って来て死にそうなら誰でも心配するし、
ましてや親代わりに育ててくれている人なら尚更だ……
シロのあのクリティカルヘッドバッドも理解できる……死んだけど……}
「大丈夫だよ…
心配かけたな…」
マサツグがシロの頭を撫でながらそう答えるとシロは改めてマサツグの胸に
飛び込み、涙目で嬉しそうにマサツグに顔を摺り寄せる。そしてマサツグの心音を
聞くと安心したのか表情で安らかな表情でしがみ付く。
「良かったです!…本当に良かったです!!……」
その様子を両脇から見て、微笑ましく見守るミスティー達であったがここで
マサツグが思い出した様にシロにやっちゃいけないリストにある事を追加するので
あった。
「ただし…今度からは幾ら感情が昂ぶっても顔に張り付かない様に……
またさっきみたいに動かなくなっちゃうからね?……
俺との約束だぞ?……」
マサツグがシロの顔を見てそう約束すると、またもやションボリとした表情で
謝るとマサツグに約束する。その際マサツグが起きた時は尻尾をブンブンと
振っていたのが尻尾もしょぼんと垂れ下がる。
「う!…ごめんなさい…
約束です……」
「…ふむ……
ようやく、起きたようじゃな…」
そうしてマサツグとシロがフェイスロックの約束をしているとマサツグの右側で
寝ていたデンジャラスボデーのお姉さんがマサツグに話しかける。マサツグも
まさかと思いつつもシロを撫でながら一応誰なのかと、後何故服を着ていないのかも
尋ねるとそれはマサツグの予想が当たっている内容でしかなかった。
「あ~っと……
一応伺いますがどちら様ですか?…
後お召し物は?…」
「何じゃ、覚えとらんのか?
余じゃ。
この国の女王、「レフィリアナ・レオ・レヴナント」じゃ。
後、余は寝る時は裸じゃ。
その方が気持ちがいいからの!」
{あ…やっぱりお姉さまでしたか…
と言うか裸族だったのですね……
まったく!……いい物をm、ゲフンゲフン……けしからんな!!}
マサツグの視線を気にする事無く、腰に手を当て堂々とする姿にマサツグが思わず
凝視ながらレフィリアナの受け答えを聞く。その際シロが真似をしない様に
マサツグが目を隠すとシロはマサツグに突然視界を遮られ、一時は困惑するも新しい
遊びかと直ぐに順応する。そしてミスティーは慌ててレフィリアナの局部を自身
の体を使って隠すのであった。
「お…お姉様!!早く服を着てください!!
マサツグ様もそんなにマジマジと見ないで下さい!!」
「ハッ!!ス…スマン!!……」
「何故じゃ?ミスティー?…
余の部屋で余が何をしても構わんだろう?
それに、見られて恥ずかしい体はしておらんぞ?」
ミスティーの注意もレフィリアナには理解出来ず、今だ堂々とマッパで居る
レフィリアナは不思議そうにする。そしてマサツグもレフィリアナとミスティーとの
会話に引っかかりを感じ、レフィリアナの方を向くとマサツグがレフィリアナに
尋ねる。
「……え?
も一度聞きますけど、この部屋って……」
「うん?じゃから、余が「自分の部屋」でどの様な格好をしても別に構わんじゃろ
と言ったのだ。何か可笑しいか?」
「あ…あぁ、なるほど……自分の部屋……」
{…って、ぶええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!}
マサツグが声にならない声を挙げるとレフィリアナが首を傾げ、マサツグの反応に
疑問を持つ。しかしミスティーはこれが如何言う事か分かっているらしく、話を
聞かないレフィリアナに根気良く注意する。
「お姉様!!マサツグ様の反応ももっともです!!
いくら、マサツグさんが恩人でもやり過ぎです!!」
「何じゃ?わらわはこの者を気に入ったのじゃ。
余のやり方の何処に問題がある?
それに妹の友人を持て成すのは当然であろう?」
{しかし、その友人の隣で裸で寝ますか?普通……}
「いくら友人でも隣で裸で寝ますか!?」
女王陛下の部屋、ベッドの上で姉と妹が喧嘩をする図。そしてマサツグの考えを
読み取り代弁するかの様にミスティーがレフィリアナに説教を始める。しかし、
さすが女王陛下ミスティーのお説教を物ともせず、はぁ…と息を吐くとミスティーの
お説教を適当にあしらうのであった。
「…はぁ…
あぁわかった、わかった!
次からは気をつける。これで良いじゃろ?」
「お…お姉様!!」
レフィリアナがミスティーをあしらうとベッドから降りて、お付きの人を呼ぶ為に
机の上に置いてあるベルを取りに行く。そして、あしらわれたミスティーは頬を
ムゥっと膨らませると同じ様にベッドから降りる。そうして一段落したとマサツグが
シロの視界を開放するとシロが突如、悲鳴に近い声を挙げるのであった。
「ぴゃあッ!!!」
「ッ!?
如何したシロ!?」
「急に光が目に入ってピカピカしますぅ……」
急に視界が開け、朝日が目に沁みたのかシロが目を回し座りながらにフラフラと
し始める。その様子にマサツグがホッと安心すると気のせいか女王陛下の独り言が
聞える。
「チッ!……
隙を見て、襲おうと思っておったのに…
ミスティーのガードが固かったわ……」
それを聞き、マサツグはビクッとするとミスティーの方を見る。ミスティーもその
独り言が聞えたのか、レフィリアナの後姿を睨み付ける様に凝視する。そして、
レフィリアナがベルを手に取り、チリリ~ンと鳴らすとお付きの人が部屋に入って
くる。その速さはまるでスタンバッて居たかの様な入室スピードですぐさま二人の
皇女の着替えを手伝い始める。
「…さて…俺は運動代わりに歩いて来ようかな……」
「ん?…マサツグ。
別に出て行かんでもここで着替えを見ててもいいのだぞ?」
マサツグがベッドから降りて、着替え始めた二人に気を使って部屋を出ようとすると
レフィリアナがマサツグに気が付いたのか呼び止める。そして、まるで誘惑する様な
表情とポーズでマサツグを部屋に居させようとする。その際、お付きのメイドさんも
女王陛下の色仕掛けの演出に協力するのであった。
「え?………」
「お姉さま!!」
マサツグが思わず、その誘いに乗ってしまいそうになるとミスティーがレフィリアナ
に大きな声で顔を赤くしながら呼ぶ。その声にマサツグが我に返るとそそくさと
女王陛下の部屋を後にする。そして、マサツグが部屋を出て大きく溜め息を吐くと
マサツグが気が付かない内に目の前には部屋に入って来たレフィリアナのお付きの人
とは違う別のメイドさんが立っていた。
「…はあぁ~……
…っておわぁ!!!」
「おはようございます、英雄様。
今朝から随分とお疲れのようですね?…」
マサツグが驚き、思わず後ろの扉に後頭部をぶつけるも良く見るとそのメイドさんは
ゲステウスの屋敷で助けたメイドさんであった。マサツグが確認の為にメイドさんに
尋ねるとメイドさんは頷き答えるのであった。
「あれ?
君は…」
「はい。
あの時、ゲステウスの屋敷で助けて貰った者にございます。
あ、自己紹介がまだでございましたね?
私は、「ノーム」と申します。フィリア様の付き添い、従者でございます。
今は別の職務に着いていますが…と、それより…
あの時はまるで子供の様に取り乱し申し訳ありませんでした……」
{…フィリア?……あぁ、レフィリアナで、フィリアね……
本当に仲が良いんだな……}
そこには助けた時の様に恐怖とトラウマに体を震わせる姿は無く、凛とした佇まいで
マサツグに丁寧に挨拶をする元メイドさん、もといメイド姿のノームが居た。
マサツグがもう動いて良いのかと尋ねるとノームはマサツグにお辞儀をして返事を
する。
「もう、動いて大丈夫なのかい?」
「はい。
大丈夫です。」
「女王様は部屋の中で着替えているよ?
手伝わなくても良いのかい?」
マサツグがノームにそう伝えるとノーム頷き、返事をする。しかし、ノームは
マサツグに用があるのかマサツグに着いて来る様に伝えるとマサツグをある場所に
案内するのであった。
「存じております。
しかし、お世話をする様言い付かっているのはマサツグ様でございます。」
「へ?…俺?」
「はい。
ささ、こちらへ…」
マサツグがノームの案内に困惑しながらも着いて行くとそこは王宮の来賓様の部屋か
装飾された扉に案内される。マサツグがこの事に更に困惑するとノームは扉を開けて
更に中へ案内する。
「さぁ、こちらでございます。」
マサツグがノームの案内で部屋の中に入るとそこには投獄される際に没収された
武器・防具・アイテムが机の上に整列されて置かれていた。その事にマサツグが
驚くとノームが説明を始める。
「マサツグ様を案内させて貰ったのはこれらの装備品にアイテム類を返却する為で
ございます…説明が足りず、困惑させてしまった様で申し訳ありません……」
マサツグが防具を手に取り具合を確かめると磨かれたのか装備品はピカピカに輝き、
アイテム類は種類事に整頓されている。その中には袋が破れ中身が漏れ出していた
のか、新しい袋に交換させた粉薬もあった。
「…これって……」
「はい。
私が装備品を磨かせて頂きました。」
「この袋だけが新品なのは?……」
「袋が破れておりましたので交換を……ッ!
もしや、迷惑でしたでしょうか?…」
「あ、いや!助かるけど何でこんな?…
普通に返してくれるだけでよかったのに…」
マサツグが遠慮がちにノームにそう答えるとノームは俯き、モジモジし始める。
この行動にマサツグが不思議に思っているとノームが理由を話し始める。それは
ノームのささやかなお願いもあってのものであった。
「……そ…それは女王陛下のご命令で私が管理させて頂き……
私個人の助けて頂いた時の感謝でもあり……
そして……」
「そして?……」
マサツグがノームに聞き返すとノームは頬を赤く染めながら顔を上げるとマサツグに
頭を撫でる様にお願いする。突然のノームの反応にマサツグが戸惑いを覚えるも
ノームの期待に満ちた眼を見るとマサツグは何も考えずにノームの頭を撫でる。
「わ…私の頭を撫でて欲しいのです……」
「……へ?」
「ゲステウスの屋敷でマサツグ様に助けて頂いた際……
抱きしめて貰った感触が残っているのです……」
{…何か妙にいやらしく聞えるのは何故だ?……」
「ですが、マサツグ様に抱きしめて下さいと言うのはいささか恥ずかしい為、
頭を撫でて欲しいと考えてのです……駄目でしょうか?……」
「えぇ?いや別に構わないけど……はい。」
「ッ!?
くぅ~~~~~ん……」
マサツグがノームの頭を撫でた途端、何か妙に色っぽい声を挙げるノームにマサツグ
が驚く。そしてノーム自身も声を挙げた事に気が付いたのか慌てて口を押さえると
顔を赤くしてマサツグにお礼を言う。その慌てた様子にマサツグも釣られて慌てると
用意してくれた自身の装備品を装備し直すのであった。
「あッ!!……も…申し訳ありません!!……
ありがとう……御座いました……」
「あッ!!あぁ!!あれでよかったならそれで……」
{何を慌てている俺!!……ただ頭を撫でただけ!…
ただ頭を撫でただけ!!…}
そうして慌しくマサツグが武器防具を装備し直すとその間二人は黙ったままで来賓用
の部屋の中が何とも言えない空気に満たされる。お互いが如何したものかと考えてい
るがマサツグが装備品及びアイテム類を回収し終えるとノームは今度は会議室に
案内を始めようと空気を戻す為に話を切り出す。
{…そういえば、今の俺インナーのままだったな……
裁判で無罪を勝ち取って直ぐとは言え、よく俺この格好でドラゴンと
やりあったな…}
__キュッ!!
「…よし!」
「そ…それでは、今度は会議室にご案内します。」
「か…会議室?…何で?」
ノームがマサツグを会議室に案内しようとするのを聞いてノームに聞き返すとペース
を取り戻したのか冷静な元のメイドさんに戻る。それを見てマサツグも漸く、
落ち着き取り戻すとノームの話を聞くのであった。
「今回の突如飛来してきたレッドドラゴンとマサツグ様がお倒れになっている間に
手に入れたゲステウスの痕跡についてマサツグ様にも話を聞いて貰おうと女王陛下が
お呼びなのです。」
「…なるほど…確かにまだゲステウスは解決して無いもんな……
本人は何処に行ったんだ?…」
「それが……突如行方不明になったようです…」
「行方不明?……」
マサツグとノームが来賓用の部屋から出てくると会議室に向かう道中でゲステウスの
話を始める。そして、ノームの口から出てきた行方不明の言葉にマサツグが疑問を
持つとノームが知っている部分だけ話し始める。
「えぇ、どうやらマサツグ様がこのポップリングスに来る数日前に突如姿を消した
とかで、衛兵達が今探している様ですが…見つかるかどうか……」
{…数日前……
思い当たるはミスティーの誘拐失敗かな?……
それで姿を消したとして何処に消えたんだ?……}
マサツグがノームの話を聞いてゲステウスの逃げた先を考えているとノームが更に
ある事をマサツグに教える。それはマサツグが女王陛下に進めた話でこの状況を
少しでも良くする話であった。
「…そういえば、今日からポップリングスの鎖国が解除されたようです。」
「…へ?」
「何でもマサツグ様の意見を聞いて取り合えず冒険者達はポップリングスに入れる
様にギルドに宣言したとかで早速何人かがポップリングスに訪れては住民達に
囲まれ、物珍しさに揉みくちゃにされているとか……」
仕事が速いとマサツグが女王陛下に感心すると同時にやって来た冒険者が
揉みくちゃにされている図を思い浮かべると鬼の様な光景を想像する。その一端が
あの羊の店員さんであの様に迫ってくるのかと考えると背筋がゾッとする。
そうしてマサツグとノームが話していると会議室に辿り着いたのか、ノームが
目の前の扉の前で止まると扉にノックをする。そして、中にいる人にマサツグを
連れてきた事を報告する。
__コンッ!コンッ!
「失礼します。
マサツグ様をお連れいたしました。」
「うむ、入ってくれ。」
ノームがそう伝えると中からフィリアの声で入って来る様に伝える。その言葉に
ノームが反応するとマサツグの代わりに会議室の扉を開けて中へ案内する。
そしてマサツグが会議室に入ると中ではマサツグより先に着替えたフィアナの他に
ミスティーとシロ、兵士長が先に席に座っていた。
「うむ、ちゃんとマサツグに返せたようじゃな!…
なかなかに似合っているではないか!!
…まあ、適当に座ってくれ。」
フィアナが手で座る様に指し示すとシロが自身の隣の椅子を引くと椅子を叩いて
ここに座る様にと言いたげな仕草でマサツグを呼ぶ。
__パンッ!パンッ!
{ご主人様!!ここ!!
ここ空いてます!!って言いたそうな顔をしているな……やれやれ…}
マサツグもそれに気が付いてシロの隣に座るとシロはマサツグの顔を見て喜ぶ。
そして、フィアナもマサツグが席に着いたのを確認すると今回のゲステウスが
起こしたであろう騒動の話を始めるのであった。
「では、英雄殿も来た所で兵士長。
報告を頼む。」
フィアナが衛兵長に現場の報告を頼むと衛兵長はその場で立ち上がり、説明を
始める。その内容はマサツグがドラゴンと戦っている間に調べたゲステウスの屋敷
とマサツグが倒し終えたドラゴンの様子についての内容であった。
「ハッ!ではご報告させて頂きます!!
女王陛下の命でゲステウス邸を捜索の為に差し押さえを行った結果、マサツグ殿が
掴んだ証拠の他に、誘拐・脅迫・暗殺の証拠が多量に見つかり、拷問を行っていたで
あろう部屋にて身元不明の少女らを保護しました。やはり、皆拷問・強制猥褻等の
被害を受けた様で皆酷い怯え様であり、酷い者は対人恐怖症を起こしている
ようです。現在、保護した身元不明の少女達を駐屯場で保護し、ギルドと連携を
取って皆を親の元に送り届ける等に対策に当たっています。次に……」
{相変わらず…名前に恥じない下種っぷりだな……
てか本当にそんな名前なのか?…何を思ってそんな名前を?……}
衛兵長が報告する内容を聞いてマサツグがゲステウスの蛮行に正気を疑うと何故、
そんな名前なのかと考える。そして衛兵長の報告は続き、この説明で侵入した時には
気付かなかった新たな説明を聞く。
「……かなり衰弱している者もおりましたが命は取り留めたようです。
あと、拷問の部屋には拷問器具の他に黒魔術らしき痕跡も残っておりました。」
{黒魔術?……確かあの部屋って階段が赤黒くなるほど酷い有様で、
魔法陣なんて有っても気付かなかった…
にしても黒魔術って何をしていたんだ?……}
「……最後にマサツグ殿が討伐なさった、ドラゴンを調べたところ。
マサツグ殿が斬り飛ばしたドラゴンの頭には何やら紋章が書かれており、
専門家に調べて貰った所、何者かに操られていた可能性が高いと思われる
との事です!
報告は以上であります!」
衛兵長の報告が終わり、マサツグが疑問に思った事を頭の中でまとめると衛兵長に
尋ね始める。そして、フィアナが説明を頼んだ時からずっと何処かの動物達が暮らす
森に引っ越すゲームのお巡りさんの様に敬礼をする衛兵長がマサツグの質問に答え
始めるのであった。
「じゃあ、ゲステウスの息子は父親の行き先を知らないのか?」
「ハッ!!
その通りで、息子がの話では、一週間前から帰って来ていないと、
このような事がざらにある様で息子も全く気にしていないと
聴取の中で答えています!」
「じゃあ、ゲステウスの屋敷で他に怪しい物を見つけていないのか?
魔法陣の他に?…」
「ハッ!!
他にあるとするなら……ここら辺では珍しい幽霊ダケの胞子を見た事でしょうか?」
「…幽霊ダケ?」
「ハッ!!
その名の通り、幽霊のようなスケスケのキノコです!!このキノコを食べた物は
体が一時的に透けるとか……しかし、誰も試した事が無いので都市伝説の域を
出ません!!」
これまでの衛兵長に会話を聞いてマサツグの中の嫌な予感が反応し始める。
何かまだ大きな出来事がやって来そうなそんな感じを感じ取ると思わずマサツグが
一人呟いてしまう。
「これ…なんか嫌な予感がするなぁ…」
「ッ!?
嫌な予感とは何だ!?まさか、もう何か分かったのか!?」
マサツグのこの一言にフィアナが反応すると会議室内がざわつき始める。まるで
マサツグが名探偵の様な感じでざわつき始めるとマサツグが慌てて落ち着かせに
掛かるのであった。
「い…いや、まだ何も分かってないよ?…
ただ、用心した方が良い様な気はする……それに、俺も乗り掛かった船だし…
この件に関しては最後まで付き合うよ。」
そう言うとまずはもう一度ゲステウスの屋敷を調べようと考えるマサツグであった。
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