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-第二章-サマーオーシャン連合国-前編
-第二章十九節 夏海刀と逆鱗-
しおりを挟むマサツグが女王陛下から刀を受け取り、ポップリングスのゲートへと歩いて行く。
そして、ゲートに近づいて行く毎にゲートの外からは衛兵達が必死にドラゴンを
食い止め、住民が避難する時間を稼ぐ声が聞えてくるもそれと同時に衛兵達が
やられて行く悲鳴も聞えてくる。
オオオオオオオォォォォォォ!!!……
「現状…頑張っているようだけどやっぱ無理があったのかな?…
掛け声に混じって悲鳴が聞えてくるな……
しっかし、何でこのタイミングでドラゴンが飛んで来たんだ?」
マサツグがポップリングスのゲートを潜り、外に出るとそこには衛兵達が
決死の覚悟でドラゴンに立ち向かうがいとも簡単に一蹴される凄惨な光景が
広がっている。マサツグも急いで戦線に加わろうと刀を抜こうとするが
何時ぞやに感じた抜けない感覚がマサツグを襲う。
「……あれ?
この感覚って……」
ご丁寧に構えて、格好良く刀を抜こうとしたにも拘らず刀が抜けず、間抜けな
姿を晒していると衛兵達はドラゴンに矢を射ち、攻撃する。が、ドラゴンの鱗は
硬く、矢が刺さってとしても身震い一つで刺さった矢を振り落とすとそのまま
ポップリングスに向け、進行を始める。その光景にマサツグが焦り、何故刀が
抜けないのかをインベントリを開いて確認するとここで漸く、この刀が特殊武器と
分かると更に慌て始める。
「……うおおおおい!!
女王陛下!?何でこのタイミングでこんな刀を渡してくるんだ!?
緊急事態じゃないのかよ!?」
マサツグがゲート前で慌てるもその間に衛兵達の防衛陣もドラゴン一頭の前に
空しくも散って行き、徐々に追い込まれ始める。衛兵達もその強さに徐々に
心が折れ、逃げ出しそうになる。
「く…くそ!
ひ…怯むなぁ!!倒さなくても撃退出来れば我々の勝ちだ!!」
必死に声を出し戦う衛兵達の姿はまるでマサツグが鉱石を取りに言った際に見た
ゴブリンVSワイバーンを思い出させる。しかし、今度は規模が違う。
一国を背に絶対に逃げられないこの戦いに衛兵達はドラゴンに恐怖を覚えながら
も立ち向かう。その光景にマサツグも賭けに出始める。
「チッ!!一か八か!!……
雷撃刃!!」
マサツグが抜けない刀で一か八かの雷撃刃を放つとなんとか技は繰り出され、
ドラゴンの顔に当たると大きく仰け反る。ドラゴンも何処から攻撃が飛んできたのか
分かっていないのか、辺りを見渡し始める。
「よし!!って遅かったか……
まともに残ったのは一人だけで、あとは負傷、重傷……
こういう場合、俺にできる事は……」
マサツグがドラゴンを大きく仰け反らせるもこの時、既にポップリングスの防衛陣は
崩壊し、残っている衛兵はたった一人。そして、その最後の一人も戦意喪失し
その場に腰砕けに座り、ドラゴンを恐怖の表情で見つめる。そこへマサツグが
近寄り、声を掛けると衛兵は驚いた様子でマサツグの方を見るのであった。
「あ…あぁ……ベス…トーマス…みんな……」
「そこのお前!!
そこに座っているだけなら負傷した連中を後ろに!…安全な場所に連れて行け!!
コイツは俺が何とかする!!」
「え…あんたは?……」
「いいから…早くしろ!!!
このまま本当に殺してしまっても良いのか!?」
突然現れたマサツグに戸惑いを隠せない衛兵がマサツグに焦る。その間にドラゴンが
マサツグを視認するとまたポップリングスに向け、進行を始める。何時まで経っても
動かない衛兵にマサツグが怒りの混じった声で叱咤すると漸く、我に返ったのかハッ
とすると戸惑いながらも負傷した衛兵達を抱きかかえるとポップリングスに
戻り始める。その間にドラゴンがマサツグに注目しているのか真っ直ぐにマサツグの
方に歩いて来ると攻撃を仕掛けてくる!
__ゴアアアアア!!!
尻尾で薙ぎ払い、噛み付き等と攻撃をしてくるがマサツグはそれらを回避するも場所
が悪いのかドラゴンの攻撃がポップリングスの外壁に当たると壁が壊れ、その瓦礫が
ポップリングスの市街地に被弾する。その際、ポップリングス内から悲鳴が
木霊する。
「…チッ!!
さすがにここで戦う訳にはいかないよな……近すぎる。
更に刀は抜けないし……
本格的に不味いな……」
マサツグがドラゴンの攻撃を回避しながらも唯一まともに攻撃できる雷撃刃で
ドラゴンの気を自身に集中させると、とにかくここから離れようとポップリングス
から離れて行く。勿論ドラゴンもマサツグに攻撃されて怒り心頭なのか逃げる
マサツグを追いかけてポップリングスから離れ始める。
「さぁて……本当に如何したものかな……武器は鞘から抜けないし、
アイテムもない。オマケに防具も一切装備してないし…
あのドラゴンの攻撃をまともに受けたら即終了のオワコン状態……
気ぃ入れて対処しないと不味いな……」
行き先など全く決めていないマサツグであったがポップリングスから100m離れた
森に辿り着くとドラゴンがマサツグに向けファイアブレスを吐く!
そのファイアブレスはワイバーンの時とは違い、広範囲で直ぐに吐き出してくる。
マサツグが慌てて森の木々に隠れるもドラゴンのブレスで森の木々が燃えて、
一直線上に道が出来る。
「ひぃ~あぶね……」
咄嗟に隠れた樹の裏でドラゴンのブレスで焼けた木々を見ているとその出来た道を
ドラゴンがゆっくり歩いてくる。そして、目の前から消えたマサツグを捜すかの様に
辺りを嗅いで見渡し始める。それと同時にマサツグも自身が飛び込んだ森に何か使え
そうな物はないかと見て回るがあるのは木々ばかりで何もない。
「こりゃ…不意を突いても駄目だな……
まず、刀が抜けないし、撃てる攻撃も雷撃刃のみ……
せめてこの刀の解放条件だけでも分かれば何とかなるかもしれんのだがな……」
ぼやきつつもマサツグがドラゴンにばれない様に木々の中を移動していくとドラゴン
の背後を取る。その間にドラゴンがマサツグの臭いがした所を尻尾で薙ぎ払い木々を
薙ぎ倒して行くといつの間にか見通しの良い空間が出来上がる。その空間内には
ドラゴンがマサツグを捜す際に薙ぎ倒した木々が転がっていた。マサツグの方も
タイミングを見計らって隠れていた木から身を晒しだすと、有りっ丈のTPで雷撃刃を
繰り出す!
「こっちだ!!
この野郎!!!雷撃刃!!!」
__バシュウッ!!バシュウッ!!バシュウッ!!
マサツグが繰り出した雷撃刃はドラゴンの背中・翼に当たると雷撃がドラゴンを
襲い、鞘に仕舞った状態で撃った斬撃が多少ながらもドラゴンに傷を付ける。
その際ドラゴンの翼がボロボロに損傷し、まともに飛べない状態にするも
ドラゴンは怯むだけでまだピンピンしていた。それでもマサツグはドラゴンが
怯んだ隙に鑑定をし情報を獲ようとする。
-----------------------------------------------------------------------
「レッドドラゴン」
Lv.55
HP 67500 ATK 530 DEF 480
-----------------------------------------------------------------------
{さすが、ドラゴン…タフすぎる……
こんなのに襲われたらそら町一つ壊滅するだろうよ…}
マサツグが鑑定結果を確認していると怯みから復帰したのかドラゴンがマサツグの
方を向き、ファイアブレスを吐く。
「まっず!!……」
マサツグがそれに気が付き、ドラゴンの周りを
走り回る様に回避するとそれに合わせてドラゴンも回りながらブレスを吐く。
その際、ドラゴンを中心に円形の焦げ跡が残るがさすがに、連続でブレスを吐くの
がキツイか勢いが弱まる。しかしそれでもマサツグに追い付くのか、必死で炎を
回避をしようとするが炙られ、ダメージを受ける。
「あっちーーー!!!」
マサツグが転がりながら樹の陰に隠れるとドラゴンも息切れなのかブレスを止め、
呼吸を整え始める。これがマサツグが初めて見たドラゴンの息切れであった。
しかし、そんな事を言っている場合ではない。この間にもマサツグの体力は徐々に
追い込まれ、ドラゴンは呼吸を整えたらまたブレスを吐く。そんな状況にマサツグ
が弱音を吐き始める。
「ぜぇ…ぜぇ…
心が折れそう…」
それでもマサツグが樹の陰からまたドラゴンの様子を伺っているとドラゴンはまた
マサツグの臭いを嗅いではその場所を薙ぎ倒し、確認をし始める。木々が薙ぎ
倒され、ドラゴンのファイアブレスで今まで薙ぎ倒されてきた木々に引火し、
ドラゴンの周りが炎上し始める。その光景はまるで怪獣映画、何処か赤い電波塔を
破壊しそうに見える。
「これだけ暴れてまだ森を焼くか?…
しんどいな…って、ん?……」
ここでマサツグがある事に気が付く。それはドラゴンの足元から微かであるが何やら
水が染み出している。先ほどまでは木々に隠れ、ドラゴンに集中していた為、
気付かなかったがそれを見つけたマサツグはある事を考え始める。
「あれってもしかして……いや、賭けてみる価値はあるな!!」
マサツグが暴れまわるドラゴンの様子を伺いながら水が染み出す所を目指し、また
ドラゴンに攻撃されない様に場所を変えて動き出す。ドラゴンはと言うと依然
頭に血が上っているのか足元の水などお構い無しに木々を薙ぎ倒してはファイア
ブレスを吐いて回る。
「こりゃ、もはや天災だな…」
そして、ドラゴンがまたもやマサツグに背中を見せた途端、マサツグが樹の陰から
飛び出すと今度はドラゴンに向け、では無くドラゴンの足元に向け持っていた刀を
思いっきり叩きつける!!
「うおりゃああああ!!!」
__ガツーーーン!……
マサツグが刀で水が染み出している所を思いっきり叩くとじ~んとした痺れが
マサツグを襲う。
「あいっつ~……何だ?この硬さ?…
まるであの時の岩盤みたいじゃねぇか……」
__ゴアアアアア!!!
「やっべ!!……」
その際うっかり刀から手を離し、腕の痺れに耐えているとドラゴンがマサツグの
存在に気が付き、尻尾でマサツグを叩き潰そうとする!しかし、マサツグが
咄嗟に気付き横に回避すると更にドラゴンの尻尾が水が染み出している所を
思いっきり叩く。
__ビダーーーーン!!!……
「うおあっぶねぇ!!
当たったら死ぬ!!当たったら死ぬ!!」
マサツグが慌てて回避し地面に転がっているとドラゴンがゆっくりこっちを向く。
その際マサツグが手元に刀が無い事に気が付くといよいよ焦りだす。ドラゴンは
地面で転がっているマサツグに対しゆっくり息を吸い込むとブレスを吐き出す
モーションに入る。
__すうぅぅぅぅぅぅ……
「あっ…
やっちまったかな?…」
マサツグがドラゴンのブレスに反応し回避しようと動いたその時、突如地面が
揺れ始めマサツグとドラゴンの両方がバランスを崩す。そして、マサツグ達が
居る地面に亀裂が入ると突如間欠泉が沸き出て、ドラゴンがそのまま倒れこむ。
__ゴアアアアアア……
__ズシーーーン……
「な!な!!なぁ!!!」
マサツグも慌てて地面を這う様に間欠泉から離れると、上空から手放した筈の
刀が降って来る。マサツグがそれに気が付き、ジャンプして刀を取ると鞘から
刀が少し浮いた状態でマサツグの手に戻ると徐に刀に手を掛け、抜こうと試みる。
「ッ!?
いっけぇぇぇぇえええええ!!!」
すると、春風刀の時同様にまるで今まで抜けなかったのが嘘の様に鞘から刀が
音をたてて抜けると鞘から水しぶきが飛び、刀が濡れた状態でその刀身を現す。
その刀身は春風刀と同じ長さ、同じ重さで唯一違うのは風を纏っているか、
水が引っ切り無しに刀を伝い零れているかの差、更にこれも春風刀と同じで
その刀身は棟が紺碧、刃が水色と光の加減で刀身に魚が泳いでいる様な波刃。
「……わぁ…すげぇ……春風刀も綺麗だったけど、これもまた違う
綺麗な刀身だな……にしても錆びねぇのかな?…」
見事な刀身にマサツグが思わず見惚れていると倒れていたドラゴンがゆっくりと
立ち上がり、マサツグを睨みつける。そして気が付くと辺り一帯がドラゴンの
ブレスで焼け野原になっていた筈が間欠泉の影響か鎮火され、動きやすくなる。
それに気が付いたマサツグは刀を改めて構え直すと真っ直ぐにドラゴンを見つめ、
覚悟を決める。
「…刀が抜けた今…もう言い訳は出来ねぇな…
さぁて、ここからが本当の勝負!…」
__ゴアアアアア!!!
ドラゴンもマサツグに向け咆哮を吐くとブレスを吐き出す!しかし、マサツグは
逃げずにその場で上段に刀を構えるとドラゴンのブレスが迫ってくるのを含め、
叩き斬る。すると、マサツグが放った斬撃はドラゴンのブレスを縦に切り裂き、
ドラゴンの口を切り裂く。しかし、勢いがドラゴンのブレスで抑えられたのか
口を切り裂いたといっても数センチ。
「う~ん……結構良い感じに入ったと思ったんだがな…」
そんな事を言いながらもう一度刀を構えると今度はマサツグを尻尾で吹き飛ばそうと
振り回すがマサツグは飛んで避ける。ひたすらにドラゴンの攻撃を回避し、
如何仕留めようかと悩んでいるとここでドレッグのある言葉を思い出すのである。
{お~い!!もし本当に行くならこれだけは覚えておいてくれ!
竜の逆鱗は竜の弱点でもある!
これを忘れるな!!}
マサツグの頭の中にドレッグの言葉が響くとマサツグが一度ドラゴンから距離を
置いて逆鱗のある場所を探す。その間にもドラゴンはマサツグに鬼の様に怒涛の
攻撃を繰り出すもヒラリヒラリと回避する。そして、マサツグが必死にドラゴンの
攻撃を回避し続ける事数十分、漸くドラゴンの逆鱗を見つける。
「ッ!?
あった!!
でも、あそこか……」
苦労してやっとの思いで見つけたドラゴンの弱点。しかし、その逆鱗の有った場所は
ドラゴンの首の付け根。そこを良く見ると逆さに生える鱗が生えているのが分かる。
だが、相手はドラゴン。そう簡単には攻撃できない上に迂闊に近づくと攻撃をもろに
貰い、危うくなる。
「ここまで来たらやるっきゃないだろ!!ダッシュ斬り!!」
マサツグがドラゴンとの間合いを一気に詰めるとドラゴンも反撃する様にブレスを
吐き、応戦する。その際今まで吹き出していた間欠泉も一通り吹き終えたのか、
勢いが弱まると元の水が染み出す地面に戻る。そして、ドラゴンがマサツグを
攻撃する為に暴れまわるとその焼け焦げた木々から煙が立つ始める。
燃えて炭になった木々がドラゴンに踏まれた事によって細かい埃になり、空気中を
舞い始める。それに乗じてマサツグも埃の中に姿を消すと辺りは先の見通せない煙
でカオスな状況になる。
「こっち見ろーーー!!!」
マサツグが煙に乗じてドラゴンに大声で叫ぶとドラゴンが声のした方に反応し、
ドラゴンが振り向くとそこには煙に紛れてドラゴンに飛び掛ろうとする影が一つ。
その影をマサツグと思い、自身の爪で引っかく様に大きく振りかぶると煙を
切り裂く。
「掛かったな!ヴァカが!!」
しかし、そこにマサツグの姿は無く、有ったのはマサツグが撃ち出した雷撃刃で
ドラゴンがマサツグと思い込み引き裂いた雷撃刃はドラゴンの腕を弾き、多少なり
ともダメージと怯みを与える。マサツグの雷撃刃に少しの間硬直していると
マサツグはいつの間にかドラゴンの足元に移動し既に刀を突きの構えでスタンバイ
していた。ドラゴンも怯みから解放されると足元に居るマサツグに襲い掛かるも
マサツグは大きく踏み込むとドラゴンの首の付け根にある逆鱗に向かい大きく
ジャンプする!
「何処かの騎士団長……もとい、姫様の見よう見真似剣術……」
ドラゴンがマサツグに腕を伸ばし、捕まえようとするのをマサツグが瞬時に刹那を
発動する。そして、そのドラゴンの腕を足場にし、更にジャンプするとドラゴンの
逆鱗(喉元)に刀を大きく鋭い突きを繰り出す!
「エルレイドフルーレ!!!」
見よう見真似で出した突き技はリーナの得意技。しかし、使っている武器がレイピア
では無く、刀なので傍から見るとまるで某明治ロマン剣客漫画の元新○組三番隊隊長
斉○一の牙○。しかしその一撃はドラゴンの喉元をブスリと貫くとドラゴンの動きが
一瞬止まる。
「ッ!!
フン!どっこいしょー!!」
その隙にマサツグが刀をドラゴンの喉元から抜くと一気に血が溢れ出し、マサツグが
トマトケチャップまみれになる。頭のテッペンから足元までズクズク、だが気にせず
動きの止まったドラゴンから距離を置き、様子を見るとドラゴンがもの凄い勢いで
のた打ち回り始める。まるで釣り上げられた巨大魚の様にうねりにうねっている。
「…ふぅ……さすがの、ドラゴンもこれで終わっただろう…」
マサツグがドラゴンが消滅するのを待とうと刀を振るい鞘に戻そうとした直後、
マサツグの動きが止まる。そして、自分が言った言葉をもう一度頭の中で再生し
始める。
{ん?俺今なんつった?…
確か…さすがの、ドラゴンもこれで終わっただろう…
「終わっただろう…」
「「終わっただろう…」」}
マサツグがハッとする。
__ガアアアアアアアア!!!!
ドラゴンがマサツグに向い、腹這いで突進をしてくる!マサツグの言った言葉は
やはりフラグで先ほどまでのた打ち回っていたドラゴンは出血しながらこちらに
向ってくる。
「どわあああ!!!」
マサツグがドラゴンの突進を横っ飛びで回避するとドラゴンは森の木々を薙ぎ倒し、
突き進む。そして、暫く進んで止まるとゆっくりと体を起こしマサツグの方を向く。
その時、ドラゴンの目からは赤い涙が零れ、喉からは多量の出血。それでも
ドラゴンはマサツグの方を凝視するとブレスを吐き出す!
__ゴアアアアア!!!
「う・そ・だ・ろ!!!」
そのブレスは先ほどまでの威力とは違い更に広範囲、マサツグが慌てて木に隠れるも
その隠れた木ごと焼き払う。そしてまた森が大火事に逆戻りするとドラゴンは
マサツグの居た場所に戻る。そして、マサツグはと言うと辛うじてブレスの直撃を
しゃがんで回避するもその後の焼けた木の下敷きになりダメージを負う。幸いにも
下敷きになっても直ぐに抜け出し態勢を整えるが辺りはまた轟々と燃え、徐々にでは
あるがスリップダメージも入り始める。
「いつつつ……
マジで容赦ないな……それだけダメージがデカイって事だろうけど……」
マサツグが刀を構えるとまたドラゴンを真っ直ぐに見つめ出方を伺う。ドラゴンも
深手を負って先ほどの様に激しくは動かないもののゆっくりとマサツグの方に
歩いてくる。マサツグとドラゴンの戦いは後半戦になり始めるのであった。
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