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-第一章-スプリングフィールド王国-
-第一章三十四節 突貫とプランB-
しおりを挟む王様の号令でまず、大平原のど真ん中を貫く様に将軍と少数の兵が森までの進路を
確保する。その際、マサツグ達はその部隊の中心に配置され、森までの道中を
護られる様に着いて行く。将軍が部隊の先頭に立ち大剣を掲げ人キメラの波に
立ち向かっていく。
「さぁ…久しぶりの戦だ!
人キメラ共よ、我に挑めぇい!!」
将軍は馬に乗った状態で人キメラの波目掛けて大剣をブンブン振るう。その威力は
恐ろしく将軍に向かって突撃してくる人キメラが将軍の一撃で次々に宙を舞い、
見るも無残な姿に早変わりする。その光景を見てマサツグが思わず、某アニメの
ラ○ュタ王の末裔になる。
「見ろ…
人(キメラ)がゴミの様だ…」
「おい。馬鹿やめろ。
消されるぞ。」
マサツグとモツがコントをしているまに将軍の単騎駆けで人キメラの波に大穴を
空ける。そして将軍が波に大穴を空け、駆け抜けるとその後をマサツグ達が続いて
駆け抜けて行く。すると将軍が大剣を自分の頭の上に掲げ、自分の部下に合図を
送ると先ほどまでマサツグ達を護衛していた部隊が左右に別れ、人キメラの波の
後ろに回るとその人キメラを包囲する様に取り囲み外側から人キメラを蹂躙し
始める。先ほどまで冒険者や衛兵達が必死に押し退けてきていた相手をたった一人で
状況を変え、一気に形勢逆転する将軍の豪腕にマサツグ達はただただ感嘆する。
「なんとも他愛ない…
鎧袖一触とはこの事だな…」
将軍は部下達が人キメラの集団を蹂躙している光景を後ろ目に見ながら呟く。
後方では将軍の部下達が馬を駆け、槍で人キメラを駆逐していく姿が
確認されていた。そして先頭を走る将軍の後を追う様に直ぐ後ろにリーナ姫と
マサツグ達が追う。
「姫!
しっかり着いて来てますな!」
「えぇ!!
大丈夫です!!」
将軍がリーナとマサツグ達に気に懸け声を掛けるが突如としてそれ所ではなくなる。
将軍達があと少しの所で森に入るというその時。
「ココハ通サン!!!」
森の入り口、上空から人キメラのデカイ奴が降って来る。突如現れた人キメラに
一同が驚く。その人キメラは今までの司祭と名乗っていた人キメラ同様に片言で
喋るのではなく、はっきりと人に言葉を喋り、またもや魔物の形を象っていた。
二本の角が生えた二足歩行に牛、ミノタウロス。両手にはチェーンハンマーが
握られていた。
「我ハ救世主様ヲ呼ビ起コス為ノ門番!!
カツテハ帝国軍ノ将軍ヲ勤メテイタガ…魔王ニヨリ討チ滅ボサレ、
今ヤ死骸。ダガ!教祖様ノ力ニヨリ我ハ復活シタ!!
カノ帝国ヲ復活サセルト我ニ誓ッテクレタ教祖様ノ邪魔ハサセン!!!」
「えぇい!
急いでいる時に!!」
先を急いでいるリーナが怒り、マサツグ達が面倒臭そうにしていると将軍は
戦闘意欲に駆られていたのかリーナに先に行く様に指示をする。
「姫ここは任されよ!
このデカ物は我が相手をさせて頂く!!」
「しかし!!…」
「安心して頂きたい!!…
決して負けはしない!!」
リーナが将軍を心配するも将軍は笑みを浮かべ安心する様リーナに返事をする。その
姿を見てリーナは黙って頷くとマサツグ達に先を急ぐ様に言い、将軍の言葉を
信じ先へ進む。
{……わかりました!……
決して負けないで下さい!!}
「マサツグ!モツ!!
ここは師匠に任せて先を急ぐぞ!!」
「おいおい!!
本当に任せて大丈夫なのかよ!!」
「そうだぞ!!
今までの司祭と違ってレベルも高そうだし…
やっぱ、ここは!…」
マサツグとモツが将軍の援護をする様に助言するがリーナは首を横に振り、先に
進もうとする。その際、リーナはマサツグ達に将軍に近づかない様に忠告する。
「今の師匠は完全にやる気になっている!!…
今下手に援護しようものなら逆に私達が邪魔になる!!
だから!ここは師匠に任せて先を急ぐぞ!!」
リーナの説明を聞き、マサツグ達は顔を見合わせると少し悩むがリーナの考えに
賛同し頷くとリーナの後を着いて行く。
「……わかった!!
先を急ぐぞ!!」
「よし!…
行くぞ!!」
リーナが馬の腹を刺激するとミノタウロス司祭の右側をすり抜けていく。それに
続くようにマサツグ達も後を追いかけるとミノタウロス司祭が動き出す!
「通シハシナイトイッタダ…」
ミノタウロス司祭がリーナを追って捕まえようと腕を伸ばした瞬間、後ろから
その伸ばしたミノタウロス司祭の腕を切り落とす勢いの斬撃が飛んで来る。
マサツグとモツが驚き振り返ると将軍が大剣を振り下ろし、ミノタウロス司祭を
睨みつける姿が見える。
「まぁ、待て…
そんなひよっこ達を置いといてこのワシを相手にして貰おうか…」
「ッ!!
貴様ァ!!……」
「貴様の相手はこのラインハルトが勤める!!
帝国の古き亡霊よ!!
我が武をとくとその身に刻むが良い!!!」
「オノレェ!!…
調子ニ乗ルナアアアア!!!」
後方からは将軍とミノタウロス司祭が戦っているのか、激しい衝撃音が辺りに
響き渡る。そうして将軍が殿を務める頃、リーナ達は森の入り口に辿り着き、
馬から降りたところだった。マサツグ達も慣れない馬に跨り、足が覚束無く
なっていた。
「…案外、馬って乗るのにスタミナ使うな…
ここまで来るのに4割持っていかれた…」
「俺達…
騎乗スキルは持っていないもんな…」
二人が腰を押さえ、叩きながら歩いていると森の様子に覚えを感じる。リーナも
森の変わり様にただただ驚くばかりであった。それは森の入り口からでも分かる
以上具合であった。
「この森はその昔、勇者の修行の場とされていたが…
まさかここまで見事に瘴気で満ちているとはな…」
リーナが試しに森の中に一歩踏み込むとすぐさまリーナが引き返す。そして、
リーナがその場に崩れ咳き込み始める。どうやら狩人狩りの森以上に瘴気が充満して
おり、瘴気に対策を講じないと森に踏み込めない状態のようであった。リーナは
咳き込み、涙目になりながらマサツグ達に訴える。
「がはッ!!…げへッ!!…ごほッ!!
…何だこれは!?……
これでは先に進めない!……」
リーナが森の奥に進めない事に困惑する中、現状況にマサツグ達も悩みだす。
ここまで来て引き返す訳にも行かず、如何にかして先に進む方法……
そういえば、何か瘴気を浄化するアイテムを持っていたような……
そんな事を考えているとそのアイテムを思い出したのかマサツグとモツがお互いに
指を指し合い、叫ぶ。
「…そうだ!リンデの実!!」
マサツグとモツがアイテムポーチからリンデの実を取り出し、恐る恐る辺りを
照らす。その際、リンデの実はマサツグとモツの手の中で眩い光を放つ。
「……何も変わらんな…」
「でも、確かこれって瘴気や呪いを浄化するって書いてあったよな?
…んじゃ、試しに…」
マサツグが森に一歩足を踏み入れる。先ほどリーナが一歩目で引き返し、その場に
崩れた位の瘴気の濃さであったがマサツグの場合は何の影響も見られない。
マサツグの手の中のリンデの実は森に踏み込むと一層眩く輝き辺りを照らす。
すると、マサツグを中心に2、3m位の円が形成されると辺りの瘴気が浄化され、
森に入れる様になる。それを見たマサツグは何処と無く懐かしいゲームを思い出すが
リーナが円の中に入り呼吸を整えるのを見るとどうでも良くなる。
「これで何とか進めるかな。」
「確かに…しかし、このまま襲われると戦い難いな…
範囲は狭いし片手は塞がる…」
「じゃあ、こう言うのはどうだ?」
リンデの実を片手に戦うのは困難だと言う事と範囲が狭いとで行動に支障を来たす
と考えたモツがある事をマサツグに細工する。しかし、それを見たリーナは
マサツグを見て吹き出してしまうのであった。
「これをこうして……出来た!
どうだ?これでマシになったと思うが……」
「た…確かに先ほどより範囲が広くなった上に戦いやすくなったと思うが……
……ブフッ!!……」
「だろ?後は出来るだけ……ブホッ!!……」
「出来るだけ……なんだ?」
そこには提灯アンコウの様に頭に釣竿を括り付け、その糸の先にリンデの実を束で
付けたマサツグの姿があった。それを見てリーナは吹き出し、モツはマサツグと
目を合わせようとしない。幾ら森の中を進む為とは言え、この格好にされた事に
マサツグが何とも言えない感情になる。
{何故、今から大ボスと戦いに行くと言うのにこんなひょうきんな格好に?…
まぁ、森の中を進む為とは言え仕方が無いと思うが……
…なんだかなぁ~……}
そんな事を考えながらもマサツグが森の奥に向かい歩き始めるとその後をモツと
リーナ、三人は森の奥へと向かう。何とも言えない格好に後ろから吹き出す笑い声
が聞えてくる。しかしその道中、森の奥へと進んでいくと見覚えのある冒険者が
倒れていた。それに気が付いたマサツグ達が駆け寄り確認する。それは、ギルドで
最後まで話しを聞かずに飛び出た冒険者達だった。一応、意識が有るかどうかモツが
確認をするが手遅れだったか首を横に振り死んでいる事を伝える。
「……
駄目だ…」
「…だろうな。只でさえリンデの実が無いと呼吸一つ出来ないのに…
しかしどうやってここまで?…」
マサツグとモツが考え込んでいるとリーナが倒れている冒険者が知り合いかどうかを
尋ねてくる。その問いにマサツグ達は答えるとリーナは悲しそうにする。
「この者たちは知り合いか?」
「いや、ただの同業者だよ。
手柄が欲しくて森の奥に突貫したか…
それとも人キメラに連れ込まれたか…
真相は解らん…」
「…そうか……
だとしてもやはり人の死とはいい物ではないな…
この様な死に方ではさぞ無念だったろうに…」
その冒険者の遺体は損傷が酷く顔はボロボロで性別の見分けは付かない上に
狩人狩りの森同様に遺体の中身が丸々無くなっている。その普通では無い異体に
リーナが哀悼の意味を込めてか自分の剣を向くとその剣を自身の頭に当て目を
閉じ構える。それを見てマサツグ達も手を合わせ合掌する。本来なら遺体を埋め
弔うのだろうが今は急いでいると言う事で遺体をそのままにし先を急ぐ。その際、
リーナが心苦しそうにするがモツはリーナの名前を呼び先を急ぐ。
「リーナ!
気持ちは解らんでもないが今は先を…」
「……あぁ…分かっている…」
やはり人の遺体に免疫が余り無いのかリーナが何度も何度も振り返り冒険者の異体を
確認する。それはまるで今にも起き上がり襲ってこないかと心配している様にも
見えた。一方、マサツグはと言うと一度辺りに敵は居ないかと感知を使い、
索敵をする。
「感知!」
マサツグのミニマップに敵のアイコンが表示される。その様子にマサツグが
引き攣りながらも茂みに隠れながら敵と遭遇しないルートを模索する。
「うひゃあ…
やっぱり敵がウヨウヨいるねぇ…」
マサツグがルートを模索しているとモツが何処に敵がいるかを聞く。それに
マサツグが答えるとモツも同じ様にルートを模索を模索する。
「どの方向に敵がいる?」
「全方向に一個小隊がいるって感じかねぇ…」
「と言う事は大体7~14か…
それが全方位って…
ここはやり過ごした方が楽に先に進めそうだな。」
「だな。」
そんなマサツグとモツのやり取りにリーナが関心を示す。突然のリーナの問い掛けに
マサツグ達が驚く。
「貴方達…本当に良いコンビね。」
「へ?」
「だって今まで見た冒険者って依頼上、任務上の関係でこんな風に信頼関係みたい
なのが感じられない関係ばかりだったから。
貴方達が珍しく見えるの。」
「なるほど。
まぁ、しょうがないわな。仕事関係になると大体そんな感じだよな。」
「そうだな。
でも俺達は友達だしな。」
モツが言った言葉が聞き慣れない言葉だったのかリーナが疑問符を浮かべる。リーナが
尋ねる様に聞き返し質問をするとモツが意味を答える。
「ダチ?
そういえばあの時もそう言っていたな。」
「ん?あぁ…
友達って意味だよ。」
「なるほど、そう言う意味だったか。」
「それを言うならリーナももう友達みたいなもんだろ?」
「え?…」
「出会いは最悪でも今ではこの通り。
こうして今は肩を並べて戦って笑い合っている。
だろ?」
マサツグがリーナにそう問い掛けると照れてか頬を赤く染める。その話を傍で
聞いているモツはマサツグの頭に視線をやり、ツッコミを入れる。
「まぁ、頭から釣竿を出している奴が何ちょっと良い事言おうと
してるんだって話だけどな。」
「ブッ!!……クククッ!!……」
「誰のせいだと思っている!……」
モツのツッコミにリーナが笑いマサツグが更にツッコミを入れている
とマサツグ達の目の前に人キメラの一個小隊が現れ鉢合わせする。
「っと見つかっちまったか…
行くぜ!戦闘だ!」
「気ぃ入れろよ!」
「誰に言っている!
私はハイドリヒ!栄えあるスプリングフィールド騎士団の長よ!」
マサツグ達が武器を抜き構えると人キメラの一個小隊と戦闘を始める。その際、
狩人狩りの森の時の様にリンデの実で人キメラが襲ってこない事を願うが出来が
違うのかリンデの実に臆さずマサツグ達にジリジリと近寄ってくる。
「ッ!?
狩人狩りの森のようには行かないのか!?」
「モツ!プランB!!
タイミングを合わせてくれ!」
モツがランクアップした人キメラに若干驚いているとマサツグがモツに合わせる様に
伝える。二人からはいつに間にかブルーベルズにて司祭を相手にした時同様に体から
オーラが出ていた。その事にモツも気が付くとマサツグに合わせる様に二人同時に
雷撃刃を撃ちだす!
「雷撃十文字撃!!」
強烈な十字の雷撃刃が一気に人キメラを蹴散らす。その際あたりに爆音と激しい
稲光が辺りを包む。それを見てリーナが驚き、マサツグ達を注意する。
「馬鹿!
何やってるのよ!
そんな派手な技を打ったら……!!」
案の定リーナの心配どおり今の騒ぎで他の人キメラが集まる。その数は多く軽く
見ただけで数百はいる。そしてマサツグ達は忽ちその人キメラの軍隊に囲まれて
しまい身動きが取れなくなる。
「あぁもう!やっぱり集まったじゃない!
さっきまでどうしようか悩んでたんじゃないの!?」
「はははッ!!スマン!!
でもこれで良いんだよ!!」
「うし!!
後はこれで!!……」
マサツグとモツの遠慮ない攻撃に状況が悪化しリーナが怒る中、二人はまるで
その状況を楽しむように笑う。そして、マサツグが自分のアイテムポーチから
閃光弾を取り出すとリーナに注意勧告する。
「リーナ!伏せろ!」
「へ?」
突然のマサツグの注意勧告にリーナが困惑するがその瞬間、辺りが強烈な光に
包まれる。マサツグとモツは慣れた様に目を瞑り、耳を塞ぐがリーナはまともに
閃光弾の影響を受け、フラフラとする。
「え?…
なに…これ!…」
「…やっぱ、咄嗟だと反応出来ないよな!
捕まってろ!!」
フラフラとし状況が飲み込めず困惑するリーナをマサツグが急ぎ、抱えて走る。
担がれたリーナは突然マサツグに担がれた事に更に困惑する中、モツがマサツグに
退路を作ると先導する。
「な…何を!?」
「マサツグこっちだ!!」
辺りに居た人キメラが閃光弾で盲目にされ、辺りが見えず、唸りながらその場で
うな垂れ動けないで居る隙にリーナを抱えマサツグとモツは戦闘を離脱する。
その際、振り返らずに全力で走っている為、自分達が今何処に居るのか分からなく
なるのであった。
「ぜぇ…ぜぇ…
…撒いたか?」
「ぜぇ…ぜぇ…
…あぁ…うまくいったみたいだ。」
「…ふぅ…
ちょっといい加減に下ろしなさい!」
マサツグとモツが息を切らしながらその場で呼吸を整えているとマサツグに
お姫様抱っこされているリーナが暴れ始める。暴れられた事によりマサツグが
リーナを落ち着かせるとそっと降ろすとリーナは顔を赤くしてマサツグに理由を
聞く為に詰め寄る。
「ちょっと!
一体何をやったのよ!
それにわ…私を!!
…お…お姫様抱っこするなんて……
予め言っておきなさいよ!!
お陰で…心臓が!…」
どうやら緊急事態とは言え、マサツグにお姫様抱っこされた事がよほどビックリした
のかマサツグの胸倉を掴み、詰め寄る。マサツグもリーナに締め上げられ、両手を
リーナに見せギブアップに姿勢を見せるが一向に拘束は解かれない。そして、
何時ぞや見た威嚇する猫の様に息を荒げているリーナにとモツが慌てて説明を
する。
「わぁ!!解った!解ったから!!
マサツグを話してやれ!!このままだと落ちてしまうぞ!!」
「ハッ!!」
リーナが慌ててマサツグを離すとマサツグはその場に崩れる様に倒れる。マサツグは
咳き込みながらしばらく蹲るも呼吸が落ち着くと立ち上がりリーナの肩を叩く。
「あぁ…大丈夫だ!…
ただ少しお花畑が見えただけだ…」
「大丈夫では無いだろう!!…」
リーナが咳き込みながらボケるマサツグにツッコミを入れているとモツが溜め息を
吐きながらリーナに閃光弾を見せながら先ほどの撤退方法の説明を始める。
「はあぁ~…とりあえず説明するけどいいかな?」
「あ…あぁ…」
「まずあの時、マサツグと俺でワザと大技で注意を集めて周りにいた人キメラを
呼び寄せる。そこでこれ。この閃光弾を使って戦線離脱すると周りにいた人キメラは
その場で一箇所に集まった状態で少しの間、固まっている。その際、周りに居た
人キメラも巻き込んでいるから…」
「後は、その隙に安全にスタコラサッサってね…」
最後の方でマサツグが説明しそのマサツグの背中をリーナが摩りながら驚く。
マサツグとモツの連携にただリーナは感心する。
「…なるほどね……
あの短時間でよく思いついたわね。」
「あ…いや……
実はこの戦法、前にも似た様な状況でこれをやっているんだよね…
その時も今回みたいに敵に囲まれて……
何でかしら無いけど良く敵に囲まれるんだよな…」
「はぁ…
…貴方達一体どんな旅をしているのよ…」
最後のマサツグの一言にリーナが呆れる。そしてマサツグ達に今までどんな旅を
して来たのかを尋ねる。その際、マサツグとモツが顔を見合わせると少し悩み、
マサツグが不思議そうに返事をする。
「波乱万丈?」
「……何となく理解してしまったわ…
はあ…もういいわ…
とにかく先を急ぎましょう!」
リーナにマサツグ達の冒険に呆れながらも森の奥を目指し歩いて行く。
それに着いて行く様にマサツグ達もリーナの後を追うのであった。
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