どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ- リメイク!!

すずめさん

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-第一章-スプリングフィールド王国-

-第一章六節 特殊条件スキルと勧誘-

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マサツグが覚悟を決め、戦闘エリアに戻るとサイクロプスの前に立ち、

武器を構える。

サイクロプスの方もデクスターに目を攻撃され、

耳にもファイアーボールをくらった苛立ちからか地団太を踏み、腕を振り回す。

かなりご立腹の様子。


「おぉおぉ、カンカンだねぇ~…」


マサツグがサイクロプスの様子をマジマジと見ているとマサツグに気づいてか

サイクロプスが拳を振り上げ、マサツグの頭上に振り下ろす。

しかし、マサツグはこれを紙一重で回避をする。


「さっきから好き勝手暴れやがって…!!

歯ぁ食いしばれ…!!!」


マサツグが避けたサイクロプスの腕を足場に一気に駆け上がり、

サイクロプスの顔の前に出る。


「ダッシュ斬りッ!!」


マサツグが勢いそのままにサイクロプスの顎に力を込め、フルスイングを叩き込む!

すると鈍い音と同時にサイクロプスの顔が横にねじれ、そのまま倒れ始める。

さすがのサイクロプスも今の一撃には堪えたようであった。

ここでようやくマサツグがこの一撃である事に気が付く。

それはトライアルソードが斬属性より打属性寄りのなまくらである事。


{剣の癖に打属性寄りって!…

でも今の一撃は顎に入ったからか普通よりは効いているか!!}


倒れるサイクロプスから回避で離れるとマサツグは自分の震える手を見つめ

握り拳を握る。


「……よしッ!!

まずは、一撃!」


確かな手ごたえにマサツグが意気込む。

そうしてマサツグが意気込んでいるとサイクロプスが起き上がり始める。

サイクロプスの方も首を振りながらマサツグを見つけると更に怒り散らす!


「さて…

次はどうする?…」


マサツグが武器を構え、相手の出方を見る。

するとサイクロプスは中腰状態になると交互に腕を振り回し始める。

その姿は何処と無く某ハンティングゲームの金獅子を連想させる。


「デ…デンプシー!!

…コナクソ!」


マサツグが後ろにジャンプで回避を試みるも、

脚が引っかかるとそのまま横に吹き飛ばされる。


「引っかかっただけでこれか!!

チィッ!」


マサツグが地面と接地する時に何とか受身を執るが既に

サイクロプスはマサツグの眼前に迫っていた。

マサツグが焦る中、ここである事を思い出す。

それは騎士団長と一騎打ちをした時に起きたあのスローモーションである。

あれを発動できないものかとマサツグが眼を閉じ、集中し始める。


「集中…」


サイクロプスが迫ってくる中、マサツグが邪念を払い目をカッと見開く!

するとそこにはマサツグを掴まんとサイクロプスが手を広げ迫っていた。

しかし、そのサイクロプスの手は異様なまでに遅い。


「来た!あの時のスローモーション!!」


マサツグがスローモーションの状態に入るとサイクロプスの手を

回避しサイクロプスの脇腹に潜り込む!


「あの時の騎士団長に比べたら余裕!!」


マサツグが余裕をぶっこきながらすかさずサイクロプスの横っ腹に

火炎斬りを叩き込む!


「火炎斬りッ!!」


マサツグが放った火炎斬りはサイクロプスの脇腹を焼き焦がすとサイクロプスの

悲鳴が辺りを木霊する。

そしてサイクロプスの脇腹がミディアムレアに焼き上がる。


「ギャアアァァ!」


さすがのサイクロプスも悲鳴を上げながら焼けた脇腹を押さえながら

再びダウンする。


「地道にだが…

まだまだこんなもんじゃ終わらないぜ!」


サイクロプスがダウンしている事を良い事に追撃の兜割りを叩き込む!



「グギャアァァァ!!」


鈍い音が響くと同時にサイクロプスの頭から

止め処なく血が溢れ出す。

どうやら頭にヒビが入ったか割れたかでサイクロプスが頭を抱えて悶え出す。

マサツグが武器を構え直し、肩で息をしていると後ろからパンッと肩を叩かれる。

そこには先ほどまでサイクロプスの攻撃で動けなくなっていた宗玄が折れた薙刀を

握りマサツグの後ろに立っていた。


「宗玄!!

アンタ、大丈夫なのか!?

ていうか戦えるのか!?」


マサツグが宗玄に戦えるのかどうかを尋ねると宗玄が答える。


「すまん…休憩が過ぎた様だ…」


宗玄が傷ついた状態でマサツグに笑いそう言うと折れた薙刀を握り、

サイクロプスとの戦線に復帰する。

すると宗玄は思い出したように前を向きながらマサツグに突如謝罪する。


「もう一つ謝る事がある…君がばら撒いた回復薬を幾つか貰ったぞ…」


宗玄に言われてマサツグが後ろを確認すると幾つか空の瓶が転がっている。

そこにはかなりダメージを貰ったか中には大回復薬の瓶が転がっていた。

そこそこ高かったのを思い出しながらもマサツグは

気にしないで前の状況に専念する事にする。


「あ~…

気にせんでいい。緊急事態だし仕方ない。」


マサツグが仕方ないと笑って宗玄を諭すと宗玄もフフッと笑い返事をする。


「かたじけない…この借りは戦力で返そう!!」


そう言うと宗玄は武器を構え、自身に気合を入れなおす!


「玄安寺流槍術・玄安宗玄!!

推して参る!!!」


宗玄が名乗りを上げると宗玄の体から闘気らしき蒼い湯気が出始める。


「すげぇ… これは負けてられませんなぁ!!」


マサツグも武器を構え、宗玄に呼吸に合わせる。

二人が会話を終え武器を構えるとサイクロプスの怒りもピークに達する!

サイクロプスはゴリラの様に胸を叩くと空に向かい大声で叫び腕を振り上げる!


「行くぞ!マサツグ殿!!」


「いつでもどうぞ!!」


マサツグと宗玄の二人での共闘が始まる。

二人がサイクロプスに向かって走り出すとサイクロプスは

二度目の振り下ろし攻撃をする!

ここでマサツグは先ほどと同様に振り卸を回避するとサイクロプスの腕を

足場に一気に間合いをつめる。

その後を追うように宗玄もマサツグの後ろを着いていく。

しかし、サイクロプスも学習をしてか、もう一方の腕でマサツグと宗玄を

振り払おうと腕を伸ばすが、宗玄がサイクロプスの腕の前に出る!


「させぬ!!」


そう言うと宗玄がサイクロプスの腕とマサツグの間に割って入るように

空中で正拳突きの構えで飛び出す!


「渾身撃!!」


宗玄が繰り出した正拳突きはサイクロプスの腕を弾き飛ばしバランスを崩させる。

だが宗玄は宙に飛び出した為、サイクロプスの足元に落ちていく。


「宗玄!!!」


「構わん!!!

そのまま追撃を!!!」


マサツグが宗玄を心配するも無事着地した宗玄がマサツグに追撃を命令する。

マサツグは宗玄の言葉を聞き入れサイクロプスの顔に再度ダッシュ斬りを叩き込む!


「ダッシュ斬りッ!!」


マサツグが一撃目同様にサイクロプスの顎に横殴りの一撃を叩き込む!

すると、またダウンするようにサイクロプスがよろめく。

そしてマサツグがサイクロプスから飛び降り引きを構えると宗玄が待ち構えていた。

倒れようとするサイクロプス、しかし先にサイクロプスから降りた宗玄が

それを良しとしない!更にサイクロプスに追撃を加えようとする!


「まだ終わらぬ!!」


宗玄は折れた薙刀を短く持つと左手をサイクロプスの脇腹に突き出すと

狙いをつけ突きの構えを取る。そしてサイクロプスが宗玄の方に倒れてくると

宗玄が待っていたと言わんばかりに技を繰り出す!


驟雨しゅうう突き!!!」


宗玄が放った突きの猛襲はふらついたサイクロプスに雨の如く襲い掛かる!

あまりの技の威力に宗玄の足元に軽いクレーターが出来ると同時に倒れようと

していたサイクロプスの巨体が起き上がる!そして堪らずサイクロプスが叫ぶ!


「ガアアアアアァァァァッ!!!」


サイクロプスがマサツグの一撃と宗玄の猛攻に無防備で立ち尽くす。

そうして動けなくなったサイクロプスに宗玄がマサツグに最後の一撃を指示する!


「マサツグ殿!止めを!!」


マサツグが改めて武器を構えると最後の力でダッシュ斬りを放つ!


「ウオオオォォォォォォォォ!!!」


「あ…あれは!」


マサツグの最後の突貫に宗玄が驚くその光景に!

そこにはマサツグが風を纏い加速していく姿があった!

それは剣にも付与された様に見え、トライアルソードが一本の刀の様に

見えたのだった。

そしてマサツグがその勢いそのままにサイクロプスに斬りかかる!


「オオオオォォォォォライ!!!」


マサツグが振り下ろした一撃は鋭い音を立てる。

それと同時に辺りに突風が吹き渡る。

マサツグのそれは、まるで居合い術のようだった。

縦に切り裂く一撃に風が合わさった居合い術。

突風が吹き抜け暫くするとサイクロプスが縦に裂ける。


ズシーン…



重い音を立てて綺麗に二つに崩れ落ちた。

それを見た宗玄が驚くと同時にマサツグに恐怖を覚える。

いきなり風を纏い、サイクロプスを真っ二つにしたマサツグに驚きを

隠せないでいた。


「ま…マサツグ殿…」


宗玄がマサツグに恐る恐る話しかけようとするとマサツグがカタカタと震え始める。

そして思わず宗玄がマサツグとの距離を取り身構えると突如マサツグが両腕を

上に伸ばし叫びだす!


「ぃよっしゃーーーーーーーー!!!」


マサツグが歓喜の雄叫びを上げる。尋常じゃないくらいに喜んでいた。

それを見た宗玄が呆気に取られているとマサツグに対しての恐怖心が

何処かへ飛んでいく。

そうして宗玄がマサツグに近づき賞賛する。


「見事であったぞ。マサツグ殿!」


「おう!

どんなもんだってんだこの野朗!!」


マサツグがサイクロプスを倒した事に歓喜しているとここでメンバーの事を

思い出し、宗玄にメンバーの事を尋ね始める。


「ッ!?

そういえば、ハリットは?」


「ハリットはマサツグ殿がアヤ殿を助けた後、

マサツグ殿の後を追ってアヤ殿を介抱をしていたぞ?」


「じゃあ、マトックとデクスターは?」


「あの様子では…」


宗玄がサイクロプスとの戦場跡を見つめ、悲観的になる。その有様はまさに爆撃を

受けたかのように地面はガタガタ、辺りには幾つものクレーターが出来ていた。

見晴らしの良い平原で戦った為、夜でも良く分かる位であった。

しかし、マサツグ達も何時までも悲観的になっている場合ではない。

マサツグが宗玄にアヤとハリットの元に行く事を薦める。


「とにかく、アヤとハリットの所へ行こう。」


マサツグの一言に宗玄は頷き、共のにアヤ達の元へ行く。




そしてマサツグ達がサイクロプスとの戦場跡を後にするとそこに何者か分からない

人影が一人現れる…


「ほほ~う…

あのサイクロプスを倒しおったか…

くふふ…

将来が楽しみじゃの…」


そう言うと何者かはその場から姿を消すのであった…。



マサツグ達はアヤとハリットを探して大岩の所に向かった。

マサツグ達が大岩の所辿り着くと、懸命に救急処置をするハリットと

深手を負ったアヤが待っていた。

そうしてアヤ達と合流するとハリットがマサツグ達に気が付きマサツグに駆け寄る。


「あ、マサツグさん!!宗玄さん!!

ご無事で何よりです!!サイクロプスは!?」


ハリットの問い掛けに宗玄が答える。


「うん、マサツグ殿が仕留められた。」


「宗玄のアシストがなければやられてたよ。」


宗玄とマサツグの声が聞えてかアヤが目を覚まし喋る。


「二人ともご苦労様…

参加できなくて悪かったね…」


「無理して喋らないでください!傷が悪化します!」


ハリットがアヤを労わる。


「それを言うなら僕の方が悪いです…

皆さんが戦っているのに脚がすくんで何も出来ないで…」


アヤとハリットが自責の念に押し潰され始め、空気がジメジメとし始める。

それを見てマサツグがすかさず二人をフォローし始める。


「わぁ~!

も…もう終わったんだけら言いっこなし!

仕方が無いだろ?あんなの出て来るなんて皆分からなかったんだし!!」


マサツグがその場を収めようと必死になるとアヤが質問をしてくる。


「そういえば、マトックとデクスターは?」


アヤの質問にマサツグが答えに詰まる。

何故ならサイクロプスを倒し終えた戦場跡には遺体が残っておらず、

おそらくサイクロプスに踏み潰されたか何かの拍子に埋められてしまったか、

その二つしか考えられなかったからである。

戦闘後キャラクターが蘇る何て言うシステムは無い為、

二人はダウンしたままの筈である。

そしてその二つとも二人が死んだ事を意味する為、伝え辛いのであった。


「えっと…」


マサツグが答えに困っていると後ろから聞き覚えのある声が聞えてくる。


「俺達ならここにいるぜ。」


そこには瀕死の状態のマトックとデクスターがお互いに肩を

支えつつ二こちらに歩いてくる。


お前ら、生きとったんかいワレェ!!


マサツグが心の中で叫ぶ。

そうして二人がマサツグ達の元に来ると二人ともその場にへたり込むみアヤに謝罪を

始める。


「スマン!!素直に忠告を聞けばこんなことには…」


またもやその場の空気がジメジメとし始める。

この状況にマサツグがまたフォローを入れる。


「もういいから!終わったんだから!

終わり良ければ全て良しってやつだよ!」


マサツグが再度必死にその場を宥める。

マサツグが宥めるのに必死になっていると夜が明ける。

夜が明けた事をきっかけにメンバー全員が野宿をしていた場所に戻る。

マトックとデクスターは互いに支えつつ、アヤはマサツグが背負って。

ハリットは宗玄を心配しながら戻る。

何とか全員が野宿地点に戻るとマルコがこちらに駆け寄ってくる。


「皆さん!!

何処に行っていたのですか!?

それにその傷!!

大丈夫ですか!?」


マルコが慌てて御者と一緒に売り物の回復薬をメンバーに渡すと何が合ったかを

改めて質問してくる。その質問にメンバー全員が答えるとマルコが驚く。


「なんと!サイクロプスが!!

何故この平原に!?」


マルコが酷く驚いているのにマサツグが心の中でツッコム。


あれだけ騒いでいたのに何故気づかない!…


マサツグがそんな事を考えていると回復薬の配給が終わりマルコが安心する。


「何はともあれ、全員何とか無事のご様子。

よかった、よかった。」


マルコが全員の無事を喜び微笑むが次に見せた顔は暗い顔であった。


「ですが、もう休んでいる時間がありません。

幸いにもクランベルズまであとちょっと、お昼ぐらいに着くと思います。

申し訳ありませんがあと少しお願いいたします。」


あと少しで着くと分かると全員が安堵する。

全員が満身創痍の状態、モンスターとの遭遇は避けたいと願うマサツグ。

その願いが通じたかその後の道中は何事もなく、クランベルズに到着するのであった。

クランベルズに着くとマルコが全員に任務の報酬を支払い始める。


「護衛任務ありがとう御座いました。

こちらが報酬です。」


マサツグが報酬を受け取ると驚く。

なんとその額、30000G!

依頼書に書かれていた額のダブルスコアである!

マサツグがその額に驚いているとマルコが更にある物を手渡してくれる。


「貴方方は命がけで我々を守ってくださった。

それはそのお礼です。

もちろんそれだけではありません。

もし何かご入用の時は我々がサービスをさせて頂きます。」

そう言うと報酬とは別に一枚のカードを手渡してくれた。

   ----------------------------------------------------------------------

                マルコ商会ゴールドカード

                     レア度 A

         マルコから信頼を勝ち取った者に与えられるカード。

           マルコ商会の道具屋で商品を半額で買える。

              商品のラインナップも増える。

   ----------------------------------------------------------------------

突然のレアアイテムにマサツグがマルコに尋ねる。


「いいんですか!?こんな貴重な物!」


マサツグの問い掛けにマルコは微笑みながら答える。


「いいんです。貴方方はそれを持つにふさわしい方々です。

それにこれでも私は人を見る目が良い方です。

貴方方なら問題ないと確信したからです。

受け取ってください。」


マルコから手渡されたカードをありがたく受け取る。


「それでは、またどこかで。」


そう言い残すとマルコは馬車に乗り町の中へと消えていく。

そうしてパーティが解散するとアヤがマサツグに話しかける。


「マサツグ!」


アヤに呼ばれてマサツグが振り向くとアヤがマサツグにお礼を言う。


「今回は色々ありがとう…」


ハリットの応急処置のおかげで何とか歩けるくらいまで回復してい様であったが

やはり足がおぼつかない様であった。マサツグがアヤを支えるとマサツグはアヤに

お礼を言う。


「俺こそ色々と教えてくれてありがとう勉強になったよ。」


マサツグがアヤにお礼を言うとアヤがあの時話していた修行の話を話し出す。


「それであの時の話だけど…」


「あぁ、森で一緒に修行の話?」


「ごめん!やっぱり無しで!」


「いいけど…やっぱりダメージが?」


「うん。この調子じゃ足を引っ張っちゃうからね…

少し療養するよ。」


「そうかそれは残念だね…」


マサツグがホッとしたようなガッカリした様な微妙な気分になっているとアヤが

これからの事を話始める。


「だからハリットの診療所にお世話になるの。」


ん?ハリットの診療所?


「ちょっと待って。ハリット…てあのショタっ子の?」


「え?知らなかった?

ハリットはホビット族では有名な医者なのよ?」


あれ?ハリットって魔法使いじゃ?…


マサツグが疑問を抱いているとハリットが横から話に加わる。


「これでも20才のピチピチの女の子なんですよ!」


マサツグがハリットの年齢を聞きマサツグの体に雷が落ちた感覚になる!


{お…俺の五つ下!?…

マジか…恐るべしホビット!…}


更にハリットの話が続く。


「ただここ最近、僕が女の子で成人していると分かると、

{合法ロリーーー!!}って襲ってくる人がいるの。」


お巡りさん!この人を保護して!!

と言うか、ハリットは僕っ娘だったの?!


マサツグがハリットに衝撃を受けていると魔法を覚えたきっかけを語り始める。


「それで襲われても対処できるように魔法を覚えたんです!」


この子、意外と逞しい…


「後はどうにもならない相手にはダンナさんにお願いするんです。」


ハリットの最後の一言にマサツグが叫んでしまう。


「結婚してた!!」


「ちがいますよ~。旦那様じゃなくてダンナさんです。

それに一方的な片思いですし~。」


紛らわし!!


マサツグがひたすらにハリットの正体に驚いているとハリットが診療所に案内する。

色々と衝撃を覚えたがハリットは怪我をしたら頼ってくれとのことだった。

そこでアヤとハリットと別れ、マサツグはとりあえずギルドに向かうことにした。


「本当によかったんですか?

私の見立てでは貴方の体は九割回復しています。

これは驚異的な回復力ですが…

一体どうなって…」


ハリットがアヤに疑問を質問するとアヤが答える。


「フフッ!!

乙女の秘密よ!

…さて、そろそろ私も行くかな。」


アヤが街道を歩き始めるとハリットがマサツグの事を聞いてくる。


「本当に良いのですか!?

今ならまだ間に合いますよ!!」


アヤはその場で振り返るとハリットに答える。


「いいのよ。付いて行った所でさっき言ったように足手まといになる…

だから次に合うまでにもっと強くなるの。」


アヤは空を仰ぎながら手を伸ばす。


「そうですか…貴方がそれでいいなら私は何も言いません。

それともし、怪我等をしたら私のところに来てください。

手厚く看病しますよ。」


「フフ…ありがと!」


そうしてハリットが自分の診療所に戻ると再びアヤは街道を歩き始める。


「あ~あ~勧誘し損ねちゃったな…」


アヤは町のどこかに消えていった。


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