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-第八章-

-第八章六十四節 攻めの意志!とモツの隠し玉と一抹の兆し!…-

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確かに手痛い攻撃を受けたがそれでも面々は諦めない!…もはや最初の目的など

忘れた様に!…ただ目の前にいる化け物を倒す事だけに集中すると、再度攻勢に

転じよう!と…各々が奮闘を露わにする!…それはもう一度隊列を組み合流を

しよう考える者も有れば、また一方ではただ我武者羅に化け物へ攻撃しよう!と

思考を放棄!…だがもはやここまで来ると何が正しくて何が間違っているのか?が

分からず仕舞い!…一方で時間もそろそろ押して来た様に!…夜だと言うのに

空が白み!…吉兆の表れか不幸の前触れか…恐らくオーロラらしきモノが

薄っすらと空に描かれているのが見られて行くと、モツとグレイスも更に動きを

見せる!…絶対に終われない意思を露わにする!…


「…未ダニコイツノ倒シ方ハ分カラネェケド!!…

ダカラッテコノママ何モシナイデイルノハ我慢ナラネェ!!!…

ブッ飛バシテヤルゼ!!!!」


{ッ!?…モ、モツ様!?……で、でも確かに!!…

…何と無く怪しいのはあのしこり!!…

あのしこりに対して何かアプローチをすれば!!…

…しかし一体何をすれば!?…}


懸命に戦う面々の様子に!…モツも触発された様子でまた剣を構えて行くと、

相手にダメージが通るかどうか等はもはや考えない!…ただ自身の怒りのままに

攻撃を加える事だけを考えて行く!…そして一人勝手?に無策に突っ込み始めた

モツの様子を見て!…グレイスも戸惑いを露わにすると、本当にそれで良いのか?

と悩んでしまい!…が、攻撃をしない事には何も始まらない!と言う事に関しては

同意見で有り!…となるとグレイスは効率を考え!…自身が見つけた弱点?…

あの妙なしこりが如何にも怪しい!と…一人睨んで攻撃方法を考え出す様子を

露わにすると、まずはそのしこりの反応をジッと見る!…攻撃のきっかけを

探して行く!…そしてグレイスが様子を伺っている一方でモツは化け物へと

斬り掛かり!…


「ハアアアアアアァァァァァ!!!!」


__ズバシュンッ!!!…ドゴオオオォォォォォォ!!!!……ッ…グパァ!!…


真っ直ぐ吠えながら振り被って袈裟斬り!…その攻撃もまた深々と化け物の体を

切り裂いて行くと、強烈な爆発を起こし!…が、爆発した所で肝心の化け物は

全く動じず!…一頻り吠えた所で獲物を探し!…その標的にモツを選びグルッと

振り返って見せて行くと、まずはその新たに作ったハサミの様な口を開き!…

まさにチョキン!と噛み付こうとする!…するとモツもそんな化け物の動きを

見てやはり攻撃が効いていない事を自覚をすると、同時にここでふとある事を

思い出した様にある部位に視線を向け!…


「ッ!!…チッ!!…ヤッパ怯ミスラシナイッテカ!!…

…ッ!…トナルトヤッパアソコシカネェッテ事ダヨナァ?…」


__バシュンッ!!!…グワアァキン!!!…ッ!?…


と言うのもその部位と言うのはグレイスが気にしている[しこり]の部分!…

何故ならモツも当然あの不自然な攻撃の入り様を見ていたからで、少なくとも

怪しい!とモツも睨んで居る様子をここで露わに!…となると次には自身に

向けられている攻撃に対して回避行動!…それも別に難しい様子でも何でも無く!…

宙に浮いている事をしっかり生かし!…高低差を使って瞬時にそのハサミの

攻撃から逃れて行くと、恐らくハサミの内側の刃が互いにぶつかったのか!…

意外にも金属質な音を響かせる!…そして化け物も攻撃を外した事に気が付いた

様子で反応すると、一方でモツは巧みにしこりへの接近を試み始め!…


「ウオオオオオオオォォォォォォォォォ!!!!」


《ッ!…ホウ、向カッテ来ルノデスカ…逃ゲズニ私ニ歯向カウト?…》


「ッ!!…ッタリメェダ馬鹿野郎!!!…

近付カナキャテメェヲブッ叩斬レネェカラナァ!!!!」


その際モツが吠えながらにその化け物のしこりへ向かって突っ込んで行くと、

一方で化け物も途端にその狙いが分かったのかピクッと反応をして見せ!…

と、この時何を思ったのかモツに対して挑発をするよう!…まるで逃げれば

良いものを!とばかりに…謎に上から目線で何か余裕の様子を露わにすると、

モツはその言葉にカチン!と…しっかり喧嘩の売り文句として受け取った様子を

見せて行く!…何ならその化け物の言葉に対して某・不良高校生の様な返事を

口にすると、更にドンドン肉薄して行き!…


__シュンッ!!…シュンッ!!…シュンッ!!…ヒラリッ!!…


「ッ!?…す、すっげぇ!!!…何て集中力だ!!!…」


「…なぁ…俺は今ガ○ダムでも見ているのか?…」


と、この時向かって来るモツに向かい化け物も当然迎撃の行動!…

触手をモツへ向けて伸ばして行くが…肝心のモツはそれらを全て

紙一重に回避をして見せると、一切の被弾を良しとしない!…

恐ろしい集中力を発揮する!…その際その時の様子と言うのは

まるでデブリ群の間を潜り抜けるそんな光景に見えたらしく、

ある者が何か名パイロットが操る某・ロボットアニメの様だ!と

零しており!…やはり傍から見てもそれは並大抵のモノではないらしく!…

その様子に驚きの言葉を零す一方!…モツもモツで遂にそのしこりの元へと

辿り着く事に成功すると、勿論そのしこりに向かい剣を構え!…

一切速度を緩める事無く突っ込んで行く!…


「ウオオオオオオオォォォォォォォォォ!!!!」


《バ、馬鹿ナ!?…アレヲ潜リ抜ケテ!?…》


「往生シヤガレエエエェェェェェェ!!!!!」


まるで矢の如く一切の躊躇いも無しに吠えながら突っ込んで行くと、化け物も

まさかあの触手群を超えられるとは思っても居なかった様子で戸惑い!…

が、そんな事等モツは当然御構い無し!…自身の持つバスターソードを

勿論そのしこりに!…まるで剣を突き立てる様に自身の体重も込みで一撃とする

構えを見せて行くと、さもトドメを刺すよう言葉を口に!…そしてバスターソードは

モツの狙い通りにしこりへ当たる!…しかし!…


__グオンッ!!…ギイイイィィィィンン!!!!…ッ!?!?…


「ナ!?…」


それは色々と陰が重なり詳細は傍からでは見えないのだが、しかしその音からでも

異常さがヒシヒシと伝わり!…と言うのも恐らくモツの攻撃は成功したのであろう

と言う事は分かるのだが!…その音と言うのがまるで金属音の様な!…

明らかに弾かれたであろうそんな音が辺り一帯に響いて聞こえると、一方で肝心の

モツも自身の攻撃が通らない事に驚き!…そして更に慌て始める!…

それこそ今目の前で起きている現実が信じられない様子で思わず青褪めてしまって

いると、そのしこりからは更に声が聞こえて来て!…


《…危ナイ所デ有ッタ!…ダガソレモ無意味!!…》


__グンッ!!…ッ!?…ブワアアアァァァァ!!!!…


その際先程までの丁寧な口調は消えてしまった様子で有り!…

それは何処かエラそうと言うか何と言うか!…まるで素が出て来た様にも

聞こえる一方!…その口調に何処か聞き覚えのある感じでモツが思わず

ピクッと反応をして見せると、次にはその声は無駄だ!と発し…

続けてモツの攻撃を無力化する!…それこそモツごと跳ね飛ばす様にして

突如念力の様なモノが放たれて行くと、モツも抵抗が出来ないままスッと

しこりから撥ね飛ばされてしまい!…


「ッ!?…ンナクソガアアァァァァァ!!!!」


__ギュンッ!!…ズババババババアアアァァ!!!!……ッ…グルンッ!!…


それは折角潜り抜けて来た触手群の外へと放り出され!…が、モツもそのままで

終わる様子はないらしく!…吠えながらにして突如横に回転!…剣を振り回す様に

してそのまま吹き飛ばされて行くと、その回転と吹き飛ばされた勢いを利用して

触手を伐採!…不自然にその触手群に空間を作る!…そして触手群を抜けた所で

さも受け身を取るよう今度は縦に回って見せると、吹き飛ばされた勢いを殺し!…


「ッ~~!!!…ダアアァァ!!!…ハァ!!…ハァ!!…」


《…無駄ナ事ヲ…幾ラ歯向カッテ来ヨウト…我ニ敵ウ事ハ絶対ニ!!…》


宛らその様子は某・竜玉集めの漫画の様に!…しかし実際にやってみるとその体に

掛かるGと言うのはそこそこ辛く!…それこそ少し意識が飛びそうになるのだが!…

それでも歯を食い縛って耐えて切って見せ!…そこで一度呼吸を整えるよう荒々しく

息を切らすと、その様子にまたしこりから声が!…やはり何処か聞き覚えのある

口調で馬鹿にする!…それはさも自身が無敵であるよう言葉を零すと、そのしこりの

言葉に対してモツがまた噛み付いて行き!…


「ハァ!!…ハァ!!……ッ…ホザイテロ!!…

馬鹿ガ!!!…」


《ッ!…貴様、何ヲ言ッテ?……ッ…》


それこそ絶対に言い返す!とばかりに機敏に反応!…息を切らしながらでもしこりを

睨んで言葉を口に!…この時一言簡単にほざけ!とこちらも馬鹿にする言葉を

吐き捨て!…と、次にはその意味を語るよう言葉を続け!…何かもう仕掛け終わった

様な事を漏らして行くと、そのモツの言葉にピクッと気にした様子で反応!…

訳が分からない様子で言葉を零す!…その際モツを吹き飛ばした時の様子を思い出す

そんな低い唸り声を漏らして行くと、モツは更に意味深な事を!…


「ッ…ハアァ~~!!……ッ…俺ノ狙イハモウ当ニ終ワッテンダヨ!!…

…後ハ…俺ヨリ攻撃力ノ有ルグレイス次第!……グッ!…」


ここでモツも漸く落ち着いて来た様子で息を吐き出し!…と、次には自身の役目は

終わった!と…ここまでが限界の様子であとはグレイスに任せる事を口にすると、

さすがに長時間ブチギレ続けるのはシンドイのか!…モツの様子に変化が起きる!…

と言うのもその様子はまるでガスが切れ掛かったカセットコンロの様に黒い炎が

チラつき出すと、当然外套等も今にも消えそうな感じで点滅?し出し…

更にはモツ自身も突如胸を押さえて苦しそうな!…如何やら今発動している

魔王覚醒の反動が大きいらしく!…モツ自身もそう言った意味で限界を!…


{…チッ!!…これ以上は限界か!!…

まさか自分でも更にブチギレてここまでやるとは思ってもなかった!!…

…オマケにこの黒い炎も扱える様になった!!……けど…

それでもまだコイツを倒せないとか!!…本当にコイツは一体!?…}


その際自身でもまさか更に上が有るとは思っても居なかった様子で戸惑いを感じ!…

何なら仕舞には黒い炎まで扱える始末に!…そしてそれらの事に驚き戸惑う一方で、

徐々に自身の中にあった燃料的なモノ憤怒が…今まさに切れ掛かっているのを

また刻一刻と時間にして感じてしまうと、同時にそれをもってしても倒せない!…

その倒せなかった!と言う事実にこれまた戸惑う!…

となると今度はこの化け物を本当に倒せるのか?と言った疑問が出て来るのだが、

倒さない事には恐らく話が進まない訳で!…と、モツがフラフラとしながら浮遊を

しているとこれまた一方!…


《…復讐…恨ミノ黒キ炎……ヨモヤ魔剣ノちからヲ取リ入レテイナイ貴様ガ…

ココマデヤルトハ思ッテモ居ナカッタゾ…マァ余興ニハ丁度良イ…》


「ッ!!…クッ!!…」


化け物は正直モツには驚かされた事を口にし出すと、如何やってその黒い炎を

操る力を手に入れたのか?と疑問を漏らし…が、それでも大した事は無かった!と

煽る言葉をわざわざ続け!…何ならその事を余興!と言い…モツの神経を逆撫でして

その声色からも余裕の様子を滲ませる!…嗤っている様なそんな感じで言葉を

漏らすと、モツ更にカチン!と…しかしやはり持たない様子で徐々にしおれる!…

そしてモツが歯を食い縛り化け物を睨む事しか出来ないでいると、更に化け物は

調子に乗り!…


《…サァテ?…残ル脅威ハ目ノ前ノ巨大ナ狼ダケカ…

貴様モモウ言ワバ命運ガ尽キタ者!…

大人シクココデ我ニ食ワレル事ヲ本望ニ思ウガ良イ!!!…》


{ッ!!…クッ!!…}


と言うのも今度の標的をグレイスに変え出し!…この時もはや後に残っている

面々は有象無象の雑魚!とばかりに…それこそ眼中にもない様子で!…

ただグレイスだけに何やら視線を向ける様なそんな動きを見せて行くと、

グレイスにもまた煽る言葉を!…敗北を受け入れる様に言って聞かせる!…

その際食べるつもりでいるのかこの事を光栄に思え!と堂々とグレイスへ

話して行くと、勿論グレイスはグッ!と歯を剥き出しにして警戒をし!…


《…ナァニ?…心配セズトモ我ガ後デ貴様ノ子孫モ喰ロウテヤル!!…

…故ニアノ世デ親子共々!!…タダ空シク嘆キ悲シンデ!!…

コノ世界ガ我ノ手ニ落チルノヲ見テイルガ良イ!!!…

…モットモ?…貴様達ガ落チルノハ!!…

決シテ[天国ヴァルハラ]ナドデハ無イ[地獄ヘルヘイム]デアロウガナァ!?…》


{ッ!!!…言わせて置けば!!!…}


が、それでも化け物の挑発は全く止まる気配を見せず!…何なら恐らくグレイスに

対して禁句であろう!…シロやハクまでも食べる!と言い、親子揃ってあの世で

悲しみに暮れろ!と…それこそ地獄に落ちろ!とばかりに嘲笑うと、この言葉を

受けてさすがにカチン!と…挑発に乗ったよう反応を見せる!…その際許せない!

とばかりにイラッとした事を口にすると、次には化け物目掛けて突貫して行き!…


__バシュンッ!!!…シュンッ!!…ッ!?…


「ッ!?…は、早い!!…けど!!…」


「だ、駄目だ!!!…そのまま行っちゃだめダアアァァ!!!!」


また目の前から消える様に一気に肉薄!…これには化け物も反応が出来ない様子で、

また目の前に現れた事に対して思わず反射的であろうか?…ビクッとするそんな

様子を露わにすると、他見ていた面々もそのグレイスの動きに驚愕!…しかし同時に

行ってはいけない!とも口にする!…と言うのももはや何をやっても化け物に攻撃が

通じない様に感じられ、攻撃をするだけ無駄だ!と…いや寧ろそれを誘発させる事が

相手の狙いである様な!…


__ギチギチギチギチィィ!!!…


「ッ!!…やっぱり!!!…ハサミに挟まれるぞオオオォォ!!!」


ある者達はこう考えた様子で有り!…と言うのも向かって来た所をハサミの様な

顎でチョキン!…その顎にどれ程の力が有るのかは分からないが、どちらにしても

最悪の展開を想像し!…と、一方で化け物も意味深に顎を動か始め!…

それは飛んで来るであろうグレイスに対して!…左右に開くよう不気味な音を

立てて見せると、同じく見て居る者達が慌てる!…グレイスに注意を呼び掛ける!…

その際グレイスも直ぐに向かって行くのではなく、まるで撹乱するよう辺りに

足音だけを残し!…


__ダッ!!…ダダッ!!…ババッ!!…


と、その足音が聞こえる方を見た所で勿論グレイスの姿はなく!…いやそもそも

肉眼で追える筈が無い訳で!…ある者は[刹那]を使ってまでも追おうとする始末!…

しかしその姿を断片であろうともやはり捉える事は出来ず!…ただ無駄に刹那を

消費して夜の[異様な凹みグレイスの足跡]が出来る平原の様子を見ていると、一方で化け物は

身動ぎ一つ見せない!…ハサミの様な顎を開いてグレイスに無駄だ!と言って

聞かす!…


《フハハハハハ!!!…ッ…無駄ナ事ヲ!!!…

我ニ攻撃ヲ加エタ所デソノ攻撃ヲシタ箇所ハ外装!!!…

真ニ我ヲ攻撃シタ事ニハ成ラヌワ!!!…

…ソシテソノ核ト言ウノモ絶対障壁!!!…

故ニ我ハ無敵!!!…我コソガ神ニ居タリシ最強ノ!!!…》


その際根拠に自身の肉体がただの傀儡であるよう明かして行くと、その攻撃が

決して本体に届く事は無い!と…何ならその本体についても居場所を隠さず、

と言うかもう隠せてもおらず!…だがそのままにしてさも自分は無敵である!と…

そして自身を最強と言い出し!…まるで神にでもなったかの様な傲慢な口振りを

吐いて行くと、その化け物の口振りにある者が嗤う!…それこそ馬鹿にするよう

質問もする!…


「…プッ!…クククククッ!!……ッ…じゃあ見てみたいモンだな?…」


《ッ!…ナニィ~?…》


「その無敵って言えるところを!…本当に無敵なのか確かめてやる!!!」


この時その化け物の言葉に対して笑って見せたのは、元に戻ってしまった

モツで有り!…その際モツは化け物に対して挑発の言葉を!…まるで完全に

覚醒状態が解けてしまう前に!…爆弾を仕掛けた様な何か意味深な言葉を

口にすると、その言葉に化け物もピクッと反応!…やはり気にした様子で

言葉を返す!…だがその反応も何処か小馬鹿にした様子で、明らかに真剣には

受け取っておらず!…しかしそれでもモツは御構い無し!とばかりに

スッと手を!…化け物に向けて伸ばして行き!…そして何かパチン!と

指を鳴らすそんな素振りを見せて行くと、モツは本当に指を鳴らす!…

するとその瞬間爆発が起きる!…


__……ッ…パチンッ!…ッ~~…ボガガガガガガガアアアァァァァ!!!!…


《ッ!?…ンナ、何ィ~~~!?!?…》


爆発が起きた箇所と言うのも、モツが斬り飛ばしたあの触手群の所で有り!…

と言うのもあの錐揉み状態で触手を斬った際に仕掛けたらしく!…爆破の火種を

バレない様に!…斬ってそのままにして爆発を遅らせていたモノを今になって!…

爆発させて化け物に教えるよう驚かせると、その触手群は更なる甚大な被害を!…

それこそ全てではないが焼け野原に近い状態にされてしまう!…となるとしこりを

守るモノは何も無く、直接攻撃がし易くなり!…


__バシュンッ!!!…ッ!?…


《しま!?…》


{覚悟なさい!!!!}


となると勿論その機を逃さない!とばかりにグレイスが化け物の目の前に現れ!…

その際化け物にハサミの様な顎を作った時と同様の構えを露わに!…剣を真っ直ぐ

縦に銜えて構えて行き!…そのしこりに狙いを定めて後は一撃を繰り出す状態で

睨みを利かすと、その突然のグレイスの出現に化け物も戸惑う!…

が、御構い無しに渾身の一撃をグレイスが見舞う!…この時左右に広げていた

ハサミの様な顎も驚きの余り動かせないでいると、何物にも邪魔をされる事無く

グレイスの一撃は吸い込まれ!…


__グオンッ!!!…ザシャアアアアアアァァァァァァァァ!!!!…


《ッ!?…ッ~~~~!!!!……》


それこそ一撃目よりも鋭く深く、化け物のしこりに向かい見事なまでの

兜割りが入って行き!…何なら銜えていた氷の剣を手放す程に氷も更に

凍て付き!…上半身を丸ごと瞬時に固めてしまうまで至ってしまうと、

さすがの化け物もその動きを停止!…何なら声にならない声を上げて

見せる!…だがその声も更に凍て付く氷の勢いに合わせて徐々に徐々にと

小さくなると、遂には聞こえなくなってしまい!…と、無事一撃を放てた

グレイスも一旦化け物から飛んで離れ!…この様子に面々もまた絶句!…

思わず夢か?と思ってしまう程に!…その突然の決着?に理解が追い付かない

そんな様子を見せていると、一方でモツは終わった!と…地面に降りるなり

へたり込む!…


「…ッ……はあああぁぁぁぁ~~~~……ッ…ザマァ見やがれってんだ!!…」


「……え?…おわ……った?…」


その凍った化け物の姿を見てやっと安寧を得た様に!…しみじみ疲れた様子で

深く大きく溜息を吐くと、化け物に向かい一言!…と、そんなモツの一言が

聞こえてか周りも漸くハッとし始め!…その際目を擦ってもう一度確認!…

本当に化け物が凍って動かない様子を目にして行くと、戸惑い気味言葉を!…

やはり信じられない様子で現実を疑う!…だが現に化け物はまるでアイスの

ケーキに包丁が刺さったままの様な感じで鎮座しており、これまたやはり動く

気配を見せず!…すると一方でそんな様子に対して注意を呼び掛ける者が一人

現れ!…


「…ッ!?…ま、待って!!!…

警戒を弱めちゃダメ!!!…まだ終わってない!!!!」


「ッ!?…え!?…」


と言うのもその注意を呼び掛けたのはミサカで有り!…氷の瓦礫の下から

出て来て一言!…辺りを見回し途端に可笑しいと言った戸惑う表情を露わに

すると、終わっていない!と…まだ化け物が生きている様な事を口にする!…

となるとそんなミサカの言葉が聞こえて来た事で!…また各々がハッと

我に返る様なそんな戸惑い様を露わにすると、モツもモツでその言葉を

聞いて戸惑いの言葉を漏らし!…が、一方でミサカは更に話しを続け!…


「だって!!!…」


__ッ!?…どよぉ!?…ババッ!!…ババッ!!………ッ?…


何でもこの時ミサカはまだ化け物が生きているであろうと言う理由を口に!…

その際彼女の言う理由は至ってシンプルなモノであり、まだ周りにモンスター達が

現在進行形で出現している!と…と、それを聞いて他の面々も途端にハッとなって

辺りを見回し!…するとそこにはミサカの言う通り未だあの異形のモンスター達が

スポーンしている!…何なら襲って来る様子も目にして行き!…その様子から意味を

理解した者は途端に警戒!…まだ終わって無い!と慌て始める!…

そして知らない者達はその言葉の意味が分からない様で更に戸惑いを露わにすると、

ミサカがもう一つ言葉を続け!…


「…本当に倒し終わったのなら!!…

!!!…

…なのに今こうしてまだ残っているって事は!!!…」


__ッ!?…どよぉ!?…


その言葉と言うのも先程の言葉の意味の解説!…消えていないと言う事は

生きている!と…システム上のバグでもない限り、この様な事はあり得ない!と…

となるとそれを聞いて分からなかった者達も漸く理解を示して行き!…

すると途端にハッとなって慌て始め!…その氷漬けになって居る化け物の方へ

バッと振り返り視線を向けると、そこで衝撃の様子を!…更に自身の目を

疑ってしまう!…と言うのもそこには未だ氷漬けになって居る化け物が居るのだが、

様子が可笑しく!…


__…グッ!!…グググググッ!!!…ミチッ!!…ブチィッ!!…


「ッ!?…う、嘘だろ!?…冗談だって行ってくれえぇ!!!…」


そこにあったのは氷漬けになった上半身とは別に動く下半身の様子!…

言うなればそれは藻掻く様な!…動かない上半身を無理に動かそうと…

身を捩る様子を必死に化け物が見せていると、同時に耳にし難い何か

生々しい音が聞こえ!…それは具体的にはまるで身が裂けている様な

そんな音が!…となるとそんな様子を目にして各々は更に青褪め!…

これこそ夢であれ!と…必死に願い言葉にして終わりである事を祈るのだが、

現実は無慈悲!…更に悍ましいモノを目にしてしまう!…


__ブチィッ!!…ミチミチミチミチィ!!!…ズルンッドシャアアァァ!!!…


「ッ!?…マ、マジかよ!?…」


それは更に一際生々しい音を辺りに響かせる事になって行くと、次には化け物の

上半身と下半身が分離し始め!…となるとこれまた激しい出血を見る事になり!…

それこそまるで赤い円形の絨毯を敷いた様な!…地面が真っ赤に染まって地獄へと

変わり!…その赤い絨毯の上に更なるモンスター達が次々にスポーンをし始めると、

各々驚きの言葉を口に!…と、同時にその倒し方でまたもや悩む!…その際もはや

その様子を見る限り、不死身の様にしかとても見えず!…するとその嘆く言葉も

まるで文句の様に聞こえる始末!…


「こ、こんなの!!…こんなの一体如何やって倒せって言うんだよ!?…」


「…ッ!!…う、運営に連絡!!!…

こんなのバグでしかないって!!…

こんな無理ゲー聞いてないって!!!…」


もはや倒し方の答えを聞きたい様子で頭を抱え出し!…そしてさすがの面々も

心が折れて来たのか!…呆然とする者が現れ出すと、またある者はバグ!と

言い出す始末にもなって行き!…と、次には突如メニュー画面を開いて運営に

通報をしよう!と…しかし何故か運営とは繋がらず!…一抹の現実逃避すら

許されない!…そんな感覚を覚えて行くと、とにかく誰も彼もが混乱!…

遂には収拾がつかなくなってしまう!…しかしそれでも諦めずにミサカが現状を

よく見て!…まずは立て直そうとするのだが、更にここ来てもう一つ不幸事が

襲い掛かり!…


{…と、とにかく何とかして立て直さないと!!…

その為にもまずはもう一度戦況の見直しを!!…}


「…クッ!!…アアァァ!!!…」


「ッ!?…え!?…」


と言うのもミサカが全体の立て直しを図ろうとした途端、ミサカの背後から

恐らくシルビィのモノと思われる悲鳴が突如聞こえ!…となるとミサカとしても

当然ビクッと反応をするモノであり!…慌てて振り返って何事!?と…

勿論心配をしてミサカが一旦背後の現状を確認すると、そこには透明な何かと

戦っているシルビィの様子が!…それも複数体と戦っている様子を目に映る!…

となるとそんな様子を目にして、ミサカとしてもそのまま放置する訳には行かず!…


「ッ!?…シ、シルビィ君!?…」


「ッ~~~!!!!…だ、大丈夫です!!…

わ、私の事は構わずに!!…ミサカ様は全体の指揮を!!…」


「ッ!?…そ、そんなピンチの様子を見せられて!!…

出来る筈が無いでしょ!?…」


ミサカはその様子を目にするなり慌てて傀儡を!…その際さすがに大量に

動かして邪魔になっては意味が無い!と、そう考えて一体だけを機敏に

動かし!…と、慌ててシルビィの救助に入ろうとして行くのだが!…

シルビィはその様子に気が付くなりハッ!と…ミサカに大丈夫!と言って

頑張り!…自身の事を気にさせず!…今は全体の指揮を執る事を

優先させようとするのだが、ミサカの目から見て間違いなくシルビィが

大丈夫そうには見えず!…結果助けに入って行く!…しかしこれが更なる

不幸事を招く事になる事をこの時二人は露も知らず!…そしてその間にも

化け物の様子はまた急変!…更に戦場は混沌と化そうとするのであった!…

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辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

転生騎士団長の歩き方

Akila
ファンタジー
【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】  たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。 【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。   【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?  ※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
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王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

はぁ?とりあえず寝てていい?

夕凪
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嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

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 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

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蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

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