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-第八章-

-第八章三十五節 内外の異変!と狐の助力?と退路遮断!…-

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突如城内に響く様にして聞こえて来たゼファーの声!…そしてそれも一方的に

名乗り待っている事だけを告げて行くと、それ以上何かを話す事無くそのまま

ゼファーの声はフェードアウトして行き!…となるとマサツグとモツも二人

揃って戸惑う事となってしまい!…何ならその嬉々としたゼファーの言い様に…

何か罠の様なそんな気配が感じられると、余計に強張る様な反応を!…

より一層辺りに対して警戒を強めるそんな様子を露わにする!…さてそうして

あっちこっちと彷徨いながら上に上がる階段を探し続けて居ると、ここでふと

妙な違和感に気が付き!…


__…コッ…コッ…コッ…コッ……ッ…


「…なぁ?…やっぱ可笑しくねぇか?…

幾ら何でもこんな城の中を彷徨う事なんてあるのか?…

何かしらもう上に上がる階段を見つけても良いと思うんだが?…

…何か知らない間に相手の術中に嵌っている様な?…」


と言うのもここまで迷子になって居る事に対して可笑しい!と口に…それはまるで

何か術中に嵌っている様な?…幾ら何でもここまで何も無い事に疑問を持ったよう

マサツグが戸惑いながら話して行くと、これまたフッと辺りを見回す!…

するとそこには何処までも続いて居る!とばかりに岩レンガの壁がずっと伸びている

様子を目にして行く!…その際他に特徴はと言うと、壁に燭台が付いているほか…

デグレアントの国旗かそのれもペナントの様なモノが一緒に壁に掛けられて有るのが

見え…床は王城らしく赤い絨毯が敷かれて有り!…とにかくこの状況に対して!…

マサツグが若干ながら不安を覚えた様子で話しをすると、モツも薄々感付いていた

様子で言葉を!…マサツグの言葉を肯定する!…


「…そうだな確かに可笑しい!…

だがそうだとして打開策が思い付かないのもまた事実!…

さっきから[感知サーチ]を使っても何も反応が返って来ない!…

これじゃどう攻略をしたら良いのか?…」


その際モツとしても分かって居るが故に何か打開策を考えて居た様子で話して

行くが、何も思い浮かばない事を話し!…何ならマサツグの知らない所で

色々と地道ながらに試して居たらしく!…しかし何も結び付かない!と…

何も変化が見られない事から改めて如何しようもない事をマサツグに話すと、

マサツグもその話を聞いてハッとした具合に納得!…次には幸いである事を

口にする!…


「ッ!…うぅ~ん…幸いなのは敵が襲って来ない事位か?…

て言うか敵本拠地に居ながら何も攻撃を受けない事にも驚きなんだが?…」


「…確かに!…

敵に攻め込まれたら死に物狂いで俺達を止めに来そうなモンなんだが…」


それは少しでもモツの不安を和らげる様に!…辺りを見回しながら話して行くと、

また同時に疑問を口に!…と言うのも何故か敵からの攻撃がない事にこれまた

戸惑いを感じ!…本来ならここが敵拠点の最終防衛ライン!と…にも関わらず

敵の攻撃が一切来ない事に!…これまたやはり不気味さを感じる!と言った…

マサツグが若干の戸惑いを隠せない様子でとにかく変!と話しをすると、モツが

更にそのマサツグの話しを肯定!…その際自分ならとばかりに返事をする!…

しかし幾らここで問答をして居ても、やはり誰かに攻撃をされる事も無ければ…

これと言った変化もなく…と、草臥れる様にしてただ時間が過ぎるのを感じて行き…

それでも何とかしてこの状況を脱しなければ!と…諦めずに何か打開策を

考え続けるそんな様子を見せて居ると、一方でこの時城の外ではフィロが!…

ギガンテスの肩に乗り今まさに城へ攻撃しようと奮起していた!…


__ズゥン、ズゥン、ズゥン、ズゥン、ズゥン、ズゥン!!!…


「急げや急げ!!!…手遅れになる前に!!!…

何としてもマサツグの事を救い出すのじゃ!!!」


若干距離は有る様に感じられるが、それでもものの数分と城まで掛からず!…

その際駆けるギガンテスの様子と言うのは、傍から見るとまるで某・鎧○巨人の様に

見えてしまい!…そしてそんなギガンテスを直ぐに止める術と言うのは両陣営持って

居らず!…そのままフィロを行かせる事となって行き!…フィロもマサツグの事で

頭が一杯になっている様子を見せて行くと、次にはシロへと辿り着くなりショルダー

タックル!…しかしここで奇妙な妨害を受けて行く!…それは間違いなく誰の邪魔も

入る事無く一直線にその巨体がぶつかって行った様に見えたのだが!…


__ズゥン、ズゥン、ズゥン、ズゥン!!!…ッ!!!…ドオオォォォンン!!!…


「ッ!!…な、何!?…こ、これは!?……ッ!!…」


この時ギガンテスがショルダータックルの構えに入って行くと、

フィロはピョン!と飛んで一旦ギガンテスから離れ!…

と、その際その様子は宛ら某・緑色の恐竜を乗り捨てた時と

似た様な光景に見えるのだが!…しかしそんな事を言っている

場合では勿論なく!…間違いなくギガンテスのショルダータックルが

デグレアントの城に重く刺さって行った様に見えるのだが、城からは

何も倒壊する様な音は聞こえない!…ダメージが通って居ない様子が

感じられる!…何ならぶつかって行った際辺りに鈍い衝撃音も

しっかりと響いていたのだが、それでも尚無傷!と…となるとそんな

様子を目にしたフィロは戸惑い!…しかし何処となくそんな気はして

居た様子で!…その様子を見ても若干驚く程度!…

だがこれで諦める気も無い様子でクッ!と歯を食いしばって行くと、

続けてギガンテスを操る!…更なる猛攻を加え始める!…


__スッ…グッ!!……ゴアアアァァ!!!…


「まだまだああああああぁぁぁぁ!!!!」


__グオアアアアアアアァァァァァ!!!!…ドオオォォォンン!!!…


それはスッとフィロが宙に浮いたまま拳を握ると、ギガンテスもそんなフィロの

動きと同調するよう拳を握り!…と、次にはフィロが諦める気なしでその握った

拳を思いっきり突き出し!…と、やはりギガンテスも吠えて拳を突き出し!…

その奇妙な城に向かい!…全力と言っても過言ではない綺麗な右ストレートを

吠えながらに叩き込むと、また辺り一帯に鈍い衝撃音を!…だがそこでもやはり

奇妙な光景を見せて行く!…それはフィロも今度こそ確認出来た様子でピクッと

反応をして見せると、厄介!とばかりにムッとした表情を浮かべ!…


「ッ!!…チィッ!!…か!!…」


__ヴウウゥゥゥン!!!…ヴン、ヴン!!!…


そのフィロの目の前!…いやギガンテスの目の前と言った方が正しいだろうか?…

とにかくそこにはまるでATフ○ールドの様な障壁が張られて有り、となると

言わずもがなそれがギガンテスの拳を受け止め無力化しており!…その際何かが

干渉している様な…何か水面の様な波打つそんな様子を見せていると、フィロも

それが先程からの攻撃を全て無力化している事に理解を示し!…すると次には

その壁の事を障壁!と言って睨み付け…そしてそのままの状態でただ障壁を

波打たせ…如何するか?と言った具合に考え固まるそんな様子を見せて行くと、

今度はふとあるモノにも気が付いた様子でピクッ!と…


{…チッ!!…ほんに面倒でありんすなぁ!!…

かと言ってここで諦める訳には当然行かぬ!!!…

ここは無理にでもゴリ押し!!……ッ!…}


__ッ~~~~…ッ~~~~…ッ~~~~…ッ~~~~…


それこそ心の中で文句を漏らしつつ如何するか?と考えて居ると、ここで徐に

視線を城の屋上へと向けて行き!…その際別に何か気配を感じ取ったとかではなく

本当に偶然!…しかしそこで黒ローブを身に纏い何か必死に呪文を唱える!…

異様で不気味な人の集団を見つけ!…そしてその周りに紛れて何やら人が倒れて

いる様子も目にして行くと、フィロはそれらを見て直ぐに理解!…と、同時に

解決策を見つけた様に途端にハッとして見せる!…


「…ッ!…なるほどのぅ?…まぁ確かにそうでありんすなぁ?…

これ程までの壁を張るにはそれ相応の対価が必要!!…

…だったらその対価を払えない位に!!…

ただ一方的にわっちらも攻撃を繰り出せば良いだけの事!!…

敵の数も減って一石二鳥!!……仕方がない!!…

早々簡単にマサツグがやられる筈が無かろうて…

なれば少し!…この小童共の遊びに付き合ってやるとするかえ!!!…」


その際フィロは独り言とばかりにフフフッ!と笑みを零しながら言葉を漏らすと、

また静かに右手をグッと握り!…と、フィロがまた拳を握った事でギガンテスも

当然ピクッと反応をして見せ!…因みにギガンテスは抵抗もないままフィロの

真似をして居り!…グッと右手に握り拳を作って行き!…フィロもその拳を

握ったままでグッと腰を落として構える様子を見せて行くと、ギガンテスも

不穏な雰囲気を!…構えてジッと障壁を睨み付けるそんな様子を露わにする!…

さてそこからは恐らく容易に想像が付くであろう!…フィロはその握った拳を

次にはまたその障壁に向かって突き出して行き!…


「ッ!!…行くでありんすううぅぅぅぅぅ!!!!」


__グオアアアアアアアァァァァァ!!!!…ッ…ドオオオオォォォンン!!!…


当然何の躊躇いも無く渾身の右ストレートを障壁に!…全身をバネにするよう

振り被り!…掛け声と共に思いっきり真っ直ぐその固めた拳を突き出して行くと、

ギガンテスも同調する様に吠えて見せる!…そしてその巨大な拳を障壁の

ど真ん中?に思いっきり突き立てて行く!…するとその衝撃はまた鈍い衝撃音と

なって辺りに響くと、一方でその障壁の内側ではずっと呪文と唱えて居た者達を

数十人の勢いでブッ倒れさせ!…


__ッ!?!?…ッ…ドサアアァァ!!!…


「ッ!…チッ!!…

やはり一撃で軒並みと言う訳には行かんでありんすか…」


と、その様子をしっかりと見て居た様子でフィロが舌打ち!…それは思っていたより

伸びなかった!と…何ならこの一撃で突破するつもりでいた具合に不満を漏らすと、

先程の一撃でどれ位の人が倒れたのかを確認!…そして全体の人数も確認する!…

因みに先程の一撃で約五十人位が卒倒する様に倒れて行くと、誰もその倒れた者達の

事を気遣う様子を全く見せず!…ただ黙々と謎の呪文を詠唱し続け!…その全体の

数も約五千と言った所か?…とにかく無駄に人員が多く!…フィロも一筋縄では

行かない事を考えると、心の中で改めてどんなモノなのか?を纏め始め…


{…恐らく数が居る事でその威力を分担!…

そして数が居る事でまた障壁も強固に!!…

…はあぁ~…やれやれ…面倒でありんすなぁ~…}


__グググッ!!!…ッ!…グググググッ!!!…


「…マサツグの為にあしらえたこの巨人!!…

その力を見るがよい!!!……わっちは止まらんぞ!!!…

ここからは!!!……本気でこの城を落とす!!!…」


と言うのもやはり数居る事で厄介!と言った具合に結論を出し、しかし今みたいに

障壁を殴る他手が無く!…すると改めて自身の導き出した解決策に面倒!と感じ…

だが他に手が無い事からやるしかなく!…今度は両手に拳を握り!…ギガンテスも

それに合わせてグッと両手の拳を握って行くと、また二人揃って障壁に向かい

構え直す!…そしてフィロが本腰を入れる!…それこそマサツグの為である事を

口にすると、目の前の城を落とす事だけに集中をし!…と、一方でそんな城に

向かい攻撃をするギガンテスの様子にこれまた戸惑い!…その戸惑って居る者達

と言うのは魔王軍の面々!…別にフィロが関わっている事に気が付いていない

訳ではないのだが、それでも一体何をしているのか?が分からない様子で思わず

傍観する様な…困惑の様子を見せて行く!…


さてそんなこんなで城の外でフィロがギガンテスを使って暴れていると、

その影響と言うのは少なからず中に居るマサツグ達にも影響して行き!…


__…ッ~~……パラパラッ…


「ッ!…ん?…埃が落ちて来た?…でも何で?…」


「…ヤブ…今はそんな埃を気にしている場合じゃ…って、え?…」


何もギガンテスの攻撃はまるっきり無力化されている訳ではない様子で、若干ながら

城の中でも響いて居り!…が、それでも震度1に行くか行かないか位の揺れで有り…

その際パラッと降って来た埃がマサツグの顔に…となると埃が降って来た事に

疑問を持ち!…何か変化が起きたのでは!?とマサツグが軽い反応を見せて行くと、

一方でモツがそれを否定!…埃など捨て置く様に言葉を掛ける!…しかしそれも

言い切る前にふとある事に気が付いた反応を見せると、次にはマサツグもそのモツが

気が付いたモノと同じモノで反応をして見せ!…


「ッ!…何ぃ如何した?って、え?…」


__モヤアァ~~ン!……ッ…


マサツグがそのモツの見詰める先にある物へ視線を向けると、そこには視界が

ぼやける様に何かが有るのがハッキリと見え!…いや視界がぼやけているので

薄っすらなのだろうか?…とにかくその先に見えるモノは階段に見え!…

二人が揃ってそれを凝視!…見間違いでないかどうか目を擦る等して更にジッと

見つけて行くと、次には二人で問答!…やはり自身の目に映る物に対して

疑問を持つ!…


「…なぁ、アレ何に見える?…」


「…多分、階段…かなぁ?…

でも何であんなにぼやけて見えるんだ?…」


何故ならそこには今まで探し求めていた階段の姿が!…しかしその様子はとても

異様なモノであり!…何故か霞み掛かってぼやける様にして見えてしまうと、

まぁ当然普通ではない!と…その際何に見えるか?とマサツグが徐に質問をする!…

するとその質問に対してモツも律義に戸惑った具合でマサツグへ返事をして行くと、

そのぼやけて見える理由について同じく疑問を持ち!…と、一方ではまた城が揺れて

いるのか頭の上からは埃が!…それと同時にまた靄が消えて行き!…徐々にその

階段と思わしき奇妙なモノが露わになると、また二人が戸惑う!…それこそ改めて

辺りを見る!…


__…ッ~~……パラパラッ……スゥ~…


「ッ!…また靄が!!…

…って、事はやっぱ何かしらギミックが?…[感知サーチ]!…」


「……いやでも辺りには?……ッ!!…」


この時やはりマサツグが何かしらギミックがある様な事を口にして怪しみ出すと、

[感知サーチ]を駆使して辺りをグルッと見るのだが!…しかしその[感知サーチ]に何も反応は

感じられず!…辺りを見回した所でやはり!…その霞み掛かった階段以外何も

無い事を目にして行くと、モツもそれに釣られて辺りを見回し…同じく何も

無い事を口にしようとして見せる!…だがそれも直ぐに最後まで言い切る事無く

ピタッと言葉を止めてしまうと、次にはその一点だけをジッと見詰め!…


「…なぁ?…アレ何に見える?…」


「ッ!…え?……ッ!…」


何でもこの時モツにはまた別の何かが見え始めたらしく、すると戸惑った具合で

質問をし出し!…と、マサツグも逆に問われ始めた事で戸惑う様な軽い反応を!…

だが気になった様子でそのモツの見つけたモノへと視線を向け!…そこでこれまた

何かあの奇妙な階段と同じく!…霞み掛かった奇妙なモノを自身の目で捉えて

行くと、またその正体に疑問を!…とにかくジッとモツと一緒になって凝視を

する!…因みにその奇妙なモノは人手も物でも無い様で、何か淡いボヤァ~っと

した光を放って居り!…


__ぼやあぁ~~……


「…え?…光?…でも何で?…

あんなモノが有ればさっきの[感知サーチ]で絶対に反応する筈じゃあ?…」


それは別に点滅すると言った不穏な様子を全く見せず、まるで魔法陣である様な

円形状を保って居り!…その際何処から維持する為の魔力を得ているのか疑問を

感じる所では有るが、それよりも気になるのはまず何故光っているのか?と

言う事で…それこそ[感知サーチ]に反応する筈!と…マサツグが戸惑い気味に

漏らして行き、その魔法陣?に警戒をするそんな反応を見せて居ると、モツも

モツでハッと何かに気が付いたよう!…その思い付いた事を口にする!…


「……ッ!…もしかして何かしらのスキルが使えない?…

或いは無力化される仕掛けがあるとかか?…」


「ッ!?…え!?…じゃ、じゃあこれからあんなのを手探りで探して!…

一々解除しながら進まないといけねぇっと事!?……マジで?…」


その際モツが考えた事と言うのは、ここがダンジョンである様な事を仮定しての

ステージギミックではないのか?と…と、そのギミックのせいで一部スキルが

使えない事を話して行き!…となるとマサツグもそんな話を聞いて更に戸惑い!…

と言うのもこれからこんな感じで異変探しをしないといけないのか?と…

まるで某・八番ライクなゲームが始まった様に感じてしまうと、思わず面倒!と

ばかりに言葉を…そして改めてその謎の光を凝視する!…


__ぼやあぁ~~……ッ…コッ…コッ…コッ…コッ…


一方でその魔法陣?も何もする事無くただぼうっと光を放ち続けて見せると、

奇妙に宙を浮遊している様な感じで漂って居り!…と、次にはモツが意を決した

様子でその光の方へと歩き始め!…それこそ逃がさないよう足早にスッと

近付いて行き!…何か思いついた様子でその光の前へと仁王立ちで立って

見せると、これにはマサツグもそんなモツの様子に当然戸惑いを隠せない!…

やはり慌てた様子で声を掛ける!…


「ッ!…あぁおいモツ!?…」


__……スッ…パアアァァンン!!!…ふぁさあああぁぁぁ!!……ッ!?…


それこそ罠かも知れない様子でマサツグが心配をするのだが、モツは御構い無しに

その光に向かって手を伸ばし!…と、モツの指先がその光にちょっとでも触れた

途端!…その光は弾ける様にして霧散して行き!…すると同時にその辺りにあった

靄と言うか霧と言うか!…とにかく色々と晴れる様にして一斉にバァッ!と退いて

行くそんな様子を露わにすると、これまたそんな仕掛けに二人が揃って戸惑う!…

しかし次には進むべき道も見つけて行く!…


「ッ!?…な!?…」


「…ッ!…ヤブ、アレ!…」


恐らく自分達の様な侵入者が入って来た時用に!…予め用意されて有った防犯

装置の様なモノなのであろうが、それでも規模が防犯の域を超えている事に

マサツグが声を!…それは言葉にならない様子でポロッと漏らし!…一方でモツも

驚いた表情を露わに!…しかし次にはふとある事に気が付いた様子でハッと

階段があった方向を見詰めると、マサツグに声を!…そして指も差して見せる!…

するとマサツグもそんなモツの様子を目にしてパッとその指差す方を振り向くと、

そこには先程まで霞み掛かっていた階段が実態となって現れたよう!…


「ッ!…か、階段が!…」


「……こっから先進むのは本当に難儀しそうだな!…」


そこには最初から隠れもして居なかった様子で巨大な階段が!…まるで某・歌劇団を

思わせる様に!…横に長く豪華な西洋造りの階段が!…赤い絨毯を敷かれた状態で

そこに堂々と鎮座するよう設置がされてあるのが見て取れると、何故これを見つける

事が出来なかったのか!?と…そんな階段を見つけた事でマサツグが戸惑った具合に

言葉を零す!…するとモツもそんなマサツグの言葉に同調するようここから先に

進むに当たって難航しそうである事を同じく零すと、その階段の先を見詰め!…


「……行くか!!…」


「ッ!…あぁ!!…」


しかしだからと言ってずっとそこで立ち止まっている訳には勿論行かず!…

次には突然の敵襲が来ても大丈夫な様に!…備えながらマサツグが先に進む事を

覚悟する様に言葉を零すと、会談に向かい歩き出す!…するとモツもその言葉に

同調よう返事をする!…そして二人は改めて二階へとそのまま進攻して行くと、

そこでまた先程同様ハッ!と…何もかもがまた同じ様な光景の様に見えてしまう

幻覚に遭い!…


「ッ!!…予想はしていたけどここもかぁ!!…

…やっぱこれってもしかして…一階層進む毎にコレ?…」


「…考えたくはないなぁ~…

…って、おいおい!!…!?…」


案の定な展開にマサツグもツッコミ!…それこそ先程のフロアでお腹一杯!と…

そして予見をするようこの先もずっと同じ展開が続くのか!?と言って!…

慌てて戸惑うそんな反応を露わにすると、モツがそのマサツグの言葉に返事!…

苦笑いをしながら脱力する!…その際カクンッ!と首から折れる様にして

チラッと床に視線を落とすと、この時若干ながら自身の背後が見えたのか?…

その目には先程まで有った筈の下りの階段の姿はもう何処にもなく!…

と、その様子にモツも途端に慌て出し!…さも逃げ道を失った様なそんな事を

漏らして行くと、マサツグもピクッと反応!…そして振り返り確認をする!…


「ッ!?…え!?…ッ!?!?…

…うわぁ!…マジかよ!…」


__…ッ!…コッ…コッ…コッ…コッ……ッ…


するとそこにはモツの言う通りに退路が塞がれたよう階段の姿は何処にもなく、

あるのは何処までも続くよう絨毯が敷かれて有る光景のみで!…何なら引き返して

先程の下りの階段を探そうともするのだが!…幾ら探してもその先程の下りの

階段は何処にもなく!…途端に踏み外す様なそんな心配が無い事を確認すると、

安堵する様な落胆する様な…とにかく何か複雑な気持ちになって行く!…

そしてそんなマサツグの様子を見て本当に無くなった事をモツも理解した様子で

呆れて見せると、言葉を口に!…


「…まぁここまで来て今更引き返す!…なんて事はしないが…

それでもこんなの見せられるとまぁいよいよな?…

オマケに何か上に上がって来た事で何か妙に空気が重い様な?…」


と言うのもまぁ本来の目的を考えるともう退路など関係無いが、しかしそれでも

こう言う事を見せられると精神的に来るモノがある!と…だがこんな事で弱音を

吐いている場合では勿論無く!…いやそれよりも気になる事が有る様子で!…

それはモツがこのフロアに来てから…何か辺りの気配が如何にも不穏なモノの様に

感じて不気味に思うと、その事を空気が重い!と…今自身の感じている感覚を

そのまま口にする!…それこそまるでここだけ重力が違う様なそんな言い方を

零して行くと、マサツグも何と無くそれを感じている様子で!…


「…そんだけ敵に近付いてるって事なんだろうけど…それでもまぁ確かに!…

…とりあえず攻略法は分かったから…油断せずに進んで行こう!…」


「ッ!…あ、あぁ…」


マサツグ的には恐らく階層が上がって行く毎に強くなる!と…と言うのもそれだけ

敵に近付いている事と考えて居り!…その際先に進む方法についても分かったから

幾分気持ち的にはまだ負担は少ない方である様に話して行くと、一切弱い所を

見せない!…寧ろここからが本番!とばかりに気を張り始める!…となるとそんな

マサツグの様子にモツも思わず戸惑った様な反応を露わにすると、心の中で異様な

マサツグの強さに感心をし!…と、やる事は一緒なのでそのまま二階を突破!…

そして三階四階と続けて行き!…その都度重力?もズシッと重いモノの様に感じて

居ると、遂に最終階層と思われる!…五階にへとマサツグ達は辿り着く!…

その際色々と疑問を感じるところではあるのだが、それよりもその五階から感じる

謎のプレッシャーにこれまた戸惑い!…


__デグレアント・ルーウェンヴェルグ城・五階…


「…こ、ここまで来たけど!!…な、何だ…これ!?…」


「…何かアレに似てる気がする!!…初めてバルデウスに会った時の様な!!…」


そのプレッシャーは今のマサツグ達にとっても強烈なモノで、マサツグは戸惑い

言葉を口に!…何ならモツも戸惑うとそのプレッシャーを初めてバルデウスと

出会った時を同じ!とばかりに語って行き!…しかしだからと言って当然ここで

引き返す訳には勿論行かず!…次には二人揃って意を決め!…その五階最後の扉!…

謁見の間と思われるフロアへ二人揃って踏み入れると、そこには物凄く寂しげな

様子が…同時に異様な何とも言えない感情にもなってしまう!…


__ガゴンッ!!…ギイイイィィィィ!!……ッ…


そこはまるで冷たい牢獄の様な、とても謁見の間と呼べる様な雰囲気の場所には

見えず!…しかしその部屋の一番奥にはちゃんと玉座が置かれて有り!…

何ならその玉座には西洋鎧を身に纏う明らかな人影が一人堂々と座っており!…

歳は40を行っているであろうか、初老の男性に見え!…そしてそんな男性は

まるでマサツグ達が来るのを待って居た様に構えており…前傾姿勢で玉座に座り!…

両肘を両膝に突いてさもゲン○ウポーズの状態でジッとマサツグ達の事を

その玉座からジッと見詰めて見せると、徐にフッと笑い!…次にはスッと

立ち上がる!…


「…漸く…漸くこの時が来たか…

…よくぞここまで来てくれた!…

私は心より君達の事を歓迎する!…」


この時玉座に座っていた男性はこの時を待っていた事を口にすると、マサツグ達が

ここに来た事を徐に感謝し出し!…その際そこで男性が両腕を広げて迎え出した事で

その男性の顔が初めて露わに!…と言うのもその男性の顔は一目見れば何故か同情を

したくなる様な…簡単に言うと疲れ切っている!…その両眼に光はなく!…まるで

全ての事柄に対して絶望し切っている様なそんな感情がヒシヒシと感じてられると、

一方でその表情は微笑む様にして笑みを!…これまた不気味さを感じてしまう!…

と、そんな恐らくゼファーと思われる人物に出迎えられた事でマサツグ達もこれまた

困惑すると、思っていたのと違う!とばかりに戸惑ってしまい!…


「…え?…」


「な、何だ?…これ!?…」


その際マサツグ達から見たそのゼファーは簡単に言うと、某・キ○ツグ!…

何か自分の人生に翻弄されそうな…それこそ魔術師を専門に殺し屋をしていそうな

そんな初老の男性に似ている様な気がすると、互いに戸惑いの言葉を!…雰囲気も

似ている事に戸惑い続ける!…それこそ今やってるゲームを間違えている様な

そんな感情を持って居ると、一方でゼファーはゆっくりとマサツグ達に近付き!…

それこそ和解を求める様なそんな雰囲気!…だがそれとは別に背後からは

どす黒い何かが!…邪悪とは違う何か負の感情の様なモノを感じてしまうと、

思わず二人はたじろぐ!…そのゼファーの独特?の雰囲気に飲まれ掛けてしまう

のであった!…

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王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

はぁ?とりあえず寝てていい?

夕凪
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嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
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 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

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蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~

月並 瑠花
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