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-第八章-

‐第八章十節 かの者の様子・其の二と突然の転移?とバレた変身!-

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さてそうして戦場は本格的にデグレアント帝都に移ろうとしている一方、この事態に

デグレアント側は然程慌てている様子を見せず!…と言うのも慌てているのは現場で

戦っている兵士達だけであって、その兵士達の上の立場!…ゼファー将軍ハドン王子ダグレスと言った

面々は然程気にする様子もなく!…ただ淡々と自分の事だけを熟す様子を見せて居た!…

その際ゼファーは未だ姿を現す事無く先程の放送だけで余裕の様子を見せて行くと、将軍ハドン

自軍の不甲斐なさに怒りと情けなさを感じ続け!…王子ダグレスに至っては未だこの状況だと

言うにも関わらず結婚の準備を進めており!…当然こんな連中の様子に魔王軍の

面々も可笑しい!と…改めて異常である事を認識して行き!…早期決着を目指す事を

心に誓うと、攻めの姿勢を貫いて見せる!…


と、言った所で今現在!…そんな異常としか思えない様子を見せるデグレアントに

攫われたリーナはと言うと、遂に時間がやって来たのか侍女が部屋にやって来るなり

リーナへ移動を促し!…


__コンコンッ…失礼いたします…ガチャッ…


「…リーナ様…漸く移動の目途が立ちましたのでご移動の程、お願いいたします…

尚敵はリーナ様の御身を狙って居る様子…くれぐれもご注意くださいませ…」


その際事前の移動の話が出て来てからこうして実際に移動するまでに約2~3時間を

空白が空き!…その理由についても今が戦争中である事!…確実に魔王軍が原因で

あるよう侍女がリーナに話しをすると、さも安全が確保出来た様な!…それから

まるでリーナの命が狙われている様なそんな言い方までして見せる!…それこそ

細心の注意を払うようリーナに忠告を口にするが、一方のリーナはそんな侍女の話を

聞いても何故か無気力気味で…


__……ッ…コッ…コッ…コッ…コッ…


一応その侍女の言う事には反応を示す様子を見せるが、一方で一斉返事はなく

その表情も虚ろげであり…何なら今の状況を悲観視する様にも見受けられ!…

しかしそれでも言う事は聞く様に!…リーナはゆっくりと歩き出し!…侍女の

元へと歩いて行くと、そのまま部屋を後にして侍女の案内に従う!…そして

ダグレスとの結婚式場へと向かって行く!…それは傍から見ると宛ら操られて

いる様にも見えるのだが、侍女は勿論!…周りの誰もそんなリーナの様子など

一切気にする様子はなく!…


__コッ…コッ…コッ…コッ…ッ!……ッ…


ただそれでも何か哀れみと言うか何と言うのか…見て見ぬ振りでリーナをチラ見し

て行き!…だがまるでそれだけが唯一出来る!…彼女への選別であるようすれ違う

者達がリーナに同情の視線を向けて行くと、次には何も言わずにそのままその場を

立ち去る!…そして自分とは無関係である様に振舞って見せる!…そうしてそんな

彼ら彼女らの視線を浴びつつ何度も階段を下って行くと、遂にリーナは城の外へと

出て来る事が叶うのだが…


__コッ…コッ…コッ…コッ……ッ…


ふと外に出て来た所で空を見上げるとそこには雲一つない青空が広がっており、

しかしそんな空模様とは打って変わってリーナの心は沈み切ってしまい!…

と言うのもその空はまるでダグレスを祝福しているかの様に感じられ!…

逆に自分は天に見捨てられたかの様な…運命を呪う様に負の感情だけを抱く事に

なってしまうと、今すぐにでも舌を噛んで自害したい気分になる!…だがそれを

良しとしない物がこの時有り!…次にはリーナの視線はその[]にへと

向けられて行く!…


__…チラッ…


この時リーナの視線は自身の胸元へと向いて居り!…そこには何か金の細工が

されてある小さな紫の水晶のチャームが有ると、リーナの首に向けてチェーンが

スッと伸びており!…と言うのもそれは物としては綺麗な首飾りの様にも見える

のだが、歴とした隷属アイテムで!…これには対となるアイテムが有り!…

そのアイテムを持つ者に命令をされると、その命令に追従させられ!…もはや

奴隷へとなり下がってしまう!…そして更に厄介な事がその首飾りにリーナが

触れる事は出来ない事で、となると当然外す事も叶わない訳で!…勿論リーナが

触れられないだけで他の者なら触れる事が出来るのだが、勿論そんな事をすれば

如何なるかは分かっており!…誰からも助けて貰えず!…結果今日まで大人しく

している事しか出来なかった事をその首飾りを見ながら思い出すと、一方でそんな

リーナの事など御構い無しに侍女が目の前を指差し!…


「…さぁ、リーナ様…ご移動を…」


__……。


その侍女が指差す方には豪華に装飾された馬車が一台!…そして足元にはレッド

カーペットが敷かれて有り!…それに沿って進むよう侍女が案内を口にすると、

その首飾りを着けられている以上リーナは従うしか…静かにその馬車に向かい

歩いて行く!…そして抵抗する事無くスッと馬車に乗り込むと、馬車は城を離れて

結婚式場へと向かい!…城下では未だ戦闘が繰り広げられている音だけが聞こえて

来て!…その音を耳にリーナは遠い目を!…せめてマサツグが生き残る事だけを

静かに願うと、スッと目を閉じてしまう!…


さてそうして本当に色々と時間が押して来ている中!…マサツグとモツ達は

と言うと、未だ謎の猫の目の様な水晶玉に追われながらも!…何とか2つ目の

聖堂へと到着する事に成功すると、遠目ながらに確認!…しかし空振りに

終わってしまう!…


__…バババッ!!!…ズダダダダダダダ!!!……チラァ?…


「何かそれらしい物は有るか!?…」


「…いや、無い!!…

ここもあのバルディアナの居た所と似た様な感じだぁ!!…」


それこそ現在進行形で猫の目に追われながらチラッと二人で確認をするが、

そこに在るのは下の聖堂と似た様な景観で!…石畳の舗装された道に青々と

茂る草木の様子!…噴水も静かに水を噴き出し!…流れる水の音がまるで

川のせせらぎの様に聞こえて来ると、余計にその頭の上で鳴り響く警告音が

鬱陶しく感じる!…しかし相手にしない方向で先を急ぐ!…その際そのまま

走り抜けて最後の聖堂を目指そうとするが、それは突如目の前で異変が起き!…


__バシュンッ!!!…ヴウゥン!!!…


「ッ!?…え!?…ちょ!?…」


__ヴウゥン!!!…ヴウゥン!!!……ッ…


と言うのもそのまま走り抜けようとした瞬間、目の前に突如ポータルの様な闇が!…

例えるなら某・FPSのレ○スの能力だろうか?…そのキャラがまるで虚空の道を

作った様な…次元の裂け目が突如目の前に現れて!…避ける事が困難になると、

結果止まる事が出来ずにそのまま突っ込み!…二人揃って訳の分からない知らない

場所へと転移する!…その際利点としては入った直後に直ぐに入り口を閉じられた

せいか、猫の目の追跡を振り切る事に成功し!…しかしこれまた別の窮地に

追い込まれた事に変わりはなく!…


__……ヴウゥン!!!…ヴウゥン!!!……ッ!!…


そのポータルの様な闇?の出口から出て来るとそこは聖堂の中であろうか?…

荘厳で神聖な雰囲気が辺りを包み!…教会とかで見る長い木製のベンチに!…

宣教台とパイプオルガンが奥の方に置かれて有る!…更には巨大なステンド

グラスも飾られて有る様子が見受けられると、一方のマサツグ!…

まずポータルから出て来るなり先程の言葉の続きか、急ブレーキを掛ける体勢で

待って!と叫ぶ…


「待ってええぇぇぇ!!!…って!!…もう遅いかぁ!?…」


「ッ!?…ッ!?…こ、ここは!?…」


が、目の前の光景が変わった事でもう遅い!と、自分でも爆速で理解をして行き!…

すると次にはツンのめって転びそうになって居ると、続けてモツもポータルから

バッ!と姿を現し…と、目の前の光景が変わっている事でやはり慌て!…それこそ

あのポータル内では時間が止まっているらしく、出て来るなり二人揃ってまるで

瞬間移動をした様な気分になり!…とは行かず、勿論ここは何処だ!?と…

辺りを見回し状況を確認!…一体何が起きたのか?…そこだけは理解が出来ていない

様子を露わにすると、そんな二人に声を掛けるよう老人の声が!…


「…やれやれ…バルディアナの小娘は…

このお二方を取り逃がしおったか…いや僥倖僥倖!…」


「ッ!?…誰だ!!…」


それはまるで呆れる様にバルディアナの事を口にすると、二人を知って居る様に

逃がした事も漏らし!…となるとそんな声が聞こえて来た事で二人も戸惑い!…

途端に臨戦態勢を整え!…その声の主の姿を急ぎ探そうとするのだが、その姿は

何処を見回して何処にもない!…更に不気味さを掻き立たせる!…そしてその

聖堂の中で声だけの相手と言うのに何かホラー的なモノを感じて居ると、次には

二人の目の前に!…と言う訳では無いのだが離れた位置にスッと…


__ヴウゥン!!…ッ!?……コッ…コッ…コッ…コッ…


「…ようこそ我が聖堂へ!…

こうしてお会いになるのはドワーフファミリア以来ですかな?…」


「ッ!?…ア、アンタは!!……ッ…」


宣教台の前に影だけの姿を現し!…そこから徐々にマサツグ達へ近付くよう

歩いて見せると、次には不思議とその影に色が付き出す!…そしてそれが

ローブを身に纏った老人の姿である事を確認する!…その際老人はやはり

マサツグ達の事を知っている様子で、一度会った事が有る具合に言葉を口に!…

と、この時ここが自身の管理する聖堂である事も同時に話し!…

一方でそんな話をされた事で二人は更に戸惑い!…だがその老人に見覚えが

あるのは事実で!…名前は思い出せないもののさも知っている様子で驚く

そんな素振りを見せると、老人はそんな二人を見透かしてか自己紹介をし始め!…


「…私の名はヴァンドルイド!…

「ヴァンドルイド・オーガス・デグレアント」!…

僭越ながらデグレアント帝国・四大魔術師士団…

土の魔術師部隊団長を勤めさせて頂いております!…」


「…ッ!!…そうだ!!…そんな名前!!…って、あっ…」


この時初めて出会った時同様、紳士の様に礼儀正しく会釈をし!…そして自身が

デグレアント帝国でも重要ポスト!…土の魔術師部隊団長を務める重臣である事

等を口にすると、二人もその自己紹介を聞いてやっと記憶に結び付いたのか!…

ハッとした表情を浮かべて見せる!…そして思わずマサツグが露骨に思い出した

様なそんな反応を露わにすると、次にはその自身の態度と言うか様子にやって

しまった!と気が付き…


「思い出して頂けた様で何よりでございます!…

…さて…そんなあなた方をここにお呼びしたのも他でもない…

私自身で御座います!…」


__ッ!!…チャキッ!!!……ッ?


が、だからと言ってマサツグの事を怒る様な事は無く!…あくまでも紳士的に

振舞って見せ!…笑う様にして二人に言葉を続けて掛けて行くと、ここに

呼んだのは自分!と…更に先程のポータルの事についても話しをする!…

となるとその話を途端に聞かされた事で二人もピクッと反応をすると、今度は

反射的に身構えて見せるのだが!…しかしここで如何でも良い疑問がふと

マサツグの頭を過り!…と言うのも次には質問を!…


「…あれ?…アンタァ…くまさんと面識…

…って言うか…何で俺がマサツグって?…」


それはと看破した事で、マサツグは今自分は

くまさんの見た目の筈!と…それこそくまさんとの面識から疑い始め!…何故自分が

マサツグだとバレたのか?について直球に質問をして行くと、ヴァンドルイドも

その質問をされた事でえっ?と戸惑い!…次には可笑しな質問をされた様に返事を

する!…その際冗談か?と思いフフフッ!とマサツグに笑って見せると、今自分に

見えているマサツグの姿を話し始め!…


「…ッ?…ご冗談を!…

何処を如何見てもそのお姿はマサツグ様では御座いませんか!…

…ツンツン頭にキリッとされたお顔!…

細身で有りながらもしっかりとした筋肉に溢れ出る強者のオーラ!…

これを見間違えよう筈が!…」


と、それはマサツグを見た者ならそう答えそうな特徴であり!…では余計に何故

くまさんの姿でそれら特徴が見えるのか?と…余計にマサツグが悩む様なそんな

反応を露わにすると、モツも同じく疑問を持った様子!…となるとチラッと

マサツグの方へ視線を向け!…そこでヴァンドルイドの言う通り!…その特徴の

ままのマサツグの姿を目にすると、モツもそれに気が付くなり慌ててマサツグに

声を掛け!…


「…ッ?…ツンツン頭にキリッと…って、ヤブゥ!?…」


「ッ!?…な、何!?……ッ!…って、えええぇぇぇ~~~!!!!」


それこそ驚いた様子でマサツグを呼び!…突如驚いた様子で呼ぶモツにマサツグも

釣られて驚く反応を露わにすると、ここで自身の体の異変に気が付く!…と言うのも

元の姿に戻っている事に気が付いてしまう!…その際自身の体を見回して本当に

変身が解けている事に叫んで見せると、変身が解けた事に勿論困った様子を見せ!…

となると一方でそんな様子にヴァンドルイドも思わず更に驚き!…何

か気になった様なそんな反応を露わに!…しかし二人はそれ所ではなく!…

さも封印が解かれてしまった様なそんな反応を見せて行くと、モツが気になった事を

口にし!…


「…な、なぁ?…これって?…」


「………。」


と言うのもやはり様子で有り!…マサツグに尋ねるようこの変身が

解けてしまった事について質問をすると、マサツグは冷や汗を掻きながら動揺し

硬直!…現実を受け入れられて居ない様子で無言になる!…そしてそんな様子を

見せる二人に未だ戸惑うヴァンドルイドはと言うと、こちらもこちらでその二人に

対しての反応に困り!…それは何とも声を掛け難い様な!…何か不味い事になった?

と言う事だけを理解して行き!…一方でモツがもう一度マサツグを呼び出し!…


「…ヤ、ヤブ?…」


「…かなぁり不味い事になってるかもしれん!…」


「ッ!?…あ、あぁ~……」


何ならまるで意識が有るかどうかを確かめる様に!…マサツグの顔を覗き込み!…

その反応も確認するよう改めて返事が欲しい様子を見せて行くと、マサツグも漸く

ピクッと反応!…次には表情そのままに返事をする!…それは変身が解けた事に

対してヤバい!と慌てながら口にすると、その返答が聞けただけでモツも直ぐに

理解が出来た様子で!…その際思わず全てを察した様に言葉を零し!…一方で

置いてけぼりのヴァンドルイド!…何が何だか分からず!…しかしよそ様の事情に

首を突っ込むのはこれまた失礼!と考えると、とにかくもの言いたげな様子で

二人を見詰める!…敵側にしては何とも不可解なそんな態度を露わにする!…


さてそうしてマサツグの変身が解けてしまったと言う事は、勿論その変身元である

くまさんの身にも異変が起き!…


「……ッ!!…」


__ぼふぅん!!!…ッ!?……もっさぁ~!!…ッ!?!?!……


この時くまさんも何か異変に気が付いた様子でピクッと反応、しかし気が付いた

所で如何にも出来ず!…と、そのまま変身が解けてしまい!…まるで漫画の

ワンシーンの様な煙を立てて元のモコモコのツキノワグマの姿に戻ってしまうと、

当然そんなマサツグ?の異変にフェンリル一家もビクッ!と…そしてマサツグの

姿がくまさんに変わった事で驚いて見せる!…何ならシロ・ハク・グレイスと

三人揃って同じ表情でくまさんの事を見詰めて行くと、ギョッ!と目を見開き…

それこそシロとしても堪らず驚きを隠せない様子で言葉を漏らし!…


「ッ!?…え!?…えぇ!?…」


__………。


一方のくまさんは変身が解けた事に全く動じず!…いや変身が解けた事には気付いて

いるが、この後如何したら良いのか分からず!…ただ大人しく玉座に座り続け!…

何とも居た堪れない気持ちで如何しよう?と心の内で焦って戸惑い続けて居ると、

当然次にはシロやハクから質問の嵐!…特にマサツグの事について尋ねられる!…

それこそ血相を変えて慌てた表情をパッと見せると、シロがくまさんにズイッと

迫って行き!…


「く、くまお祖母ちゃん!?…な、なんで!?…」


__プイッ!…プイッ!…ッ~~~~!!!…


何でマサツグの姿からくまさんに!?と…化けていた?…だとしてもその理由が

分からない様子でシロが戸惑い慌てながら訪ねて行くと、ズイッと迫って来る

シロの顔にくまさんも逃げる様にして顔を背け!…その際見るからに慌てて居る

様子がハッキリと伺え!…何なら質問に対しても返事も思い付かない様子!…

ただ逃げる様子だけをさも往生際が悪い様に!…とにかく時間稼ぎをする様な

そんな素振りを見せて居ると、同じくその事でハクがグレイスの膝の上で驚き

戸惑い!…


「く、くまさんが先生に!?……ッ!…

あ、あれ?…じゃ、じゃあ…先生は?…」


「ッ!?…く、くまお祖母ちゃん!!…

ご主人様は!?…ご主人様は!!!…」


勿論何故こんな事になっているのか?と…と、考える一方で更にここで疑問が

一つ!…と言うのもここに居たのはマサツグに化けたくまさんで有り!…

ではその本物のマサツグは何処に行ったのか?と言う…至極当然な疑問が

ふとハクの頭を過って行くと、次にはその事をポロッと口に!…となると

その言葉で更にシロがハッとし出す!…それこそ更にくまさんを逃がさないよう

ズイッと迫って質問をすると、くまさんも更に顔を上に向けては必死に抵抗!…


__プイッ!…ッ~~~~!!!…ガッシ!!…ッ!!…ムイッ!!…


「ご主人様は何処に言ったのですか!!!…」


が、それも結局は無駄な抵抗となって行き!…次にはシロがスッとくまさんの

両頬に向かって手を伸ばし!…自身と目を合わせる様にグイッと無理やり

引っ張って目を合わせて行くと、シロは再度マサツグの居場所について質問を!…

今度は必死具合を露わにする!…するとそんなシロの視線を見てくまさんも

更に居た堪れない気持ちになってしまうと、次にはその様子にシルビィが慌てて

助けに入り!…


「シ、シロ様!!…落ち着きくださいませ!!…」


「ッ!!…じゃあシルビィお姉ちゃんはご主人様の居場所を知ってるですか!?」


「ッ!!…そ、それはぁ……」


とにかく落ち着かせる様に言葉を口に!…その際一旦くまさんから引き離そうと

手を差し込み!…そのまま行動でも落ち着かせに掛かろうとするのだが、今度は

そのシロの矛先はシルビィに!…同じくマサツグの居場所について質問をし出す!…

と言うのもあの時トイレから戻って来てずっとくまさんと一緒であった事から、

シロの疑いはシルビィにも向けられ!…となるとそんな疑いを向けられた事で

思わずシルビィも怯んでしまい!…何ならその答えも知って居る訳で!…

二回に分けて意味深な戸惑う反応を見せてしまうと、当然シロはシルビィにも

噛み付く!…同じ質問を口にする!…


「ッ!!…知ってるって事ですね!!…

…シルビィお姉ちゃん!!…ご主人様は何処!!!…」


「ッ!?…ッ…ッ~~~…」


当然シルビィの反応から見て何か知って居る事を悟って行くと、次には焦って

いる事から当りが強く!…だが決して怪我をさせる様な事は起きず!…しかし

シロはシルビィに迫り!…必死に教えて欲しい!とばかりに縋り付くそんな

反応を露わにすると、シルビィもシルビィでそんなシロの様子に苦悩!…

まるで過去にあった自身の記憶と重ねてしまう!…そして答えるか答えないで

いるか?と悩んで見せると、一方でハクが冷静に事を考えてはマサツグの位置を

推測し出し!…


「……ッ!…くまさんが先生になって居たって事はその逆も!…」


「ッ!…え?…」


と言うのも戦場に飛び出して行ったくまさんが実はマサツグ!と閃き始め!…

となるとその話を聞いてシロも途端にピクッと反応をして見せ!…次には一体

如何言う事?と…チラッと困惑の表情を向けると、更に戸惑いの言葉を口に!…

そしてジッとハクの居る方を見詰めて行く!…するとその視線に対してハクも

チラッと視線を向けると、更に一体如何言う意味なのか?をシロに説明し始め!…


「ほら、モツお兄様がくまさんを追い駆けて行った時!…

モツお兄様が追い駆けて行ったのは実は本当は先生で!…」


__ッ!!…ババッ!!…チラッ!!…チラッ!!…


それは至ってシンプルで至極当然な考え方で!…ただ単純に姿形が入れ替わった

だけ!と…あの戦場に飛び出して行ったくまさんの時点で、マサツグとくまさんが

既に姿が入れ替えていた事をハクが冷静にシロへ話すと、シロもそれを理解した

様子で次にはハッ!と…突如戦場の方に視線を向ける!…だがそこにはくまさんの

姿も無ければモツの姿も無くなっており、何なら先程まで宙に映っていた二人の

逃走映像も消えて無くなり!…となるとシロとしても更に不安が加速して行き!…


「…何処にもくまお祖母ちゃん!!…ッ!…じゃなかった!…

ご主人様の姿が無いです!!……ッ…ごしゅじんさまぁ~…」


__ッ!…ッ…ッ~~~…


それこそ先程まで何ともなかったのが嘘の様に!…マサツグが居なくなった事実で

途端にしおしお…項垂れる様にしてくまさんの膝の上にシロがぺたんと落ち着いて

行くと、その様子にくまさんとシルビィも罪悪感!…如何声を掛けたら良いのか

分からなくなる!…そうしてとにかくマサツグ達が無事である事を祈る様子を見せて

居る一方!…肝心のシロを騙くらかした主犯であるマサツグ達はと言うと!…


「…ここまで来て退く訳にはもう行かねぇ!!…

…てかアンタに様は無いんだ!!…

悪いが力尽くでも通して貰う!!…」


変身が解けてしまった事にクヨクヨせず!…寧ろ開き直って再度先を急ぐ事を

決めて行くと、まずは目の前のヴァンドルイドに集中!…敵意を露わにして

見せる!…それこそ邪魔をするなら!と警告の言葉を口にすると、直ぐに武器を

抜ける様に身構え始め!…が、肝心のヴァンドルイドはそんなマサツグ達に

敵意は無く!…次には身構えるマサツグ達に慌てて見せ!…ここに呼んだ用件を

口にし出す!…


「ッ!…い、いえいえ!!…

貴方様方をここにお呼びしたのは別に争い合っての事では御座いません!!…

…言うなれば少しお話をと思いまして…」


「ッ!…話し?…」


何でもヴァンドルイドが言うにはマサツグ達と一旦話をしたいらしく、それで

ここに呼んだ事を話し始め!…となるとそんな話をされた事で思わず内容が

気になってしまい!…それこそ急ぐ身では有るのだが!…しかしそれでも何か

ヴァンドルイドから悪い気の様なモノが感じられないで居ると、不思議と

信用が出来てしまう!…すると次には自然とその話を聞く様にモツが返事を

返してしまう!…だが一応と言った様子で直ぐに武器を抜ける体勢だけは

取っておくと、ヴァンドルイドもそんな二人の事など構わず話をし始め!…


「ッ!…はい!……勿論今が戦争中であると言う事!…

そしてお二方がお急ぎになられている理由も重々承知!!…

…ですがそれでも!…それでもこの話だけは!!…

…他でも御座いません!…話しと言うのは…

この国の城主様で在らせます…ゼファー様の事についてで御座います!…」


「ッ!!…ッ…」


この時モツが返事をしてくれた事に感謝をするよう!…若干笑みを浮かべて

ヴァンドルイドが会釈をして行き!…そして改めて二人が忙しい事!…

更にはこの戦争に置いて二人が如何言った立場で有るのか?も重々承知して

いる事を!…さも申し訳なさそうに話して行くと、いざ話の内容を口に!…

と言うのも城主についての話と言う!…となるとそんなヴァンドルイドの

話しに当然二人もハッとすると、ジッとヴァンドルイドを見詰め!…


「…ゼファー様はこの城にて産れ…

今こうして王となりこの地を統治しておいでで御座います!…

…しかしその裏には悲しい過去が…」


「ッ!…先に行っておくがその話で泣き落としってのは無しだぜ?…

そもそもこの喧嘩はそっちから仕掛けて来たもんだからな?…」


するとヴァンドルイドはそのゼファーの身の上話だろうか?…幼い頃から

ゼファーの事を知っている様子で話しをし出し、その過去に何か秘密が

ある様な事を続けようとするのだが!…しかしそれを良しとしない様子で

次には茶々を!…マサツグがその手は通じない!とばかりに!…この戦争の

きっかけをヴァンドルイドに指摘すると、ヴァンドルイドもそれを言われた事で

思わず一旦固まる!…しかし次には分かっている様子で話しを続ける!…


「ッ!…ッ…勿論で御座います!…ですが、しばしのご辛抱を!…」


「ッ!…ッ…」


それは勿論と言ってマサツグ達に恐縮すると、今は黙って聞いて欲しい事を口に!…

その際別に怒るとかそう言った態度を見せる様子は無いのだが、しかしそれでも

自分の事の様に!…とにかく聞いて欲しい旨を見せて行き!…そんな必死な様子を

見せるヴァンドルイドに!…マサツグも思わず反省をする様なそんな反応をピクッと

見せると、次には黙って話を聞く!…ヴァンドルイドによるゼファーの身の上話を

聞く事になるのであった!…


尚この時と並行して玉座の方でも更なる火種が燃えようとすると、不穏な空気が

流れ始め!…と言うモノ言わずもながそれは白いお子様の事を指しており!…

その際罪悪感を感じつつも!…それでもくまさんとシルビィがそのお子様の動きに

警戒をする様子を見せて行くと、一方のお子様はこの時まだ大人しい様子を!…

しかし確実に何かやらかしそうな雰囲気を!…ジワジワと滲ませて行くので

あった!…

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目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

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