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-第八章-

-第八章三節 将軍の退却?とリアル?な戦争と動き出す戦況!…-

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さてくまさんの姿をしたマサツグが一人帝都への侵入を果たすのだが、ここで

ほんの少しだけ時間は遡り!…と言うのもこの出来事がきっかけで更に戦場は

荒れる事に!…その立役者となるのが敵軍の将軍のハドンであり、敵に帝都への

侵入を許した!…更には自身を踏み台にした事等に対して当然怒りを露わに

すると、その侵入したマサツグを追い掛ける事を決めるのだが!…結果として

トンデモナイ動きを見せる事となって行く!…何故なら戦闘中に指揮官が消える

と言う事は、誰も指揮が出来る者が居ないと言う事で!…


「ハ、ハドン将軍!!…ご無事で!?…」


「ッ~~!!!…クッ!!…」


この時敵に踏み台にされた将軍を見て当然とばかりに一同騒然!…普通なら

考えられない出来事であり!…側近の兵士達の内一人が慌てながらもハドンの

心配をして行くと、ハドンの次には顔を押さえながら動きを!…必死に痛みに

堪える様子を露わにする!…その際そのハドンの顔には思いっきり力を込めて

踏んだであろう足跡がクッキリと残っており、とても滑稽に見えるもので!…

だがそれを見ても誰一人笑い出す事は無く!…何故ならここで笑えば勿論後が

怖いからで!…とにかく気付いていない様子で戸惑い慌て!…今戦争所では

無い様なそんな様子を見せて居ると、そこにグラトニアとモツが突っ込んで来る!…

それはマサツグを追っている様子で駆け抜けて行く!…


__バシュンッ!!…シュタタタタタタタ!!!…


「…ッ!…なるほどね?…中々に面白い事を!…

…じゃあその隙に!!…」


それはチラッとだが脇を通る様にグラトニアがハドンの様子を目にして行くと、

直ぐに何が有ったのか?を察して行き!…と、その様子を見て同情など一切せずに

ざまぁみろ!とばかりに…それこそ嬉々としてニヤッと笑い!…さも面白いものが

見れた!と言葉を残して戦車の方へと向かい駆けて行くと、先に通り抜けて行った

マサツグと同様!…その止まって居る戦車を足場にする!…そして後続のモツも

その様子を見て呆れる様子を見せて行くと、この時既に面倒事になる予感を感じ!…


「…はあぁ~…ったく!…相変わらずだが…

それに付き合う身になれってんだ!…」


__バシュンッ!!…シュタタタタタタタ!!!…


恐らくモツとしてもこの後の展開がスッと読めてしまったのだろう!…ハドンの

様子を見て思わず溜息を吐き出し!…またこの展開か!とばかりに足早に脇を

駆け抜けて見せると、三度同じく戦車を足場に!…そして帝都への侵入を成して

見せる!…この時点で三人目の侵入を許してしまい、一方でそれに気が付いて

いるのか?…ハドンとしてもいつまでもずっと怯んでいる訳には当然行かず!…

その身をプルプルと震わせ!…肩で呼吸をするよう大きく唸り声をあげて行くと、

勿論怒りを露わにし!…


「……ッ!!…ンン!!…ンンン!!!…ンンンン~~~~~!!!!…」


__どよぉ!?…ザワザワ!!…ザワザワ!!…


「ッ~~~!!!…お…おのれえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!…

…フゥ~~!!…フゥ~~!!」


宛らまるで噴火直前の火山を目の前で見て居る様な!…誰もが後退りをして大いに

戸惑い!…今すぐにもでここから離れたい!と言ったそんな様子を見せて居ると、

これまた当然次には噴火!…将軍が天を仰ぐ様に吠えて見せる!…そして先程の事を

根に持つよう辺りを見回しその者の姿を探して行くと、その顔はギンギンに目を

血走らせ殺気を放ち!…と、次にはその周りに居る兵士達に八つ当たりをするよう…

その者が何処に行ったのか?を尋ね始め!…


__ギンッ!!…ギンッ!!…ッ!?…


「おい!!!…先程の大うつけは何処に行ったぁ!!!」


「ッ!?…ヒッ!!…ッ……ッ!!…

お、恐らくは帝都に!!…あの鉄の馬車に見慣れぬ足跡が!!…」


相当頭に来ている様子でハドンは吠え!…その際マサツグの事を大うつけ!と…

自分の手で始末しないと気が済まない!と言ったそんな激昂振りを露わにすると、

勿論そんなハドンの激昂振りに兵士達は委縮!…恐怖に染まった表情を浮かべて

見せる!…そして慌てて辺りを見回しマサツグを探す様な素振りを見せ始めると、

そこで戦車に足跡が残っているのを見つけて行き!…となるとその足跡を目で

追って予測を立て出し!…敵は帝都に侵入した!と報告を…するとハドンも

その様子を同じく見つけて驚き戸惑い!…更に怒りの様子を露わに!…


「ッ!?…何、帝都だとおおおぉぉぉ!!!…

貴様が居ながらその大うつけの侵攻を止められなかったと言うのか!?…」


何の為に帝都へ侵入したのか?が分からないが!…それでも陣を築いている

我々が居ながら!…誰一人としてそのマサツグの侵入を止められたのか!?と

兵士達に怒りの問い掛けをして行くと、兵士達はビクッとしては俯き沈黙!…

何なら目で追うばかりで動けなかった様子を露わにする!…それこそまるで

宿題を忘れて来た子供の様に先生ハドンの前で直立すると、一切の返事をせず!…


__ッ!!…ッ…ッ~~~…


「ッ~~~!!!…不甲斐ない!!…不甲斐なさ過ぎる!!!…

これでよくも栄光あるデグレアント軍を名乗れたものだなぁ!!!!」


__ッ!?…ッ~~~……


となると更にハドンは怒り呆れ始め!…ハドンが嘆く様なそんな態度を露わに

すると、ただただ罵倒を!…自分の部下で有りながら情けない!と…とにかく

叱責するようパワハラの言葉を口にすると、兵士達としても反論が出来ないまま

黙ってその言葉を耳にし続ける!…部隊全体の士気が下がる!…だがいつまでも

そうして叱責をしている場合では当然無く!…ハドンもそんな兵士達を目に

しながら次に行動を考え始め!…


「…クッ!!…しかしこのまま侵入者を放置するのは不味い!!…

…止むを得まい!!…少数派ワシと共に帝都に!!…

残りはあの忌々しい手勢を殲滅せい!!!……良いなぁ!!!」


ここでハドンが取った行動と言うのはマサツグの追跡!…だが当然全部隊で

追い掛ける訳には勿論行かず!…自身を含む少数気鋭で一度帝都に戻る事を

決めて行くと、同時に残りは魔王軍を何とかしろ!と…まるで根性論を

口にする!…その際もっと簡単に言うと具体的な作戦等はこれと言って無く!…

ただ殲滅しろ!と無茶振りをされただけで!…しかしそんな命令であっても

聞かねばならないのが兵士達であって!…要は死んでも守れ!と言われた様な…

絶望しか無い表情で各々がその命令に対して無言ながらに返事をすると、

ハドンも直ぐに編成に掛かり!…


「…フンッ!!…よし、では貴様達はワシと共に帝都へ侵入した賊の征伐!!…

…貴様はあの陰険な魔術師に言って早くこの鉄の馬車を撤去させるよう!!…

行って来るのだ!!…

…これ以上ここに置いといて帝都への進入路にする訳には行かん!!…

いいか!!!…これ以上の失態は許されん!!!…何としてでも!!!…

奴らを打ち倒し!!!…我々が唯一無二である事を証明するのだ!!!!」


自身が率いる部隊の内、一個小隊約3~40人に付いて来るよう指示!…

更には漸く動かす気になったのか!…戦車部隊の指揮者と思われる魔術師に

戦車を動かして行く様に一人の兵士に伝言を噛ませて行くと、文句を口に!…

やはりプライドを滲ませて見せる!…それは邪魔!とばかりに文句を零すと、

次にはその場に居る兵士達に檄を飛ばし!…と言ってもやはり脅しに近く!…

だがそれを聞いて兵士達も顔色を変え始め!…何か鬼気迫るモノを感じさせると、

次には魔王軍と向き合い!…


__ッ!!…ッ…ッ~~~~!!!…


「ッ!!…何か様子が変わった!?…全員警戒しろおぉ!!!」


それはまるで遂に死を覚悟した様に!…全部魔王軍のせい!と…怒りの矛先を

魔王軍に向けるよう武器を手に突撃の構えを露わにすると、前線で壁を築く

魔王軍の騎士達もその異変に気が付く!…となると途端に周りに注意を促すよう

言葉を叫ぶ!…するとその言葉を聞いて遊撃職・魔法職・弓兵・補助職と言った

面々が途端に慣れた様子で同じく身構え始めて行くと、遂には全面衝突と化し!…


__…ッ…ウ…ウオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォ!!!!…


「ッ!!…来たぞ!!!…ッ~~~!!!…

全員踏ん張れえええぇぇぇぇ!!!…根性見せんぞオオオォォォォ!!!!」


__オオオオオオオオオォォォォォォォォォォォ!!!!…


意を決して遂にデグレアント軍全軍突撃!…勝つか負けるかなど関係無し!…

ただ突貫して行く事に意味があるようぶつかって行くと、魔王軍の騎士達も

突破されないよう腰を落とす!…そして号令を掛ける様にその場で勇ましく

吠えて行くと、一斉にシールドバッシュで牽制をして行き!…だがそれでも

デグレアント側はそれで吹き飛ばされ様とも一切怯まず!…次々に物量で

突貫して行き!…騎士達もキャパオーバーで数人取り逃す事になって行くと、

取り逃したデグレアントは未だ突貫!…それこそ玉座目掛けて駆けて行く!…

しかし当然それを良しとしないのが第二・第三の壁で有り!…やって来た

兵士達は敢え無く!…


「ッ!?…こっちガン無視で通れると思うな!!」


__バッ!!…ザシュンッ!!!……ッ!!…ッ…ドサァ!!…


「…ッ…初めてだぞ!…こんなにも戦い辛いと思う合戦は!…」


遊撃職の面々に追い付かれては呆気なく一太刀!…或いは魔法職の面々によって

簡単にあしらわれるよう魔法でそのまま迎撃されると、苦悶の表情を浮かべて

その場に倒れ!…と、その際その兵士を始末した側としても如何にもやるせない!…

確かに向かって来たから斬った!…だが相手が無抵抗にただ自分が生き残る為に

向かって来た者だと言う事が感じられると、よりこの戦争をリアルに感じて

しまう!…いつものきままな山賊狩りとは違ったモノを感じて行く!…

そして何ともそう言った戦い難さを覚えつつもデグレアントの兵士達を押して

行くと、次に動き出すはあのティ○ガー戦車の様なモノで!…


__ブロロロロロ!!!…ッ!?…


「せ、戦車が動き出したぞぉ!!!…魔法職!!!…

履帯を狙ってまずは動きを!!!…」


__ウィー、ガションッ!!…ズドンッ!!…


それこそ更に戦場を苛烈にする様に!…魔王軍に向かいまずは戦車が前進して

行き、同時に砲身は既に魔王軍の前線に狙いを定め!…となると遂に戦車隊が

動き出した事で各々慌て!…一体如何程のモノなのか!?と、色々と疑問や

焦りを覚えつつ!…前線の騎士達がまたもや味方達に危険が迫っている事を

伝えて行くと、更には助言も口に!…だがそれも許さない様子でズドン!と…

次には砲弾が放たれて行く!…すると砲弾は当然にもその盾を構える騎士達に

向かい飛んで行くと、無情の一撃となってやはり大穴を開ける事となってしまい!…


__ヒュンッ!!…ドワアアアアアアァァァァァ!!!!…


「ッ~~~!!!…グッ!!…な、何だよ!…コレェ!!」


「わ、分かってはいたけど!!…ヤバいな!!!」


だが一撃で戦闘不能とまでは行かない様子で、そこは屈強な騎士達で有り!…

しかしその威力は間違い無く本物であって!…厳つい甲冑に身を包んだ騎士達は

宙を舞い!…その衝撃で気絶する者まで現れる事態となってしまうと、戦車に

戦々恐々!…ここで初めてやっと命の危機と言うモノを感じて行く!…

だがそれでも勝利を信じてこちらも引かない姿勢を露わにすると、その様子に

黙って居ない者達が現れ!…


__キュラキュラキュラキュラキュラキュラ!!!…ポゴォン!!……カンッ!!…


「ッ!!…あ、あれは!!」


と言うのも面々の窮地を救う為に現れたのはドワーフの戦車隊!…その際速力全開で

突っ込み!…まずは様子見とばかりに一機の戦車が先制をする主砲を一発放って

行くが、装甲からして作りが違うのか!…放った弾は簡単に弾かれ!…何ならまるで

スチール缶に小石がぶつかった様な軽い音が!…と、これにはえ?っとばかりに

面々が戸惑う事態になり…だがそれでもドワーフ達が助けに来てくれた事に

気が付いて行くと、面々は注目!…すると別のドワーフの戦車から声が聞こえる!…


「おぉ~いお主らぁ!!!…コヤツらはワシらが請け負う!!!…

お主達はそのまま進んで歩兵達をぉ!!!」


「ッ!?…い、いやいや!!…

今の見て相手に出来るとは思えないんだが!?…」


それはドワーフ達の意地を見せる!とばかりに戦車を請け負う言葉を口に!…

その際撹乱するよう辺りを走り!…怯む事無く砲弾を二発!…三発と撃って

攻撃をすると、やはり大したダメージは見られない!…見ている方としても

何か不安を覚えてしまう!…その一方でドワーフは歩兵を何とかして欲しい事を

口にすると、面々達としてもそれを聞いてツッコまずにはおられず!…

だが他に頼りに出来そうなモノは他に無く!…一方でカンカンコンコン!と

撃ちまくり!…仕舞いには鬱陶しくなって来たのか敵戦車達がドワーフ達に

ヘイト注意を向けると、容赦の無い一撃をズドン!…しかしここからドワーフ達が

本気を見せる!…


__ズドンッ!!…ボカアアァァン!!!…キュラキュラキュラキュラ!!!…


「ッ!?…な!?…」


敵戦車の主砲は間違い無くドワーフ達に向けて放たれると、やはり凄まじい

衝撃音と共に次には着弾地点に土埃を巻き上げ!…だがその放った弾は

当たって居ない様子で未だ健在!…ボフッ!とその土埃の中から姿を露わに!…

特にダメージも追っていない様子で機敏に敵戦車の撹乱を続けて続行すると、

そのドワーフ達の動きに思わず各々も戸惑う!…一方でドワーフ達は

さも大した事は無い様な事を口にし出す!…


「フンッ!!…確かに当たればタダでは済みそうにはないわい!!…

じゃがそれは当たったらの話!!…当たらなければ如何と言う事はない!!!」


その際どうも元々敵の照準がドワーフ達からズレて居た様子で、何なら偏差射撃が

出来ておらず!…それこそ軽戦車以上に機敏に動き回るドワーフ達の動きについて

行けない様で!…更には中の狙撃手もまだまだ未熟!…或いはそう言った敵を想定

していないのか!…見事に翻弄されるそんな様子を見せて居ると、ドワーフ達の

中の一人が某・赤い大佐の様な台詞を口に!…止まらず撹乱を続行する!…すると

ここに来て更に攻撃も加える事を考えたのか、味方戦車同士の間で会話がなされ!…


〈…ラット1!!…確かに装甲は圧倒的に向こうの方が固い!!…

じゃがアレを突破せねばワシらに勝利はない!!…やるか!?…〉


「ッ!……そうじゃの!…何よりあ奴らには打ってつけ!!…

…ここいらで派手に動くぞ!!…全機!!…戦闘開始じゃあ!!!」


如何やらそのドワーフ達の戦車内には通信機の様なモノがあるらしく、それで

連携を取り合い!…その際敵の戦車の装甲にはさすがに参った!と認める声が…

だが策が無い訳ではないらしく!…秘策を披露するかの様に恐らく隊長機と

思われる味方戦車に確認を取る言葉を掛けると、その言葉を聞いたドワーフも

同じ事を考えて居た様子で秘策の使用を認め!…次には本気で潰す!とばかりに…

全機に突撃命令を出して行くと、ここからまさかの逆転劇?…更に各々を驚かせて

行く!…と言うのも!…


__キュラキュラキュラキュラ!!!…ポゴォン!!……ベチャッ!!…


ドワーフ達は未だその敵戦車を嘲笑うかの様に全力走行!…それこそ一通り

敵戦車の全体を見回す様に!…そしてそこから徐にまた砲撃を繰り出して

行くのだが、先程とは打って変わって様子が可笑しく!…妙なモノを撃ち

出して見せる!…それは敵戦車の車体にまるで張り付くようベシャッ!と

粘着質な音を立てると、黒い半球体の物がその敵戦車にくっ付いており!…


「ッ!?…え?…」


「あ、あれは?…」


それも続け様に一発二発ではなく何発も!…全体に疎らに放って行き!…その様子に

まだ立ち直れない面々達も困惑した様子で見守って居ると、最終的にはその敵戦車の

車体はまだら模様に!…凹凸のある迷彩色の様なモノになってしまう!…しかし

これこそがドワーフ達の狙いであって!…次には先程まで使用していた普通の砲弾を

装填すると、そのまだら模様になった敵戦車に向かい何の躊躇いも無く一発放ち!…


__ポゴォン!!……カンッ!!…ドゴオオオオォォォォォンン!!!!…ッ!?…


その放った弾は決して敵戦車の装甲を貫くと言った事は無いのだが、しかし弾が

弾かれた事により火花が散り!…するとその火花が奇しくもその黒い粘性の物に

飛び火すると、次には激しく発火し始め!…そしてその発火を皮切りに他に

くっ付いていた黒い粘性の物に連鎖すると、結果巻き込む様にして大爆発を

起こすきっかけに!…言うなればC4爆弾が一斉爆発した様な!…トンデモナイ

熱量を一瞬で生み出し!…その敵戦車を一発で見事に廃車にしてしまう様子を

見せると、その光景を見た各々は呆気に取られる!…一体何が起きたのか理解が

出来ない様なそんな表情を浮かべて見せる!…


「ッ!?…な!?…」


「マ、マジかよ!?…」


「いよっしゃあぁ!!!…見たか!!!…

これがドワーフ族に伝わる発火タールの実力よぉ!!!

…分量を間違えれば簡単に山が吹き飛ぶ!!…

発破採掘の心強い味方よぉ!!!」


ただただ目の前で炎上するもう物言わぬ戦車の残骸を見詰めつつ!…驚き戸惑う

言葉をポロポロと零して行くと、戦場の時が止まったかの様な様子を敵味方が

見せ!…と、一方でドワーフ達は戦車から腕を振り上げはしてやったり!と…

まるで今までの鬱憤をここで晴らせた!とばかりに喜びを露わに…そのままの

勢いを維持しつつ!…次の敵戦車に向かい同じ要領で襲い掛かると、一方で当然

敵とてやられっぱなしではなく!…反撃の様子を露わにする!…


__ウィー、ガションッ!!…ズドンッ!!…


〈ッ!!…あぶな!?…〉


「ッ!!…おい油断をするでないわい!!!…

幾ら当たらなくては意味がないとは言え!!…

当たったら一発でお陀仏じゃぞ!?…

敵とて抵抗して来る事を忘れるなぁ!!!」


この時敵も当然次弾装填を終えて行くと、すぐさま狙いを定めてドワーフ達に

ズドン!…が、それも間一髪の所で回避をされ!…一方で宛ら峠攻め漫画の様に!…

戦車を滑らせ緊急で回避をして見せると、その味方戦車の無線からは危なかった!と

言葉が…浮かれていた事を口にする!…するとそんな言葉に対して他のドワーフが

注意をするよう叱咤の言葉を漏らして行くと、引き続き気を引き締め直すよう

更に言葉を続け!…と、また同じ戦法でこれまた敵戦車をまだら模様に!…

だが勿論それで敵戦車達も黙ってやられる筈が無く!…次には前進して何とか

ドワーフの戦車一機に肉薄して行き!…グルンと砲塔を一回転させてさもバットを

振り回す様にして構えて見せると、その砲身もカッチカチなのか!…

宛らラリアットを決めるが如くドワーフの戦車一機を粉砕する!…


__ブロロロロロ!!!…ウィーーン!!!…


「ッ!?…し、しま!!…」


__ブゥン、ゴシャアァァ!!!…ッ!?!?…グオンッ!!…


それは早さを追求する上で軽装甲で戦車を作っていたらしく、逆にその速さが

仇となってしまった様で!…そして敵戦車が砲塔を振り回し出した際、宛ら

某・豆腐屋みたいな回避は叶わず!…これにはその戦車に乗っていたドワーフも

予想外!と…驚く言葉を漏らす一方!…次には結果バッティングされる様に!…

本体ではなく主砲部分を!…打ち出される様にして更にグン!と引っ張られて

しまうと、次にはそのまま地面を転がる事に!…何とも嫌なクラッシュ音が

辺りに響く!…となるとそんな現場を目撃して各々も戸惑った様子を露わに

すると、これまた一方でデグレアント軍がハッと我に返り!…


__…ッ!!…オオオオオオオオォォォォォォォォォォ!!!!


「ッ!!…クッ!!…コイツ等!!…まだ諦めて!!…」


「押せええぇぇぇぇ!!!…ここで退けば死!!…有るのみいぃ!!!」


それそこ途端に思い出したかのよう戦闘を再開!…魔王軍の隙を突く様に!…

まずは未だ立て直せていない騎士達の始末に掛かって行くが、勿論そうは

問屋が卸さない!…第二の壁・遊撃職達が援護に回る!…そして鍔迫り合いや

一太刀に斬る等にして敵兵達を牽制をすると、未だ戦闘を諦めて居ない事に

戸惑いの言葉を零し!…だが一方でデグレアント軍はそれでも退かず!…

まるで他に道は無い!と…玉砕こそが自分達が生き残る道でしかない様に

吠えて見せると、次々に雪崩れ込むよう魔王軍に襲い掛かる!…するとそれに

合わせて第三・第四・第五の壁も動きを見せる!…


「弓兵隊射撃よぉ~い!!!…一斉射!!!…てえええぇぇぇ!!!!…」


__ボババババババ!!!!……ヒュウウゥゥゥ!!…ドザザザザザザザ!!!!…


勿論ここを突破される訳には行かないので躍起に!…その際時代劇で見る様な

統率具合を!…弓兵達が若干上向きに矢を番えて弓を構える様子を露わにすると、

次には号令を掛けて一斉射で矢の雨を降らせて行き!…前線の敵兵達の殲滅に

掛かる!…するとその矢は不思議な事に味方に当たる事無く降り注がれると、

さすがに一撃とは行かなくとも敵兵達に大打撃を与え!…そして魔術師部隊も

独自で動く事を決め始めると、同じ魔法職と思われる面々に狙いを付け!…


「我々も援護に回るぞ!!!…

特に今だ不気味なのはあのローブを身に纏っている者達!!…

同じ魔職なら、まだやり合える筈!!…

我々も一人でも多く敵戦力を削るぞ!!…」


__…パアアアアァァァァ!!!…キンッ!!……ッ…ヴウン!!…


この時その未だ動きを見せない連中に何か気味の悪さを感じつつも!…敵戦力を

減らす事に越した事はない!と考えて行き…すぐさま魔法を詠唱をし始め!…

更なる火力支援で自分達でも対処出来そうな者達に狙いを定めると、攻撃を開始!…

敵魔術師達の一掃を図って見せる!…するとその動かない連中もスッと魔王軍が

攻撃して来た事に気が付き始めると、魔法障壁を展開し!…と、魔法職連中は

魔法職連中と魔法合戦をし始め!…もう一つ後方では補助職が!…傷を負った者達の

手当てに当たる!…


「…傷付いた方々は此方に!!!…直ぐに手当てを致しますので!!…

一旦こちらに退いて来て下さぁい!!!…

バッファー付与師の皆さんもお願いします!!!…」


「《かの者に癒しの加護を!!…ヒール!!》」


特に戦車の砲撃で大打撃を受けた騎士達の手当てに当たり始め!…回復魔法で

取り敢えず騎士達の一命を取り留めると、更に細かい治療を!…更にはまだ

前線に残っている騎士達に対して援護も惜しまず!…特にバフ付与を掛ける事に

集中して行き!…何とか前線の意地を試みようとして居ると、一方で更に上空!…

上空班が敵竜騎士達と交戦をする!…その際その上空班の中にはアヤの姿も

混じっており!…ここでアヤの弓の才が輝き!…


__カッギリィ!!…ッ…ヒュヒュンッ!!…ドシュウッ!!…ドシュウッ!!…


「…よし!…その怪我じゃ真面に動けないでしょ!?…

…命までは取りはしない!!…さっさと逃げ帰りなさい!!」


ドッグファイトの様な錐揉み飛行を体験しながら!…それでも歯を食い縛って

弓を引き絞り!…その追って来る竜騎士達に向かい容赦の無い矢を二矢相手に

見舞って行くと、その騎乗者である竜騎士達の肩を射貫く!…それも二人同時と

言った離れ業をやって見せる!…となるとそれを見た者達としてもとても驚いた

様子でアヤの事を凝視をすると、そのアヤを一緒に乗せている騎乗者も非常に

驚きを露わに!…


「ッ!?…な、何と言う鷹の目具合!!…

それにこの動きにここまで付いて来られるとは!!!…」


何ならぶっつけ本番と言ってもいい位のこの荒れ様に対して!…ちゃんと付いて

来れている事に感心を示し!…竜騎士としての才覚も有るのでは!?と零すよう

言葉を口にすると、アヤがその言葉に対してこんな返事を!…さもこことは別の

所で経験した事が有る様なそんな言葉を漏らして見せる!…だがその表情と

言うのは如何にも誇ると言った様子はなく、寧ろ何か恥かしがる様なそんな表情を

浮かべて見せ!…


「ッ!…い、いやぁ~…丁度最近…

こんな感じで荒れる空の中を飛んだ事が有るから…」


{…い、言えない!!…こういう事に慣れた理由が!!…

…マサツグ達が飛行船の屋上で戦っている時に!!…

一人荒れるバーの店内で如何にお酒を零さずに飲むかで悪戦苦闘をして!!…

その際に身に着けた感覚がコレ!って!!…

その時の経験が今に生きているだなんて!!…

とても人に自慢が出来る話じゃない!!!…}


と言うのもきっかけはあのウィンタースノーにやって来る際の飛行船での出来事!…

あのレイドバトルが起きた際、アヤは一人でバーで飲み!…その際大きく揺れたりと

やはり被害を受けていた事から迷惑!…特に酒を零すと言った事に執着を見せて

居た事からこう言った揺れが有っても対応出来る感覚を身に着けたらしい!…

何ならその時の事を未だ鮮明に覚えているのか、一人思い出しては顔を隠す様に

赤らめ!…と、そんなアヤの反応を見て騎乗者もギョッ!と…顔を赤らめ始めた事に

当然戸惑い!…だがそれを謙虚と受け取ったのか!…ただ褒められた事に恥ずかし

がっている?と解釈をすると、そのアヤの体験したと言う出来事に興味を持ち!…


「ッ!?…あ、荒れる空の中!?……い、一体何処でそんな!?…」


勿論そうそうゲームの中とは言え宙を舞う事など滅多になく!…そのアヤの言う

言葉が如何にも修行を積んで来た様な!…あくまでもプラスに考えて一体どんな

体験をして来たのか!?と更に戸惑い言葉を漏らすと、一方でアヤは顔を

真っ赤にしたまま!…その答えに困ってしまう!…だが勿論そんな事を話して

いる場合では当然無く!…次にはまた懲りずにデグレアントの竜騎士達が!…

そのアヤが上空班の面々!…迎撃する様で飛んで来ると、やはり激しい戦闘に!…

戦いは更に激化して行くのであった!…

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辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

転生騎士団長の歩き方

Akila
ファンタジー
【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】  たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。 【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。   【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?  ※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。

はぁ?とりあえず寝てていい?

夕凪
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嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~

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錬金術師のカイトは役立たずを理由にパーティーから追放されてしまう。自由を手に入れたカイトは世界中を気ままに旅することにした。 しかし、カイトは気づいていなかった。彼の作るポーションはどんな病気をも治す万能薬であることを。 カイトは旅をしていくうちに、薬神として崇められることになるのだが、彼は今日も無自覚に人々を救うのであった。 一方、カイトを追放したパーティーはカイトを失ったことで没落の道を歩むことになるのであった。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
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 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

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