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-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-

-第七章九十六節閑話 リーナのその後と脱走劇とクズの極まり!…-

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この話は馬鹿王子の手によってデグレアントへと連れ去られて来てしまった

脳筋姫の話である!…それこそ馬鹿王子の未来の妃として!…王城に迎え入れられ

城の一室に幽閉される事になるのだが、勿論リーナがそんなしおらしくジッとして

いる訳が無く!…次には何とかしてここから出ようと奮闘し始め!…その際最初は

満身創痍で思う様に動けないのだが、時間が経つに連れて怪我が治り!…いつもの

アグレッシブルさを取り戻すと、徐々に本性を!…さもマサツグの真似をするよう

行動を取って見せて行く!…そしてこの話もそんな連れ去られて来てから一日目の

話しから始まり!…


__連れ去られて来てから一日目…


「……ッ…んっ……こ、ここはぁ?…」


リーナが目を覚ますとそこには見知らぬ天井が!…そして自身はベッドの上に

寝かされており…首だけを動かしてとにかく辺りを見回して行くと、そこには

シックな感じで落ち着いて居る!…明らかに何処か高級感漂う家具が置かれて

有るのを目にして行く!…何なら寒くない様に!と誰かが薪を焚べていたのか、

暖炉には火が灯っており!…と、それらを目にしてますます困惑!…自分は

今何処に居るのか?と…目を覚ます前の記憶を辿り出し…そして次にはハッと

思い出した具合で戸惑う反応を露わにすると、思わずベッドから飛び起きて

しまう!…


「…ッ!!…そうだ、私は!!…ッ!!…あっ!!…」


__ッ~~~!!!……チラッ?…


となると体に激痛が走る!…するとリーナも堪らず苦痛に身を捩らせるそんな

反応を更にすると、苦痛に表情を歪ませ!…と、徐々に痛みが引いて来た所で

もう一度辺りを見回し!…自分以外誰も居ない事を確認!…改めてここが

デグレアントでは無いのか?と…前後の記憶から自分なりの推測をすると、

次にはこの部屋唯一の出入り口であろう扉の方から!…小さく響く様にノックが

聞こえる!…


__…コンコンッ!…ッ!…失礼いたします…ガチャッ!…


それは中を確かめる様に聞こえて来ると、リーナもそのノックの音に反応して

視線を移し!…と、次には一体誰なのか?と思わず身構える様子を露わに!…

しかしその様子とは裏腹に若い女性の声が!…用が有る様子で外から聞こえ!…

そして扉には鍵が掛かっていない様子ですんなり扉が開いて行くと、その扉の

向こうにはメイドが三人!…それぞれ身綺麗にした感じでスッと澄まして

立っている!…そしてリーナを一目見るなり畏まった様子で会釈をすると、

朝からリーナの具合について質問をし!…


「…リーナ様…お目覚めの程いかがでございますでしょう…」


__ダッ!!…ギュンッ!!…かあぁ~~~~!!!…


が、リーナは最後までその話を聞く気は無い様で!…扉を開けたメイド達の

脇を駆け抜ける様に!…出口に向かって突貫をするよう直ぐに脱出を図って

行くと、メイド達も驚いた様子で声を上げる!…そしてリーナを部屋から

逃がしてしまう!…さてこれでリーナもこのまま脱出!と駆けて行くのだが、

当然そう簡単に事が運ぶ筈が無く!…次にはメイドの悲鳴で異変と感じ!…

最初から想定していたのか!…兵士や騎士が数人スッとリーナの前に現れて

見せると、その行く手を遮り始める!…


__ッ!!…ガッチャガッチャガッチャガッチャ!!…


「ッ!?…クッ!!…」


この時リーナが掛けて行く先には、一本道で逃げ場は何処にもある訳がなく!…

と、突如突き当りから兵士達が湧いて出て来た事でリーナも戸惑い!…今度は

歯を食い縛る様にムッ!と…面倒臭い!と言った様子で思わずその足を止めて

見せると、また思い出した様に痛みを感じる!…しかしそれでも押し通ろうか!と

考え始める!…するとその一方では兵士達がリーナに対して忠告を口に!…


「…リーナ皇女殿下!…お戻りを!…」


__ザッ!!…ッ!!……ッ…クルッ…スッ…スッ…スッ…スッ…


{…チッ!!…今ここで暴れるのは得策ではないか!…

…せめてもう少し体の自由が利けば!!…

あと贅沢を言うなら得物も欲しい所ではあるが!…}


それは幾らリーナであっても容赦はしない!と…するとその言葉を口にした

途端に兵士達は身構え始め!…更に部屋へ戻るよう言葉を!…数と圧力で

リーナを圧倒しようとすると、これにはリーナも分が悪い!と感じたのか…

次には踵を返して部屋に戻る!…それは敵陣で暴れるにしても自身の体力や

地理感がない事を理由にすると、まずは回復に努め!…と、今日はその驚かせた

メイド達に世話をされ!…如何やって逃げるか?でその日一日を…ベッドに

寝かされ眠るまでの間考えると、そのまま寝落ち!…次の日の朝を迎えて

しまう!…


さてそこから少し時間が経って行き、今度は一週間後!…この時マサツグ達は

魔王連合軍を立ち上げ!…デグレアントに攻め入るに当たって色々と準備をして

居ると、一方でリーナは大分と傷が癒えて来た様子!…また脱走を考え始める!…

その際大体の敵の数から逃走経路と作戦を練り!…全て自ら立案!…と言うか

一人しか居ないのだが!…とにかく隙を見て動くと事を考えて行き!…朝から

身構えるそんな様子を見せて居ると、部屋にノックの音が!…


__コンコンッ!…ッ!…ガチャガチャッ!…カチャンッ!!…失礼いたします…


「…リーナ様…お目覚めの程いかがでございますでしょう…」


それは様子を確かめる様に静かに響き、リーナもその音に機敏に反応をして見せ!…

その際あの一件以来夜に脱走をされても面倒だ!と…外からも更に鍵を付けられる

事となってしまい!…まさに幽閉され身動きが取れない状態となっていたのだが、

今まさにメイドがそのカギを開ける音を!…そして次にはリーナに許可を求めるよう

声を掛ける!…そしてまたあの脱走騒ぎの時の様にメイド達三人が扉を開けるなり

リーナに会釈をして見せると、リーナもそれを見越して一週間越しの脱走を図り!…


__ダッ!!…ギュンッ!!…かあぁ~~~~!!!…


「…今度は体が軽い!!…あとは敵を薙ぎ倒しながら!!…」


__ッ!!…ガッチャガッチャガッチャガッチャ!!…


またリーナが脱走をし始めた事でメイドは驚き!…一方のリーナはあの時とは

違う!と…明らかに体の軽さを感じつつ!…今度こそ王城から脱走するつもりで

まずはあの一本道に差し掛かって行くと、案の定それを見越した様子で兵士達や

騎士達がゾロゾロ!と…道を塞ぐ様に前に立つ!…そしてやはりあの時と同様に

容赦はしない!と言った具合で身構え出すと、リーナも全く気にしない!と

言わんばかりに突貫して行き!…


「ッ!!…押し通ぉる!!!…」


__どよっ!?…ザザザッ!!!……ガッガクンッ!!…グンッ!!…


それこそまるで戦の様に!…数も質を物ともせず!…さもイノシシの様に真っ直ぐ

身構える兵士達に向かい突っ込んで行くと、兵士や騎士達を動揺させる!…

そして一人の兵士へとぶつかって行く!…それはまず貴様から!と言った様子で

肉薄すると、その身構える兵士の腕を掴んでは足を掛けてバランスを崩し!…

と、次には慣れた様子で思いっきり背負い投げ!…まるでラインハルト直伝!と

ばかりに!…豪快に投げて他身構える兵士達を巻き込んで行くと、一掃を図る!…


「せいやあああああああぁぁぁぁぁ!!!!」


__グオオォォ!!!…ドシャアアアァァァァン!!!!…ッ!?…ッ!?!?…


辺りにリーナの勇ましい掛け声が響いて行くと、その投げられた兵士も当然困惑!…

まさか投げられるとは夢にも思っておらず!…何も出来ないまま黙ってリーナに

投げ飛ばされると、その他戸惑って居る兵士達を一掃!…仲間の兵士が飛んで来た

事で道が開く!…そして薙ぎ倒された!…或いは投げられた兵士にとにかく何が

起きたのか理解が出来ないで居ると、リーナはそんな兵士達を余所に飛び越え!…


__ンバッ!!…ッ!?…スタッ!…タッタッタッタッタッタッタッ!!…


「…い、今のは……」


まるで走り幅跳びの様に若干駆け!…思いっきり踏み切ってその倒れている兵士達の

上を飛んで行くと、そのリーナの様子に更に困惑!…何なら倒れている者が

そのリーナのスカートの中に衝撃を覚える!…勿論そう言う意図で見た訳では無い

のだが、目で追った際見えてしまい!…と、見えてはいけないモノを見てしまっては

思わず固まり!…数秒間復帰しないでさも照れる様なそんな反応を見せて居ると、

一方でリーナはそんな事を露知らず!…突き当りを曲がって脱出を試みる!…


__タッタッタッタッタッタッタッ!!…


「…クッ!…ドレスが若干重いが!…しかしここで脱ぐ訳には行かないからな!…」


この時今着ているドレスがうざったい!と言った事を零すのだが、だからと

言って下着姿で逃げる訳には当然行かず!…因みにリーナが今着ているドレスは

まるで某・少女漫画に出て来る様な!…女性としてオス○ルが着て行った

ロココ調のドレスの様なモノに非常に似ており!…当然激しい動きに対応して

いない為!…必要以上に体力を奪われる形になるのだが、それでもとにかく

リーナは走る!…元居た部屋からどんどん離れる!…その際騒動を起こしたのは

恐らく三階!…三階はその兵士達の通せんぼ以外に何も無く!…それを良い事に

階段を下りて!…次に二階へとやって来ると、そこでムカつく顔を見る事に!…


__コッコッコッコッコッコッコッコッコッ!!…ッ!?…


「…ッ!…おや?…どうして君がここに居るのかな?…

もしかして僕に会いに来てくれたのかなぁ?…」


「…ッ…ダグレス・ディスティリア・デグレアント!!…」


と言うのも急ぎ慣れないヒールで階段を下りた先にはダグレスが!…するとリーナは

最悪!とばかりにハッと驚き!…その際ダグレスはリーナが逃げて来た事に気付いて

居ないのか?…能天気にいつものよう歯の浮きそうな自惚れた言葉を口にすると、

一方でダグレスの側近なのか?…パルメリアが一緒に居て直ぐに察したよう警戒を

する!…するとリーナもそんなパルメリアの様子に気が付くと、まずはダグレスに

対して敵意を露わに!…それこそ仇!とばかりにキッ!と睨み!…態々フルネームで

ダグレスの事を口にすると、身構える様な姿勢を!…と、ここで履いていたヒールも

脱ぎ捨てる!…すると…


「ッ!…おや?…僕のお姫様?…靴を脱いで何をしようと言うのかな?…

それにその様子はまるで…僕と一戦交える気に見えるけど?…」


「…そのつもりだそしたら如何答える!…」


漸く何か様子がおかしい事に気が付いた反応!…そしてヒールを脱ぎ出した事にも

疑問を持ち出し!…一体何をするのか?と率直に思った事を口にすると、まだ現状を

信じられないのか?…目に見えて戸惑い様を露わにする!…するとリーナも表情を

変える事無くダグレスにそのまま返事をすると、若干腰を低く落とし!…それこそ

まるで霊長類最強の女性を彷彿とさせる様に!…両腕を広げ真正面からぶつかって

行く姿勢を見せて行くと、パルメリアも黙ってはいられない様子!…杖をスッと

構え始める!…そして辺りが一触即発の事態となって行くと、その騒ぎを聞き付けて

来たのか他の兵士達も集まり始め!…


__ガッチャガッチャガッチャガッチャ!!…ッ!!…


「…チッ!!…余計なモノまで出て来てしまった!!…

…しかしここでコイツを人質にすれば!!…」


それは包囲をするよう辺りに集まり!…しかしリーナを捕まえようとは一切せず!…

と言うよりまるで巻き込まれない様に!…しかし逃がさないよう通せんぼをする

様子だけを見せて行くと、その兵士達に囲まれている中心ではリーナとダグレスと

パルメリア!…睨み合う様にして構えて見せる!…その際リーナはもう騎士道とか

そう言うのは一旦捨て置いて睨んで行くと、ダグレスだけを見詰め!…後はどの

タイミングで仕掛けるか?を考え始め!…一方でそんな姫と呼ぶには到底相応しく

ない格好に!…ダグレスは若干絶望しており!…パルメリアもリーナが危害を

加えてくるであろう事を見越して行くと、次には自分が動く!と…


「…王子…ここは私が!…」


__…スッ…ッ!…チラッ?…


ダグレスの前に立つよう一歩前に!…そして自分が相手をする!と…ダグレスに

言って下がって欲しい様なそんな不穏な感じを滲ませるのだが、ダグレスは

その言い分を聞き入れない!…更にパルメリアより前に出てはスッと静止を

促し始める!…となるとその反応にパルメリアも若干戸惑った反応を見せると、

次にはダグレスの顔をチラリ!…するとそこにはリーナと向き合うダグレスの

表情がそこに在り!…それはまるで憐れむよう!…自分が至らなかった!と

ばかりにリーナへ申し訳なさそうなそんな様子を見せて行くと、更に言葉を

漏らし!…


「…手出しは無用だよパルメリア…これは夫婦間の問題だ…

他人である君が茶々を出して良い事柄ではない!…」


「ッ!…しかし!…」


手出しは無用!とパルメリアに!…自分で対処をする事を口にして行き!…

まるでもう結婚した気で居るのか!…パルメリアが逆に邪魔であるよう続けて

言葉を漏らして見せると、当然その言葉を聞いてパルメリアが更に戸惑う!…

それこそ反論をしようとする!…しかしダグレスはそんなパルメリアに対して

チラッと視線を向けて見せると、若干イラッとした表情を露わにしてはもう一つ

言葉を口に!…


「…二度も言わないよ?…」


「ッ!?…ッ…ッ~~~…差し出がましい真似を…」


宛ら最終警告!とばかりに脅しを口に!…するとその言葉で辺りが凍り!…

パルメリアも委縮するようビクッと反応をして見せると、次には自身が

握っている杖を強く握り!…そしてダグレスに謝り始める!…その際勿論

納得が行っていない様子では有るのだが、それでも言う事を聞くしかない様で!…

と、次にはスッと後ろに下がってフッと俯き!…次にはダグレスもそれを

確認してクルッ!と…リーナの構えている方へと向き直すと、無理やり

作った様な笑顔でニコッと笑う!…そしてリーナに声を掛ける!…


「…いやぁ~ゴメンよ!…君の寂しさに気付いてあげられなくて!…」


「ッ!!…何だと!?…」


それこそ気さくを装うようフランクにリーナへ謝って見せると、そのリーナの

行動の原因を見抜いて居る!とばかりに言葉を口に!…だがそれも当然壮大な

勘違いでリーナを更にドン引かせる事に!…何なら周りの兵士達もこの言葉に

ドン引き!…コイツは何処まで頭がお花畑なのか!?と…口には出さないが

動揺が隠せない様子でその場でたじろぐ様子を見せて居ると、更にダグレスは

話しを続ける!…そこでナルシストぶりを更に見せる!…


「構って欲しくてこんな事をし始めたんだろう?…

全く!…困った僕のお姫様だ!……こんな事をしなくても!…

侍女に言ってくれれば僕が逢いに行ってあげたのに!…」


「ッ!?…な、何だコイツ!?…正気なのか!?…」


まるでリーナは自分に惚れて居る!とばかりに言葉を漏らすと、リーナに

対して困ったちゃん!と…自分が恋しかったからこんな行動を取ったと考え!…

解決策は簡単!とばかりに更にペラペラ!…本当にズレている事を話し続ける!…

するとそんな事を平気で話すダグレスにリーナも本気で心配をすると、まんま

その事を口に!…だがそこは都合がいい耳をして居るのかシャットアウト!…

次にはスッとリーナに向かい歩き始め!…お道化る様なそんな様子を見せて行くと、

リーナを宥めよう!と…自分の話を続けて行く!…


「…いやぁ~…これでも僕も結構忙しかったんだよ?…

…本当は僕も君に逢いたかった!…

でも僕には将来この国を統治するって言う仕事が有ってね?…

…その為にはまず勉強!…そして勇者として剣の修業も!…

怠ってはいけなかったんだぁ!……それにさ?…」


その際その話はもはや自慢話と化して行くと、宛ら意識高い系の様な!…

とにかく忙しかった事を口にすると、自分もリーナに会いたかった!と

愛を謳い!…この時両腕を広げて迎えに行くよう近づいて行き!…

そこからまた言い訳の話を続け!…色々と王になる為頑張って居る!と…

自身の努力をアピールしてリーナの気を惹こうとすると、その会話の最後で

尻切れトンボ!…何か有る事を臭わせて行く!…と言うのもそこで話が

終わる事無く更に続くと、そこで初めて他に女性が居る事を口に!…


「君の他にあと六人もお嫁さんが僕には居てさぁ?…」


「ッ!?…な!?…」


「彼女達も満足させないと!…平等に愛さないといけない義務があるって訳!!…

…勿論君とは結婚が済んでからだけどぁ?…僕は君の事も愛してる!!…

だからその時まで大事に!!…君の愛はちゃんと僕には分かって!…」


それもリーナの他に六人も居る!と…となるとそれを聞いてリーナは驚き!…

目を見開き酷く動揺する反応を露わにすると、一方でまだ話を続ける!…

さも自分はモテる!とばかりに話をする!…それこそとっかえひっかえその

女性と関係を持っているかの様なそんな事を口にすると、それは自身の義務で

ある!と悪びれず!…何ならしっかりリーナの事も狙って居り!…

その際リーナを愛して居る!と…結婚するまで我慢!と言い…リーナに理解を

求める!…いや、分かってくれて居るであろう事を口にしようとするのだが!…

次に出て来た言葉は悲鳴で有り!…


__グオオォォ!!!…ボガアァ!!!…


「ルンバ!!!…」


と言うのもやったのは言わずもがな!…リーナはその無警戒に近付いて来る

ダグレスに向かい右ストレート!…それはダグレスの左頬を捉えて行き!…

深々と刺さって首を思いっきり吹き飛ばす様にして炸裂すると、ダグレスは

そのまま後方へと吹き飛ぶ!…そして奇妙な悲鳴を上げる!…その際一方で

綺麗な右ストレートを繰り出したリーナはと言うと、激しい怒りを覚えた

様子でその体を小刻みに震わせ!…


「ハァ!…ハァ!……ッ…ハアァ~!…」


__どよぉ!?…ザワ!!…ザワザワ!!…


それは嫌悪感をも覚えた様子で!…殴った後もそのままの状態で動かず!…

小刻みに痙攣をしながらその突き出した拳を震わせて見せると、肩で呼吸を

整え続ける!…とにかく感情が昂ったであろう様子を露わにする!…

宛らその様子は本当に近寄られたくないモノが近付いて来たので自己防衛を

した様に!…酷く感情を取り乱し!…と、自国の王子が殴り飛ばされる様子を

見て兵士達も戸惑い!…これは如何したら良いのか?と悩み!…隣に居る者と

顔を見合わせる様なそんな反応を見せて居ると、一方でパルメリアが大慌て!…

その殴り飛ばされたダグレスへと駆け寄って行く!…


「ッ!?…お、王子!!!……王子ご無事で!?…」


「ッ…ッ~~~…」


この時持っていた杖を投げ捨てる位の慌て様を見せると、倒れているダグレスを

抱えて必死に声を掛け!…すると気絶まではしていないのかダグレスは反応!…

しかし真面に喋られない様子で痙攣しており!…パルメリアに手を伸ばし何かを

訴える様なそんな素振りを露わにすると、パルメリアもそんなダグレスの手を

ガッ!と掴んで握り返す!…そして次には辺りに居る兵士達に指示を出す!…


「…意識はある!…だ、誰か!!…王子を!!…王子に手当てを!!…」


__ッ!?…ハ、ハハァ!!…


この時出した指示と言うのは言わずもがな、まずはダグレスの身を案じ!…

と、そのパルメリアの号令に近い指示を聞いて兵士達もハッ!と…我に返るなり

慌てて動き!…ダグレスを抱えて別室に運ぶようまずは避難を先決させる!と、

次にはパルメリアも動きを!…リーナに対してキッ!と睨む!…それはまるで

仇を見る様なそんな視線を向けて行くと、次には杖無しで魔法を詠唱をする

様子を見せ!…


__…スゥ…ゴポポポポ!!…ッ!?…


「貴様アアァァ!!…よくも!!…よくも殿下を!!…」


「ッ!!…ッ!?…な、何だコイツ!?…」


リーナへ向かい両手を突き出し!…自身の周りに水も無いのに何処からか水球を

量産すると、恨み言を口に!…許さない!と言った殺気を向ける!…するとその

殺気にリーナも感付いた様子でハッとすると、次には顔を上げて状態を確認!…

するとそこには怒りを露わにするパルメリアの姿が目に映り!…その怒り様も

尋常ではなく!…本気で殺しに掛かって来ている事を肌に感じると、思わず怯む!…

一方でパルメリアは攻撃を始める!…


__ゴポポポポ!!…バシュンッ!!……チュドンッ!!…


「……え?…ッ……ッ!?…」


パルメリアはその自身の周りにある水球の一つから!…一滴分の水分を取り出すと、

それをリーナに向かい撃ち出して見せ!…それは宛ら弾丸の様に素早く飛ぶと、

リーナの頬を掠めて行き!…そしてリーナの背後にある階段に奇妙な穴を開けて

見せ!…リーナも何が起きたのか?…理解出来なかった様子でスッと頬に痒みを

覚えると、手を添える!…そこで何か濡れている様な感覚を覚えて行く!…すると

次にはえっ?とばかりのその手を確認すると、そこには真っ赤に染まる純白の手袋が

自分の手に嵌められて有り!…


__ジワァ!!…


「…殺しはしません!…ですが少々痛い目に!…

反省をして貰います!!……そして!!…

今すぐ部屋に戻って下さい!!…」


一方でパルメリアはそんなリーナに対して敵意を剥き出し!…おいたが過ぎる!と

ばかりに言葉を吐き!…自身の周りにある水球をザワつかせる様な奇妙な動きを

見せて行くと、次には先程の水弾を乱射!…リーナに水弾のガトリングを放って

見せる!…するとリーナもその想定外の攻撃に思わず怯んでしまう事となると、

防戦一方と言うかその場から動けなくなっては水の弾丸を浴び続ける事になり!…


__ゴポポポポ!!…ズドドドドドドドドド!!!!…


「ッ!?…ッ!!…ッ~~~!!!…うわあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!…」


さすがに威力は先程と違ってエアーガン位に!…しかしそれを受けるとなると

やはり違い!…持って数秒と言った所!…リーナも耐え切れずに吹き飛ばされ!…

そのまま階段に叩き付けられる様にして気絶すると、そのまま回収!…脱走を

阻止されてしまう!…そして次にリーナが目を覚ましたのは、恐らく城の地下と

思われる石畳に石垣の部屋の様で!…何なら身動きも取れない様に手枷を

付けられ!…


「……ッ…ッ~~…ん…ッ!?…こ、これは!?…」


「…気が付いたかい?…」


その手枷は天井より吊り下げられる様に固定されてあって、リーナはその手枷で

宙吊り状態!…何なら脚には重しか鉄球もご丁寧に付けられて有る状態であり!…

となると目を覚まして自身がそんな状態で放置されている事に気が付くと、当然

慌てる!…一方で背後から聞き覚えのある声が聞こえる!…と言うのもその声の

主は如何やらダグレスの様で、声色から何やら怒っている様子がヒシヒシと

感じられ!…


「ッ!?…ダグレスか!!…これは一体ッ!!…」


__フォンッ!!…ビシィ!!!…


「ッ!?…アグゥッ!!…」


となるとリーナも声の主が分かった様子で名前を口に!…そしてこれは何事か!と…

状況の説明を求めるようさも文句を言うの様に言葉を漏らすと、次には自身の背中に

鋭い痛みを感じ!…それはまるで鞭で叩かれた様な痛みを覚え!…リーナも思わず

苦痛を声に!…身を捩る様なそんな反応を見せるのだが、脚の鉄球がそれを良しと

しない!…一方でダグレスはそんなリーナに対して言葉を続ける!…それは勿論

怒りを露わにする様子で、リーナの質問に対して返事をするよう更にニ撃!…


「これは一体も何も!…君は良く分かって居るんじゃないかなぁ!?」


__フォンッ!!…ビシィ!!!…フォンッ!!…バシィ!!!…


「ッ!!…クアァ!!…グッ!!…ッ~~!!!…」


言わなくても分かる筈!と言って声を荒げ…容赦の無い二撃をリーナの背中に

バッテンを描くよう放って行くと、リーナも耐えられない様子で苦痛を漏らし!…

一方的な暴力に震えて見せる!…その際先程までのドレスを一応着用している

状態なのだが!…しかし鞭の攻撃が激しく直ぐに駄目になり…ボロボロとなっては

リーナの白いきめ細やかな肌が露わに!…だが鞭で叩かれた部分は赤く腫れ!…

リーナも抵抗したくとも出来ない!…ただ鞭で叩かれだけ!…それもいつ飛んで

来るか分からない恐怖も同時に味わって行くと、一方でダグレスは怒りをぶつけ!…


「…未来の君の夫の顔に向かって手を上げるなんて!!…許されないよね?…

だから教育してあげるよ!!…僕自らの手でねぇ!!…」


__フォンッ!!…ビシィ!!!…フォンッ!!…バシィ!!!…


まるで教育がなって居ない!とばかりに言葉を口に!…そして自分にふさわしく!…

再度リーナを調教する様な事を続けて漏らすと、その背中目掛けて鞭を!…

何度も何度も浴びせて行く!…そうしてダグレスの気が治まったのは数時間後の

事で、リーナも一方的やられた事に対して悔しさを滲ませ!…涙を流しては痛みに

堪え!…それでも絶対に屈さない!と…心に近い如何にかしてここからの脱出を

考えると、その日を終える!…自室?へと侍女達の手を借りて戻されるので

あった!…


尚この事件がきっかけで監視の目が更に厳しく、オマケにダグレスも事ある毎に

顔をよく見せてくる様になってしまい!…しかしその二日後にマサツグ達が

デグレアントに対して宣戦布告を宣言して行き!…その際これを聞いたリーナは

希望を見出し!…更に絶対に屈したりはしない!と…鋼の意志を持つきっかけと

なって行く!…だがそれでも乙女である事には決して変わらず!…マサツグが

助けに来てくれる事を!…心の中で大いに期待して願うのであった!…

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ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。 異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。 その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。 心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。 ※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。 前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。 主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。 小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。

幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話

島風
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幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。 俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
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『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

転生騎士団長の歩き方

Akila
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【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】  たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。 【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。   【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?  ※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
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 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

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