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-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-

-第七章六十九節 猟犬二匹と兵器開発?ともう一体のドラ子?-

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さて勝手に行ってしまったシロとハクを追い駆けて!…と言ってもまた直ぐに

合流をするのだが、ここからが本格的なスニーキングの始まりで!…物陰に

隠れながら様子を伺い!…敵が居ない事を確認してからジェスチャー等で全員に

安全を伝えてから移動をすると、その道中で色々なモノを目にする!…それこそ

カラクリ好きのフィロが興味を持ちそうなそんな光景が広がっていた!…


__コッ…コッ…コッ…コッ……ッ!…


「…ここは…製造フォームかな?…

何か大量にあのロボットがフックに掛けられてぶら下がってるし…

何ならアームも動いて溶接?…もしてるし…」


まるで工場見学の様に横に長いガラス窓が張られている通路へ出て来ると、

その窓の向こうでは今まさに先程相手にして居たロボットが製造されており!…

それは天井からフックで引っ掛けられてはチェーンで運搬!…例えが悪いが

精肉工場の様に見えてしまい!…加工機ではなく製造アームの有る場所へと

そのロボットのボディと思わしき物が運ばれて行くと、次には火花を散らし

ながら溶接?…とにかくオートメイションの様子が見て取れる!…

そしてそんな光景を目にしてモツが今やっているゲームが本当にアルバス

クロニクルで合っているかどうか?と疑問を持つと、一方でまたフェルと

シルビィがピクッと反応をして見せ!…


「…ッ!…シッ!!…皆!…この先にまた何か居る!!…

…多分この足音的にまたあのロボットっぽい!…」


「…数は2で御座いましょうか?……とにかく警戒を!!…」


「ッ!?…コッチもコッチでスゲェ~…」


その際まずはフェルが何かまた物音が聞こえた様子でハッ!とした表情を

浮かべると、途端にバッ!と両腕を左右に広げて見せ!…それは明らかに

待った!を掛ける様子にモツ達を止め!…その際フェルは敵の気配!と…

ここから先注意をして進むよう声を掛けて行くと、その直ぐ後ろでは

シルビィが補足説明!…敵の数を口にする!…しかしさすがに目視では無い分

明確ではない様子で、恐らく!と言った言葉を零し!…が、こちらとしては

それでも大助かりである事に変わりはなく!…その二人の聴覚に純粋に感心!…

二人の言う通りに警戒をする!…すると!…


__ガション!!…ガション!!…ガション!!…ガション!!…


「ッ!…大当たり!…敵は二体、しかもさっきと同じ奴!…

…さぁて、如何やって始末しようか?…って、その前に…鑑定アプレェィザァル!!」


曲がり角が見えて来た所で全員壁に張り付き!…そこからチラ見をする様に

進む先を確認すると、そこには二人の言う通りにロボットの姿が!…何なら

数までちゃんと合う!…するとモツもそれを見て二人にさすが!と言った

言葉を掛けて行くと、次にはそのロボットの始末の仕方で悩み始め!…

と言うのも下手に音を立てれば感付かれる!と考えたからで…それはまた

あのけたたましい警告音で仲間を呼び!…面倒事になる!と考えて行くと、

迂闊な事は出来ない!…とりあえず安定の初手で相手の様子を伺って行く!…


__ピピピ!…ヴウン!…


 -----------------------------------------------------------------------

 「ガードロイド・HB32ハ型」  

 Lv.35

   HP 3500 ATK 310    DEF 310

      MATK   0 MDEF   0


 SKILL

 緊急信号 捕獲術 Lv.5 
 -----------------------------------------------------------------------


「ッ!…能力自体は大した事は無い?…

まぁ量産型だからそんなコストも掛けるつもりは無いんだろうけど…

…でもよし!…それなら…シロちゃんハクちゃん!…行ける?…」


「「ッ!…はいです!!」×2


いつもの様に[鑑定アプレェィザァル]を発動すると、そこには思ったより拍子抜けする

ステータスが露わに…となるとモツも思わずえっ?とばかりに戸惑ってしまい!…

しかし元が量産型で先程の通路から思い出すと、次には妥当か?と一人納得!…

そして対処の方法についても思い付いた様子で言葉を漏らす!…その際徐にシロと

ハクを呼んで行くと、二人に頼るよう行けるかどうか?について質問をして行き!…

するとシロとハクも揃ってその呼び掛けにピクッと反応!…次には振り返って

返事をして見せ!…様子を伺う様にチラッとロボットの方へと向き直すと、次には

二人がその通路へ飛び出す!…さも猟犬の様に始末をする!…


__…ババッ!!…ズアアァァァ!!!…


「「ッ~~~!!!…」」×2


__ガションッ!!…ギション!!…ブ、ブブブ…ズシャアアァ!!…


この時足音も無く一気に駆け出して行くと、次には呼吸をも止める勢いで!…

それは少しで相手に悟られない様にする為で!…弾丸の如く廊下を駆け抜け!…

そしてその手にそれぞれのいつもの氷の武器を生成すると、そのまま辻斬り

一閃!…互いに一撃でそのロボット達を仕留めて行く!…その際オリハみたいに

両断とまでは行かなくとも、深く抉り込む様にそのロボットには傷跡が

残っており!…だが一方でシロとハクの武器も壊れてしまい!…さすがに鉄では

分が悪いか?…壊れてしまった武器を手に[あっ]と言った表情を浮かべて見せると、

今度はモツ達が合流!…その際シロ達に声を掛ける!…


「…二人ともお疲れ~!…いやぁさすがだった!…って、如何したんだ?…」


「ッ!…あっ!…うぅん、何でも無いのです!…」


「………。」


それそこ二人にお疲れ!と声を掛けて行くと、次には感心をするよう言葉を続け!…

が、同時にシロとハクの様子が可笑しい事にもふと気が付いて行き!…となると

二人に心配の言葉を!…もしかして何処か怪我をしたのか?とばかりに二人に質問を

して行くと、そのモツの問い掛けにシロがハッ!と…問題無い!と返事をする!…

しかし一方でハクは何かを気にしている様子で、ジッとその自身の折れた得物を

見詰め続け!…だがずっと気にし続ける訳には当然行かず!…障害が排除された事で

更に進み!…徐々に徐々にとその研究所の奥!…はたまた上へと階段を登って

行くと、更に奇妙な開発室?を目にする!…


__コッ…コッ…コッ…コッ……ッ…


第二階層でも同じ様にロボットの開発がされて居た様子で、こっちの方では

ちゃんと骨組みから考えられているのか?…そこには某・未来からの殺人

ロボットの様な物が並べられては座っており!…しかしどれも動く気配を

全く見せず!…何ならそれらに雑じって妙にリアリティのあるロボットもあり!…

それはちゃんと肉が付いて何処と無く少女や女性を模した様な!…とにかく

体を隠す様に布が掛けられて有る状態で置かれて有り!…それを見てモツが

異様な不気味さを感じて居ると、何かに例えようとするのだが!…


「…なぁ?…さっきの下の階層に有ったロボット達に比べて…

コッチの方は何か妙にリアルさが無いか?…

…何と言うか…ビスクドール西洋人形と言うか?…」


「…何方かと言うと…ラブ…」


「「おい馬鹿止めろ!!!…」」×2


この時チラッと考えはしたのだが言葉を選び、ビスクドール西洋人形とそのロボットを

例えるのだが!…一方で同じくそれを見たフェルがド直球!…モツの言葉を

若干否定し!…そして思った事をそのまま言葉にしようと口にすると、モツと

オリハが直ぐに察した様子でフェルの口を手で塞ぐ!…そしてふざけるな!と

ばかりにツッコミを入れる!…すると突如口を塞がれた事でフェルは戸惑って

見せると、次には目をパチパチとさせ!…が、二人の意は理解した様子で

言葉を飲み!…今度はモツとオリハの手を払い除け!…そのまま何事も無かった

かの様に先を急ぎ歩き出すと、その一連の三人の反応にシロとハクが疑問を!…

揃って首を傾げて見せる!…


__……ッ?…


「…オリハ叔母さん!…フェルお姉さんは何を言おうと…」


「シロちゃんは知らなくて良い!!…何も聞かないで!!…

そのままの君で居て!!!…」


「ッ!?…は、はい…です…」


と言うのも先程の話の様子からまだ会話が続きそうであったモノが続かない!と、

子供ながらに分かった様子でそこに疑問を感じ!…すると次にはシロが興味を

持った様子でオリハにその先程の話について疑問を口に!…となるとオリハは

機敏に反応するなりシロの前へとしゃがみ込み!…そしてシロが引く位の勢いで

迫って知らないくて言い!と訴え出すと、宛ら許しを請う様に!…

とにかく聞かないで!と表情でも訴えて行く!…さてそうなるとそんな必死な

オリハの様子にシロも面食らってしまうと、否応なしに分かった!と返事をし!…

一方で配慮が足りなかった事にフェルも気付き!…静かに一人反省をする様子を

見せて行くと、その先でも更に奇妙な開発室?を目に!…


__コッ…コッ…コッ…コッ……ッ…


「…なぁ?…本当にココは兵器研究所なのか?…

さっきの様子から一転して可笑しい物が見えるんだが?…」


一応今までの所は全てがロボットの製造ラインの様に見えたのだが、そこだけは

異質で!…そこはまるで病院の一室の様な内装となっており!…心電図の機械に

点滴台!…更には血に染まったギャッジベッドが幾つも置かれて有るのが伺えると、

同時に壁際には丁度人が横倒しで入れそうなダスト・シュートも完備されて有り!…

これだけで明らかに何か人がやってはいけない事が行われて居た様子が伺えると、

モツは当然不気味さを覚え!…その際自身の目が可笑しくなったのか?と…或いは

他に誰か同じ光景が見えて居ないか?と問い掛ける様に思わず言葉を零して行くと、

その言葉にフェルが返事!…その光景に対して慣れている具合で言葉を返す!…


「…ここもデグレアントの闇って事ですかね?…」


「…シロちゃ~んハクちゃ~ん?…ここは見ちゃダメェ~!…

いい子だから小目目を閉じて叔母さんと手を繋いで先を行きましょ~?…」


それはその光景を見慣れて居る様子と言っても、フェルが何か可笑しな趣味を

持っているとかではなく!…勿論その光景を目にして嫌悪感は露わにしており!…

そして何と無く察しがついてしまったのか!…この光景を見てデグレアントの

闇である事をポロッと示唆すると、一方でオリハは健全な育成の為にシロと

ハクにあるお願いを!…その際しれっと手を繋ぐ事を口にする!…

するとそんな突然の事でシロとハクは思わずピクッ!と戸惑うのだが、先程

みたいに迫られる事を考えると嫌なのか!…素直に返事をして従い!…


「「ッ!……は、はいです?…」」×2


__コッ…コッ…コッ…コッ……ッ…


と、そんな異様な一室を後にして行き!…すると他にも似た様な部屋の様子が

見れるのだが、後は曇っていたりカーテンが掛かっていたりと!…見えない状態に

あってはもうオリハも大丈夫!と安堵した様子で…シロとハクに目を開ける事を

許可!…そのオリハの言葉を聞いて二人もホッとした様子で目を開けると、更に

奥へと進んで行く!…そして何やら実験部屋の様な開けた場所へと辿り着く!…


__コッ…コッ…コッ…コッ……ッ!…


「…ここまでまた色々と相手にして来たけど…

この部屋は?…他に道なんて?…」


ここまで来るのに苦労した様子でモツが漏らすと、この場所について疑問を持ち!…

その際この部屋に入るに当たって既に扉はフルオープンしており!…そして他に

入れそうな場所は無く、何ならその部屋の奥にはまだ先に続いて居そうな扉が!…

しっかりと閉じられた状態で存在していた!…となると余計にこの先が怪しく思え、

何ならこの開けた場所が如何にもダンジョンと言う事である場所の様に思え!…

と、ここで他に分岐路が無かった事を徐に確認!…するとその問い掛けに対して

シルビィが返事!…何も無かった様に…それこそ見て来た様にモツへ返事を口に

すると、最後に含みを持たせて行く!…


「…無かった様の思います…それに一応今まで見つけて来た分岐点は…

全てこのシルビィが…確認して何も無い事を見て来ております…

…えぇ…それこそ…」


「ッ!?…あ、ありがとうシルビィ!…それ以上は良いぞ?…

…ってかいつの間に?…」


何やら見たくないモノも見つけて来た様子で淡々と話し!…モツ達に行かないよう

勧めるが如く、態々含みの有る言い方をして見せ!…と、そんな話し方をされた事で

モツも不気味がって行かない!と…その際態々見て来てくれたシルビィにお礼を

言い!…もう語らなくても良い!とばかりに慌てて返事をして行くと、ふと更に

疑問を感じる!…と言うのもいつ見て来たのか?と言葉を零す!…それこそここまで

シルビィが一度たりともパーティから離れた様子が無かった事を思い出すと、思わず

考え!…と、そんなモツの質問に対してシルビィも返事!…如何やって確認して

来たのか?をちゃんと話す!…


「…モツ様、お忘れですか?…私には[分身]が御座います…

そして私自身は[シャドウウルフ]の人狼…

…あとはモツ様ならご理解いただけるかと存じます…」


「…ッ!?……な、何だかんだで!…

シルビィもシルビィで規格外なんだよな、そういや…」


それこそ自身のスキルを説明する様に!…[分身]が出来る事を改めて話し!…

そして更にこの薄暗い照明の中では自分が独壇場に立てる事をシルビィが続けて

話しをすると、そこからの説明は必要ない!と…モツなら分かる筈!と言って

簡略化をする!…するとモツもそれを聞いてハッ!と納得したよう目を見開いて

行くと、シルビィもある意味でチートキャラである事を思い出し!…何なら

それらを従えられているマサツグに関しても可笑しい!と…改めて色々と

思い直す様な事をそんな考えて居ると、丁度中程?辺りに来た所で照明が!…

一度完全に消えては再度照明が付き直す!…


__パッ!!…ッ!?…パッ!!…ッ!!…ッ~~~!!……ッ!?…


その際突如照明が消えた事で途端にモツ達は警戒態勢!…見えないながらも

腰を落とし、如何なる攻撃に対しても直ぐに動けるよう身構えて行くのだが!…

しかし何事も無くまた照明が付いた事でこれまた戸惑い!…何なら突如強烈な

フラッシュを焚かれた様に怯んでしまい!…その場から動けなくなって

目を細める状態になって行くが、それでもこれと言って何も起きない!…

ただただ照明に怯まされる時間だけが過ぎて行く!…さてそうしていつまでも

怯んでいる訳で勿論なく!…徐々に目が慣れて辺りを見回せる様になって来ると、

次にはその自分達の目の前に見慣れないモノが現れて居り!…


「………。」


「な、何だ?…あれ?…」


「…ど、何処と無く…あのドラ子さんに似ている様な?…」


と言うのもそこに居たのは一体のロボット!…っと言うかアンドロイド?…

とにかく何方とも呼べそうなモノであり!…その際そのロボットが動く気配と

言うのは感じられず!…ただ若干俯き静止しており!…その突然の登場に

モツも戸惑い!…アレは何?と周りに尋ねるよう声を掛けると、オリハも

そのアンドロイド?を見て言葉を!…この時この大陸の受付嬢のドラ子に

似ている事を口にする!…因みにそのロボット?アンドロイド?の容姿はと

言うと、某・格ゲーの蒼の魔道書に出て来るこれまたロボット?ガールに

非常に似て居り!…違う点が有るとするなら背中に羽の様な剣が付いて無い

位であり、それよりもウンともスンとも言わない様子に!…各々が何か

不気味なモノを感じて居ると、更に異変が生じる!…と言うのもその目の前に

現れたロボットの体に何やらバグが!…


__…ジジッ…ジジジジッ…ヴウン!!…ッ!?…


それは黒い靄と言うかチラ付きと言うか?…よくゲームやアニメで見るあの不穏な

四角い妙なモノがそのアンドロイド?の体に纏わり付くと、次には動く気配を

見せなかったロボット?に動きが!…まるでザ○のモノアイが起動した様に目に

光が灯って行く!…となると突如動きを見せた事でこれまた各々が戸惑って見せて

居ると、フェルが改めてそのアンドロイド?が動き出した事を口にして行き!…


「う、動き出しましたよ!?…」


〈システム起動…稼働スルニ当タッテノ障害ガ無イカヲチェック…〉


__スッ…スッ…クイッ…クイッ…


当然警戒をするに越した事は無い訳で、おっかなびっくりそのロボット?の事を

見詰め!…しかし一方でそのアンドロイド?は気にする事無く目覚めた事を

口にして居り!…次には黙々と自身の状態を確認!…今から行動するに当たって!…

何も問題がない事を軽く体を動かしながら確認をすると、確認を終えた事で元の

立ち姿に戻って行く!…そして徐にその視線をジッとモツ達の方へと向けて

見せる!…


〈…オールグリーン…各部位問題無ク稼働スル事ヲ確認……目標ヲ捕捉…〉


「ッ!?…やっぱり向かって来るってか!?…」


「…なんせさっき!…バグみたいなの身に纏って!…

…って言うか今もしっかり纏ってますしね!?…」


この時ただ見詰めてくるだけで何もせず、まるで何処からか命令を待って居る

様にもふと見え…となるとそんな様子にモツ達もやはり警戒を露わに!…

モツが全員に注意を呼び掛けるよう言葉を零し!…オリハも先程のチラ付きを

気にした様子でいつでも動ける様に身構えて行くと、武器を手にこちらから

先制を仕掛けるか!…もうそこまでの判断に至ってしまう!…その際その

ロボット?の体の周りでは未だ妙なチラ付きが纏わり付き、だがその肝心の

アンドロイド?は全く気にしていない様子で…何なら未だその場から動く気配を

全く見せず!…各々が如何した物か?と悩んで居ると、次にはそのロボットが!…


__……………ッ…


〈敵性反応ノ兆候ナシ…攻撃ヲ受ケナイ事カラ敵カドウカノ判断ニ困惑…

…シークエンスヲ1カラ2ニ…対象ヘノコンタクトヲ試ミル事ヲ選択シマス…〉


「ッ!…は?…」


恐らくそのアンドロイド?も向こうから仕掛けて来るであろう事を想定して

その場で立って居たらしく、身構えるだけで攻撃して来ないモツ達に困惑し始め!…

と、遂には共に動きがない事から煮えを切らした様子で!…自ら動いて反応を

見る事を選択!…となるとそのロボットの言葉にこれまたモツ達が戸惑う反応を

露わにすると、思わずモツが言葉を零す!…一方で本当に向こうもモツ達に向かって

近付き始める!…


__…コッ…フィ~…ッ!?…


「こ、こっちに向かってきますけど!…ど、どどど…如何します!?…」


「ッ!?…ど、如何するって言われても!!…

コッチから攻撃を仕掛けない限りは向こうも攻撃を仕掛けて来ない様だし!?…」


アンドロイドは軽く地面を蹴って見せるとそこから浮遊!…音もなくホバー移動で

モツ達へ徐々に近付き!…と、その際未だ敵かどうか分かっていない様子で

一応向こうも警戒の様子!…一気に近付くのではなくジリジリ!と…まるで威圧を

掛ける様に絶妙な速度で近づいて行くと、その近付いて来る様子に勿論モツ達も

慌てる!…オリハがモツに判断を求める!…となるとそんな判断を求められた事で

モツも更に慌てて戸惑い!…だが攻撃をしろ!とは言えず!…と言うのも相手は

ロボット?とは言え人の形をして居り、如何にも攻撃をする事に躊躇いの様なモノを

感じてしまうと、その間にもアンドロイド?は接近!…そして同時に怪しい

チラ付きも近付いて来る!…


__…ジジッ…ジジジジッ…フィ~…ッ!?…ッ!?!?…


それこそ最初は動かなかったロボット?を起こしたのはこのチラ付きであり、

当然怪しさバリバリにしか見れず!…となると触れた際何か不具合が

起きるのでは?と勘繰るのも必然で有り!…だがかと言って攻撃をすれば

恐らくこのアンドロイド?と戦闘になる事は間違いなく!…そう考えると

出来るだけ面倒事は避けたい所で有るのだが!…その間にロボット?が

どんどん接近!…結果更にモツを慌てさせる事となってしまう!…そして

決断が出来ないままモツがオロオロとして居ると、フェルも慌ててモツに

言葉を!…


「ッ!?…ま、不味いですよ!?…

このままだとあの訳の分からないチラ付きにも!!…」


「ッ!?…わ、分かってる!!…分かってるんだが!!…」


それはこのままだと自分達も危ない!と言った様子で、いっそ攻撃命令をくれ!

とばかりに訴え!…だったらこっちに判断を仰がずにもう自分で考えろ!と…

言いたいのは山々なのだが!…今はそれ所ではない様子でとにかく慌てに慌てて

しまって行くと、もう正常な判断が出来ない!…思考がパンクしそうになる!…

するとそんなモツの様子に気が付いたオリハももう限界!と言った様子で武器を

構えて見せて行くと、次にはそのロボット?に対して危害を加えようとする

のだが!…


{ッ!!…モツさんもうキャパオーバーしてる!?……こうなったら!!…}


__フォンッ!!…ガキイィィン!!!…ッ!?…


「ッ!?…え?…」


オリハは自分がさも悪役になる事で事態の収拾に当たろう!と、モツの事を

気遣い行動を!…と、思った矢先そのオリハより先に行動を見せる者が

一人居り!…それは戸惑う三人をそのままに!…その近付いて来るアンド

ロイド?に対して三人の間を縫う様にして槍で一突きして見せると、近付いて

来るロボット?をノックバックさせる!…そして突然の攻撃にこれまた三人を

戸惑わせる!…それはあまりにも一瞬の出来事の様に感じ、何が起きたのか

分からず!…だがよく見るとそのノックバックしたアンドロイドの胸には

氷の槍が!…刺さりはしていないものの凍て付き!…そして背後から飛んで来たと

思われる方にチラッと視線を向けて行くと、そこには槍を投げたであろう姿が!…

シルビィが睨みを利かせていた!…


「…失礼…皆様方が困惑されて居た様ですので、私が…

…あと少し…少しだけ個人的にこの者に対して思うモノがございまして…」


「え?…え??…」


まるで因縁がある様子でそのロボット?の事を睨んで行くと、素直に自身が

攻撃した事を明かし!…何なら我慢出来なかった感じで更に本音も漏らし!…

その際氷の槍はシロとハクに作って貰ったのか?…もう一本をシロとハクが

頑張って作って見せて居ると、一方でそんな狼達三人の様子に大人達は

戸惑う!…ただただ戸惑いの言葉を漏らす事しか出来ないでいた!…

さてその一方で攻撃を受けたアンドロイド?はと言うと、その自身の胸に

突き刺さるよう凍て付いた氷の槍の柄に手を伸ばし!…


__…ガッ…グッ…バキイィィン!!!…ッ!?……フォン…


〈…攻撃行為ヲ感知…コレニヨリ目ノ前ノ対象ヲ敵ト認識…

戦闘シークエンスヘト移行…目標ヲ…排除シマス…〉


ロボット?はその氷の槍を柄に手を掛けるとギュッと握り、そして引き抜く

のではなくその柄を圧し折り!…その際派手に粉砕音を辺りに響かせ!…

その音にモツ達が驚き!…アンドロイド?の方へと慌てて振り向いて見せて

行くと、一方でロボットも敵対した!と…戦闘に入る様なそんな言葉を

口にする!…すると次には何やらガシャガシャ!と慌しい音を立てて行くと、

その両腕をチェーンソーや銃にへと変形させ!…


__ガチャンッ!!…ガチャガチャガチャガチャッガチャンッ!!…


「ッ!?…やっぱりか!!…」


__チャキキッ!!…ヴィイイイィィィィ!!!…


と、それを見てモツ達も当然改めて身構え始め!…この時シルビィを責める事は

一切せず!…とにかくこうなった事に対して!…早く事態の収拾に当たる事だけを

考えて行くと、向こうも準備完了!とばかりにチェーンソーを吹かす!…そして

一気に戦闘ムードへと空気を換える!…その際相手の武器が現代武器である事を

改めて認識をすると、モツ達は緊張感を覚え!…と言うのも迂闊な事をすれば

スプラッターは間違い無し!…何なら遠距離攻撃銃撃もモツしか居らず!…更には

相手はアンドロイド!と…普通に刃が通るかすら怪しいそんな不安を覚えて居ると、

先にロボット?が動きを!…左腕の銃を乱射する!…


__スッ…ッ!!…ボババババババ!!!…


「ッ!?…機銃かよ!!…」


この時片腕だけで狙い定め!…そのアンドロイド?の様子にモツ達もまずは

銃弾が飛んで来る事を予測すると、勿論の事ながら回避行動を!…一方で

ロボット?は構わずモツ達に発砲を始める!…それこそこの時は誰でも良い!と

ばかりに弾幕を展開して行くと、逃げ出したモツ達を目で追い!…すると

次にはそこから動く事無く腕を振り回してモツを追い出し!…と言うのも

その左腕はガトリングタイプの銃の様で!…乱射をしながらグルッとモツの

後を追い続け!…モツもチラッとそれを見て慌ててツッコむ様にして言葉を

漏らして見せて行くと、一方で注目が外れた者はと言うと…


「ッ!!…こうして改めて見て思いますけど!!…

一体何処にそんな弾薬を抱えて居るんですかね!?…」


「そんな事を言ってる場合かあぁ~~!!!」


戸惑いながらも疑問を口に!…と言うのもこれはオリハで有り!…マジマジと

アンドロイド?を見て素直に今思って居る事を口にすると、当然そのオリハの

言葉にモツがツッコミを!…助けろ!とばかりに吠えて見せる!…するとその

言葉でオリハもハッとして見せると、遂にはそのロボット?に向かい不意を

打てないか?と…と、モツ達がそうしてアンドロイド?と戦闘を始めている

その一方!…時間を掛け過ぎてしまったのか!…徐々にその時間制限である

魔法陣が色濃く地面に投影されると、全員の帰りを待つ!…マサキ達がモツ達の

心配をするのであった!…

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