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-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-

-第七章三十八節 昨日の今日とシロのトラウマ再び!と決意の朝…-

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さて結局マサツグの根負けと言う形で終わって行くと、マサツグはシロを背負って

その場を後に…勿論ハティも付いて来て!…そして他の面々とも合流をして色々と

褒められる事になったり!…怒られたりする事になって行くと、その日はこの決闘

と呼べるかどうかわからない鬼ごっこと…シロの足の治療で一日を終える!…当然

もう歩けない訳でマサツグも分かって居ながらシロを背負って足替わりになると、

この日のシロはマサツグにずっとべったりで!…何なら一緒にハティもべったりと

マサツグにくっ付き!…そのまま夜を迎える事にもなってしまい!…ダブルベッド

とは言え、シロとハティにフィロとシルビィ!…この四人がマサツグにくっ付く

様にして眠る事になって行くと、これまたマサツグはうなされる!…寝苦しい夜を

迎えるのであった!…そしてその次の日!…


__…ッ!…ッ~~~…ムクリッ…


「ふあぁ~…あぁ…ご主人様~?…」


__…クルッ…クルッ…ッ~~~?……ッ!…


良く寝た様子でシロが大部屋で目を覚まし!…そこからいつもの様に大欠伸と

伸びをしながらマサツグの事を呼ぶのだが、そこにマサツグは居ないのか返事は

無く…その際マサツグがシロより早く起きる事は多々有るので特段可笑しな話

では無いのだが!…この時シロは眠い目を擦りながら辺りを見渡し!…そして

何かいつもと違う事に気が付き途端にハッとして見せると、次にははっきり目を

覚ます!…そして同時に不安も覚えてしまう!…と言うのもシロが不安に駆られた

理由と言うのは、と言う点で!…


「…フィロが居ない!!…

ご主人様とシルビィお姉ちゃんとキラキラお姉さんも居ない!!…

…それはいつもの事なのです!!…でも!!…

フィロも居ないのは可笑しいです!!…絶対に可笑しい!!…

…ッ!!…ほ、他の皆は何処に!?………ッ!!…」


__バッ!!…バァン!!!…ダッ!!…


この時シロ自身も自分が寝坊気味である事を自覚して居る様子!…だがそれよりも

気にすべきは他に人が居ないと言う事であり、特にフィロの事を注視しており!…

それはまるで自分より更にお寝坊さんである!とばかりにシロは漏らし!…更には

他の面々の事も気になった様子で!…不安に駆られるよう慌て始め!…居ても

立っても居られない様子で次にはバッ!と飛び起きて行くと、そのまま泊って居た

大部屋を後にする!…更に自身の中の不安を増大させる!…その際シロが不安に

感じてしまった事と言うのは、マサツグ達に置いて行かれてしまったのでは!?と

言うモノで!…


__…ッ!…ペタタタタタタ!!!…


{…他に誰も居ない!?…やっぱり何か可笑しい!!…

何でこんなに静かなのですか!?…}


「…ご主人様!!…ご主人様!!!…ご主人様!!!!…」


靴を履く事すら忘れて素足で駆けて行っては、やはりギリギリになって途端に

心変わりをしてしまったのではないか!?と…自身が寝ている間にマサツグ達は

下山!…そんな事を考えてしまうと不安は大きく!…この時何故か他の誰とも

すれ違わない異様な城内の様子も目にして行くと、余計に不安を増幅させる!…

そして嫌な事ばかりが頭を過って仕方がなくなる!…と、それでもとにかく

一度は面々が集まりそうな謁見の間へ向かって行くと、ただひたすらマサツグの

事を口にし続け!…その際大部屋から謁見の間までは然程離れてはいない筈なの

だが、妙に長く感じる!…足を怪我して居るにしても長過ぎる様なそんな奇妙な

感覚を感じつつ!…それでも必死に謁見の間へ向かって走って行くと、辿り着く

なり思いっきり扉を開ける!…そして中の様子を確認する!…


__バァン!!!!…


「ご主人様!?……ッ!?…」


__………。


走って来た勢いそのままにシロは両手で思いっきり扉を押し開ける!…それはもう

見事なまでの観音開き!…慌しく音を立ててシロもマサツグが居る!と信じて、

扉を開けたと当時にマサツグの事を呼ぶのだが!…やはりそこには誰も居らず!…

ただ空しく扉の開いた音だけが木霊し、人がいた痕跡すらない!…その余りにも

静か過ぎる光景にシロもも一つ驚いた様なそんな反応を露わにすると、更に同時に

不安も大きくさせて行き!…


「……だ、誰も…居ない?…」


__ヒタッ…ヒタッ…ヒタッ…ヒタッ……スンスンッ…スンスンッ…


「……何も残って居ないのです……ッ…冷たい…」


辺りを見回し戸惑う言葉を口に!…そして誰も居ない謁見の間に恐る恐る入って

行き!…本当に痕跡も何も無いのか匂いで確認をする様なそんな素振りを露わに

するが、やはり何も感じない!…まるでここには誰も住んで居ない様な孤独感を

感じてしまう!…その際自分達が残した筈の思念は当に消えて無くなっており!…

更に奥へ向かって進んで行くと、グレイスの玉座に手を掛け…が、触れた所で

まだ誰も座って居ないのか冷えている感触をその手に…そんな謁見の間の様子に

シロも何か物悲しさを!…と、同時にふと謁見の間内に光が差し込む!…そんな

何の変哲もない様子を目にして行くと、ここで何故か窓に目を!…


__…カッ!!…


「…ッ!?……え?…ま、窓?……」


__ヒタッ…ヒタッ…ヒタッ…ヒタッ…


何か意味深に光った様に感じたその窓の方へ向かってシロは歩く!…勿論戸惑いを

口にしつつ!…それでも何か気になる!…いや調べなければならない様に感じて

その窓の方へドンドンと警戒をしつつ歩いて行くと、その光った窓からは外の様子

が見られ!…珍しく外が快晴である事を確認する!…と、そんな光景を見てシロも

思わず少しだけだが不安が小さくなった様に感じて居ると、今度は微妙だが話し

声も…


__……ッ……ッ……ッ!!…チラッ?…


「ッ!?…あっ!…ご、ごしゅじんさま!!…

…ホッ!…よ、よかったです!…置いて行かれて!……ッ?…」


当然シロもその話声が聞こえた様子で次にはその声の聞こえた方に視線を!…

するとそこにはマサツグとグレイスの姿が有り、なんだか楽し気に談笑をして

いる様子が伺え!…と、シロもその二人の姿を見つけた事で途端に安堵!…

そしてまだ何処にも行っていない事で不安も消え!…やっと心の安寧を取り

戻した様な!…ホッと安堵の一息を吐いて行くと、ジッと窓から二人の様子を

見詰めて行く!…だが今度はまた別の不安がまたシロを襲い始める!…


「…あれ?…でも何でお外に?……ッ!…え?…」


__ッ…ッ…ペコリッ……ッ…クルッ………


「え?…ご主人様!?…何処に!?……ッ!?…」


と言うのも何故二人は城の外に出ているのか?と、何ならマサツグの格好は装備も

万全の様子であり!…と、窓から更にその二人の様子を見て居ると、マサツグと

グレイスが互いに会釈!…そして互いに手を振り合い、マサツグがシロに戻る事

無く振り向きそのまま洞窟の出口に向かって歩き出すと、その光景を目にした

シロはまた慌てる!…と、同時に目を疑う光景も目にして行く!…と言うのも

その何処かへ向かおうとして居るマサツグの傍ら!…そこには自分によく似た白い

何かがマサツグの手を握っており!…


「ッ!?…ッ!?!?……ッ!!…ハ、ハティちゃん!?…」


__ッ!……チラッ?…ッ!…ッ……ニヤァ!…


「ッ!?…え?…」


となるとシロは当然とばかりにもう一つ戸惑い慌て出し!…そしてその白い者は

何なのか!?と、言った所で言わずもがな自分に似て居る者は一人しかおらず!…

その正体がハッ!とハティである事に気が付き!…そのハティの名前を口にして

とにかく慌てる様子を露わにすると、一方でそのシロの声が聞こえたのか?…

そのハティらしき者もピクッと反応をして足を止める!…その際そのハティの

格好と言うのも完全にシロそのものを真似て居り、髪型から衣装!…そして仕草や

表情まで変えて見せ!…そしてクルッと振り向きジッと窓に居るシロの事を

見詰めて行くと、シロも気が付いた様子で見詰め合い!…が、次にはそのハティ

らしき者はそんなシロに対してニヤッと!…何か悪い笑みを浮かべて更にシロを

動揺させると、もう一つシロにある事をして見せる!…それは!…


__?…


「ッ!?…え?…えぇ!?…」


__……ッ…………


ハティはその窓からこちらの様子を見て来ているシロに向かってボソボソッと

口パク!…それは明らかにシロに対して別れを告げているモノであり、となると

シロもそんなハティの態度を目の前にして更に混乱をし出し!…何故こんな事を

したのか?その意図が分からず、そして出し抜かれた事にもショックを受け!…

思わず数秒固まってしまい!…その間にもハティが足を止めた事でマサツグが

ハティに声を掛けて行くのだが、マサツグは異変に気が付いていない様子!…

そのハティと談笑をして見せる!…そして疑問も晴れた表情でまたハティと手を

繋ぎその場を後にしようとすると、シロもここで漸く我に返って慌て始め!…


__……ッ!?!?…バッ!!!…ダンッ!!…ガチャガチャ!!!…


「ッ!?…な!!…何で!?…何で開かないのです!?…

さっきは開いた筈なのに!?…如何して開かないのです!?…

早く!!…早くしないと!!!…」


勿論そんなハティの策略にシロは恐怖!…そしてハッと我に返り!…となると

慌ててそのマサツグとハティの後を追おうとまた駆け出して見せるのだが、

ここで奇妙な事がまた起きる!…と言うのも先程は呆気無く開いた筈の扉が

固く閉じ、シロの力ではビクともせず!…ただ鍵が掛かった様に音を立てる

だけで開く気配を見せず!…これにはシロも更に慌てる!…何度も必死に扉を

揺らし!…無理やりにでも扉をこじ開けようと叩いたりもするのだが、慌しい

音が鳴るばかりで!…


__ガチャガチャ!!!…ガチャガチャ!!!…ダンッダンッダンッダンッ!!!…


「やだ!!…何で!?…如何して!?…

…ヤですご主人様!!…ご主人様ぁ~!!!…」


結局幾らどんな事をやっても結果は同じ!…その間にもマサツグとハティは

下山をしている!…そう考えると焦りを覚え!…同時に不安も更に大きく!…

シロの精神を飲み込もうとする程に膨れ上がると、シロは今にも泣き出し

そうに!…だがそれでも諦めずに扉を叩き続けて抵抗をする!…それこそ

離れたくない事を訴えながら必死にマサツグの事も呼んで見せると、それとは

裏腹に日が落ちて来た様に暗くなり出し!…


「ッ!?…な、何で!?…もう暗くなって!?…

…ご、ご主人様ぁ!!…ご主人様ぁ~!!!…」


__ドンドンドンッ!!!…ドンドンドンッ!!!……ズル…ズルゥ~…


「ごしゅじんさまぁ!!…スンッ…ごしゅじんさまぁ~!!…」


シロが起きた時点でまだ朝だったにも関わらず、謁見の間の明るさは日没まで

暗くなり!…その時の流れの速さに驚愕しつつ!…それでも必死に扉を叩き!…

マサツグの事を追おう!と…それこそマサツグに助けを求めるよう何度も叫び

呼び続けて行くのだが、返事は帰って来る事無く無しの飛礫!…そしてシロも

徐々に元気を無くしてしまう!…それはもう捨てられた…或いは裏切られた!と

言った喪失感に似ており、扉の前で膝から崩れ落ちては泣き崩れもして行き!…

そして遂には寂しさに負けてしまった様に涙を流し鼻を啜るに至ってしまい!…

それでも尚マサツグの事が大好き!と…膝を折り畳んで座りそれはもう祈る様に

マサツグの事を呼びつつSOSの念を送って行くと、その願いは通じたのか!…

三度奇妙な事が起き始める!…


__……ロ……シ……ロ…


「…ッ!…スンッ!……え?…な、何!?……ッ!…ッ……」


それは今シロが居る暗くなった謁見の間内から響く様にして奇妙な音が聞こえ

始める!…その際恐らくその音は言葉であろうが上手く聞き取る事が如何にも

出来ず、ただの異音にしか到底聞こえない!…しかしそれでもシロはその異音に

対して思わずピクッと反応をして見せ!…そして耳をピコピコと動かしては

徐に集中!…その異音の正体は何なのか?と…非常に気になった様子でとにかく

耳を澄ましその音だけに集中をすると、徐々にその音はハッキリ聞こえる!…

何を言っているのかが分かって行く!…


__シ…ロ……シ…ロ…シロ……シロ!…


「ッ!?…ご、ごしゅじんさま!?…ごしゅじんさまぁ!!…

ッ~~~!!!…ごしゅじんさまぁ~~~!!!!…」


__シロ!……シロ!!……シロ!!!…シロ!!!!…


それは如何もシロの名前を呼んでいる様子であり、シロもふと気が付いた具合に

反応をして見せ!…何ならその聞こえて来る声の主も如何やらマサツグの様に

聞こえて来て!…そのマサツグの声からは心配の色が感じられ!…何度もシロの

名前を呼んでは何か反応を求めるそんな感情が聞いて取れると、シロもそんな

マサツグの声に対して必死に返事!…戸惑いながらも叫んで見せる!…すると

それに比例するよう徐々にそのマサツグの呼ぶ声も大きく響く様に聞こえて来る

と、次にはハッキリとその声はシロの名前を口にして行き!…


「シロ!!!!!…」


__ッ!?…バッ!!!…パアアアァァァァァ!!!!…ッ!?…ッ~~~!!!…


今度は響く様には聞こえずまるで近くで呼ばれた様に聞こえ!…と、シロも近くから

呼ばれた様な気がしてハッ!と反応して見せ!…その声の聞こえた方へバッ!と

振り向き!…その声の正体を真の意味で確認しよう!として行くと、そこで謎に光が

溢れている様子を目にして行く!…何ならその光が辺りの飲み込む様に広がっている

様子を目にしてしまう!…すると次にはシロもその光に目が眩みビクッ!と動けなく

なってしまうと、その間にも光は徐々に大きくなるよう広がり続け!…遂にはシロを

飲み込むまでに至ってしまい!…シロも何が何だかとにかく分からない様子でギュッ

と目を閉じてしまうと、何やら温かさを感じる!…そして恐る恐る目を開いてその

正体を確認する!…すると!…


__ッ…ッ~~~……スゥ……ッ!…


目を開けるとそこはいつものあの大部屋であってそしてベッドの上!…ではなく

いつものマサツグの胸の上で目を覚ましたよう!…マサツグの体温が感じながら

ゆっくり視線をその声の聞こえる方に向けて行くと、そこには心配をした様子の

マサツグの顔が!…するとマサツグもシロが目を覚ました事に気が付いた様子で

声を掛ける!…それは安否の確認をするよう戸惑った具合に声を掛けると、率直に

シロがうなされて居た様であった事を話し!…


「だ!…大丈夫か!?…

何か大分うなされて居る声が聞こえたんだが!?…

何か怖い夢でも見たのか!?…まだ怖いか!?…」


「…おねえさま大丈夫ですか?…」


「シロ様!…」


「…ンン~?…たかが悪夢を見た位で取り乱しおって!…軟弱者め!…」


何ならマサツグもシロの異変に気が付いた事で起きたらしく、シロに心配の声を

掛ける一方!…同じくフィロ・シルビィ・ハティも気が付いた様子でシロの顔を

覗き込んでは心配!…或いは呆れた様子を見せて居り!…各々が疑問を持った様な

そんな表情を向けて居ると、シロも全員が居る事でやっとホッと安堵!…そして

緊張の糸が切れたのか涙腺も緩む!…となるとそれは本気で怖かったのか徐々に

その目に涙を溜めてプルプルと体を震わせて行くと、次には我慢出来なかった

様子で泣き出してしまい!…


「ッ!…ッ…ッ~~~!!!……

うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁんんん!!!!」


__ガバァ!!!…ボワアアアアアァァァァンン!!!…ッ!?…


「ガブシュレイ!?…」


感極まった様子でシロはマサツグに飛び付く!…その際マサツグは寝転がったまま

の状態であり、回避はおろか何か物を考える時間も無いままにその飛んで来るシロの

頭を目にすると、次には顔面から衝突!…マサツグの頭の中でドラの音が鳴り響き

始める!…それは意識が飛ぶ程の衝撃で有って、この時も悲鳴なのか何なのか?…

何処かで聞き覚えの有るモ〇ルスーツの名前の様な声が上がり!…となると周りも

その様子を目にして慌て始め!…とにかく朝からテンヤワンヤの様相!…ある意味で

マサツグ達らしい慌しい朝を迎える事になって行くと、マサツグだけは目を覚ます

のに時間が掛かってしまうのであった!…


さてマサツグが気絶から復帰するのに約一時間位を要した所で何とか準備を整える

のだが、ここである問題が発生し!…と言うのもその問題とは先程のシロの状態

から起きたモノで!…また飛行船以来となる抱っこ状態で一切離れないモノに!…

その際あの時とは違ってハッキリと口を利いてくれはするのだが、余程今朝見た

夢がトラウマなのか?…捕まる場所が腹部から頭へと変わっており!…ガッチリ

ホールドしてマサツグから絶対に離れようとはしない姿勢を露わにすると、とにかく

更にシロの愛が重くなった様子が伺えてしまう!…マサツグもただただ戸惑って

しまう!…それでもそんなシロを連れて一同は謁見の間へ向かって行くと、勿論

その異様な状態に各々戸惑いを隠せず!…


__ガチャッ!!…キイイイイィィィィィ!!!!…ッ!?…どよぉ!?…


「…え?…な、何それ?…どした?…」


扉を開けてマサツグ達が謁見の間へ入って行くと、まずはそのマサツグとシロの

状態でどよめきが上がり!…と、次にはそんな奇妙な様子に戸惑う面々を代表して

モツが言葉を!…それは新手のスキンシップか何か?とマサツグに尋ねるよう!…

戸惑いつつもその真意について簡潔に見たまま疑問を感じた事を口にすると、その

問い掛けに対してフィロが呆れた様子で額に手を…そして首を軽く左右に振りながら

代わりに答える!…


「…はあぁ~…ふむ、抱っこちゃん再来と言うヤツじゃな?…」


「…あぁ…本当にな?……」


「ッ!…え?…」


その際溜息も吐いて見せると、簡潔に今の状態を説明し!…が、当然余りにも簡潔

過ぎて誰も話が全く分からず!…マサツグもそんなフィロの話に肯定するよう!…

マサツグ自身も戸惑い呆れ!…何なら慣れている具合で堂々とした様子で振舞って

見せると、その慣れている様子にこれまた疑問を!…何ならそんな二人の返事に

モツは更に戸惑って見せる!…するとこの状態を知っている様子でアヤとオリハが

呆れ出すと、アヤが事のきっかけについて再度尋ね!…


「…はあぁ~…で、今度は何がきっかけなの?…

…と言うかこの光景を見慣れている私もどうかと思うけど…」


「ッ!…多分今朝見た夢が原因だと思う……

前にも似た様な事が有って離れようとしなかったし…

今回のは相当キツかったのかこの状態に…」


思わず溜息を漏らして見せ!…もはや見慣れた光景である事に自分でもその順応性に

疑問を持つ様なそんな感覚を覚えて居ると、一方でマサツグが質問に答える!…今朝

あったシロの異変について話をする!…この時この状態は二度目でも有る様に話しを

すると、今回はもう一つヘビーであった様に話しを続け!…何ならマサツグ自身も

困っている様子で身振り手振り!…一方で顔面に張り付くシロも!…余程であった

事を語る様にマサツグへ更にしがみ付くと、絶対に離れない意思を露わに!…


__ギュウウウウゥゥゥゥ!!!…


「もう絶対に離れないのです!!!…

ご飯の時も!!…おトイレの時ももうずっと一緒なのです!!!」


「…お父さん…さすがにトイレの時は勘弁して欲しいなぁ?…」


それはコアラをも凌駕する位にガッチリくっ付き!…どんな時であろうと離れない

事を口に!…するとその際限の無さにこれまたその場に居る者達は更に戸惑った

反応を露わに!…一方でマサツグは冷静にシロへツッコミを入れ!…さすがに色々と

困る!と言った具合にズレた返事をして行くと、オリハがそうじゃないだろう!と

言った具合に頭を抱える!…と、その一方で更に疑問も出て来た様子でモツが

続ける!…


「…ッ!……それはそうと何で朝からダメージを受けて居るんだ?…

何かに襲われたって様子に見えないんだが…」


「…そこは気にしないでくれ…」


と言うのもこの時モツが疑問に思った事と言うのは、まだ何もして居ない筈なのに

マサツグが既にダメージを負っている様子で…ふと頭上に出ているHPバーに目を

向けるとそこは既に一割減の様子が…となると当然何があったのかが気になり!…

モツもこれまた戸惑った具合にそのHPバーを指差しながら質問をすると、マサツグ

からは見えていない筈なのだが!…それでもマサツグは察した様子で返事をする!…

その際気にしないで欲しい旨を口にすると、顔にシロをくっ付けたまま遠い目を

する様な素振りを見せ!…と、ここで今まで居なかったのか突如グレイスが姿を

現す!…それこそまるでワープして来た様に姿を現すると、これまた各々を驚かせて

行く!…


__シュイィン!!…ヴワァ!!…どよぉッ!?…


「…皆様お待たせいたしました!…」


「…な!?…女王様!?…

今如何やって!……って、え?…」


この時驚くと言ってもマサツグ達だけで、その場に居る近衛兵達はもう慣れている

様子でそのグレイスの登場に傅き始める!…一方でグレイスもそんなマサツグ達や

近衛兵達に対して何とも思って居ない様子で挨拶をし出し!…徐にマサツグ達の

居る方へと向かい歩いて行き!…またその一方でグレイスの登場の仕方にモツが

戸惑い!…ワープも出来るのか!?と思わず言葉を漏らして見せると、更にふと

ある事にも気が付く!…と言うのもグレイスの手には何やら子供用の服が抱えられて

いた!…それは大事そうに両腕で抱き締める様に持って来ると、次にはハティも

ふとその服に気が付いた様子で反応を!…


「…ッ!?…お、おかあさま!!…そ、その服は!!…」


「…マサツグ様!…貴方様にお願いがございます!…」


「ッ!…ふぇ?…」


それは酷く戸惑い驚いた様子で反応をする!…何ならそれを持って来るとは思って

居なかった様子であり!…ジッと見詰めてはまるで戦々恐々!…何か意味が有る

のかとにかくそれを持って来た事に動揺を隠せない表情を浮かべて居ると、一方で

グレイスはマサツグに話しを!…何か用件がある様子で声を掛ける!…それこそ

何か決意した様子でジッとマサツグを見詰めるのだが、その肝心のマサツグは

シロに拘束されて全く周りが見えておらず!…当然何故グレイスに呼ばれたのかも

分かっておらず!…グレイスに気の抜けた返事を口に!…しかしグレイスは構わず

話を続け!…マサツグにあるお願いをして見せると、次には謁見の間内を震撼

させる!…と言うのもそれは!…


「…今後の冒険に!…貴方様方のパーティに!…

我が娘!!…!!!…」


__ッ!?………………。


何の脈絡も無しにグレイスがハティを連れて行ってくれ!とお願いを口に!…

するとその瞬間まるで周りの者達は時が止まったかの様にその動きを止め、

そして自身の耳を疑い!…何ならその言葉の意味についても悩む事になって

行き!…まるで何かの隠語なのか?と…とにかく素直にそのままの意味で!…

その言葉を受け止められなかった様子で戸惑い出すと、マサツグもその言葉を

聞いて戸惑う!…更にはモツも自身の耳を疑う様にして言葉を零す!…


「ッ!…へ?…」


「…え?…えぇ?…」


当然このグレイスの言葉にマサツグ達もそのままの意味で受け止められなかった

のか固まってしまう!…それはまるで凍ってしまった様に!…シロの事だけで

あれだけ心配していたにも関わらず!…まさかのハティまで送り出すと言うその

グレイスの心変わり様が理解出来ずに戸惑って居ると、数分間ずっと誰も喋らず…

グレイスもそんな様子に戸惑って見せる!…まるで自分が何か可笑しな事を言った

か如何か?を気にする様にオロオロとすると、次にはハッ!と全員の時が動き

始め!…


__…ッ!?…えっ…ええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!…


勿論次にはその場に居る全員が酷く驚いた様子で絶叫をする!…一国?の女王が

一介の冒険者に皇女二人を託す!…当然前代未聞に珍事で有り!…グレイスの

精神が壊れたのか!?と心配をする近衛兵の姿まで現れ出すと、一方でそんな

周りの様子にグレイスは吃驚!…辺りを見回しその目をパチパチとさせて見せる!…

それは別に心を病んで居るとかそう言う事では無い事を物語って行くと、同時に

先程の発言がそのままの意味である事を意味し!…と、一方で旅に出される事に

なった肝心のハティの様子はと言うと!…若干の不安の色を浮かべつつ!…それでも

その決定に従うようキッと決意の表情を露わにすると、次にはマサツグから手を

放す!…そしてグレイスの居る方へ向かって歩いて行く!…


__ッ!?…ッ…ッ!!…スッ…トテテテテテテ!!!…


「…お母様!!…」


「ッ!…ッ…ハティ…」


ハティが歩いてグレイスの前に立って見せると、ハティはグレイスの事を呼び!…

するとグレイスもハティに呼ばれた事で途端にピクッと反応!…そして視線を

落としてハティを見詰め!…先程自分で言った事ながら!…やはり寂しい様な

前言撤回をしたい様なそんな表情を浮かべて見せると、一方でハティはグレイスに

両腕を広げる様にして手を伸ばす!…そしてそのグレイスが抱えている服を求めて

行く!…


「…ハティにそれを!…」


「ッ!!…ッ…ッ~~~!!……はい…」


__スッ……ギュッ!!……ッ!!…トテテテテテテ!!!…


やはり何かその服に意味が有るのか、ジッと真っ直ぐに見詰めて決意の表情を!…

するとそんな決意の表情を向けられた事でグレイスもハッ!と…もう一つ悲しみに

震えるそんな表情を浮かべつつ!…それでもその抱えて居た服をそっとハティに

渡して無理に微笑んで見せて行くと、ハティもその服を抱えて一旦抱き締め俯く!…

そして改めて何か覚悟を決めた様子で顔を上げる!…となると次にはその服を抱えて

何処かに駆けて行ってしまうと、一方でマサツグがハッ!と…当然この展開に何が

何だか訳が分からず!…シロを顔にくっ付けたままそのグレイスの真意で有ったり…

ハティが何処に行ってしまったのか?等など悩んで見せると、そんな様子にグレイス

も答える!…先程の言葉の真意を話すのであった!…

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嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~

月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。 「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。 そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。 『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。 その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。 スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。 ※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。) ※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。

完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。 自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。 いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して! この世界は無い物ばかり。 現代知識を使い生産チートを目指します。 ※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

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