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-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-

-第七章三十四節 仕切り直し!と首謀者?の話とシロの奇策!…-

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シロとハティが同じ格好をしている事でマサツグが驚き戸惑い!…その様子を

同じく遠目ではあるが観客席から見ているモツ達もふと気が付いた具合で

反応をすると、当然もう二人の見分けがつかない事に困惑!…と、同時に

何故か謎にワクワクとした高揚感も感じてしまう!…それはシロとハティに

思わず何か期待を持つ様なそんな反応を露わにすると、次第にシロとハティの

二人を応援する様になって行き!…勿論マサツグの気持ちも分かっているが、

もうマサツグがアウェイ状態!…そして面白い考えに各々言葉を!…ひょっと

してもしかすると!?と言ったシロとハティの動きに注目もし出すと、違う

緊張感も感じて行く!…


「…なるほど!…中々面白い考え方をするなぁ!…

確かにシロとハティとじゃその動きや構え方は違うけど!…

同じ格好をすればどっちがシロで!…

どっちがハティかはパッと見では分からない!…

更に向こうの勝利条件はシロがマサツグを

一回でも捕まえる事が出来れば良いから!…

このややこしい格好はマサツグにとっても辛い筈!!…」


この時双子ならではの面白い作戦にモツも思わず称賛の言葉を!…確かにシロと

ハティではその戦闘スタイルは違う訳だが、同じ格好になった事でややこしい事

この上ない!と解説をして行き!…宛らその様子はもうよくある格闘技の解説席

に居る有識者の様で!…もはや楽しむよう言葉を続け!…手に汗を握りながら

改めてこの状況はシロとハティが一枚上手であるよう語り続けると、そのモツの

解説にマサキも反応!…面白い!とばかりに言葉を漏らす!…


「…これはひょっとしてひょっとするかもしれんぞ!!…」


「……でも兄さん…今刹那発動中やけど…

大丈夫なんかな?…発動中に特徴を掴まれたら…」


それはマサキもシロと離れる事を嫌がる様に!…そしてシロ達に期待を持つよう

言葉も漏らし!…宛らその様子は格闘技を見に来ている子供の様にワクワクして

見せ!…シロ達に期待を寄せるようジッと二人の事を見詰めて居ると、一方で

モツの解説を聞いてか?…ふとオリハが不安を口にし出す!…それはマサツグと

一度戦った事があるからこそ言える!とばかりに[刹那]を語り!…そしてやはり

マサツグの洞察力も侮れない!と…となるともう一人解説が増えた事にモツも

反応!…オリハの言う事も理解すると、更に話しを続けて行く!…


「ッ!…まぁ確かにそうだが…

…それでも刹那の効果が切れてしまえば!…

マサツグはもう瞬時にどっちがシロかを確認する術は無くなるし…

それどころか避ける事すら困難になる筈だ!…

…これは!…時間のと勝負と言った所じゃないかな?…」


と言うのもオリハの指摘も肯定して行き、その上で[刹那]が切れたら!と逆転も

考えられる事を語り!…何なら切れたら地獄である!と更に続け!…幾らマサツグ

であっても!…その状況下で戦い続けるのは非常に困難である事を更に続けて

話して行くと、結論としては時間が鍵!と…刹那有り気である事を話して行く!…

するとその話を聞いてオリハも納得した様なそんな反応を見せるのだが、次には

また疑問を感じた様子で言葉を口に!…


「…だとするとあの様子はまだ発動したばかり…

…[刹那]の発動時間ってどれ位でしたっけ?…」


「…約5分間位?…」


「…5分かぁ…」


その際オリハが気にした事と言うのはその刹那の使用時間について!…マサツグの

様子から見て刹那を発動したのはつい先程!と…故にほぼフルタイムである事を

チラッとモツに話し!…その使用時間についても続けて質問を口にすると、その

オリハからの質問にモツが思わず詰まってしまう…まるで痛い所を突かれた様に

固まって見せる!…そしてその質問の答えに対して正直に使用時間を答えて行くと、

オリハもその答えを聞いて思わず悲観的に!…一方で話はマサツグとシロ達の方へ

戻り!…まだ真剣な表情で見詰めて来る二人に対して!…マサツグも確認の言葉を

口にすると、二人に対して身構え始める!…


「……如何しても…やるって言うんだな?…」


「ッ!!…当然です!!…シロは納得出来ません!!…

…ご主人様がシロの事を大切に思ってくれているのは知っています!!…

大好きです!!!…だけど!!…シロにだって言いたい事は有るのです!!!…

その話をちゃんと聞いてくれるまで!!…シロは何度でも!!…

ご主人様に向かって行きます!!!…シロは絶対に!!…諦めません!!!!」


別にガチの戦闘を始める訳では無いのだが、この時マサツグも本気モードに!…

それは今まで強敵を相手にして来た時と同じ様に!…若干腰を落としていつでも

動ける様に身構えて行くと、シロとハティもハッとした様子で同じ様に身構える!…

そしてマサツグの質問に対してシロが返事をして見せる!…その際まだ言いたい事が

沢山ある!とばかりに訴えて行くと、一切マサツグから視線を逸らさず!…何なら

最初に見せて居た悲しげな様子はもう何処にも無く!…絶対に諦めない旨も話して

行き!…それに同調するようハティもマサツグに宣誓をすると、更に緊張感が増して

行く!…


「…ハティも!…ハティも!!…先生の事が大好きなのです!!!…

でもそれと同じ位におねえさまの事も好きなのです!!…

先生!…おねえさまともう一度!…お話をするのです!!!…

ちゃんとお話をするまでハティもおねえさまと一緒に向かって行くのです!!!」


__ギュウゥ!!…ゴゴゴゴゴゴ!!!…ヴヴヴヴヴヴヴ!!!…ッ!?…


ハティは真剣な表情で若干頬を染めながら堂々とマサツグの事が好き!と、だが

同じ位に家族の事も愛している!と口に!…故にシロに協力をする事も続けて

話し!…互いが好きであるが故に自分が懸け橋に!…仲直りをして欲しい事を

続けて訴えると、ギュッと拳を握って見せる!…如何に本気か?を露わにする!…

何ならその様子をシロも露わにし始めると、二人揃ってその体から青白い闘気の

様なモノを放って見せ!…するとそれは途中で合わさる様にくっ付いて行き!…

形を変えて狼の顔へと変貌!…まるでマサツグに対して威嚇する様に!…更には

二人で一人である様にも見せて行くと、マサツグも納得した具合で言葉を零す!…

そしてやっぱりこうなったか!とばかりに肩も落とす!…


「…そうか…って事は結局二人掛りになるって事で良いんだな?…」


__ッ!…ッ…ジリッ…ジリジリッ……


何と無くこうなるのは読めて居た様子で呆れて見せる!…そしてふとここまでの事を

思い返し!…あの今までの流れが異常であった事にも改めて気が付き頭を抱えると、

自身の警戒の無さにも呆れてしまう!…一方でマサツグの確認の言葉に対してシロと

ハティも同意が貰えた!と言う風に受け取ってしまったのか!…二人揃って迫る様に

ジリジリと距離を詰め!…と、いつまでも頭を抱えて居る訳にも当然行かず!…

次には気持ちを切り替える様に!…マサツグが頭を上げて見せると、溜息を一つ!…

そしてここからが本番!とばかりに吠えて見せる!…



「…はあぁ~……ッ!!!…来い!!!…相手をしてやる!!!」


「ッ!!!…行きます!!!!」×2


マサツグもフェンリル二匹を同時に相手にするとなると、本気にならざるを得ない!

と言った様子で意気込み!…と、次にはそのマサツグの吠える声を合図とした

様子で!…シロとハティもマサツグが本気になった事を悟って行き!…それに返事を

するよう同じく吠えて飛び出して見せると、本番が始まる!…一気に空気が真剣に

なる!…そして何度も言うがこれは決して命を掛けた一騎打ちでも無ければ、武器を

持った訓練試合でもない!…ただの鬼ごっこである事に何も変わらず!…しかし

当事者である3人は至って真剣!…先程よりも重く受け取り!…異様なまでに辺り

一帯を空気が張り詰める様にピンとした緊張感に包まれて行くと、モツ達もそれに

合わせて戸惑う!…と、同時にシロ達が勝つ事を祈り始める!…さて一方で闘技場

中央の様子はと言うと、シロとハティが愚直にもツッコんで行く!…と言った様子は

見せず!…


__バシュン!!!…シュタタタタタ!!!…ギュンッ!!…バババッ!!!…


「ッ!?…おっとぉ!?…」


__ッ!?…ッ~~~!!……ッ…ヴウゥン!!!…


あくまでも冷静にそして戦略的に!…真正面から突っ込んで行く様子を見せつつ!…

その直前で躱されるの予知して!…更に二人がそれぞれ反対側へと展開するよう

途端に離れて見せて行くと、マサツグも予想が外れた!とばかりに言葉を!…若干

驚いた様子を露わにする!…その際観客席側でもその様子を目にしてマサキや

くまさん驚いた反応を露わにすると、その動きをアヤやオリハが必死に目で追おう

として見せ!…だがそのシロの姿を捉えるのはやはり無理で!…モツも刹那を発動

してその二人の動きに注目をすると、断片的にしか見えない!…改めて二人の脚力に

驚いて見せる!…


「…やっぱスゲェわ!…俺でも断片的って言うか…」


「…それもそうなんですが…それよりも…

…あの兄さんの様子…気持ち悪くないですか?…

何か頭が高速で回転している様に見えるんですが?…」


「ッ!…え?…ッ!?…」


それこそあんなのを相手にしているのか!?と言わんばかりにモツが驚き言葉を

零し!…そしてモツですら断片的と言う事にアヤが静かに驚いて見せ!…と、一方で

ふとオリハがあるものを見つけた様子で途端にその表情を歪ませ!…と言うのも

嫌悪感を丸出しに!…他の面々にも見て貰うようその異変がマサツグである様に

話しをすると、当然各々が興味を!…そしてマサツグに視線を向ける!…すると

そこにはオリハの言う通りとても奇妙な様子を見せて居るマサツグの姿がそこに

在り、各々が若干引く様な反応を露わに!…


__ボバババババババババババ!!!…どよぉ!?!?…


それは今の状況がそうさせているが故に見える光景で!…この時シロとハティは

マサツグから距離を取ってその周りをグルグル走り、言わずもがなそれは撹乱

及び隙を伺っている様子であって!…となるとマサツグも当然その対処に追われる

事に!…そして幸いな事に[刹那]を使えば二人の姿を追える訳で、その場から

動かず身構え続け!…その際刹那は自身の反応速度を上げる覚醒スキルである事

から、それが辺りを見回す事にも反映される!…結果高速で目まぐるしく辺りを

見回す様子になり!…普通の人が見れば首を高速回転させている!…今にも頭が

射出させそうな奇妙な光景の様に見えてしまうと、とても不気味な様子にも

思えてしまう!…そしてアヤがその光景を目にして引いた様な反応を見せて居ると、

他の面々もギョッとして見せ!…


「な、何?…あれ?…一体如何なって?…」


「…そうだな…まるで首が高速で360゜回転して居る様に見えるな…」


「…あ、あははは…も、もしかして…俺もあんな感じになってるのかな?…」


パルシィにも奇妙な様子に見えているのか?…若干引き気味に今見えている状態を

そのまま話し!…するとモツもそう見えている様子で苦笑い!…何なら自分もあぁ

なのか?と…思わず何か躊躇いの様なモノを感じてしまうと、ただただその様子に

戸惑い続ける!…そうして各々が異様な光景を目にして固まって行く!…と、ここで

フィロが徐に言葉を口にし出す!…それは今現在進行形で奇妙な状態を見せて居る

マサツグに対してではなく!…祈る様にその様子をジッと見詰めているグレイスに

対して向けられると、今回の騒動について質問をする!…


「……で?…何処までがお主の策なのじゃ?…狼の女王よ!…」


「ッ!…え?…」


「ッ!?…え?…それって如何言う?…」


この時もう種明かしをしてもいい頃合い!とばかりに声を掛ける!…その際チラッと

グレイスに視線を送って警戒して見せ!…グレイスも突如それを問われた事でピクッ

と反応をして見せると、次には戸惑って見せて行く!…この時まるでそれを問われる

とは思っても居なかった様子で慌てて見せると、当然この会話に食い付く者達も

出て来て!…となるとグレイスは周りから視線を浴びる事になり!…それは逃げられ

ないよう包囲され!…フィロもフィロでジッと逃がさない!とばかりに!…ジッと

視線で圧を掛けると、これにはグレイスもウッ!と詰まる様にして若干引く!…と、

遂には観念した様子で白状もする!…


__ッ!?…ッ!?…ッ…ッ~~~……カクンッ…


「…はい…全ては私が仕組んだ事です…」


__ッ!?…どよぉ!?……ッ…ッ~~…


その際諦めた様に若干俯くそんな素振りを露わにすると、薄々バレるであろう事は

覚悟して居た様子で!…しかしそれでも事がバレてしまった事にションボリして

見せ!…フィロの問い掛けに対して自白の言葉を!…この事件の首謀者である事を

自ら明かして見せて行くと、この返答に当然モツ達やマサキ達が戸惑う!…何なら

一緒に居た近衛兵達数名も戸惑ってしまう!…と言うのも何故こんな事をしたのか

が分からず、しかも何故シロ達の協力をしたのだろうか?と…言うなれば言葉は

悪いがこれはマサツグの決意を無碍にするモノであり!…場合によっては侮辱!…

或いはシロを押し付ける為の口実の様にも見えてしまうと、フィロはジッと

グレイスを睨む!…その意図を聞かせろ!と圧を掛ける!…するとそんなフィロの

視線を感じてか、グレイスもこの事件の発端を話し始め!…


「…ッ…これは…あの子の…いえ、あの子達の望みだからです!…」


「ッ!…望み?…」


この事件の発端となったのはやはりシロ達にある様で、グレイスはこの決闘自体

紛れもなく二人の願いである!と…その際グレイス自身もこの話をするに当たって

若干悲しげな表情を浮かべ!…それはグレイスの本心でやっている事ではない!

と物語っており!…そんなグレイスの様子を見て各々も戸惑った具合に反応をする

と、モツが続けて問い掛ける様に言葉を零す!…するとグレイスもその言葉に反応

して更に続けて話しをする!…


「…今日話した事を覚えていますか?…昨日の夜…

マサツグ様が私にスコルティナを帰すと言った話を…」


「ッ!…え?…あ、あぁ…」


それは今朝モツ達に話したシロを帰すと言う話の続きの様で、まずはモツ達に

内容を覚えているかどうかの確認して行き!…すると各々は戸惑った様子で

顔を見合わせるそんな反応を!…が、次には全員覚えている様子で頷き!…

モツが代表して覚えている事を戸惑いながらも返事をすると、グレイスも静かに

頷く!…そこから更に何があったのか?を話し始める!…何でもそのマサツグと

別れた後の話に入って行くと、その後の自身の行動を話し始め!…


「…その話にはまだ続きが在るのです…謁見の間でマサツグ様と別れた際…

私は如何しても二人の事が気になって後を追い駆けて行ったのです!…」


__ッ!…ッ……


「…二人を追う事はそう難しくありません!…

ほんの数分で二人を見つけ!…話をしようとしたのですが…

やはりどうにも聞いてくれなくて…」


グレイスはマサツグと別れた後、シロ達を追った事を口に!…するとその話に周りは

当然!とばかりに各々反応!…何も可笑しな所は感じられない!と言った具合に!…

黙ってそのグレイスの話に集中するようジッと視線を向けて居ると、更にグレイスも

話を続ける!…と言っても難無くシロ達を見つけた事も口にする!…だが再会した所

で当然あの出来事が有った後だから、話を聞いて貰えなかった事も続け!…すると

それを聞いて面々も頷き!…オリハが当然!言って言葉を零すと、ここから話しは

ややこしい方向へ進み!…


「…まぁ当然だろうな…なんせ別れ方が別れ方であっただけに…」


「…はい…ですがあれには私にも少し考えがあったと言うか…」


「ッ!…え?…」


その際オリハは若干グレイスに叱咤すると言うか何と言うか、そのグレイスの

言葉に対してツッコミを入れる様に相槌の言葉を口にして行き!…するとそれを

聞いたグレイスも更に落ち込み返事を漏らし!…しかしグレイスにも何か考えが

あった様子で更に言葉を!…この時その考えを口にしよう!と…だが同時に

何か余計な事も思い出した様子で!…途端にモジモジとして頬を染めるそんな

反応を露わにすると、勿論そんな様子にモツ達も戸惑う!…何なら言葉も漏らして

凝視をする!…すると今度は更に自身で墓穴を掘る様にある事を口にすると、

今まで眠そうにしていたフィロが一気に覚醒して見せ!…


「ッ…た、確かにマサツグ様にキスは致しましたが…」


「……ッ!?…んな!?…何じゃとぉ~~!!!…」


「ッ!?…アレは恋愛感情的な物ではなく!…

ただその場を収める為の物で!…」


「ッ!?…お、落ち着いてフィロちゃん!!!…ハウス!!…ハウス!!!…」


と言うのもフィロはこの話を知らない訳で!…今知った事で一気に覚醒!…そして

その内容が真実かどうか!…グレイスへ詰め寄り当然の如く物申すそんな表情を

浮かべて見せると、グレイスもその気迫に押された様に!…まるで肯定をするよう

更に墓穴を掘って行く!…その際慌てて何でも無かった事を口にするが、何でも

無ければ口付けをするのか!?と言うモノで!…となるとフィロは余計に暴走!…

オリハもこの事態にハッ!として慌ててフィロを押さえる事態になって行くと、

モツもこの突然の展開に言葉を…余計に混乱をして見せる!…


「…ッ?…な、何?…余計に話しが見えないんだが?…」


「と、とにかく!!…この決闘はあの子達が望んだ物なのです!!…

…私はそんなあの子達に少し入れ知恵をしただけで!…

決してあの子達を疎ましく思って等!!…

ましてやマサツグ様の決意を蔑ろにした訳ではありません!!!…

…これは!!…あの子達なりの誠意の見せ方!!…

その願いを私が聞いただけなのです!!…」


「…え?…け、結局話は?…」


勿論訳が分からない事でモツは苦笑いをしながら悩んでしまい!…そして一方で

フィロはブンブン!と腕を振り回し、足もバタバタ!と忙しなく動かして続け!…

とにかくグレイスに対して猛抗議の意思を露わに!…するとオリハもそれを羽交い

絞めにして拘束し続け!…違う意味で収拾が着かない!…グレイスも必死に言い訳

をするよう自分はあくまでもシロ達の為!…別にマサツグを馬鹿にする為にやった

訳では無い事を訴えて行くと、自分の出来る事だけをやった!と主張…それで話を

終わらせてしまう!…となるとそんな話の終わり方に当然疑問を持つ訳で、マサキが

ツッコむ様に言葉を口に!…


と、一方でマサツグVSシロ&ハティの方はと言うと!…闘技エリアにてシロと

ハティが未だマサツグの周りを駆け回り、必死にその隙を探るのだが!…如何にも

最初鬼ごっこをやった時の事を思い出しては中々に攻める事が叶わずに居り!…

更にはマサツグが本気の状態になった事で!…余計に隙が無くなってしまい!…

更にはその姿も捉えられている様な鋭い眼光を浴びる事で何か委縮する様な感覚に

陥ってしまうと、ジリジリとTPを消費!…まさにジリ貧の状態になって居た!…


__シュンシュンシュンシュン!!…


「…このまま刹那の時間切れを待つって言うなら別に構わないぞ?…

その分俺は楽が出来るからな?…」


幾ら周りを駆け回ろうともキッチリマーク!…二人を交互に牽制してはその動きを

同時に制限!…何ならシロ達が攻めあぐねて居るのも分かっており!…挑発する様な

言葉も口にして更にプレッシャーを掛けて行くと、そんなマサツグの言葉にシロと

ハティも歯を食い縛る!…ムカッと来ている様子を露わにする!…しかし当然ながら

無策に突っ込んで行った所で往なされるのはもう目に見えて分かっており!…やはり

それはそれで向かって行く事が出来ず!…


{…クッ!!…先生の隙が無い!!…

まだこっちの様子が見えてるみたいですし!…

…迂闊に打って出てもあの時みたいに受け流されるのです!!…}


{…かと言ってずっとこのまま走り続けるのも疲れて来たのです…

…何か!…何か良い方法は無いのですか!?…}


となるとそのマサツグの牽制力にハティも焦り!…徐々に限界が近付いて来ている

事も悟りつつ!…それでもマサツグの隙を必死に伺い何とか食らい付こう!とする

姿勢を見せて行くと、少なからずマサツグにプレッシャーを掛ける!…一方で

シロも何とか食らい付こうと必死になる!…しかしこちらも同じく疲れて来た様子

で若干弱気になってしまうと、もう策を考えるだけの余裕も無い様で…何なら立ち

位置としても分が悪く!…マサツグはその場から動かず体力温存!…動き回って

いるのはシロ達だけで!…勝手に自滅して行っている様な感じになって居ると、

マサツグの方が有利に感じられる風にも見れるのだが!…


{…とは言え確かに刹那の使用時間もそろそろ限界に近付いて来た!!…

刹那が切れれば圧倒的に不利になるのは間違いなく俺なんだが!…

シロとハティもあの高速状態を保って居るのはしんどい筈!!…

そうなると問題は…俺の刹那が切れた後のシロとハティのTP残量だな!!…

俺の予想が正しければ…かれこれ五分以上は全力で走り続けて居る!!…

…相当きつい筈だ!!…}


別にヤバいのはシロ達だけでなくマサツグの方も色々と時間が迫って来ており!…

言わずもがなそれは[刹那]の使用時間の事で有って!…シロとハティを目で追い

つつ!…同時に目の前にある刹那の使用時間にも目を向けて刻一刻と秒数が減って

行くのを確認すると、焦りも比例して感じてしまう!…となると次に考えるは

刹那が切れた時の対処となる!…そこで容易に想像出来るはロケット頭突きの

嵐であり!…それが待ち構えて居るであろう事を考えるとゾッとしつつ!…だが

その嵐も長くは続かない事を予想すると、いつものギャンブル癖!…一か八か!と

言った消耗を祈り!…シロやハティに悟られないようポーカーフェイスで必死に

乗り切ろうとして居ると、ここでシロが先に動く!…それはマサツグ譲りの型破りな

作戦に打って出る!…


「…ッ~~~~!!!…こうなったらやってみるのです!!!…

…すぅ~~!!!…ふうううぅぅぅぅ!!!!…」


「ッ!?…おねえさま!?…」


「なッ!?…馬鹿な!?…」


この時これもマサツグ譲り!と言った具合に一か八か!と…シロは辛そうな表情を

見せつつ!…それでも突如高速移動しながら大きく息を吸って自身の真横に向かい

凍った息を吐いて見せると、マサツグの動揺を誘う!…何なら味方であるハティを

も動揺させる!…その際勿論二人揃ってそのシロの意図が分からずただ困惑した

表情を浮かべて居ると、一方でシロはそんな二人の事など御構い無しに!…自身の

隣の空気を凍て付かせ、それは音を立てて氷を張り!…


__パキパキパキパキ!!…


「…ッ!?…っと、あぶな!!…ッ!?…

そうです!!…その手が有りました!!!…

すぅ~~~!!!…ふうぅぅぅぅぅ!!!!」


「ッ!?…ハティまで!?…」


シロが走る道はハティも走る!…するとハティもその氷の延長線を踏んで思わず

滑り!…それでもコースアウトしない様に器用にシャッと滑って見せる!…すると

次には滑った事でハッ!と悟り!…ハティも真似をする様に大きく息を吸って

見せると、これまたシロと同じく!…首を左に向けて凍った息を吐いて行く!…

勿論走りながら大きく息を吸う事で思わず咽そうになるのだが、それでもハティは

グッと堪えると頑張って空気を凍らせ続け!…するとそれは徐々に氷の厚みを

増して行き!…何なら若干の傾斜も同時に生成!…となるとマサツグもその様子を

目にしてこれは何?と…更に戸惑う様子を見せるのだが、次にはハッ!と目を

見開く!…してやられた!とばかりに焦りを覚える!…と言うのも!…


「…もう走る事すら辛い筈なのに何でそんな!?…って!…ッ!?…しま!!…」


__トンッ!…シャアアアアアァァァ!!!!…ギュオオオォォォォォ!!!…


{ッ!?…不味い事になったぁ~!!!…}


気が付くとそこにはマサツグを中心に作られた円形状の氷のサーキットが出来

上がっており!…逃げる事が困難になると同時にある事も容易に想像させられ!…

何ならそれを実践する様に今度はシロとハティが徐にジャンプ!…勢いそのままに

氷のサーキットへ飛び乗り!…先程の勢いそのままサーキット内を滑って体力の

温存に努め出すと、更にマサツグを驚かせ慌てさせる!…その一方で息を切らし

咽る様子を露わにすると、シロとハティは互いにコンタクトを取って見せる!…


「ッ~~~!!!…ケホッ!…コホッ!…

…はぁ!…はぁ!…ッ~~~…

ハ、ハティちゃん!!!…行くです!!!」


「はぁ!!…はぁ!!…ッ~~~!!…はいです!!」


もはやポーカーフェイス等と言っている場合ではない!…その目の前の光景に絶句

させられ!…一方でこれで準備は整った!とばかりにシロが意気込み!…ハティに

言葉を掛けて次に仕掛ける準備を!…ハティも息を切らしながらに同意して行き!…

改めてマサツグの隙を二人で伺う!…シロ達もここからが本番!とばかりに奇策を

成功させて行くと、この時マサツグだけでなく観客席をも度肝を抜く!…まさかの

プレーに観客を沸かせる!…


__どよぉ!?…ざわざわ!!…ざわざわ!!…


「よ、よもやこの様な事を!?…」


「これもお主の入れ知恵か!?…」


「…こ、これは知りません!!…決闘の内容まではさすがに!!…

…ま、間違い無くこれは!!…あの子達が編み出した奇跡!!…」


もはや一気に形勢逆転した!と言っても過言では無いレベルの奇策に!…誰もが

あっ!と驚かされたよう目を見開き!…特にパルシィが上手い!とばかりに驚き

漏らし!…フィロもこれもグレイスの策なのか?と…何処までがグレイスの

筋書きなのか?と尋ねて行くが、グレイスはこの奇策に勿論知らない!と答える!…

シロとハティが自力で編み出したモノである事を更に答える!…となるとそれを

聞かされ面々は再び驚きを露わに、そして二人の様子に夢中になり!…一方で

マサツグもこの様子に慌て続ける!…幾ら見えると言っても!…ここから攻撃が

始まるであろう事が嫌でも予測が出来てしまうと、歯を食い縛る!…マサツグも

マサツグで更に気合を入れるのであった!…

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侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。 彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。 だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。 「お義姉さま!」           . . 「姉などと呼ばないでください、メリルさん」 しかし、今はまだ辛抱のとき。 セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。 ──これは、20年前の断罪劇の続き。 喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。 ※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。 旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』 ※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。 ※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

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