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-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-
-第七章三十節 酷い二人とシロの表情と騒乱の朝!…-
しおりを挟むグレイスに突如キスをされた事でマサツグは気が動転!…そしてやった本人も照れに
照れ!…そしてその光景を目にしたシロとハティも驚き困惑!…言わずもがな特に
シロが機敏に反応!…俯き肩を震わせる怒りの様子を露わにすると、次には先程の
[帰す]と言う話もあってか…必然的に不満を爆発させる!…それは数十秒震えた後に
ハティも気が付いた様子で声を掛けようとするのだが、シロは顔を上げると次には
マサツグとグレイスを睨みながら涙目になって見せ!…
「ッ!!……ッ!!…ッ~~~!!!…」
「……ッ!……お、おねえさま?…」
__ダッ!!!…タッタッタッタッタッタッタ!!…
何か言いたげな様子ではあったのだが何も言わず!…しかししっかりと怒りを
露わにして見せ!…そしてハティの呼び掛けに対して勿論何も返事をせず!…
次にはその場から逃げる様に!…フッと足早に謁見の間を飛び出し一人何処かに
向かって走って行くと、当然そのシロの様子を目にしてハティは戸惑う!…
その際シロの後ろ姿に向かって手を伸ばす!…だが当然その手がシロに届く事は
勿論無く、そのまま手を空を切って行き!…
「ッ!?…おねえさま!?……ッ~~~!!…
…おかあさまは酷い人です!…先生も!!…二人揃って酷い人なのです!!…」
__タッタッタッタッタッタッタ!!…ッ!!…ッ……。
その際もう一度シロの事を呼んで行くが、結果は何も変わらず!…するとその空を
切った手は徐々に力を失う様に!…最後にはブランと脱力するよう垂れ下がり…
そこから空を切った手でハティが徐に拳を握って見せると、今度はシロに感化された
よう!…プルプルと怒りをする!…そしてマサツグとグレイスに対してその怒りを
露わにして見せると、振り向いてはまるで恨む様に言葉を口に!…二人に酷い人!と
言って罵って行き!…そしてやはりシロの事もそのままには出来ない様子で!…また
クルッとシロが言ってしまった方を振り向き!…そのままシロが走って行った方へと
後を追い駆けて行ってしまうと、二人は揃って無言!…また静寂に包まれると辺りに
冷たく重い空気が流れ始める…
__…クッ…ククク…ペタン…
「……はあああぁぁぁぁぁ~!!………
何で毎回こうも上手く分かれる事が出来ないのだろうか?…
毎度ながらどうしてこうなる…」
「…ごめんなさい…私のせいでこんな…
マサツグ様をこんな形で巻き込むつもりはなかったのですが…」
さてそうして謁見の間内に二人が残され…覚悟して居たとは言えマサツグも最悪の
別れ方をしてしまった事でその場に崩れるようへたり込むと、大きく溜息を吐いて
凹む様子を!…上手く行かない!と嘆いて見せる!…するとその言葉でグレイスも
また申し訳なさそうに何か思惑があった様子で謝罪をすると、何やら巻き込む
つもりは無かったと説明を!…しかしそれは逆に言えばグレイス的には上手く事が
運んだと言う事であり!…だがマサツグは気が付いていない様子で言葉を口に!…
グレイスに対して空元気を見せる!…
「ははは…まぁ…慣れてるから良いですけど…
…ッ……大丈夫なんですか?……あの様子だと…」
「……覚悟は出来ています!…少なからずこうなると思いましたし…
後は私に任せて下さい!…」
苦笑いをしては慣れて居ると…しかしその様子からは幾ら慣れているとは言っても、
やはり精神的にダメージを受けている様子がハッキリと伺え!…だがそんな自身の
事よりもシロの事で!…この後の事に対して心配を!…グレイスに荒れないか?と
言った戸惑いの言葉を口にすると、グレイスもその言葉を受けてハッ!と…途端に
覚悟を決めた表情を露わにする!…そしてこの展開に対してもこうなるであろう事は
織り込み済みである様に話しをすると、任させてください!と更に続け!…と、
ここで漸くマサツグもグレイスの言葉を理解して行き!…ふと疑問を持った様子で
そのまま言葉を!…
「へ?…こうなる事……って?…」
「ッ!!…な、何でもありません!!!…
今のは忘れて下さい!!……コ、コホン!!…」
当然この展開を読めていたと言う言葉が気になり!…思わず疑う様なそんな反応も
見せてしまうと、それを指摘された事でグレイスはハッ!と慌てる!…そして
そのまま誤魔化しに掛かる!…何なら忘れて下さい!とお願いを言い出す始末に
なって行き、尚の事怪しい反応を露わにし!…だがこの時マサツグを貶めたと言う
疾しさは感じられず!…マサツグも余計にそう言った者が見られない事でえ?っと
戸惑うそんな様子を見せて居ると、一方でグレイスは取り繕う様に咳払いを一つ…
そして足元に置いてあるランプを回収して行く!…
__カランッ…
「…それではマサツグ様?…そろそろ私も自室に戻ろうと思いますが…
いかが為さいますか?…お残りになるのでしたら扉は開けて置きますが…」
「ッ!…あっ!…えぇ~っと……」
空しくランプの取っ手を持った音だけが聞こえて来ると、グレイスはそれを手に
マサツグへ声を…と言うのもまだ残るのかどうか?について質問をして行き!…
自身はもう寝る様に言葉を…残るのならそのままの状態にしておく事を更に話す
と、それを問われた事でマサツグも途端に反応!…その返事に戸惑って見せる!…
その際思わずチラッとシロとハティが居た扉の方へ視線を向けるが、当然そこに
二人の姿は何処にもなく!…
__チラッ?…ッ……ッ!……
「…じゃあ俺も寝ます……ややこしくなるとは思いますが…
シロの事……よろしくお願いします!…」
と、そんなマサツグの挙動にグレイスも気が付き!…気が付いたが故にそのまま
マサツグの返事を待つ!…それこそいつまでも待つ様にやはり若干悲しげな表情を
浮かべて見せ!…すると次にはマサツグもふと寝る事を口に…恐らくシロに対して
気まずさを感じたのか…掛ける言葉も見つからない!と言った具合で落ち込む様な
そんな返事を口にすると、最後にマサツグはグレイスにお願い!…と言うのも後の
事は任せた!とばかりに改めて頭を下げて見せる!…するとまた頭を下げられた事
でグレイスもハッ!と慌てて見せると、グレイスもグレイスで頭を下げてお礼を
口に!…
「ッ!…こ、こちらこそ!…本当に、有難う御座いました!!…」
それは当然ここまでシロを連れて来てくれた事に関しての感謝の言葉で!…寧ろ
こちらの方こそ迷惑を掛けた!と…深々と頭を下げて互いに感謝をし合う様子を
見せて居ると、また辺りは静寂に包まれる!…やはり何か悲しい気持ちになって
しまう!…そして時間して約数分間互いにそうして頭を下げ合い監査世お願いを
して行くと、共に頭を上げてはそのまま謁見の間を後にして行き!…その際
グレイスがランプを持っている事でマサツグが扉を!…何処か物悲しく軋み
重々しく音を立てて扉は締まり!…グレイスもそれを見届けた事でマサツグに
声を掛けて行くと、お休みと言葉を口に!…
__ギイイイィィィィ…バタンッ!…
「…それではお休みなさいませ…良い夢を…」
「おやすみなさい…女王様…」
__コッ…コッ…コッ…コッ…
最後にグレイスはマサツグへ微笑み会釈を一つ!…そして気遣う様にして言葉を
口に!…と、それを受けてマサツグも勿論返事をして行き!…その際マサツグも
笑みを…だが上手く笑う事が出来ず!…まるで苦笑いをする様なそんな表情を
浮かべてしまうと、グレイスも気が付いては居るもののスルー!…クルッと振り
向き自室に向かう!…さてそうしてグレイスが遠ざかって行く様子…ランプの
灯りが遠退いて行く様子を見詰めて行くと、マサツグも振り返って改めて自室に
向かい歩き始め!…が、その道中でやはり気になるのはシロの事で!…この時
頭の中ではあのシロの表情がフラッシュバック!…驚きと戸惑いと絶望が入り
混じった!…あの何とも言えない悲痛な表情が思い出されると、これで本当に
良かったのか?と…再びマサツグを悩ませ始める!…
{…シロ……いや、これで良いんだ!…これが最善の策である筈なんだ!…
…折角家族と再会出来たんだ!…もう危険な目に遭う必要はない!…}
__コッ…コッ…ガンッ!!…ッ!?…ッ~~~!!!……コッ…コッ…
シロのあの最後の表情が頭に浮かんではこびり付いて離れない!…そしてその
表情を思い出す度に!…マサツグは自身を正当化するよう言い訳の様な事を
考えるのだが、それを苛む様にシロの表情がまたフラッシュバック!…そして
考え事をして居るが故に前が見えなくなってしまう!…それは物理的に前方に
何があるのか見えないで進んで居ると、そのまま壁にぶつかって行き!…と、
突然の衝撃にマサツグは驚き!…痛みに耐えながらも自身が壁に激突して行った
事を自覚すると、迂回してまた考え事しながら自室に向かう!…そして!…
{…それにこの事だって別に今生の別れって訳じゃない!…
また会いに来ようと思えばまた会いに来れるんだから!!…
これで良い!!…これで良いんだ!!……でも、本当に良かったのか?…}
__コッ…コッ…ドゴォ!!…ッ!?…パシッ!!…ふぅ~……コッ…コッ…
また自身を正当化する様に言い訳を!…その際今まで聞かされてきた話を思い出す
様に!…何ならまた会いに来る事が出来る!と考え!…と、それで何とか自身の
心に納得を得ようとするのだが、当然上手く行く筈も無く!…寧ろ決意が揺らぐ
様に!…不安感と共にこれが正解?と言った疑問もこれまた湧いて来ると、やはり
シロの顔を思い浮かべる!…そしてまた前が見えなくなってしまう!…この時
今度はその通路の端に置かれて有る小型のキャビネットにマサツグがぶつかって
行ってしまうと、そのキャビネットの上に置かれて有るツボを落としそうになって
しまい!…が、間一髪の所でマサツグがハッ!と…我に返っては機敏に回収!…
割る事無くそのまま元の位置に直して歩き出すと、また同じ事で悩み始める!…
{…シロをグレイスに帰すとしてもあの終わり方で本当に良いのか?…
それにこの事をモツや他の仲間達にも説明したとして…
納得してくれるのか?……もしかしたら別の方法があったかも知れないのに…
……あぁ~~~!!!…駄目だ!!!…この自分の優柔不断さに腹が立つ!!!!…
それにもう決まった事なんだ!!!…覆せないんだ!!!!…
どんなに後悔しても!!!…もう引き返せないんだ!!!!…
決意した筈だろ俺!?…しっかりしろ!!!!…}
__ダン!!…ガン!!…ゴン!!…バアァァァァン!!!…
次第にその考え事も不安と共に大きくなると、今度は仲間達に如何説明するか?で
悩み始め!…特にネックになるのはオリハで有り!…最悪オリハとぶつかるかも
知れない事を考えて行くと、やはり過るは別の解決策!…そしてハッキリとしない
自身の心に苛立ちも覚える!…となるとこれまたもう決まった事で覆せない事も
考えて行くと、自身の頭と心でまた喧嘩が始まり!…と、同時にまた前が見えなく
なって行き!…この時にはもう周りを気にしない!…ぶつかったらぶつかったままで
とにかく物音を立てながら進んで居ると、その自室前まで戻って来た頃!…その
物音に文句を言うよう子狐が飛び出して来る!…
__バタアアアアァァァァァン!!!!…ッ!?…ギラァ!!!…ッ!?!?…
「くぉらあああぁぁぁぁぁ!!!
誰じゃさっきからガンガン暴れ居ってからに!!!…
今何時じゃと思うておる!!!…
何処のボケナスか知らんが燃やしてくれるわあぁぁぁぁ!!!!…って、ンン?…」
「ッ~~~~!!!…お前が一番五月蠅いぞ、玉藻前!!!…静かにしろ!!!」
この時その子狐は扉を蹴破る様にして飛び出して来ると、その物音の原因と思われる
者が居る!と踏んでか睨みを利かせ!…何ならその手に既に狐火が握って見せ!…
当然の事ながら臨戦態勢!…そしてマサツグに対してであろうか?…文句の言葉を
口にして身構える体勢も露わにするが、その目の前に居るのはマサツグと…何なら
その驚いている様子に疑問を持つ!…と言うのもその物音の原因がマサツグだとは
考えても居ない様子で、何故ここにマサツグが?と途端に冷静!…しかしそれでは
済まない様子で更に飛び火!…それは既に寝ていたであろうパルシィを起こし!…
パルシィもフィロに対して五月蠅い!とばかりに文句を言うと、更に激化!…怒りの
矛先が変わって行く!…
「ッ!?…ッ~~~!!!…ぬあぁんじゃと貴様あぁ!!!…
ちょっとばかし力を取り戻したからと言って気になるでないわ!!!…
いっそここで完全に溶かし尽くしてやろうか!?…えぇ!?…」
「…はあぁ~……」
その際パルシィが若干成長している事を気にしているのか、わざわざその事を口に
しては喧嘩を売り!…と、その時には完全にマサツグの事をスルーしており!…
とにかく部屋の中に居るであろうパルシィに対して尻尾を逆立て怒りを露わにして
見せると、もはやこっちの方が時間帯など御構い無し!…吠えに吠えてヒートUPを
して見せる!…となるとそんな二人?であろう様子にマサツグも途端に冷静さを
取り戻して行くと、勿論事態の収拾に当たり始め!…
「…暴れて居たのは俺だよ!…悪かった!!…だから…」
「消えて無くなれぇぇぇ!!!」
「毛皮のコートに加工してやる!!!!」
この騒動の引き起こした元の原因が自分だと分かっている分、面倒臭く!…だが
そのまま放置する訳にも当然行かず!…それでもとにかく自分が悪かった事を
口に!…落ち着くよう二人に声を掛けて行くのだが、二人は既にテンションMAXの
怒りが有頂天状態!…勿論止まらずに互いの事を罵り合う!…その際枕を片手に
身構える素振りを見せて行くと、マサツグもも一つ面倒臭そうに言葉を漏らし!…
「…あぁ~もう!!!…話を聞けっての!!!…」
「喰らえ!!…我が必殺の怒りの投球をぉ~~!!!」
「喰らう馬鹿者!!!…こっちも必殺のぉ~~!!!」
仕舞いには逆にマサツグが文句を言い出す始末になり!…しかしそれでも二人は
全く止まる様子を見せない!…そして遂には枕を片手に得意とする技を放ち合い!…
そのまま回避し合いの罵倒し合い!…それはもうドッタンバッタンの大騒ぎ状態
になってしまうと、マサツグもその様子を見てもう投げたくなる!…文字通り色々と
思考を放棄したくなってしまう!…だが勿論そのまま放置する訳に行かない訳で!…
「ッ~~~!!!…ダアアァ~~~もう!!!…分かった分かった!!!…
じゃあ俺がフィロを抱えて寝るから!!!…それで大人しくなるだろ!?…
パルシィももう枕を投げるなあぁ!!!」
__ビタッ!!…チラァ?…
「……ふぇ?…」
「ッ!!……まぁそれなら確かに静かになりそうだな…」
自分が招いた結果と反省をすると、吠えながら根気よく二人の間に立って仲裁に
入り!…その際妥協案としてマサツグがフィロを抱えて眠る事を口に!…すると
その言葉を聞いて途端にピタッ!と…そこだけはしっかりと耳に入った様子で
棚ぼた!と言った具合にフィロが戸惑って見せて行くと、パルシィもフィロの
攻撃が止まった事で一旦落ち着く!…そしてパルシィもそれで静かになるのなら…
と了承する!…さてそうして深夜の終戦を迎えて行くと、最終的な被害としては
ただの枕投げ程度に治まり…しかし事態を収拾出来た頃には翌日の未明となって
おり!…確実な睡眠不足免れず!…更にはその夜…二度とシロが姿を見せる事も
なく終わり迎えると、マサツグもその事だけが気掛かりで不安に!…とにかく
次の日の朝を迎えて行く!…
__……ッ…ッ~~~……ッ?…
「すぴょ~…すぴょ~…」
「……もう朝か…やっぱ寝た気がしない…でも起きないと…」
次の日…ふと朝日が瞼を刺す様に差し込むと、マサツグもそれに反応して目を
覚まし始め!…その際辺りを見回すと他の面々は既に居らず…部屋にマサツグと
抱えてフィロだけしか残って居た様子を目にして行くと、マサツグもゆっくりと
起床する…色々と準備をしようと動き始める…この時その表情は眠そうと言う
よりただ気が重いと言った様子を見せて居ると、取り敢えずフィロをそのままに
寝かせて大部屋を後に!…行き先はまず謁見の間へと向かって行く事に!…
するとそこで運が良いのか悪いのか?…既に集まっている面々の様子も発見して
行き!…何なら既にグレイスから話を聞いたのか、その入って来たマサツグの姿に
誰もがあっ…と言いたげなそんな表情を浮かべて見せると、マサツグも当然察して
しまう!…
「……ッ!…あっ…ヤブ…」
「ッ!!……ッ…」
それはマサツグに文句があると言うより、仲間と知らず知らずの内に別れたと言う
事実に悲しむ様な表情を見せ!…更には気まずさ・疑問・困惑と言ったそんな反応も
伺える面々の表情がマサツグの目に映り!…その謁見の間の奥にはグレイスの姿も…
こちらも深く落ち込んでおり…何かまるで酷な通告を終えた様なそんな気の落ち様を
見せて居ると、ただ俯く…マサツグもその光景を目にして更に状況を察して行く!…
{…この様子…もう女王様が全員に話した様子だな…
…覚悟はして居たけど…いざそれを目の前にすると辛いもんだな…}
「…兄さん……女王様からシロちゃんの事で…
話があるって聞いて来たんだけど……あれって本当?……」
言わば内部分裂が起きそうな様子にも見えてしまい!…改めてその様子を目にして
マサツグも落ち込み!…と、一方でここに来てオリハが事実確認をし始め!…勿論
納得が行かない様子で若干の怒りを!…とにかくド直球にシロの事について尋ね
出すと、拳も握って見せて行く!…するとマサツグもそれに気が付いた様子で薄々
こうなる事は分かっていた!と…次には面倒臭そうな感じで溜息を一つ吐いて
見せると、オリハにその返事を口にして行き!…
「…はあぁ~……あぁ、本当だ…」
__どよ!?…ザワザワ!…ザワザワ!……ヨロッ…
マサツグはばつが悪そうにそっぽを向きながら肯定の返事を!…するとその返事に
改めて一同は戸惑い!…事実である事に当然もう一度驚くそんな反応も露わにする
と、謁見の間内に激震が走る!…と言うのも控えて居る近衛兵達もその返事を
聞いて動揺する!…そして特にこの返事に対して一番驚いた反応を見せたのが
オリハとシルビィの二人で!…シルビィは無言のままに何か後退る反応を見せると、
一方でオリハが更に言及をして行き!…
「ッ!?…ッ…ッ~~~!!!…
如何して!…如何してなんだよ!?…
だって!!…シロちゃんは兄さんの!!…」
「…お前の言いたい事は分かる!…
でも決まった事は決まった事なんだ…」
「ッ!?…」
勿論その事実に納得が出来ないオリハはマサツグを責める様に!…何ならこんなの
可笑しい!とばかりに撤回を求めるよう言葉を続け!…しかしマサツグはそんな
オリハの言葉に対して面倒臭そうな態度を取り!…すると徐にオリハへ近付き!…
そこからオリハの肩に手を置いてやれやれと言った表情を浮かべて見せると、まるで
大人になれ!とばかりに言葉を!…更に火に油を注ぐ様な返事をして見せる!…
その際もう決まった事!と自身は割り切っている様子も露わにすると、当然その
言葉を聞かされた事でオリハは更に戸惑い!…となるとそんな返事や態度にアヤや
シルビィもムッとし出し!…ただ無言でマサツグに抗議の視線を!…するとそれを
感じてか…マサツグも二人に説明をするよう更に言葉を続けて行くと、納得を得よう
と話をする!…
「…考えても見ろ?…
未だこの世界ではこの世界の者の蘇生に関して…
全く優しくない!って言っていい程のアレなんだぞ?…
そんでもって今から俺達が喧嘩を売りに行く相手は!…
何が有るか分からない国一つ丸ごとだ!!…
…幾ら大規模レイドバトルで他の冒険者が集まったとしても!…
必ず激戦になって倒れる者が出て来る!!…
その内の中にシロが入ったらって考えると!!…
当然ビビっちまうのも分かるだろうが!!…」
その際アヤやシルビィ達にも関係が有るよう話して行くと、死を直感させる様に
蘇生の話をして行き!…自分達は何度でも復活出来る様に話す一方、NPC達は
出来ない!と続け!…更に規模も今までやって来たモノより大きい!と…確実に
被害が出るであろう事も既に予見している具合に更に話すと、そこで一番危うい
シロの事を!…マサツグも本音を漏らして行く!…勿論それは嫌になった!とか
ではなくシロの身の安全を考えての事である!と話して行くと、それを聞いて
更にオリハもまだ反論を口に!…
「ッ!!…だ、だったら!!…だったら!!!…
シロちゃんを守りながら戦えば良いじゃん!!…
何でそんな簡単な事に!!…」
「ッ!?…ま、待てオリハ!!…」
「ヒロ!!…ちょっと待ったや!!…気持ちは分かるけど!!…」
この時オリハも勿論マサツグの言っている事を理解する!…しかしそれであっても!
と本能に従い!…自分達なら護り合う事も出来る!と…完全に頭に血が上っている
具合で反論をすると、マサツグへ掴みかかろうとして見せる!…それは当然喧嘩を
する為の物ではなく、あくまでもマサツグを説得しよう!と…となるとそんなオリハ
の様子に回りも誤解!…次には慌てて止めに入るよう!…モツやマサキが我が身を
挺して間に入ると、一方でマサツグも怒鳴る様に反論!…その際背中から黒い靄を
滲ませる!…
「ッ!!!…簡単じゃねぇから!!!…
俺だって嫌々帰したんだろうが!!!!…」
__ッ!?……ッ…
言わずもがなその様子はあの魔王化一歩手前の状態であり!…その無責任なオリハの
発言に対して怒りをぶちまけ!…と言うのもオリハ自身単身でデグレアント兵達を
薙ぎ倒す実力があるから言えるのだ!と…その際自身の本音も吠え!…まるで辺りを
黙らせる様に一喝してオリハや止めてくれているモツとマサキの事も気圧して行く
と、更に如何言う事か?を話す!…珍しく委縮しているオリハへ更に怒りを言葉を
ぶつけて行く!…
「いいか!?…この大馬鹿野郎!?…
確かに相手が今まで襲って来たあの兵士共だけだったら同じ事を言える!!…
寧ろ今回の戦いにおいて単騎で仕掛けても八割は勝てる自信が有る!!!…
…けどな!?…相手は戦車を持っているんだぞ!?…
何なら戦車だけじゃなあねぇんだぞ!?…あの闘技場で!!…
シルビィやラグナスを玩具の様に扱ったパルメリアに!!…
アダマンタイマイの洞窟に居た面倒臭い孔明モドキ!!!…
あと他に炎と大地の魔術師が控えてるんだぞ!?…
一斉に押し掛けても勝てるかどうかも分からない危険な戦いに!!!…
自分の可愛い娘を連れて行けって言うのか!?…ふざけろ!!!!…」
それこそ自身の無力さを痛感する様に!…怒りを爆発させオリハへ詰め寄る様子も
露わにして見せると、モツがハッと気が付いた様子で振り返る!…すると今度は
マサツグを抑えに掛かる!…しかしそれでもマサツグの怒りはまだまだ止まらない
様子で、思って居る事を更にぶちまけ!…何ならオリハと同じ事を考えて居た時期も
有った事を口に!…しかしそうじゃない!と…一筋縄では行かない事も更に続け!…
普通じゃない戦いに娘を連れて行く!…ましてや死なせる様な事を命令出来るか!?
と更にオリハへ対して鬼の権幕を!…如何にシロを愛しているか!?をぶちまけ
続ける!…するとその鬼の形相にオリハもさすがに折れた様子でハッとすると、
次には黙り込んでしまい!…
__ッ!?…ッ…
その初めてと言ってもいいマサツグの激怒振りにオリハだけでなく他の面々も
戸惑ってしまい!…誰もが何も言えないスッと俯くそんな様子を露わにすると、
ここでモツもマサツグの事をフォローし始め!…と言うのも改めて如何言う
状況になるか?をその場に居る面々に聞かせて行き!…特に今回の戦いにおいて…
モツも泥仕合になる事が予想される!と面々に説明をすると、も一つ危惧して
いる事も漏らして行く!…と言うのもシロだけでは無い様に話をする!…
「…それに今回はあの運営様がまさかの手を拱いて居る状態で…
ほとんどプレイヤー任せになるってドラ子が説明をしていただろ?…
それはプレイヤーだったら戦死したとても…
直ぐにリスポーンして戦線復帰出来るからだけど…
…さっきも言った通りNPCとなるとそうはいかない!…
もしかするとアヤやシルビィ…最悪魔王クラスである!…
フィロとパルシィもお留守番なんて事になりかねないんだ!…
…確かにシロちゃんは強いけど!…まだまだ危うい!…
言ってまだまだ小さな子供である事には変わらないんだからな?…」
「ッ!?…ッ…ッ~~~……」
それは先程の話も交えて更にドラ子から聞かされた話も思い出す様に語って行く
と、同じNPCであるアヤやフィロにもスポットライトを当て!…と言うのも
彼女達も復活出来ない側である!と…となるとお留守番になる可能性が高く!…
フィロやパルシィですらお留守番と言われている中!…余計にシロをその危険な
場所に連れて行く事が出来ない理由をマサツグの代りに説明をすると、それを
聞いてオリハはハッ!と…目を見開き納得してしまった表情を露わにする!…
すると次には一人葛藤する様なそんな様子も見せて行くと、一方でそのモツの
言葉にまたもや噛み付く者達も現れ!…
「ッ!?…ちょっと待って!?…私は参加するつもりよ!?…
大切な仲間が攫われたって言うのに後ろで見てろなんて!!…
そんなの出来る訳が無いでしょ!?…」
「私も同感だモツよ!!!…
…隊を率いる者が後ろに隠れるなど!!…あってはならない!!!…」
「旦那様の近くに居ないで何が従魔でしょうか!?…
私の命は旦那様と共に!!…」
「…シルビィはさっきのマサツグの話を聞いて居なかったのかな?…」
と言うのもその言葉に反応したのはNPC達のアヤ・パルシィ・シルビィで有り!…
自分も置いて行かれるかもしれないと言う言葉に慌てて見せ!…アヤが必死に
付いて行く事を訴え出すと、次にはパルシィが仁王立ちで異を唱える!…さも
既に自身が大将である様に振舞って見せる!…そして腕を組み仁王立ちをする
一方で忠犬ぶりを発揮!…シルビィもマサツグの為なら!と従魔として一歩も
退かず!…となるとそんな三人の言葉を聞いてモツも戸惑い!…思わず小馬鹿に
するようツッコミの言葉を口にすると、マサツグもマサツグで更に言葉を!…
オリハに止めを刺すのであった!…
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【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。
【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?
※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
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目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
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パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~
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お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。
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