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-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-

-第七章二十三節 渾身の一射と嫌な異音と精霊様お怒り?…-

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静寂を打ち破る様にアヤは叫びながらそれを放つ!…この時そのアヤのオーラと

言うのは体を包み!…そのまま腕に弓と!…更には番えている氷の矢にも到達して

矢にその四色の光が宿り出すと、一つの技として昇華し出す!…それは先端から

降り注ぐ様にして四本の光の帯が流れて来ると、まるでドリルの様に回転をして

行き!…だが肝心の当事者には如何でも良く!…矢を放つ際一瞬だけ息を止める!…

自身の体の震えを制御して行き!…そして勢い良くその光を纏った氷の矢を放って

見せると、目の前の魔素のカーテンを貫く!…デカデカと大きな風穴を開けて

見せる!!…


「ッ!!!…いっけええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」


__バシュン!!!…ブワアァァ!!!…ッ!!…ッ~~~!!!……


この時アヤも気持ちが昂った様子で叫んで見せる!…するとそれは勢いとなって

風圧を起こし!…色々と巻き上げる様に近くに居たマサツグ達をも怯ませてしまう

と、春風刀の支援を忘れさせる!…と言うか出来ない状態にさせてしまう!…

しかしそれでもアヤの放った氷の矢がそのままグングンと伸びて行くと、遂には

あのパルシィの氷の飛礫の隣を通過したのか、魔素のカーテンの風穴からその光が

漏れ出て!…


__…パアアアアァァァァ!!!!…ッ!?!?…


「この光って!!…」


「間違いない!!…純粋な氷の聖楔《ピュアイシクルウェッジ》!!…」


突如差し込んできた光に一同は戸惑う!…だがその差し込んで来た光と言うのは

希望であって!…蹲っていたモツもこれには復帰!…そしてその光を目にして

戸惑いの言葉を口にすると、パルシィが確信を持った様子で断言!…あの飛礫の

光りである!と答えて見せる!…するとそれを聞いて上手く行ったのでは!?と

各々が喜びを露わにしようとして居ると、安心もつかの間次には不穏な音が!…


__バカアァァン!!!…ッ!?…ッ!?!?…


「…え?…こ、この音は?…」


「…わ、分からない!!…この音はさすがに分からない!!…

…しかし考えるとするなら!…何かに直撃して何かが壊れた音!!…

…そしてこの状況から考えられるに!…恐らく!!…」


それは天井より何かが砕ける音が聞こえ、途端にその音を耳にして一同はビクッと

慌て!…そして次には何か不安を感じた様子でモツが零し!…と、それに対して

パルシィがまたもや反応を!…分からない!と言って同じく慌てる様子を露わに

すると、それでも大体の目途を!…しかし最も最悪なパターンを想定する!…すると

そのパルシィの予想が当たって居るとばかりに異変が!…それは眼前にある魔素の

カーテンが揺らめきはためくと、その中から氷塊が!…


__…ズモモモモモ!!!…ゴゴゴゴゴゴ!!…


「ッ!?…な!?…」


「こ、これは!?…」


それは若干の魔素を帯びつつもマサツグ達の居る方とは別の所に飛来して行き!…

その見えない向こう側からそんな物が落ちて来た事で一同は戸惑い!…と、同時に

それを見て不安を覚え!…と言うのもアヤが放ったあの矢はよもやバラの直撃した…

したにしても狙ってはいけない中心部に当たったのでは!?…考えて居ると、更に

その氷の花弁と思わしき物は飛来して来る!…数にして3~4!…しかもm級の物が

落ちて来る!…


__…ズモモモモモ!!!…ゴゴゴゴゴゴ!!…


「ッ!?…まだ落ちて来るぞ!!…」


「それもそうだがあのバラは!?…

…最悪本当に非常手段に!……ッ!?…」


そのトンデモナイ物が落ちて来る光景にとにかく慌て!…見えなくてもその魔素の

カーテンを凝視し続け!…と、ここでふとある事にも気が付いて行く!…と言うのも

若干魔素のカーテンが退いた様な?…天井に対して奥行きを若干感じ!…モツが

それに気が付いた様子でハッ!となると、一方でパルシィが全員に警告を!…そして

マサツグもマサツグでバラの事を気にし続けて見せる!…その際やはり最後の手段が

ある様子でスッと刀を身構えるそんな素振りを見せて居ると、更にその魔素の

カーテンから異変が見られ!…


__…ズモモモモモ!!!……ユラユラ…ユラユラ…ッ…


「…あ、あれ?…」


「…お、収まった…のか?…

…いやまだ何か嫌な予感がする!!…

全員決して警戒を!!……ッ!?…」


その際バラの花びらは偶然にもマサツグ達を避ける様に落ちて来て辺りを圧迫!…

そして逃げ場を塞いで行き!…と、同時に魔素のカーテンも揺らめき続け!…

しかしそれも長くは続かない様子で落ち着き始める!…しかしながらその様子に

何か嫌な予感が!…特にパルシィが危機感を覚えた様子で全員に注意を呼び掛けて

居ると、次にはそのパルシィの嫌な予感が姿を現す!…と言うのもあの氷の飛礫が

触脚ごと降って来る!…


__……ズガガガガガガガ!!!…ッ!?…


「ッ!?…ちょ!?…」


「パ、パルシィさぁ~ン!?…」


それは若干遠くより何かが激しくぶつかる音が聞こえて来ると、徐々に近づいて

来ている様な!…と、次にはその魔素のカーテンを突き破ってこんにちは!…

何ならまだ浄化の機能は生きている様で!…魔素を浄化しながら落下!…これが

魔素のカーテンが薄くなった原因である事が考えられる一方!…勿論そんな光景を

目にして一同が慌てる筈も無く一気に逃げ腰体勢になって行くと、マサツグが

パルシィに文句を口に!…名前を呼んで抗議をする!…するとその一方で次には

その氷の飛礫もガラスの窓を突き破る様にして更にぶつかって行く様子を露わに

すると、当然物々しい音を立て!…


__ズガガガガシャシャシャシャシャシャシャシャ!!!!…


「ッ!?…キ、キャアアアアアアァァァァァ!!!!…」


「パ、パルシィさぁ~ん!?…」


「ッ!?…わ、私に言うな!!…

…た、確かに私がやった事だが!!…」


触脚はガラスを破って尚も落下、その際窓の枠をも変形させ!…何なら引っ掛かり

を感じる様に徐々に滑るようにして落下し続けると、そんなものが迫って来る事で

アヤが悲鳴を上げてしゃがみ込む!…マサツグももう一回文句を言う!…すると

そんなマサツグの呼ぶ声にパルシィも途端にハッとして見せると、慌てて文句を

言い返し!…何なら本人自身がこうなるとは思っても居なかった様子で戸惑って

居り!…もう氷の欠片なのかガラスの破片なのか?…とにかく色んな破片が雑じり

合い!…危険な空間を更に作って行く事になっていると、一方でモツはその状態に

戸惑いながらも更にある異変に気が付く!…マサツグ達に指を差して見せて行く!…


「ッ~~~!!!……ッ!!…お、おいアレ!!…」


「ッ!…え!?……ッ!?…」


それは慌てつつも驚きも露わに!…そして魔素のカーテンを指差し!…マサツグ達も

そんなモツの声に反応して一度モツの方を見ると、指を差す姿を確認!…そこから

更にその指差す方へ視線を向ける!…するとそこには魔素のカーテンが更に薄くなる

様子が見られると、同時に今のバラの状態がこれまた見え!…何ならそこにはアヤが

ぶっ放したであろうあの氷の矢が刺さっている様子もしっかりと見られ!…それは

見事に真ん中から逸れて脇に刺さっており、そして魔素の生産を阻害しており!…

更にはパルシィの飛礫も魔素を浄化している様子が同時に見られ!…二重で浄化機能

が発動している!…そんな面白い光景を目にして行くと、ここで危険が一時的では

あるが去った事を自覚する!…何なら漸く引っ掛かれる所に当たったのか、飛礫の

落下も収まっており!…


__……カシャンッ!!……ッ…ッ……ッ~~~…ハアアァァ~~~~!!!!…


落ち着いた所で瓦礫が落ちる!…それは物悲しく物音を立て…各々も互いを見る様に

チラチラと全員が無事である事を確認すると、次には大きく息を吸う!…そして

思いっきり溜息を吐く!…それは無事生還した喜び等を表す様子とかでは勿論なく、

もはや達観した様子で疲れた!とばかりの溜息で有り!…と、次にはその先程の

騒ぎを聞きつけてか?…庭園の外より何か慌しい足音が聞こえて来ると、次には!…


__ガッチャ、ガッチャ、ガッチャ、ガッチャ!!!…ガチャガチャ!!…キイィ…


「だ、大丈夫でありま!!…ッ!?…こ、これは!?…」


恐らく回収に当たっていた兵士達であろうか?…その慌しい脚音が近付いて来たと

思うと、今度は庭園のドアノブから音が聞こえ!…と、次にはやはり嘘の様に

アッサリと扉が開いて行き!…そこから兵士が顔を覗かせる!…その際来てくれた

のは案内をしてくれた兵士で有り!…中の様子を見て勿論これは!?と…驚き様を

露わにすると、これまた更に戸惑う事に!…と言うのも中に居たマサツグ達が

一斉に慌てる!…


__ッ!?…頼むからその扉を閉じないでくれ!!!…×4


「ッ!?…え!?…あっ…は、はい……ッ?…」


それこそ我先に!とばかりに氷の花弁を乗り越えその扉の方へ駆け寄って行くと、

まるで亡者の様な縋り様を露わに!…勿論死んではいないのでゾンビ特有の

不気味さは無いのだが!…それでも詰め寄って来る様子に兵士は思わず硬直!…

酷く驚いた様子でその尻尾をピンと上に立てて毛を逆立てると、恐る恐る返事!…

何が何だか分からないそんな表情を露わにする!…さてそんなこんなで何とか

脱出の手段も得る事に成功すると、一同はここで漸く安堵の表情を見せるのだが!…


__……ビキッ…ビキビキッ!…


「ッ!……ん?…この音は何の?…」


「ッ!…音?…」


まだ事の顛末は終わっていない様子で今度は兵士がピクッ!と反応…それは何かに

であり!…扉を手にチラッと庭園の天井に向けて徐に視線を

上げて行くと、疑問を口に!…その際まんま音が聞こえた事も凝らして見せる!…

するとその話を聞いてモツもピクッと反応をすると、まるで意味を尋ねる様に

声を掛け!…と、そんな問い掛けの様な言葉に兵士も返事を!…チラッと視線を

モツに戻し!…今聞こえた事に関して詳しい話をしようとすると、最後までハチャ

メチャたっぷり!…最後のオチが見えて来出す!…


「ッ!…あ、はい!…

が聞こえたのでありますが?…」


「ッ!?…き、亀裂が入る様な音って!…ま、まさか!?…」


__ビキビキッ!!…ビキビキビキビキッ!!!…バキイィン!!!!…ッ!?…


兵士がモツに今聞こえた事をそのまま話す!…するとモツもそれを聞いて途端に

真っ青な表情を!…そして心当たりがある様子で固まってしまい!…そんな

モツの反応に呼応するよう!…氷のバラの方からモツ達の耳にもハッキリ聞こえる

勢いで亀裂が入る音が聞こえて来ると、次には何かが折れる!…となると全員が

その音を聞いて察してしまう!…するとモツは直ぐ後ろに居たアヤの手をすかさず

ギュッと握って行くと、飛び出す様にして庭園から脱出!…


__バッ!…ガシッ!!…グイィ!!…


「ッ!?…ええぇぇ~~!?」


「うおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!」


__……ドサァ!!…ゴロゴロゴロゴロォ!!…


この時アヤはまた突然の事で反応が出来ず、モツに引っ張られ抱えられながら

庭園を後に!…何ならモツに庇われながらギュッと抱き締められた事でまた

頬を染める事に!…しかし一方もモツは至って真剣!…アヤの様子など御構い

無し!…我が身を犠牲にアヤをギュッと抱え地面に転がるよう安全を確保して

行くと、少しの間そのまま!…一方でマサツグも行動に出る!…しかし!…


「ッ!?…ヤバいヤバい!!…デカいのが落ちて来る!!…

…って、ンン!?…ッ!!…パルシィ!?…」


「ッ!?…クッ!!…このままでは間に合わん!!…かくなる上は!!!…」


__ザッ!!…スゥ…ッ!?…


勿論マサツグもモツ達の後に続いて庭園から脱出を!…だがここに来てふと

目の前にパルシィが居ない!…何ならその気配も近くから感じない事で

瞬時にチラッとミニマップの方へ視線を向けると、そこで何故か離れて反応

して居る青いアイコンを目に!…バッ!と振り返って更にパルシィの姿を

見つけて行く!…となると当然何でそんな所に居るのか!?と疑問を持って

行くと、パルシィの名前を呼び!…と、一方でパルシィもその目の前の光景に

慌てて居り!…仕舞いには運命を受け入れる様に!…その場で蹲り自身の身を

守る体制に入って行くと、マサツグもそれを見て更に慌てる!…が、次には

考えるよりも先に体が動き始める!…


「ッ!!…[刹那]!!!」


__ヴウゥン!!!……ドヒュン!!!…ザザアァ!!!…チャキ!!!…


まずは[刹那]でスローモーション!…と言っても本人がトンデモナイ勢いで加速して

居るだけで!…それでもあっと言う間にパルシィの元まで駆け付けて行き!…その際

手に刀を握り!…いつでも抜刀出来る状態でスッと降って来る氷のバラに対して

構えて見せると、一方でそんな風圧?気配?に気が付いたのか…パルシィがチラッと

顔を上げる!…すると次にはいつの間にか目の前にマサツグが立って居る事でハッと

すると、何故ここに居るのか!?とばかりに慌てて見せ!…


「ッ!……ッ!?…マ、マサツグ!?…」


「……ふぅ~…ッ…」


突如現れたマサツグに対して名前を口に!…が、マサツグはそんなパルシィに

対して無反応の様子!…ただジッと振って来るバラの様子だけを見詰めており!…

タイミングを見計らう様な真剣な表情を浮かべて見せると、次には更に動きを!…

さすがの剣聖ぶりを発揮する!…それはゆっくり息を吐いて氷のバラが自身の

間合いに入って来るのを確認すると、マサツグもそれを感覚的に察したのか!…

また跳び出す様にして踏み込んで行き!…


__ズゴゴゴゴゴゴ!!!……ッ…ダンッ!!!…チャキッ!!…


「画竜!!…点睛!!!…」


__ズガガガガガガガガガガガガ!!!!…


同時に刀も若干抜刀して直ぐに振り抜ける状態に!…そして更に接近して行った所で

完全抜刀!…その氷のバラに向かって刀を振るい!…落下して来る物に対して下から

何度も斬り掛かる様にして中心を傷付けずに猛撃を繰り出して見せて行くと、宛ら

空中で解体ショーをする様に!…それは猛烈な勢いで物々しい音を響かせて行く!…

するとパルシィもその目の前の光景に思わず唖然として見せると、同時にマサツグの

出鱈目振りに固まってしまう!…


「ッ!?…な、何なのだ!?…本当に!?…」


__バギキイィィィン!!!!…


「ッ!?…ッ!?!?…ッ…」


ただ目の前で見せられる圧倒的な猛撃振りにパルシィは戸惑う事しか出来ず!…

一方のマサツグはまるで漫画のワンシーンの様な!…それは未だ扉のノブを握った

まま硬直する兵士が見ていた光景であり!…完全に斬り抜けてしまったであろう

マサツグの姿はいつの間にかバラの反対側に回っており!…そしてバラバラに

斬り刻んだであろう薔薇の方は空中で不自然に静止している状態で固まって居ると、

まるで時が止まっている様な!…とにかく不可思議な光景に兵士は目を丸くして

戸惑い続ける!…だが時が止まって居るにしては更に不可思議な事も起きており、

と言うのもマサツグだけは動き続け!…


__…フォンッ!…キイィン!!……ガシャシャシャシャアアァァンンン!!!!…


この時マサツグは納刀ルーティンをして居り!…宙に浮きながらにまるで立って

いる様な振舞い様を見せて行くと、更には血糊を払うよう軽く刀を一振りする!…

そしてそのまま静かに刀を鞘の中へ納刀する!…その際最後にその納刀した際の

鍔鳴りだけが何故か辺り一帯に響く様にして聞こえて行くと、次にはそれが合図だ

とばかりに氷のバラが崩壊し始め!…となると辺り一帯にまた崩壊する物々しい

音が響き渡り!…だがそれよりもあの巨大なモノを斬ってしまった様子を!…

何なら被害を最小に抑えた事でその様子を見ていた兵士やパルシィが目を見開き

戸惑った反応を見せて居ると、マサツグもここで漸く物理法則に従う!…やっと

地上に降りて来る様に落下する!…


__ブワアアァァァ!!!……シュタッ!…ッ…


「…ふぅ~…何とかなったぁ~!…」


「ッ!?…い、いや!…な、何とかって!…え!?…」


マサツグはその崩壊した氷のバラの残骸、及びそれにより発生した軽い風圧と

共に足を残骸の上に降ろして行く!…その際その様子と言うのは何か神秘的と

言うか不気味と言うか!…中二心を擽る演出の様に見えてしまい!…その様子を

見て居た者達も思わず息を呑んでマサツグを見つめる!…まるでマサツグが

人ならざる者の様に見えてしまうと、一方で肝心のマサツグは途端に緊張が

解けた様子を!…一気に脱力しては額の汗を拭って見せる!…それこそ途端に

何事も無かったかの様に振舞い呑気すると、そんなマサツグにツッコミを入れる

よう兵士が更に戸惑い!…と、一方でパルシィも無事何事も無かった様子で

ゆっくりと体を起こす!…そしてマサツグに対して驚きを露わに!…この時

その驚きも怒っている様に見せて行くと、マサツグに言葉を口にする!…


「…な、何故私を助けた?…」


「ッ!…へ?…何を今更?…仲間だからに…」


それは理由を求める様に言葉を口に!…するとマサツグも突如そんなパルシィの

態度と台詞に当然戸惑い!…何ならその質問に対して今更感も感じて行き!…

率直にパルシィを仲間だと思って居る事を続けて話し!…別に可笑しい事では

無い様に振舞って見せるのだが、パルシィはそんなマサツグに対して更に怒る!…

何か求めている答えと違う!とばかりに地団太を踏む!…それこそ真剣な表情で

マサツグを睨むと更に言葉をこう続け!…


「ッ~~~!!…違う、そういう意味ではない!!!…

私はパルシィディアナなのだぞ!?…

あれ位の事なら私一人で切り抜けられる!!…」


「ッ!?…」


「更に貴様ぁ!!…まさか爆発する事を考えずに斬ったのではないだろうな!?…

…爆発しない所を見ると大丈夫だった様だが…

もしこれで爆発でもしたら貴様は如何するつもりだったんだ!!!」


と言うのも自身が助けられた事に不服がある様子で!…自分が何者であるのか?

を名前で話すと、問題無かった!と真剣に怒り!…が、マサツグからすれば何が

何だか分からず仕舞い!…ただとにかくパルシィが怒り出した事に驚き戸惑い!…

意表を突かれた様に思わず固まって見せて居ると、更にパルシィは説教を続ける!…

何ならマサツグがやった事は一番ヤバかった事と話して行く!…そして責任の

取り方についても問い質すと、マサツグは更に戸惑った様子で言葉を口に!…


「ッ!?…え、えぇ~?…助けたのにこの言い草ぁ~?…

…まぁ、そうだなぁ?…多分パルシィを拾ってモツ達の方に投げた後…

俺は大剣でガード…かなぁ?…」


「ッ!?…こ!!…この!!…大馬鹿者があぁ!!!…」


折角と言う言い方もアレなのだが、助けたのに文句を言われる!…それに納得が

行かない様子で不服!と戸惑いながらも返事を口に!…そしてやはり分かって

いない様子で更に対処についても!…まるで自身が犠牲になる気で居た様な事を

サラッと言い!…それを聞いてパルシィが更に怒りに震える様子を見せて行くと、

今度は殴り掛かる素振りを露わにする!…しかし今のマサツグは刹那発動状態に

居る訳でその動きはとってもスローリー!…


__ッ!…ブンッ!!…


「ちょ!…いきなり危ないだろうが!!…てか何でそんなに怒る?…」


いとも簡単に回避が出来!…マサツグも受け流す様にしてスッと横へ避けて見せる

と、当然パルシィの拳は空ぶり!…するとマサツグは更にパルシィへ質問をする!…

その際率直に怒っている理由について尋ねて行くと、パルシィはその言葉を聞いて

更に怒りを覚えた様子を!…何なら殴り掛かる事も一切止めず!…マサツグを追い

掛け回しながら文句を!…珍しく顔を真っ赤にする様子を露わにすると、とにかく

何がいけなかったのかを律義に話す!…


「何で怒るのだと!?…貴様、ふざけて居るのか!!!…

貴様の判断のせいで!!…

一歩間違えればこの場の全員が死んだかもしれないのだぞ!?…

…何より私を庇って貴様が死んでしまったら!!…私が辛い思いを背負い!!!…

残された者達に顔向けが出来ないではないか!!!…

…それこそ偶然起きた奇跡を台無しにしかねない事を!!!…

お前はしようとしたのだ!!!…

その上ふざけた事を言われて腹が立たない奴が居るか!!!!」


要はマサツグの勝手な行動が気に食わなかった様で…心配及び軽はずみな行動に

対して説教を!…その際シロやフィロ達の事も考えて居た様子で言葉を続け!…

自身もそれがトラウマになる様な!…そんな心境であった事を明かして行くと、

更に拳をブンブン振り回す!…必死にマサツグを追い掛け続ける!…それこそ

虚仮にされて頭に来ている様なそんな怒り具合を見せて行くと、マサツグも漸く

理解した様子で納得して見せ!…


「ッ!…あぁ~…なるほどな?…

じゃあこっちも言わせて貰うが?…よっと!…」


__パシッ!…クリンッ!!…ガッシ!!…


「ッ!?…な!?…クッ!!…この!!…ッ~~~!!!」


若干考え事をする様な表情を!…しかし次にはマサツグも文句がある様子で言葉を

返し!…その際殴り掛かって来たパルシィを逆に捕まえるよう構えて見せると、

その振り被って来た拳を簡単に掌で受け止める!…そこから一気に間合いを詰めて

捕縛に入る!…それこそ何かの体術の様に流れる様な動きでスッとパルシィの懐に

入ると、次にはいつもの人攫いスタイルで腋に抱えてパルシィを捕まえ!…となると

捕まった事でパルシィも戸惑う!…次には藻掻きポカポカとやはり子供の様な抵抗

振りを見せて行くが、マサツグは御構い無し!…そのままモツ達の居る庭園の外に

向かって歩いて行く!…


__…コッ…コッ…コッ…コッ…ッ!?…


「お、おい何処に行く!!…まだ話は!!!…」


「もう終わってるんだよ!……何なら言わせて貰うが!…

まず何であんな薔薇の下に居たんだ?…

逆に言うとパルシィの方が不測の事態に備えて居ない様な気がするんだが?…」


慣れた様子でそのまま退場!…その際その扱いにも気に食わない!とばかりに

ブンブン怒り!…マサツグに続けて文句の言葉を口にするが、マサツグはムッとした

表情でパルシィを見る!…それは小さな子供を怒る様なそんな態度を露わにする!…

そしてパルシィの反論に対して一言で話をぶち切って行くと、反撃の言葉も同時に

口に!…と言うのもあの時何故引き返して居たのか?と言う事を漏らし!…パルシィ

の方が不用心であった事を続けて話すと、パルシィはピクッ!と反応!…そこから

悔しい様なばつが悪い様な表情を見せる!…


「ッ?!…ウ、ウグッ!…」


「もう一つ!!…俺も何も考えずにアレを斬った訳じゃない!…

俺だって本気を出せば器用な事の一つや二つは出来るんだ!!…

…ただ出すのが面倒だからやらないだけ!!……現に見てみ?…

アレがその爆発を起こしそうな様子に見えるか?…」


「ッ!…な、何!?……ッ!?…」


まるで痛い所を突かれた様に気不味いそんな反応を見せて居ると、一方でマサツグの

文句はまだ終わらず!…と言うのもマサツグ自身やるに当たって自信が有った!と…

ただやるに対して余程の事が無い限り基本的に本気を出さない事を口に!…まるで

癖のある天才系主人公の様なイキッた台詞を漏らして見せると、パルシィに対して

ニヤッと…意地悪な笑みを浮かべて見せる!…そして最後に自身の背後を見る様に

パルシィに言うと、その種明かしも済んで居る様に言葉を続け!…となるとそんな

事を言われて確認しない訳には勿論行かず!…若干の振り向き難さを感じつつ!…

それでも何とか氷のバラの残骸が有る方に視線を向けて見せて行くと、そこである

事に気が付く!…


「ッ!?…と、溶けて行っている!?…ば、馬鹿な!?…

まだ魔力水晶は撤去して居ない筈!!…

…それに魔素ももう噴き出ている様子はない!!…これは!?…」


パルシィが気が付いた事と言うのも氷のバラが独りでに勝手に溶けて行っている

様子で有り、その光景を見てあり得ない!と…確かに魔力水晶を失った事で

再生能力も失われ!…だが魔力水晶が破壊されれば爆発!…だがその爆発も

起きて居らず!…何なら今まで苦戦を強いられて居た筈の魔素も沸かず!…

ほぼ完全撤去出来ている事にとにかくパルシィが戸惑って居ると、更にマサツグは

話を続ける!…


「…再生能力ってのは確か…

魔力水晶を外してその魔力を空にすれば良いんだろ?……ほれ?…」


「ッ!…え?…ッ!?…」


と言うのも続けてマサツグが話し出した事と言うのはその件の再生能力について

で、それはさもネタバラシをするよう徐にアイテムポーチへと手を伸ばし!…

そこからチャックを空けてそのポーチの中身を見せる様に!…パルシィに視線

誘導をしてチラッとその中身を見せて行くと、パルシィもそのポーチの中身を

覗いてしまう!…そこであるモノを目にして驚き戸惑う!…何とそこには赤く

輝き巨大なブリリアントカットがされて有る水晶がゴロッと中に入っており!…

機能はしてないのか怪しい雰囲気も感じられず!…と、そんな物を目にして

パルシィは唖然!…一方でマサツグはまだまだ話を!…何故ここにその魔力

水晶が有るのかを話し出すと、笑って種明かしを続けて行く!…


「…!…

…まぁ言っても確信が有ってやった訳じゃないから一か八かで…

でも確証はあったんだ!…ほら!…アイテムポーチにアイテムを入れると…

から!…

…って、分からないかぁ?…まぁまぁそれでも結果はあの様子!…

後は障害となるモノを斬ってそれで終いにしたってだけ!…」


「ッ!?…ッ~~~!!!…や、やはり貴様は!!…」


何の事は無い!…要はいつもの一か八かの賭けをしたらしく、魔力水晶を奪取しては

無理やりアイテムポーチの中に詰め込んだ!と…因みにその根拠についてもアイテム

の使用期限や料理が冷めない事などが関与しているらしく!…四次元ポケット宜しく

有効利用!…結果上手く行った事を笑いながらパルシィに話し!…その余りの出来事

に思わずポカン!としていたパルシィもやはり無茶をしていた事を理解すると、また

もや怒る!…それこそ腕を振り上げる様子を見せるのだが、そこはマサツグ!…更に

反論を用意して居た様子で言葉を続ける!…


「でもこれが欲しかったんだろ?…ほれ?…」


「ッ!?……ッ…」


「…恐らくバラの下に居たのは如何してもこれを諦め切れなかったからで…

でも如何にも出来なくて未練がましく!…ってとこだろ?…

…ハッキリ言ってバレバレだぜぇ?…

何だかんだ言ってもまだまだ子供の様に感じるわ!…

…な?…パルシィディアナ様?…」


この時マサツグはそのアイテムポーチの中身を見せつける様に挑発をする!…

するとそれに対してパルシィも図星!とばかりにビクッと反応をして見せ、

そしてまた悔しい様なばつが悪い様な!…だがマサツグの言葉攻めはまだまだ

終わらず!…何故あのバラの下に居たのか?…その他色々と読めて居た様子で

更にパルシィを追い詰めて行くと、それに対してパルシィも更に膨れて行く!…

遂には弄られ過ぎて涙目になる!…


「ッ!?…ッ!!…ッ~~~~~!!!!…」


そして声にならない声を上げてマサツグに抗議をし出すと、マサツグもそれが

楽しいのか笑い!…とにかくこの事件もこれにて終了!…結果としては何も

分からず!…ただ大変な目に遭ったと言う事だけが残って行くと、各々満身創痍!…

しかしパルシィはだけは子供の姿から成長するのであった!…

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