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-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-

-第七章二十二節 リンデの実・再びとモツの奇行?と吹っ切れたアヤ!-

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「…その前にその実の様な物の実力を見せて貰いたいモノなのだが?…

…失敗すれば命はない!…最悪ここだけでなく他にも被害が!…」


「じゃあ見せよっか?…この実のスゲェ所をさ?」


刻一刻と魔素が頭上から迫って来ている状態の中!…マサツグだけはこれで行ける!

とばかりに心成しかウキウキとする様なそんな反応を見せて居ると、一方で置いて

けぼり状態のモツ達は困惑!…特にその矢を撃つであろうアヤが良く分かっていない

様子で戸惑い続ける!…何なら説明が薄い事にもパルシィが若干イライラとした

そんな反応を見せて居ると、次には文句を漏らし!…が、だからと言ってマサツグが

慌てる事は決して無く!…パルシィに実演をするよう話しを!…徐にそのリンデの

実を頭の上の振り掛かって来る魔素に向けて投げて行くと、その効果の程をパルシィ

に見せる!…


__グンッ!…バシュン!!…ッ!!……ショワアアアアァァァァァァ!!!!…


「ッ!?…こ、これは!?…」


「俺達もこれには世話になったからな?…効果の程は折り紙付きだぜ?」


さも野球の様に下から掬い上げるようリンデの実を頭上にある魔素に向けて

投げて行くと、そのリンデの実が魔素に触れたであろう瞬間!…そこだけ

魔素が音を立てて綺麗に消え!…と、そんな穴が開いた様な光景にパルシィも

途端に驚きを露わに!…何なら思わず言葉も漏らしてしまう程の事で!…

その効果絶大の様子にマサツグもふとお世話になって居た時の事を思い出すと、

これが効果!と胸を張り!…一方でモツもふとある事を思い出した様子で

突如噴き出す!…と言うのも!…


__…ッ!…ぷらぁ~ん……ブフォ!!!…ッ~~~!!!…


「ッ!?…ちょ!?…モ、モツ如何したの!?…だ、大丈夫?…」


モツが思い出した事と言うのもマサツグが頭の上からリンデの実を吊り下げた時の

様子で有り、宛らチョウチンアンコウが如く!…と、その時のシュールさをふと

思い出した事で突如噴き出し!…隣でいきなりモツが噴き出した事でアヤもビクッ!

と…驚き戸惑った様子で声を掛けると、次にはプルプルと小刻みに震えるモツの

体を心配する!…するとモツも一応問題無い!とアヤに返事をするのだが、また

思い出してしまうと腹を抱え!…


「ッ!…あ、あぁ!…だ、だい…ッ!!…ッ~~~~!!!…」


「ッ!?…え?…えぇ~?…」


と、そんなモツの様子にアヤも更に戸惑う始末になってしまい!…一方でそんな

モツの様子に気が付いたのか?…マサツグは察した様子でムッとした表情を

浮かべると、ジッとモツの事を睨み!…そしてリンデの実が帰って来るのを待って

おり!…その魔素のカーテンの穴から徐々に光りが降って来る!…宛ら彗星が

降って来ている様な感覚をパルシィがハッと感じて居ると、マサツグもそれに

気が付いた様子で落とす事無く!…格好をつける様に片手で取る!…


__…パアアアァァァァ!!!……パシッ!!…ッ!?…ッ…


「…これで如何かな?…」


「ッ!!…う、うん…なるほど!…」


無事リンデの実を回収した所でマサツグも確認!…その際その時だけはパルシィに

してやったり!とばかりに笑って見せると、そんな問い掛けに対してパルシィも

ハッ!と目を見開く様子を露わに!…そしてその効果を見たのはこの一回だけなの

だが、ハッキリと印象に残った様子で!…納得した具合に言葉を零し!…確かに

あの氷のバラに命中させれば!と言った考える表情を露わにすると、更にマサツグも

話を進める!…各々の役割を話し始める!…


「鏃にリンデの実を付ける方法はパルシィに氷で接着して貰って!…

追い風は俺の春風刀で突風を起こして!…

モツは恐らく降って来るであろう氷柱に対しての対空兵器!…

最後にアヤが固定砲台となってあのバラを撃ち抜く!…

…これが俺の考え!…」


「ッ!…な、なるほどな?…確かに行けるかもしれないが…」


それは簡潔にとても分かり易くそうだろうな?と言った感じで説明をすると、モツが

未だに腹筋に痛みを覚えている様子で蹲り!…と、ここでマサツグの考えに対して

一応賛同!…しかしまだ引っ掛かりが有る様子で若干渋り、その渋りにマサツグも

ピクッと反応!…と、同時に未だ笑って居るモツに対してムッとして見せ!…一体

如何言う事!?とばかりに視線を向けると、そこで若干不安気な様子を見せるアヤの

姿を見つける!…マサツグもそれを見てハッとする!…


__ッ!!…ッ~~~……ッ!…


「…ア、アヤさん?…」


一応話は聞いて居た様子でアヤは考える表情を!…そしてモツの介抱もして居り!…

と、そんな表情を見せるアヤの様子にマサツグも戸惑い!…次には釣られて不安を

覚えた様子を!…何なら思わずアヤに声を掛けるそんな素振りまで露わにすると、

アヤもマサツグに声を掛けられた事でピクッと反応!…次にはマサツグの方へ振り

向いて見せる!…そして今度は空元気を見せる様にフッと苦笑いをして見せると、

アヤも今思って居る事を口に!…


「…ッ!…あ、あははは……で、出来ない事は無いと思う…

…けど、一発限りの勝負でしょ?…

そう言われると中々にプレッシャー感じるなぁ~?…って…」


「ッ!…ま、まぁ…そうなんだが…」


それは先程の作戦に異議を申し立てる!と言った訳では無く、単純に今不安を

感じている事を口に!…オマケに事は失敗が許されない一発勝負と言う事で!…

更に重圧がその両肩に掛かったらしく!…マサツグにその事を確認するよう

表情をそのままに本音を漏らすと、マサツグもそれを言われて途端にシュンと…

先程までの余裕振りを無くして行く!…と言うのもこれはアヤが撃たない事には

始まらない、所謂一か八かの賭けであり!…何なら自身の技量では如何もこうも

出来ない問題で!…


__…ギュッ!…ッ…ブルッ…


「ッ!…アヤ…」


結果もアヤの気持ちや技量次第でコロコロ変わる!…そしてアヤ自身としても

その自覚がある様で!…失敗を恐れ拳を握り奥歯を噛み締めるそんな素振りを!…

何なら更に緊張をする様子を露わに!…思わず恐怖に似た何かを感じた具合で

その体をブルッと震わせて見せてしまうと、モツもそれに気が付いた様子で

言葉を!…アヤの名前を呟いて見せる!…しかしそんな事をしている間にも

どんどん魔素は降って来ると、遂に手を伸ばせば届きそうな位置にまで迫って

来て居り!…


「…ッ!?…と、とにかくもう時間が無い!!…

このままだと全滅は確定!!…更には二次被害を生みかねない!!…」


「ッ!!…ッ…ッ~~~!!!…」


「…ッ!!…こんな事しか言えない俺が言うのもなんだけど!!…

頼む!!…アヤ!!…あのバラに!!…

これを何とかぶつけて見せてくれ!!!…」


マサツグが気が付いた様子で慌て始める!…その際自身の頭上をチラッ?と…

そしてもう目前にまで迫って居る事を口にして行き!…アヤもそれを聞いて

更に緊張を覚えた様子で目をギュッと閉じて見せると、一方でマサツグもアヤに

更なるお願いを!…やってくれ!と言葉を掛けて行く!…勿論それが更なる

プレッシャーに繋がる事はマサツグも勿論分かっているが、他に何も言えない

事もまた事実で!…と、その一方でパルシィもスッと動きを見せ始め!…その際

緊張をするアヤにフッと近付く…まるで自身の仕事をするかの様にある事を

する!…


__……トットットットッ!…ンバッ!!…カランッ!!…


「ッ!!…え!?…」


と言うのもアヤへ近付くなり飛び掛かる様に軽くジャンプ!…そしてアヤが

肩から掛けている矢筒から矢を一本取って見せ!…すると突如そんな事を

された事でアヤは思わず戸惑ってしまい!…振り返っては何をされたのか?

とオロオロとする!…一方でパルシィは時間が無い事を気にする様に!…

続けてチラッとマサツグの方へ視線を向けると、スッと手を差し出して行く!…

その際言わずもがなその手は物欲しそうにクイクイッと指を曲げる様子も

見せて行くと、パルシィは続けてリンデの実を要求し出し!…


「マサツグ、その実をこっちに!…」


「ッ!?…あ、あぁ…」


__ッ!?…ッ…ッ~~!!…ッ~~~……


当然急かす様にして要求して行き!…要求された事でマサツグも思わず戸惑いながら

そのリンデの実をパルシィの手に投げ渡して行くと、パルシィは早速自身の能力で

鏃にリンデの実をくっ付ける!…矢の加工の作業に入り始める!…さてその一方で

徐々に色んな意味でアヤも逃げ場を失い始めると、それに合わせて更に緊張をした

様子で固まってしまい!…やはり失敗が許されないと言う事がプレッシャーに!…

思わず泣きたくなってしまい!…でも泣く訳には行かない事からとても葛藤をする

様なそんな反応を見せて居ると、今度はモツが動きを!…


「…ア、アヤ?…」


「ッ!…え?…」


__ギュウゥ~~~!!!…ッ!!…ッ!?!?…


それは徐にアヤへ近付き!…若干戸惑った様子でアヤの名前を口にすると、アヤも

それに気が付いた様子でピクッと反応!…次にはクルッと振り向いて見せる!…

そして自身の弱い所を隠そうと表情を作るのだが、モツは既に分かっている様子で

そのままアヤの体を抱き締め!…と、突如モツに抱き付かれた事でアヤは勿論驚き

戸惑い!…そのまま小動物の様に訳が分からない様子でビタッと固まって見せて

行くと、当然それはマサツグ達にも見られる事に!…だが一方でモツはアヤの不安を

拭い去ろうと言葉を掛ける!…


「…こんな事言える確証は無いけどさ?…アヤならきっと出来ると思う!…」


「ッ!!…え?……ッ!…」


まるでメンタルケアをする様に優しく頭を撫でながら声を掛けると、心の底から

アヤを信頼している様子で出来る!と言い!…と、抱き締めながらにそんな事を

言われた事でアヤは戸惑い!…思わずハッとした様子でチラッとモツの顔に視線

を向けて行くと、そこで自身の父親の様な!…優しい笑みを浮かべるモツの様子

を目にして行く!…そしてそんなモツの表情にアヤが更に慌てて戸惑う反応を

見せて居ると、モツは更に励ます言葉をアヤに掛け!…


「…大丈夫!…失敗したって誰も責めは出来はしない!!…

ヤブだって出来なかったろうし!…俺も勿論出来ない!…

パルシィにだって出来ない!!…」


「ちょ!…ちょっと如何したって言うの!?…

急にこんな!…変!!…ッ!…」


この時やはりこう言った女性を励ます事は不慣れなのか、失敗は咎めない!と話し

始め!…その際マサツグやパルシィや自分も出来ない!と…責任を押し付ける様な

事は出来ない!と言い…とにかく励まそうと必死になるそんな様子を見せて居る

と、アヤもそんなモツの言葉で更に戸惑う!…キャラじゃない!とばかりに慌てて

見せる!…その際モツに抱き締められている事でふとある事に気が付き出すと、

それを確認する様にジッとして見せ!…


__…ふるふる…ふるふる……ッ!…ふるふる…ふるふる……ッ!!…


その際確認したモノと言うのはモツが小刻みに震えている反応で有り!…まるで

自身の恐怖を悟らせない様に必死に抑えようとしているのだが!…この時アヤには

手に取る様に分かった様で思わず再度確認をし出し!…するとやはり微かにだが

小刻みに震えている!…そんなモツの震える様子にアヤもハッ!と何かしっかり

しなければ!と言う庇護欲的な物が芽生えて行くと、次には恐怖心が途端に無く

なった様子!…徐に俯き黙ってしまう!…するとそれにモツも気が付いた様子で

反応をすると、またアヤに声を!…


「ッ!…ア、アヤ?…」


__…グググッ…スポンッ!……スゥ~……ッ!…ッ…ッ~~…


アヤが黙ってしまった事に戸惑いを覚え!…その際反応を求める様に恐る恐る

アヤへ確認の言葉を口にすると、次にはアヤが徐に動きを見せる!…それは

まるで嫌がる様に身を捩り始めて行く!…そして無理やり引き抜く様にして

両腕をスポンと引っ張り出すと、今度はスッと左右水平に両腕を伸ばし!…

と、突如いきなりそんな行動をし始めた事でモツは更に戸惑ってしまい!…

この時アヤが嫌って居る様に見えたのか…やっぱりなれない事はするもん

じゃない!とばかりに自身の行動の浅はかさに反省をする素振りを露わにする

と、次にはアヤがその伸ばした両腕で更にアクションを見せ!…


__…グンッ!!…パアァァン!!!!…ッ!?…


「ッ!?…え!?…」


__ッ~~~!!!……ッ!!!…


と言うのも両腕を引き戻す様にして自身の両頬を引っ叩く!…それはまるで目を

覚ます様に快音を立て!…その突然の行動にマサツグやパルシィ!…当然目の前で

見ていたモツも声を上げて驚くそんな素振りを見せて居ると、アヤはジッと自身の

頬を叩いたままの状態で少し固まる!…何なら予想以上に痛かったのか小刻みに

震える!…そして約1~2分が経とうとして行く頃にスッとその手を放して行くと、

モツの顔を見る様にアヤはスッと顔を上げ!…


「…もう大丈夫!!…ありがと、モツ!!」


「ッ!?…え?…」


アヤは涙目になりながらも吹っ切れた様子!…その際迷いも断ち切れやる気に

満ちた表情でモツを見上げ!…するとモツもそんな表情で見られている事に

これまた戸惑い始め!…それは何度も目をパチパチと瞬きをさせ!…驚きを

隠せない表情を露わに思って居たのと違う!と言った反応も見せて居ると、

アヤは続けて話をする!…自分だけでは無い!と言った悟りの様なモノを開花

する!…


「そりゃ失敗したらって思ったらプレッシャーになるし!…

死んじゃうかも!って思ったら怖かったけど!…

…怖いのはみんな一緒だもんね?…何もしないでそのままここに居るより!…

最後まで藻掻いて脱出の糸口探す方が有意義だもんね!!…

…よし!!…何だか行ける気がして来た!!!」


「……ッ!!…ッ!?…」


その際アヤは自身が思って居た事をモツに話すと、今の状況を満更でも無い様に

思って居るのか?…頬を染めたままでモジモジとし出し!…モツがこうして抱き

締めてくれた事に何か喜びを感じる様なそんなラブコメの波動的なモノも発して

行くと、モツはそんなアヤの反応にも一つ戸惑う!…そして仕舞いにはアヤに

釣られて赤くなる!…因みにモツがアヤを突如抱き締めた理由としては、ただ

単純にマサツグの真似を思い付いたからであって!…と言うのも少しでも何とか

アヤの不安を取り除けたら!と…何なら震えて居た理由としてはこっ恥ずかしい!

と言うモノで、恐怖心等は一切なく!…ただマサツグはこんな事を毎回やって

いたのか!?と畏怖の念を!…やって初めて分かる感覚に困惑!…それが震えと

なって表れていた事をアヤは知らず!…恐怖で震えていた!とずっと誤解をした

ままで覚悟を決めると、ゆっくりモツから離れる!…そして次にはチラッとその

氷のバラが有るであろう天井を見上げ始める!…


__……チラッ?…モヤアァァ~~~!!…


「…全然見えないわねぇ!…狙う部位としてはやっぱり中心?…」


改めて天井を見上げるとそこには氷のバラの姿は何処にもなく、在るのは魔素が

幾層にも重なって出来たカーテンだけが見えて居り!…と、そんな様子にアヤも

当然ぼやきを口に!…しかしそこにはもう悩みなど微塵にも感じさせない!…

振り切った様子を見せるアヤの姿だけが見られて行くと、一方でもモツは羞恥に

震える!…まるで消えてしまいたい!とばかり蹲る様子だけを露わにする!…

そして一方でアヤが軽い質問?の様な事を口にすると、それに対してパルシィが

返事をし始め!…


「ッ!…いや!…中心より少し外!…内側の花弁を狙うのがベストだと思われる!…

…正直な事を言うと…この一射で魔力水晶だけを落とす事が出来たらと思うのだが…

…こんな状況となってはもうそんな事も言っては居られない!…直接は狙うな!!…

最悪暴走して爆発なんて事になったら!!…もう目も当てられないからな!?…」


この時アヤに真ん中を撃ち抜かないよう指示を出し!…パルシィが思うベストで

あろう場所を本人が指を差しながら続けて指示を出して行くと、その際本音も

ポロリ!…まだ諦め切れていない言葉も口にする!…何なら起きる可能性が低い

願望も口にし出すと、次には自分で無い!と言う様に悲観し…と、とにかく中心に

対して警戒を強め!…アヤもそれを聞いて余計に悩むそんな表情を見せて行くと、

せめて!と言った様子で返事を口に!…


「……だとすると余計に目星が欲しい……ッ!…

…確かまだあの良く分からない氷の飛礫は生きてるのよね!?…」


「ッ!?…よ、良く分からない!?…ッ…

いやアレは[純粋な氷の聖楔《ピュアイシクルウェッジ》]!!…」


頭上にある魔素のカーテンのせいで詳しい位置が分からない!と、迂闊な狙いが

当然出来ず!…何ならパルシィが指差した場所についても申し訳ないが信用

出来ない!と言った感じで!…やはり狙いに困った様子でアヤが悩む!…しかし

次にはふとある事を思い出した様子でパルシィにふとあの飛礫について質問を

すると、そのアヤの問い掛け方にパルシィが妙にショックを受ける!…それこそ

正式な名前で答えて見せる!…しかし!…


「とにかく!!…それがまだ生きてるのよね!!…

…物は相談なんだけど…それって光らせたり出来ない?…」


「ッ!?……ま、まぁ出来るが…如何して?…」


アヤからすれば如何でも良く!…それよりも!と言って無理やり話を持って行くと、

構わず質問を続けて行き!…と言うのも少しだけだが光っていた事を口にすると、

今も光らせる事は出来ないのか?と…するとそのアヤの言葉に対してまたパルシィが

ショックを受ける!…だがそんな事を気にしている場合では勿論なく!…パルシィも

割り切ってアヤの返事に出来る事を口にすると、その訳についても更に続ける!…

そうして質問に対して質問で返すそんなやり取りをして居ると、アヤも最後に見た

記憶を頼りに返事をし出し!…


「…確か最後アレって中心の所から少しだけ傾いて居た筈よね?…

と言う事はアレが光ればそれがまんま目印になるって事で!…

パルシィの言う真ん中を狙わなくて済むって事になるじゃない!?…」


「ッ!…なるほどな?…

しかし光らせられるのは少しの間だけだ!……やれるのか?…」


それはアヤ曰く発光させれば目印になる様で、自身が見た最後の記憶と重ねる様に

その魔素のカーテンを指を差しながらパルシィに説明を!…するとアヤがその指を

振るだけで魔素の層は軽く掻き回される様子を露わに!…となると改めてもう間近

まで迫っている事を確認させられ!…その一方でパルシィも意味を理解したのか!…

出来る事をアヤに返事して行き!…同時にその時間も限られて居る事を口にする

と、やはり色々と切羽詰まっている事を続けて話す!…その際最後に確認とばかりに

やれるかどうか?も尋ねて行く!…するとアヤもそれを聞いて更にスッと真剣な

表情を見せて行くと、静かに頷いては更に返事を!…


__ッ!……コクリッ!…


「…やれるのか?…じゃなくて、もうやるしか無いんでしょ!!…

…安心して!!…もう覚悟は決めたから!!…」


「ッ!……分かった!!…ならコレを!!…」


ちゃんと覚悟は決まった様子でやるしかない!と、何なら軽く笑顔でその手に

弓を握って見せ!…と、そんなアヤの返事にパルシィもハッ!とした後でフッ

と笑みを!…それはパルシィも覚悟を決めた様子で有り!…次には安心して

渡せる!とばかりに分かった!と返事をして見せると、今度はアヤに向かって

氷の矢を差し出す!…そしてその氷の矢を差し出された事でアヤは驚く!…


__スッ…ッ!…ッ!?…


「…え?…こ、これ?…」


と言うのもその渡された氷の矢と言うのはまるで氷柱を圧し折って作った様な

凶悪フォルムで、決して某・黄金三角形のゲームに出て来る物とは掛け離れ!…

そしてその鏃にはあのリンデの実がちゃんとくっ付いて凍っており!…さも

まるで矢が凍った原因であるかの様に!…魔素に反応してやはり光を発して

見せると、その異様さ具合に拍車を掛ける!…何ならこれで本当に飛ぶのか!?

と疑問を持たせる!…しかしパルシィが言うには飛ばせるらしく、自身でも

加工する際それなりに気を遣った事を口に!…


「出来る限り軽量化と固定を優先!!…そして切っ先を細くした!!…

これで問題無い筈なんだが!…」


__スチャッ…ギリィ!!…ッ!?…


「ちゃ、ちゃんと番えれる!!…何なら普通の矢より番え易い!?…

…って、まぁこれだけノック矢筈が大きければ当然か…」


それは色々とパルシィなりに最適化を目指したらしく、アヤの言う重さや抵抗を

自身なりに考えた様子で!…そして出来たのがコレ!と言った具合に話しをして

行き!…それでも若干不安気が残っているか!…その最後の言葉で如何にもその

不安感が残っている言葉を口にすると、アヤもそれを聞いて徐に矢を弓に番える!…

そして弓を引けるか等を確認を簡単に済ます!…すると以外にも問題は無いのか

アヤが改めて驚く様な事を口にすると、色々と呆れた様子で!…とにかく狙うに

当たって問題は無い!と…弓を掲げたり降ろしたり!…まるで某・ウルト○マン

ダ○シュのアスリートの確認ルーティンの様な事をしていると、遂にその時が

やって来る!…番組とは違い本当の一発勝負の時間がやって来る!…


__モワモワ!…モワモワ!…


「ッ!?…チィ!!…そろそろ時間一杯って言った所か!?…

アヤ!!…行けるか!?…」


「ッ!…えぇ!!…やってやるわよ!!…」


遂に魔素のカーテンはマサツグ達の頭の上にまで迫っており、手を伸ばせば余裕で

届く距離に!…と、それに気が付いたのはマサツグであって!…思わず身を屈めて

逃げの姿勢!…そこでアヤにもう時間が無い事も口にすると、アヤもそれを聞いて

ピクッと反応!…次にはやる!と断言する!…そしてギリギリ身長的に届かない

状態下でスッと真上に弓を掲げて見せて行くと、そこにゆっくりと氷の矢を番え

直し!…


__…スゥ……カッ!…ギリィ!!……ッ…


{…やっぱり辛そうにも見えるな!!…

…こりゃもしもの時を考えておかないと!…}


天井に向けて弓を引く!…姿勢を真っ直ぐにして一切その姿勢が乱れる様子を

見せない様に振舞うのだが、やはり矢が重いのか弓矢が揺れる!…と、同時に

アヤが苦戦する表情を露わにする!…するとそれを見てマサツグもアヤが

辛そうである事を察して行くと、まだ何か策が有るのか心の中である準備と

覚悟を決め出し!…と、その一方でアヤもここに来て目を閉じ瞑想をする!…

それは一旦落ち着く様に軽い深呼吸をし始め!…そしてこれまた同時にある事を

ふと思い出すそんな感覚になって行くと、アヤは神経を研ぎ澄ます!…まるで

自らゾーン超集中状態に入って行く!…


__…プルプル!…プルプル!……ッ…ふぅ~~!!…


{…いいですか、アヤ?…

今後貴方が強敵と戦う時、また何かを成そうとした時…

その度に貴方を襲う真なる敵と[不安]となる事でしょう…

そんな時…この事を思い出して励みにしなさい!…

…我らエルフには地水火風の友が居る!…

それは唯一無二の友であり!…いかなる時でも助けてくれる!!…

…大地は足に!…風は四肢を駆け抜け!…

水は体を流れを循環させ!…炎は心を熱くする!…

この地水火風の構えを!…決して忘れてはなりません!…

…そしてこれを真に体得した時!…貴方は精霊使いとしてやっと!…

一歩を踏み出す事が出来るのです!…}


「…師匠!……ッ!!…」


アヤが思い出した事とはアヤの師匠である[とある精霊使い]の言葉であり、

アヤにとっては心の支えとなって居る言葉なのか!…それはもはや映像として

残っている様子で頭の中を流れており!…アヤもそれを意識する様に神経を

研ぎ澄ます!…呼吸も整え徐々にその身に異様な程のマナの高まり様を感じて

行くと、更にアヤは一言言葉を零す!…それは簡潔に師匠!とだけ呟いて

見せる!…そして次には徐にカッと目を見開きその魔素のカーテンを睨んで

行くと、今度はパルシィに合図を!…


「パルシィ!!…お願い!!…」


「ッ!!…行くぞ!!…ハアアアァァァァァ!!!!」


__……ポゥ…ッ!!…


パルシィへあの飛礫を光らせるようお願いを口に!…となるとパルシィも

その合図に反応して見せ!…アヤに返事をした後その飛礫が有るであろう

方向に向かって右手を伸ばすと、次には魔力を送る様に唸って見せる!…

すると魔素のカーテンは分厚い層となって色濃い様子を見せるのだが、

その中でもチラッとだけ光る様子を露わにし!…と、次にはそれを目にして

アヤも分かった!と…更に弓を引き絞り!…グッと耐える様に一瞬息を

止めるそんな反応を見せて行くと、次には!…


{…私の足元には大地を!…四肢に触れるは風の道!…

体に流れる水は静寂と激流を奏で!…心を熱くするは炎の意思!…

それ即ち!…地水火風の構え!…これらは我が友であり!!…

唯一無二の構え!!!…}


__…ゴゴゴゴゴ!!!…バシュン!!!…パアアアァァァァァ!!!!…ッ!?…


「ッ!?!?…ば、馬鹿な!?…そんな筈が!?…

…ッ!?…ま、まさか!!…そのまさかだと言うのか!?…」


まるでアヤの集中力が具現化する様に!…何かオーラの様なモノを纏い出し!…

次にはそれが弾けて更に激流となるよう!…アヤの足元から眩いばかりに四色の

光が溢れ出すと、神々しく!…何なら当の本人は気が付いていない様子で構え

続ける!…そしてそれを目にしてマサツグが驚き戸惑った反応を見せて居ると、

パルシィもそれを見て目を見開き!…と言うのもただ驚いて居るだけではない

様子で!…もはやあり得ない!と言ったレベルに慌てる!…何か精霊的には有る

のか?…とにかく絶滅危惧種を見る様なそんな驚き様を露わにすると、アヤは

次に矢を放つ!…渾身の一射を決めるのであった!…

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