591 / 782
-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-
-第七章二節 パルメリアの存在と禁忌の魔法?と迫り来る水計!…-
しおりを挟むモツがダグレスを仕留めたかの様に見える一方!…その様子を傍から見てしまった
パルメリアはと言うと、当然ダグレスが倒れている事に慌て出し!…となると勿論
ダグレスを助けに向かいたい所ではあるのだが、シルビィとラグナスが行く手を
阻み!…と言うのも気を抜けばその二人に命を持っていかれる!…パルメリアと
しても状況厳しく!…ただ静かに魔力を溜めつつ!…ダグレスに向かいまだ生きて
居る事を願う様に叫び続けると、状況は更に混沌と化す!…
「王子!!!…王子ぃ!!!!…」
「「貴方の相手は!!!…私達だ!!!」」×2
それこそ魔術師と言いながらもパルメリアは二人の攻撃をのらりくらり!…二人を
相手にしながらダグレスを気遣い!…この時そのパルメリアの様子と言うのは何か
悲痛で…まるで恋人がやられたかの様なそんな必死具合を見せて行くが、二人は
構わずパルメリアに襲い掛かる!…やはり何か過去に因縁が残っている様子で攻めに
攻める!…しかし一方でパルメリアもずっと身を守りっぱなしと言う訳ではない
様子で、漸く魔力が溜まったのか次には反撃に打って出て!…
「ッ!!!!…邪魔です!!!!…」
__カァン!!!!…ゴゴゴゴ!!!…ザッバアァァァァァンン!!!!…
「ッ!?…な!?…」
__ザッバアァァァァァンン!!!!……ズオオオオォォォォォ!!!…
向かって来るシルビィとラグナスにパルメリアはイライラ!…するとパルメリアは
持っている杖で地面を突き!…そこからまるで津波でも起こすかのよう何も無い所
から膨大な量の水を出して見せると、そのままシルビィとラグナスを押し流す!…
更には自身の足元に渦潮も作る!…それこそ水で出来た花の上に浮いて見せるよう
パルメリアが立つと、それはまるで防御壁を展開した様に見え!…と、その一方で
流されたシルビィとラグナスは必死に犬掻きをして見せ!…だが二人の抵抗は
空しく!…そのまま闘技場端の壁際にまでそのまま押し流されて行ってしまうと、
パルメリアとの距離を離される!…
__バシャバシャバシャバシャ!!!…
「ッ~~~~!!…クッ!!…まさかまだこんな!!…うぼぉ!?…」
{…どんどん流されて行く!!…一時のモノとは言えこんな!?…}
__ザッバアァァァァァンン!!!!…
この時当然ラグナスは驚いた様子で言葉を漏らし、何なら喋る事で口の中に水が!…
入って来た事でガボガボと溺れそうになってしまい!…一方で一緒に流された
シルビィも…それを分かっている様子で無言で必死に犬掻きをすると、同じく
この水量に驚いて見せる!…そして二人がそのまま壁際にまで追い遣られてしまう
と、一方でパルメリアはその大洪水に乗って倒れるダグレスの救出に当たり!…
__ザザザザ!!!…ザッバアァァァァァンン!!!!…ッ~~~!!…ッ!?…
と言うのもその大洪水は不思議な事に!…被害を与えたのはシルビィとラグナスの
二人だけで!…かなり限定的に起こして見せると、そこからは波乗りをする様に
滑って行き!…勢い良くモツに迫ってはダグレスだけを回収!…水飛沫でモツを
怯ませ驚かせ!…そのモツからもギュンと距離を取ってスッとダグレスを抱えて
行くと、次にはまた何度もダグレスに声を掛ける!…必死に起こそうと躍起に
なる!…
「王子!!!…王子!!!!…しっかりして下さい王子!!!!…」
「あ…あぁ…パ…ル…メリ…ア?…」
「そうです王子!!!…しっかりして下さい!!!…」
__キュルン!…パシャン!!…
何度も揺り動かす様にして意識を失うダグレスに声を掛けると、ダグレスも目を
覚ましたのか言葉を口に…だが殴られ過ぎて喋り辛いのかその言葉は途切れ途切れ…
だがそれでも目を覚ましてくれた事にパルメリアはホッ!と安堵し…ダグレスに
もう少しの間だけ意識を保つ様に声を掛けると、次にはその掌に何やらソフト
ボール大の水球を生成!…それを徐にダグレスの顔へ向けてそっと掛ける!…すると
モツが肥大化させた傷はみるみると直ぐさまに回復して行き!…元のイケメン
フェイスに戻ってしまうと、同時に息も吹き返し!…
「ッ!!!…ぷぁ!!!…はぁ!!…はぁ!!…」
「ッ!?…傷が回復した!?…」
それこそ少しの間呼吸が止まって居たかの様にダグレスは跳ね起き!…顔に掛かった
水を拭いつつ…そのままパルメリアの抱擁から離れて行くと、何ともなかったかの
様に息を切らす!…するとパルメリアもそんなダグレスの様子に安堵すると同時に
何か寂しそうなそんな表情を見せるのだが、ダグレスは御構い無しで!…と、そんな
様子を目にしてモツも思わず驚きを露わに!…だが向こうはもうこれ以上の戦闘は
無謀!と考えて居るのか!…パルメリアが意を決した様にスッと言葉を口にすると、
一旦退く様な事を続けて話すのだが!…
「…王子…これ以上は危険です!!…ここは一度国に戻って体勢を!!…」
__ッ!!!…クルッ…バシン!!!…
「きゃッ!!……ッ…お、王子…」
ダグレスはその言葉を聞いた途端、また醜悪な顔を!…それは怒りと同時に
何か笑みを浮かべる様な!…とにかく如何にも名状し難く!…その治療を
してくれたパルメリアの方へクルッと途端に振り向いて行くと、次にはその
パルメリアの頬を平手打ち!…思わずパルメリアも驚いてしまう!…そして
そのままバランスを崩すと渦潮の上に倒れ込み!…戸惑った様子で頬を押さえ
ながら顔を上げると、ダグレスはそんなパルメリアに対して怒りの言葉を!…
「フゥー!!…フゥーー!!!……何を言ってるんだいパルメリア!?…
仮にも君は我が国の栄えある魔術士団の団長なのだよ!?…
…そんな君がここで退く?…この僕に恥を晒さして逃げろと!?…
ふざけるんじゃないよ!?…逃げるのはあいつ等の方で僕達じゃないだろ!?…
何を血迷った事を言ってるんだ君は!!!!!…」
それは酷く興奮した様子で顔を真っ赤、何ならその鼻息もかなり荒く!…そして
パルメリアの発言に対して自国の誇り!…いや、それよりも自尊心の方を優先
する様に!…まだ何か勘違いをしている様子で文句を続け!…まだ負けていない!
と…さもパルメリアの考えが可笑しい様なそんな事を口にすると、パルメリアも
ダグレスに対して怯える!…とにかく異様な光景を露わにする!…すると当然
そんなダグレスの発言に対してモツも呆れるを通り越して思わず驚きを見せて行く
と、負けの言葉を口に!…
「ッ!?…コイツ!!…まだやるってのか!?…
もう負け確だって言うのに!?…」
__……モツ様ぁ~!!…ッ!…クルッ?…ザザアアァァ!!!…
「申し訳ありません!!…思いのほか手強く!!…」
まだ状況が見えていないのかダグレスの言葉に当然呆れ!…もう勝ち目はない!と…
聞こえないながらにモツが言葉を漏らしていると、そこへ更に決定的な要因が!…
シルビィとラグナスが戻って来る!…その際駆けて来る様に後ろからモツを呼ぶ声が
聞こえて来ると、モツもそれに反応してクルッと振り向き!…するとそこにはズブ
濡れながらもモツの元へとはせ参じる二人の姿が!…となると次にはモツに謝罪!…
シルビィが素直に手こずった事を口にすると、モツも二人がまだ無事だった事に
安堵!…気にしない様に声を掛ける!…
「ッ!!…いや、無事なだけまだ良しとしよう!…
…それよりも気を付けろ!!…奴さんはまだやる気で居るみたいだ!!…」
「ッ!?…この状況だと言うのに!?…
…もはや策が有るのかどうしようもない馬鹿なのか?…」
「…貴方に言われてはお終いですね?…」
「ッ!?…そ、そんなぁ!!…」
モツが無事であった事に安堵すると、同時にまだ向こうがやる気で居る事を
忠告し!…するとそのモツの言葉を聞いてラグナスは途端に驚きを露わに!…
それはまだ策が有るのか?可笑しいのか?と…どっちの意味で向かって来る
のか?と疑問を感じた様に言葉を漏らすと、シルビィがちょっかい!…
ラグナスに言われては終わり!と笑う…それこそまだ体力的に余裕がある
様子で意地悪に笑うと、ラグナスは当然ショックを受け!…と、その一方で
パルメリアが説得!…何なら状況も含めて!…これ以上は無理である事を
訴えようとするのだが!…
「で、ですが王子!!…もう…バッカスも…シュタインも…ネフィルも…
動ける状態に有りません!…これ以上は王子の身が危険で!!…
更に言うとこれ以上の戦闘を行っても勝算は…もう…」
「…おいおいおいおい!?…何を言ってるんだい!?…
君にはまだ心強い兵士達が残って居るじゃないか!?…
…今すぐにあの兵士達を作り出すんだ!!!…
もう手段なんて選んで居られないんだよ!!!…」
パルメリアは改めてもう自分達に勝算が無い事を口に!…だがそれでもダグレスは
話を全く聞かず!…いや寧ろまだ策が有る様子でダグレスはパルメリアに兵士が
居る!と…何なら他力本願でパルメリアに命令!…何やら意味深に作るよう言葉を
続けて行き!…パルメリアもそれを聞いて理解した様子で途端にハッとした表情を
見せて行くと、戸惑った反応を!…しかしダグレスは他に手段が無い事を更に
訴える!…その際その命令を受けたパルメリアもウッ!と何か葛藤する様なそんな
反応を見せて行くと、次にはやはり反対する言葉を!…
「……ま、まさかアレをやれと言うのですか!?…
だ、駄目です王子!!!…アレは我が王より硬く禁じられた!!…」
__ッ!!!…バシン!!!…
「あぁ!!…」
やはり余程危険なのかパルメリアは戸惑いの様子を!…そしてダグレスに対して
反対を!…何ならデグレアントの王様からも使うな!と命令されている事を口に
して行くのだが、ダグレスはカッとなると更にパルメリアの頬を叩く!…
無理やりにでもやらせようと必死になる!…その際またパルメリアも痛がる様に
して声を上げると、顔を弾かれる様にしてそっぽを向いては体を震わせ!…
だがそんなパルメリアの様子など当然御構い無し!…もはや自己判断の出来ない
子供と化し!…とにかくやるよう再度言葉を口にすると、同時にトンデモナイ事
も口走り!…
「何度も言わせるなパルメリア!!…
どうせ!!…父上が死んだら僕が王になるんだ!!!…
未来の英雄王が許可を出しているんだ、問題ない!!!!…
さぁやれ!!!…パルメリア!!!!…」
と言うのももう王位を継承したつもりで居るのか?…感情のままに自分が未来の
王である!と…その王が許可をしているのだから構わない!と暴論を吐いて見せる
と、更にパルメリアへ威圧!…その様子にアヤやシルビィをドン引かせる!…
そこにはもはや勇者と言うだけの面影!…いや、最初から有ったかもどうかも
疑わしいのだが…今となっては怒りのままに動く暴君と成り果て!…それはとても
皮肉な様子にも見えて行き!…片や仲間の身を案じる魔王のモツ!…もう片方は
仲間の命すら厭わない勇者!…これにはどっちが勇者か分からない!と…パルシィも
戸惑った様子で見ていると、次にはパルメリアが屈し!…
「王子……ッ…」
__ザ…ザザザ……スチャッ…ッ!!…
その睨み付けるダグレスにビクビクとして見せ…悲し気に王子とだけ一言言葉を
漏らして行くと、次には渋々聞き入れた様子で反応を…その際ふとモツから見た
パルメリアの表情と言うのは涙目でより一層暗いモノとなっており!…余程この
魔法を唱えたくないのか?…或いはダグレスに脅されている事で恐怖に震えて
いるのか何方か分からない様子を感じていると、身構えるモツ達に対してスッと
パルメリアが杖を構え!…となるとそれに反応するよう更にモツ達も身構え!…
だがパルメリアは悲しい表情をしたまま詠唱を開始!…それは今までの攻撃魔法
と何か違う!…様子が可笑しい祝詞を唱えて辺りに異変を起こして行くと、それは
全体を巻き込もうとする!…
「……ッ………《我は水!!…あらゆるものを押し流し無に返すもの!!…
我が目の前に立ちし敵を屠る為!!…意思を持たぬ兵士を具現化せん!!!…》」
__ちゃぷん!!…ざわざわざわざわざ!!!…
「ッ!?…な、何だ!?…
足元の水が!?……ッ!?…人の形?…」
それはパルメリアが水平に両腕を広げて俯き出すと、足元にある渦潮が更に
激しい荒れ様を見せ始め!…その規模を徐々に大きく広げて行き!…と言っても
そのままモツ達を飲み込む!と言った事は起きない様で…しかしその渦潮を
中心から水が溢れ出す!…それは次第に闘技エリアの半分を飲み込み!…そして
その侵食してきた水から何やら触手の様なモノ伸びて来たかと思うと、更に形を
変える!…それは人の姿と化けて行く!…因みに見た目は170cmの男性と言った
所か、それは一体だけではなく徐々にその数を増やして行き!…その様子に
モツ達は当然驚きを露わに!…これは一体!?とばかりに!…身を固めるそんな
反応を見せて居ると、一方では不気味にパルメリアがその数を数える!…
「一!………十!!………百!!!……」
__ゴポ!!…ゴポ!!…ゴポ!!…
鼠算で増える様にその数は急増!…モツ達の姿をいとも簡単に隠す勢いで覆い
隠し!…そしてそこから聞こえてくる音と言うのはただ水の中に居る様な!…
ゴポゴポ!と何とも不気味な音を立てて行き!…何か不安感を煽る様なそんな
底知れない嫌な感覚を覚えさせられると、シルビィはこの魔法に覚えが有るのか!…
次には二人に向かって注意を促す!…それは辺りに対して警戒の色をより一層
強めて行くと、この様子に本番!と言い…
「ッ!?…この魔法は!?…モツ様!!…ラグナス!!!…
…ここからが本番です!!!…どうかお気を付けて!!!…」
「ッ!?…シルビィ?…」
となるとそんな事言われてモツは困惑!…勿論戦っているのだから気を付ける事は
当たり前!と…しかしここから本番と言う意味が如何にも分からず!…その理由を
尋ねる様にシルビィの名前を呼んで行くと、次にはシルビィがその水人形の動きに
やはり一際警戒!…そしてある事を口にし出す!…と言うのもそれは過去にも
この魔法を見た事が有る様子で話しをすると、更にこの霊峰であった過去の話も
語り始め!…
「…かつてこの霊峰がデグレアントの襲撃を受けた事はお話しましたね?…」
「ッ!…え?…あ、あぁ!…」
その過去の話と言うのもシロが誘拐された話で…シルビィはそれを知って居るか
どうか?を今更ながらに確認をすると、突如そんな事を確認をされた事でモツも
戸惑う様にして返事を!…勿論現時点でその因果関係など分かる筈も無い訳で、
とにかく黙って話を聞く!…その間にも水人形の量は数百を超え!…その水人形の
向こう側ではパルメリアが必死に水人形を量産して汗を流し!…その隣では
ダグレスが下卑た笑みを浮かべていた!…そうしてモツ達に今にも襲い掛からん
様子を見せる水人形達に囲まれつつ、更にシルビィはそんな状況下でも話を続け!…
「では何故私達ライカンスロープ達は人間達に敗北したのか?…
その理由をお考えになられた事は御座いますでしょうか?…
まず普通に互いがぶつかり戦い合えば!…
ライカンスロープが人間に負ける事は無いでしょう!…
それこそ旦那様やモツ様!…オリハ様と言った特殊な方々では無い限り!…
そして当時の霊峰はまさに歴代の中でも最高の戦力を保持しておりました…
…ですがその戦力を持ってしても我々は負けてしまったのです!…
何故ならその敗因と言うのが今目の前に居る!…
この忌々しい水人形達のせいです!!…」
「ッ!?…」
それは先程の質問の意味について答える様に!…その時誘拐された理由について、
種族による優劣があったにも関わらず!…何ならその当時最高の戦力が有ったにも
関わらず負けた事を口にすると、その理由を水人形!と…今目の前に居るモノが
そうだ!とシルビィは話をする!…それこそ余程憎んで居るのか忌々しい!とまで
言って見せると、そんな話を聞かされたモツも戸惑った反応を見せ!…となると
当然警戒の色も更に強め!…と、そうしている間にも更に水人形は詰めてくる!…
寄り身を固める様にしてモツ達が密集陣形を取って行くと、まだ有るのか!…
シルビィは依然としてその注意点を話しを続ける!…
「この水人形は幾ら倒した所で数は減らず!…
直ぐに再生してはまた襲い掛かって来る!…
水が有る限り何度でも復活しては立ち向かって来る強力な兵士です!!…
その魔法を知らない我々は真っ向から立ち向かって行きましたが…
結果は知っての通り!……何度も復活する兵士に士気は落ち!…
相手にすればするほど疲弊が溜まって…最後には倒れて行ったのです…
…そしてスコル…いえ、シロ様は誘拐されて私が跡を追った!…
そんな私達にとって因縁の有り!…原因の魔法使いが彼女なのですが…
…まさかこんな形で再会するとは思っても居ませんでした!!…
バルディアナのペットとして王城に潜伏も致しましたが!…
一度として影を見た事が無かったと言うのに!!…」
「ッ!…身を隠していた!……とかではないか…
恐らくあのボンボンに連れられてあっちこっちに行って居たか…」
水人形は相手にするだけ無駄!とばかりに、何度でも復活するしその数も増える!
とそれは鬱陶しそうにシルビィが話しを!…何なら自分達が霊峰を去った理由!も
続けて語り!…その際王城内でその姿を探した事も口に!…しかしその影を見掛け
なかった事についてよもや!と…また霊峰で会う事になるとは思っても無かった
様子でそうして一連の話をすると、モツもその話を聞いて思わずフッと…シルビィが
パルメリアを見つけられなかった事について話をすると、と言うのも容易に想像が
出来たのか?…ダグレスのせい!と推測を立て…と、そんな事を語っている間に
その数は更に増えて行き!…遂には十分な数になったのか…パルメリアが息を切らし
ながらスッと両腕を降ろして行くと、次にはモツ達に対して杖を突き付ける!…
突撃の号令を口にする!…
「我が号令の名の下に!!…押し流し飲み込め!!!…」
__ザザザザザザザザザザザ!!!!…
「ッ!?…来ます!!!…」
「ッ!?…本当に面倒な連中だよクソがぁ!!!!…」
パルメリアが号令を出すと水人形達は利き腕だろうか腕を振り上げてゴボッ!と
音を…するとその手に水で出来た剣を生成して見せ!…そこからまるで波打ち際
を走る様に!…水飛沫を上げてモツ達へ向かい襲い掛かると、シルビィがいち早く
異変を察知!…二人に注意を呼び掛けて行く!…そしてそのシルビィの言葉に
モツもビクッと反応をすると、なってしまったモノは仕方が無い!と…まるで
諦めた様に剣を抜刀すると、その水人形達に向かって行く!…この時それぞれ
飛び出す様にして向かって行くと、モツはまず一体目を始末する様に斬撃を!…
__ザバアァァ!!!…ザシュン!!!…ザパアァァ!!…
「ッ!?…何だこれ!?…斬った感覚が!?…」
それこそ目の前の敵から着実に!…振り被る相手の懐に入り!…横一線に薙いで
一撃で水人形を一体まずは仕留めて行くが、ここで違和感を!…如何にも手応え
に疑問を持つ!…と言うのも相手を斬った際それはさもまんま水を切った様に
感じられ!…いや水である事に間違いは無いのだが!…それでも倒したかどうかが
イマイチ分からず!…仕舞には倒した水人形の水溜まり…或いはエイブレントの剣
のお陰かとにかくその二つを交互に見てモツが疑問を感じていると、背後から別の
水人形が!…モツに向かって襲い掛かる!…
__スゥ…フォン!!!…
「ッ!?…ヤッバ!!…ッ~~~!!!…」
それは音も無く静かに忍び寄って来ると、やはり大振りで剣を振り被り!…だが
モツはそれに気付けなかった様子で遅れてハッ!と…この時ガードするにも
間に合わず、刹那を発動しようにも何故かクールタイムに入っており!…何なら
横っ飛び回避をしようものなら水人形に揉みくちゃ!…とにかく絶望的な状況に
居り!…モツもこれは不味った!と…被弾を覚悟して歯を食い縛って行くのだが、
次には間一髪の所で助けの手が!…
「モツ様!!!…」
__ザスン!!!…ザパアァァ!!……ッ!!…
振り被る剣が振り下ろされる前にその水人形の背後から!…まるでモツに向かって
伸びる様に!…突如目の前の水人形の胸よりドスッ!と槍の切っ先が見えて来ると、
次には絶命した様子にその水人形は崩れ去り!…次にはシルビィが助けてくれたで
あろう姿がパッと映る!…それはもう既に何体か相手にした後なのか?…また頭から
ズブ濡れになってしまうと、如何にも寒そうに見えてしまい!…だがシルビィは
そんな些細な事など御構い無し!…とにかくモツに安否の言葉を掛けて行く!…
「モツ様!!…ご無事で!?…」
「ッ!?…あ、あぁスマン!!…助かった!!!…
…それにしても何だこれ!?…斬った手応えがまるで無い!!!…
これじゃあ確かに効果が有るのか分からねぇし!!!…
兵士達の士気も落ちるってモンだ!!…」
まるで慣れている!とばかりにシルビィは余裕の様相を!…ただ辺りに対して
警戒をし続け!…それはまさに歴戦の勇と言わんばかりの動じなさに勇ましさを
露わにして行き!…するとそれを見てモツも思わず戸惑いの様子を!…そして
とにかく助けて貰った事に対して感謝の言葉を口にすると、シルビィが言って
いた事を更に理解!…何ならその時の状況が今見えているかの様な事を口にする!…
するとそんな二人に対してまた水人形達が詰める様にして群がって来ると、
モツとシルビィもハッ!と機敏に反応を!…
__ッ!!…バシャシャアァ!!!…チャキッ!!…
「…それだけでは有りません!!!…
幾ら倒した所で!!…」
__ゴプ!!…ゴポポポ!!!…ッ…ッ!?…
互いに背中を合わせて構えて行き!…その群がる水人形達に若干の焦りを感じて
いると、シルビィがふとあるモノを…それは先程倒した筈の水人形の水溜りが
独りでに揺らめき始めた事で、モツの言葉に対して返事をする様に!…何なら
ふとタイミングよく目線が有った時に視線で誘導!…するとモツも気が付いた
様子で視線をそちらに!…そこでまた触手が伸びて来る!…そしてまた人の形に
戻る様子を目にして行くと、勿論驚き!…シルビィも面倒!とばかりに言葉を
続ける!…
「……この通り…元に戻ります!!…」
「…だああぁぁぁぁぁ!!!…
せめてゴーレムみたいにコアか何か有れば良いのに!!!…
いっそパルシィに全部凍らせて貰うとか出来ないかね!?…」
それはもう見飽きた!とばかりに零して見せると、進展がない状況に若干の
苛立ちを積もらせ!…と、そのシルビィのイライラはモツにも伝染したのか!…
モツは目の前を振り向くとその数に絶望!…それこそ発狂する様に突如吠え
出し!…何も対策が今のところ思い付かない様に更に零すと、投げやりな案を!…
しかしそれを聞いてシルビィもピクッと反応をすると、その案に対してツッコミを
口に!…
「…お言葉ですが…それをすれば私達も凍ってしまうかと!…」
「ですよね、コンチクショウ!!!!…」
恐らく出来ない事は無い!と…しかしズブ濡れになっている自分達も巻き込まれる
のは必至で!…それを危惧する様に恐る恐る口にすると、モツも最初から分かって
居た様子でやはり自暴自棄に!…だがそんな二人とは裏腹に水人形達はジワジワと
モツ達を追い詰め!…まるで嬲り殺しにするよう一気に攻めて来ない様子を露わに
すると、一方でラグナスも苦戦を強いられて居るのか?…とにかく一人奮闘する
様子を見せて行く!…
「はああぁぁぁ!!!…」
__バキィィン!!!…バジュゥゥゥ!!……
自身の特性を生かして両手に武器を!…右手に炎の剣を握ると、左手に氷の剣を!…
それぞれ生成しては水人形の群れに突貫して行き!…氷で固めてから炎の剣で
粉砕!…それこそ水分を一切残さない位に蒸発をさせる力業でその数を減らそうと
して行くのだが、勿論焼け石に水!…パルメリアが地味に更なる追加を掛けて
行く!…となるとそれを分かって居るのかラグナスもラグナスで苛立ちを露わに!…
それこそモツやシルビィが追いこまれているのを見て無力さを痛感し!…
「ッ!?…チッ!!…数が多すぎる!!!…
これでは本当にキリが無い!!!…見た所数は既に百は超えている!!…
対処出来るのは恐らく私だけ!!…クソッ!!!…もっと力が有れば!!!…」
{…ラグナスも奮闘しているけどこの数を全部やらせるにはキツ過ぎる!!…
こうなると弾代なんて小さい事を考えている暇は無いな!!……ッ!?…}
そんなラグナスの奮闘ぶりはモツ達の方からもしっかりと見え!…モツもそれを
見て不味い!と…それはこちら側が押されているのを勿論把握!…と、同時に
ラグナスが先に倒れるかもしれない事を悟って行くと、スッと腰のホルスターに
手を!…しかしここである事をフッと考えてしまうと、そのモツの動きに迷いが
生じる!…と言うのもそれは別に弾薬代が勿体ない!とか切実な話では当然無く、
もっと致命的な欠点で有り!…
{…ただでさえ乱戦状態なのにこの2秒は長過ぎる!!…
パルメリアを狙っている間はシルビィに守って貰うにしても!!…
今の状況ですら厳しいのにこれ以上の負担は!…
仮にやったとして最悪シルビィがやられたらその瞬間ほぼ詰み!!…
撃てるに撃てない!!!…ラグナスも押されてるしこっちに合流は難しい!!!…
せめて後一人!!…後一人居れば逆転の可能性が!!!…}
その欠点と言うのはモツが持つ最終兵器で、シュタインをぶっ飛ばした拳銃に
在り!…それは前にも説明した通りその一発を放つのに約二秒!…勿論狙いを
定めるのにも時間が掛かり!…結果として攻撃出来るのに約数分!…その間
シルビィに守って貰うにしては負担が大きく!…失敗した際のデメリットを
考えると、大きな博打となってしまう!…その際何なら恐らくパルメリアも
そのモツの銃の事を知っており、抜けば更に猛攻が来る事は必至で!…となると
抜きたくとも抜けずに固まって仕舞う事態になり!…このギャンブルに勝てるか
どうか!…それだけが頭を過って更に判断を鈍らせると、シルビィもそんな
モツの異変に反応!…戸惑い慌てた様子で声を掛ける!…
「ッ!?…モツ様!?…如何なさいました!?…何か異常事態でも!?…」
__フォン!!…ッ!?…ギイィン!!…
「クッ!!…何処までも邪魔をぉ!!…」
それこそ固まってしまったモツに心配の声を!…しかしその間にも水人形達は
容赦の無い攻撃を!…と、そんな妨害にシルビィも咄嗟にガードで防ぎ!…
その際鍔迫り合いにへと発展行き!…更に苛立ちを感じた様子で言葉を漏らす
と、水人形を弾き飛ばす!…ここ一番の踏ん張りどころを見せて行く!…さて
そうしてモツがせめてあと一人人員が欲しいと願っていると、その願いは天に
何とか届いたのか!…この時何時までもへたり込んでは居られない!と…漸く
動ける様になった感じでスッと立ち上がる!…うら若きエルフの乙女が根性を
見せ始めると、状況は進展!…モツ達に起死回生の一手を与えるのであった!…
0
お気に入りに追加
579
あなたにおすすめの小説
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
転生騎士団長の歩き方
Akila
ファンタジー
【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】
たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。
【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。
【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?
※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
はぁ?とりあえず寝てていい?
夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。
※第二章は全体的に説明回が多いです。
<<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。
幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~
月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。
「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。
そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。
『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。
その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。
スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。
※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。)
※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる