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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章七十六節 マサツグコールと魔王の黒衣と彗星の一撃!-

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さもマサツグが目の前でやられた様な光景に一同不安!…そしてそれを同じく

見ていた観客達も何か絶望に打ちひしがれるそんな反応を見せて居ると、一方で

バルトグロメイアは勝ち誇った様子で大笑い!…それはまるで口ほどにも無い!

と言った様子で嘲笑い!…マグダラスも予定とは違ったもののこれで漸く一人を

消したとばかりに喜んでいると、そこにシロとハティが戻って来て!…女王の元

へと戻って行く!…その際眼下にはその悲惨?な光景が広がって居る筈なのだが、

それを見た所でシロは何と思っていない様子で見詰め!…と、シロが帰って来た

事で女王も安堵!…そして先程からのマサツグの様子にある種恐怖を!…これが

マサツグ!!…と言った具合にその目を驚いたモノにして見せると、徐々にその

現場からは声が!…


__……ッ…ッ!!…マッサッツグ!…マッサッツグ!!…


「ッ!……え?…」


__マッサッツグ!!…マッサッツグ!!!…ッ!!…


それはまだ諦め切れない様子で一人の観客から始まり!…まるでまだ終わって

居ない!とばかりにマサツグの名前をコールすると、当然そんな一人の様子に

ギョッとする!…それは勿論驚いて居り!…しかし徐々に感化されて来た様子で

同じ様にマサツグの事をコールし出すと、更に伝染するよう伝わって行く!…

それは次第に観客達から観客達へと伝わって行くと、最終的には観客全員が

マサツグを呼び!…と、その様子はモツ達の目にも当然止まり!…そんな観客達

の様子に同じく感化された様子で思わずグッと拳を握ってしまうと、次には

そのコールに参加をし出す!…


「…ッ…ッ!!…マッサッツグ!!!…マッサッツグ!!!!…」


「ッ!?…モ、モツ?…」


「周りが応援してるのに!!…

その仲間である俺達が応援をしないで如何する!!…

…大丈夫!!…ヤブはこんな事で倒れる様な奴じゃない!!!…

マッサッツグ!!!…マッサッツグ!!!!…」


周りに同調する様に!…その波に乗るようモツがマサツグコールをし始めると、

突然のモツの様子にアヤが戸惑った反応を!…それは周りのマサツグコールにも

戸惑うのだが、何よりモツも参加をし出した事に驚き!…その際名前を呼んで

思わず心配!…一方で名前を呼ばれたモツはアヤに返事をして行き!…仲間を

信じる者としてこれに乗らない訳には行かない!とばかりに吹っ切れて見せると、

更にコールを続けて行く!…するとアヤもそれを聞いてハッとした表情を浮かべて

見せると、次には感化されたのか…


「ッ!!……ッ!!!…マッサッツグ!!!…マッサッツグ!!!!…」


「ッ!?……ッ!!…マッサッツグ!!!…マッサッツグ!!!!…」


__マッサッツグ!!!!…マッサッツグ!!!!…マッサッツグ!!!!…


モツと同じく意を決した様に声を上げてコールをし始め!…その様子に他の面々も

ふと気が付いた反応を見せて行くと、やはりコールに参加をし出す!…そうして

闘技場内全体がマサツグコール一色になって行くと、一方でバルトグロメイアも

それに気が付いた様子で辺りを見回し!…するとそこにはもはや自分がアウェーの

様子が広がっており!…中には手を組んで居る祈る様な者も居る事に気が付いて

行くと、それを嘲笑う様に言葉を!…


「…アァ~ン?…コイツ等ハ何ヲ必死ニ祈ッテンダァ~?…

マサカコノ人間ガ復活スルトカ!!…俺ヲ倒ストデモ考エテ居ルノカァ~!?…

今サッキ目ノ前デ叩キ潰サレタ様子ヲ見テ!!…

マァダ生キテイルッテ信ジテ居ルノカァ~!?……へ!!…

オイオイ!!…馬鹿ハ休ミ休ミニシテクレッテンダ!!!…」


__マッサッツグ!!!!…マッサッツグ!!!!…マッサッツグ!!!!…


まるで現場を見て居なかったのか?とばかりに観客達を馬鹿に!…そしてその

祈る者達やコールを続ける者達に対して滑稽!とばかりに更に笑うと、一方では

そんなの御構い無しにコールを!…バルトグロメイアの罵倒に負けないよ吠えて

見せる!…それは声を揃えて拳を突き上げ!…これが精一杯の反骨精神とばかりに

やって見せると、更にバルトグロメイアは言葉を!…呆れた様に笑っては言葉を

続ける!…


「…イイカ?…コノ威力デ潰サレタンダ!!…

間違イ無ク死ンデルニ決マッテンダロウガ、馬鹿共ガァ!!!…

ココハ教会デモ何デモネェンダヨ!!!…殺シ合イノ場ナンダヨ!!!!…

…ソレモ?…今マデ自分達ガ憎ンデ居タ人間相手ニ願ウナンザァ!!!…

コリャ傑作ダナ!?!?!?…ア~ッハッハッハッハッハ!!!…

アァ~~ッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!!!…」


__マッサッツグ!!!!…マッサッツグ!!!!…マッサッツグ!!!!…


この時まだマサツグを潰したであろう右腕は上げず、左手でその自身の右手を

指差し!…と言うのもその時何故か動かしてはいけない様な気がし始め!…

何故かその本能に従うよう!…右腕を動かさずに観客達をやはり馬鹿にするよう

吠えて見せると、ここは祈祷する場所じゃない!と…改めてここが闘技場である

事を口にする!…それは実力だけが問われる場所で…奇跡を起こす場所ではない!

と言うと、何なら今の状況を皮肉と続け!…何でも今の今まで人間達を憎んで

来た!と…しかし今はその人間に頼って居る事から滑稽!…脆弱に見える!と

ばかりに更に大笑いをして観客達の事をも一つ馬鹿にして行くと、それでも尚

観客達はマサツグコールで対抗!…決して折れない様子を見せて行く!…さて、

そうしてバルトグロメイアの高笑いとマサツグコールが続く中!…その声に呼応

する様に!…そのバルトグロメイアの右手からはまるで恐怖を感じさせる様に

声が!…


「……ただ素早いってだけで…

攻撃範囲もサイクロプスと変わらないと分かれば…如何って事無いな…」


「ッ!?!?…う、嘘だろ!?……」


__スン!!!……ズバババババアァン!!……


「ッ!?…ッ!?!?!?…」


それはまるで最初っから当たって居ない!と言った様子で突如聞こえ!…バルトグロ

メイアも仕留めたと思った矢先!…その声が聞こえて来た事で途端にハッ!と青褪め

てしまうと、その自身の右手に目を向ける!…するとそこには今だ土埃が立っていて

マサツグの姿は見えないのだが、明らかにだけは見えて居り!…となると

そんな光景を目にして更に青褪め!…今すぐにでもその場から飛び退いて逃げようと

するのだが、次に瞬間勢い良くかつ鋭い音が!…何かが斬り刻まれる音がスッと

聞こえる!…となるとそんな快音にバルトグロメイア自身更に慌てた様な表情を

見せると、次にはその土埃を晴らす様に斬撃が!…


「四季刀剣術……雲散の型!!!!」


__スゥ…キン!!……ドジュシャアアアァァァァァ!!!!…ッ!?!?!?…


それはマサツグがバルトグロメイアの胸を焼き斬った技で有り!…既にその動きも

納刀のルーティンに入っており!…そしてそのまま鍔鳴りを一つ!…と、その音が

合図とばかりにバルトグロメイアの右腕が焼き切れ!…しかも賽の目状にバラッ

と!…もはや先程の様に元に戻せない状態で闘技場の床へ転がって行く事になって

しまうと、更にその切り口からは火が噴き出す!…その際その斬った右腕の断面や

賽の目状の肉からは肉の焼ける臭いと血の焦げる匂いが混ざり合い、それはとても

異臭を放ち!…となると鼻が利く人狼達も途端にバッ!と…鼻を押さえては驚きを

露わに!…一方で剣戟も凄まじいかったのか!…辺りの土埃を一気に払い!…

そしてマサツグが未だ健在である事を証明する様にその姿をバッ!と現して見せる

と、これまた一方では腕一本切られた事に悲鳴を!…それは先程までの余裕を吹き

飛ばしてしまう!…


「ヒ!!…ヒギャアアアアァァァァァァァァァァァ!!!!!!」


この時初めて悲痛の叫びを!…となると左手でその斬られた右腕を押さえて行くが、

勿論激痛が和らぐ事は決してなく!…何ならバルトグロメイア自身何が起きたのか

全く分からず!…ただ気が付けば目の前には自身の右腕のサイコロステーキが!…

そしてマサツグは何ともない様子で立って居る訳で!…一方でマサツグはそんな

バルトグロメイアを眼下に見詰め!…そこにやはり1mmの同情も無い!…ただ

無表情に見下ろしどう始末しようか?と言った冷徹な視線を向けて行くと、そこで

更にある異変も見られ始め!…


__ブワアアァァァァ!!…シュウゥン!!!…ブワアアアァァァァァァ!!!…


それはマサツグの体から発せられている黒い靄に見られ始め!…一度落ち着く様な

様子を見せたかと思うと、黒い靄はまるでマサツグを守る様にその発し方・形状を

変え!…簡単に言うとそれは外套と化して行き!…言わばマントの様に身に纏い

流れ!…何なら風が無いにも関わらず靡き!…更には黒い粒子の様な物も散らして

行くと、その異様さ!…禍々しさを放って行く!…もっと簡単に言うと某・一狩り

行こうぜのゲームに出て来る狂竜ウイルス持ちの古龍の様な!…そんな様子を露わ

にする!…そしてそんな様子を目にして当然面々も驚きを露わに!…特にフィロは

酷く驚きを露わに!…しかしそこには更に歓喜の様子も見られ!…


「ッ!?…な!?…ア、アレはもしや!?…」


「な、何だアレ!?…黒い靄がまるで!!…まるでマントみたいに!!…」


「と言うよりさっきからアレ大丈夫なの!?…

マサツグの体から出てるけど!!…

アレってマサツグの寿命が抜けてる!…なんて事じゃないわよねぇ!?…」


何やら見覚えがある様子でフィロは目をパチパチ!…一方でモツもそんな形状変化に

驚き戸惑い!…ただ目に見えている状態を口に!…もはや考えが追い付かない様子を

露わにすると、また一方ではくまさんが有らぬ心配を!…ハッとした様子で口に

する!…と言うのもアレは何か体力を消耗する的なスキルでは無いか?と心配を

すると、パルシィが次には違う!とばかりに否定!…しかしその様子はやはりとても

慌てたモノとなっており!…フィロ同様あり得ない!と…その正体について語り出す

と、若干怯えた様子も露わにする!…


「ッ!?…ア、アレは!!…[魔王の黒衣]!?…

ま、まさか本当に!!…本当に[魔王覚醒]をしたと言うのか!?…」


「ッ!?…ま、まお!…何やてぇ!?…それは如何言う!?…」


「…文字通りの意味だ!!…

魔王として目覚めた者が身に纏う黒衣!!…それがあの[魔王の黒衣]!!…

…アレは普通に修練を積んだ所で身に着けられない!!…

それを身に付けるには全てを破壊し尽くしたいと思う程の憎悪!!…

そしてこの世に絶望すると言った強い感情を必要とする!!…

…そしてそれを身に纏った者は文字通り!!…

己が欲望を満たそうとするまで!!…

その暴走が止まる事は無いと言われているのだが!!…」


「ッ!?…ぼ、暴走って!!…ここに来て今度はヤブが暴走ぉ~!?…」


パルシィは簡潔にその黒い靄の状態を[魔王の黒衣]と語り!…更には気になる言葉も

口に!…となるとその話を聞いてマサキも戸惑い!…さすがに魔王と言う言葉に聞き

流す事が出来ない言った反応も露わにすると、更にパルシィは説明を続ける!…

何でもそれは相当ヤバいモノを発現したらしく、さも伝承を語る様にその習得条件の

様なモノを話し始め!…と、そこで語られたのは豪く大層な内容で…それを聞いて

モツが戸惑い!…同時にこの後の展開について酷く慌てる様子を露わにすると、一方

ではバルトグロメイアがここに来て恐怖を!…


「ぐああぁぁ!!!…あぁ!!…あああぁぁぁ!!!……

はあ!!…はあ!!…な!…何なんだこれ!?…こんな事が!?…

…ヒィ!?…」


ただ目の前の光景が信じられない様子で錯乱!…そしてその表情も徐々に恐怖の色

へと染まって行くと、まるで目が霞む様な錯覚を覚え!…だがそんな事を気にして

いる暇など当然無く!…目の前には依然として異様な雰囲気のマサツグが!…

それはまるでただバルトグロメイアをゴミとして見る様に見詰めて居り!…バルト

グロメイアもそんなマサツグの様子に対して更に青褪めるそんな反応を露わにする

と、一方でマサツグはサイコパスと化し!…


「痛ぇか?…痛いだろうなぁ?…自分で言うのも何だけどぉ?…

鋭い刃物で斬ったり斬られたりすると…感じるのは痛覚じゃなくて…

まず熱さが先に来るんだよなぁ?…そして徐々に痛みが広がり始めて…

その痛みが何所まで広がるのか?って考えると…

そっから先はただ恐怖でしかねぇ!…

ましてやお前は今自分の腕を一本失ったんだ…

…フフフッ…そら…痛てぇに決まってんだろうなぁ?…」


__ゾクゥ!!!…ッ!?…ッ!?!?…


表情変わらず冷徹!…そして見下しながらスッと握っている刀を軽く自身の目の

前に持って来ると、その刀の刃に指をスッと滑らせる!…すると当然軽く切った

様子で指の腹から血を流すと、淡々とその痛みの事を話し出し!…それは周りに

対してとても恐怖を抱かせるモノで!…見て居た者は本当にマサツグ?と…

まるで憑き物が付いたかの様な違和感をふと覚えて行くと、ただただ動けずに

固まってしまう!…一方でマサツグはそのバルトグロメイアの状態に対して

何故か不敵に笑みを浮かべると、更に狂気を滲ませ!…と、その様子は展望

デッキの方でも確認が出来!…それを見たマグダラスも中てられたよう!…

ビクッと反応して思わず後ろに下がる様な挙動をするのだが、次には尻餅!…

そして足をガタガタと震わせる!…


__ッ!?!?……ドサァ!!…


「ッ!!…マ、マグダラス様!?…い、如何なさい!?…」


__ガッ!!…ッ!?…


「な、何者なんだあの人間はぁ!?…

欠片刀を使った我が国最凶の囚人をあっさりと!!…

こうもあっさりと屈服させるだとぁ~~!?…」


__……ッ!!…ッ~~~!!……


突如尻餅を着き出したマグダラスにその場の兵士達が戸惑ってしまうと、慌てて

声を掛けて行き!…その際助け起こす様にスッと手を…するとマグダラスはその

差し出された手をガッと掴み!…まるで縋り付く様なそんな反応を露わにすると、

更に兵士達を戸惑わせる!…何ならこの時目に見えてバルトグロメイアの負けが

確定した事を口にすると、足腰が言う事を聞かないのか毒気に中てられたよう

プルプルと震わせ!…一方でシロはそんなマサツグの様子にやはり不安を!…

何か今にも別人に変わってしまいそうな!…そんな雰囲気に居ても立って居られ

ない様な慌てよう?怯えようを見せて行くと、次には考えながら身構える素振り

を!…そして話の焦点は元に戻る!…


「ッ!?…ッ!?!?…ま、待て!!…待ってくれ!!!…

頼む、待ってくれ!!…俺は!!…俺は!!…」


依然マサツグはその目の前で腰を抜かすバルトグロメイアを見詰めて居り、バルト

グロメイアはそんなマサツグに対して命乞いをし!…それこそ先程まで見下して

居たのが逆転しており!…バルトグロメイアはまだ残っている左腕を突き出し!…

何とかマサツグに待ったを掛けて見せるのだが、当然マサツグは止まらない!…

寧ろ怒りを別の理由で再燃させると、更にバルトグロメイアを追い詰めて行く!…


「……今までお前が殺してきた連中もそうやって命乞いをしたんじゃないか?…

兵士…ご老人…女性に子供…お前が犯した罪の数は俺には全くだが…

でも殺した…自分の利益…娯楽…その他等々!…何も考えずに命を奪った!!…

…ましてや命を奪うだけじゃ飽き足らずに!?…

何処ぞの連中と協力して誘拐まで働こうとしてたよなぁ~!?!?…」


「ヒィィィ!?!?…」


それはまるでバルトグロメイアの罪状が後ろに透けて見えているよう語って

行き!…その行いについてもこれは必然とばかりに淡々と!…しかしそれも

徐々にその声に怒気を帯びて更に圧を掛ける事となって行き!…宛ら傍から

見たその光景は刑罰執行!…マサツグが執行官の様に見えてしまい…バルト

グロメイアもそれに合わせてただ罪の清算に怯える囚人の姿となってしまう

と、何とも異様!…ただただ言葉を忘れて黙ってしまう!…それこそ約数分

前には自身の事を最強と謳って居た者が、今ではただただまだ生きて居たい!

と腰引け状態で惨めに訴える姿を露わに!…が、そんな訴えを当然聞く筈も

ない訳で!…マサツグは刑罰を執行する様にその手に持った刀を真っ直ぐ

振り上げ!…


__…スゥ…チャキッ!!……


「ッ!?…た、頼む!!…ほ、本当に待ってくれ!!…

俺が!!…俺が悪かった!!…あ、謝るからぁ!!!…

お詫びにマグダラスの秘密を話すから!!!…」


「…お前はを虚仮にして!!…

その過去を笑い話の如くブチ撒けてはその心に傷付けた!!!…

…何ならお前が余計な事をしなければ!!!…

シロだって母親と離れ離れになる様な事も無かった筈だ!!!!…

大切な人から大切な物を奪うその重みを!!!…今!!!…ここで!!!!…」


マサツグは一太刀で切り捨てる様に上段の構えを!…一方でそんなマサツグを目の

前にしてバルトグロメイアは更に慌てて見せて行くと、何なら命乞いをしながら

気になる事を口にし出す!…が、マサツグはそれでも止まらず仕舞いに刀を構え、

怒りに身を任せて言葉を口に!…その際自身が言った事に対して疑問を持たず!…

ただバルトグロメイアに刑を!…今ここで執行すると言った具合にその刀を握る

手を更にギュッと強くすると、次には振り下ろそうとして見せる!…


__チャキッ!!…スゥ……


「ッ!?…あぁ!…ああぁぁ!!…」


「償えええぇぇぇぇ!!!!」


バルトグロメイアの言葉に対して聞く耳を持たないマサツグは若干振り被り!…

その一方でそんなマサツグの様子にバルトグロメイアも錯乱し始め!…何なら

ここに来て初めて自身の死を予感して行き!…初めての死の恐怖に思わず失禁!…

更に情けない様子を露わにするが、マサツグは依然変わらず刑を執行!…後は

振り下ろすだけにして行く!…そしてバルトグロメイアに対して怒りの言葉を

口すると、いざその振り被った刀を勢い良く振り下ろそうとするのだが!…


__スゥ…ガシャアアアァァァァンン!!!…ッ!?!?…


「だめですぅ~~~~~!!!!」


「ッ!?…シ、シロォ~~~~!?!?!?」


突如それを止める様に何かが割れる音が響き!…その音に思わず観客達!…何なら

モツ達にマサツグ自身もハッとした様子でその音の聞こえた方に視線を向けると、

そこで有り得ない光景を!…と言うのもその音が聞こえて来た方向と言うのは頭上

からで、そっちに目を向けるとそこにはシロが落下して来て居り!…それは真っ直ぐ

マサツグに向かって飛んで来て!…勿論この光景に観客達は困惑!…親方!…空から

皇女様が!!と言いたくなりそうな光景に!…目を真ん丸にして口をポカ~ンと

開けたまま絶句する反応を露わにすると、一方でマサツグも慌てる事に!…当然受け

止める体勢に入って行く!…


__ッ!?…ッ!?……ババッ!!…


「ッ!…あっ!…」×8


__あぁ!!!…


この時当然振り上げた刀を降ろして行くと、次には両手を広げてシロを受け止める

体勢に!…が、この流れはふとある事を彷彿とさせ!…それに気が付いたモツ達が

思わず言葉を漏らす様にして察して行くと、一方では観客達が心配をした様子で

声を!…その結末に心配の視線を向けて行く!…さてそうして各々がその結末を

固唾を飲んで見守っていると、一方ではそのシロが飛び降りて来たであろう展望

デッキでは…


「…ハティ吃驚なのです!…まさか窓を壊して行っちゃうなんて!!…」


「アバ!…アバババババババ!!…」


「ッ!?…マ、マグダラス様あぁぁ!!!…」


女王も唖然とした様子でそれを見詰め!…ハティも自身の感想を口にすると、

そのシロが蹴破った窓を見詰め!…マグダラスはマグダラスでそのシロの蛮行が

止めとなり!…もはや正気を失った様に口から泡を吹き出し始めると、一時的に

意識をフライアウェイさせる!…となると側近の兵士達もそんな様子に慌てに

慌て、現場は騒然とし!…一方でマサツグに向かい落下するシロ!…目をギュッ

と閉じて両手をマサツグに向かい伸ばすそんな態勢に入って行くと、次には着弾!…

やはりお約束の展開を見せて行く!…


「目を覚ましてくださ~~い!!!!…」


__ヒュウウウゥゥゥゥン!!!!…ズドオオオォォォォンン!!!!…


「ッ~~~!!!…」


__ンバッハアァァ!!!…ンバッハアァァ!!…ンバッハアァァ!…


落下して来るシロはまるで彗星!…そしてその彗星シロはやはり見事にマサツグの腹部を

貫いて行くと、マサツグの体を簡単に吹き飛ばし!…何ならその過去一の衝撃に

マサツグも言葉にならない悲鳴を上げて悶絶!…宛ら某・公道で戦う者達の様に!…

さもフィニッシュブローを貰った様に声を上げると、それでもシロを受け止めた

まま!…地面を転がり倒れて見せる!…一方で斬られそうだったバルトグロメイアは

と言うと、目を閉じて怯えて居り!…が、一向に攻撃が飛んで来ない事に疑問を

覚え!…恐る恐る目を開けてその現状の状態を確認すると、当然その目の前の

光景に戸惑いを隠せない様子でハッとする!…


__ッ~~~~!!!………ッ?……そろぉ~……ッ!…ッ!?…


勿論目を開けたらそこに自身を殺そうとして居た者は居らず、何なら幼女を

抱えて地面に倒れているマサツグの図が目に映り!…となると今度は自分は

死んだのか?と確認をし出し!…左手で自身の頬を…更には体等触って感覚が

ある事を感じ取り自身まだ死んで居ない事を認識すると、更に何が起きたのか

分からない様子で戸惑う!…ただただ目をパチパチとさせて見せる!…

と、その一方ではシロに押し倒された?…は不明だが、何とか意識を保った

マサツグが苦悶の表情を浮かべながらに質問を!…


「お、おぉ~~~~~!!!……ッ~~~~~……

…シ、シロさん?…一体何でまたこんな事をして来たのかなぁ?…

ご主人様としては飛び掛かって来るのは後にして欲しいかなぁ~?って…」


「だってご主人様が凄く怖い人みたいになってたんだもん!!!!」


「なってたんだもん!!…って、そりゃ戦ってるんだから怖くも…」


魔王マサツグ、突然の彗星により不慮の事故死とは行かず!…苦痛に耐えながらも

何故飛んで来たのか?と…若干怒っても居る様子でその飛んで来た元凶シロにムッと

した表情を浮かべて見せると、シロは震えながらも必死に反論!…その理由を若干

怯えながらに口にする!…と言うのも先程からマサツグがマサツグじゃ無くなる

様子が伺えた事を話して行くと、シロは止めに来た!とばかりに膨れながら話し!…

と、そんな返事が帰って来た事で更にマサツグは困惑!…そんなの当然!と話す

一方!…シロはそのマサツグの言葉に対して違う!と面と向かって否定をすると、

更に文句を続けて話す!…


「違います!!!…ご主人様じゃないご主人様が居たんです!!!

シロはいつものご主人様が大好きなのです!!!!…

ご主人様!!!…もう怒らないで下さい!!!!……ヒッグ!!…

ッ~~~!!!…うあぁ~~~~ん!!!!…あぁ~~~~ん!!!!…」


「ッ!…え、えぇ~?……」


この時魔王化した事をシロは嫌がり!…徐々に涙目になっていつものマサツグで

居るよう懇願をすると、遂には我慢し切れなくなった様子で泣き出し!…何なら

この時梃子でも離れない!と言った意地の見せ様まで露わにして見せ!…これには

マサツグもやはり戸惑った様子で一体何が何だか?と…首を傾げて如何にも理解に

困った様子を見せて行くと、次には遠方よりハティが!…恐らくシロを追い駆けて

やって来る!…手を振り駆けて来る!…


__トットットットット!!…先生ぇ~~!!…


「…ッ!……おっ?…ハティ?…」


「ハァ!…ハァ!……お、お姉様は?…」


「えっとぉ…この通り…で、どゆこと?…」


駆けて来るハティはマサツグが出て来たゲートの方より駆けて来て!…と、その

ハティが呼んでくる声にマサツグも反応!…この時その魔王化も解けて居り!…

いつもの飄々とした様子でハティに対してやはり戸惑った表情を見せて行くと、

ハティもそんなマサツグの様子に思わず安堵!…そしてシロの状態について

尋ねて行く!…するとマサツグもそれを問われた事で少し動くと、自身の腹に

くっ付いて居るシロの様子を見せ!…そして呆れた様子で言葉を口に!…ついでに

これは何?とさも理解出来ていない様子で質問をすると、ハティはまんま起きた

事を!…戸惑いながらも話し始める!…


「ッ!…え、えぇ~っと…と、とにかく先生が黒くなって!…

その黒い先生を見てお姉様が何を思ったのか窓を蹴破って!…

…そして飛び出したらそのまま先生…に?…

と、とにかくお姉様すっごく慌ててたのです!…

…ハティもお母様と一緒に上から見てたのですが…その時の先生…

まるで本気で怒った時のお母様と一緒!……うぅん!…

もっと怖いモノになって居たのです!…例えるなら?…

…この世のモノでない底知れない何か!…お母様も普通にしてたのですが…

何か警戒をしている様子を感じたのです!…

…それ位に先生…怖かったのです…」


「ッ!…え?…そんなに?…

ま、まぁ確かに久しぶりにプッツンしてた事は認めるけど…」


__コクリッ!…


「ッ!…えぇ~?…」


ハティはマサツグが魔王化して居た事を話し出すと、そこから起きた事を順に!…

その際シロがどれ程までに慌てて居たのかを説明して行き、更には自身から見た

マサツグの感想も口に!…何ならあの女王ですらマサツグの様子に警戒をして

居た事を続けて話し!…その話を聞いたマサツグはこれまた戸惑い!…ハティに

再度確認するよう声を掛けると、ハティは黙ってコクリ!と…やはり異常であった

事を肯定する!…そしてそんなハティの反応を見ても一つマサツグが戸惑った

様子で言葉を漏らして見せて居ると、次にはハティに手招き!…


__……チョイチョイ!…ッ!……トットットットット!…


「…あぁ~…あはははは…な、何か自覚はねぇけど…ゴメンな?…

…多分もう大丈夫だから!!…心配かけてスマンな?…」


__なでなで…なでなで…ッっ~~~♪…パタタタタタ!…


「ッ!…ッ~~~♪…あいです!…」


ハティはその手招きに素直に応じ!…何も警戒する事無くスッとマサツグの

元まで近づいて行くと、マサツグはハティとシロの頭を徐に撫で出し!…

それは怖がらせた事に対しての謝罪で有り!…思わず苦笑いをしつつ!…

それでも理解が出来た様子で二人にもう大丈夫!と答えて行くと、その言葉は

届いたのか!…二人は揃って尻尾を振る!…そしてマサツグに甘えるよう

シロが擦り寄って見せて行くと、ハティも撫でてくれる手に甘え!…と、先程

までの殺伐とした空気も何処かに消え!…これにてトーナメントも終わった

かの様に感じていると、勿論納得が出来ない!…諦めの悪い者が向かって来る

のであった!…

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