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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-
-第六章七十三節 シルビィの過去と怒りの面々とブチ切れ再び!…-
しおりを挟むもはや勝負は着いたかの様に思われるのだが…バルトグロメイアはまるでこれでは
面白くない!とばかりに更にシルビィの過去についても話し出すと、精神的にも
追い込み始め!…そしてその一方で最初に元・奴隷である事をばらされたシルビィ
もその場に崩れ!…まるでこの世終わりの様な絶望に満ちた表情を浮かべて見せる
と、その目から徐々に光りを失って行く!…この時そこにはもう伝説と呼ばれた姿
など何処にもなく、ただ力によって蹂躙される様子しか無く!…だが一方でバルト
グロメイアの饒舌は止まらず!…観客達の動揺を見て更に気を良くした反応を
見せて行くと、更に僕露も続けて行く!…
「ど…奴隷!?…一体如何言う!?…」
「簡単な話さ!…
こいつは元々デグレアントの奴隷闘技場の二番人気の闘士!!…
名前はさっきから言ってるホワイトファング!!…
黒狼って言ってるのにホワイトファングだってよ!?…
笑えネェか!?…あっはっはっはっはっはっはっは!!!!!」
「もう!…もうやめてくれ!…私は!…私は!!……」
やはり奴隷と言う言葉に各々戸惑い!…聞き間違いなのでは?と言った戸惑いの
反応を見せて居ると、聞き間違いでは無い!とばかりにバルトグロメイアが更に
ある事を!…と言うのもそれはただの奴隷ではなかった事を口にし出し!…その
シルビィの強さの秘密について話して行くと、別の所で闘士をして居た!と…
見世物にされて居た過去を話し出す!…その際かなり人気であった事を続けて
話すと、その当時に二つ名について触れ出し!…それはまるで馬鹿にするよう
大笑いして見せ!…次には失意に沈むシルビィの頭に手を伸ばすと、やはり
見世物にするよう!…シルビィの髪を掴んで引き摺り上げる!…そして!…
__…ニヤッ!…ガッ!!…
「ッ!?…あぁ!!……」
「二番人気だった理由は単純に強かったって事で!…
槍を持たせれば誰だろうと串刺しにして始末する!…
たった十歳にして殺しの技術を身に付けていたんだ!!…
…因みにコイツには姉が居てソイツが一番人気だったんだがぁ…
コイツの持ち主が狂人でよぉ~!?…単純に強くすんなら欠片刀を使えって!!…
馬鹿みたいにその姉に投与しやがったんだぁ!!!…
結果、体はその変化と負荷に耐え切れずに細胞は死滅!!…
そのまま死んじまった訳だが…
じゃあ何でそんな風に薬を投与したのか?って話になるよなぁ~?…
…理由は簡単だぁ!!…そいつが妹に負けたからで!!…
そいつの主人はその姉にゾッコンだったからなんだよなぁ!?…
それで強くする所か殺しちまってんの!!…クックックッ!!!…
こりゃ傑作だろ!?…あまりにも馬鹿馬鹿し過ぎて笑いしか出て来ねぇ!!!…
…まぁ、そいつに薬を卸していたのは俺なんだがなぁ?…
あ~~っはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!」
__……ギリギリギリ!!!…
髪を掴まれ苦痛に表情を歪めるシルビィを自身の顔の近くに持って来ると、嫌でも
話を聞かせる様に暴露を続け!…この時髪を掴まれて居るシルビィはその腕を掴み…
何とか逃れようと藻掻きに藻掻いて見せるのだが、一向に逃れられる様子が見せない
でいた!…その一方でバルトグロメイアは構わずシルビィが二番手の理由・シルビィ
に姉が居た事等を話し出すと、それをさも喜劇の様に笑いながら話しを続け!…
何ならその話の結末も酷いモノで終わって行き!…まるでそうなったのもシルビィが
全て原因である様に話して行くと、そのまま大笑いをして見せる!…となるとそんな
バルトグロメイアの話に観客達もまた怒りを覚え始めると、ある者は歯を食い縛って
拳を握り!…またある者はシルビィの悲痛な様子に目を手で覆い隠し!…中には拳を
握るあまり流血!…とにかくそんなバルトグロメイアに対して殺気が向けられ、
一方でバルトグロメイアはそんな状況下でも涼しい顔をして見せると、まだまだ
終わらない!とばかりにその場を楽しむ!…
「おぉ~っとそれだけじゃあないんだぜ!?…
その闘技場では負けたら殺されるってのが毎回のお決まりなんだけどよぉ~?…
もしこれがただのノックアウトで生き残って!!…
更に見た目さえ良ければまだ生かして貰えるなんてルールもあったんだぜぇ!!…
…それは何でか分かるかぁ?…んなモン決まってるよなぁ~!?…
テメェ好みだったらそのまま別の所に買われて!!…
そいつの相手をさせられるんだからよぉ~!?…そこに男も女も関係ねぇ!!…
このホワイトファングちゃんは一体何人の…
か弱い連中をそんな生き地獄に誘ったんだろうなぁ~?…
おかげで裏では[斡旋仕事人]なんて呼ばれてた位だしなぁ~?…プッ!!!…
あ~っはっはっはっはっはっは!!!…
あ~っはっはっはっはっはっはっは!!!!」
「…ッ……。」
それはまるでシルビィを追い詰める様に話の内容が変わって行く!…勿論シルビィの
過去の話である事に変わりはないのだが、しかしその過去の裏側では何が起きていた
のかについて!…バルトグロメイアはこれも面白い話!とばかりに話しを始め!…
その敗者の末路をシルビィにも聞かせる!…それは一体どんな地獄が待って居るのか
をまるで楽しそうに話して行くと、シルビィもそれを知ってか居るのか…目を閉じ
そっぽを向く反応を露わにする!…だがそんなシルビィの事等お構いなし!…バルト
グロメイアの追及は止まらず!…
「……お前も黙ってないでなんか喋れよなぁ!?…
一体何人の奴隷をその手で殺したんだ!?…
一体何人の奴隷をあの生き地獄へと誘ったんだ!?…
…あの生き地獄はもはやただの苦痛じゃあねぇんだぜ!?…
一度連れて行かれたら最後!!…
死ぬまで休む事を許されないカス共の奉仕と!!…
自我が崩壊する程の薬を飲まされてただ狂う!!…
…いや?…それならまだマシかもしれねぇなぁ~?…
もっとどぎついヤベェ奴も居たって話だからなぁ~!!…
そんな生き地獄にお前は何人誘ったんだ!?…えぇ!?…
何とか言ったら如何なんだよ!?…伝説の近衛隊長さんよ!?…」
「う!…うぅ!!…うぅ~!!…」
__ポロポロッ……ッ!…ニヤァ~!…ベロォ~!!…
何なら遂にはその話でシルビィを弄り始め!…嬉々としてシルビィを質問攻めに
追い込んで行き!…さも思い出させる様に顔を近付けながら言葉を遠慮なく
ぶつけて行くと、更にシルビィの心を大きく抉る!…その際その末路も送られた
者達それぞれと見て来た様子で話しをすると、それも全部お前がやった!と目で
シルビィに訴え!…それはまるでシルビィと自分は同類!と言っている様にも
感じられ!…やはり嬉々とした様子でニヤニヤ笑みを!…その一方で耐え切れ
なくなったのかシルビィが静かに無抵抗のままポロポロと涙を流し出すと、バルト
グロメイアは更に興奮!…その涙を流すシルビィの顔を舐めて見せる!…
さてここまでの話を聞いて当然怒りを覚えない者はいない訳で!…我慢の限界を
迎えた者達は徐にスッと席を立ち!…
__ザッ!!!…
「……ここは私に任せてくださいよ、モツさん?…
あぁ言う馬鹿を一度で良いから…
生きたままバラバラにして見たかったんですから?…」
「…そいつは無理な相談だなぁ…オリハ?…
俺自身ここまで大事な仲間を馬鹿にされて…
スゴスゴと下がれるほど大人じゃないんだ…
…アイツの全身の穴と言う穴に鉛玉ぶち込んで!!!…
そっからあのクソ野朗の首を跳ね飛ばす!!!…
…ヤブには悪いが…アイツは俺が狩る!!!!!」
先に席を立ったモツに対してオリハが待った!を…それはマサツグとの戦闘の
疲労を忘れた様子で!…あのバルトグロメイアに対して自分が始末する!と
ばかりに静かに殺気を滲ませると、次にはゆっくりと席を立つ!…その際その
手にはまだ持っていたのかあの時の鉄扇が握られて居るのだが、モツはそれを
目にしても尚一歩も退かず!…寧ろ自分がやる!と言って見せ!…オリハと
同じく腸が煮え繰り返っている様子で静かに殺気を放って行くと、今度は
いつの間にか帰って来ていたのか…こちらも感化された様子でアヤが怒りを
滲ませ始める!…
「…あらぁ…その前に私が百発位は射られてよモツ?…私も…
あそこまで大切な仲間を虚仮にされて黙ってられないんだから!!…
…エルフ族の友を馬鹿にした事!!…あの世でしっかり後悔させてやる!!!!」
モツの銃に対して対抗するよう!…アヤもバルトグロメイアに対して久々にブチ
切れた様子を露わにすると、その場で弓矢を構えて見せる!…その際狙いをバルト
グロメイアの頭にスッと合わせて弦を引くと、即時発射の体勢も整え!…何なら
色々と引っ掛かる言葉が有ったのか歯を食い縛り!…確実に仕留める気でその矢に
エンチャントまで施して行くと、ここでレベル差など関係無い!…マサキもスッと
席を立つ!…この時その手にヌンチャクを持ってモツやオリハみたいにスッと
凄んで見せて行くと、眼下に居るバルトグロメイアを睨み!…
「そんなら足引っ張らん程度に加勢してエェか?…
丁度このヌンチャクを試して見たかったし…
あんのド阿呆を実験台代わりに……そのド頭カチ割ったるわ!!!!!」
「…くまさんも出て良い?…
単純にあの大馬鹿野郎の横っ面にキッツいの一発だけで良いから!!…」
「いや…熊のアンタが本気でアイツを
殴り飛ばしたら首捻じ切れるから?… ×4
ほぼアンタ熊なんだから?…」
「酷い!!!…」
やはり自分も始末する!と…マサツグやオリハの血の本流とばかりの反応を見せる
と、殺気をガンガンに飛ばして見せる!…すると更にはここでくまさんにもその
殺気が飛び火したのか、くまさんも参加の意を示し!…この時その手にミトンを
嵌めると何か軽く準備運動を!…それはさながら某・幕○内と化して行き!…
そんな反応を隠す事無くモツ達の前に露わにすると、周りから一斉にツッコミを
受ける!…そうして所々コミカルな様子も見せる一方、バルトグロメイアに対する
殺意に関しては本物で!…誰一人として獲物は譲らない!と言った様子を見せ!…
一方でフィロとパルシィにもある反応が!…それは二人揃ってモツ達の様子に
呆れた反応を見せて行くと、次には本音を露わにする!…
「…はあぁ~!!…全く持って血気盛んな男等よ…
…して?…お主も案の定飛び出すつもりかや?」
「ッ!…当たり前であろう?…
玉藻の前はこのままここで座っているつもりなのか?…
…別にそう言うつもりなら何も言いはしないが…
この勝負、私の勝ちになるぞ?…」
フィロが呆れた様子でフッと小馬鹿にするよう笑って見せる一方…さすがマサツグ
の仲間達とばかりに言葉を零し!…そしてその隣でウォームアップするパルシィに
対しても声を掛け出し!…同じく呆れた様子を…この時確認をするようその真意に
ついて尋ねて行くと、パルシィはさも肯定をする様に返事を!…何ならフィロを
焚き付ける様に言葉を続ける!…その際これで二人の間での勝負に決着が着く事を
口にすると、フィロはそんなパルシィの考えを見透かした具合に返事を返し!…
「ッ!…ハン!!…
今のお主からは勝ちに拘る執着心など微塵も感じぬわ!!…
有るのはただ目の前のモノに対しての強い怒り!!…
それも女性を蔑ろにした事に対する強い怒り!!…
…それだけじゃろうに!!…」
「ッ!…プッ!!…はっはっはっはっはっはっは!!!…
さすが玉藻前だなぁ?…良く分かっているではないか!!…
…で?…お前は如何するのだ?…」
「フッ!!…決まって居るじゃろ?…」
それは目的が違う!と言う様に…パルシィから感じる怒りがそう物語っている!と
ばかりに呆れて笑いながらに答えて見せると、真の目的を指摘する!…と言うのも
パルシィは勝ち負けに拘って居らず、単純にバルトグロメイアに対して殺意を
燃やして居る!と…それはやはりモツ達の殺意に感化された様にフィロが話し!…
パルシィもそれを指摘されてもう隠す気も無いのか…逆にフィロの洞察力を褒める
様に言葉を漏らすと、笑って見せる!…しかし一方でその腕や脚にはあの時と同様
氷のガントレットやレッグアーマー等が既に装着されており、決して冗談では無い
事も物語って見せ!…そしてその一方でパルシィもフィロの事を見透かした
様子で!…改めてそのフィロの中の真意について質問をすると、フィロは不敵に
笑って見せては次に行動を!…
__シュバッ!!!…
「ッ!?…あぁ!!!…」
「こう言うのは早い者勝ちじゃああああぁぁぁぁ!!!!」
「ああぁぁぁぁぁ~~~~~!!!!!!」×5
それこそ誰も反応出来ない勢いで!…フィロが誰よりも先に闘技エリアへ飛び
出して行くと、そのフィロの行動にパルシィもしまった!とばかりにハッとした
表情を!…と、その一方でフィロは途端に殺気を剥き出し!…何ならモツ達に
揉めている暇はない!とばかりにニヤッとしながら言葉を残して見せて行くと、
更にモツ達をハッとさせる!…となるとフィロに出し抜かれた事でモツ達も
慌てて声を上げると、そのままフィロを追い駆けて闘技エリアへ!…結果全員で
闘技エリアの壁を乗り越え!…これまた全員でバルトグロメイアに掛かって行く
事となり果てると、各々武器を手に突貫!…バルトグロメイアも気が付いた
様子で反応をする!…
__……ドドドドドドドドド!!!…オオオオオオォォォォォォォ!!!!…
「ッ!…ん~~?…騒がしいが何だアレは?……ッ!!…
…へへ!!…そうかいそう言うことかい!!…コイツは傑作だぁ!!!…
お前みたいな冷徹な奴でも甲斐甲斐しく助けようとする連中が居るんだなぁ!?…
…良いぜぇ!?…来い!!…来いよ!!!…
俺ももうちょい暴れたい所だったんだ!!!…
不甲斐無い隊長さんより余程面白そうなのがゾロゾロと走って来たぜぇ!!!…
俺をもっと!!!…興奮させてみやがれえええぇぇぇぇ!!!!」
この時呑気に反応してはモツ達を見つけ、そしてその向かって来るモツ達に
対して不敵に笑みを!…と言うのも観客席に居る連中は全員腰抜け共!と
思っていた様で…こうしてモツ達が出て来た事に面白い!と…何か期待を
する様なそんな反応を露わにすると、ジッと見詰めては来い!と言い出す!…
その際こんな奴!と言ってシルビィの事を卑下して漏らすと、シルビィの
髪を拘束したまま吠え出し!…と、その一方でその様子を見た観客達は驚き
戸惑い!…あの者達は何なのか?と…自分達より遥かに強そうな者に向かって
行く様子に無謀だと感じてしまって居ると、次にはそんな向かって行く様子も
覚めてしまう!…ある事が闘技場全体に起きて行く!…それは!…
__……スゥ~……手ぇ出すんじゃ…ねええええええぇぇぇぇぇぇ!!!!!!…
「ッ!?……」×7
__ギュン!!!…ビタァッ!!……ッ!?………
突如閉まっているゲートの方より聞き覚えの有る声で叫び声が!…それはまるで
アイテムを使うとブチ切れる戦闘狂の様に!…モツ達に対して獲物に手を出すな!
と轟々と響かせて圧を放つと、それを聞いたモツ達も思わずビタッ!と…
急ブレーキを掛ける様に止まって見せる!…すると次には各々その声の聞こえて
来た方にスッと導かれるよう視線を向けると、その声が聞こえて来たであろう
ゲートからは不穏な物が!…それは格子の間より漏れ出る様に黒い靄が立ち昇り!…
まるで火事を彷彿とさせる!…しかし火の気が一切感じられない事から
余計にこれは何?と言った様子で戸惑って居ると、フィロはそれを見て突如
震える!…それは歓喜する様に恐怖し出す!…
「…ア、アレは何だ?…な、何か黒い靄みたいなのが見えるが?…
…ッ!?…って、フィ…フィロ?…」
「あっ…あぁ!!…つ、遂に!!…遂に覚醒したと言うのかや!?…
…長かった!!…実にここまでの道のり長かった!!!…
しかしその長かった道のりも遂にここに来て成就!!!…
わっちの望む男が今ここに降臨したと言う訳なのじゃな!?…」
「ッ!?…な、何を言ってるのフィロ!?…今はそれ所じゃ!!!…ッ!?…」
__バシュウウゥゥゥン!!!!……どよぉ!?!?…
その黒い靄にモツが驚きを隠せない様子で言葉を零すと、ここでふとフィロの
様子に気が付き!…と、その一方でフィロは今だに恐怖から震えるよう小刻み
に身を震わせ!…しかしその様子とは裏腹に歓喜!…何ならこれを待ち望んで
居た!と意味深な事まで口にすると、更に一同を困惑させる!…その際アヤが
ツッコミを入れる様にフィロへ言葉を口にするが、ここでも一つ有る異変にも
気が付き!…と言うのもそのゲートから漏れ出る黒い靄はフィロへと流れ!…
そしてその身に巻き付くよう徐々にそのフィロの体へと流れ込んで見せて行く
と、次にはフィロがボフン!と…あの元の妖魔王の姿に戻ってしまう!…
となるとお子様がいきなり絶世のボンキュッボンになった事で観客達は驚き!…
当然モツ達も戸惑うのだが!…
「…ッ?…ンン?…なんじゃ?…急に視界が高く?…
…ッ!?…おぉ!…おおぉ!?…こ、これは!?…
わ、わっちの尻に!…わっちの足!…わっちの!!…
って胸は元から豊満であったな?……とにかく!!…
わっち!!!…完全復活なのじゃああぁぁぁ!!!…
にょ~~ほっほっほっほっほ!!!!」
肝心の本人は突然の変化に気付いていない様子で…突如視界が高く感じられる事で
疑問を覚え!…となるとふと辺りを見回しそして自身の体へとスッと視点を落として
行くと、ここで漸く自分の身に変化が起きて居る事に気が付いて行く!…すると
次には自身の尻にスッと手を伸ばして軽く揉んで具合を確かめ出すと、そこから
スラッと伸びる自身の脚も確認して見せ!…と、最後に自身の胸を持ち上げ嬉々と
する!…が、ここは今まで通り変わっておらず…とにかく元の姿に戻った!と…
その場で仁王立ちして高笑いをする様子を見せて行くと、完全体のフィロに!…
モツが思わず目を奪われ戸惑てしまう!…
「こ、これが妖魔王フィロネウス!?…
…た、確かにこれは色々危ない!!…」
「ッ!?…そ、そんな事を言っている場合じゃないでしょ!!…
と言うか如何して!?…あの黒い靄がフィロに巻き付き出したと思ったら!!…」
「今はそんな事を気にしている場合では無いだろう!!!…
……不味い!…かなり不味い!!…
何だこの気は!?…今までにこんな感覚!!…」
あの小生意気な子狐が見事なまでに絶世の狐美女に!…その際色々と溢れ出そうに
なっており!…モツが目のやり場に困る様なそんな反応を見せて居ると、次には
アヤが嫉妬する様に!…モツに対してツッコミの言葉を口にする!…と、同時に
先程の黒い靄についても疑問を持つと、更にはフィロの変化にまでその疑問の枝を
伸ばすのだが!…当然そんな事よりこの不穏な黒い靄!と…パルシィが更に
ツッコミを口に!…大元であるその黒い靄、及びその先から感じられる不穏な気配
について警戒を強めるそんな反応を見せて居ると、一方でその靄の正体を知って
居るのかマサキが言葉を!…
「……まぁつぐ…本気の様やな?…」
「ッ!?…え?…」
マサキはその黒い靄の正体をマサツグと語り!…そして思いのほか恐怖する様子を
見せる事は無く!…何なら寧ろ安堵する様なそんな様子が見て取れ!…と、そんな
マサキの言葉にアヤは戸惑い!…一体如何言う事?とばかりにふとマサキに視線を
向けて行くと、そこで若干笑みを浮かべる!…マサキの表情を目にして行く!…
勿論この時マサツグがこんなスキルを持って居る事等全く知らない筈なのだが、
何故かスッとその正体が分かり!…
「…ッ!…なるほど?…そう言う事か!…」
「え?…え?…」
「…なら…まぁちゃんに任せるとしますか!…
元々まぁちゃんの獲物な訳やし!…」
「……あぁ~あ!…折角この馬鹿をぶっ飛ばせると思ったのに!…」
それはモツも徐々に何と無く理解出来た様子で警戒を解き!…続けてくまさんに
オリハへと伝わり!…結果プレイヤー陣が次々にその正体に気が付いた様子で
スッと構えを解いて行き!…未だアヤやパルシィだけがそのプレイヤー陣の安堵の
理由が分からない様子で!…ただただモツ達を見回し戸惑う反応を見せて居ると、
一方で安堵の言葉を口にし出す!…その中でもオリハだけはやはり殺ってしまい
たかった様子で言葉を零すが、次には諦めた様子でバルトグロメイアに対して
背を向け!…と、その様子を目にしたバルトグロメイアも途端に言葉を!…まだ
状況が分かって居ない様子でモツ達を煽る言葉を口にするが、当然まだこの異変は
終わっていない!…次の異変を耳にする!…
「…あぁん?…ンだよ…掛かって来ないのかよ?…
たかがあの程度の声にビビるなんてよぉ?…
やっぱ隊長様のお仲間も大した…」
__ガキイイィィン!!!…ッ!?…ガイイィィン!!…ガイイィィン!!…
「な!?…何だ!?…何だって!?……ッ!?…」
呆れた様子でバルトグロメイアが言葉を口に!…しかしその言葉を言い切る事は
決してなく!…さも切られる様にして突如聞いた事のない衝撃音がこれまた
闘技場内全体に響き出すと、当然その異音にこれまた戸惑う!…それはまるで
金属同士が激しくぶつかり合う様なそんな音の様に聞こえて来ると、音の発生源は
やはりあの黒い靄が漏れ出ているゲートから聞こえ!…となるとバルトグロメイア
もさすがに気になった様子でそのゲートの方に視線を!…するとそこにはあの
分厚い格子のゲートが歪に歪む!…
__……ガイイィィン!!…ガイイィィン!!…ガイイィィン!!…
「ッ!?!?…は!?…な!!…はあぁ!?!?…」
__ザワザワ!…ザワザワ!…ザワザワ!…ザワザワ!…
まるで何か鋭い物でこじ開けようとしている様な感じでゲートが変形して行く
様子を目にすると、勿論更に驚いて見せる!…何ならその変形の都度衝撃音も
ドンドン大きくなって行き!…観客達もその様子に気が付き始めると未知なる
恐怖に震え!…因みに勿論ゲートは金属製で大抵の魔物・動物がこじ開けよう
としても1mmも歪まず!…バルトグロメイアが挑戦した所で同じ結果が待って
居るのだが!…それを物ともしない様子でドンドン歪み!…その目の前の光景に
バルトグロメイア自身これは夢か?とばかりに目を真ん丸にして固まって居る
と、次には更に有り得ない光景が!…
__バギイィィィンン!!!…フォンフォンフォンフォン!!!…ピッ!…
「ッ!…は?…」
__ガギイイイィィンン!!!…ガラガラガラガラ!!……
と言うのも遂にはゲートが耐え切れなくなったのか!…最後にまるで壊れる様にして
これまた一際大きな衝撃音を立てて行くと、ゲートは闘技エリア内に拡散するよう
吹き飛び!…それは残骸となって地面を転がり!…中にはそのまま吹き飛んで闘技
エリアの壁に突き刺さる!…或いは減り込むと言ったそんな衝撃的な光景を見せて
行くと、バルトグロメイアや観客達の度肝を抜く!…トンデモナイ事態にへと発展
させる!…何ならそのうちの一つの破片がバルトグロメイアの顔の様をシュンと通り
抜けて行くと、まるで鋭い刃物で切られた様な擦過傷を作り!…と、とにかくそんな
有り得ない光景に各々絶句!…一方でそのゲートの向こうから誰かが歩いて来る
足音が静かに響いて聞こえて来ると、より一層その黒い靄は強く!…不穏な殺気を
ガンガンに放つ!…
__コッ……コッ……コッ……コッ……ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!…
「ッ!?!?……」
__バッ!!!…………
「だ…誰なんだよ!?…こんな化物じみた演出なんかしやがって!!!…
凝り過ぎだっつ~の!!!…こんな事が出来る奴が居る筈が!?…
俺以上に強い奴が!?…」
それはゲートを壊した際の土煙の向こうより静かに忍び寄る!…当然エリア中央に
近付けば近付く程に色が濃く!…そしてその規模もエリア全体にまで到達せん
勢いに伸びて行くと、観客達はハッとした様子で更に怯え!…バルトグロメイアも
例外ではない様子でオタオタする!…この時酷くビビッては演出!と言って絶対に
あり得ない!と自身に言い聞かせるよう言葉を吐くと、そのまま自身に暗示を
掛ける様な!…それは自分がこの世で最強!とばかりに言葉を吐き!…しかしその
言葉を聞いたモツが途端にあからさまに呆れた態度を見せて行くと、次には溜息を
吐きながら言葉を口に!…
「……はあぁ~~…井の中の蛙、大海を知らず…」
「ッ!?…な、何だとゴラァ!!!…
怖気付いて俺に一太刀も攻撃出来なかったくせにぃ!!…」
まるで小馬鹿にするよう言葉を漏らし!…この後の展開も読めた様子でバルト
グロメイアを嘲笑い!…となるとそんなモツの言葉に噛み付き始め!…自分に
攻撃して来なかった事を口に!…さもモツ達が腰抜け様に懲りずに言葉を
吐いて捨てると、モツは更に呆れた様子で冷徹な視線を!…バルトグロメイア
に向けて行く!…その際不敵に笑いながら襲い掛からなかった理由をマナー
違反で片付けて行くと、次には死の宣告の様な事を口に!…
「…別に怖気付いちゃいないさ…
ただ人の獲物に手を出すのはマナー違反だろ?……安心しろよ!…
この先お前に待って居るのは間違い無く地獄だ!…
お前は今絶対に怒らせちゃいけない人間を怒らせた!…
ただそれだけの事なんだ!!……あと言っといてやるが…
テメェ程度の奴なんざこの様に五万と居る!…
のぼせ上がってんじゃあねぇぞ!?…」
__ッ!?…ッ!!…ッ~~~~~!!!…
間違い無く地獄が訪れる事に不敵に笑いながら話し!…何ならバルトグロメイア
程度ここでなくとも他に幾らでも居る事を口にすると、最後に吠える駄犬に対して
一喝!…モツもバルトグロメイアを怯ませて見せる!…するとバルトグロメイアも
自身で怯んだ事にふと気が付くと、次には歯を剥き出しにしてモツを睨み!…
だがもはやここでパワー負けをして居る状態!…モツはそんな眼光に対して一切
怯まず!…寧ろ弱者を見る様に冷徹な視線を向け続けてジッと睨むと、バルトグロ
メイアはまだ懲りずに言葉を!…
「な、何を!!…何を寝ぼけた事をぉぉぉぉぉ!?…」
「…寝惚けているのはお前の方だぞぉ~?…
…それといつまでシルビィの髪を掴んでるんだ?…
いい加減に放さないと…お前の腕が飛ぶ事になるぞ?…
うちのクラマス怒ると怖いからなぁ~…」
そのバルトグロメイアの言葉からは明らかに動揺が見て取れ!…仕舞には
声が裏返る事に!…と、その一方でモツは相手にするのも面倒になったのか、
その扱いをぞんざいに!…ただそれで最後に忠告を!…いい加減シルビィを
解放しないとヤバい事になる!とだけ言葉を残すと、オリハ同様背を向ける!…
闘技エリアの壁側へと歩いて行く!…それは今から起きるであろう事柄に
対して巻き込まれない様に!…その歩いて来る者に対して遠慮なく暴れられる
様に配慮し!…が、そんなモツの態度に対して更に噛み付き!…まだまだ言い
足りないのかバルトグロメイアがモツを引き留めに掛かって行くが!…
「ッ!?…な!?…テ、テメェ!!…人の話を!?…」
「良かったなぁ~フィロ?…本当のヤブを見れるかもしれねぇぞ?…
…と言ってもあまりにもワンサイドゲーム過ぎて!…
もはや試合って呼べるかどうかも怪しいレベルになるだろうが?…」
「ッ!?…テメェ、いい加減に!!…」
当然モツはこのバルトグロメイアの呼び止めに対してガン無視!…もはや眼中に
なく!…脚を止める事無くその場を後に…何なら大人になったフィロに対して
お望みのモノが見れる事を口にすると、更にバルトグロメイアを嘲笑って行く!…
と言うのも勝負にならない!と言って見せると、続けてその歩いて来る者が絶対に
勝つ!と…となるとそんなモツの発言を聞いて更に怒り!…バルトグロメイアが
再度モツに対して待った!を掛けようとして行くと、モツの言葉は予言だった
様に!…その立ち昇る土埃から青白い一閃が飛んで行くと、その丸太の様な右腕を
両断!…簡単に斬り飛ばして見せるのであった!…
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嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。
※第二章は全体的に説明回が多いです。
<<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する
土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。
異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。
その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。
心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。
※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。
前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。
主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。
小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。
幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話
島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。
俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
転生騎士団長の歩き方
Akila
ファンタジー
【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】
たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。
【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。
【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?
※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
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