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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-
-第六章四十三節 女王の秘策と狼王達の霊廟と順応力!…-
しおりを挟むマサツグが見事な手並みでシロとハティビィエールの波状攻撃をあしらい!…
そして一瞬にしてその場を後にして見せて行くと、当然猛ダッシュで女王との
合流を最優先!…感知を使いながら女王を探す!…と、そうしてマサツグが
辺りに警戒を払って居ると次には感知に引っ掛かったのかミニマップに反応が…
それは如何やら女王様の姿の様で、一階のとある部屋の前でマサツグを待つ様に
座って居ると、マサツグも其処へと駆けて行く!…
__ダダダダダダダダダ!!!…
「…ッ!…女王様!!…」
「ッ!…冒険者様!!…ホッ!…良くご無事で!…」
合流する際マサツグは何事も無く女王と再会!…この時マサツグがその待って
くれて居る女王に向かい声を掛けると、女王も女王で安堵した様子を見せ!…
その際声を掛けるまではオロオロとした反応を露わにしており!…マサツグも
そんな女王の反応を見てまずは安心させるよう挨拶の言葉から入って行くと、
先程のシロとハティビィエールの連携プレーについて話を!…短時間で凄い物を
見て来た!と笑って語る!…
「ただいま戻りました!っと…いやぁ…
まさかシロとハティビィエールが三段構えの連携を見せて来た時は
驚きましたがまだまだ!…
シロは相変わらず猪突猛進だし!…ハティビィエールは何と無くで
動きが読めるから対策が取り易い!…
けど、あの短時間であの連携プレーを見せてくれた事には驚きましたよ?…」
「ッ!…まぁ!…うふふふ!…」
その際いきなりのぶっつけ本番だったせいかその連携にも穴が有った事についても
話して行くと、同時に呆れる様にして両手を挙げては首を左右に振り…と、そんな
マサツグの反応に女王も釣られて笑って見せ!…二人が協力体制を今だ取って居る
事に!…同時に楽しく思って居るのか何か優しく微笑むそんな反応を見せて居ると、
更にマサツグが言葉を…何故この場所に留まって居るのかについて質問をする!…
「へへへ!……で、何でここに?…
それにその付いて来いと言っていた場所は?…」
「ッ!…その事でしたらここがその場所です!…」
「ッ!…ヘ?…」
と言うのも当然今現在逃走中!…なのに女王は特段慌てる様子を見せる事無く
その廊下の真ん中で腰を据えて待って居り!…確かにマサツグを待って居た
のなら納得なのだが、それにしても隠れも何もしない!…堂々として居る事に
マサツグが色々と疑問を持った具合に続けて見せると、女王はその質問に対して
笑顔で返事!…さもこの先とばかりに言葉を続ける!…その際チラッと自身の
座っている方に視線を向けると、マサツグもその女王の見詰める方を確認!…
するとそこには何か仰々しい扉が一つ!…この城内にしては豪華な装飾等は
あまり無く…寧ろ何か重厚で重苦しい雰囲気が感じられると、マサツグも更に
言葉を続ける!…
「…ここって……な、何ですか?…」
「ここは私達…フェンリル達の墓所……ここから先は少し階段になっていて…
その階段を下り終えると代々この地を治めて来た王達が眠る霊廟が姿を現します…」
マサツグがその扉の様相に戸惑いつつ!…その場所について女王へ質問を口にする
と、女王も若干畏まった様子で返事を!…そこは墓所…或いは霊廟と言って説明を
する!…すると次には女王がその扉の中心を一点に見詰めて固まるそんな反応を
見せて行くと、その扉の中心に突如謎の紋章が浮かび上がり!…それは蒼く発光
すると更に形を作って行き!…そしてまた扉の方へと…まるで扉に吸収されるよう
スッと紋章が入って消える様を見せると、次にはその扉が開き始める!…
__…スッ…ポゥ……シュン……ゴゴゴゴゴゴ!!!…
「そしてその霊廟を使い、シロとハティビィエールを迎撃するのですが…
冒険者様にはある事をやって頂きたいのです!…」
「ッ!?…ちょ、墓所!?…ベ、別にやるのは構わないけど…
人様?…の眠る場所で暴れても良いものなのかね?…
何だか嫌な予感がするのだが…」
それは音を立てて上に持ち上るよう開いて行くと、女王もここでシロ達を迎え撃つ!
と…何なら更にマサツグへあるお願いを口に!…となるとそんなお願いをされた事で
マサツグも更に戸惑い!…その際バチ当たり何じゃ?と言った心配の声を漏らして
居ると、そんな時間もないとばかりに今度はマサツグ達の背後から!…何やら子供
らしくも慌ただしい足音が響いて来る!…と、同時に何やら揉める様な声も聞こえて
来ると、次にはその内容に気が抜ける…
__タッタッタッタッタ!…ッ~~~!!…ッ!…
「何をやっているのですかお姉様!!…
そんな毛布なんて後で回収すれば良いじゃないですか!!…」
「えぇ~?…でも…でも、誰かの落し物かな?って思って…
何処かへ持って行かれるかもしれないですし…」
「誰も毛布なんて!…いや、従者の人達なら回収するかもしれないですね…
…ッ!…とにかく早くお母様達の後を追わないと!!…
もう直ぐ時間切れなのです!!…」
如何やらシロは律義にここまで毛布を抱えて走って来た様子で在り、それに対して
ハティビィエールが焦った反応で急かして居ると!…何なら若干ご立腹な感じで
シロに文句を!…するとシロもシロで戸惑いながらも反論をして行き!…その反論
を聞いてハティビィエール自身も何か納得出来てしまったのか思わず戸惑った事を
口にすると、とにかく時間を気にして見せる!…そしてその二人の会話から察するに
タイムリミットが迫っている事も察して行くと、一方で遂に霊廟への扉が完全に
開き!…
__ガゴオォォン!!…ッ!!…バッ!!…
「ッ!!…開きました!…ですがその前に…」
「ッ!?…え!?…」
それはとても重そうな音を立てるとマサツグも気が付いた様子で反応!…すぐさま
扉の向こうへ逃げ込む様に駆けて行くと、次には女王がマサツグへ言葉を口に!…
と言うのも扉が開いた事を伝えるのと同時に別の事も…何かマサツグにしようと
更に言葉を続けようとするのだが、マサツグはそれを聞く前に扉の向こうへ!…
霊廟の入口へと入って見せる!…と、そんな風に呼び止められた事でマサツグも
慌てて脚を止めると、今度は女王に戸惑った具合に何かやったか?を尋ねるのだが…
「うおっととと!!……え!?…何か不味かった!?…
やっぱ入る前に二礼二拍をしないと駄目とかそう言う決まりが有ったのか!?…」
「……あっ!…いえ!!…別にそう言う訳では……」
__タッタッタッタッタッタッ!……
「ッ!……ッ?…」
この時女王はさも有り得ない!と言った具合に1~2分位マサツグを凝視!…その
表情を何故か驚いたモノに!…と、そんな表情を目にしてマサツグも更に戸惑い
慌て!…何か入園の際の作法が有ったのか?について尋ねて行くと、何故か参拝の
作法を口に!…とにかくやっちまった!?とばかりに確認をする!…するとその
問い掛けに対して女王も途端にハッとすると、次には何でも無いと誤魔化して行き…
等とやって居る内に更に足音は近付いて来ており!…マサツグもそれを耳にして何か
慌てながらも戸惑って見せるそんな反応を露わにすると、女王は更に言葉を!…
「無事に通れたのであれば問題ありません!…急ぎましょう!…」
__タッタッタッタッタ!…ッ!…
「ッ!…りょ、了解!!……ッ?…」
何か意味深な事を口にすると何でも無い!と…女王もそのまま霊廟の入口へ足を
踏み入れ!…そして次には急ぐ様に言葉を続け!…マサツグを先導する様にその
扉の向こうに在った階段へと進んで行くと、マサツグも戸惑った具合に返事!…
とにかく女王の後を追い駆け始める!…と、この時勿論その女王の言い回しにも
疑問を持って行く所なのだが、勿論の事ながら気にしている場合では無く!…
と言うのも今だ背後?からは足音が!…となると一旦疑問を余所に置き、その
長い長い階段を下って行くと、その道中謎技術が!…
__コッコッコッコッコッコッコッコッ!…ポゥ…ッ!…
{はえ~~…ここに来てまた謎技術…
おまけに異様なまでに長い上に螺旋階段と来た…
地下の螺旋階段って先が見えないからあんまし好きじゃないんだけど…
って言うか手すりも無いから足を踏み外せば即真っ逆さまって感じだな…
足元が常に発光していて明るいのは明るいんだけど階段しか光ってないから
不気味感が漂うな……この先に霊廟が有るって行ってたし、何より何で霊廟に
逃げ込んだのかが分からないが今は着いて行くしかないか…}
謎技術と言うのも灯りであり…まるでセンサーでも付いて居るのか女王が先に進んで
行くと、その足元が青白く点灯…その暗い階段の道を露わにする!…そして先行く
女王のお陰かその灯りが螺旋状に続いて居る事にも気付かされると、それは幻想的な
光景を目にするのだが…同時にそれはその階段の深さを物語っており!…何なら暗い
事からか恐怖すらも薄っすらと感じて行くと、マサツグは一人不気味さを覚えて
しまう!…さてそんな事を考えつつ女王の後を追って居ると、その頭の上からはまた
シロとハティビィエールの会話が!…
__コッコッコッコッコッコッコッコッ!…ッ~~~!!…ッ!…
「間違いないです!…
あの冒険者とおかあさまはこの先に行ったです!!…」
「……ッ?…ハティちゃん、ここは?…」
「……お父さんやお爺ちゃんのお墓が有る場所に続く階段です…
…そしてお母様がここに逃げ込んだと言う事は…
お母様達は本気でハティ達を相手にするつもりです!…
…気を引き締めないと!…簡単に返り討ちに遭っちゃうのです!!…」
「ッ!!…ひゃあぁ~~!!…」
下る階段の音に交じって二人の会話!…如何やらシロ達も霊廟への道を見つけ!…
と、ここでマサツグが耳を済ませながら階段を下り…その二人の様子を探って足を
踏み外さない様にして居ると、シロがハティビィエールに質問を!…この場所に
ついて何なのか?と尋ねて行く!…するとハティビィエールも誤魔化す事無く何か
緊張をした様子で返事をすると、更に何かを既に理解している様子で言葉を続け!…
何でもハティビィエールが言うには女王が本気!と…その話を聞いてシロも何か
戸惑った様なそんな反応を露わにすると、如何にも緊張感に欠けて行く!…さて
そうして二人の会話を聞いてマサツグもちゃんと付いて来ている事に安堵すると、
更に階段を下り!…暫くしてやっとその霊廟へと辿り着き!…そこで見た光景に
マサツグもハッと目を丸くするそんな反応を露わにすると、思わず言葉も漏らして
行く!…
__コッコッコッコッコッコッコッコッ!…ッ!?…
「な…なんじゃこりゃ!?…」
マサツグ達が霊廟に辿り着くとそこには特大の狼の骨が転がっており!…その際
ある狼の骨に至っては死して尚もまだ生きているかのようウロウロと霊廟内を
徘徊している!…その狼の骨の大きさは物によってはバラバラなのだが!…一番
大きい物となると霊廟内ギリギリに入る位の巨大さであり!…その肋骨がまるで
霊廟の天井を支える柱の様になって見え!…とにかくフェンリルとは本来巨大な
狼である事を物語って行くと、その余りの光景に目を見開いてしまう!…そして
ただ目の前の光景にマサツグが戸惑った様子で突っ立って居ると、女王も女王で
注意を!…
「気を付けて下さい!…霊廟と言っても只の一本道の洞窟で…
一番向こうに見えている穴は緊急用の脱出口!…
しかし周りに眠る狼の骨は間違いなく歴代この地を
収めて来たフェンリル達の骨であり、そして番兵!…
迂闊に手を出せば間違い無く徒党を組んで襲ってきますので!…
細心の注意を!!…」
「……こんなのに徒党を組まれて襲われたら文字通り終わりじゃねぇか!…
……てか、女王様は何で俺をこんな所に連れて来たんですか!?…」
------------------------------------------------------------------------------
「霊峰ウルフハウリング・氷狼王の居城・フェンリル王の地下霊廟」
氷狼王の居城の地下には霊廟が有り、その霊廟には歴代フェンリル王の
遺骨と墓が安置されてある。霊廟内はまるで水晶で出来ている様な青い
透明な魔力壁で舗装されており、これは一説によると亡くなったフェンリル
の魔力が幾年にも溜まり、凝固して出来た物と推測されている。そして
その魔力の影響でか安置されているフェンリルの骨が突如動き出し、
スケルトンモンスターとして復活したと言うモノも少なくは無い。これは
余談で有るがこの霊廟の何処かにフェンリルでも無い、狼ですら無い
人間の墓が、一つだけ安置されて有ると言う…
------------------------------------------------------------------------------
この時女王は最悪その狼の骨達に襲われる事を示唆!…故に眠りを妨げる様な事を
しない様に!と…となるとそんな女王の言葉に当然ツッコミ!…マサツグが慌てた
様子で何故ここに来たのか!?と尋ねて行くと、次には目の前に名所案内!…
何やら奇妙な事が書いてあるのを目にして行く!…さてマサツグもそんな案内を
目の前にこれまたご丁寧にキッチリと読んで見せて居ると、背後からは慌ただしい
子供達の足音が!…
__タッタッタッタッタ!…
「はぁ!…はぁ!……ッ!!…いました!!」
「今度こそ!…今度こそ捕まえるのです!!…」
それは急いで駆け降りて来るよう響いて来ており!…そして息を切らした様子で
マサツグ達の背後を捉えて行くと、今度は捕まえる!とばかりに意気込み始める!…
そして射程距離圏内にマサツグ達を捉えて行くと、そこからはまるで戦闘が始まる
かの様に二人がバッと身構え!…と、マサツグ達も気が付いた様子でピクッと
反応をして見せ!…そこから振り返って二人の姿を目視!…同時にシロがご丁寧に
毛布を抱えて来ている様子を目にして行くと、マサツグが呆れた具合に言葉を零す…
「ッ!…もうあの階段を降りて来たのか!?…って、シロも…
まぁたご丁寧に毛布なんかを抱えて来ちゃって!…」
__ガッシャ…ガッシャ…ッ!……チラッ?…
「…ッ!…これは…もしかしなくてもヤバい感じ!?…」
さてそんなシロの真面目振りにマサツグが思わず苦笑いをして身構えて居ると、
異様な雰囲気が辺り一帯に漂い始め!…と、そんな不穏な様子に気が付いたのか
スケルトンフェンリル達も何やらピクッ!と…それこそ襲って来ると言った様子は
まだ無いのだが…何か気になるのか一斉にマサツグ達の方へと視線を向けるそんな
反応を露わにすると、マサツグも気が付いた様子で警戒をする!…しかしそんな
マサツグの警戒に対して女王も気が付いた様に反応すると、次には大丈夫!と
言葉を!…
「大丈夫です冒険者様!…
如何やら先代の方々も状況を理解したのか興味を持ち始めただけの様です!…」
「ッ!…あぁ、それなら安心!!…って、ンン?…
ちょっと待って?…興味を持つ?…てか分かるの?…
開いて完全に表情もクソも無いんだが?…」
当然女王はマサツグを安心させる様に言葉を!…この時理由にただ興味を持たれた
だけである事を話して行くと、それを聞かされたマサツグもピクッと反応!…次には
振り返って確認を取る!…その際安堵した様子で笑みを浮かべて返事の言葉も口に
すると、何事も無かったかの様にまたシロ達に視線を向けるのだが…しかしまた疑問
を持った様子で振り返り!…今度は何故そのスケルトンフェンリル達の感情が読めた
のかについて質問をすると、一方ではシロが…
「…よいしょっと!……ふぅ!…よし!」
__クルッ!…スッ…
「行っきますよ~?」
マサツグがしょうもない質問をしている間にシロはその持って来た毛布を一旦
後ろに!…捏ねる様にして丸めて置いて行き!…次には気を取り直す様に一息
吐きながらクルッとマサツグの方へと振り向き直すと、今度はスタートダッシュの
構えを!…何処で学んで来たのかクラウチングスタートの態勢を取って見せる!…
そしてマサツグへ向かいさも声を掛ける様に合図を送ると、マサツグもハッと
我に返っては慌てる反応を!…
「ッ!!!…しま!!…」
__バッ!!…
「ッ!!…刹那!!……ッ?…な、何で発動しない!?…
…ッ!…クールタイムは!?…完了している!?…じゃあ何で!?…」
「貰ったのです!!」
「ッ!?…ッ…こうなりゃ!!…
持ってくれよ!?…俺の腹筋!!!」
この時マサツグが慌てて居る一方でシロは飛び出し!…マサツグに向かい駆けて
行く様子を見せて居ると、マサツグも慌てて刹那を!…が、その肝心の刹那は
何故か不発で発動せず!…発動しない刹那にマサツグも当然困惑した反応を見せて
行くと、その原因を調べ始める!…その際クールタイムなど色々調べて原因を
探って行くのだが、結果として不発の原因は分からず!…しかしその間にもシロが
間近!と言わんばかりに迫って来ており!…マサツグももはや被弾を覚悟した
様子で腹筋に力を入れて行くと、同時に奥歯をギュッと噛む!…そして被弾覚悟の
準備が整い後は受け止めるだけとなるのだが、ここでふと違和感を…
「ッ~~~~!!!………あれ?…」
__タッタッタッタッタ!…
「ッ?…あれ?…あれれ?…」
と言うのもこのルーティンをした直後にはもう被弾!…マサツグの体はまるで
かめ○め波を受けた敵の様に宙を舞って居る筈なのだが、幾ら待っても衝撃は
無く…と、これにはマサツグも疑問を感じて視線をシロに…そこでまだ走って
居る…何なら思う様に走れない!と言ったたどたどしいシロの様子を目にして
行くと、マサツグもマサツグで更に戸惑う!…と言うのもその時のシロの足の
速さはまるで亀の様に思えてしまい!…いつもの速さが全く感じられず!…
となると勿論そんなシロの動きなど簡単に見切れ!…刹那を使わずとも簡単に
シロの事を避けて見せると、シロもシロで慌てて見せる!…
__……ヒョイ!…
「ッ!…あわ!…あわわわわ!…」
__ドサァ!…
「ッ!?…え!?…ちょ!!…シ、シロ大丈夫か?…」
「あたたた…は、はい…何とか……」
捕まえようと走って来たシロをマサツグが半身で回避すると、シロはそのまま躓き…
となると次には頭からズッコケて霊廟の床を滑って見せ…マサツグもそんなシロの
様子に勿論困惑!…戸惑った具合に声を掛けて思わず手を差し出そうとするのだが、
それもハッとした様子で思い止まり!…結果シロを見下ろして行く。するとシロも
自身の鼻を摩りながら自力でムクッと起きて見せると、次にはマサツグに返事!…
と、互いにこれは何?と言った具合に戸惑って居り…その一連のやり取りを見て
ハティビィエールも困った感じで表情をスッと曇らせると、シロに助言を口にする…
「…やっぱりおねえさまでもここは厳しいですか!…
…お姉様!!…気を付けてください!!」
「ッ!…え?…」
「この場所は変なのです!!…急に体が動かなくなったり!…
力が抜けちゃう様な!……とにかく色々と大変なのです!!…
ハティもここに来た事は何回もありますが…未だに慣れない!…
ここはそんな変の場所なのです!!…」
「ッ!!…マジで?…」
「……ッ?」
ハティビィエールはシロへ向けて叫ぶよう口元に両手を添えて行くと、とにかく
注意しろ!と声を…と、そんな突然の助言の言葉にシロとマサツグは当然戸惑い!…
一度ハティビィエールの方へ振り向き一体如何言う事?と言った戸惑いの表情を
見せて行くと、更にハティビィエールが言葉を続ける!…何でもハティビィエールが
言うにはこの場所はとてもヤバい!らしく、主な症状で力が抜ける!と…何なら
現在進行形でハティビィエールの身にもその症状が出ているらしく!…妙に何か
ダルそうなそんな反応を見せて居ると、シロは今だ鼻を摩り…不思議そうな表情を
露わにする!…それはまるで理解して居ない様子に見えて行くと、その様子にハティ
ビィエールがハァ…と溜め息を…
「……はぁ…
やっぱり説明した所でおねえさまには理解出来ない様ですね?…
…やはりここはハティがやるしか!…」
「うぅ~ん…確かにちょっと動き難いですがもう大丈夫です!
シロはまだまだやれます!!」
「ッ!…え?…」
「行っきますよ~?…ご主人様!!!」
__ッ!…バッ!!!…
シロの態度に呆れて見せ!…説明が無駄であった事を自覚すると、次には自分一人
でも!と強がり!…と、一方でシロは漸く鼻の痛みが治まったのか?…自身の鼻を
摩るのを止めて一応は理解した具合に言葉を零すと、次には準備運動をし始める!…
と言っても簡単に屈伸と伸脚を少しづつやると、マサツグを前にやる気を滲ませ!…
となるとそんなシロの様子にマサツグも警戒!…慌ててバックステップで距離を
取り!…シロの動きに対して身構えるそんな反応を見せて居ると、シロは腰を落とす
なり早速行動!…マサツグ目掛けて飛び掛り始める!…
__ググググ!!…ンバ!!!…
「ッ!?…うおあぁ!!!…は、速い!!…」
「ッ!?…そ、そんな馬鹿な!?…」
「ッ!?…た、たったの数分で順応したと言うのですか!?…
この魔力壁空間に!?…」
シロはマサツグ目掛けて飛び出して見せると、先程の様子は嘘だった!とばかりに
弾丸と化し!…となるとマサツグもそれを目の前にして再び慌て!…咄嗟の反応で
何とかシロを紙一重に回避すると、勿論その表情から余裕を消す!…その代わりに
焦りと戸惑いの両方を露わにすると、その一方ではそんなシロの弾丸振りにこれ
また女王とハティビィエールが驚愕!…何なら各々有り得ない!と言葉を零し!…
女王に至っては何か意味深にある気になる事を口にすると、マサツグが説明を
求める様に言葉を!…シロを躱しつつ話をする!…
__ヒュンヒュンヒュンヒュン!!!…
「わっ!!…ちょっ!!!…まっ!!!!…
ま!…魔力壁の空間って!?」
この時のシロはもはや本調子を取り戻し!…壁や天井を蹴って霊廟内を跳弾の如く
駆け回って見せると、それはスケルトンフェンリル達をも驚かせる程になり!…
となると忙しなくさもメトロノームの様に首を動かし!…そんな中マサツグも
何とか紙一重に連続でシロの猛攻を回避し続けると、更にシロは加速して行く!…
するともやはマサツグ自身も何故避けれて居るのか不思議になる位に慌しくなり、
霊廟内はシロの弾丸の雨あられ!…それでも喰らい付く様にマサツグは目を!…
酷使するようとにかく目を皿にして追い続けて見せて行くと、女王も女王である
話を!…
「え?…あっ…は、はい!…
[魔力壁]と言うのは簡単に説明すると文字通り魔力の壁です!…
これは相手の魔法を打ち消したり、半減させたりと…
防護策によく用いられる魔術師達の盾の様な物なのですが…
実は別の用途にも使えて…それが魔力を封じ汲めると言った
一種の空間作成能力もあるのです!…
魔力壁で辺り一体を囲いその中に魔力を封じ込め、杯とする…
その封じ込めた魔力を如何使うかはその者次第ですが…
その魔力壁の内側を「魔力壁空間」と言いまして魔力の量が
濃ければ濃いほど色々と弊害が出て来るのです…」
女王が魔力壁の説明から入って用途・性質等を話して行くと、その間マサツグは
ひたすらシロの猛攻に耐えに耐え!…するとそれに比例してシロも更に荒振り
始め!…もはや楽しくて仕方が無いのか?…いよいよ霊廟中にシロの残像等が
見え始めると、更にヤバさを物語って行く!…となるとそれにこれまた比例して
マサツグのTPの消費量も増して行くと、徐々にマサツグは窮地に!…しかし
それでも尚マサツグは一切退くに退かず!…いや退くに退けず!…とにかく女王
の話を聞いて納得した様な戸惑った様な表情を見せると、シロとの攻防戦を
続けて行く!…その際その様子を見せられて居る女王とハティビィエールと
しても可笑しい!とばかりに…その光景を見詰めては驚き戸惑った表情を浮かべ!…
{……な、何なんですかこれ!?…こ、これがお姉様の実力!?…
それにあの人間さんも!?……本当にあの人は人間さんなのですか!?…
この変な部屋の中でただ走るだけでもハティは苦しいのに!…
それなのにあの人間さん!…あのお姉様の攻撃をあんなに避けている!?…
確かに表情は辛そうですが…それでも必死に避け続けている!!…
…お、お姉様もお姉様ですが!…
何を如何すればあの様になれるって言うのですか!?…}
__………。
{…ッ!…お、お母様も驚いたままでぼぉっとしてる!!…
それ程までにこの様子は可笑しい!!……ッ!…と、言う事はつまり…
お、お外はそんなに!…そんなに危険と言う事なのですか!?……ッ…}
当然シロの順応具合にも驚くのだが、それに対を成してマサツグのその捌き様
にも目を奪われ!…となると仕舞には本当に色々と人間なのか?と疑い始め!…
女王も女王で一通り説明を終えて呆然と!…その現在進行形で行われて光景に
もはや夢を見ているのでは無いのか?と疑い出すと、鬼ごっこをして居る事すら
頭の中からスポッと抜ける!…さてマサツグもマサツグで遂には思考を放棄し
始めると集中状態に!…自棄になった様子でシロの動きのみに目をやり!…と、
完全に没入する前に女王へ最後の質問を!…それはとても個人的な事であり…
別にこの鬼ごっこに関係はして居ないのだが気になった具合にポロッと零すと、
いよいよ鬼ごっこもクライマックス!…最終決戦へと入って行くのであった!…
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たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。
【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。
【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?
※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
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目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
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