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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章三十八節 思わぬ伏兵?と見えぬ策略とマグダラス再び-

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{…四者四様……そして相変わらずの寝相で俺を動けなくする…

…さて、一回徹夜したけど何事も無かったし…今日はログアウトして…}


__ゴポッ!…


「……ゴポッ?…」


それは突然の事であった!…この日四人が寝たのを見届けたマサツグはログアウト

して寝ようとするのだが、ふと何処からともなく異音を…それはまるで何か液体が

漏れ出る様な…しかしこの部屋にそんな液体が出る様な所は何処にもなく、更に

この間にも異音も徐々に大きくなって来ると!…まるで溢れて来ている様にして

聞こえており、マサツグも可能な限り体を起こして辺りを見渡しその音の原因を

探って居ると、そこで窓から何かが流れ込んで来る!…いや、無理やり湧き出て

来る謎の液体を目にして行く!…


__ゴポッ!…ゴポポポッ!!…


「ッ!?…なッ!?…」


__ボゴッ!!ボゴボゴッ!!!…


「な、何だコイツは!?…

…と、とにかく早く全員を起こさないと!!!…」


当然そんなモノを目にした事でマサツグは驚き、一体何事!?と慌ててふためき!…

が、驚いた所でその窓から流れ込んで来る液体は止まる気配を全く見せず!…その

液体には何か意志が有るのか?…ある一定量が床に溜まった所でさもスライムの様に

蠢いて見せると、それはまるで人型になるよう!…そして獲物を探す様に辺りを

見回す!…となるとマサツグも更に慌てる始末になって行き、とにかくその

スライムを何とかしようと考えるのだが!…


「おい起きるんだ!!!…フン!!…フン!!…駄目だ起きない!!…

これだけ揺らされても起きないとかどれだけ眠りが深いんだ!!!…

…っと言うよりは起きない様にされているのか?…」


__ズズズズ!!…


「ッ!?…人の形に!?…

てか、他を狙う様子を見せない?…狙いは俺か!?…」


この時マサツグが声を掛けたり体を動かしたりするのだが、何故か全員一切眠った

ままで起きる素振りを見せず!…その間にもスライムはずっと辺りを見回し続け!…

そして今度は何か腕を生やす様なそんな様子を見せて行くと、次にはスライムが

ビタッと止まる!…それはまるで藻掻いているマサツグを見つけた様にジッとする

と、次には徐々にマサツグの寝ている方にへと!…となるとマサツグとしても更に

慌てる事になり!…動けない事からいよいよリスポーンも頭に入れて考えて行くと、

更に藻掻いて見せて行く!…


__ズズズズ!!…


「くっそ!!…こんな時にこの状態って!!…動けないし万事休すか!?…

最後にリスポーン位置を設定したのって何所だっけ!?…」


__ズズズズ!!…


「ッ!?…ンな事考えてる場合じゃないってか!?…

とにかく!…ふん!!!…いっけええええぇぇぇぇぇぇ!!!!」


しかし幾ら藻がこうともフィロやシルビィはこの時何故か拘束具の様に重く感じ、

やはり身動き一つ取れず!…その間にもそのスライムはマサツグに向かって前進し

続け!…遂にはその生やした腕をマサツグに向けて伸ばすそんな素振りも見せて

行くと、マサツグも命の危機を覚えて行く!…そして形振り構わない様子で全身に

力を入れて行くと、渾身の力で体を起こそうと!…だがまたもやアクシデントが

マサツグを襲い!…と言うのも藻掻く事でフィロとシルビィは抵抗するよう!…

更に体を絡める様にしてマサツグにくっ付く様子を見せて行くと、更に自由を

奪って行く!…


「…うぅ~ん…旦那様…」


「ンン~…離れちゃいやなのじゃ~…」


「ッ!?…なにくそおおおぉぉぉぉぉ!!!!…ッ~~~!!!…

ふんぬらばあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


当然状況を飲み込める筈も無いので寝惚けた様子!…そんな中まるで甘える様に

くっ付き!…その際フィロはまだ体型的に軽い方なのだが、シルビィは成熟して

おり腕を簡単に包み込み!…マサツグも更にくっ付かれた事で戸惑い慌て!…

それでも諦めない!…体力の続く限り体を起こそうと吠えながら藻掻いて見せて

行くと、それが功を奏したのか!…次には奇跡が起きてしまう!…それはスキル

と言う形で発動すると、マサツグはさも体が軽くなった様な感覚を!…


__…ピロリ~ン♪…


[マサツグは「EX:火事場の金剛力」を獲得しました。]


「うおりゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


__グオンッ!!!…ダアァァァン!!!…


人間窮地に追い込まれると何とやら?…先程手に入れたスキルが発動したよう

全身に突如力が漲って行くと、次には三人を体にくっ付けたまま飛び起き!…

それはさもバックステップをする様に部屋の壁へ!…勢いの余り隣にも響く

勢いでドォン!と背中をぶつかって行くと、その衝撃で今度こそハッ!と…

さすがのシロ・フィロ・シルビィの三人が目を覚ます!…その際当然驚いた

様子でビクッとした反応を見せると、次には慌てた様子で言葉を!…


「ッ!!!…な!…何ですか!?…」


「て!?…敵襲かや!?…」


「ッ!!!…旦那様!?」


「話は後!!!…それよりもコイツ!!!……を?」


三人はそれぞれ驚いた様子で辺りを見回し、そして状況を確認!…この時シロは

マサツグの腹にくっ付いたままで、フィロとシルビィも一体何が起きたのか?…

何ならマサツグにしがみ付いたまま宙ぶらりんになって居る事にも戸惑って見せ!…

その一方でマサツグが非常事態!と…その目の前に居るスライムを指すよう顎で

クイッとやって見せるが、そこに件のスライムの姿は何処にもなく…ただベッドに

まるでお漏らしでもしたかの様な…奇妙に湿った跡だけが残って居るのを目にして

行くと、それを見た他の三人は…


「……マサツグよ…」


「ッ!?…ち、違う!!…」


「……ご主人様、大丈夫ですよ?…ご主人様でも失敗はするのです!…」


「誤解だ!!!…さっきスライムが!!!…」


「……旦那様?…お召し物は汚れてはいませんか?…

もし汚れているのでしたら直ぐにお脱ぎになって……」


フィロは完全に誤解した様子で呆れた言葉を…その際さすがにこれは如何か?と

思ったのか、何か冷ややかな視線を向け!…となるとそんなフィロの言葉に

マサツグもツッコミを!…勿論誤解である事を慌てて訴えて行くのだが、次には

シロが!…まるでマサツグをあやす様に言葉を口に!…失敗しても嫌いに

ならない!と言った言葉を続けて見せると、更にマサツグを慌てさせる!…そして

その慌てる様子がまさに肯定と受け取られた様で、次にはシルビィも淡々と…

まるでこれも従魔の仕事と言った様子で澄まして見せ!…しかしその目は何故が

キラキラとした様子を見せて行くと、何か変態的なモノを彷彿とさせる!…さて

そうなるとそんな三人に誤解である事を分からせるには、もう一つしかなく!…


「汚れてないから!!…漏らしてないから!!!…よく見ろ!!!…」


__ズボオォ!!…ッ!?…


「おぉ!!…」


「きゃ!!…」


「まぁ!!…」


「漏らした後なんかないだろ!!!!…ったく!………」


その場の勢いと必死な説得でマサツグは間違った答えを導き出したのだろう…

突如自分のズボンを脱いで自分が履いているパンツを見せ始めるのだが、これは

見事に逆効果を生む結果に!…更に事態を悪化させる!…何ならマサツグの

パンツを見てフィロは頬を染めると喜びを露わに!…シロは両手で顔を隠すと

恥ずかしがり!…と、言いつつ指の間からチラ見!…そしてシルビィはやはり

ブレない様子でマジマジ凝視!…その際本当に漏らして居ない事を確認すると、

頬を染めたまま熱視線を送る!…さてそうして漏らして居ないと言う名誉?…は

守られたのだが、違うモノを失った感覚をマサツグは覚え…そして冷静になった

所でふと…


{…あれ?…これって傍から見たら只の変態なのでは?……}


「……お、お前達…な、何をしているのだ?…」


__ッ!?……チラァ~?……プルプルプルプル!…


ここで初めて自身がやって居る事に可笑しいと気付き!…自分自身でもこの行動は

間違って居る!と言う違う焦りを覚えて行くと、もはや後の祭り!…騒ぎを聞いてか

パルシィも目を覚まして起きて居り!…マサツグが三人に自身のパンツを見せている

光景を目にして行くと、さも小動物の様に小刻みに震え!…酷く動揺した様子で頬を

赤らめるそんな表情を見せて居た!…何ならまるで身を守る様に着ていたシーツに

包まる様子も見せて居り、そしてそんな四人の様子に対して更に動揺の言葉を…


「……た…確かにお前達は…それだけ親密なのだろうが………

え…えっちぃのは……良くないと思うが?…

そ…そそそう言うのはもっとお互いの事を知ってからで…

け…けけけ結婚とかを済ませてからと言うか何と言うか……」


「意外とピュア!?……じゃなくて誤解だ!!!…」


「ッ!?…ヒィ!?…ち、近寄るな!!…

え、英雄色好むと言うが!…まさか私にも!?…」


「ッ!?…だあぁかあぁらあぁ!!!…違うっつってんでしょうが!!!」


パルシィは明らかに耐性が無い様子で言葉を口に!…意外とピュアなのかアタフタ

として見せ!…と、そんなパルシィの様子にマサツグも思わずツッコミを口に!…

だがそんなツッコミを入れて居る場合では当然無く!…慌ててズボンを履き直し!…

パルシィにも誤解である事を訴えて行くと、その誤解が晴れたのは五時間後の事で…

この時マサツグは疲労困憊!…あのスキルは土壇場になって急激に力を発揮する分…

そのリターンも激しい事を理解すると、出来るだけお世話になりたくないと願う!…

その一方でパルシィの協力もあって!…本当に敵襲に遭って居た事が証明されると、

マサツグの名誉は守られるのであった!…


因みにその後もフィロはご機嫌の様子でニッコニコ!…シロはマサツグの母親みたく

なると慰め…シルビィはモジモジとした様子でマサツグの隣に!…まるでいつでも

どうぞ!とばかりに気分が高揚した様子で座って見せると、マサツグもマサツグで

複雑!…とにかくその晩は寝ずの番となるのであった!…


さて謎の奇襲に遭い要らぬ誤解を受けた夜が終わって次の日…結果としてシロと

フィロは夢魔に飲まれて撃沈!…マサツグとシルビィだけが徹夜の状態になって

行くと、今日から一週間!…女王によるシロとの思い出作り週間に入って行く!…

そして朝早くから他の面々と合流をして行くのだが、その際マサツグは何か足元が

覚束ない!…シルビィに支えられながら歩いていた!…そして面々と合流して昨晩

遭った事を話して行くと…


__コッ…コッ…コッ…コッ…


「ッ!?…何、敵襲を受けた!?…だ、大丈夫なのか!?…

敵は!?…倒したのか!?…」


「ふあぁ!……あぁ~……いや、残念ながら只の水になって消えた…

一応…パルシィに確認を取ったら魔法水で出来たスライムみたいで…

魔術の素養が無くても扱えるマジックアイテムだったって事が分かった位…

…更に面倒な事にコアを必要とし無いタイプだったから痕跡も残らないって…」


「但しコアが無い分!…

形を覚えさせる魔力の供給が無いから扱える時間も短い筈なんだが…

…あの水からは中々の量の魔力が込められていたのが伺えた…

通常魔法水を作るには何らかの媒体を必要とするのだが…

あれは本当にただの水から作られていたから…

あの魔法水を作った者は大した魔力の持ち主だぞ?…」


話を聞いた途端にリーナが真っ先に心配した様子でマサツグへ質問を!…その他の

面々も驚き戸惑った表情を見せながら恐々とし!…そして質問を受けたマサツグは

と言うと呑気に大欠伸…それでもパルシィから教えて貰った事を口にして行き…

結局誰からの攻撃か?…その証拠が残って居ない事を続けて話すと、更にパルシィ

が補足する!…何でも昨晩その襲って来たスライムを扱った者は相当な手練れで

あったらしく、油断ならない相手!と…となるとそんな話を聞いてこれまた一同

息を呑み!…パルシィもその魔法水を作った者の事を褒めるそんな事を口にすると、

リーナがツッコミを入れて行く!…


「ッ!!!…そう言う問題ではないだろう!?…敵襲を受けたのだぞ!?…

モツが言っていたあのマグダラスと言う奴の!!…

その策略だとするのなら如何するつもりだ!?…」


__ぼへぇ~…


「ッ!!…ッ~~~!!!……ッ!!…」


この時リーナが改めてマサツグ達に危機感を持つよう注意をするが、マサツグは

それより眠気と昨日の誤解とスキルのせいで疲労困憊…となるとリーナの言葉も

マサツグの耳には入って行かず…ただ意識が遠くへ飛んで行く様なそんな様子を

マサツグが態度から見せて行くと、リーナもムスッとして見せる!…しかしその

襲われた人物がマサツグと言う事も理解して居るため怒るに怒れず、ただギュッ

と我慢をし!…しかしそれでも襲われた事実に変わりはない!と…突如思い立った

様にマサツグ達の前へ出て行って見せると、この件を告発しよう!と持ち掛け

始める!…


__タタッ…カッ!!…


「これこそ奴を追い詰める材料に!!…この件をあの聡明な女王に!!…」


「ッ!……いや、リーナ…それは無理だ…」


「ッ!?…何故だモツ!!…

この犯行は間違いなくあのマグダラスで違いない上に!!…

女王も理解をしてくれる筈だろう!?…」


当然これ以上の妨害を良しとしない旨を堂々と!…リーナが興奮した様子で全員に

訴えるよう言葉を口にするのだが、モツが難しそうな表情をすると次には否定!…

それはモツ自身もしたい!と言った所ではあるのだろうが、如何にもやはり難しい

様子で腕を組み!…するとリーナもそんなモツの言葉にピクッと反応!…となると

やはり文句がある様子でその理由について説明を求めるそんな態度を露わにすると、

モツも渋々理由を話す!…


「……確かにあの女王なら理解してくれるだろうけど…

こっちに証拠が無いんじゃ結局只の押し問答だ…

その証拠に相手は証拠の残らない魔法水のスライムを使用している!…

これでは告発した所でマグダラスは幾らでも言い逃れ出来るし…

現状…まだこの城に居る連中も俺達の事を良く思っては居ないみたいだ!…

明らかに敵意を向けてくる奴も居る!…

…敵がマグダラス一人だけでは無いってのが厄介なんだ!…」


「しかしッ!!!……ッ!……では、今この状況は!?…」


モツがリーナに状況を説明する際、モツ自身も女王の事を買って居る様子で話しを

して行くのだが…それだけでは如何にもならない事を挙げ出し!…自分達に証拠が

無い事を前提に!…更にはこの場に味方が誰も居ない!…女王も審判側に立つため

味方にはならない事を続けて話すと、今は分が悪い!と!…さも苦虫を噛んだ様な

表情を見せる!…何なら出来るならやって居る!と言った様子でリーナに話し!…

リーナもその話を受けて更に興奮!…が、次には一回冷静になったのかふと落ち

着き!…さも確認をするようモツに言葉を掛けて行くと、モツもそれに対して歯を

食い縛る様に!…


「…恐らく既に俺達はマグダラスの掌の上って事だ!……」


「ッ!!……」


「とにかく今は耐えるしかない!!…

何かあいつが尻尾を出したらこっちも動きようがあるんだが!!…

相手も手馴れているのか中々出さないのが更にイライラポイントだな!!…」


そのモツの様子からは若干の怒りが感じられ!…リーナもそんなモツの怒りを察して

行くと、内に怒りを治めて行き!…と、そのモツの言葉は他の面々の耳にも入って

行き…同じ様にマグダラスへ対して怒りを!…全員がその通路のど真ん中に屯する

よう脚を止め立往生をして居ると、そんな一同の様子にシロがオロオロ!…不安の

表情を浮かべて見せる!…その際フィロとパルシィも面倒臭い!と言った呆れる様な

表情を浮かべて見せると、徐に溜息を零し…と、何だかんだでパルシィも一同に

馴染んで来た様子で有り!…徐にその解決法を模索!…さも自分の事の様に悩む様な

そんな素振りも見せて行くと、ここでマサツグも溜息を吐く!…


「……はあぁ~…」


__……コッ…コッ…コッ…コッ…


「…ッ!…ご、ご主人様!?…」


__テテテテ!…


「ッ!…ヤ、ヤブ!?…」


マサツグはさも呆れた様に溜息を吐くと、徐に先を急ぐ様に前へ!…この時立ち

塞がるリーナをスッと避け!…シロもそんなマサツグに慌てて付いて行くよう

声を掛けると、駆け足気味に追い駆け出す!…そしてその様子は当然他の面々にも

止まる訳で、モツも慌てた具合に声を掛け!…が、マサツグの足が止まる事は

決してなく!…ガンガン歩き続けるそんなマサツグの様子に一同が戸惑った様子で

反応すると、慌てて追い駆ける様に移動をする!…


__コッ…コッ…コッ…コッ…ッ!?…


「…ちょ、ちょっと待てって!…」


この時先に追い駆けて行ったシロは既に追い着いた様子でマサツグの手を!…

ギュッと握るとその隣を一緒に歩き!…と、モツ達もそんなマサツグの様子に

戸惑って見せ!…とにかくはぐれるのは不味い!と…慌ててすぐさまマサツグの

後を追い掛ける様に駆け出して行くと、その際再度マサツグに声を!…しかし

マサツグは声を掛けられた所でその脚を止めず!…振り返ると言った事もする

事も無くそのままズンズンと進んで行くと、ただ言葉だけを口にする!…


「…今は耐えるしかないならウダウダ考えていても仕方ない…」


「ッ!…え?…」


「確かに今の俺達には証拠も無いし…場所も悪い…

…言うなれば最悪の状況だ…けど、一つだけ…

これだけ分かっていれば何とかなるっしょ?…

とにかくあのマグダラスは敵!…

その事さえ覚えておけば大抵は如何にかなるって!…

んでもってそれより今はシロと女王に思い出を作って貰う事の方が先決!…

……それにもうこの手の面倒事は慣れて来た気もするし…」


楽観的なのかそれとも何か策が有るのか?…マサツグは今こうして悩んで居る

時間が勿体ない!とばかりに言葉を零すと、謁見の間を目指し続ける!…となると

そんなマサツグの言葉にモツも戸惑った様子でポロッと!…面々もえ?とばかりに

それで良いのか?と言った戸惑いの表情を浮かべて見せると、更にマサツグは

話しを続ける!…と言うのも現状今幾ら悩んだ所で事態は好転しない事を口に

すると、とにかくマグダラスは敵!と…それよりも最優先すべき事を更に続け!…

何も問題が無い様にシルビィに肩を借りながら進んで行くと、リーナが反論!…


「ッ!?…しかしだなぁ!!…」


__スッ…ユラァ…


「ッ!?…ッ?…」


当然それだけではいけない!と言った様子でリーナが心配!…現に襲われた事を

再度口にしようとそのマサツグの肩に向かい手を伸ばそうとするのだが、次の瞬間

それを躊躇い!…と言うのもこの時リーナの目には奇妙なモノが!…それは先を

急ぐマサツグの背中から揺らめく様に出て来ており!…モツの目にもその奇妙な

モノが!…何ならオリハやくまさんにマサキと!…フィロやパルシィの目にも例外

なくその奇妙なモノが映って揺らめくそんな様子が見て取れると、同時に不気味さを

物語って行く!…それはまるで燃える闘志を連想させる炎の様な連携技時のオーラ

とは違い、神滅鬼と戦った時に見せたあの白く輝くオーラともまた違い!…その他

にもバフを掛けた時に出てくるエフェクトオーラ!…隠密時のあの薄暗い靄のオーラ

とも違う!…全く別のどす黒い殺気の様なオーラが出て来ている事に戸惑って居る

と、更にマサツグは言葉を続ける!…


「…で、マグダラスがもし邪魔をするって言うのならそん時は…

徹底抗戦あるのみ!!!…」


「ッ!!……」


その見た事の無いどす黒い殺気にモツ達が戸惑って見せて居ると、マサツグは

その対峙する時が来た際の覚悟を口に!…ただ徹底的に戦う事だけをポロッと

語り!…次にはシルビィの肩を借りずにスッと自立したよう突如として歩いて

見せると、その肩を貸していたシルビィもハッと…驚いた表情を露わにする!…

それこそ先程まで死にそうな位に眠そうにして居たのが嘘の様に!…そして

気が付けばあのどす黒い殺気も消えて居り!…となると面々はさっきのアレは

幻覚か?と…目を擦り細めて見る等してとにかくマサツグの背中を注視するが、

それ以降そのどす黒い殺気を見る事は無く!…気が付けば一同は謁見の間へと

辿り着く!…そして…


「…ッ!…ようこそおいで下さいました…

既に女王様は中に…さぁ…こちらへ…」


__ガチャ!…ギイイィィ~~……


近衛兵がマサツグ達の到着に気が付くと挨拶を一つ!…そして扉を開けて謁見の

間の中へ案内すると、既に謁見の間では女王とハティビィエールの二人が椅子に

座って待っており!…その直ぐ隣ではマグダラスが何事もない様に澄ました態度

で立っている。するとそんなマグダラスの姿を見たマサツグが少し苛立ちを覚え

ながらも謁見の間の中へと入って行くと、後から一緒に入って来たモツ達全員が

マグダラスの存在に気付き!…


__ッ!…キッ!…


「…ッ!…おやおや…皆様、これは一体如何したご様子で?…

その様に睨まれてはこちらとしても困惑してしまいますぞ?…」


{コイツ!…一体どの口が言ってるんだ!?…}×7


もはや反射条件の様にマグダラスを睨み!…マサツグ達が謁見の間中央で横に

並んで整列する様子を見せて行くと、さも臨戦態勢!…明らかに敵を剥き出し

にして見せる!…するとそんなマサツグ達の反応に気が付いた様子でマグダラスも

ピクッと反応すると、次にはわざとらしく困惑した表情を!…何なら身に覚えが

ない!とばかりに言葉も零し!…その煽る様な態度にモツ達のイライラも更に

激化するよう睨む眼光も鋭くなると、更にマグダラスは言葉を!…


「…ッ!…あぁ!あの時の遺恨が残っているのでしょうかな?…

だとすればこちらからはもう何も致しませぬゆえご安心下さいませ…

あの時はまだ女王様の客人として持て成す事にはなっておりません

でしたので……あの時は誠にご無礼な事を…」


「ッ!!…この野郎!!…わざと喧嘩売っているのか?…」


「ほほ!…いやいや!…そのような事は…」


__カチンッ!!…チャキッ!!!…ッ!?……ッ…


もはや口を開けば憎まれ口を!…寧ろワザとやって居るのではないだろうか?

と思える程に安っぽい謝罪の言葉も吐いて見せると、軽くマサツグ達に一礼を

する!…しかしその際の表情と言うのは馬鹿にして居り、よく見ると口角が

上がって居て!…と、そんな様子を見逃さなかったモツが遂にプッツン!…

珍しく喧嘩腰でいつでも応じる!と言ったを態度を露わにすると、更にマグ

ダラスは恍ける様な…苦笑いをする様なそんな表情を浮かべて見せる!…

するとそれに釣られてリーナやアヤも直ぐに動けるよう態勢を整えて見せると、

オリハにいたっては誰にも見られない様に武器を握り!…いの一番にいつでも

飛び出せるよう構え始め!…その一方でマグダラスは今だ態度を改めるそんな

素振りを見せずに居ると、現場は一触即発!…そんな状態に陥ってしまう!…

しかしそれを良しとしない様子で女王が一言!…マグダラスに対し!…


「……マグダラス?…」


__ビクゥ!!!……ササッ!……


女王の普段の声にしては低い様子でただ名前を!…しかしその一言にはしっかりと

怒りが籠っており!…もうこれ以上喋るな!とばかりに流し目でチラッと視線を

送って見せて行くと、マグダラスはその視線を感じてビクッ!と…次には委縮した

様子で下がって行く!…何なら女王もマグダラスを始末しようか?と考えたのか、

その身にあのブリザードを纏って居り!…と、それを見てマグダラスとしても命の

危機を感じたのか!…下がった後でも一人冷や汗を掻く様子を見せて居ると、更に

女王が圧を掛ける!…


__ゴオオォォォ!!……


「……私の大切なお客様に……何て態度を取るのですか?…

幾ら貴方が先代王の側近だったとしても許されない態度ですよ?…」


「は!…ハハァ!!…申し訳有りません女王陛下!!…

何と申しますか…まだ……理解はしているつもりですが…

人間達を許せないところがございまして……」


周りに居る近衛兵達もその女王の様子に戦々恐々!…そしてその隣に居るハティ

ビィエールは呆れて居り!…と言うのもその一部始終を見て当然理解出来ない

筈もなく!…全然懲りないマグダラスの態度に馬鹿じゃなかろうか?と…鎮座

しながらもその学習能力の無さにボケているのでは?と感じて居ると、その一方

では件のマグダラスが言い訳を!…冷や汗を掻きながらにタラタラと話す!…

しかしこれまた勿論女王がそんな話を聞く筈もなく!…怒りに比例して更に

ブリザードを強めて見せると!…


「……どちらにせよ…

…貴方が何故この場に居るのかが不思議で仕方が有りません…

呼んだ覚えもないのに何故この場に同席しているのですか?……

用が無いなら出て行きなさい!…」


「は!…しかし…」


「ッ~~~!!…出て行きなさい!!!」


遂には女王が退場宣言!…何なら元から呼んで居ない事を口にすると、部外者!と

言ってマグダラスを追い出そうと!…が、そんな女王に対してマグダラスも何故か

食い下がり!…何か用がある様子でこの場に残ろう!と言い訳を考える素振りを

見せるのだが…当然女王が許す筈もない訳で!…女王は吠える様に再度出て行く

よう吠えて見せると、ブリザードから鋭利な氷柱を生成!…それをマグダラスに

向けて放って見せる!…その際その攻撃の様子と言うのはマサツグ達から見ると

如何にも既視感を覚えるもので、言うなれば某・大作RPGのトラウマ技の様な!…

バフやらデバフを打ち消す波動の様に見えてしまい!…マサツグ達がハッとした

様子で何か嫌な事を思い出したそんな表情を見せて居ると、氷柱がマグダラスを

襲って行く!…


__ヒュオオォォ!!!…ヒュン!!…ヒュンヒュン!!…


「ヒ!!…ヒイィィィ!!!…」


__ダッ!!…バタンッ!!!…


最初の一発目の氷柱がマグダラスの頬を掠めると、そこからタラリと血が流れ

落ち!…その一発目を皮切りに女王は氷柱をマグダラスに向けて連射し始め!…

マグダラスもそれを必死の蛇行しながら回避して謁見の間の扉へと辿り着いて

見せると、そのまま慌てて退散する。となるとまるで漫画の様なコミカルな

動きに先程まで怒りを覚えていた筈のモツ達も、思わずあっけらかんとした

具合にその退散したマグダラスを見詰め…と、その一方で女王も徐々に落ち着き

始め!…若干疲れた様子で一息吐くと、先程のマグダラスの無礼に謝罪を!…

マサツグ達に頭を下げて見せるのであった!…

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