上 下
520 / 782
-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章二十八節 シロの妹と見えぬ闇と光の城-

しおりを挟む



突如として現れたもう一人のシロ?に一同困惑!…何ならマグダラス率いる人狼達

兵士も驚き戸惑い!…そして互いが互いに動けず仕舞いになって行き!…シロと

そのもう一人のシロ?も互いに見詰め合う様にしてジッと視線を合わせて居ると、

ここでマサツグがハッ!と…何かに気が付いた様子で言葉を零す!…と言うのも

そのもう一人のシロ?の格好に見覚えがある!と…その際確認をする様にそう一人

のシロ?をジッと見詰め…


「……ッ!…あれ?…その格好…あの六合目で見た?…」


「ッ!…あれ?…何でハティが中腹に?……ッ!…

あ、あぁ…あの時の人間さん達ですね?……て言う事は…

…お待ちしておりました……お母様がお待ちです…」


「ッ!…え?…」


この時マサツグは六合目で見た幻覚のシロをその目の前のもう一人のシロ?と一緒

と語って行くと、それを聞いたもう一人のシロ?も何でその事を知って居る?と

ばかりに首を傾げ…しかし次にはハッとした様子で理解を示し!…そしてマサツグ

が見たのはさも幻覚でなかった事を口にするよう返事をすると、更に話しを続けて

行く。と言うのも一人何か納得した様に話して行くと、今度は待って居た…と

マサツグに話し…となるとそんなもう一人のシロ?の言葉にマサツグ達も戸惑い!…

一体何の事か?とばかりに固まって居ると、次には五月蠅い者が一人!…


「なりませぬ[ハティビィエール]皇女!!!…

この者共を城内に入れるなど有り得ませぬ!!!!…

過去に侵入を許し、破壊の限りを尽くした人間達と同じ外道…」


その五月蠅い者と言うのもマグダラスで有り!…そのもう一人のシロ…

ハティビィエールのやろうとして居る事にカッとなると、猛烈な勢いで反対を

する!…その際過去に遭った事をまた繰り返すのか!?とばかりに言葉を吐く

と、何とかハティビィエールに制止を促そうとするのだが!…そんな鬼気迫る

勢いのマグダラスに対してハティビィエールは一切動じず!…寧ろそんな

マグダラスに対して流し目を!…逆に圧を掛ける様に言葉を口にして見せると、

更に女王が怒って居た事も話して行く!…


「…これはお母様の決定なのです…幾ら爺やが文句を言っても無駄なのです…

…それとも爺やはお母様に反抗するのです?…だとしたら爺やは今日で…

…それにお母様を病気扱いして部屋から出さない様にしたのは爺や…

その事についてもお母様は怒って居たのです!……いい加減にしないと…」


「ッ!?……ッ…」


__ッ!?…じょ、女王様は行方不明になった筈では!?…


と言うのもその女王行方不明騒動の原因はマグダラスに合った様子で、その事を

言われたマグダラスもビクッとすると委縮!…それこそ散々人の事をボロクソに

言って居たにも関わらず今は自分より小さな子供に脅される始末!…となると

そんなマグダラスの様子に兵士達困惑!…これは何?とばかりに戸惑った反応を

見せて居ると、更にハティビィエールは言葉を…今の女王の状態について悲しそう

に話す…


「行方不明になっていないのです…

…ただ今はお母様は…お父様のお墓の前で…泣いているのです…」


__ッ!……


まず先程から言って居る行方不明の事について否定をすると、今女王は傷心状態に

あるのか…その女王の夫の墓の前で泣いて居ると…と、実の子供であるハティビィ

エールが俯き語り!…そんな話を聞いて兵士達もハッとした様子で俯き出すと、

一気に周りは暗く重く!…何とも言えない様子に変わって行く!…それは自分達の

不甲斐なさを呪うかの様にも見えて行くと、マサツグ達もそんな様子に更に困惑を

覚える始末で!…が、意外と長くは続かない様子でハティビィエールがハッ!と…

何ならやはりマサツグ達に用がある様子で顔を上げ!…気丈にも元のダウナー顔に

戻って行くと、もう一度付いて来る様に声を掛ける!…


「…ッ!…とにかくそこの人間さん達はこっちに!…

…もう爺やの言う事なんて聞かなくて良いから!…」


「ッ!?…グッ!!…」


「ッ!?…あ、あぁ!…ちょっと待って!?…

シロ、立てるか?…どうやらこの子がお前の妹らしいぞ?…」


「ッ!?…シロの!…妹!!…」


ハティビィエールは更にマサツグの方へと近づいて行くと、まるでシロと同じ様に

服の裾に手を…そして急かす様にして引っ張って見せ!…案内をする方向をもう

片方の手で指し示すと、何故か目をキラキラとさせる!…何ならマグダラスの事を

蔑ろにもして行くと、その事にマグダラスがショックを受けた様子を見せ!…

しかし当のハティビィエールは全く気にする様子を見せず!…とにかく早く案内

したい!と言った感情を露わにすると、マサツグを引っ張って前進する!…すると

マサツグもそんな表情とは裏腹な態度を見せて来るハティビィエールに戸惑って

見せると、次にはシロを地面に降ろし…と、シロも初めての自身の妹に興味津々!…

次には目をパァッと見開いてその再会を喜ぶ様なそんな反応を見せて行くと、

互いに目の高さを一緒に!…ある意味で初めての対面をする!…


「ッ!…この人が…おねぇさま?…」


__トットットットット……


「ッ!…えへへ♪」


ハティビィエールも自身の目の前にまるで生き写しみたいな姉が居る事で目を真ん丸

にして見せると、シロと全く同じ驚いた顔を!…が、次にはやはりあのダウナー顔

へと戻って行き…そしてその目の前に立って居るシロに対してスッと近付く素振りを

見せて行くと、シロもそれに反応して両手を広げ!…そしてハグで迎え入れようと

して見せる!…しかしそんなシロの期待とは裏腹にハティビィエールはシロにスッと

近づいて行くと…


「あ~~~ん……」


__カプッ!!…ッ!?…どよぉ!?…


「ッ!?!?!?…」


「うえぇえぇぇぇえぇぇ!?…」


何を思ったのかハティビィエールはシロに近付くなりその鼻っ柱をガブリ!…

と言っても本気で噛まずに甘噛み程度で抑えている様子で!…しかし当然突如

鼻っ柱を咬まれた事でシロは困惑して見せ!…これは何?と言った具合に

フリーズした様子で固まってしまうと、両手を広げたまま目を真ん丸に!…

とにかく反応に困って見せる!…そしてそんな二人の様子を見て当然マサツグ達も

声を上げて戸惑い出すと、一方でシルビィやラグナスはさも普通とばかりに

見て居り!…


「………。」


「ちょちょちょ!!…出会って速攻鼻を噛むって一体!?…」


「ッ!…あぁ…安心してくださいマサツグ様…これは言わばじゃれ合いです…」


「ッ!…え?…」


さも何事も無い様子で見詰めて居り、何なら微笑ましいとばかりに笑う様子も!…

が、一方で何処が微笑ましいのか全く分からず!…マサツグが動揺した様子で

これは何!?と漏らして居ると、そんなマサツグの戸惑い様に気が付いたのか!…

シルビィがハッとした様子で説明をする!…と言うのも彼女曰くアレは一種の

じゃれ合いと言い、何の問題も無い事を説明!…しかしそう説明をされた所で

納得行かず!…更にマサツグが戸惑った様子で言葉を漏らすと、視線をシルビィに

向けて行く!…するとシルビィもそんなマサツグの様子を見てふと察すると、更に

如何言う事か?を説明し!…


「…良く街中でも犬同士が取っ組み合いをして噛み付き合いをする…

そんな光景を見掛けるではありませんか…」


「ッ!…ま、まぁ…」


「アレは本気で喧嘩をして居るのではなく…まぁ本気でしている場合もありますが…

あれは互いの力量を見る様なモノであって…

決して相手を仕留めよう等と考えて居る訳ではないのでご安心を!…

言わば我々人狼族における挨拶の様な物に御座います!……ッ!…

な、なんでしたら…だ、旦那様が私をお噛みに♥…」


シルビィは例題に街中で見かける犬達を口に!…その際似た様な光景が有ると

笑いながらに話し!…と、続けてマサツグも見た事が有るのでは?とばかりに

尋ねて行き!…マサツグもその問い掛けに戸惑いながらも返事!…見た事が

ある事を口にすると、更にシルビィは説明を続ける!…と言うのもあれはじゃれ

合いの一種で喧嘩をして居る訳ではない!と話して行くと、一つの挨拶として

話し!…と、ここで何を思ったのかふと自身の頬を染め始め!…何なら自分で

試しても構わない!とばかりに話すのだが!…マサツグは慣れた様子でスルー!…

やはり心配である事を口にする!…


「…だったら良いけど……シロが固まりっぱなしなんだが?……

両手を広げて固まっているシロなんて初めて見たぞ?…」


「……それは誰でもそうだと思います…

誰もが両手を広げて固まるなど早々無いと存じます…」


「………。」


一応止めには入らないもののやはり変!と、今だ戸惑いを隠せない様子で言葉を

零し!…と、スルーされたシルビィも寂しそうに!…スッと元の澄ました様子に

戻って行き…何か不服そうな表情を浮かべて見せると、マサツグの言葉に返事を

する…その際シロの状態は誰も早々体験する事の無い状態である事を話して行く

と、若干不貞腐れもして見せ!…一方でシロもシロでその自身の状況に戸惑い

固まり!…頭の中で如何したら?と悩み出すと、その解決策を考えて行く!…


{…えぇ~っと……これはなんです?…

今までにご主人様とこんな事やった事無い…

…ここではこれが挨拶なのです?…

…うぅ~ん、シロは如何すれば?…}


「……ほんなものなのれふかこんなものなのですか?…おへぇさふぁおねぇさま?……」


「……え?」


さてまずは状況から確認をして行くと、今だハティビィエールはシロの鼻っ柱に

食い付いて居り!…そして離れる様子も全く見せず!…シロもマサツグとの経験

から無い!と…解決策が思い付かない様子で戸惑って見せると、ただずぅっと

そのままの状態で固まり続ける!…その際これは挨拶の一種なのか?とも考える

のだが、次にはスッとハティビィエールが視線を!…それはシロに対して敵意を

見せるモノであり!…周りに聞こえないトーンで言葉を!…さもシロの事を挑発

する様に言葉を零して見せて行くと、シロも突然の敵意に更に困惑!…思わず

声を漏らして見せる!…さてそうしてシロが突然の敵意を向けられた事で戸惑って

居ると、次にはハティビィエールはシロから離れ!…


「ぷあっ!!…突然の事でごめんなさいです…

つい…おねえさまと再会出来て嬉しくて!…

…とにかく、お母様の所へ…」


__トッ…トッ…トッ…トッ……パタパタパタパタ!…


シロの鼻から離れて謝罪の言葉を口にすると、先程の敵意を無かった事に!…

まるで照れ隠しとばかりに言葉を続け!…改めてマサツグ達をその女王の待つ

城の方へと案内をするよう離れて行くと、シロはこれまた硬直!…もはや何が

何だか分からなくなる!…そして駆けて行くハティビィエールもマサツグ達に

向けて手を振ると、早く来い!とばかりに急かし!…と、そんなハティビィ

エールを余所にマグダラスは何か焦った表情を浮かべて居り!…兵士達も如何

したら良いのか分からない反応を見せて居ると、ラグナスが声を!…


「…ッ!…と、とにかくこちらに!!…

女王様がハティビィエール様を遣わせたと言う事はつまり同意の上!…

正式に客人として迎え入れられた!と言う事に違いありません!…」


「ッ!…え?…ま、まぁそうなんだろうが?……」


__……チラッ?…


手を振るハティビィエールにハッとして見せ!…改めてマサツグ達を案内する様に

声を掛けると、そのハティビィエールが居る方に!…何なら正式に迎え入れられた

事を口にする!…それはまるで自分の事の様に喜び笑って見せる一方!…何か気を

取り直す様にして慌てても見え!…と、そんなラグナスの案内にマサツグ達も

ハッと!…しかしこの時返事をしつつもその視線はマグダラスに!…城に行く事で

何か罠があるのでは?と言った警戒を見せて行くと、ラグナスは更に言葉を!…

容赦の無い罵倒を口にする!…


「ッ!…あぁ…その老害は放置で構いません!…

幾らこの老害とは言え!…女王様の意に反する事は出来ない!…

故にもう襲われる心配もないと思われます!……ささ、此方に!…」


「ッ!…あ、あぁ…」


それこそもう何も出来ない!と言った事を話して行くと、マグダラスをガン無視

するよう呼び掛け!…となるとそんなラグナスの容赦の無い言葉にマサツグ達も

戸惑い!…一行は案内されるままに城へ!…その固まって居るシロの事も回収

すると、そこでシロの様子が可笑しい事にも気が付いて行く!…と言うのも

この時シロは何か若干ショックを受けた様な反応を見せると、俯いた様子を露わに…


「……にしてもさっきのじゃれ合い?…って言うのも変な…

…とにかく会いに来て欲しいみたいだし、行きますか…

って、シロ?…如何したんだ?…」


「ッ!!…な!…ななな!…何でも無いのです!!…」


「ッ?…そうか?…」


先程の一連の様子にやはり可笑しいと零しつつ…マサツグが俯くシロに声を掛ける

と、シロはハッ!とビックリした様子で反応する!…それはまるで考え込んで居た

所でいきなり声を掛けられた様な…となると尻尾も耳もピ~ンと逆立ち驚きを

露わに!…シロ自身もビックリした表情で反応すると、次には慌てて返事をする!…

それこそ何かを誤魔化す様なそんな反応も見れるのだが、この時のマサツグは

気にせず…とにかく一行はハティビィエールを追い駆けて城の方に!…そこで

これまた驚くべき光景を目にすると、思わず足を止めてしまう!…と言うのも!…


「…ッ!…~~~~ッ!!!…まぁぶっし!…」


「……そうだな…まさか霊峰の洞窟の中にこんな輝く城が在るなんてな…

…余程この城とマップを作った人は拘りが強かったんだろうな?…

他の城よりグラフィックが凝っている様に見える…」


「…そうですね…

MMORPGと言う事を忘れてしまいそうな位…幻想的に綺麗な光景ですね…」


ハティビィエールを追って先に進むとまた開けた場所に!…そしてその洞窟に

似付かわしくない!…何処かの映画に出て来そうな青く澄んだ氷の巨城が堂々

建てられて在るのを目にすると、各々は当然驚愕する!…何ならその城の天井

から日の光が差し込んで居る様に見えて居ると、それは細かく乱反射しては

辺りの日の光を放ち!…とにかく洞窟全体を明るく照らし!…さもその巨城

自体がまるで宝石で出来て居る様に輝く姿を露わにすると、マサツグ達は言葉を

口に!…そして目の前でその城の案内が表示される!…

 ------------------------------------------------------------------------------

    「霊峰ウルフハウリング・八合目 オオカミの頭脳 氷狼王の城」

 霊峰ウルフハウリングの八合目・言い伝えられている霊峰の図で言うと脳の

 部分に有り、少し開けた場所に堂々と氷狼王の城が建てられている。ここまで

 来るのに幾多の苦難を乗り換えた者のみが見られる光景でアルバスクロニクル

 オンラインの幻の名所・十景に数えられており、城が日の光を反射して光って

 いる様に見える事から別名・[光の城]とも呼ばれている。数多くの高ランカー

 の冒険者がこの城を探して霊峰を彷徨い、結局見つけられずに命を落とすなど

 色々有った為都市伝説になったりしており、未だこの城に辿り着く確実な行路

 は見つかっておらず、見つけた者には冒険王の称号が貰えると噂されている。

 ------------------------------------------------------------------------------


「……冒険王だってよ?…」


「…英雄の次は王様かぁ…勘弁してくれよ~…

俺はそう言う柄じゃないんだが?…」


当然マサツグプレイヤー達はその出て来た案内に目を通して行く!…そしてその城が輝いて

居る理由について納得して行き!…その他の説明についても互いに冗談は止して

くれ!とばかりに話しをすると、これまた互いに苦笑いをする!…さてそうして

冗談を言い合う一方ではその絶景に息を呑む!…まるで引き込まれる様にして

アヤとリーナが感動しており!…それはさも子供に戻ったよう目をキラキラと

輝かせながらジッと城を見詰めて行くと、二人はそれぞれが感動した様子で言葉を

零す!…


「…な、なんて綺麗なお城なの!?……

まるでサファイアで作られた様にキラキラしてる!…」


「…あ、あぁ…私も公務で色々な城や建築物を見て来たが…

ここまで見事な物を見た事が無い!!…

…さすがにアヤの様な例えは浮かばないが…ただとても…

とてもこの城は美しいと思う!…」


「……うぅ~ん…見事なモンや…

…ゲームの中とは言えここまで細かい仕事を見せられると…

否応無しに目が移ってしまう……レーザーで掘ったんか?…

いや、ダイヤカッターって手も有るけど…」


もはやここまで来る道中の過酷さを忘れた様子で言葉を零して見せて居ると、

その一方では職人が!…その細部まで拘って造られたであろうテラスや城門!…

城の柱に壁・手すりに到るまで!…とにかく細かい細工が施されて居るのを

目にして行くと、マサキがビビッ!と興味を持った具合に観察をする!…

それこそこれはゲームの中だと言う事を忘れた具合にマジマジ見ると、その

緻密さに自分も再現出来るか?と悩む様な姿勢を見せ!…と、そうこうして

居る間にもハティビィエールはその城門の前へ!…と、ここでクルッと振り

返ってちゃんとマサツグ達が付いて来ているかを確認!…そこで色々と脱線

しながらも付いて来て居るマサツグ達を目にすると、次には城門に手を掛ける!…


__テテテッ!……クルッ…


「…お母様は既に玉座で人間さん達が来るのを待っているのです…

人間さん達がお姉様と一緒にこの山に足を踏み入れた時から気付いて居たみたい…

お姉様と一緒に会うのをとっても楽しみにして居るのです!…

…ちゃんと着いて来てくださいね?……」


「ッ!…あ、あぁ…」


__…ガチャッ!!…ギィィィィィ…


この時まるで急かす様にハティビィエールが女王が待って居る事を口にすると、

既にそのマサツグ達の気配を察知して居た様子についても話し!…そして別に

敵意を持っているとかそう言うのではなく…ただ単純にここまで来るのを楽しみに

して居た事も口にすると、再度マサツグ達に付いて来るよう!…妙にマサツグ達へ

圧を掛ける!…それは早く来い!とばかりにジトッとした目で見詰めて行くと、

マサツグ達もそんなハティビィエールの視線に戸惑い!…と、同時に待たせて

居る事に申し訳ない!と…若干慌てながらそのハティビィエールが待って居る

方にへと急いで行くと、マサツグ達はハティビィエールと共にその氷の城に!…


「…では、こちらへ……お客さん?…」


__ペコッ!……タッ…タッ…タッ…タッ…


「……何と言うか…警戒されてる?…」


城へと入って行く際にハティビィエールはふと思い出した様にカテーシーを…

それはいつものダウナー顔で、その際まだ慣れて居ないのか何処と無くぎこちない

様子が見て取れると、マサツグ達も戸惑って見せる!…その際自分達も会釈をした

方が良いのか?と悩んで居ると、その前にハティビィエールが城内に先行!…

それはさも形式上しただけと言った冷たい態度の様にも見えてしまい…マサツグが

何か警戒されて居る様にも感じて居ると、その事を口に…するとモツも無理はない!

と言って話に乗る!…


「無理も無いと思うぞ?…シロの誘拐の件も有ったし、それに見た所あの子

自身も感情表現と言うかそう言うのが苦手そうにも見えるし…」


「…うぅ~ん……

だと良いんだけどな…」


この時その理由にやはり過去の誘拐の件が絡んで居る事を口にすると、やはり

仕方が無い!とモツは言い!…幾ら迎え入れると言ってもこっちは人間!…

警戒されるのは元より覚悟の上であった事を続けて話すと、マサツグもそれは

分かって居る!と言った様子で返事!…何なら違う方向で不安を覚える!…

と言うのもマサツグから見てこの時そのハティビィエールの様子はと言うと、

如何にも何か気負って居る様に見えて居り!…まるで何か責任感を感じて居る

様に見せてしまい!…もっと言うと何か壊れてしまいそうでもある様に見えて

しまうと、とにかく不安を覚えて行く!…さてとにもかくにもそのハティビィ

エールの案内で氷狼王の城の中へと進んで行くと、更にその城内の様にも驚き!…


__コッ…コッ…コッ…コッ…


「…洞窟の中の城だから中は暗いと思っていたのに…明るいな!…

……丁度、あのシャンデリアみたいな装飾が外の光を通しているみたいだが…

どうやって?…」


「…それもだけど壁が鏡の様になってる!!…

透き通っていそうな感じだったから各部屋が筒抜けだと思ってたけど…

意外としっかりしてる!!」


「……お主達…何をして居るのやら…」


「……おいおい…趣旨が変わってるぞ~?」


城内はまるで電気が通って居る様に明るく綺麗!…その天井にあるシャンデリア

から光りが降り注ぐ様にして辺りが照らされている事に気が付き!…と、モツも

徐々に興味を持った様子でシャンデリアを見詰め!…アヤもその城内の壁が

まるで鏡の様である事に驚きを露わにして見せると、気分は観光!…お宅訪問と

化して行く!…さてそうして城内の謎技術に色々と興味を持った様子で見て

回って居ると、珍しくパルシィが各々にツッコミ!…何ならマサツグもそんな

様子に苦笑いをして見せ…パルシィに続いて同じ様にツッコミの言葉を口にする

と、ふとシロの様子に目が行く…


__コッ…コッ…コッ…コッ……ッ!…


「…シロ?」


「……不思議なのです…見た事無い場所なのに…

シロ…ここを知って居る様な?…とっても不思議な気持ちなのです…」


マサツグの隣を歩いて居るシロは城内をマジマジと見渡し…そして何か不思議そうな

懐かしいそうなそんな表情を浮かべて見せると、何か何とも言えない様な感じを…

マサツグもそれに気が付いて声を掛ける。するとシロはその呼んだ声に対して返事を

するよう今自分の感じている事を口にすると、徐々に戸惑った様な反応を露わに!…

それは若干の恐怖を感じて居る様にも見えて行き!…マサツグもそんなシロの様子に

気が付きスッとシロの頭に手を伸ばして見せて行くと、次にはシロの頭を…歩き

ながらに優しく撫でる!…


__…スッ…なでなで…


「ッ!…ご主人様?……」


「…大丈夫だ!…俺達が居る!…例えこの先何が待ち受けて居ようが!…

俺はシロを見捨てたりはしない!…別に焦らなくても良い!…

思い出は…幾らでも作れる!…お前の人生はお前のモンだ!…」


「ッ!!…はいです!!」


突如自身の頭を撫でられた事でシロもピクッと反応すると、次には反射条件の様に

尻尾を振りつつその手が伸びて来て居る方に視線を!…と、そこには当然マサツグが

シロの頭を撫でている様子が目に入り!…シロも突然の事にキョトンとした様子で

マサツグの事を呼んで行くと、マサツグはシロを撫でながら微笑み掛け!…そして

そのシロの心配事を取り払う様に声を掛ける!…その際絶対に見捨てない事を口に

すると、シロの傍に居る事を約束し!…と、このマサツグの言葉にシロもハッ!と…

次には勇気が湧いて来たのか目を爛々と輝かせ!…その撫でてくれるマサツグの手に

甘えて見せると、一方ではそれに対して妙な視線が…


「………。」


__…ッ!…チラッ?…


「ッ!……ッ…」


と言うのもこの時マサツグもふと気が付いた様子でその視線の感じる方に視線を…

するとそこにはハティビィエールの姿が有り…こちらの事をチラッと見る様にして

何か様子を伺って居る様に見えてしまい!…それはシロとマサツグの様子を見て

羨ましがる様な…と、同時に何故か嫉妬心も持つ様なそんな表情を見せて行くと、

マサツグもそんな様子に疑問を持つ!…そして相手にバレる如何こう関係無しに

思いっきりその疑問を顔に出すよう戸惑って見せると、ハティビィエールも気が

付いたのか次にはフイッと視線を逸らし!…が、如何にもはやりその様子が気に

なるのかソワソワしており…マサツグもそんなハティビィエールの様子に戸惑いを

隠せないよう心の中でアレは何?と考え出すと、やはり不穏な何かを感じて

しまう!…


{……今の表情…明らかに嫉妬…していた表情だよな?…

でもどうして?…どうして俺とシロを嫉妬するんだ?…

…やっぱり只単にシロを会わせるだけで済みそうに無い何かが有るのか?…}


「…ッ?…ご主人様ぁ?…如何したんですか?…」


「ッ!?…え?…あ、あぁ…いや何でもない…

…さぁ、とりあえず女王様に会いに行くか!!」


「……ッ?…はいです?…」


それは一体何なのか皆目見当も付かないのだが、とにかく否応なしに胸騒ぎを

感じ!…と、そんなマサツグの様子に気が付いたのか?…シロがふとマサツグを

見上げる様に視線を向けると、次には不思議そうに声を掛ける!…その際ハティ

ビィエールの様子に気が付いて居ない様子で声を掛けると、マサツグもハッ!と

した具合に返事をし!…が、この事をシロに話す訳にも当然行かず!…取り敢えず

はぐらかす様にしてシロに何でもない!言って行くと、ハティビィエールの後を

追う!…勿論この時シロも疑問を持った表情を見せるのだが、深くは尋ねずに

マサツグの後を…因みにこの時この二人と、ラグナス・シルビィ以外は城に興味

津々で気付いて居らず!…寧ろ置いて行かれる様にしてフィロがハッ!と反応を

して行くと、脚を止めて居る者達に声を!…置いて行かれる事を口にするので

あった!…

しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

異世界に落ちたら若返りました。

アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。 夫との2人暮らし。 何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。 そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー 気がついたら知らない場所!? しかもなんかやたらと若返ってない!? なんで!? そんなおばあちゃんのお話です。 更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

転生騎士団長の歩き方

Akila
ファンタジー
【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】  たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。 【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。   【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?  ※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

はぁ?とりあえず寝てていい?

夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

処理中です...