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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章十一節 同胞の声と気不味い宿屋と誤解の嵐!…-

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一行はパルシディアナの提案に従って各々自由行動!…とまぁ自由行動と言っても

霊峰に挑む為の準備をして居り、言うほど自由でも何でも無いのだが…そんな中

マサツグはシロを抱えてあっちこっちに!…食料品店や道具やを見て練り歩き!…

一通り自身と全員分の準備を整えると、今日泊る宿をシロと一緒に探していた。

その際シロはやはり今だ怯えた様子でマサツグにくっ付くと震えて居り!…マサツグ

としても不安を覚えるモノで有り…と、同時にここでマサツグのパッシブスキル!…

[方向音痴]が発動すると、町の中を彷徨っていた…


__コッ…コッ…コッ…コッ…


「…えぇ~っと?…あれ?…宿屋って、何所?…

…この町似た様な建物が多くて分かり難いなぁ?…」


と言うのもこの街自体がまるでベースキャンプの様になっており、建物は全部

木造の小屋の様な見た目をして居り…勿論店の前には看板等も設置はされて

有るのだが、異様に小さくパッと見では民家なのかお店なのか!…とにかく

分かり難い状態で設置されて有るのが分かると、中々に判別に苦しんでしまう

状態にあった!…そして更にややこしい事にその建物も似た様な外観が非常に

多く、まるでプリセットを並べただけの様な街並みと!…となると目印が無い

ので彷徨い歩き!…徐々に草臥れる様なそんな反応をマサツグは戸惑いながら

も見せて居ると、次には気配を殺したシルビィーナが声を掛けてくる。


「…あの…マサツグ様?……」


「ッ!?…ううぇいぃ!?…シ、シルビィーナ!?…」


「も、申し訳御座いませんマサツグ様!!…

ま、まさかそこまで驚かれるとは!……」


この時シルビィーナは何故か気配を殺してマサツグの背後に!…そして戸惑った

様子でスッと!…するとマサツグも完全に気を抜いて居た所でそのドッキリと!…

思わず声を上げて驚きを露わに!…シルビィーナもマサツグが驚いた事で思わず

ビクッとした反応を見せると、次にはマサツグに謝り始める!…勿論シルビィーナ

としてもマサツグを驚かせようと思ってやった訳では無いのだが、何と言うか

気配を殺すのが癖であるらしく…とにかくマサツグを驚かせた事で慌てに慌て!…

マサツグもそんなシルビィーナに対して申し訳なく感じた様子で反応すると、

次には逆に謝り始める!…


「い、いや…こっちこそスマン!……でも、急に如何した?…

シルビィーナは確かくまさんと一緒に色々と調達に向かった筈じゃ…」


「ッ!…はい…その件で御座いましたら先程オリハ様が私の変わりに

食料調達をして下さると仰って下さったので変わって頂きました…

…一応私もオリハ様に大丈夫と答えたのですが…

マサツグ様とシロ様の二人を放置して置くと何所へ行くか分からないと…

危ないから付き添って居てとその様に言われまして…」


{…オリハは後でぶっ飛ばす!!…}


この時シルビィーナに軽く頭を下げながら謝って見せると、次にはふと疑問を…

と言うのもシルビィーナはくまさんと一緒に行った筈?と…それが何故こっちに

回って来て居るのか?と疑問に感じると、次にはその事をそのままシルビィーナ

に言って確認をする。するとその問い掛けに対してシルビィーナもピクッと反応

すると、その訳をマサツグに話し…なんでも理由としてはオリハに言われた事が

きっかけらしく、マサツグの迷子対策の為に派遣されたとシルビィーナ自身何か

戸惑った様子でその事を話すと、マサツグもその話しを聞いてカチン!と…

シルビィーナに非が無い事を自身に言い聞かせ!…ただ心の中でオリハを

ぶっ飛ばす事だけを心に誓うと、その一方ではシルビィーナが更に話しを続ける…


「…それとマサツグ様?……一体何方に?…

もし宿をお探しでしたら此方に向かう途中で見つけましたので…

ご案内の程をさせて頂きますが?…」


「ッ!…え?……マジで?」


「ッ!…はい…あちらの方に…」


シルビィーナはマサツグの考えを知ってか知らずか、まずは行き先について尋ね!…

と、確認をした所で次には宿屋へ案内する!と…既にマサツグ達より先に宿屋を

見つけた様子で話しをすると、マサツグもその話を聞いてハッ!と…何かショックを

受けた様な反応を見せる!…そしてそれとなく真実であるかどうかについても尋ねて

行くと、シルビィーナは頷き…何ならマサツグ達の来た方向を指差し!…既に通り

過ぎていた事を続けて話すと、マサツグがその真実にショックを受ける!…


__ッ!?…ガァ~~~ン!!…


「ッ!……い、いかが為さいましたか?…マサツグ様?…」


「ッ!?…い、いや…何でも無い…案内を頼めるか?…」


「ッ!……ッ?…はい…畏まりました……ッ?…」


実を言うと各々が解散してから数十分以上が経っており、それでも尚今だに宿屋を

見つけられずに町の中を彷徨っていたからで…と、当然そんな事など知らない

シルビィーナは不思議そうに…取り敢えずマサツグが何かショックを受けている

様子だけを察して行くと、次には戸惑った様子で声を掛ける。するとマサツグも

その問い掛けに対して何か動揺した具合に返事をすると、次には徐に遠い目を…

それはオリハの予感が的中してしまった事にショックを受ける!…自分でも何か

情けないと一人感じてしまうと、そんな様子にシルビィーナも困惑!…ただ

マサツグに返事をする…そして不思議に感じつつもマサツグの事を案内し出すと、

更に何か有るのか話を…


「…マサツグ様?…少し宜しいでしょうか?…」


「ん?…どうした?…」


「先程のシロ様の様子についてですが…

実はアレは我々のせいかもしれません…」


「ッ!?…如何いう事だ!?…」


シルビィーナがマサツグに話し掛けるとマサツグはのん気に返事をする…それこそ

まるで世間話をする様に…大して深くは考えて居ない様子で一体何の話?とばかりに

構えて見せると、シルビィーナは何か申し訳なさそうな…先程のシロの反応について

話をする!…と言うのも何か原因を知って居る具合に自分達のせいと語り出すと、

これにはマサツグも途端にピクッと反応をして見せ!…一体如何言う事!?と機敏に

返し!…シルビィーナを責める訳では無いのだが、それでも何か若干怒気を感じる

様に言葉を口にして行くと、シルビィーナは恐る恐る話しを続ける!…


「…ッ!…実は先程から霊峰から同胞達の声が聞こえて来るのです…」


「…ッ!…同胞?…」


「はい……ッ…ある者達はシロ様の気配を感じ取ったのか帰って来た!と喜び…

またある者達はシロ様が人間を連れて来たと忌み嫌う!…その様な声です…

これはある意味で我々は歓迎されており、歓迎されていない事でも有る…

そんな怒号にも似た声が先程からずっと聞こえて来ており…

シロ様はその声のせいで怯えているのではないかと…」


当然今にもプッツンしそうなマサツグを相手に!…シルビィーナは少し怯えた様子で

話しの続きを口にすると、シロが怯えている理由をこう語る!…何でも今現在その

件の霊峰より何か聞こえて来る声が在る様で、その声も二つある!と…一つはシロの

帰還を歓迎する声であり、もう一つは人間を拒絶する声!…そしてその声を放って

居るのが自身の同胞!と続けて語り!…シルビィーナ自身も申し訳なさそうに!…

そして自身でも何か怒りを感じている様子でギュッと音を立てずに拳を握ると、ただ

宿屋に向かって歩き続ける!…


__コッ…コッ…コッ…コッ…


「ッ!!……なるほど?…」


「……申し訳有りません……」


さてそんな話を聞いてマサツグとしても如何反応をしたら良いの分からず、ただ

「なるほど」とだけ言葉を…勿論怒りを覚えていない訳では無いのだが、だからと

言ってシルビィーナに当たる訳にも当然行かず!…自身の中で怒りを押し殺し!…

とにかくシルビィーナの後を付いて歩くと、次にはシルビィーナが謝罪!…まるで

自身が代表をする様に言葉を漏らす…そしてその言葉に対してマサツグも上手い

具合に言葉を表せないで居ると、気まずい状態の中で少しした後にマサツグ達は

宿屋へ辿り着き!…


「……はい、お待たせ致しました!!…記帳完了で御座います!!…

…ですが、申し訳有りません…

他のお客様方の都合上ダブルの部屋を五つ御用意とさせて頂きます…」


「ッ!…あぁ、別に構いませんよ?」


「ありがとう御座います!!…

それではこちらがダブルの部屋の鍵301~305までです!」


__ジャラッ!!…


と、そこで取り敢えず全員分の部屋を確保!…その際宿屋の都合で部屋の手配に

制限が掛かり!…しかしマサツグは気にしないと言って返事をして見せ…手続き

も終えて部屋の鍵をその宿屋の店主より受け取るのだが、ここで何を思ったのか

ふと店主がある事を…鍵を渡すと同時に話し出す!…と言うのもそれはギルドでも

聞いた様な話であり、不思議そうな表情で時期が悪かった!とばかりに世間話を…


「…それにしてもお客さん珍しいですねぇ~…

お客さん冒険者の方でしょ?」


「え?…ッ!?…」


「霊峰に挑むのなら今は止めておいた方が良いですよぉ?…

ここ最近ここいらでも狼が活発になって来て…

色々な人が襲われているみたいですからねぇ~!…

特にこの霊峰には狼系のモンスターが沢山いますから…」


「ッ!…は、はぁ…」


宿屋の店主は徐にマサツグの事を冒険者と確認し出し、そして何を思ったのか徐に

顔をマサツグへ近付け…と、マサツグもそんな確認を突如された事で若干戸惑い!…

ふと顔を上げて店主の顔が近い事に驚いて見せると、思わず一歩後ろに下がる!…

しかし店主は構わず自分の話を続けて行くと、次には霊峰に行くな!と忠告を口に…

と言うのもその理由に狼系のモンスターが闊歩して居る!と…時期が悪かった!と

ばかりに話しをすると、今行くと直ぐに襲われる様な!…そんな忠告をマサツグに

する!…するとそんな店主の言葉にマサツグも歯切れの悪い返事をして見せて居る

と、その後ろではシルビィーナが申し訳なさそうな…シュンとした様子で俯き震え…

そんなシルビィーナに気が付いてか店主もハッとした様な反応を見せると、慌てて

言葉を濁し始める!…


「…ッ!……あ、あぁ!!…

べ!…べべべ別に狼系のモンスター全てが悪い訳ではありませんものね!?…

…こ、この様な出過ぎた事を申してしまい!…申し訳有りません!!…」


「…ッ!…い、いや…

店主様は忠告をしてくれただけです!…お気に為さらず…」


この時シルビィーナが獣人ではなくその狼系のモンスターで更にマサツグのペットで

ある事を理解すると、途端に店主は慌てに慌て!…次には釈明と同時に謝罪!…

マサツグ及びシルビィーナに頭を下げて謝り始めると、マサツグもハッとした様子で

反応!…店主に大丈夫と声を掛ける!…勿論この時店主に対して若干カチン!と来た

感情を持つのは持ってしまうのだが、直ぐに謝った事で不問とし!…そして悪意が

無い事も重々承知して居る為、忠告に対してだけ礼を言い!…とにかくこの気不味く

重く苦しい場所から立ち去る様にしてシルビィーナに声を掛けると、まずは部屋へと

向かい出す。


「…シルビィーナ。」


「ッ!…は、はい!…マサツグ様!…」


「とにかく一度部屋に荷物を置きに行こう…

シロもこのままずっとしがみ付かせる訳には行かないし…」


「ッ!!…か、かしこまりました!…」


落ち着いたトーンでマサツグがシルビィーナの名前を呼ぶと、シルビィーナは

ハッとした様子で慌てて返事!…それは跳ねる様にしてビクッとして見せ!…

マサツグに向かい何か若干怯える様なそんな反応を見せて行くと、マサツグは

振り返るなりニコッ!と…別に怒っても居ない様子で笑って見せる。そして

シルビィーナに声を掛けた所でマサツグが部屋に向かい歩き出すと、シルビィーナ

もそれを見て慌てて追い駆ける様にマサツグの後ろを!…と、ここでマサツグ

がハッとした様子で次には徐に足を…そして店主の方へ振り向き出し、店主も

そんなマサツグの様子にビクッとした反応を見せて行くと、マサツグは言葉を

口にする!…


「それと店主さん?…」


「ッ!?…は、はい何でしょうか!?…」


「店主さんもあまり気にし無いで下さい。

時期が悪かっただけですので…貴重な情報ありがとう御座いました。」


「…ッ!!…い、いえいえ!!…こちらこそご配慮が足りず!!…

誠に申し訳ありませんでした!!!」


それこそ冷静に丁寧な態度を見せると、マサツグは徐に店主を呼び…と、これには

店主も更にビクッ!と反応して見せ!…マサツグに呼ばれた事で吃驚したよう体を

跳ねさせ返事をすると、次にビクビクと怯え出す!…勿論別に殺気を放っている

とかそう言う訳では無いのだが、失礼な事を言ってしまった手前警戒!…そして

この冷静・丁寧な態度にビビり!…やはり裏で何か怒って居る様に感じられてしまう

と、否応なしに警戒!…直ぐに謝る体制を見せる!…しかしマサツグはそんな店主の

様子に言葉を続け、本当に気にしなくて良い!と…ただ時期が悪かった事を口に!…

とにかく気負わなくて良い事だけを伝えると部屋に…すると店主もそんなマサツグに

対してもう一度謝罪!…深々と頭を下げて全身で誠意を見せるのであった!…


因みに何故店主がマサツグに対して怯えたのか?と言うと、他にも原因があり!…

と言うのもこの時マサツグは無自覚なのか、自身の目は全く笑って居らず!…

となるとそんな目を向けられてあの言葉!…当然怒って居ると警戒をされ!…

否応なしに恐怖を与えて店主の事を委縮させると、まるで生きた心地が感じられ

ない!…そんな絶望を味合わせるのであった!…


さてそうして色々有りながらもマサツグ達は取った部屋へと向かうのだが、

その宿屋の通路の途中でまたマサツグが徐に脚を止め…


「…シルビィーナ。」


「ッ!……は、はい…何の御用でしょうか?…」


「ちょっとこっちに来い…」


「ッ!!……は、はい…」


__……ギュッ!!…コッ…コッ…コッ…コッ…


シルビィーナに背を向けたまま徐にマサツグが声を…するとシルビィーナも突如

マサツグが立ち止まった事で驚き戸惑い…更に呼ばれた事で何か怒られるのでは?

と言った不安も若干持って見せると、次には恐る恐る返事…と言うのもマサツグに

呼ばれた時の声のトーンと言うのは如何にも低く、何か怒って居る様にも感じられ…

それでもとにかく戸惑いながらも返事をして見せ、マサツグも返事が聞こえた事で

更にシルビィーナに近寄って来るよう声を掛けると、シルビィーナは更に委縮!…

しかし断れない様子で返事をする!…そして何をされるのか分からない恐怖を抱き

つつも恐る恐る!…徐々にマサツグへと近付き!…と、同時にいつでも殴られても

大丈夫な様に…静かに奥歯をギュッと噛み締めながら遂にゼロ距離にまで近付いて

見せると、突如マサツグが振り返る!…


__…クルッ…ッ!!…


「ッ~~~!!!……ッ?…え?…」


__ガバァ!!…ッ!?…ッ!?!?……ッ?…


マサツグが振り返った事でシルビィーナは咄嗟に警戒態勢!…そして飛んで来る

かもしれない暴力に目を閉じて身を固め!…が、幾ら身構えた所で暴力は無く…

シルビィーナもこれには思って居た展開と違う?とばかりに戸惑って見せると、

次には恐る恐る目を…と、次の瞬間マサツグがシルビィーナを突如抱き締め!…

シルビィーナもそんなマサツグの突然の行動にとにかく反応が出来ずに困惑する

と、目をパチパチと瞬きさせる…そして成す術無くマサツグにがっつりホールド

されると、シルビィーナは身動き一つ取れず…その一方でマサツグは徐に声を…

それはシルビィーナを気遣ってか耳元で囁く様にして駆け出すと、その言葉に

シルビィーナも更に驚く!…


「…何を考えていたかは知らねぇけど…そんなに警戒をしなくても良い…

…ただ今のやり取りでまたシルビィーナが余計に落ち込んで居る様に見えたから…

ただ気にするなって言いたかっただけだ…」


「ッ!!…ッ~~~!!…マサツグ様!…」


と言うのもマサツグはシルビィーナの様子に気が付いていたのか?…シロを肩車した

状態でシルビィーナを抱き締めると、徐に労りの言葉を掛け始め!…となると突然の

その言葉にシルビィーナは今だ困惑して見せ!…しかしマサツグの声が直に耳を…

何ならシルビィーナを大事に思っている様子がしっかりと伺える言葉が耳に擽る様に

刺激!…それを聞いてはシルビィーナも次に目をパァッ!と…見開かせて頬を赤く

染め始めると、更に涙を浮かべて見せる!…それはまるで初めての体験の様に歓喜

すると、堪え切れない様子で体を震わせ!…まるで緊張の糸が突如切れたよう!…

シルビィーナ自身如何反応したら良いのか分からず固まって見せて居ると、マサツグ

が苦笑いをしながら謝り始める!…


「それとさっきは悪かったな…」


「ッ!…え?…」


「シルビィーナに宿屋へ案内をして貰った時…

お前がその…他の奴等に代わって謝っただろ?…

俺…何も言ってやれなかったからさ?……ゴメン!…」


「ッ!!…ッ~~~~~!!!…」


__ホロッ…ホロホロッ…ホロホロホロホロッ…


突如マサツグが謝り出した事で更に困惑!…もう如何したら良いのか分からず!…

ただマサツグが謝った事に言葉を!…本当に困惑した様子で思わずポロッと漏らして

しまうと、マサツグも如何言う事かを話し出す!…何でもマサツグとしてもここに

来るまでの道中の事を気にして居た様子で、今になってシルビィーナにゴメン!と

謝り…すると再び謝られた事と抱き締められて居る事でシルビィーナの中で何かが

壊れたのか、シルビィーナの目からは大粒の涙が!…それも表情を変える事無くただ

静かに零して見せると、マサツグもそれに気が付いた様子で反応!…次には大いに

慌てて見せる!…


「……ん?…ッ!?…シ、シルビィーナ!?…」


「…ッ!……い、いえ!…

大丈夫で御座います!…スンッ…マサツグ様!…」


「いや大丈夫に見えないから今心配をしてるんだが!?…」


マサツグもフッと笑いながらシルビィーナの顔を覗き込み、そこでシルビィーナが

泣いて居る事に気が付き!…となると次には如何した!?と…自分が強く抱き締め

過ぎたのか!?と慌てて見せると、シルビィーナも次にはハッとした様子!…自分

で涙を拭って鼻を啜る!…そしてマサツグの心配に対して元の冷静な自分に戻ろう

すると、マサツグがそんな様子に対してツッコミを!…明らかに大丈夫そうには

到底見えず!…幾らペットとは言え目の前で涙を流す女性が居る事で戸惑い続けて

見せて居ると、そこへ更にばつが悪い事に!…


「……兄さん…何シルビィーナを泣かせてるの?…」


「ッ!?…違う!!!…てかどうやってこの位置を特定した!?…

まだ何所の宿屋とはショートメールは送っていない筈だぞ!?…」


なんとここに来てオリハが合流!…何ならその後ろにはマサキとくまさんの姿も

有り!…すると三人揃ってそのマサツグ達の様子に当然困惑!…丁度宿と言う事

から勘違いも始まり!…オリハが白い目でマサツグの事を凝視すると、まるで

呆れた反応を露わにする!…その際一番に気にすべきはシルビィーナが泣いて

居ると言う事であり、オリハは軽蔑する様にマサツグへ声を!…となるとそんな

オリハ達の登場にマサツグも勿論更に慌てて見せ!…誤解である事を口に!…

続けて如何やって居場所を特定したのか?について尋ねると、オリハが呆れた

様子で返事をする。


「あぁ…それならミニマップのパーティメンバー追跡機能を

使えば一発で場所が割れるでしょうに…」


「ッ?!…な、何とぉぉ~~!?!?…」


オリハは何を今更?とばかりに首を傾げて呆れた反応!…すると次には質問に

答えるよう実演も兼ねてミニマップを開くと、マサツグ達の居場所を特定して

見せ!…となるとこの機能にはさすがのマサツグも初見だったのか!…とにかく

そのオリハ達の前でシルビィーナを抱えたまま驚いた表情をして見せ!…そして

一向にシルビィーナを離さない様子からマサキとくまさんも呆れた反応を露わに

すると、現場を押さえた親子の様にそれぞれ苦言を口にする!…


「…まぁちゃん…同意の上ならお母さん文句を言うつもりは無いけど…

無理やりなのは関心し無いなぁ~?…」


「だから、違うって!?…」


「そりゃ、お前もいい年した男やからそう言う事に興味を持つのはえぇけど…

無理やりはアカンで…無理やりは…

捕まるで?」


「何度言えば分かる!?…違うと言っているだrrrrろぉう!?…

それにこのゲームはそう言うのに厳しいって!!!…」


くまさんは悲しげな表情を浮かべるとマサツグに諭すよう話を口に…何なら見事に

誤解?…をした様子でしみじみと話し…となるとそんなくまさんの話にマサツグも

誤解と文句を漏らし!…全力で否定をするのだが今だシルビィーナを抱えたまま

慌てる様子だけを見せて居ると、更にマサキが話しに乗っかる!…それこそこちらも

完全に誤解?…した様子で理解を示すと、やはり諭す様に言葉を口に!…それは

息子の間違いを正す様に!…しかし頭ごなしに言い聞かせるのではなく…やんわりと

言い聞かせる様に何かリアルな忠告を口にすると、更にマサツグが慌てに慌てる!…

するとそんな話を聞いてかシルビィーナが静かにハッとした様な表情を見せると、

次には徐にモジモジとし始め!…


__……ッ!…モジモジ…モジモジ…


「…ッ!…如何した、シルビィーナ?…」


「ッ!?…い、いえ!…ただ私が鈍感なばかりに申し訳なく!…ッ~~~!…

…マ…マサツグ様がそう言う御積もりで私を抱き締めになられたのですか?…」


「……へ?」


それはまるで分かってしまった!とばかりに頬を真っ赤!に…そしてマサツグの

顔を直視出来ない様子で視線を泳がせると、マサツグもそんなシルビィーナの

反応にふと気が付き!…となると当然そんなシルビィーナの様子が気になり!…

一体如何した?と言ってそのシルビィーナの顔を覗き込んで行くと、これには

シルビィーナも更にモジモジ!…そしてマサツグの視線に慌てて見せる!…すると

次には何やら自身の至らなさに反省をするよう言葉を漏らすと、何やら満更でも

無い様子で更に話し!…こうなって来るとそんなシルビィーナの様子にマサツグ

困惑!…一旦は理解出来ない様子で思わず言葉を漏らして行くと、シルビィーナは

マサツグにギュッ!と…抱き付くなりトンデモナイ事を口にする!…


「でしたら私はいつでも構いませんのに♥…

マサツグ様が望まれるのでしたら今からでも♥…」


「ッ!?!?…だから違うと言ってるだrrrrrrぅおう!?…

どうして毎回毎回こうなるんだ!!!…」


と言うのもシルビィーナはマサツグの意を当然の様に汲み違えており、やる気の

表情を見せては頬を赤らめ臨むところ!と…何なら今からでもお受けする!と

ばかりに目を輝かせ!…ジッとマサツグに熱視線を向けながら荒ぶる様に尻尾を

振ると、そんなシルビィーナの様子にオリハやマサキとくまさん驚愕!…思わず

その場で固まってしまう!…勿論マサキとくまさんとしても先程までのアレは

冗談のつもりで言って居たのだが、まさかの現実になりそうな事で戸惑って

しまい!…と、その一方でマサツグも当然理解を示し!…シルビィーナに対して

怒涛のツッコミを入れて行くと、更にこの状態に嘆いて見せる!…それは周りに

響く勢いで吠えて居ると、他の面々もマサツグ達の居場所を特定した様子で…


「…何を騒いでいるんだ?…マサツグ?…」


「ッ!…あら、皆もう集まっていたのね?…」


オリハ達と一緒で宿屋の通路にて合流を果たし、その際マサツグの吠えて居る

声を聞いてか…モツがツッコミを入れる様に言葉を漏らすと、アヤが全員揃って

居る事を確認!…と、ここでオリハ達が困惑した様子で固まって居るのを目撃

して行き!…シルビィーナがマサツグに抱き付いたまま頬を染めている様子も

目にすると、次にはその場が修羅場!…フィロとリーナも参加をする!…因みに

この時シロは何の事か終始分かって居ない様子で肩車をされており、首を傾げては

マサツグの頭にしがみ付き!…そしてそんな混乱が落ち着いたのは日が暮れて

から!…マサツグがそれぞれ部屋割りを決め!…もうイザコザが決して起きない

様に鍵を渡すと、その日は終わり!…宿で一泊を過ごすのであった!…


さてしかし話はここで終わらない!…この日はマサツグ達プレイヤーはちゃんと

終了ログアウトをするのだが、そのログアウトした後にも一悶着有った様で…と言うのも

夜中フィロが目を覚ますと徐に部屋を後に!…決してマサツグに夜這いを掛ける

とかそう言うのではなく、迷う事無く宿の外に出ようとすると、その途中で

シルビィーナが!…シルビィーナも決して寝惚けているとかそう言うのではなく、

ハッキリと目を覚ました状態でフィロを見つけると、次にフィロを呼び止める!…


__カコッ…カコッ…カコッ…カコッ…


「…こんな夜更けに何所へ行かれるおつもりですか?…フィロ様…」


「…なぁ~に?…ただ無駄吠えが激しい駄犬共に喝を入れてやろうと思うてな?…

こうもキャンキャン騒がれると五月蝿くて眠れぬからのぉ…ふあぁ…あぁ…」


「…なるほど……

では、私も同行させて貰っても宜しいでしょうか?」


「…好きにせい…

わっちはどちらでも構わぬ…」


「…では、ご一緒に……」


__カコッ…カコッ…カコッ…カコッ…


この時シルビィーナはその手にデッキブラシを持って見せると、フィロが起きて

居る事に然程驚いても居ない様子で声を…となると呼び止められたフィロも徐に

クルリと振り向き…そしてシルビィーナに対して何か不敵にニヤリと笑みを浮か

べて見せると、その質問に答えて行く!…その際宿の外が五月蠅い!と理由を

話して行くと、呼び止めて来たシルビィーナを無視して外に出ようと!…すると

そんなフィロの様子にシルビィーナもフッと…静かに笑みを零して見せ、さも

自分も一緒に付いて行く様に返事をすると、フィロもそれに対して返事!…

そして二人揃って外に出る!…それは互いに意気投合した様に出て行くと、次には

殺気を放ち!…勿論互いに戦い合うとかそう言うのではなく、別の目的が在って

宿の外に出て行くと、その晩一波乱!…狐と狼が舞うのであった!…

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【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】  たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。 【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。   【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?  ※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

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王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

はぁ?とりあえず寝てていい?

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嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

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 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

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蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~

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