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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章三節 タンカーマサツグと広場での決戦と窮狐、精霊を噛む!…-

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__ワアアァァァァァァ!!!…キャアアアァァァァァァ!!!…


「…ッ!!……シロ!…前の状況と広場のフィロハの様子は!?…」


「はいです!!沢山の人が怖がっているお顔でこっちに来てます!!

…オリハ叔母さんは……ッ!…

オリハ叔母さん、今あの大きな氷の上にいます!!!…

キラキラのお姉さんと何かお話しているように見えますが……」


逃げ惑う者達は波となって逆走するマサツグ達に襲い掛かる!…この時マサツグは

シロを肩車したまま先頭に立ち!…後列にモツ達仲間を引き攣れさも某・RPGの様

にして隊列を組むと、被害を最小限に抑えて行く。その際シロに先の様子を見る様

に指示を出すと、シロも見たまんまの事をマサツグに報告!…時間にしてはフィロと

パルシディアナが言い合いをしている場面で有り!…それを見てシロもやはり何か

言い合って居る!とマサツグに説明をすると、マサツグも若干安堵!…まだ本格化

して居ない事に先を急ごう!として見せる!…


「ッ!…とにかくオリハとフィロは無事って事だな!!…

しかし!!…ッ!!…分かっていたけど進み難いな!!…

…ッ!!…こうも人が波になると!!…掻き分け難い!!!」


シロからの報告を聞いてマサツグも急ぐ!…しかしやはり向かって来る人の波と

言うのは強烈であり、マサツグも何度もぶつかられては歯を食い縛って耐えるの

だが!…それは仕舞にTPを削られる始末になり出し、マサツグもこれには困った!

とばかりに思わず足を止めて見せると、更に進み辛い!と思わず文句の言葉も

漏らして行く!…するとそんなマサツグを励ます様にモツ達が後方より言葉を!…


「頑張ってくれマサツグ!!!

ここでお前が負けたら全員がこの波に飲み込まれてしまう!!!」


「負けないでマサツグ!!!

きっと貴方ならこの波を乗り越えられる!!!」


「あの時を思い出すのだ!!!

バルデウスのゲイルジャッジメントに立ち向かった時の事を!!!」


「…自分が代わってやろうと言う気は無いな?……」


__ッ!!……シィ~~ン……はあぁ~…


それはマサツグを応援する様な言葉を口にするのだが、実際の所はマサツグを

盾にする為の口実で!…当然マサツグが倒れたら誰かがやる羽目に!…それを

何とか避けたいが為に頑張れ!と言葉を口にすると、全員でマサツグを盾に

する!…そしてそれはマサツグとしてもちゃんと真意を分かって居る様子で

呆れて見せると、次には後方の連中に対してツッコミを!…と言うのもそれこそ

変わる気は無いのか?と…労りの心を見せてくれ!とばかりに言うのだが、その

言葉を聞いた瞬間!…一気に仲間達の声が静かになる!…そしてその様子を見て

マサツグも更に呆れて見せると、溜息を一つ吐き…だがそこでずっと止まって

居る訳には当然行かず!…再び踏ん張る様にして前へ前へと動き出すと、何とか

広場へ向かって進み続ける!…


さてそうしてマサツグ達の方でも動きを見せて居る一方!…話はもう一度オリハと

フィロとパルシディアナのワチャワチャの方に戻り!…時間は互いに戦闘を始める

膠着状態の様子から!…広場一杯に緊張が張り詰め!…お互いに実力を知って居る

からこそ迂闊に動けない!と言った反応を見せ合って居ると、ただただその場で

睨み合い!…そして静かに呼吸を…深呼吸をする様に自身の集中力を高めようと

していた!…


__…すぅ~…はぁ~……すぅ~…はぁ~…


{…ちょっと良いですか、フィロネウスさん?…}


「……何じゃ?…出来れば今集中力を乱さんで欲しいんじゃが?…」


{…いや、この方との因縁は分かったのですが…この人は何者なんですか?…

聞いている限りこの人はまるで…

フィロちゃんと同格の様にも聞こえたのですが?…}


互いにいつ動くか!?と言った具合に睨み合って居ると、徐にオリハが質問を!…

すると当然フィロとしてもそんな突然の問い掛けに対してムッと!…次には邪魔を

するな!とばかりに返事をして見せ!…それでも尚用件を尋ねる様にオリハへ

言葉を続けて見せると、オリハもオリハで戸惑いつつ!…そのパルシディアナに

ついての質問をする!…と言うのもパルシディアナとは何者か?と…それこそ

フィロと同レベルにヤバい奴と悟った様子で!…するとその問い掛けに対して

フィロも呆れ…次には溜息を吐きつつ!…逆に知らないのか?と質問を口にすると、

更に話しを続けて行く!…


「…はぁ~……オリハよ、聞いた事は無いのかや?…

パルシディアナの名を?…」


{え?…は、はい…}


「…ならば仕方が無いと言うか何と言うか…

…では心して聞くが良い!…あ奴の名はパルシディアナ!…

この大陸を治めて居る言っても過言ではない!!…

深雪の女王にして実質魔王!!…

氷結を扱わせたら右に出る者は居ない!!…それがあ奴!…

パルシディアナと言うなのじゃ!!…」


フィロはその名前を聞いた事が無いか?について質問をすると、オリハは戸惑い

ながらも知らない!と…するとフィロは更に呆れた様な反応を見せると、更には

諦めもついた様な…とにかく改めてパルシディアナが何者なのかについて答え

出すと、その強さを魔王!と…自身と同格である事を嫌々ながらに話をして行き!…

相手が何かさも厄介極まりない存在である事も口にすると、オリハも漸く理解

したのか!…慌てた様な反応を見せる!…


{ッ!?…ま、魔王!?…それに大精霊って!!!…}


「そうじゃ!…またの名を…氷雪女帝・パルシディアナ!!…じゃ!…」


{ッ!?……ッ!!…あっ!…鑑定アプレェィザァル!!…}


 -----------------------------------------------------------------------

 「氷雪女帝・パルシディアナ」  

 Lv.100      魔王BOSS

   HP 97300 ATK ***   DEF ***

      MATK 1250 MDEF 1250


 SKILL

 舞踏武術 Lv.18 *** Lv.16 *** Lv.18 氷結魔法 Lv.MAX

 妖しき誘惑 Lv.15 服従術 Lv.16 氷の大精霊


 特性 炎系ダメージ半減&水・氷系ダメージ回復

    及び一定確率で魔法反射
 -----------------------------------------------------------------------

魔王の様な強さで大精霊!…そんな相手に喧嘩を売ったとなるとアヤが激怒しそうな

モノなのだが!…勿論そんな事を言って居る場合等では当然無く、ただオリハはその

真実を聞いて驚き戸惑い!…フィロも一切視線を逸らす事無く!…パルシディアナを

睨んだまま更に二つ名の事を口にすると、強敵である事を認め!…更に警戒を強めて

見せる!…それこそいつもは自信たっぷりのフィロがここまでの警戒のしよう見せる

と、オリハも更に慌てた様子で!…と、次にはハッと思い出した様子で鑑定アプレェィザァル!…

自身の目の前にそのパルシディアナの鑑定結果を表示させると、そのステータスを

見て驚き!…やはり平和的解決策は無いのか?と話を続ける!…


{ッ!?!?……あ、あのぅ~?…フィロさん?…

今更なんですがやはりこの人と戦闘をしようと言うのです…か?…

…えぇ~っと…逃げる!…なんて選択肢はありませんか?…}


「そんなモノなど無い!!…あ奴もわっちを見て仕留める気満々じゃ!!…

それにあ奴に背を向けるなど愚の骨頂!!…

…あ奴はアレでも今までに獲物を逃がした事は無い!と言われる程の腕!!…

何よりわっちがあ奴に対して背を向ける等!!…

在ってはならん事なのじゃ!!!」


{ッ?!…う、うわぁぁ…さすが魔王…容赦ねぇ~…

…これは辞世の句でも読んで置いた方が良いのかなぁ?…}


幾らフィロの力が使えるとは言え相手は魔王クラス!…何なら一切衰えも何もして

いない絶頂期の化け物で有り!…と、さすがの猪武者のオリハもこれはヤバい!と

慌てに慌て!…フィロにココは逃げよう!と…自分達の身の安全を考えてとにかく

今出来る提案を口にするのだが、フィロは言う事を聞かない!…無理だ!とその

理由を口にする!…と言うのも相手がやる気満々である事を続けて話すと、一番の

理由に自分のプライドが許さない!と語り…となるとそんな返事が返って来た事で

オリハもガックリ!…もはや観念した様子で呆れてしまい!…全てをフィロに

委ねる様なそんな反応を見せて居ると、フィロも更にツッコミを入れる!…


「…ッ!…えぇい!!…いつものイノシシぶりは如何したのじゃ!?…

その様に弱気ではあ奴を倒すなど夢のまた夢じゃぞ!?」


{最初から倒す気は無いって言ってるじゃないですかヤダ~~!!……}


「ッ?!…えぇ~い情けの無い!!…それでもマサツグの妹かや!?…

こんな時でもマサツグなら果敢に!!…」


それこそ猪振りを発揮するようフィロはオリハに文句を言うと、心を奮い立たせる

様に言葉を続け!…だがオリハからすればこの戦いは完全に無用な喧嘩であり!…

それも自分から首を突っ込んだのならまだしも…完全に巻き込まれた形で自分では

どうする事も出来ない状態で呆れて見せると、逆にフィロへ対して不服を零す!…

するとそんな弱気のオリハにフィロも更にムッとすると、次には一人誰かと喧嘩を

する様に地団太を踏み!…するとそれを見ているパルシディアナとしてはもはや

コントを見て居る様?…とにかく不気味に感じてしまい!…耄碌したのか?と

ばかりに声を掛けると、更に圧を掛けて行く!…


「……ッ?…さっきから一人で何をブツブツと!!…

貴様!!…私を馬鹿にしているのか!?…」


「ッ!!…えぇい!!…

お主には分からんじゃろうがこっちにもそれなりの忙しいんじゃ!!…

ちょっと黙っておれ!!!」


当然今から戦おうとして居るのにこの体たらく!…当然見ている側からすれば

茶番で有り!…勿論そんな様子に馬鹿にして居るのか!?と…パルシディアナが

いつまで待たせる!とばかりに続けて挑発もして行くと、フィロもカチンと来た

様子で振り返り!…次には文句を言い返す様に黙れ!と言う!…それこそ本当に

一戦交えようとして居るのにこの文句の言いよう!…これにはパルシディアナも

戸惑い!…


「なッ!?…ッ……ほほぅ?…

それだけの無駄口を叩く余裕が有るのなら容赦はしなくて良さそうだな?…

命乞いをするならまだ助けてやらん事もなかったのだが…」


「…ッ!?……はあぁ~~??…何を言っておるお主?…

命乞いをするのはそっちの方ではないのかえ!?…

それとも何か…お主はこのわっちを倒せる気でいるのかや!?…」


戸惑うと同時に更にピキピキ!…またもや馬鹿にされた!と感じた具合に目尻を

ピクピクと痙攣させると、それでも懲りない様子で話しを続ける!…何なら

向こうは譲歩を考えていた様子で話しをすると、命乞いをしたら!と笑い!…

が、それを聞いたフィロは更にカチン!と来た様子でクルっと振り向き!…

次には絶対に退かない事を口に!…逆にパルシディアナを煽る様な言葉を続けて

見せると、更にオリハを困惑させる!…それこそパルシディアナの話を聞いて

ハッとした様子を見せるのだが、その返事の仕方で頭を抱え!…するとこれには

パルシディアナも逃がさない!と…更に両腕に冷気の様な物を纏い出すと、

次にはフィロに攻撃を仕掛ける!…


__…スゥ…ヒュオオォォ!!…グッ!!…ッ!!…


「…アイスダッシャー!!!」


__ズシャシャシャシャシャシャシャシャ!!!…


「ッ!……ほっ!!…」


パルシディアナが唐突に攻撃態勢へ入って行くと、フィロもそれに合わせて機敏に

反応をして見せ!…だがパルシディアナは構わずフィロに向かって攻撃を強行!…

その際最初にやって見せた霜柱の様に!…片腕で地面を掬い上げる様に腕をブン!

と振って見せると、またもや地面から霜柱を生やす!…そしてやはりその霜柱も

フィロに向かって襲い掛かるよう伸びて行くと、地面を揺らして見せるのだが!…

しかしフィロはやはり喰らうつもりは無い様子で大きく跳び!…これまた再放送と

ばかりに何なら先に生えていた霜柱の方へと跳んで行くと、逆にパルシディアナへ

奇襲を掛ける!…


__シュバ!!……クルクルクルクルクルクル…ガッ!!…


「ッ!!…来るか!!…」


「…ッ!今度はこっちの番じゃ!!…フライング!!…フィロキ~ック!!!」


__バシュン!!…コオオオォォ!!!…ッ!!…ガキイイィィン!!!…


弧を描く様に身を丸めながら後ろへ飛ぶと、次にはその先に生えていた霜柱を

足場に!…それこそ計算をして居たかの様に華麗に着地をするのだが、着地を

した所は側面部分で!…膝を曲げたまま次にはグン!と…蹴り飛ばす様にして

その霜柱にフィロの足跡を刻んで行くと、勢いそのままにパルシディアナへ!…

さも某・ライダーキックの様に宙を舞う!…するとパルシディアナもその反撃と

勢いを見てか回避が困難である事を認識すると、瞬時に腕をクロスさせてガードの

体勢に入り!…すると次には衝突!…フィロの飛び蹴りはパルシディアナの腕に!…

パルシディアナも歯を食い縛って耐える様子を見せて行くと、互いに手応えが

イマイチ!と…まずはファーストコンタクトを取って行く!…


「ッ!!…クッ!!…」


「ッ!!…チッ!!…やはりその腕頑丈よな!?…

手応えを全く感じぬ!!…」


__ッ~~!!……ギンッ!!…シュパアアァァ!……シュタ!…


フィロからの攻撃が飛んで来た事でパルシディアナは若干よろめく様子を見せる

のだが、歯を食い縛りながら耐え!…するとフィロもフィロで奇襲に成功するも

手応えが無い!と…その際パルシディアナが腕の氷を固めた思ったのか舌打ちを!…

そして続けて文句を漏らす様に腕が厄介である事を口にすると、更にパルシディアナ

を足蹴に!…華麗にムーンサルトを決めながら距離と取る!…しかしその隙を

見逃さない様にパルシディアナもハッとすると、次には自身の周りに氷の飛礫を

量産し!…


「ッ!!…ハアアアアァァァ!!!!」


__シュババババババ!!!…ッ!!…


「クッ!!…やはり悠長な事はして居られんか!!…」


「さっきはよくも我を足蹴にしてくれたなぁ!!!…

次は此方の番だ!!!…ハチの巣になってしまえ!!!」


__ドヒュヒュヒュヒュ!!!…ッ!!…バババッ!!…


パルシディアナはその場で氷の飛礫を量産すると、すぐさま狙いをフィロに向け!…

と、そんな様子にフィロも気が付いた様子で慌てて言葉を!…何ならこのタイミング

で地面に着地をしてしまい!…パルシディアナも着地硬直の隙を狙って先程の仕返し

である事を口にすると、次には雹の様に!…フィロ目掛けてその量産した氷の飛礫を

射出する!…となるとさすがのフィロもこれを見て途端に顔色を変えると、慌てて

バックステップで回避を!…しかし氷の飛礫は追い駆ける様にフィロに飛来!…だが

フィロも負けじ!と駆け回り!…遂にはその氷の飛礫から逃げ切る事に成功すると、

次には息を切らしながらフラフラとする!…


「…グッ!!…はぁ!…はぁ!…チィ!!…

相変わらずの攻撃判断力じゃ!!…

的確にこちらの隙を突いて来る!!…

…やはりこちらも本気で挑まねばなるまい!!…」


__パキン!…パキンパキン!!…


「…如何した玉藻の前?…もう息が上がっているでは無いか?…

…やはり寄る年波には勝てぬと言う事か?…」


「ッ!?…言わせておけばぁ!!!…」


時間にして数分の事なのだが、パルシディアナは悉くフィロの退路を塞ぎながら

攻撃を!…と、これにはフィロも思わずさすが!と認めざるを得ない程で!…

やはり生半可では倒せない!と…呼吸を整えつつ本気で行く事を口にすると、

そんなフィロの様子にパルシディアナは苦笑!…それこそまた挑発をする様に

フィロの歳の事を漏らして行くと、フィロの神経を逆撫でする!…そして若干

ながら弱っているフィロに対してスッと手を突き出して見せると、また先程の

様に氷の飛礫を量産して見せ!…


「ッ!!…ハアアアアァァァ!!!!」


__シュババババババ!!!…


「ッ!?…えぇい、またか!!…ッ~~~!!…そっちがその気なら!!…」


__シュッ!!…ボボボボボボボボボ!!!…ッ!……


またもや自身の周りに氷の飛礫を量産!…その際これで仕留める気で居るのか

余裕の表情を浮かべて居り!…となるとそんなパルシディアナの表情にフィロも

カチン!と来た様子であり…文句の言葉を漏らしつつ!…フィロも覚悟を決めた

様子で真っ向から勝負をするよう同じ様に自身の周りに狐火を量産して行くと、

次には睨み合って相手の出方を伺って行く!…さてそうして互いに攻撃の準備が

整った所でまたぶつかる!…と言うのも先に動き出したのはパルシディアナ!…

まるで力比べに乗っかったよう氷の飛礫を射出!…フィロもそれに反応して狐火

を放って行くと、互いの攻撃をぶつけ合い始める!…


__スゥ…ッ!……ドバババババババババ!!!…


「…フフフフッ!…」


「ヌッ!!…クッ!!……激しい運動の後でこれは!…キツイィ!!…」


パルシディアナが軽く腕を動かすと、フィロも真似をする様に動かし!…と、

これが始まりの合図となり!…二人が一斉に物を量産しながらのガチンコ対決

をし始めると、その氷と狐火がぶつかっては霧散!…二人の間で蒸気の壁を

作って見せる!…そしてそのパワーの差も現れる様に徐々に徐々にとフィロの

方が押され出すと、パルシディアナは不敵に笑みを!…その一方でフィロは

歯を食い縛りながら耐えて居り!…まだ呼吸が整っていない状態でのこれは

キツイ!と…最初の飛び蹴りからしてやり過ぎた!と言った具合に反省をして

居ると、パルシディアナは何を思ったのか?…徐にフィロの方へと歩き始める!…


__フフフフッ!…コッ…コッ…コッ…コッ…


「ッ!!…クッ!!…舐めおってぇ~!!…」


__シュババババババ!!!…ボボボボボボボボボ!!!…


まるで更に煽るかの様にパルシディアナは蒸気の壁の前へ、そしてフィロに依然

として不敵に笑って見せ!…するとそんなパルシディアナの様子はフィロの目

からも見えて居るのか?…相手が挑発して居ると感じると文句を口に!…そして

負けじとばかりに更に狐火の量を増やして行くと、互いに氷の飛礫と狐火を

ぶつけあっては更に霧散!…それはさも某・奇妙な冒険のオ○オ○○ッシュ同士

がぶつかる様な構図になる!…さてどちらもTPの続く限りラッシュバトルは

依然として目の前で繰り広げられるのだが、やはり徐々にフィロが圧され!…


「ッ~~~!!!…クッ!!…」


{このわっちが圧されている!?…

確かに今のわっちはマサツグに落とされる前の全盛期の力ほど

持っている訳では無いが!…それにしてもこの圧され様とは!!…

……こうなれば奥の手じゃ!!…}


__ジャッ!…ジャッ!…


歯を食い縛り耐えて見せるもやはりパルシディアナに圧されている事でフィロ自身が

戸惑って見せると、自身の無力さに嘆き!…と言ってもマサツグの事を恨むと言った

事は決してせず!…ピンチである事には変わりはないのだが!…それでも苦悶の表情

を浮かべつつ最悪何か策がある様子でパルシディアナの事を睨んで行くと、徐々に

後ろへと下がり出す!…それはまるでパルシディアナに合わせる様に!…音を立てず

に静に後ろへと下がって行くと、その事に気が付いたのかパルシディアナが!…更に

不敵な笑みを浮かべる!…


「…ッ!…フフフフッ!…どうした玉藻?…

私との押し合いに勝てないと踏んで逃げようと言うのか?…

…無駄な事を!…」


「ッ!…フン、誰が逃げるか!!…

…ただちっとばかし手を抜いて居るだけじゃ!!…

あまりにも退屈な押し合いなのでな!!」


「それで後ろに後退しているのか?…

…フフフッ!…苦しい!!…苦しい言い訳だな玉藻!!…

さっきからお前の顔から苦悶の様子が見て取れるぞ!?…

…何なら今ここで鏡を作って見せてやっても良いが!?…」


「フン、ぬかせ!!…今に見ておれ!?…

その綺麗な顔を!!…あっと言う間に驚かせてくれようぞ!!…」


フィロが逃げ腰になったと感じるともはや勝った気で居るのか、パルシディアナは

更にフィロへ挑発の言葉を口に!…するとフィロもそれに対して強がる様に言葉を

続け!…しかし苦しいのは表情に出ており!…パルシディアナもそれを見て更に

嘲笑うよう言葉を続けて話して行くと、更に余裕の様子を見せて行く!…それこそ

氷で鏡を作る様なそんな様子も見せて居ると、フィロはそれに対して逆に馬鹿に

するよう笑い!…が、幾ら強がった所で結果は変わらず!…徐々に徐々にとやはり

フィロが押されて行くと、更に歯を食い縛って見せる!…


__シュババババババ!!!…ボボボボボボボボボ!!!…


「クッ!…」


「フフフ!……」


必死にフィロが狐火でパルシディアナに抵抗をして見せるも、やはりその後も

押され続け!…と、同時にフィロも徐々に後退をし続けて行く始末に!…それは

広場の噴水の方へと向かって行き!…フィロもそれを理解してか更に慌てる様な

そんな反応を見せて居ると、パルシディアナもフフフッ!と…ただ押し込む様に

して追い駆け続ける!…その間両者共に一切手を緩める事無く抵抗し合うと、

更にフィロがそれに比例するよう焦りと苦悶の表情を!…


__シュババババババ!!!…ボボボボボボボボボ!!!…


「ッ~~~!!!……小癪なぁ!!…

小娘如きに!!…こんな!!…」


__コッ…コッ…コッ…コッ…


パルシディアナに圧されてフィロが一歩…また一歩と噴水の方へと後退させられて

行くと、その様子を楽しむ様にパルシディアナはニッコニコ!…この時を待って

居た!とばかりに圧を掛ける!…それは一気にケリを着けるのではなくゆっくり

と、まるで嬲り殺しにするようフィロに近づき!…勿論攻撃の手を緩める事も一切

せず!…逃げ道も与えない様に広範囲に!…さもひたすらに散弾銃を放つ様に

フィロの事を追い立て続けると、フィロは後退を余儀なくされる!…そして遂に

その追い込み猟も終わりが徐々に近付いて来ると、フィロは噴水を背に!…


__コッ…コッ…カツッ!…


「…ッ!?…しまった!!…」


「フフフ!!…さぁ如何するフィロネウス!?…

まさかあれだけ息巻いていたのに!…よもやこれでもう本当にお終いか?…

…かつて魔王と呼ばれた者が…いつの間にそんな非力になったと言うのだ?…

…まぁいい!…漸くこの長き因縁に終止符を打てる!!」


後退をし続け後ろに噴水の淵が有る事に気が付かず踵をぶつけると、フィロは

途端にハッとした表情を!…その際一瞬だけ後ろを振り向いて噴水が背後に

ある事を確認し!…そして同時に逃げ道も無い事を続けて確認をして行くと、

フィロは更に焦って見せる!…それこそ絶体絶命の窮地に立たされている!と

自覚をすると、次にはその表情も苦虫を噛んだ様な表情に!…と、そんな表情を

見てパルシディアナもご満悦!…その際これで最後!とばかりに煽るよう言葉を

口にすると、フィロに止めを刺そうとする!…この時最後の最後まで油断する事

無く飛礫を放つと、フィロの動きを拘束し!…


__シュババババババ!!!…ヒュオオォォォ!!!…キンッ!!……グッ!…


「ッ!!…クッ!!…おのれぇ!!…」


「…さて……そろそろ終わりにしようか…

…この時が来るまで幾星霜!…あの人を奪われたこの怒りを!…

遂に晴らせる時が来た!!!」


「クッ!!…」


パルシディアナは暇をして居る方の腕で冷気を溜め!…そして即座に氷の槍を

作って見せ!…と、その様子を見てフィロも更に歯を食い縛って悔しがる様な

表情を!…この時さも負けた事を自覚した様に言葉も零し!…ただ武器を作った

パルシディアナの事を睨み付けるしか出来ないで居ると、パルシディアナは

徐に一人…今までの事を思い返す様に感傷に浸る!…その際槍を手に自身の胸に

手をそっと当てて行くと、待ち焦がれた様に言葉を!…何なら復讐成就せり!と…

もう勝った様子でとにかく震えると、次にはその作った槍を構えて見せる!…


__チャキッ!!…


「さぁ!!…ここで引導を渡してくれる!!!…

フィロネウスウウウゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」


__ゴオオオオオォォォォ!!!!……ッ!?……


もはや抵抗するだけの力しか見せてないフィロに向かい槍を掲げると、大きく

振り被り投擲のポーズを!…それはまるで槍投げ選手の様に勇ましく!…フィロに

対してこれで終わり!と…最後の言葉を口にして今まさに投擲をして見せようと

するのだが、次には驚いた様子でビクッとする!…その際まだ現場にはギャラリー

が多少なりとも残って居た様子でその光景を見て居り、誰もがフィロ(オリハ)の

死を覚悟して居たのだが!…突如パルシディアナ止まった事でこれまた困惑!…

一体何が有った?とばかりに黙ってその様子を見て居ると、次にはパルシディアナ

が動揺する!…と言うのもパルシディアナがビクッとした原因!…それはフィロに

在り!…


「……くふふ!!…引っ掛かったわ!…」


「ッ!?…な、何を笑っている!?…これで終わり!!…」


「…可笑しいと感じはせんかったかや?……

幾ら今お主の方が力は上でも…相手は自分と同じ魔王級の大物!…

手緩過ぎる…何か策を講じて居るとは考えはせんかったのかや?…」


この時フィロは気が触れたとかではなく勝利を確信して笑っており!…それこそ

今までのパルシディアナを滑稽に思ってかクスクス!と…となるとそんなフィロの

反応にパルシディアナも戸惑い!…本当にこれで最後!とパルシディアナが慌てた

具合に言葉を口にしようとすると、更にフィロは笑いながら言葉を!…違和感が

無かったか?について質問をする!…それこそ相手は自分と同格である事を続けて

話すと、やはり甘ちゃんと笑い!…となるとそんな言葉で更に戸惑い!…パルシ

ディアナがまさか!?と言った表情を浮かべて居ると、次にはそのフィロの言って

居た策が炸裂!…まさかの一発逆転を披露するのであった!…

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『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

転生騎士団長の歩き方

Akila
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【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】  たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。 【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。   【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?  ※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
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目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

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 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

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