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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章一節 不幸な御者と開幕人混みとキラキラお姉さん?…-

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一行はドワーフファミリアを離れてスノーピースに!…この時馬車の旅をまた

二日程過ごす事になるのだが…マサツグを気絶させたせいかフィロは御者の事を

ジトッと!…まるで監視をする様にずぅっと妙に圧を掛けると、御者の事を

泣かせていた!…それこそまたポカをやらかさないか?と言った具合に睨みを

利かすと、御者としても気が気でなく!…となるとそんなフィロの様子にモツも

注意!…いい加減に許してやるよう声を掛けると、何とかフィロの注意を解こう

とする!…


__ジィ~~~~!……


「…はあぁ~…フィロ?…

何度も言うがあれは御者さんのせいじゃなくて!…

俺がリーナに指示を!…」


「いいや!!

だとしてもあんな急ブレーキの掛け方をするなど言語道断じゃ!!

…ここはわっちがしっかりと監視をせねば!…」


先程からジィ~っと御者に圧を掛けて居るフィロにモツは呆れた様子で溜息一つ!…

そしてあの事件を引き起こしたのは自分!と…それこそ何度も説明をしている様子で

フィロに話し!…何とか御者から注意を反らそうとモツが許してやる様に声を掛け

続けて見せて行くが、フィロは一向に話を聞こうとして見せない!…と言うのも

モツの話を一応は理解をして居る具合に反応するが、それでもプロ意識が足りない!

と…それこそあの時のブレーキの掛け方にケチを付け出し!…再度また御者の監視に

フィロがクルッと戻って見せると、また御者に圧を掛けて見せる!…すると御者も

それを受けて涙目になると、もはや今にも泣き出してしまいそうな表情になり!…

と、そんな様子にマサキとくまさんも呆気に取られ…終いにはこんな感じで疑問を

覚え出してしまうと、旅をするのは大変!と感じる…


{あれ?……RPGってこんなにグダグダしてたっけ?…

だとしたらマサツグ達は大変だなぁ~…}


違和感を覚えながらも我関せずと二人は黄昏、その一方でアヤとリーナはそんな

やり取りに苦笑い…オリハも呆れた様子でマサツグを見ては軟弱者!と…今にも

言い出さん勢いでマサツグの事を見詰めて居ると、その傍らではシロが心配そうな

表情を!…それこそマサツグに膝枕をしては顔をジッと覗き込んでおり!…そして

肝心の本人様はと言うと今だ白目!…目を覚ます様子を見せないで居た!…

因みにマサツグが目を覚ましたのは二日目の朝の事であって、またシロ達に飛び

付かれては気を失いそうに!…が、そこはマサツグも耐えた様子で意識を保ち!…

何なら傍らでは気付け薬を!…モツとオリハの二人が構えるといった事態になって

居ると、マサツグは当然戸惑うのであった!…


さて話は戻って二日後の事!…徐々に見覚えのある街が見えて来る!…ここまでの

道中色々あったものの無事にスノーピースへ戻って来たマサツグ達!…久しぶりの

町並みの風景に胸を躍らせ!…次に挑む霊峰の事を考えながら馬車が町の中へと

入って行くと、遂にスノーピースへ辿り着く!…そして馬車が止まって完全に降りる

事が出来る様になると、馬車から降りるなりその場でシロと一緒に大きく伸びを

し始め!…


「ん!…んん~~!!……はぁ!…

漸く戻って来れたな!…スノーピースに!!…

…まぁここまで来る道中で気絶したりフィロを宥めたりと大変だったが…

とにかく戻って来たな!!」


「はい!…戻ってきましたね、ご主人様!!」


「漸く霊峰に挑めるんだ!……さぁ、ここからが本番だな!!」


マサツグがストレッチをするよう体を動かしながら独り言を言うと、シロもそれに

合わせて笑顔で相槌を打って行き!…と、そしてとにかく辺りを見回すと思わず

ノスタルジーに!…別にここが故郷と言う訳では無いのだが、妙にその街並みに

懐かしさを感じて立って居ると、後からアヤ達も降りて来る。その際マサツグの

独り言が聞こえていたのか、ゆっくり降りて来ては呆れた様子で会話に参加を!…


「えぇ…本当にね?…最初この町に来てコートを買おうと服屋に入ったら…

まさかのスプリングフィールドの王女様と鉢合わせしたり!…

シロの故郷の霊峰に挑む為に装備を整えようとドワーフファミリアに行ったら…

素材を集める羽目になって!…その道中でモツと再会したり!…

この数週間で本当に色々な事があったわねぇ…普通じゃ考えられないけど…

もはや運命的なモノを感じるわね?…」


「あはは…まぁ…そんな事も有るさ…

…じゃあ一先ずはギルドに行こうか?…

俺もクエストの報告とかも有るし…」


それこそこれまでの事を思い出す様にアヤは言葉を口にし出し!…まさか自分も

こうなるとは思っても居なかった具合に話をし!…と、その後に続くようモツも

馬車から降りて来て!…苦笑いをしながらその話に参加をし始めると、まずは

目的地の話をする!…と言っても向かう場所はもう当に決まっており、モツは

ギルドに一旦向かう!と…何ならまだあの掘りテクドワーフ達を救助した報告も

して居ない!と…それも含めて情報集めをする事を続けて話すと、マサツグも

それに賛成するよう返事をする!…


「ッ!…そうだな!一度ギルドでデグレアントの事についても聞きたいし…

何ならリーナの事もあるし……とりま一回ギルドに向かいますか!!…

…って、確かギルドは広場を通らないと行けないんだったよ…な?…」


「ッ!…はぁ~…相変わらずだなぁ?…そうそう!…

一度広場に出て表通りを進んで行かないと駄目だぞ?」


「ッ!…ん、わかった!…了解了解!!」


さて一先ずの行き先も決めた所で一同はギルドに向かうのだが、久しぶりのスノー

ピースのせいか?…マサツグはギルドに向かう道をド忘れしまった様子で質問を!…

と言うのも薄っすらと覚えている感じで言葉を口に!…しかし恐る恐る尋ねるよう

情けない感じでそれを口にして見せると、モツもこれには苦笑い!…思わず溜息も

吐いて見せる!…そしてマサツグに相変わらず!と言葉を掛けると、その質問に

肯定をしながら詳しい事を口に!…するとマサツグも理解した様子で笑って返事を

して見せ!…そこから気を取り直す様にして再度ギルドに向かい歩き出すと、一行は

町の中を進んで行く!…すると徐々にその広場へと近付いてくと、辺りは何やら

騒がしく!…


__ワイワイ!…ガヤガヤ!…


「おい!…早く行かないと見逃すぞ!?

あの人が外に出て来るのは珍しいんだからよぉ!?…」


「分かってるよ!!…だから置いて行くなって!!!」


それはさも今からお祭りでも始まるのか?と言わんばかりの慌て様で、町の人達は

互いを急かし合う様に広場へ!…それはまるで珍しいモノが見られる!と言った

具合に話して居り!…それに釣られて他の冒険者達までもが何事か?とざわつき

始めると、やはり広場へと向かって行く!…それは広場へ近付けば近付く程に更に

騒がしく聞こえるモノで!…その様子に気が付いたオリハがふと不思議そうな

感じで辺りを見回すと、次にはその事を全員に尋ね!…


「…あれ?…今日この町で何か有るのですかねぇ?…

さっきから妙に浮かれている人達が多い様な?……

…それに心成しか広場へ近付く程に人が多くなって来た様な?……」


「ッ!…ふむ……確かに先程から浮かれている者を多々見られる…

オリハの言う通りに何か見世物でも有るのではないか?…

私の国でも旅の一座が来て大道芸を見せたりと色々有った!…

その手合いの物では?……まぁ、あれは確かに面白いモノだったぞ?…」


オリハは思った事をまんま口に!…不思議そうにしながらこの事を仲間に話して

行くと、リーナが少し悩んだ様子で答えを!…と言ってもリーナもあくまで憶測で

しか無い事を口にすると、サーカスでも来ているのでは無いのか?と…その際

身振り手振りでどの様な物なのか?を交えて話し!…その時自分が見た時の光景を

思い出したのか…フフッと笑って見せるそんな反応も見せて行くと、オリハは少し

疑問を持った様な感じで納得をする…


「……そんな所なのですかねぇ?…」


「まぁ、そんな日も有るって事やろ?…行って見たら分かる!…」


と言うのもオリハから見てあの町の人達の様子と言うのは、如何にもそう言った

モノを見に行った様には見えず!…何か別の目的がある様な?…もっと言うと

思い人を見に行く様なそんな反応の様に見れた事を考えて居ると、マサキは話を

纏めに掛かる!…さてそうして一部疑問を持ちつつギルドに向かうと、この時

更にオリハ以上に異変を感じている者がマサツグ達の中に居り!…


{……ッ!?…な、何じゃ!?…この気分の悪い気配は!?…

懐かしい様な…腹が立つ様な………ッ!…

そんな何とも言えん雰囲気がこの先より漂って来ておる!!……}


その者と言うのはフィロで有り!…若干遅れて何か気配を感じ取った様子を

露わに!…その際誰にも気付かれる事無くビクッとして見せ!…更に尻尾の

毛も逆立つ様な!…とにかく嫌な気配を感じ取って若干の焦りを見せて行くと、

思わずその嫌な気配の出所を探る!…しかし幾ら辺りを見回した事でその気配を

感じるのは前方から!…マサツグ達が向かっている広場の方よりビンビンに

感じ!…


{……オリハも何と無くでは有るが異変を感じて居る!…

しかし肝心のマサツグやシロ!…それにモツとアヤは気にしていない様子!!…

…更にお義父様やお義母様も当然ながらこの様子を!…

その[いべんと]とやらと誤解して居られる様子にあるな!!…

…ここはわっちが気をしっかり持たねば!!……}


フィロは広場の方からその妙な気配を感じ取ると、否応なしに警戒をし始める!…

と言うのもその広場から来る気配に覚えがある様子で無意識にイライラ!…その際

オリハが気付いて居る事に関心を持ち!…そして仲間達の様子をそれと無く確認!…

警戒の程等を見て状況の判断をして行き!…自分がしっかりしないと!と一人気負い

始めると、この時尻尾の毛を逆立てたままピリピリとした反応を露わにする!…

そしてとにかくマサツグの後を付いて行くと、辺りの様子に警戒をし続け!…と、

そんなフィロの様子など気付いて居ないマサツグ達は前進!…そのイベントがあるで

あろう広場の方へと向かい続けると、更に気になる言葉を耳に!…


__ワイワイ!…ガヤガヤ!…ワイワイ!…ガヤガヤ!…


「おい、急げって!!…もう来てるみたいだぞ!?」


「待ってよ~!!…これでも…全速力なんだって~!!」


「……そんなに人気なのか?…このイベントって?……

さっきから人の集まり具合が半端ではないのだが?…」


「…俺もそこまでこの町の事を知っている訳じゃないから分からないけど…

とにかく何かしらのイベントが有る事に間違いは無い様だな?……」


徐々に広場へ近付けば近付くほど町の人達や冒険者達等でごった返し!…徐々に

前へ進む事が困難に!…と、同時にやはり何か居る様子で慌てて居り!…それも

まるで一瞬しか見れない様な!…とにかく急ぐ声も更に多く多方向から聞こえて

来始めると、マサツグも興味を持って見せる!…その際ここまでの人気ぶりに

何が有るのか?と悩んで見せると、モツもそれに悩んだ様子で返事を口に!…

と言っても具体的な事は何も分からず!…ただイベントがある事だけは確かで

ある事を続けて話すと、次第にアヤ達も興味を持つ!…さてそうして少しづつでも

徐々に徐々にと広場へ向かうと、更に人並みは混雑に!…仕舞には進めなくなる

程にごった返し!…マサツグ達が立ち往生する羽目になって行くと、堪らずモツに

質問をする!…


__ワイワイ!…ガヤガヤ!…ワイワイ!…ガヤガヤ!…


「うわぁ!……この調子だと広場を抜けるのは無理そうだなぁ~…

なぁ、モツ~!…他にギルドへ抜けれる道って無いのか~!!」


「ッ!…う~ん……俺が知ってる道は今この道だけだしなぁ?…

それにこの状態じゃもう後ろに下がる事も出来ないだろ?…」


この時マサツグ達は完全に人波に飲まれており、身動きが取れない状態に!…

そして後から後からイベント待ちの人達が押し寄せて来る事で退くに退けず!…

そんな状況にマサツグも他に道は無いのか!?と…モツにダメ元で質問を口に

して行くが、モツも渋い顔をしては唸るだけに終わってしまう!…その際その

質問の答えに対してやはり分からない!と答えて見せると、更に後ろから人が

押し寄せ!…となると通りはもはや押し競饅頭と化して行き!…アヤも困った

様子で後続の様子をチラリッ…確認をしたのち悲観的な言葉を口にすると、

とにかくある事を続けて話す!…


「……そうね…後ろはもうイベント目的の人達で退路が防がれているし…

…思う様に身動きが取れないし!…

…とにかく全員がはぐれない様に固まっていましょう?…

…そのイベントもそんなに長い時間をやるとは思わないから…」


「……俺、こう言う人混みの中で待つの思いっきり嫌やねんけどなぁ~?…」


アヤはこの状態で仲間とはぐれる事を危惧すると、取り敢えずはぐれない様に

我慢をしよう!と…と言うのも自分達のパーティには小さな子供達?も居る訳で、

とにかく時間が過ぎる事を祈りつつ!…全員の身の安全を最優先に考えて!…

何とか誤魔化せないか?とマサツグ達に提案をして行くと、マサキがそれに

対してムッと!…少し苛立ちを露わにする!…それはマサキの性格上難しい話で、

マサキはせっかち!…関西弁で言う所のイラチで!…何なら今この状態に

対してもイライラしており!…マサツグも自分の父親の性格を知ってか!…

とにかく今は我慢をする様に声を掛けると、自分のミスと口にする!…


「親父、悪いけど我慢してくれ!!…

気持ちは分かるけど…堪忍してくれ!!…

こんな事を言うのも何やけど近所の踏み切りに

捕まったと思って待っててくれ!!…」


「……近所ってあの98%の確率で捕まる踏み切りの事か?…

あれよりこっちの方が捕まってる時間が長そうやけど?…」


「…もはやリアルでの事を織り交ぜて話す事に躊躇が無いね、兄さん?…」


この時その土地の地元民にしか分からないネタを使ってマサツグがマサキを宥めに

掛かると、マサキも思わず苦笑いをしながらもマサツグにツッコミを入れ!…と、

そんな会話を聞いてオリハも笑い!…誰も分からないと言った具合に遂に現実リアル

ネタまで持ち出した事をツッコんで行くと、心成しか若干怒りが解ける!…しかし

混雑して居る事には違いはなく、今だに前に進めず…するとマサツグの傍に居た

シロが遂に悲鳴を!…人の波に揉まれてか苦しいとばかりに助けを求め始めると、

マサツグに向かって手を伸ばす!…


「ん!…んぎゅ!!……ご…ご主人様~!…たすけてくださ~い!…

このままだとシロ…潰れちゃいま~す!!…」


「ッ!?…シロ!?…ちょっと待ってろ!?…」


__ガッシ!!…ズボォ!!……ブッピガァーン!!!……ふぅ…


「……ッ!!…おぉ~!!…すっごいのです!!…」


突然の助けを求めるシロの声にマサツグが慌てて機敏に探し!…そしてシロを

見つけるなりその手を取って一気に大根を抜くよう引っ張り上げると、勢い

そのままに肩車!…シロの事を無事に救出する!…それと同時にシロの安全も

確保する事に成功すると、二人は揃って安堵の吐息を漏らし!…その際シロは

マサツグに肩車をして貰えた事が嬉しかったのか、尻尾を振りマサツグに

甘えるようしがみ付き!…次には辺りの様子を伺い始めると、その人混みの

多さに目を丸くして見せる!…因みにシロと同じ位の身長のフィロはと言うと、

オリハに憑依する事で事無きを得て…とにかくそうしてマサツグとシロがふぅ…

っと一息を吐いていると、イベントが始まったのか広場の方から何やら歓声が

一際大きく聞こえ出しては!…マサツグ達を吃驚させる!…


__ワアアァァァァァ!!!……


「ッ!!……な、何だ今になってイベントが始まったのか?…

…でも人が動く気配は無いな…これいつまで続くんだろうか?…」


「ここの広場って結構大きかったと思うんだが…

それでも収容し切れないのか……本当に何のイベントをやっているんだ?……」


「……ッ~~~~!!!…何やねん!!…まだかいな!!…

ったくぅ!!…いっそ後ろから蹴り入れて進んだろか!!!…」


「ッ!?…お、お父さん!…落ち着いてぇ!!…」


広場の方から聞こえてくる歓声はまるで歓喜に震えている様な、とにかく興奮した

様子が聞こえて来て!…と、そんな歓声にマサツグ達が驚く一方!…同時に今に

なってイベントが始まったのか!?と言う事にも戸惑って見せ!…更に人が動いて

居ない事にもふと気が付いた反応を露わにすると、言葉を零して困って見せる!…

と言うのも待つ事が苦手なマサキが居る事もそうなのだが、単純にマサツグとしても

早く移動をしたく!…しかし出来ないのが現状で有り!…モツも広場が広かった事を

口に、それでも尚収容出来ないのか?と戸惑って見せると、更にイベントについて

疑問を持つ!…さてそうして一向に動く気配のない人だかりにまたマサキがイライラ

とし始めると、その様子にくまさんがオロオロとした具合で宥め!…と、ここで

シロがハッとした様子である事を!…広場の様子が見えて居るのか、何か奇妙な事を

口にする!…


「ッ!……ご主人様!!…

広場の方にきれいなお姉さんが見えます!!

キラキラしていてとってもきれいです!!…」


「ッ!…え?…お姉…さん?……」


マサツグに肩車をして貰っているシロは両手で双眼鏡を作って見せると、広場の

方を注視する様に覗き込み!…と、そこで見たモノをまんまマサツグに報告!…

何やら有名人でも居るのか?…とにかく煌びやかな女性が居る事を口にすると、

シロとしてもその女性を綺麗!と…若干ウットリとした様子で見詰め続ける!…

となるとそんなシロの言葉にマサツグとしても戸惑った具合に反応すると、言葉を

漏らす様にして返事…当然何が見えて居るのか全く分からず!…ただただ如何言う

事?とばかりに困惑して居ると、更にシロは報告を続ける!…


「はいです!!…シルビィーナお姉ちゃんと同じ銀色のきれいの髪で!…

おめめは青色で宝石みたい!…体も何だかキラキラしている様に見えて!…

とってもとぉ~~っても!…きれいです!!」


「銀髪に青い目で体が輝いてる?……って、それって本当に人?…

…まぁ、それは良いとして…その綺麗な人が出て来たって事は…

このイベント客達はその綺麗なお姉さん目的で集まったんだな、多分?…

だとしたらそんなに時間は掛からない?…」


{…ッ!…銀髪に青い瞳で体が光って居る…じゃと?…

それにそ奴は女子……まるであ奴の様な特徴じゃな?…

確かにあ奴はここに居ても可笑しくは無いが?……}


シロが言うにはその者は銀髪で青い瞳をして居り、そして体が輝いて居る!と…

何ならシロも目をキラキラと輝かせてはまるでお人形さんを見る様に夢中に

なり!…マサツグもその話を聞いて簡単に復唱!…この時その特徴を聞いて

本当に人なのか?と思わず疑問を持ちながらもとにかく現状の整理すると、

この人だかりの原因を推測する!…と言っても原因はそれ以外に考えられる

モノが無い訳で、これまたとにかく恐らくの時間を予測し…と、その一方で

フィロにもその特徴に覚えがある様子で悩み出し!…同時に何か嫌な事を

思い出した様子!…何か眉間にしわを寄せるそんな反応を見せて居ると、更に

シロから報告が飛ぶ!…


「…ッ!…お姉さんが広場の真ん中に集まった人達に手を振ってるです!…

…皆お顔が真っ赤になってるです!!…まるでタコさんみたいです!!…

…でも皆笑顔です!!…泣いてる人も居ます!!」


シロは更に広場で起きている事を逐一報告!…まるで実況をし始め!…何ならその

お姉さんがファンサファンサービスをして居る様であり、それを受けた者達は限界化感無量!…さも茹で

上がったタコの様だとシロは続けて話しをする!…するとそれを聞いてマサツグも

アイドルの現場か何か?かと疑問を持つと、次にはその感情について更に疑問を…

と言うのもマサツグは生まれてこの方そう言った事にてんで疎く!…まだ感極まる

のは分かる!と…しかしNPC相手にそんな事が起きるのか?と言った疑問を持つと、

思わずポロッと零して見せる!…


「……このゲームのアイドルか何かなのか?…

多分そのシロが言うお姉さんはNPCで間違いないと思うけど…

それにしても笑って手を振られた程度で顔を赤くするなんて有るのか?…」


__ッ!……チラッ?…


「…ッ!…何?…如何したのモツ?…」


「ッ!…い、いや!…何でも無い!…何でも無いんだ!…」


「ッ!…そ、そうなの?…それなら良いんだけど?……」


__……/////ッ…


それこそ純粋に疑問を持った様子でマサツグが漏らすと、その話を聞いて思わず

モツがアヤの方へ視線を向け!…するとアヤも気が付いた様子でハッと振り向き

モツに質問!…この時ニコッとモツに笑って見せ!…モツもアヤに微笑まれた事で

何かハッと照れる様なそんな反応を露わにして見せると、次には誤魔化す様に

なんでも無い!と口にする!…その際アヤから途端に顔を背けて赤くなると、

アヤもそれを見て何故か釣られる様に赤くなり!…その際何故か返事もたどたど

しくなってしまい!…互いに顔を背け合っては無言で顔を赤くし合い!…何か

勝手に気不味い雰囲気を作って居ると、そんな二人の事など御構い無し!…シロは

更に何かに気が付いた様子で反応をする!…


「……ッ!…んん?…あれ?…でも、何だろう?…」


「ッ!…どした?…」


「あのキラキラしたお姉さん…どうしてだろう?…

!…

それにミスティーお姉ちゃんみたいに何か涼しそうな服…

…寒くないのかなぁ、あのお姉さん?…」


「ッ!?…腕が凍ってる!?…しかも薄着!?…

…ゆ、雪女?…いやでも洋風な雪女ってどんな?…

ってか腕凍って無いし?…」


この時シロは疑問を持った様子で言葉を口に、そして次には不思議がり…となると

そんなシロの言葉に対してマサツグも疑問を!…シロに何が有った?と声を掛け…

まるで日曜日のお出かけパパさんみたいなやり取りをして行くと、シロもシロで

返事をする!…何でもシロが言うにはそのお姉さんの腕が凍っているらしく、

更には妙に薄着で寒そうである!と…何ならそんな様子にシロはお姉さんの心配を

し始め!…マサツグもそれを聞いて更に戸惑いを覚えて居ると、その一方で

フィロが何かに確信を持ち始める!…


{ん?…何じゃと?…腕が凍っている!?…

…っと言う事はやはり!……オリハ!!…

スマンが少しばかり体を借りるぞ!!…}


「え!?…ちょっとま!!……」


__シュン!!……スウゥ…


「……よし!!…確認をせねば!!……ふっ!!…」


フィロはその確信に嫌な予感を感じて行くと、次には確認をせずには居られない

のか…オリハに謝罪の言葉を口にすると、途端に体を乗っ取ろう!と…となると

オリハもオリハで突然の事に戸惑って見せ!…フィロに待ったの言葉を掛けよう

とするのだが、時既にお寿司!…最初からオリハに取り憑いていた為…フィロは

簡単にオリハの体を乗っ取ってしまうと、次にはゆっくりと目を覚まし始める!…

そして自身の意志で体を動かせるか?の確認をすると、その場で大きく屈み込んでは

勢いを付けて広場へ向かい大きく飛び跳ね!…


__ピョイ~~ン!!……ッ!?…どよぉ!?…


「……ッ!…え!?…お、おいオリハ!?…

…ってオリハがあんなジャンプする訳無いし…

じゃあ、今のはフィロ!?…でも何で!?…」


その際周りの目など何のその!…フィロはその人混みを飛び越える様にして先に

行き!…何ならマサツグもそれに気が付くと戸惑い慌て!…飛んで行ったのは

オリハ!と…慌ててオリハの名前を呼んで制止を呼び掛けようとするのだが、

途端にハッとしてはある事に気が付く!…と言うのもオリハがあんな事をする

筈が無い!と直ぐに悟ると、ハッとした様子でフィロの仕業と看破し!…だが

その間にもフィロは先にへと行ってしまい!…ただ跳んで行ったフィロの姿に

マサツグは如何する事も出来ず!…アタフタとした様子でとにかく何で!?と

言葉を漏らして止まって居ると、シロがその後を目で追う!…


「ッ!!…オリハ叔母さんが広場の方に跳んで行きます!!」


「……ん?…ッ!!…お、おい!…何だアレは!?…」


「誰かが俺達の頭の上を跳んでいるぞ!?…」


「…き、狐?……でも、獣人族の中に狐ってあったか?…」


「分からないが広場の方に向かって跳んで行ってるぞ!?…」


シロはフィロをオリハと誤解した様子でマサツグに報告!…そして同じ様にフィロの

姿に気が付いた者達が続々と!…その宙を駆けるフィロの姿を見て驚きの声を挙げ

出し!…アレは何!?と言った具合に誰もがフィロの姿を愛で追い駆けると、その

一方ではフィロが止まる事無く猛進!…店の屋根や塀等を足場に!…次々と止まる事

無く軽やかに跳んで見せて行くと、徐々に広場へと近付いて行く!…それこそ何か

慌てた様子で飛んで行くと、シロもそれを目で追っては逐一マサツグに報告をし!…


「うぅ~ん……あ、オリハ叔母さん今道具屋さんの屋根の上!…

あ、今度は武器屋さんの看板の上!…

あ、オリハ叔母さん今誰かの頭を踏み台にしました!…

あ、今オリハ叔母さんが!!…」


__ピョイン!ピョイン!…


「…シロ?…報告してくれるのは有り難いけど…

そんな逐一細かい事まで報告しなくても良いからな?…

後、俺の肩の上で跳ねないでくれ?……ッ!…

結構足に来るから!……」


シロは一つ一つオリハの体を乗っ取ったフィロの場所を報告するのだが、その光景が

楽しいのかマサツグの肩の上で尻尾を振りながら跳ねまくり!…幸いシロの太ももが

プニプニな為、マサツグの肩が辛くなる事は無いものの…体重の方が負荷となり!…

その負荷がマサツグの体幹を襲い始めると、マサツグもシロに落ち着くよう声を

掛ける!…その際他の仲間達はまだそんなフィロの行動に気が付いて居ないのか、

その跳ねるシロの方に疑問を持ち!…仕舞にはモツがマサツグに質問!…一体何が

有ったのか?と問い掛け出すと、漸くここで事件になる!…


「……一体如何したんだ?…

何をそんなにシロちゃんは楽しそうにヤブの肩の上で跳ねてるんだ?…」


「ッ!!…さっきオリハ!…じゃなくて!!…

オリハの体を多分乗っ取ったフィロが広場に向かって飛んでったんだ!!…

…てか見て無かったのか?……あぁ、とにかくその光景に影響されて!!…

シロがこんな風にご機嫌に!…」


__ッ!?……ウズウズ!…モジモジ!…ウズウズ!!…モジモジ!!…


それこそ先程まで何も見て居なかった様子で質問をすると、マサツグも振り返って

返答!…その際フィロが行ってしまった事を慌てて話し!…更にその様子を見て

居なかったのか?についてもモツに戸惑いながら質問をすると、モツはキョトンと

して見せる!…と言うのも当然先程までアヤと一緒になってカァッと赤くなって

照れて居た為、フィロが飛んで行った様子など見て居らず!…と、とにかくそんな

モツの表情を見てマサツグもハッと!…察した様子で仕切り直し!…その結果が

今のシロである事を説明すると、モツも納得した様子で慌て出す!…因みにシロは

マサツグに注意をされた事で跳ねるのを止めたのだが、やはり楽しかったのか

何かウズウズ!とした様子を見せており…何なら葛藤する様にお尻をモジモジ!…

揺らす様にして我慢しており…マサツグもそれを感じて如何したものか?と頭の中で

考えていると、更にモツから質問が飛ぶ!…


「…何で広場に?…てかフィロって憑依出来たの!?……」


「それは俺が聞きたいって!…

…とにかく!…フィロは行っちまったし如何したモンか?…

…ってか本当に見て無かったのか?…フィロが飛んで行く所?…」


「ッ!…え?…あ、あぁ……ち、ちょっとな?…」


「……ッ?」


改めて驚き戸惑った様子で理由を聞くと、何ならフィロが人に憑依出来る事も

今知った様子で言葉を口に!…となるとそんなモツの質問に対してマサツグも

ツッコミ!…原因が不明である事をモツに話すと、これまた改めて質問をする!…

それこそフィロが飛んで行く様子を見て居なかったのか?とモツにもう一度

聞いて行くと、モツは何故か途端にポッと照れて見せ!…それはさも何かを思い

出した様子で頬を染め、何なら背後に居るアヤもポッと!…とにかくさも不自然に

赤くなり!…マサツグが不思議そうにその二人の事を交互に見る様なそんな反応を

見せて居ると、リーナが一人ほほぅ?と…マサツグを余所に理解を深め!…

二人の事を羨む様に!…と同時に何か微笑ましい様子で視線を向けて見せて居ると、

何とも場違いな空気になるのであった!…

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