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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章九十三節閑話 職人魂と弟子入り?…と孫をあやす爺婆-

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さてこの話は本編では語られなかったちょっとした部分の話であり!…時間帯と

してはマサツグ達がアダマンタイトを取りに向かった頃合い…ドレッグの工房に

残った者達の内容である。そしてこの時マサキはドレッグに作業スペースの一部を

借りては、早速修行を!…調金台にて真鍮を打ち、地道に初心者向けの簡単な

アクセサリーを作っては思考錯誤!…及び四苦八苦する様子を見せて居た!…


__コン、コン!…コン!…コン、コン!…コン!……キュッ!…キュッ!…


「……う~ん…まだまだスキルが未熟やから思う様にハンマーが叩けへんな…

まぁ、これに関しては数をこなさな上達はせんから仕方が無いとはいえ…

歯痒いもん感じるなぁ~…」


「ッ!…やっぱり上手く行きませんか?…お父さんでも?…」


自身で作ったアクセサリーを掲げる様にして見ては違うと言って唸り…そんな

マサキの独り言を聞いてくまさんも膝にシロを乗せながら優しく頭を撫でて居る

と、徐に質問を口にする。と言うのもさすがに始めたばかりで直ぐに出来るとは

思っても居ない様子であり、やはり現実リアルとは違うかどうか?について尋ね!…

するとマサキもその質問に対してやはり唸って見せる様で!…如何にも感覚が

若干違う!と…


「うぅ~ん…まぁまだある程度は出来るけど~…

肝心な所で何か急に調子が狂う…

[まぁ]が言う乱数調整って言うのをやらんなあかんのか、それとも…」


やはり現実リアルと比べると手応えが若干違うらしく…その感覚の違いに四苦八苦して

いる事を口にすると、更にはマサツグから聞きかじった程度のゲーム用語を口に

する。その際自分もそれをしないといけないのか?と悩み出すと、それはそれで

面倒!と言った様子を露わに!…何ならその意味も分かって居るのか曖昧であり、

とにかくマサキが唸り続ける様にして悩んで居ると、ドレッグが興味を!…

マサキの隣からヒョコッと顔を覗かせ!…その作ったであろうアクセサリーを

見て行くと、マジマジと鑑定をし始める!…


「…ふむ、どれどれ?…」


「ッ!?…うおぉ!?…な、何や!?…」


「……ほう、ワシは良く出来ていると思うがなぁ?…

…して、これの何所が気に喰わんのじゃ?……」


「ッ!…このアール何やけどもう少し攻める事が出来んのかな?って……」


ドレッグは忖度無しの真剣な表情で顔を覗かせ、マサキもそんなドレッグの登場に

若干驚き!…と、マサキが驚いているのを余所に置き!…ドレッグは素直に思った

事を口にし出すと、マサキに続けて質問をする!…何でもドレッグの目から見ても

不備が在る様にはとても見えず、一体何が気に入らないのか?と…と、その質問に

対してマサキもピクッと反応して見せ!…その真鍮のリングを手に!…マサキは

もっと綺麗な曲線を作りたい!と眉間にしわを寄せながらその事をドレッグに話して

行くと、その曲線を出したい所を指差し!…意見を求める様に答えて見せる!…

するとドレッグもジッとその箇所に目を向けると、渋い顔をして見せ…


「この外側のか?……う~む…だとするとちと厳しいのぅ…

…と言うのも単純にこの真鍮は質が悪い!…

このまま叩けば割れてしまってパァになるじゃろう…こればかりはのぉ?…」


「ッ!…う~ん、質かぁ…質を言われると辛いなぁ……」


ドレッグは一目見るなり無理だと断言!…と言うのも単純に真鍮の質が悪い事を

口にすると、無理をすれば折角の物が壊れると注意をし!…するとマサキも

それを言われて納得した様子でハッとして見せ!…何か現実リアルでも覚えが有るのか?…

その言葉に対して仕方が無いと割り切った具合にハンマーを置くと、そのリングの

加工を渋々終わる。本人としては不服な部分では有るのだが、プロが言うのだから

間違いはなく!…しかしドレッグはそんなマサキの腕を認めた様で!…次には

マサキの作ったリングを称賛すると、見込みがある事を続けて話す!…


「…しかしそれでもこの真鍮でここまでの物が作れたのなら上出来じゃよ!…

これなら店で出しても普通に商品として並べられるレベルの物じゃ!!…

寧ろこれ程の腕を持っていながら初心者と言う方が嘘に聞こえる!…

もし話が本当ならワシ等職人の面目は丸つぶれじゃな?…

あっはっはっはっは!!!…」


「ッ!…いやいや!…やっぱりまだまだドレッグさんには敵いませんわ!…

たった一目見ただけで真鍮の質が悪い事を指摘出来るし!…

これ以上叩けば壊れるって判断出来る!…僕なんてまだまだですわ!…」


それこそマサキの腕を見て本当に初心者なのか?と疑問を持つと、店に出せる

レベルである事を口に!…将来が末恐ろしい!とばかりに笑って話し!…が、

そんなドレッグの言葉に対してマサキは謙遜!…それでも一目でわかる観察力

にさすがと言い!…自分がまだまだである事を口にすると、互いに笑い合って

認め合う!…それはもう意気投合して居ると言っても過言ではなく、ドレッグも

更に話しを口に!…


「…ふむ!…じゃが実際ここまでの物を作っておるのじゃからな?……

ワシが見た所このリングは…純度は2じゃが品質は7と言った所か……

これが質の良い物なら更に良い物がと言った所かのぅ……」


「ッ!…因みにその評価は何段階なんでしょうか?…」


謙遜をするマサキの腕を本当に認めている様子でふとそのリングの評価をドレッグは

口に!…その際気になるのは「純度は2・品質は7」と言う言葉であり…マサキと

しても職人気質!…やはりそれを聞いて気になった様子でその評価について質問を

すると、何なら何段階評価なのか?についても問い掛け出す!…するとドレッグは

その質問に対して誤魔化す事無くマサキに答え始めると、キョトンとした表情で

簡単に分かるよう説明をし!…


「ん?…あぁ十段階評価じゃ!…

ワシ等ドワーフは鉱石や自分で作った物にはそれぞれまず…

を見て十段階で格付けする!…

鉱石の場合は[純度]・[硬度]の二つで評価し!…

作った物等は鉱石と同じ[純度]!…そして[品質]の二つじゃ!!…

鉱石の場合はまぁ両方低くても子供の小遣い程度にはなるが…

作った物は関してはそうはいかん!…

と言うのも当然腕は有ってもその質が悪ければ頭打ち!…

つまりそのリングの様になる!…

…もっと簡単に言うとと言う事じゃな!…

故にそれは良く出来て居るとワシは評価したのじゃ!!…

…普通に店で売れば…そうじゃなぁ?…

軽く7~8000G位にはなるんじゃなかろうか?…」


ドレッグが言うには十段階!…しかもこれはドワーフ達ならではの評価基準で

あるらしく、鉱石と作った物によって若干違う!と続けてマサキに分かり易く

説明をし!…鉱石の方が比較的簡単と言葉を続け、その一方で制作物の方が

シビアな世界である事を口にすると、更に踏み込んだ話をする!…と言うのも

質が悪い物で作れば当然限界がある!と、マサキの作ったリングで例え!…

その上で再度マサキのリングは良く出来て居ると、何ならその店で売った際の

価格の目途も口にすると、くまさんがマサキより喜んで見せる!…


「ッ!!…やった、やったぁ~!!…

お父さんの初の作品評価上々じゃないですか~!!!

ここでも職人としての腕は振えそうやん!!!」


__なでででででで!!!…


「あわわわわわわわわ!!!……」


「まぁとにかくじゃ!…

純度が低くても品質が良ければ高価で取引される事もある!…

逆に言えば純度も低く!…

品質も悪ければ商品にならずにガラクタになる!!…

その事を思えばこのリングは良く出来て居ると!…

故にあの様にワシは評価を付けたのじゃ!!…」


くまさんは自分の事の様に興奮した様子でシロを撫でる!…するとシロも黙って

頭を撫で続けられる!…その際激しく撫でられる事でシロは小刻みに揺れ続け、

もはやバイブレーション状態!…それでもシロは逃げずにあわわ!と言葉を零して

撫でられ続ける!…と、その一方で更にドレッグの説明は続け!…話をまとめ

出し!…と言うのもこれは自身の正当な評価である事を口に!…決して忖度は

して居ない事を改めてマサキに話して行くと、マサキもそれを聞いて納得!…

しかし自分が許せない様子で言葉を零す!…


「う~ん……でもなぁ~?……ッ~~~!!…

だああぁ~~やっぱり気に喰わへん!!!…

自分でも改善出来る所を見つけたら気になってしょうがない!!…

やっぱ、数こなすしか!!……」


「ッ!…あぁっはっはっはっはっは!!!…

…マサキ殿も!…根っから職人と言う訳かのぉ?…

…ウカウカして居れんわい!!…」


ドレッグに褒められた事には素直に納得!…しかし自分でも改善出来そうな点が

ある事に気が付くとモヤモヤし出し!…遂にはやはり自分を誤魔化せなかった

様子で頭を掻き!…自身のプライドが許すまで特訓!…それを誓う様に調金台に

向かって行くと、またもやハンマーを握って行く!…するとそんなマサキの様子に

ドレッグも笑うと、自分も負けてられない!と言った具合に言葉を!…ある種

好敵手ライバルと認めた様子でマサキを見詰め!…その一方でシロも

くまさんに撫で続けられながらも!…突如マサキが発狂した様に見えてしまうと、

くまさんに何事?と質問をする!…


「……ッ?…マサキお爺ちゃんは何で悩んでいるです?…」


「え?…あ、あぁ~!…

さっきから作ってる物が上手く出来なくて悩んでいるだけだよ~?…

気に入らない気に入らないって!…」


「ふ~ん……ッ!…あっ!…じゃあ、ご主人様と一緒です!」


「ッ!…え?…」


「ご主人様も上手く敵を倒せなかった時!…

一人で気に入らない気に入らないって言って!…

お買い物の時も他のお店で安い物を見つけたら!…

凄く落ち込んで気に入らない気に入らないって言ってました!!」


シロからの質問にくまさんは戸惑った反応を見せるのだが、次には何事も無い様に

返事をし…その際マサキの心情を口に!…気に入らない気に入らない!とシロに

話すと、シロも納得した様子で返事をする。そしてその話を聞いてふと思い出した

様にある事を話し出すと、マサツグのある場面を暴露し!…と言うのもマサツグも

似た様な場面があると呟くらしく、それは戦闘の場面だったり!…買い物の時でも

見れる事をくまさんに嬉々として話して行くと、それを聞いたくまさんはブフッ!

と…想像をしてしまったのか笑って見せる!…


「ぶっ!!!…あの子…ゲームの中でもそんな事を!……ククク!…」


「……ッ?…」


「……ッ!…ち、因みにまぁちゃんが落ち込んだ時!…

シロちゃんは如何してるの?…

やっぱりマサツグが立ち直るまで待っているの?……」


シロは別に笑わせようと思って話した訳ではなく、ただ似て居る!と言うつもりで

話をしたかったのだろう!…しかしくまさんが突如噴き出した事でシロは驚き!…

一体何が面白かったのか?と疑問を持つと、不思議そうにくまさんの顔を覗き込んで

行く!…さてそうしてくまさんが笑いのツボに入りそうになって居ると、くまさんは

更にふと気になった事が有ったのか?…次にはそのシロの話に興味本位で質問を!…

マサツグがそうなった時の対処法について恐る恐る質問を口にすると、シロは素直に

返事をする!…


「……ッ?…うぅん!…

ご主人様が落ち込んだらシロが励ましてあげます!!」


__……ほわほわぁ~…マサツグがシロに励まされている図…


{ご主人様ぁ~!!…しっかり~!!!}


{気に入らない!…気に入らない!…}


この時くまさんからの質問に対してやはり疑問を、しかしシロは首を傾げるだけに

終わってしまい!…次には首を左右に振って違う!と…いつもマサツグを励まして

いる事を口にすると、天真爛漫に笑って見せる!…それこそ両手を上げてマサツグが

好きである事もアピールすると、くまさんはその様子を見て微笑ましく思い!…

と、同時に自身の頭の中でまたもや想像!…それこそ買い物に失敗した場面を思い

浮かべ!…同時にそこでシロに慰められているマサツグの姿を思い浮かべると、

これには腹筋崩壊!…やはり思いっきり噴出しながら笑い始める!…


「…ボフゥ!!!……あぁっはっはっはっは!!!…」


「ッ!?…く、くまお婆ちゃん!?…」


「ッ!?…ど、どうなされたのじゃお義母様!?…

何か良からぬ物でも!?……」


「い…いや!…何でもない!…ッ!!……

ただシロちゃんの話を聞いて想像したらおっかしくて!!…

…ッ~~~っはっはっはっは!!!…」


やはり耐えれなかった様子で突然噴出し笑い始めるくまさんに!…これまた

シロとフィロが驚き!…何ならその突然の笑い声にフィロは心配!…思わず

何か悪いモノでも患ったか?…食べてしまったのか?と言った具合に心配を

すると、くまさんは何でも無い!と笑いながらに否定!…しかし堪える事が

出来ない様子で笑い続ける!…するとそのくまさんからの返答にシロと

フィロも首を傾げ!…そうなると一体何が面白いのかったのか?と…と言うのも

シロとフィロからすればもはや当たり前の光景であり!…もはや普通と言う

言葉にある種の麻痺を覚えて居ると、ただただ笑うくまさんの様子に戸惑い

続ける!…さてそうしてくまさんが大爆笑をしている一方で、ここでドレッグが

マサキにある事を伝授しようと!…


「……ッ!…おぉ、そうじゃ!…

ではマサキ殿、ワシで良ければ少しばかりレクチャーをさせてくれんか?…」


「ッ!…え?…」


ドレッグがマサキに教えようとしたのも自身が得意とする技術で有り、興味は

無いか?とばかりに質問をし!…すると突如そんな事を言われたのでマサキも

当然思わず戸惑い!…だがあのドレッグから金属の扱いを教えて貰える!と…

鍛冶師№1のレクチャーを受けれる!とあってはまさかそんな!…嘘では無い

のか!?と言った驚きを隠せない表情を見せて居ると、ドレッグは更に話を

続ける!…


「まぁ言ってもワシもそんなに装飾品を作るのは得意ではないが…

金属の扱いをマサキ殿に教える事位は出来る筈じゃ!…

それだけでも作成の幅は増えるじゃろうし!…

今後貴金属を使った装飾品を作る際にも役立つじゃろう!!…

…どうじゃ?…受けてみんか?…」


「ッ!!……是非お願いします!!…」


「よし来た!!…まずは金属の質の見方でも教えようかのぅ…

まずはこの二つの鉄を見るんじゃ…

~~~~~ッ……」


ドレッグとしても面白いと思った様子で話しをすると、正直な事も口に…しかし

それでもマサキの為になる!と…今後覚えて置くに損は無い!と言った様子で

マサキに勧めると、マサキも乗り気で返事をする!…その際まさかこんな幸運に

見舞われるとは思っても居なかった具合に喜んで見せると、ドレッグもそれを

見て頷き!…すると早速簡単な所から入って行き!…その場で何やら二つの鉄の

インゴットを手に取って見せると、そこから数十分掛けてある事を教える!…

と言うのも…


__数十分後…


「とまぁ金属の見分け方はこんなモンじゃな?…

ほれ、これだけでもさっきのリングに使った真鍮が…

どれだけ質の悪い物かが分かってきたじゃろう?…」


「は…はぁ…正直付いて行くので精一杯でしたが…何とか…

…でも確かにドレッグさんに言われた通り!…

さっきの真鍮が質の悪い物ってのが今ははっきりと分かりますねぇ~!…」


「そうじゃろうそうじゃろう!!…

まずそこを抑えておけばある程度の金属の耐久力も分かってくるじゃろう!…

そうなれば限界を攻める事も出来るし!…逆に修正をする事も出来る!…

この先マサキ殿が扱うであろう貴金属の幅も!!…

これで利かす事が出来るじゃろう!!…」


[マサキは「ドワーフの金属見極め術」を獲得しました。」


まず最初にドレッグがマサキに教えたのは金属の目利きの方法で、これを最初に

覚えておけば勝ち確とばかりに話し!…と、数十分を掛けてドレッグがマサキに

コーチング!…マサキもそんなドレッグの説明に四苦八苦しつつ!…それでも

何とか物に出来た様子でドレッグに理解を示して行くと、そのマサキの視界では

ある事が起きる!…と言うのもマサキの視界に金属や道具に使われている金属等

が目に映ると、その質が一目で分かる様になってしまい!…何ならそれは一々

アイコンになって表示される始末になり!…例えば例題に使われたインゴット…

普通の人が見ればアイテム名が表記されるだけなのだが、マサキやドレッグの

場合はそのアイテム名の下に更に純度までが表記され!…オマケに何故純度が

悪いのか?…不純物が混じっている等と言った原因もピンポイントで表記される

様になってしまうと、その効果にマサキも驚いて見せる!…そしてそのスキルを

獲得したマサキが辺りを見回して居ると、その効果に驚くと同時に本音が…


「…ッ!…ッ!!……す、数十分のレクチャーでここまで分かるんか!?…

これホンマに凄いけど!!……ただこれ外歩く度に物を見たらこうやって…

一々表記されるって考えるとウザいかもなぁ?…」


「ッ!…お父さんそのスキル、オンオフ出来ると思うよ?…」


「へ?……あっホンマや!…」


「……ふむ!…アレだけの説明で物にするとは!…

やはり素質が有るようじゃな!……よし!…

この分なら次のステップも教えて大丈夫そうじゃな?…」


何でも金属を見る度に一々反応!…このスキルはパッシブスキル常時技能で有るらしく!…

となるといかなる時でもアイコンが表記!…するとそれはマサキの視界を遮り!…

もしこれが戦闘中だったりすると、大事故を呼んでしまう恐れが出て来てしまう

訳である!…と、マサキもそんな感じてウザイ!と漏らすと、くまさんもそれを

聞いてハッと反応!…さもマサキの視界状況を理解した様子で、ふとそのスキルに

ついて何か調節が出来ないのか?についてアドバイスを出すと、マサキも気が

付いた様子で設定する!…さてそうして大事故が起きる危険性は去って行き、その

一方でドレッグは見込みがある!と…何なら教える側としてもやりがいがある!と

やる気を出し!…更にマサキに色々と教える姿勢を見せて行くと、マサキも乗り気

になって来る!…


「ッ!!…お願いします!!!」


「うむ!!…では、次はそうじゃなぁ?…ハンマーの使い方…と言いたい所じゃが…

…見ておったらもう基礎は出来て居るし…ハンマーはいいとして…

…そうじゃの?…ワシ等ドワーフの金属加工術を教えようかのぉ?…

マサキ殿なら何の問題も無く習得出来そうじゃしな?…」


「ッ!!…うっす!!!」


「うむ!!…では、先程の鉄インゴットを使ってその技術を見せようか!!…

まずは……~~~~~~~~~…ッ………」


マサキはさも子供の様に目をキラキラとさせながら返事をすると、貪欲にドレッグ

から技術を盗もうと!…するとそんなマサキの反応が気に入ったのかドレッグも

乗り気になり!…その際ハンマーの扱いを!…と、行こうとするのだが既に基礎が

出来て居る為もう良い!と…しかし基礎が出来ているなら!と更に厄介な課題を

マサキに出すと、マサキもこれには燃えて来たのか!…ドレッグに元気に返事を

する!…それこそその場面だけを見て居ると、さも熱血漫画の様に熱くなり!…

となるとそんな熱気に宛てられてかドレッグも徐々に熱血に!…マサキに容赦の

無いレクチャーを叩き込み!…マサキのそれに答えるようそこから二時間ぶっ続け

で鍜治場と向かい合って見せて行くと、遂には本当に物にする!…


__二時間後…


__カイィン!!…カイィン!!…カイィン!!…カイィン!!…


「…うむ!!…まあそこまで出来れば合格じゃな!!…

…本当にマサキ殿は筋も良いし覚えも早い!!…

…いっその事ワシの弟子にならんか?…」


「ッ!…いやぁそんな!…でも考えさせて貰いますわ!!…」


「ッ!…あぁっはっはっはっはっは!!…

そうかそうか!…あぁっはっはっはっはっは!!!…」


[マサキの「金属加工術」が進化し、[ドレッグの金属加工術]を獲得しました。」


ドレッグもマサキに及第点を出すと筋が良い!と、何なら弟子に欲しい様子で

笑いながら言葉を口にし!…と、そんなドレッグの言葉に対してマサキも謙遜!…

しかし弟子の件は満更でも無い反応を見せており!…一旦は考えさせてくれ!と

その話を一応は保留にするよう続けて見せると、ドレッグも笑いながら了承を

する!…さてその話も何処までが本気なのか?と言った所ではあるのだが、

マサキは確実に裁縫師としてより鍛冶師として成長して行き!…となるとそんな

様子を見てくまさんも苦笑い!…もはや方向性が分からない!と言った若干の

戸惑い様を見せて居ると、フィロが徐に呟き出す!…


「……ふむ、やはりマサツグはお義父様の息子じゃな!……

学習スピードが尋常ではない位に早い!……」


「ッ!…え?……」


と言うのもフィロはマサキとマサツグを重ねた様で、二人が良く似ている事を

口に!…この時学習スピードが尋常じゃない位に早い事を上げて行き!…その

フィロの言葉を聞いてマサキとくまさんがピクッと反応をして見せると、

次には尋ねる様にして言葉を零す!…それこそ振り返って如何言う事か?と

言った不思議そうな表情を見せると、フィロも更にその話の続きを口にし!…


「…わっちがマサツグを初めて見つけたのは…

…そう…忘れもしない春野原王国の闘技祭での事!…

…その時のマサツグもまだ当然駆け出しだったと言うのに…

ひょんな事で騎士団長のリーナと戦う事になってしまい…

じゃがその時のマサツグの学習スピードは恐ろしく早く!…

最後は見事にあのリーナの喉元に剣を突き付ける結果に!…

…それがまるで今のお義父様と同じの様に見えてまして…」


「ッ!……フッ!…そりゃそうだろうよ!…

だってアイツは俺の自慢の息子なんだからな!!…」


マサツグが駆け出しだった時の話!…それをさも自身の馴れ初めの様にマサキや

くまさんに話して行くと、あの時の成長スピードは凄かった!と…先程のマサキと

重ねて話をする!…それこそあの時は胸が躍った!とばかりに話しをすると、今も

尚鮮明に覚えて居る様子でモジモジとして見せ!…と、そんな話を聞いてマサキも

徐にフッと笑みを!…フィロに対して当たり前!と物語るよう笑って見せると、

マサツグの事を自慢!と…父親として鼻が高い事を口にする!…その際全く嘘偽り

ない表情を露わにすると、フィロも笑って同意をして見せ!…


「ッ!…ふふ!…そうでございますね!…何せわっちの自慢の旦那様……」


__ピクッ!!…ピピピピッ!!…


「ちょっと待つですフィロ!!!…

シロは!!…シロはそんなの認めては無いです!!!!…

ご主人様のお嫁さんになるのなら!!…シロを納得させるのです!!!」


この時サラッとフィロはマサツグを旦那扱い!…が、それを当然良しとしない者が

近くに居り!…その際その者は耳を機敏に反応させるとピコピコ動かし!…そして

フィロに対して噛み付くよう言葉を口にすると、堂々認めない!と豪語する!…

…因みにその待った!を掛けた人物と言うのは言わずもがなシロであり!…シロは

フィロに対して敵意を剥き!…となるとそんなシロの南濃にフィロも戸惑い!…

勿論とばかりに文句の言葉を口にすると、やはり不穏な空気を放ち出す!…


「ッ!?…な、何でお主を納得させねばならんのじゃ!!!…

それとも何か!?…お主はマサツグの母親のつもりかや!?…」


「違うのです!!!…シロはご主人様の娘なのです~~!!!

血は繋がっていなくても立派な娘なのです~~~!!!」


「では、お主の同意を得なくとも良いな!!…

何せ…当事者はわっちとマサツグなのじゃからな!!…」


フィロは毎回突っ掛かって来るシロの反応にご不満の様子!…やはりシロに

文句を言い!…だがシロもシロでそれに負ける事無く徹底抗戦!…くまさんの

膝からピョンと飛び降り!…そしてフィロに詰め寄るよう堂々と自身の立場を

口にすると、まずは納得させろ!と言って見せる!…その際ぺったんこな胸を

張ってフィロに威張って見せて行くが、フィロはそんな反応に呆れた様子で!…

と言うのもシロには関係無い!と言葉を口に!…するとマサツグが現在フリーで

ある事を続けて話し!…何ならシロの事をコブ持ち!と…全く気にして居ない

様子で止めを刺すと、シロに論外である!と言って見せる!…そして改めて

マサツグは自分の物!とばかりに主張をすると、シロもそれに膨れて怒り!…


「ッ!?…むぅ~~~!!!!…

絶対に許さないのです!!!」


__ポコ!!…ッ!?…ッ~~~!!!…ポコ!!…


「ッ!!…ッ~~~!!!…ゆるさないったらゆるさないのです!!」


__ポカポカ!!…ポカポカ!!…


「きぃ~~~~!!!

悔しかったらお主も同じ土俵に立つ事じゃな!!!

同じ土俵に立つ気も無いくせにわっちの邪魔をするでないわ~~~!!!!」


膨れたシロはフィロを殴り!…フィロも殴られた事でシロに報復!…となると

もはやゴングは鳴った様なモノでキャットファイトに発展!…やはり子供同士の

喧嘩みたく漫画の様な殴り合いをし始め!…互いに気に入らない!とばかりに

文句を言い合うと、ただ拳を振り下ろし合う!…それこそマサツグは自分の物!

とばかりに主張をすると、どっちも一歩も退かないインファイトを繰り広げ!…


__ポカポカ!!…ポカポカ!!…


「ッ!!…おぉぉコラコラ!…喧嘩しない!…」


「ッ!…危ないから喧嘩をしない!!…

こんな所で喧嘩しとったら怪我するで!?…」


と、そんな様子に当然止めに入り出す大人達である訳で!…くまさんがシロに!…

マサキがフィロの方に回って止めに入ると、暫くの間睨み合いに発展する!…

さてこれがマサツグ達が居ない間の話であり、その頃マサツグはと言うと…


「へっ!…へっ!…ぶわっくしょ~い!!!…

ズズズ……へぇ…」


「……何だ?…風邪でも引いたのか?……」


「……分からん!!…

体もだるくは無いし違うとは思うが……」


「…あっ!…もしかするとシロちゃんかフィロちゃんが噂をしてるんじゃ?…」


「ッ!……はぁ…どんな噂をされているのやら…」


当然仲間達とアダマンタイトを求めては大移動中!…その道中でマサツグが

大きくクシャミをし!…と、そんな様子にモツが大丈夫か?と心配をした

様子で声を掛け!…その言葉に対してマサツグも何ともない!と…風邪等の

心配が無い事を口にすると、ただのクシャミで終わらせて行く!…そして

再び移動をしようとするのだが、ここでオリハがハッと!…と言うのも噂を

されたのでは無いのか?と徐に言い出し!…その噂の元にシロとフィロの

名前を上げて見せ!…何かちょっとでも明るい雰囲気を作ろうとすると、

マサツグも呆れて言葉を零す!…それこそ何を話して居るのか?と零して

行くと、先を急ぎ!…と、そんなこんなでこの話はここで終わり!…当然

この後に待ち受けているあの事件の事を…この時のマサツグ達は知る由も

無いのであった!…

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