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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-
-第五章八十六節 死なば諸共!とシルビィーナの置き土産と試着会!-
しおりを挟む目の前でモツがやられるのを見てマサツグとオリハは当然戸惑い!…その一方で
見事にカウンターを決めたシロ&シルビィーナは横宙返りをしながら地面に
着地し!…そしてシルビィーナは危機一髪!と言葉を零し…咄嗟のカウンター指示
に対してもちゃんと機敏に反応で来た事について褒めるよう声を掛けて行くと、
シロも戸惑った様子ながらに返事をする!…
__……ヒュゥゥ…シュタ!…
「…はぁ…危ない所でしたね?…
シロ様!…」
「は…はいです!……」
そしてまさか臨機応変に対処されるとは思っては居なかった様子で!…何なら
モツを失った事で痛手を負い!…だがずっと茫然としている場合では勿論なく!…
オリハもモツを失った事で弔い合戦を仕掛ける様に動き出すと、次には雪玉を
手に!…シロ&シルビィーナへ向かって突貫する!…それこそもはやシロの事等!…
いやバリバリ気にしつつ!…シルビィーナに向かって挨拶をしながら向かって
行くと、二人も慌てた様子で反応する!…
__ドドドドドドドドドド!!!……ッ!?…
「こ~んに~ちわ~!!
雪玉のデリバリーに来ましたぁ~~!!!」
「わわわ!?…またオリハ叔母さん!?…」
「ッ!!!…今度は背中は取らせません!!!」
__ドドドドドドドドドド!!!……
この時勢い良く向かって来るオリハにシロは戸惑い!…シルビィーナも先程の事を
思い出してか神経質に!…と言うのもやはり学習をしている様子で咄嗟に身構え!…
向かって来るオリハに対して絶対に背後を取らせない!と言った集中具合を見せて
行くと、次には互いにマッチアップ!…睨み合いのある種の膠着状態へと転じて
行く!…そうして全神経を集中させる様なそんな熱い展開を見せて居ると、ここで
シロがハッと気が付いた様子で言葉を!…
「……ッ!?…あれ?…
そう言えばご主人様は!?…」
「ッ!!……」
何でもシロは辺りを見回しマサツグが居ない!と…一番の要注意人物がここに来て
姿を消した事を口にすると、シルビィーナもそのシロの言葉を聞いてハッとし!…
何ならこの時初めてシルビィーナは焦った表情を露わに!…何か辺りを見回したく
ともオリハが居る事で出来ない様な反応を見せ!…そんな状況に苦虫を噛む様な
表情を浮かべて行くと、その間にオリハが迫って来る!…さてそうして否応なしに
シルビィーナがオリハを迎え撃つ準備をし始めると、次には突如シルビィーナの
前でオリハがニヤリと笑い始め!…
__ドドドドドドドドドド!!!………ニヤリッ!…
「…ッ!!!…」
「兄さん!!!
今ぁ~~~~!!!!」
__バッ!!!…
勿論目の前でオリハが笑って見せた事でシルビィーナはビクッと!…まるで
何か本能的に危機を感じ!…となると一体何処から!?とばかりに神経を
研ぎ澄ませ!…必死にマサツグの居場所について周囲を探る様なそんな反応を
見せて居ると、次にはオリハが今!と…マサツグに対して奇襲の掛け声を
掛けて行く!…するとそのオリハの言葉を聞いてかマサツグも突如登場して
見せ、何ならシロ&シルビィーナの背後を取り!…しかも距離にして約数m!…
当然射程圏内に入っており!…シルビィーナも有り得ない!と言った驚きの
表情を見せて行くと、シロも慌てて言葉を!…
「なっ!?……」
「ッ!!!…シルビィーナ!!!
後ろからご主人様が!!!…」
「そんな馬鹿な!?…
いつお隠れになられたと言うのですか!?…
そんな短時間で完全に気配を隠す事など!!……」
__ドドドドドドドドドド!!!……
「オオオオオオォォォォォォォォ!!!!…」×2
これにはあり得ない!と言ってただただ戸惑い!…いつ隠れたのか?とマサツグに
問うのだが!…当然そんな事など答えてくれる筈も無く!…前方からオリハ!…
後方からマサツグが詰めて行くよう襲い掛かると、両者その手に雪玉を握る!…
それこそシロの期待に応えるよう本気を見せ!…二人とも雄叫びを上げ!…と、
今だに勘違いをしている様子でその光景に戸惑いを!…と言うのもクリミア達も
その様子に興味津々!…もはや訓練としか見て居ない様子で戸惑っていると、
各々思った事を口にする!…
「……激しい訓練ね!…」
「……そうですね!!…まるでここまで熱気が伝わって来る様な!!…
もはや実践と言っても過言ではない位の真剣さですね!!…
…我々もあの方達の様に訓練に励まなくてはなりませんね!!!」
「えぇ!!…」
実際の所はただ大人げなくも本気で雪合戦をしているだけなのだが、今だ勘違いし
続けるクリミア達はまるで実戦の様だ!と…次第に自分達でもやってみようか?と…
何かヒントを得た様なとにかく見習うべき点がある様に話しをすると、クリミアも
同意してただただその光景を見つめ続ける!…が、その一方でやっている本人達は
と言うと、それ所ではなく!…これを逃したらまた一からだ!と…これで終わりに
するよう互いに動きを見ながら追い込んで行くと、ここでシロに異変が!…
__プルプル!…プルプル!…
「ッ!?…シロ様!?…」
「…楽しい!……」
「え?…」
この時シロはシルビィーナの背中にしがみ付きながらプルプルと震え!…それは
まるで恐怖して居る様にも感じられ!…となるとそんなシロの様子にシルビィーナも
ハッと気付き!…慌ててシロを心配して声を掛け!…一時は停戦を要求しよう!とも
考えるのだが、次にシロから帰ってきた返事は恐怖している!…いやそんな事を
微塵も感じさせない!…ある種狂気に陥った様な返事が返って来る!…と言うのも
シロはシルビィーナの背中にしがみ付きながら目をキラキラ!と…大いにこの状況を
楽しむ様子を見せ!…
「楽しい!…楽しいです!!!
ご主人様達が本気でシロと遊んでくれている!!!
シロ!!…今物凄く楽しいです!!!!」
「ッ!?…」
「オオオオオオォォォォォォォォ!!!!…」×2
シロは今にも感情が爆発しそうな感じで喜びを露わに!…するとそんなシロの
様子にシルビィーナも振り返って驚いて見せ!…勿論思って居たのと違う!と
ばかりに目をパチパチと瞬きさせ!…シロは前後から迫って来るマサツグ達を
交互に!…一体如何やってこれを倒そうか?と全然諦める気配を見せないで
居ると、尻尾を振って嬉々とする!…するとそんなシロの様子はマサツグ達の
目にも映ると、シロの感情を読み取ってか覚悟を決め!…と言うのも相手は
まだ子供だがフェンリルで有り!…曲者マサツグの子供である事から何をするか?…
とても油断ならないと言った具合に向かって行くと、遂にその瞬間が訪れる!…
「オオオオオオォォォォォォォォ!!!!
喰らえ!!…螺○丸!!!」×2
「……ッ…これまでの様に御座いますね!…
…シロ様、ご無礼を!!!…」
__ガシッ!……
「ッ!…え?……え?…えぇ??…ど、どうしたのですか?…」
マサツグとオリハは一切逃げる事無く突貫して行き、その手に持つ雪玉を突き
出し!…何なら気分はノリノリなのか某・忍者漫画の技名を口に!…すると
シルビィーナもある事を考えたのか、突如覚悟を決めた様子でシロに声を掛けて
行くと、次には謝りながら掴まっているシロを抱っこする!…それこそおんぶ
から抱っこにシフトすると、シロも戸惑った様子で!…だが時間が無い様子で
シロの反応を無視!…となると訳が分からないシロは更に戸惑い!…何なら
シルビィーナ自身に若干の恐怖を覚えた様子で声を掛けると、次にはニコッと
笑って見せる!…
__……ニコッ!…
「ッ!…え?…」
「ご武運を!!!…」
__ギュッ!!!…グン!!!…ブオン!!!…
「ッ!?…きゃああああぁぁぁぁぁぁ!!!……」
シルビィーナが徐に笑って見せた事でシロは少し驚いた表情を見せると、次には
シルビィーナがご武運を!と続け…それはまるで覚悟を決めた戦士の様に無事を
祈り!…そして次には膝を曲げて腕に力を!…と、次の瞬間シロを自身の頭の上
に向かって放り投げ!…さもその場から緊急脱出をさせた様に高々とシロを宙に
舞わせると、シロも驚いた様子で言葉を漏らす!…そして慌てた具合にワタワタ
と空中で藻掻いて居ると、その眼下では遂にシルビィーナが!…
「……どうかご無事で!!…」
「シルビィィィィィナアアァァァァァァァ!!!」
「ッ!!!…」
「オオオオオオォォォォォォォォ!!!!」×2
__バス!!…バス!!…ッ!!!……あぁぁんん♥……
この時やり切った様子でシルビィーナが健やかな笑顔を見せると、ただシロの
無事を祈り!…が、そこにマサツグとオリハが間近に迫っており!…もはや
逃げられないし躱せない!…そんな状態の中でマサツグ達が吠えながらその
シルビィーナに向かい突貫をすると、その手に握った雪玉をお見舞いする!…
その際マサツグはシルビィーナの胸に雪玉を!…オリハは反対側から背中に
向かって雪玉を押し当て!…まるで辻斬りをした様にシルビィーナを中心に
通り過ぎ!…シルビィーナも何故か艶っぽい声を上げて身を捩り悶えて見せて
行くと、二人も狙ってやったと言う訳では無いだが…そんなシルビィーナの
反応に戸惑って見せる!…
「ッ!?…ちょ!?…な、何て声を出すんだ!!…
た、確かに狙った所は不味かったかもしれんが!!…」
__はぁ♥…はぁ♥……するする…ペタン……
撃破した途端にこの声!と…勿論これにはマサツグも戸惑い動揺して見せ!…
何なら誤解されるだろうとばかりに文句を口に!…が、狙った部位が悪かった
事も認め…しかし当の本人は満更でも無い様子で頬を染め!…その場で
ズルズルと腰砕けに!…遂には座り込んでそのまま後ろにパタリ!…やはり
艶っぽい様子で息を切らし!…まるで降伏するよう自身のお腹を見せる様に
倒れて行くと、ここでオリハがある事を思い出す!…
「……ッ!…あっ…そう言えばこの子に下着付けさせてなかった!…」
「ッ!?…おい!?…」
「それにこれ…良く考えたら夏服用だから布地が薄い……」
「どおおぉいぃ!!!…何て物を着せてやがる!!!
ちゃんと季節に合った物を着せてやらんか!!!」
オリハが思い出した事と言うのもシルビィーナに下着を渡すのを忘れていた!と…
と言う事は雪玉を押し当てた際の冷たさは直に近く!…となるとそう聞かされた
マサツグは勿論オリハにツッコミを入れ!…何をしてくれてるんだ!とばかりの
戸惑いの表情を見せて行くと、更にオリハがある事を話す!…と言うのもオリハ
自身もやってしまった!とばかりの表情を見せると、生地の薄さを語り!…何でも
夏服用を渡してしまったらしく申し訳ない!と…そうなるともはや想像するのは
容易であり!…現に目の前にその状態のシルビィーナが転がっているのを目にする
と、当然マサツグが更にツッコむ!…さて、こうしてシルビィーナの格好について
また揉める様に話していると、二人の頭上からは一匹の子フェンリルが!…
__ヒュゥゥゥゥ……ニヤリッ!……
「……さて…後はお前だけか…オリハ?…
今なら降参も受け入れてやるが?…」
「……何を言ってるんだい兄さん?…
まだ私は兄さんに冤罪でぶつけられた雪玉の件を覚えているのだが?…」
「…はあぁ~……やれやれ…小さい野郎だ!…」
この時シルビィーナを倒した安堵感からか完全に忘れた様子で話しをし続け!…
残っているのは二人だけ!と…何ならこのまま終わる事も出来ると話をするが、
オリハが受け入れず!…オリハはオープニングパンチを貰った事を口に!…まだ
根に持っている事を続けて話すと、マサツグは呆れて返事をする!…その際
オリハに小さい奴!と馬鹿にするよう言葉を掛けると、勿論オリハもそれに
カチン!と来た様子で…
「ッ!?…元はと言えば兄さんが!…
雪玉をぶつけて来た事がきっかけで始まったバトロワだからね!?…
何自分は巻き込まれたみたいに振舞っているのかなぁ!?…」
__……ザッ!…ザッ!……
事の発端を話し出すとマサツグのせい!と、そうなるとまたもや喧嘩をし始め!…
そしてこれまたお約束とばかりに相容れず!…いつでも動けるよう互いに突発的に
身構え始めると、両者共に雪玉を握る!…さて距離にして2m未満!…勿論互いが
相手の間合いに入っており!…となるといつ動くか?で考え始め!…互いに睨み
合い動かない様子を見せて居ると、次には痺れを切らしてか!…オリハが先に
仕掛け出す!…
「…ッ!!…埒が明かない!!…先手必勝!!!…」
__バッ!!……
「ッ!!…馬鹿め!!…
こう言うのは先に動いた方が負けなんだよ!!!」
__バッ!!……
オリハが真っ向勝負を仕掛ける様に飛び出すと、マサツグもそれを死亡フラグ!と
言って笑い!…先程同様握った雪玉を相手に押し当てる様にして腕を突き出し!…
互いに一歩も逃げないインファイトを踏んで行こうとして見せると、その一部始終
を見ていたドワーフ達も固唾を呑む!…もはや門番の仕事などそっちのけ!…
どっちが勝つのか!?と手に汗を握り!…と、この時全員がまるでスローモーション
に囚われる様!…場面がゆっくりと動いて行っている様なそんな感覚を覚えている
と、一歩!…二歩!…近付いては拳を交わそうとする!…
「オオオオオオォォォォォォォォ!!!!」×2
__ヒュゥゥゥゥ……ニヤリッ!……
もはや二人だけの世界!…感覚的にはさもバトル漫画の最終話の様で!…
マサツグとオリハも互いの事しか見て居らず!…この時本当に忘れた様子で
徐々に近づいて来るある恐ろしいモノの正体に気付けずに居ると、遂に
互いに拳を固め!…相手の顔面目掛けて繰り出そうとする!…するとこの
瞬間更に奇妙な感覚が!…スローモーションを超えて更にコマ送りになった
様な感覚を覚え!…だが構わず二人はぶつかって行き!…互いに雄叫びを
上げながら拳をぶつけて行こうとすると、それは遂に姿を現す!…
「オオオオオオォォォォォォォォ!!!!」×2
__ヒュウウゥゥ……
「オオオォォォォ!!!」×2
__ヒュウウゥゥ……
「オオォォォ……」×2
__バッ!!!…
「オ?…」×2
__ニマアアァァァ!!!……サアアァァァァァァ!!!!……
コマ送りで場面が進んで行く中!…何かがチラッとマサツグとオリハの視界に
映り!…それこそ最終回宛らの臨場感を感じて居たのだが、その少し気になる
影が入って来た事で集中力は切れ!…思わずその影が落ちて来る方に視線を
向けると、そこで二人をどん底に落とし込む悪魔の姿が!…それはマサツグと
オリハの二人を捉え!…その両手にしっかと雪玉を握って見せると、まるで
ホラーゲームに出て来るお化け宛ら!…満面の笑みを見せて行く!…そして
それを見たマサツグ達としても途端に青褪め逃げようとするが、勿論時既に
お寿司で有り!…
「ご主人様!!…オリハ叔母さん!!…覚悟するです~~~!!!!」
__ヒュヒュン!!…ババス!!…
「はぶしゅ!!…」
__ゴオォォ!!……ドガァン!!…
「おぶふぁ!!!」×2
シロは落ちて来様にマサツグとオリハの顔に向かって雪玉を投擲!…すると当然
躱す事など出来ずにヒットし、二人は前が見えないままに若干仰け反り!…と、
その際互いに向かい合う様にして走って居た為!…これまた避け切れずに正面
衝突!…と言うよりも避ける事がそもそも出来なかった為、互いに吹っ飛び!…
二人仲良くそのまま後ろに倒れるよう大の字になって行くと、動かなくなる!…
…結果としてシロの一人勝ち!…シロは二人に勝てた事で喜びを爆発させ!…
「~~~~ッ!!!!
やった!!…やったです~~~!!!!
きゃ~~~~~~♪」
尻尾をブンブンと振り回しながら更に駆け回り喜び始める!…そして辺り一帯に
シロの喜ぶ声が響き渡り!…外野から見ていたクリミア達もその呆気ない終わり
方にポカンとすると、ただ目を瞬きさせる…この時シロの周りは死屍累々…
モツは埋められシルビィーナは痙攣しながら頬を染めて倒れ…マサツグとオリハは
まるで相打ちしたよう顔に雪を、更に正面衝突した事でダメージを受けたよう
その場で大の字になって見せると、シロの一人勝ちを物語る!…尚このメンバーの
中でモツが先に復帰すると、マサツグ達が倒れているのを見て苦笑いをしたのは
言うまでも無く…とにかく白熱した雪合戦もこれにて終わり…全員が復帰した所で
工房に戻り休む事を決めて行くと、各々死んだ様に眠るのであった!…
因みにこれが楽しかったのか以後自分達の防具が出来るまでの間やる事に!…
四日間の間雪合戦!…しかも真剣勝負でまた睨み合い!…何ならアヤにリーナに
フィロと!…あの時居なかったメンバーが更に参加してやる事になって行くと、
更に混沌を極めるのであった!…さてそんなこんなで四日後!…ドレッグは
キッチリ仕事を果たすと、今一度鎧組全員を試着室に呼び!…
「……では、最後に皆一度出来た防具を着けて見てくれ!…
何処か不具合が有ったりしたら直ぐに言うんじゃぞ?…」
「大丈夫だと思うけどなぁ~…
あの洞窟の時とは違って採寸してあるし…」
「何を言っておるか!…
最後の最後でやはり合わないなどとなったら時間の無駄になる上に
お前さん達の命を守れんじゃろうが!!
幾ら木型で採寸してあるとは言え、最後に微妙な調節をせんと言うのは
職人に有るまじき行為なのじゃぞ!?…」
「ッ!!…へい…わかりました…」
ドレッグは出来た鎧等をマサツグ達の前に並べ、試着室で試着を!と促し…
何ならこれが最後の工程とマサツグ達に協力を仰ぎ!…マサツグもそんな
ドレッグの言葉に対して大丈夫なんじゃ?と言葉を漏らして信頼をすると、
ドレッグはツッコミを入れる様に文句を言う!…それは職人の真剣な表情で
フィッティングの大切さについて語り始めると、同時にマサツグへの説教に
変わり!…と、そうなるとドレッグの様子にマサツグも思わずグッと驚いた
表情を浮かべて見せ!…反省した様子でドレッグに謝って行き!…素直に
試着室へ自分の分の鎧を抱えて入って行くと、中でゴソゴソと着替え始める!…
さてそんな様子にドレッグも溜め息を吐いている呆れていると、次には
リーナからある質問が…
「……すまんがドレッグ殿…」
「ッ!…何じゃ、不具合か?…」
何か申し訳なさそうな感じでリーナがドレッグを…それは若干苦しそうにも
聞こえてくる声で呼んでおり、ドレッグもそんな声に何事!と…勿論大人の
レディが着替えて居る為中には入らず、その試着室の扉越しに何か有ったのか?
について尋ねて行くと、リーナはやはり申し訳なさそうな感じで言葉を口に…
ドレッグの鎧に対してある不満?…がある様子である事を話す!…と言うのも…
「いや…
…些か胸の辺りが苦しいのだがもう少し緩める事は出来ないだろうか?…
これでは息苦しい!…」
「ッ!…え?…」
__ピクッ!!…ムッスゥ~~!!!…
「ッ!…はあぁ~…」
リーナはこの時胸が苦しい!と…さもサイズが合っていない様子で質問を口にし!…
そのせいで息苦しい!と更に続け!…その言葉に反応してかマサツグが戸惑った様子
で声を思わず漏らして行くと、シロもマサツグが反応した事でムス!っと膨れる!…
因みにそれぞれ一人で装備を着替えて居り、そんな中でマサツグとシロの反応を
察してかオリハが呆れて溜息を吐き!…が、そんな事など知らないドレッグは納得
したよう!…こんな事もあろうかとばかりに打開策を話し始め!…リーナにやって
みるよう話をすると、リーナも理解した様子で直ぐに試す!…
「おぉ…そうか!…
では、鎧の側面に有る金具で調節して見てくれんか?」
「ッ!…金具?……ん?…金具と言うのはこれか?…」
__カチッ!…カカカ!!…
「ッ!…おぉ!…楽になった!」
ドレッグの指示でリーナは自身の着ている鎧の側面・脇下辺りに金具が有るのを
見つけて行くと、すぐさま金具を弄り!…それは鎧の中のベルトを調節する金具
だったらしく!…金具は音を立ててベルトを伸ばすとゆとりを持たせ!…リーナも
締め付けていた物が無くなった事でハッとした反応を見せて行くと、次には楽に
なった事を口にする!…そしてこれは便利!とばかりに喜んで話すと、ドレッグも
何故その様な仕様にしたのかを話し出し!…
「ッ!…いやぁ、良かったわい!…
リーナ嬢の成長の様子を考えて胸周りを調節出来る様にしたのだが…
功を奏したようじゃわい!…」
「な!?……~~~ッ…」
__シュボッ!!…シュ~~!!……
と言うのもドレッグも良かれ!と思ってやった仕様であるらしく、勿論別に他意など
そこには含まれておらず!…何でもリーナの胸が成長する事を見越して設計した物で
あるらしく、その事を笑いながら良かった!と…リーナに説明をして功を奏した事を
続けて話すと、リーナはそれを聞いて戸惑い声を!…顔を赤くしながら俯き動かなく
なってしまうと、頭から湯気を出して行く!…が、その様子は当然ドレッグからは
見えておらず、ドレッグはそのリーナの声だけで如何したのだ?と…
「ん?…如何したんじゃ?…
また何か有ったのか?…」
「………。」
「……ん、何じゃ?…何か有ったのなら遠慮は要らんぞぉ?」
「……無自覚なのか?…あれ?…」
また何か不具合が有ったのか?と心配をし始め、リーナに声を掛けて行くが…当然
中から返事が返って来る事は決してなく…そんなリーナの様子にドレッグが不思議
がるよう首を傾げて見せて居ると、その一連の会話を聞いてモツも呆れた様に声を…
ドレッグは天然なのか?と…思わずツッコむ様に言葉を口にして苦笑いをすると、
先にオリハが着替え終えたのか…クルクルと回りながら装着感を確かめて行く。
「…ふむ……」
__ガチャッ!…コッ…コッ…コッ…コッ……クル、クル…クル、クル…
「…うん、不思議!…これって一体如何言う技術なんだ?…
ただアクセサリーを付けただけの様に感じるのに!…
ちゃんと守られてる感がある!…」
取り敢えず防具を付け終えるとオリハは試着室を後に…何なら試着室を使用する
程でも無かったのだが!…と言うのもオリハに用意された防具はブレスレットに
アンクレット!…何方も紛う事無き装飾品にしか見えておらず!…終いには
イヤリングにネックレスと言った物まで用意されてあると、オリハ自身本当に
防具なのか?と疑ってしまう!…しかし実際にそれらを着けて感触を確かめて
行くと、まるでフルプレートの鎧を身に纏った様な防護感に包まれ!…しかし
かと言って動きを邪魔をされる事は決してなく!…これまたやはり何か不思議な
感覚で言葉を漏らし舞って居ると、ドレッグも気が付いた様子で声を掛ける!…
「ッ!…そっちは付け終えた様じゃな?…んん、どれどれ?…
…うんうん!…ちゃんと機能しておるようじゃな!…
これで今まで通り着飾る事も出来よう!!…
良い感じじゃの!!」
「ッ!…ドレッグさんこれって?…」
ドレッグはオリハが出て来た事にふと気が付くと、オリハがくるくると回って
居る方に視線を向け!…その際ドレッグには何か別の物が見えて居るのか?…
オリハがちゃんと渡した防具で守られて居る事を確認すると、安堵の笑顔を
漏らして行く!…この時同時にオリハの趣味も知っている様子で話しをすると、
オリハもピクッと気が付いた様子で脚を止め!…すると次には自身の身に
着けている防具について質問をし始め!…これは一体?と言った戸惑う表情を
見せて行くと、ドレッグもその問い掛けにちゃんと答える!…
「いやなに!…お前さんの趣味も考慮して特殊な物に仕上げただけじゃよ!…
…あの嬢ちゃんの防具を覚えて居るか?…
嬢ちゃんの防具もブレスレットにアンクレット!…
ただお前さんの場合はそこにイヤリングとネックレスが追加されただけじゃ!…」
「……なるほど……ッ!…」
この時ドレッグは非常に簡単な説明をオリハに話す!…と言うのもシロと一緒に
して見た!と…ただオリハの場合守る箇所がシロより多く!…その分装飾品も
増えた事を続けて話すと、オリハも思わず納得する!…何なら装飾品と言えど
その効果は凄まじく!…全てがちゃんとアダマンタイトで出来ており!…その際
宝石等のバフも付いて居る確認して行き!…何ならそれぞれ装備にその宝石の
頭文字が付いて居るのを更に見ると、改めて驚きを露わにするのであった!…
----------------------------------------------------------------------
「オリハ」
「暴走機関車」
Lv.52 「決闘者」
HP 4550 TP 650 装備
ATK 525+80 DEF 460+720 武器 秋雲式・両刃剣
INT 180 RES 480 頭装 アダマンズアクセサリー・R
AGI 660 LUK 200 体装 アダマンズアクセサリー・S
足装 アダマンズアクセサリー・E
MS [武術Lv.7] [短銃Lv.2] 装飾 玄安寺のおまもり
SS [鑑定LV.4] [採取術Lv.3]
[技術向上] [狂獣人化]
[強者の鎧] [決闘者の資格]
[狐憑き+] [戦闘続行Lv.4]
[術技] ※ 現在の装備で出来る技のみ表示
兜割り TP 10 ダッシュ斬り TP 15 火炎斬り TP 20
氷結斬り TP 20 雷撃刃 TP 25 天昇剣 TP 30
烈風刃 TP 45 回転剣舞 TP 35 昇槌斬 TP 40
斬裂想刃 TP 60 蒼閃連斬 TP 75 風刃・雛罌粟 TP 80
----------------------------------------------------------------------
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たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。
【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。
【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?
※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
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目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
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パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
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