上 下
468 / 782
-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章七十三節 工房前での大騒動と約束の品と重圧の部屋・前編-

しおりを挟む



マサツグの事等お構いなし!…シロとフィロはこれでもか!とばかりに

帰って来たマサツグに甘え!…その一方でモツ達は戸惑いっぱなし!…

ただマサツグが吹き飛ばされた事…そしてあの勢いの頭突きを受けたにも

関わらず!…まだ生きて居る事にも同じ様の酷い驚き様を露わにして

見せて居ると、通行人達も何事!?と…とにかく酷い?…

困惑の光景を露わにしていた!…そして肝心のマサツグもシロとフィロに

押し倒されながらも…


ご主人様マサツグ♥…ご主人様マサツグ~~♥♥」


__グリグリ!…グリグリ!…


{……意識が飛んで行くかと思った!……

ハーフリングスでシロの頭突きを諸に喰らって倒れた時の事を思い出すが…

この幼女!…更に出来る様になった!!……パワーがダンチだ!!…

それなのに生きているって事は…つくづく防具の重要性を思い知らさせる…}


ほぼノーガードでタックルを貰っただけに満身創痍!…

しかしシロとフィロを放す事無く受け止め切り!…

その際意識が飛びそうになった!と、思わずハーフリングスで

一連の事件を…シロに戦闘不能にされた時の事を思い出し!…

やはりあの時より成長をして居るのか更に威力が上がった様に

感じて居ると、改めて防具の重要性について認識する!…

さてそうしてマサツグが地面に倒れて瀕死の重傷を負って居ると、

ふとシルビィーナがシロを黙って見詰め!…


「………。」


「…ッ!…ん?…ご主人様ぁ、このオオカミさんは誰ですか?」


「ガッフゲッフゴッフ!!……あ、あぁ…えぇ~っとだな~…」


「ッ!…んん~?…

…ッ!!…こやつもしや!?…」


この時のシルビィーナの目はさも探していたモノを見付けた!とばかりに

目を丸くし、と同時に何やら慈しみ感動を覚えた様な!…とにかく若干普通では

ない様子を見せており、その視線を感じてかシロもピクっと反応するよう

そのシルビィーナの居る方に向かって振り向くと、次には首を傾げて見せる!…

と言うのもまずは初対面で有る事からこの人誰?と、キョトンとした表情を!…

するとマサツグも今更になって咽ながら返事を…今から紹介をするとばかりに

若干苦しそうな表情を見せて居ると、フィロも何かに気が付いた様子で凝視!…

そして言葉を口にしようとした瞬間!…それは起きる!…


__……ッ…パアアァ!!!……


「ッ!?…うおあぁ!!」


「ッ!?…な、何だ!?…」


「シ、シルビィーナ!?」


「ッ!?…この光は!?…」


それはシルビィーナの身に起きた突然の事であった!…シロの事をジッと

見詰めていたシルビィーナはそっと徐に目を閉じる…すると次の瞬間には

自身の体を発光させ!…となるとそんな発光をし始めた事で当然マサツグ達は

驚き戸惑い!…眼を顰めて一体何が起きて居るのか?を確認しようとして

行くのだが、状況がまるで飲み込めない!…出て来るのは困惑した様子の

言葉ばかりとなって行く!…その間にもシルビィーナは自身の体を

発光させると、そのシルエットを徐々に人型へ!…それはさも某・国民的

ポケットなモンスター達で言うと進化をして居るようであり!…

遂には光りが晴れて全身像が!…そこには全く見覚えの無い銀髪の

オオカミ耳の女性が傅く様に丸まっており、チラッともう一度シロの方に

視線を向けて行って見せると、更にマサツグ達を驚かせる!…


「……うわぁ~…めっちゃ美人………って!?…ちょ!?…」


「シ、シル…ビィーナ?……ッ!?…

ちょっと待って!!…この子服着てない!!!…」


「ッ!?……誰か!!…誰か服を!!!…」


改めてその容姿に目を…身長はアヤと同じ位で170cm有るか無いか、

そして体付きはリーナと同じクラスでボンキュッボン!と…

髪はロングヘアーのクセっ毛で肌は褐色…勿論シロと同様で

狼の尻尾が付いており!…見事なまでのクールビューティな顔つきで

ジッと澄まして見せて居ると、とにかくそこに鎮座していた!…

そして全員がその美貌に見惚れる様なそんな反応を見せて居ると、

次には大騒動!…と言うのもその狼の女性は一糸纏わぬ姿で

そこに座って見詰めて居り、全裸と言う事に一同慌て!…

とにかく誰か服を!と騒然して行き!…

しかしその肝心のシルビィーナはと言うと至って冷静!…

さも見られる事に羞恥心は無く!…堂々としてスッと徐に

立ち上がって見せると、次にはマサツグ達の居る方へと歩き出す!…


__……スック……ヒタ…ヒタ…ヒタ…ヒタ…ッ!?…


「ッ!?…な!…何じゃコイツ!!…

確かにこやつからは人狼の気配を感じておったが!!…」


「ッ!!…人狼!?…ッ!!…ヴヴヴヴゥゥゥゥ!!!…

ご主人様はわたさないのです!!!」


__ヒタ…ヒタ…ヒタ…ヒタ……ピタッ!…


一体何を考えているのは分からない表情で真っ直ぐに!…

するとそんな狼の女性にシロとフィロも驚きと戸惑い様を露わに!…

その際フィロはその狼の女性の事を人狼!と…さも面倒なのが来た様に

言葉を口にすると、シロもその言葉に反応して警戒をし始める!…

この時相手の狙いはマサツグだと知った様子を見せて行くと、

二人揃って威嚇する様なそんな反応を見せるのだが!…

その肝心のシルビィーナは怯む事無く!…ただ真っ直ぐに二人の近くに

近付いて行き!…そしてスッとシロの目の前付近で突如近付く事を

止めて見せると、次には更に驚きべき行動に出て見せる!…


__…スッ……


「ヴヴヴヴ!!……ッ!…え?…」


「やっと…やっと!…お見つけ致しました!…」


「え?…え?…」


その驚くべき行動と言うのもシロの目の前で傅いた事で、突如傅かれた事で

シロも驚きを露わに!…その際先程の威嚇の様子も何処へやら…今までの

経験上は初めて見る人種にとにかく戸惑いを隠せない反応を見せて居ると、

シルビィーナは言葉を口にする。と言うのもまるでシロの事を探して居た

様で、その口調もとても丁寧なモノであり!…それは出会えた事に感動を

覚えた様で、しかし抑える様にも見え…とにかくそんなシルビィーナの様子に

シロは困惑!…フィロも何事?と言った様子でただその成り行きを見守って

居ると、更に自己紹介が始まって行く!…


「私の名はシルビィーナ!…マサツグ様に下僕として忠誠を誓い!…

リーナ様よりこの名を頂いた者に御座います!…

…マサツグ様に忠誠を誓う前はどこぞの馬の骨とも分からぬ者のペットに…

そしてずっと貴方様を!…貴方様の事を探して居た者に御座います!!…」


シルビィーナが自己紹介をする際何やら誤解を受けそうな言葉をチラホラ!…

となるとそんな自己紹介にマサツグは当然戸惑いを露わに!…リーナもさも

自分が共犯の様に言われて戸惑った様な反応を見せて居ると、その終盤部分に

差し掛かった辺りで何やら気になる言葉を!…と言うのもシロの事を探して

居た様子で言葉を口に!…するとそれを聞いてシロは更に戸惑って見せ!…

モツ達もその話を聞いて更に戸惑った様な反応を見せて居ると、次には

シルビィーナが感涙を流す!…


「本当に!…本当にご無事で何よりで御座います!!…

我等!…我等が女王のご息女!!…殿!!!……」


「ッ!?……え?…ス、スコ?……ッ~~~…

ち、違います!!…シロはシロです!!!」


やっと出会えた事に感激するよう言葉を口に!…そして顔を上げるなり

本当に嬉しそうな表情でポロポロと涙を!…その際シロの事を王女殿下と!…

しかも聞き慣れない名前を口にされた事で更に一同が戸惑った反応を

見せて居ると、当然シロも困惑!…その名前を口にしようとするが

言えなかった様で…とにかく違う!と否定の言葉を続けて行くと、

自身の事をシロと言って肯定をする!…しかしそう言われた所で

シルビィーナの態度が変わる事は決してなくその場で傅いたままで!…

と、その一方で玄関から顔を覗かせているドレッグも終始困惑!…

とにかくこの混乱を治めるよう徐に声を掛けて行くと、マサツグ達も

ハッとする!…


「……おぉ~い、お前さん達ぃ~!!…とにかく一旦工房の中に入らんかぁ~!?…

…色々と往来の邪魔になって居るし、話は中でもゆっくり出来るじゃろうてぇ!!…

…それにいつまでもそこで倒れて居ったら風邪を引くぞぉ~!?」


「おぉ~い!!…悪目立ちしとるぞぉ~?」


「…それにそこのお嬢さんにも早く服を着せてあげなさぁ~い!!…

見ているコッチが寒いからぁ~!!」


「ッ!?…そ、そうだな!!……グフッ!…ッ~~~!!…

と、とにかく今は服を着てくれシルビィーナ!…ここは人の目が有るからな!…

それとシロとフィロ?…スマンがそろそろ下りてくれ…

あの一撃を貰った後にずぅっと上に乗られ続けられるとキツイ!…」


困惑してる場を打ち砕く様にドレッグの呼ぶ声が!…それは呆れて居る様にも

聞こえると、心配をした様にも聞こえて来て!…それに続くようマサキが

マサツグに向けて注意の言葉を口にすると、更にそこへくまさんも参戦!…

その際尻ビィーナの事を気に掛ける!…この時不思議で仕方が無かったのは

その場の様子に対して全く動じて居ない様子であり、これにはアヤとリーナも

え!?っと…その一方でマサツグも漸く動きを!…しかしやはり起きるには

苦戦をして居るようであり、とにかくシルビィーナに服を着るよう指示!…

そしてシロとフィロにも一旦下りる様に辛そうな表情を見せつつ話をすると、

やはりその様子にアヤ達は戸惑う!…


「ッ!?…な、何で?…何でこんなに淡々と話が出来ているの?…

…私達が可笑しいなんて事は?…」


「……わ、私も違うと願いたい!…しかしこれは!?…」


「ッ!……あぁ~…驚かれているところスイマセン…

これが我が家の日常で、平常運転です…」


__ッ!?!?…


「……何と言うか相変わらずだな…ヤブの所の家族って……」


戸惑うアヤとリーナはそれぞれ自分達が可笑しいのか?と…

互いに問い合うよう言葉を口にすると、それを聞いたオリハがピクッと

反応をして見せ!…と言うのもオリハ自身も薄々理解している様子で

可笑しいと謝罪!…しかしこれがマサツグ達一家の日常の光景でも

ある事を口にすると、更にアヤ達を戸惑わせる!…何でもこれが日常と

言うのは如何言う事なのか?と、一般と言う言葉に疑問を持ち!…

と、アヤとリーナが困惑している一方でモツも苦笑いをして見せ!…

マサツグ達の現実リアル事情を知って居るため何もツッコめず!…

とにかく本当に平常運転である事を零して笑うしかない様なそんな反応を

見せて居ると、そのモツの言葉にマサキとくまさんも反応をする!…


「……ッ!…あれ?……もしかして、本ちゃん?…

本ちゃんもこのゲームやっていたの?…」


「ッ!…あっ!…どうもお久しぶりです!…くまさん、親父さん。」


「いや、挨拶は良いから助けろぉ!!!

いつまでこのカオスな状態で放っておくつもりなんだ!!!…」


マサキとくまさんはモツが本ちゃんである事に気が付くと面識が有る様子で

声を!…するとモツもそんな二人に対して挨拶をし!…この時久々に会うよう

軽く会釈を取って見せ!…一時マサツグ達の事を放置してそのまま話をしようと

すると、すかさずマサツグがツッコミを入れる!…その際シロとフィロは今だに

マサツグの腹の上に乗っており、今だに身動きが取れず!…

と、工房前でいきなりのドッタンバッタン大騒ぎにその道を通りがかる人達の

注目を集め!…しかしながらも何とか回収!…漸くマサツグ達は落ち着きを

取り戻して工房の中にへと入って行くと、事態の収拾にケリを着ける!…

因みにシルビィーナはそのままにする訳には行かなかった為、リーナから

普段着を借りる事に!…そして話は戻って本来の話に!…

取り敢えずマサツグは意気揚々とアダマンタイトをドレッグが構えている

カウンターの上に!…並びにそのソリを目の前に出して行く!…


「…ゴホン!!……まぁ、ここまで来るのに色々あったけど…

とにかくジッチャン!!…取ってきたぜ、アダマンタイト!!!」


__ガラガラガラガラ!!!……


「ッ!?……た、確かに!!…

時間が掛かって居るからもしやとは思って居ったが!…

…お前さん!…あの時同様に本当に驚かせてくれるのう!?…

まさかこれだけの量を取って来るとは!?…」


__ゴトッ……スッ…コンコンッ!…


この時そのカウンターから零れ落ちそうになる程の大量ぶりを露わに!…

となると勿論ドレッグも目を真ん丸にして驚き戸惑った反応を露わに!…

その量も宛ら、本当に取って来た事にも相当驚き!…その際徐にハンマーを

手に取って見せ!…そしてインゴット状の物も一つ手に取り…

質を確かめる様に軽くコンコンと叩き始めると、またその目は驚きに染まる!…

何故なら当然その質も最上級の物であるからして!…この事に本当に在り得ない!と

言った驚き様を見せて行くと、もはや信頼すら覚えた様子で言葉を掛ける!…


「ッ!!…うむ!!…

おまけにさも当然の様に最高に純度の高いアダマンタイト!!…

あのオリハルコンの時と良い本当にお前さんは!…何者なんじゃ!?…」


「ッ!?…い、いやぁ……」


この時改めてマサツグの豪運ぶりに酷く驚いた様子で言葉を漏らして見せると、

本当に人間なのか!?と疑い!…何ならインゴット状にして持って帰って来た

事にも驚きを!…更にはそのソリもアダマンタイトで出来て居る事に色々と

可笑しい!と…とにかく困惑した様子を全面にマサツグの顔を見詰めて行くと、

マサツグもそんな視線に戸惑って見せる!…そうしてマサツグがドレッグに

対して苦笑いをする事しか出来ないで居ると、次には徐にチネットが!…


「それは当然です!!…

何せアダマンタイマイの事を知り尽くした僕達が取ってきたのですから!!!」


「…ッ!?…

大地の精霊ノーム!…エルフのお嬢ちゃん……

また珍しいのを守護精霊にしておるのじゃな!…」


__ッ!……ドヤァ!……


マサツグの代わりに返事をするようチネットが返事!…その際アヤの肩口から

ヒョコッと顔を出すと、自信満々に胸を張って見せ!…この時に自分達が

取って来た!と言葉を口に!…すると突然のチネットの登場にドレッグも

ハッと!…まさかノーム縺れて来るとは思っても居なかった様子でビックリ

すると、次にはアヤに話し掛ける!…何なら良く契約をして来れたな?と

ばかりに珍しい!と…その言葉にアヤも自慢げに胸を張り!…

何なら黙ってドヤ顔も披露!…そんな様子にドレッグも笑い!…

全てに合点が言った様に更に言葉を口にすると、改めてアダマンタイトに

手を掛ける!…


「……なるほどのぅ!…

確かに鉱石や岩の事となるとノーム達を置いて右に出る者は居ない!…

いやいや、納得が行ったわい!……では、早速修復作業に取り掛かるとするかの!…

これは!!…久々に腕が腕を振るいまくらねばならぬ大仕事じゃな!!!」


「ッ!…そんじゃ任せたぜ!…じっちゃん!!!」


改めて状態を確認するようアダマンタイトを手に、そして嬉々とした様子で

言葉を口に!…久々の大仕事にワクワクが止まらない様子であり!…

居ても立っても居られないのか窯の火の具合を確かめ出すと、何やらゴソゴソと

灰?石炭?を弄って見せる!…するとそんなやる気を見せるドレッグに対して

マサツグも一言、期待して居る!とばかりに頼んだ!と言い…するとドレッグも

その言葉に対してピクッと反応をして見せ!…その際ガッツポーズをしながら

任せろ!と…二カッ!と笑って意欲的な表情を見せて行くと、

同時にふと思いついた様子である事を話す!…


「ッ!…任せておけ!!!…このドレッグの名に懸けて!!…

ワシが最高の一振りを作って見せよう!!…期待して待って居れ!!…

……ッ!…それはそうと今日はもう遅い…ここで休んで行くと良いぞ?…

客間が丁度空いておるから、そこで寝泊りしとってくれ…」


「ッ!…え?…け、けど……」


「いやいや、構わん構わん!…

それにこのアトリエはワシ一人には大き過ぎるからな…

客間はこっちだ、着いて来てくれ。」


この時ドレッグが話し出した事と言うのはここに泊れ!と、

工房で休むよう気遣う言葉で…と、このドレッグの申し立てに

対してマサツグ達一同は困惑して見せ!…そこまで面倒になる

訳には行かない!と…戸惑った反応をドレッグに見せて行くのだが、

ドレッグは構わない!と笑って見せる!…何ならこの工房で

自分一人は寂しい…と言った具合に言葉を漏らすと、何か哀愁を

感じる様なそんな様子を見せて行き…とにかく決定事項なのか

ドレッグは半ば強引について来い!と…マサツグ達にそれぞれ

部屋を用意するよう案内をして行くと、結果としてこの工房に

泊まる事になってしまう!…さてそうしてドレッグの案内で

工房に在る客間や談話室等に案内されると、各自に部屋を

割り当てられ…そして全員が工房に泊まる事になるのだが!…

その前にマサツグがある事が気になった様子で号令を掛けると、

談話室に全員を呼ぶ!…


「……急に如何したんだぁ?…マサツグゥ?…」


「そうだぞ…今日はもう終わりにしてまた別の機会に…」


「悪いがちょっと待ってくれ!…

これだけは如何しても気になってな?…

…シルビィーナ!…ちょっと良いか?…」


「ッ!…お呼びでしょうか…我が君…」


__ッ!?……


一通り説明をされて部屋を割り当てられ、全員が休む気で居た所で

このマサツグの話と…談話室に呼ばれた面々が眠そうにしながら

マサツグに何事か?と尋ねて行き…マサツグも全員に謝りながら

シルビィーナを徐に呼び寄せると、早速気になった事について

話をしようとして見せる!…するとシルビィーナは直ぐにマサツグの

傍までやって来ると、指示を待つ様に傅き!…この時マサツグの事を

我が君と呼び出し!…その呼び方に全員が戸惑った様子!…

しかしそれよりももっと気になる事が有る!と言った具合に

仕切り直すと、マサツグは本題に入って行く!…


「ッ!…わ、我が君って!?……ま、まぁいい!…

そんな事より聞きたい事がある!…さっきお前はシロの事を…

確か、と呼んでいたな?…あれは如何言う事なんだ?…

まるで最初からシロの事を知っていた様な口ぶりだったが?…」


「ッ!…それは!……ッ…」


「それにシロに対してのあの態度の変わり様!…

何なら確かに王女殿下!って言ってるのも聞いたが?…」


「………ッ…」


マサツグが気になった本題と言うのもシルビィーナがシロに対して見せた

言動の数々で、一体アレは如何言う事なのか?と…すると途端にシルビィーナの

様子も戸惑い気味に!…その問い掛けに対して何やら返答に困った様な反応を

見せると、次にはモジモジと俯き黙ってしまう!…となるとそんな問答の様子に

モツ達も思い出した様子でハッとすると、目が覚めた具合に二人を見詰め!…

この時のシルビィーナの様子は明らかに何かを隠している様にしかとても見えず!…

マサツグが更に疑問に思った事について質問をすると、シルビィーナは更に

俯き黙ってしまう!…さてそうなって来るとその様子を見たモツを初めとする

アヤやリーナ…オリハにシロとフィロやマサキにくまさんが!…不思議に感じては

シルビィーナを凝視!…するとその視線に耐えかねてか…重い口を開く様に

シルビィーナが独り言を口にすると、諦めた様子を見せて行く!…


「……私とした事が!…感極まってあの様な事を!…」


「…っ?…だから如何言う?…」


「…それに私はもうマサツグ様の従魔……隠し立てをする意味も無い…」


「……何を言って?…」


さも自身が見せた隙を悔いる様に言葉を口に…この時軽く首を左右に振って見せ…

何でも思わず感極まって漏らしたと言い…マサツグがツッコミを入れるよう

如何言う事?と声を掛けると、更に意味深な発言を続ける!…

と言うのももう隠し立てする必要はない!と、まるでもう目的は達成したかの様に

漏らし!…となるとそんなシルビィーナの話に一同困惑!…一体何が狙いなのか?…

若干警戒した様子でモツが更にツッコミを入れると、シルビィーナは顔を上げるなり

真剣な表情を!…何故あの様な事を言ったのか?について話し出す!…


__キッ!…ッ!?……


「…お話します!……

何故私が殿と呼んだのかを!…」


「ッ!………」


この時さも覚悟を決めた様な雰囲気をシルビィーナが放って行くと、

一気に談話室の内の様子はピシッと緊張に包まれ!…と、そんな様子に

マサツグ達も思わずおっ!?と引き締まる様な!…とにかく釣られて

何か緊張する様なそんな反応を見せて居ると、シルビィーナは話を口に…

まずは自身の正体を明かし始める!…


「……私は元々あの母なる山…

皆様が言う霊峰にて女王フェンリルクィーンのお世話係をしておりました…

女王様は愛する人と出会い、そして双子の娘を授かり…

無事出産も成されたのですが…その時!…運悪くも不敬な人間の兵達が

我が女王の城を襲撃に来たのです!……女王様は出産後で満足に動けず!…

戦えるのは霊峰に住まう我々ライカンスロープの一族のみ!…

勿論黙ってやられる訳には参りませんので、必死に人間達に抵抗を

し続けたのですが…不覚にも女王様の元へと行く事を許してしまい!…

その双子の長女様を誘拐!!…」


__ッ!?……ッ…


「我々も必死に長女様を助けようと動いていたのですが!…

人間の兵達の抵抗が激しく!…敢え無く取り逃がしてしまい!…

長女様を魔法で卵の様な殻で包んでしまうと何処かへとそのまま!…

その内人間達も目的を達したのか徐々には退いては行ったのですが…

誘拐された長女様は行方知れず…

それでも何とか次女様だけでも守る事の出来たに安堵をする中、

やはり女王様は長女様を失われてしまった事で塞ぎ込まれてしまい!…

その様子が余りにも御労しく思い!…私が無断で城を出て長女様を

探しに出て来たのです…」


「………。」


__……キュッ!…ッ!……


シルビィーナは自身の正体を霊峰に居る女王の世話係と、そしてシロに

関係するであろう話しをし始め!…と言うのも何故シロがここに居るのか?を

説明する様に不幸事を!…シロはさも誘拐されて来た様な!…その話を聞いて

徐々にマサツグ達も察した様子でとにかくそのシルビィーナの話を黙って

聞き続けて居ると、更に話しは続きを見せる!…何でもその続きの話では

今度は何故シルビィーナがここに居るのか?と言うモノで、内容としては

シロを探しに出て来た!と…するとその話を聞いてシロは不安げな表情を浮かべ!…

次にはギュッとマサツグの腕にしがみ付く素振りを見せると、マサツグが

気が付いた様子で安心させる!…


__……ポンッ…なでなで…なでなで…ッ!…スリィ……


マサツグはいつのもの様にシロの頭に手を置くと優しく撫で出し、

気持ちを宥める様に何度も何度も頭を撫で!…と、そんなマサツグの様子に

シロもピクッと反応して見せ!…マサツグに甘えるようそのしがみ付いて居る

腕に自身の頬を摺り寄せると、小さく丸まって見せて行く!…

するとそんな様子に少しでもホッコリとした様子でマサツグ達の緊張感は

緩和されて行くのだが!…しかし大事な話である事には勿論変わらず!…

途端にマサツグも真剣に取り合うようシルビィーナに親としての顔を見せ!…

そして斬り込むようシルビィーナにある事を聞いて行くと、更に緊張感を

増して行く!…


「……話は大体分かった………で、シロを如何するつもりだ?…

そのフェンリルの母親の元にシロを連れて返るのか?…」


「ッ!?…」


__ッ!?!?…ギュッ!!…


この時マサツグも一切冗談が無い様子でシルビィーナに言葉を口に!…

何なら単刀直入に斬り込み!…と、このマサツグの話の切り出し方に

一同騒然!…さも喧嘩を売る様な話し口調に激震が走り!…

シルビィーナもそんな言葉が飛んで来た事で驚きを露わにして居ると、

シロは力の限りマサツグの腕にギュッとしがみ付く!…

そしてマサツグもまだ話を続ける様に言葉を漏らすと、

その際シルビィーナの話を聞いて確信を得た様に話しを続け!…


「…悪いがそれは俺が許さない!…確かにその話を聞いた限りだと…

シロはそのフェンリルの母親の子供で間違いないだろう…

なんせ俺達がシロを見つけた時って…

何でか卵から孵った奇妙な状態で見つけたからな?…

…大体狼って胎生で子供を産むから卵で生まれる訳は無いし!…

他にも可笑しい点があった!……けどな?…

だからと言ってシロをそう簡単に渡す訳には行かねぇんだ!!…

会う会わないはシロの自由で決めさせてやりたい!…

それが俺の考えだ!!!…

…もし、無理やり連れて帰ろうとするならその時は!……」


__チャキッ!!…ッ!?…ガタッ!!…


「…死んでも絶対に渡すつもりは無いと思えよ?…」


「ッ!!……」


シロを見つけた時の事を話し出し!…色々と可笑しかった点もこれで

納得が行った事を口にするが、シロを渡す気はサラサラ無い!と…

あくまでもシロの意思を尊重するよう言葉を口に!…しかしそれでも

もしもの事を話すと許さない!と…徐に刀へ手を掛け出し!…

と言っても抜くまでに至らず構えるだけで…それでもいつも以上に

真剣な表情を全面に!…これが自分の覚悟!と…シルビィーナに

見せ付ける様にを言い放つと、そんな様子にシルビィーナも

ビビってしまう!…そこには間違いなく我が子を命懸けで守ろうとする

親の姿がハッキリと有り!…マサキとくまさんもそんな様子に驚き戸惑い!…

と、そんな不穏な様子に当然困惑!…さすがに不味い!とモツ達が仲裁!…

慌てて落ち着く様にマサツグに向かって声を掛けるのであった!…

しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

異世界に落ちたら若返りました。

アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。 夫との2人暮らし。 何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。 そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー 気がついたら知らない場所!? しかもなんかやたらと若返ってない!? なんで!? そんなおばあちゃんのお話です。 更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

食うために軍人になりました。

KBT
ファンタジー
 ヴァランタイン帝国の片田舎ダウスター領に最下階位の平民の次男として生まれたリクト。  しかし、両親は悩んだ。次男であるリクトには成人しても継ぐ土地がない。  このままではこの子の未来は暗いものになってしまうだろう。  そう思った両親は幼少の頃よりリクトにを鍛え上げる事にした。  父は家の蔵にあったボロボロの指南書を元に剣術を、母は露店に売っていた怪しげな魔導書を元に魔法を教えた。    それから10年の時が経ち、リクトは成人となる15歳を迎えた。  両親の危惧した通り、継ぐ土地のないリクトは食い扶持を稼ぐために、地元の領軍に入隊試験を受けると、両親譲りの剣術と魔法のおかげで最下階級の二等兵として無事に入隊する事ができた。  軍と言っても、のどかな田舎の軍。  リクトは退役するまで地元でのんびり過ごそうと考えていたが、入隊2日目の朝に隣領との戦争が勃発してしまう。  おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。  その任務の最中、リクトは平民に対する貴族の専横を目の当たりにする。  生まれながらの体制に甘える貴族社会に嫌気が差したリクトは軍人として出世して貴族の専横に対抗する力を得ようと立身出世の道を歩むのだった。    剣と魔法のファンタジー世界で軍人という異色作品をお楽しみください。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

転生騎士団長の歩き方

Akila
ファンタジー
【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】  たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。 【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。   【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?  ※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。

はぁ?とりあえず寝てていい?

夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~

平山和人
ファンタジー
錬金術師のカイトは役立たずを理由にパーティーから追放されてしまう。自由を手に入れたカイトは世界中を気ままに旅することにした。 しかし、カイトは気づいていなかった。彼の作るポーションはどんな病気をも治す万能薬であることを。 カイトは旅をしていくうちに、薬神として崇められることになるのだが、彼は今日も無自覚に人々を救うのであった。 一方、カイトを追放したパーティーはカイトを失ったことで没落の道を歩むことになるのであった。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

処理中です...