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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-
-第五章二十七節 あっさりバレた真実とマサツグ達の実力と遺伝-
しおりを挟む「ちょ!?…え!?…い、一体如何言う事なの!?…オリ!……ハ?…」
「………。」
「……ッ!!…そう言えばマサキ殿は!?…マサキ殿は如何言う関係!?…
ただの古い親友とは言って居たが!…それすらも怪しく聞こえて来たのだが!?」
「ッ!!……あぁ~…こらもうアカンなぁ?…」
今絶賛敵に囲まれて居ると言うのにこの始末!…くまさんの爆弾発言に現場は
騒然とし!…そして盗賊達も突然のアヤ達の慌て様に思わず立ち止まり!…
その際アヤがハッとした様子でオリハに確認を取り出すと、オリハは何故か
アヤから露骨に視線を逸らす!…まるで何か後ろめたいものが有る様に!…
ダラダラと冷や汗を掻いて居り!…するとそのアヤの隣ではリーナもハッ!と…
マサキとの関係性についても疑問を持ち出し、ただの古い友人と言う設定に!…
これも嘘なのでは!?と言った疑念を持ち出してしまうと、それを聞いた
マサキが苦笑いをする!…となるともはや疑念が疑念を呼んでカオス状態!…
敵襲どころの話ではなく!…マサツグもそんな様子に戸惑ってしまい!…
それよりも盗賊達と声を掛けたくて仕方が無いのだが!…事は思う様に
運ばない!…
「ッ!?…ちょ!!…ちょっと待てって!!…
今はそれ所じゃ無いだろ!?……今自分達の置かれている状況を良く!…」
「ッ!!…それならマサツグどうなのよ!?」
「ッ!?…え!?…」
「さっきの話!!…本当なの!?…」
「ッ!?!?…い、いやぁ…それは…そのぉ?…」
それこそ一旦は落ち着く様にマサツグが全員に呼び掛けるのだが、アヤの疑念が
マサツグに飛び火!…やはり事実確認を口に!…するとマサツグもその言葉に
驚き戸惑い!…ハッキリとした答えは口から出て来ず!…ただしどろもどろに
なって慌てる様なそんな素振りを見せて居ると、もはやそのマサツグの様子は
肯定と化す!…となるとさすがにアヤ達もそこまで馬鹿と言う訳では無いので、
マサツグの様子を見て判断したよう!…次には本当に驚いた様子でマサキと
くまさんにゆっくりと視線を…この人達がマサツグの両親!?と言った具合に
戸惑いの表情を露わにして行き!…そんな表情を向けられた事でくまさんも
困惑!…自分が何かした!?…と言った様な、そんな反応を露わにして見せて
居ると、戸惑いの言葉を零して行く!…
「ッ!?…え!?…な、何!?…私何かやっちゃった!?…」
「ッ!?……そんななろう系みたいに言われても!…」
「……って事はやっぱりこの人達が!…」
「マ、マサキ殿と…くまさんは!…
…マ、マサツグの!…父上と!…は、母上!?…」
何か仕出かした様にくまさんは困惑!…その際別に狙って言った訳では無い
のだがなろう系に…となるとそんなくまさんの台詞にマサツグがツッコミ…
もはや諦めたよう何か遠い目をし始めると、これで確定とばかりにアヤと
リーナが改めて驚く!…そう今自分達が守っているのはマサツグの両親!…
そしてオリハの両親でもあり!…この時アヤは普通に驚きを露わに!…
しかしリーナは驚き+何か緊張をした様子を露わに!…そしてその肯定は
当然シロとフィロの耳にも届く訳で、途端にそれぞれが思った事を率直に
行動へ移すよう感情の赴くままに動き出すと、更に現場は混乱する!…
「マサキさんとくまさんが!…
ご主人様の!…お父さんとお母さん!!…」
__カラコロ♪…カラコロ♪…スッ…
「初めましてお義父様…お義母様…
マサツグさんのお嫁に嫁いでまいりました…
フィロネウスと申します…以後お見知りおき…」
「ッ!?…お、おう……てか……マジで?…」
「そんな事を言っている場合か!!!
それにフィロ!!…お前と籍を入れた覚えは無いぞ!?」
シロはその事実が分かると途端に喜び!…両手を頬に当てて目をキラキラと
輝かせると、尻尾を全力で振って見せる!…その際シロの振る尻尾はいつも
より強力になっており、風圧を放つと馬車をガタガタと揺らし!…フィロは
フィロで徐にマサキの元へ!…何やら改まった様子で物腰を柔らかく…
そして腰から頭を下げてマサキ達にお辞儀をすると、改めてマサツグの嫁と
名乗り出す!…となるとそんなフィロの態度にマサキも困惑!…一応返事を
すると本当に?と疑い…だが先程から言っている通りそんな事を言って居る
場合では無く!…マサツグが色々な事に対してツッコむよう言葉を口に
すると、盗賊達も動き出す!…
「……ッ!?…な、何なんだこいつ等!?…と、とにかく構う事たぁねぇ!!…
身ぐるみ全部剥いじまって!!…女は全員掻っ攫うぞ!!!」
__オオオオォォォォォォォォォ!!!!
「ッ!?…チッ!!…動き出した!!…」
「…はあぁ~…おちおち挨拶もしてられぬとは…
ほんに…無粋な奴らよなぁ?…」
散々戸惑って居た盗賊達も動きを見せる!…それこそやはり今だ困惑の色を
見せては居るのだが…一人がハッと我に返ると号令を口に!…するとそれに
続くよう他の連中も声を上げてやる気を出し!…その盗賊達の声にマサツグと
フィロがハッと反応をすると、直ぐに身構える様な素振りを見せる!…その際
マサツグは刀を手に抜刀して見せると、勢いそのままに技を放ち!…フィロは
最初に出した狐火で盗賊達を襲い!…他の者達は若干遅れ!…とにかく戦闘が
漸く始まりを見せて行くと、辺りは一気に慌しくなる!…
「走破連刃!!!」
__チャキッ!!…ズババババババァン!!!…ぎゃあああああ!!!…
「くっふふふふ♪…ほれほれ♪…
その様な動きではわっちに近付く事すら!…
何より自分の身を守る事すら敵わんえ!!」
__ヒュウウゥゥン…シュゴゴゴゴ!!!…ぎゃあああああ!!!…
マサツグが刀を抜くと同時に地を這う斬撃を盗賊達に向けて放つと、盗賊達は
悲鳴を挙げて宙を舞い!…するとその光景を見た他の盗賊達はマサツグに警戒を
するのだが、馬車の後方ではフィロが別に盗賊達を無慈悲にBBQ!…それをさも
楽しむ様に笑顔で見詰め!…マサキからドン引きの視線を集めて見せると、ただ
ただ一切の手加減の様子を見せないで居た!…そうしてマサツグとフィロが
盗賊達を相手にし出すと、遅れてアヤとリーナが警戒!…馬車に近付く盗賊達に
攻撃を開始し!…だがこの時シロだけは今だ呆けた様子で立って居り、盗賊達も
そんなシロを見て寧ろチャンスと受け取った様に近付き出すと、何とか突破口を
開こうとする!…
「……グヘヘヘヘ!!…嬢ちゃん?…こんな所で固まってて良いのかなぁ~?…」
「ご主人様の!…お父さんと!…お母さん!!」
「グヘヘヘヘ!!…お、俺達が一杯楽しい事を!…
気持ちの良い事をしてあげるから…ね!!!」
如何やらその盗賊達の中にも度し難い者が居る様で、シロに息を荒く近付くと
ニタニタと笑い!…その一方でシロは今だ何かに呆けて居り!…マサツグの
両親が居る事にただ嬉々とした様子を見せ続けて居ると、その近付いて来る
盗賊に対して無警戒に立っていた!…そしてその距離も大分と縮まって行くと、
更に盗賊は笑みを零しながら本音を漏らし!…次にはシロに飛び掛かるよう
両腕を広げ!…そして狙いを定めた所でガバッ!と…しかし次の瞬間シロは
その盗賊の視界から消えて見せ!…
__ガバァ!!…シュン!!!…ッ!?…
「あ、あれ?…」
__シュン!!!…ガッ!!…ッ!?…
「てい!!!」
その姿は何処にも無く!…そんなシロの残像?…に飛び掛かった盗賊も
戸惑った様な反応を見せて居ると、突如その盗賊は頭に強い衝撃を覚える!…
と言うのもシロが次に姿を現すと、いつの間にかその飛び掛かって来た
盗賊の頭の上を飛んでおり!…何ならその一連の様子を見ていたマサキと
くまさんも驚きを露わに!…その一瞬の出来事に何が起きたのか!?と
戸惑って居ると、次にはシロが右足を!…その盗賊の頭に向けて掲げて
見せ!…そして頭の上に足を乗せたか?と思うと、次には見事な踵落としを
披露!…その盗賊の頭を地面にへと叩き付け!…一撃でその盗賊をKOして
見せると、マサキとくまさんは更に戸惑う!…
__グオン!!…ゴキャアアァァン!!!……ッ!?!?…
「…っとぉ!…
…いきなり抱き付こうとして来ないで下さい!!…
気持ち悪いのです!!」
「ッ!?…さ!?…さすがファンタジーと言うか何と言うか!…
何かとんでもないのばっか連れてる!?…」
「…さぁ、次は誰が来るですか?…」
__どよぉ!?…ざわざわ!…ざわざわ!…
この時その地面に叩き付けられた盗賊の首から鳴ってはイケナイ音が聞こえて
来ると、盗賊は地面に倒れたままピクピクと痙攣し!…シロもシロで若干勢いが
付き過ぎたのかフラ付きながらも着地!…そしてその抱き着こうとして来た
盗賊に対して最初から分かって居た様子で文句を口に!…この時腰に手を当て
ながら胸を張って威張って見せ!…となるとそんな幼女の活躍に対してマサキも
一言!…さすがゲームの中の事!と驚きを露わにして居ると、シロは我に返った
様子で身構え始める!…その際シロは相手を煽る様に次は誰が来るのか?と
言って見せると、盗賊達を委縮させ!…するとその様子を遠目ながらも見て居た
様子でフィロがニヤッ!と…後は大丈夫!と言った具合に手を抜き出し…
マサキ達の乗っている馬車の取っ手に手を掛けようすると、既成事実をでっち
上げようとする!…
「……ふむ…あの様子だともう後は任せても大丈夫であろうな?……ではでは…」
__スッ…ガチャッ!…ッ!……
「お義父様!…お義母様!…もうご安心くださいませ!…
後は勝手に消えて居なくなる事でしょう!……その間わっちがしばしお話を…
退屈しのぎにマサツグとの馴れ初めでも…」
まるでさも終わった様に澄まして見せると、上品な様子で声を掛け!…
その際マサキの事をお義父様と、くまさんの事をお義母様と言い!…
続けて安心するよう言葉を続け!…後は消化試合である様な事を口にすると、
退屈しのぎの話を設ける!…と言うのもその話と言うのはマサツグと
フィロの馴れ初めと話し、そのままある事無い事をでっち上げようと
するのだが!…それを良しとしないモノが当然一人!…
直ぐに殲滅した様子で飛んで帰って来て見せると、フィロの上に飛来する!…
__…ヒュウウゥゥゥゥ!!…
「ただいまDeath!!]
「ふぐんぎゃ!!…」
「ッ!?…ちょ!?…だ、大丈夫!?…」
その飛んで帰って来た正体と言うのもシロであり!…シロはフィロの上に
飛来すると、雪に埋めるようフィロを踏みつけ!…するとフィロもそのまま
抵抗する間もなくボスッと埋まり!…何か悲鳴の様な声を上げると、ピクリ
とも動かず埋まり続ける!…となるとそんな様子を見せられたマサキ達と
しても戸惑うもので、くまさんが慌てた様子で安否を確認!…すると次には
その声に反応してピクッと動き!…そこからプルプルと小刻みに震えて
見せると、次には顔だけボコッと起こす!…
__……ボコォ!!……ジロッ!!…
「うぐぐぐ!…お、おのれ白いの!!…
一体何をするか!?…わっちは今から大事な話をと!…」
「シロはフィロをご主人様のお嫁さんとは認めていないのです!!…
嘘はシロが許しません!!!」
「ッ!?…何じゃとぉ!?…大体マサツグのお嫁さんになるのに!!…
何故お主の許可を一々取らねばならんのじゃ!!」
__ガバァ!!…ッ~~~!!!…ンバ!!…ポコポコポコポコ!!…
フィロは頭を起こすとシロを睨み!…この状態についての説明を求めると、同時に
邪魔をした事についての文句を口に!…しかし当然ながらシロがそんなフィロの
文句など聞く筈もなく!…寧ろこれは然るべき処置だ!と言った風に文句を言うと、
フィロの上に乗り続ける!…となるとそれを聞いたフィロもカチンと来た様子で
文句を続け!…次には無理やり体を起こし!…するとシロもそれに気が付いた様子で
咄嗟に飛び退き!…互いに身構える様にして突如仲間割れをし始めると、次には
互いに飛び掛かって喧嘩をする!…と言ってももはやその様子は子供の喧嘩の様子で
あって、両腕を振り上げてはポカポカ!と…宛ら漫画のワンシーンを見て居る様な
気分になり…マサキが戸惑った様子でこれは?…と言いたげな具合に固まって居る
と、くまさんが喧嘩の仲裁に入る!…
「ッ!…こらこら喧嘩しないの!…
仲良くしないとお兄ちゃんに怒られるで?…
ほら仲良く…仲良く……」
__ガッシ!!…もふぅ…ッ!…ッ~~~……
「んん~……んあいです!…」
「……分かったのじゃぁ~…」
くまさんが馬車から降りるとすぐさま二人を捕獲!…シロとフィロを抱き抱えて
止めるよう言い聞かせ始め!…その際二人を自身の腹に埋めて行き…一旦落ち着く
様に二人の頭を撫でて見せると、徐々にその毒気を抜いて行く。そして最後の方に
なると二人ともくまさんにしがみ付き、甘える様な素振りを!…二人共それぞれ
納得した様子で返事をして見せ!…それを目の当たりにしたマサキもハッと我に
返ると、改めて母は強し!と思い知らされる!…
{ッ!?…さ、さすがくまさん!!…こう言うのはお手の物か!…
……にしてもさっきから見てたこの子らの動き!…普通じゃない!!…
まぁ確かにゲームっちゃあゲームやけど…それにしたって!…
んでそれを連れてる[まぁ]も一体?…そんな凄い事して来たんか?…}
落ち着いた様子を見せるシロとフィロにマサキも安堵!…しかし同時にこの幼女
二人を連れているマサツグにも正直驚き!…一体何をして来たのか!?と…
そのマサツグの今までの行動にある種の興味を持ち出して居ると、その一方では!…
肝心のマサツグは盗賊達を相手に!…何やら無双する様子を見せる一方!…
ダメ元で説得も試みようとして居た!…
__…トン…トン……はあぁ~…
「…なぁ?…もう諦めて帰ってくんね?…幾らやっても無駄なんだが?…
それに今帰ったら命だけは保証してやるし、何なら盗賊の足を洗って!…」
「グッ!?…ウ、ウルセェ!!…こっちはこれで凌いできたんだよ!!…
…ましてや前金を貰ったってのに手ぶらで帰ったら!!…」
「ッ!…手ぶらで帰ったら?…」
「ッ!?…ウ、ウルセェウルセェ!!!…
おい!!…一気に畳んじまうぞ!!!」
その向かって来る盗賊達を一太刀に、次々薙ぎ倒しては呆れた様子で溜息を吐き…
何なら余裕とばかりに刀で自身の肩を叩き…もう無駄だと盗賊達に言葉を口にし
始めると、更には説教染みた事を言う!…その際命だけは見逃すと口にすると、
盗賊から足を洗う様に言うのだが…盗賊達が最後までマサツグの言う事を聞く訳
もなく!…寧ろ何かポロッと意味深な事を口にすると、何か裏がある様な雰囲気を
出す!…となるとそれを聞いたマサツグとしてもピクッと反応!…盗賊達が口に
した言葉を復唱し!…するとそのマサツグの復唱に盗賊もハッ!と…途端に慌てた
様子で誤魔化し始め!…またマサツグに向かって突貫をする様な様子を見せると、
マサツグは更に呆れた様子で構えて見せる!…
「……はあぁ~……やっぱ何を言っても無駄ってか?…しゃ~ない!…
…続きを望んだのはそっちだからな?……雷撃刃!!!」
__バジュン!!…ゴオオオォォ!!…ズシャアァァァァアアンンン!!!…
「…ふぅ!…一掃完了っと!……オリハの方は何とかなるから…
アヤとリーナの方を助けるか!…」
マサツグの説得は無駄に終わり!…盗賊達は武器を構えて突貫を開始!…
となるとマサツグも交渉が失敗に終わった事で更に溜息!…やはり駄目
だった事を口にすると、盗賊達に文句を言う!…その際止めとばかりに
刀に電撃を纏わせると、一掃するよう横に一薙ぎ!…飛ぶ雷撃の斬撃を
目の前で繰り出し!…悲鳴を上げさせる事無くたった一瞬で盗賊達を
再起不能にしてしまうと、これまた一息吐いて見せる!…さてそこからは
冷静に状況を判断、オリハは一人でも大丈夫と考え!…そうなると残るは
アヤとリーナが守っている右側面だけになってしまい!…マサツグも
直ぐに判断して移動を開始し始めて居ると、その一方では…
__……コソコソッ!…コソコソッ!…
「……なぁシロちゃん?…
やっぱり馬車の中で大人しくしていた方がエェんとちゃうか?…
下手に動いとったら邪魔になるでぇ?…」
「ッ!…だいじょ~ぶです!…
ご主人様の邪魔にならない様に馬車の陰からこっそり覗くだけです!…」
「うぅ~そうか?…何か嫌な予感がすんねんけど?…」
何やらマサツグの戦いぶりが気になった様子で二人が暗躍!…シロはマサキを
連れ出すとコソコソと移動し…この時他の盗賊達にもバレないよう静かに音を
抑え!…後ちょっとの所でマサキが何やら不安を覚えた様子で言葉を零すと、
シロは振り返って大丈夫!と言う!…その際マサキとしては邪魔になるのでは?
と言ったのだが、シロは邪魔にならない!と…影ながらに応援する事を口に
して行き!…決して身をその盗賊達の前に晒す訳では無いと言うと、いそいそと
移動を続けて行く!…しかしその一方でマサキはやはり不安を覚え、思わず足を
止めてしまい!…するとその様子に偶然感付いた盗賊が一人!…得物を手に足を
止めて居るマサキに襲い掛かって行くと、次には事故が起きてしまう!…
「ッ~~~!…クソ!!…
…ッ!…へっへっへ!…くたばりやがれぁ!!」
「ッ!?…しま!!…」
恐らく相当イライラを積もらせて居たのだろう…マサキを見つけると人質に取る
など考えず、ただ真っ直ぐに突貫をするよう得物を振り上げ!…すると次には
狂気に満ちた様子で一気にブン!と…マサキの頭目掛けて武器を振り下ろして
見せると、マサキも気が付いた様子で反応する!…と言っても躱すとかそう言う
行動が取れる状態では無く、身構える事しか出来ず!…焦った様子で被弾を覚悟!…
歯を食い縛り身を固める様な素振りを見せて居ると、シロが気が付いた様子で
庇いに入る!…
「ッ!!…マサキお爺ちゃん!!」
__ババッ!!…ドンッ!!…ボガァ!!……ダアァン!!…
「ッ!!…ウグッ!!…」
咄嗟にマサキの事をお爺ちゃんと呼ぶと飛び掛かり!…そして勢いそのままに
押し飛ばすと、マサキの事を身を挺して守る!…だがその代わりに自身が盗賊の
得物の餌食となってしまう訳で、幸いクリティカルヒットと言う訳では無い
のだが思いっきり吹き飛ばされ!…勢いそのままに乗って来た馬車に叩き付け
られてしまい!…その反動でかシロが苦痛に耐える様な声を上げると、右肩に
怪我を負ってしまう!…そしてそのまま馬車の近くに倒れ込んで行くと、勿論
そんな現場を目にしたマサキは慌て!…
「ッ!?…シ、シロちゃん!?…」
「ッ!?…ほう?…コイツは予想外だ!…
まさか面倒なガキの方が自分から喰らいに来てくれるたぁなぁ!!…
こりゃラッキーって奴だぜ!!」
「シロちゃん!!…シロちゃん大丈夫か!?…」
「……うっ…うぅ……だ、大丈夫…です…
お爺ちゃんこそ大丈夫ですか?…」
とにかく戸惑った様子でシロの事を呼んでいる一方で、そのシロを殴り飛ばした
盗賊はラッキー!と…運が味方して居る様に言っては下卑た笑みを浮かべて見せ!…
その殴った得物で肩を叩き!…まるで仕留めたようその倒れるシロの事を見詰めて
居ると、マサキが必死にシロを呼ぶ!…それは無事である事を願う様に!…怪我を
悪化させない程度に体を揺すり!…するとシロはゆっくりと目を覚ますとマサキに
返事!…大丈夫と言いながらもマサキを案じ、不安そうに見詰めて来るマサキに
対して笑って見せると、次には異変に気が付いた者達が反応する!…
「……何か大きな衝撃が来たけど如何したの?…って、シロちゃん!?」
「ッ!!…この阿呆目ドジりおったな!?…
マサツグにずっと張り付いて居ったから動きが鈍ったか!?…」
「ッ!?…う、うるさいのです!!…
シロは大丈…ッ!!…ッ~~~!!……」
在らぬ衝撃を受けてフィロとくまさんが馬車から降り、衝撃を感じた方に視線を…
するとそこで負傷したシロと慌てるマサキの二人を見つけ!…くまさんは直ぐに
シロの心配を!…フィロはフィロでドジをした!と…シロを小馬鹿にする様な事を
口にすると、それを聞いたシロは文句を言う!…その際負傷した右肩を庇いつつ
立ち上がろうとすると、思う様に立てないのか足がフラフラ!…終いにはその場で
へたり込んでしまい!…更には痛みに耐える様なそんな反応まで露わにすると、
その様子を見た盗賊が笑って見せる!…
「ッ!!!…であっはっはっは!!
これでこのガキもさっきみたいな化け物じみた動きは出来ねぇ!!…
後は野郎一人とメスガキ一匹と高級毛皮一体だけだ!!!
であっはっはっはっは!!!…あっはっはっはっは!!!!」
「ッ!?…チッ!!…雑魚風情が調子に乗りおってぇ!!…
…しかし面倒な事になったのう!…
幾らさすがのわっちとは言え三人を護りながらとなるとちと骨が折れる!…
せめてオリハに憑依しておれば問題ないのじゃが!…」
…盗賊がバカ騒ぎするよう笑って見せると当然そこに注目が!…すると状況を
理解したのかゾロゾロと他の盗賊達が集まり始め!…何ならもう勝ちは絶対!
と言った様子で、マサキを野郎!と…フィロの事をメスガキと言い、くまさん
に至っては毛皮にするのか…とにかく馬鹿みたく高笑いをして見せ、フィロも
この状況にさすがにキツイ!と言った表情を浮かべて居ると、次には異様な
殺気を感じる!…
__………ユラッ…ッ!?!?……
{な、何じゃこの殺気!?…一体何処から!?……
…少なくともこの雑魚共から感じられるモノではない!!…
寧ろこやつらに出せる訳がない!!…
もし出せるとするならマサツグかオリハ!…
しかしマサツグはまだ何か手間取って居る!…オリハも同様!…
では一体誰が!?…}
「……とにかく!…せめてお義父様とお義母様だけでも!!…
その白いのを連れて馬車の中に!!……ッ!?!?…」
突如感じるフィロをもビビらせる異様な殺気!…勿論これにはフィロも警戒を
強め!…次にはその殺気の出所は一体何処なのか!?と…万が一を考えてその
殺気の正体を確認したい所では有るのだが、その殺気の出所が分からないで
居た!…しかし少なくとも今目の前に居る盗賊達のモノでは無いと理解をする
と、その殺気のレベルをマサツグやオリハと!…とにかくヤバい!と言った
具合にヒシヒシと感じ!…更に警戒を強め!…とにかく!と言った具合に
マサキとくまさんに慌てて声を掛けて行くと、馬車の中に逃げるよう訴える!…
そしてふとその視線をマサキ達の居る方に向けるのだが、そこで見たモノは
とても信じられない光景で!…
__ゴゴゴゴゴゴゴ!!!……
{ッ!?…な、何じゃこの殺気!!…この気迫はぁ!?…
これではまるで歴戦の勇!!…
怒りに身を任せ今から暴れようとしている様では無いか!!…
…この威圧感はまさにマサツグ!……ッ!!…
そうか!!…何故気付かなかったのじゃ!!…
マサツグとてアレは幾度となく戦って得たモノではない!…
アレは天性によるモノじゃ!!…
そしてその天性を与えられる者が居るとするならただ二人!…
その親達しか居るまいて!!…}
そこに居たのはシロを殴って喜ぶ盗賊に殺気を向けるマサキの姿!…その様子
からはとてもじゃないが裁縫師でLv.1の様には見えず!…何ならバーサーカー
と化そうとして居る化け物が居るようにしか到底見えず!…フィロも信じられ
ない様子でただ戸惑ったようマサキの事を見詰めて居ると、更にその眼光は
鋭くなる!…もはやその勢いは人を殺せそうな位に鋭利なモノに!…となると
その様子にフィロもハッと目を見開き!…そして次には改めてマサツグと
オリハの遺伝はここに有り!と…ふと理解した様な反応を露わにすると、その
一方で異変に気が付いた盗賊が腰を抜かす!…
「であっはっはっは!!!…ッ!?…ヒィ!!!」
{……絶対にコイツだけは生かして返さぬ!と言わんばかりの怒り!!…
これがあの先程まで温厚そうな!…
笑って会話をして居た者の表情だと言うのか!?…
…この悪寒はオリハ!…いや、マサツグをもゆうに超えるモノを感じるぞ!?…}
それは突然の事であった!…先程から勝ちを確信して居る盗賊がチラッとマサキに
視線を向けた瞬間!…盗賊は突如力を無くした様に尻餅を着き!…次にはマサキに
対して化け物を見る様な怯えようを露わに!…とにかくまるでヤバい物と遭遇した
様なそんな反応を見せて居ると、フィロもその様子に驚いて見せる!…その殺気
だけである種相手の戦意を奪ってしまい!…畏怖させるそのマサキの姿に!…
やはり親子である様にマサツグの姿と重なって見え!…本当にあのマサキなのか!?
と…フィロが戸惑い思わず動けずに固まって居ると、マサキも身構える様な素振り
を見せる!…
「……ようボンクラ共ぉ!…お前ら全員!…
揃って死ぬ覚悟は出来とんねやろうなぁ?…」
「ッ!?…な、何を言って!?…ッ!?…」
「…俺ぁ…今からお前らを殺す気で行くさかいに…
ウッカリくたばってしもても文句言うなや?…
…これは…お前らが売ってった喧嘩やからのぉ!!…」
「ヒッ!?…う、うわあああああぁぁぁぁ!!!!!!」
この時マサキは武器を握らず丸腰で構え!…ジッと相手を睨むと若干腰を
落とし!…それはまるで向こうから動きを見せるのを待つかの様に!…
何か普通とは違う異様な構えを取って見せると、率直に怒りの言葉を口に
する!…その際その場に居る者全員を相手にするよう啖呵を切ると、当然
その言葉に盗賊達は戸惑った反応を見せるのだが!…冗談では無い!と
ばかりに更に言葉を!…明確に盗賊達に対して殺意を剥き出しにしつつ!…
怒りの言葉を更に口にして行くと、盗賊達は錯乱した様子で襲い掛かる
のであった!…
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そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
転生騎士団長の歩き方
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【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】
たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。
【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。
【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?
※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。
はぁ?とりあえず寝てていい?
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嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。
※第二章は全体的に説明回が多いです。
<<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
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王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
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「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~
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錬金術師のカイトは役立たずを理由にパーティーから追放されてしまう。自由を手に入れたカイトは世界中を気ままに旅することにした。
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悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
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