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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章十七節 飲兵衛襲来!といつもの不審者と親鳥雛鳥-

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__コンコンッ!!…


「ッ!…は~い!!」


「ッ!…うぇっへっへっへぇ~♪…

返事があるって事は帰って来てたんだぁ~?…」


突如扉から聞こえてくるノックの音にマサツグが反応!…と言ってもノックをして

来る者等限られて居るのだが…それでも誰か?と言った具合に返事をして行き、

そのノックをして来た者の応答を待って居ると、その扉の向こうからある飲兵衛の

声が聞こえて来る!…もはやここまでくれば聡明な読者諸君にも分かるであろう!…

言わずもがなその正体はアヤで有り!…アヤは既にべろんべろんに酔って居る具合で

話を口に!…ただマサツグが帰って来て居るのかを確認しに来た様子で扉越しに声を

掛けて行くと、マサツグがその声色で判断をする!…


「ッ!?…ア、アヤ!…お前!!…」


「放送聞こえてたでしょ~?…さぁ、三階に言ってお昼にしましょ~?…

…うぇへへへへ~♪…」


「……はあぁ~…俺達が戦っている間飲んだくれてたってか?…

こりゃ随分な事で…」


この時マサツグから聞いてアヤの声色と言うのは勿論有罪ギルティ!…即座に飲んで

居ると判断され!…何ならアヤも隠す気は無いのか上機嫌のまま話を続け!…

放送にあった通り昼食を取りに行こうと態々呼びに来た様子でマサツグに言葉を

口にすると、マサツグは呆れた様子で溜息を吐く!…そして自分達が戦っている

間のアヤの様子を想像すると、頭を抱えては言葉を!…しかし参加をするしない

は自由で有る為アヤに文句を言える訳もなく!…ただアヤが上機嫌な様子を聞いて

これだから!…とばかりに呆れて居ると、アヤが更にマサツグを急かす!…


__ドン!!…ドン!!…ドン!!…ドン!!…ッ!?…


「ほぉら!!…早く行くわよぉ~!!…

…て言うか終わったのなら声を掛けに来なさいよぉ~!!…

…飲んでても心配してたんだからね?…」


「ッ!…へぇへぇ、そいつは如何もすんませんでした!!…

…ったく!…正直怪しい所ではあるが…

…折角のお誘いなんだ!…俺達も共に生きましょうか?…お姫様?…」


アヤは早く出て来い!とばかりに扉を叩く!…それこそ締め出しを喰らった

子供の様に!…しかし次には一応心配をして居た様子で突如シュンと…その際

無事飛竜戦が終わった事に対しても報告を!と文句を言い出し!…徐々に

その勢いもなくなり落ち着きを見せる様な感じで扉を叩くと、マサツグも

その話を聞いて謝り出す!…と言っても本人は飽きてながらも開き直る様な

感じで返事をすると、次にはアヤの言葉を疑い!…その理由と言うのも

アヤは酒が入ると色々と危うく!…ほぼ何も考えていない状態になると

言うか、とにかく思考が無くなる様な様子が多々見られて来たと言うか…

酒が入ったアヤからはとにかく素直に信じる事が出来ずにおり、マサツグと

しても先に呆れが…だが心配を掛ける様な事をして居たのは確かであり、

一応は信じた様子でアヤに茶化すようお姫様と言って一緒に行く事を口に

すると、アヤもそてに乗っかるよう返事をする!…


「ッ!…んふふふぅ~♪…良きに計らいなさぁい!!」


「……ふぅ…じゃあ行きますか!…」


実際の所確かに姫様では有るのだが、その様子からはとてもその様には見えず!…

だが本人はノリノリの様子でマサツグ達に返事をして見せ!…同伴を求める様に

嬉々とした様子でそれらしい言葉を口にすると、一人大盛り上がりの反応を露わ

にする!…それは扉越しにでも良く分かる位の出来上がり具合で、マサツグも

今からこれを相手にするのか?と…しかしそう考えたのもたった一瞬の出来事で

あって、直ぐに気を改める様にして一息吐き!…次には隣に居るシロに行こう!と

笑顔で声を掛けて行き出し!…シロもそれに返事をするよういつのも反応を見せて

行くと、途端にハッとしたようある事を問う!…


「ッ!…はいです!!…

…ッ!……フィロは如何しますか?…」


「ッ!…フィロか?…フィロはぁ?…」


__ビクンッ!…ビクンビクンッ!!…


「……わ…わっちも!…行くのじゃ!!…」


この時シロが問い出した事と言うのはフィロの事で、フィロは今だベッドの上で

痙攣しており!…と言うのもこの時ふと気が付いた様子でシロは振り返るとその

フィロの状態を目視!…そしてフィロの事について如何するのか?と言った

具合に!…マサツグへ不思議そうに首を傾げて質問を口にすると、マサツグも

それを問われた事でハッと反応して見せる!…すると次にはシロと同様ベッドの

方を振り返ってフィロの状態を確認すると、何やら言葉に詰まった様子でフィロの

名前を…しかしそんなマサツグ達を余所にフィロは必死に返事をば!…やはり

ピクピクと痙攣しながらも行く!と言い…マサツグ達に向かい必死に手を

伸ばして懇願する様子を露わにすると、その様子をシロは何故かジッと凝視を

する!…


__……じぃ~~~……


「……ッ!…な、何じゃ白いの?…わっちを見詰めてどうかし?…」


__……トットットットッ……ツンッ!…


ただ目を丸くしてはフィロを凝視!…それはまるで興味深い物を見つけた!と

ばかりに!…となるとそんなシロの様子にフィロもハッと気が付いて見せ!…

シロに何を?とばかりに戸惑った様子で声を掛けると、シロは目を輝かせたまま

徐にフィロへ近付いて行く!…そして十分に手が届く所まで近づいて行くと、

またもやジッと痙攣をするフィロを見詰め!…すると次には何を思ってそれを

やろうと思ったのか?…徐に人差し指をピッと立てるとフィロの体をツンツン!…

それはさも苛める様にしてフィロを突き!…フィロも突如突かれた事で驚き

戸惑った様な反応を見せると、シロに文句を口にして行くのだが!…


「ッ!?…わひゃッ!!…な!?…何を!?…」


__ニマァ~~~~!!!……ッ!?…


「ご主人様!!…今のフィロ!!…とっても面白い状態なのです!!!」


「ッ!?…お!!…面白い状態とは何事じゃ!!…

人が今体の自由が利かんで苦しんで居ると言うに!!!…

…な、何じゃ!?…何故もう一方の手も人差し指を!?…」


この時シロに突かれたフィロは体を跳ねさせ!…そして何をする!とばかりに

文句を言うのだが!…シロの表情を見るとそこには何か妙に意地悪!…満面の

笑みを浮かべてはフィロの姿を見下ろす!…とにかく嬉々とした反応を見せる

シロの姿がそこにあった!…その際シロはニンマリとフィロに笑って見せると、

次にはマサツグの方へ振り向くなり面白い!と…それは何かシロの中で加虐心が

芽生えたのかの様に嬉々とした反応を見せて居り!…勿論そんなシロの反応を

見てフィロも更に文句を言うと、シロはクルリとフィロの方へ振り返って

見せる!…そしてその時にもう一度シロの手元を良く見て見ると、そこにはもう

一本人差し指が!…それは右手と左手でそれぞれ構えて見せては笑って居り!…

身動きの取れないフィロに向かって指を左右に振って見せると、フィロもそれに

合わせて青褪め出す!…


__ピッ!…ピッ!…ピッ!…ピッ!…


「な!?…何じゃ!?…何なのじゃ!?…

お主一体何を!?…」


「うふふふふぅ~♪…

…頭の良いフィロなら直ぐに分かるんじゃないですかぁ~?…」


{ッ!?…え!?…ど、何処でそんな言葉を覚えて!?…

てかあの純真なシロちゃんは何処に!?…}


まるで今までの鬱憤を晴らして居る様にも見える光景にマサツグも唖然!…

まさかのシロの覚醒?…に戸惑い!…その一方でフィロはその迫って来る

シロに慌てて戸惑い!…もはや拷問を前にした捕虜の様な!…とにかく

焦りを覚えた様なそんな反応を露わにして見せて居ると、体を震わせ恐怖

する!…この時次に何をされるのか分かっては居るものの何をするのか!?

と口にすると、シロはやはりニッコニコで!…さもそれを楽しむ様に言葉を!…

マサツグもそれを耳にしてどこで覚えた!?と…ただ焦りを覚えつつ一体

如何してこうなった!?と困惑して居ると、フィロはシロに許しを乞う!…


「ヒィッ!?…や、やめ!!…」


__スウゥ!…ツンッ!…ツンツンツンッ!…


「ッ!?…ひゃ!…ふぉ!…ひゃん!…」


「これはシロを騙してご主人様と一緒に行っちゃった分!…

これはご主人様を焼いちゃった分!!…これはご主人様に迫った分!!!…

これは!!!!…」


シロに許しを乞うがシロは無慈悲にもフィロを追い詰め!…両手をスゥッと

フィロに見えるよう掲げて見せると、次にはフィロの体を突き始める!…

まるでピンポイントに弱点を突くよう!…するとフィロもそれに反応して

体を跳ねさせ!…この時シロはやはり何か思う所が有ったのか恨み言を!…

徐々に興奮した様子で色々と恨み言を口にすると、フィロを更に追い詰める!…

さてそうなるとそんなシロの様子を見せられてマサツグも困惑して行くと、

次にはどう止めたら良いのか?と…何ならマサツグが悩んでいる間にもフィロは

ベッドで跳ねに跳ね!…マサツグに助けを求めるよう手を!…必死に伸ばして

見せるのだが、マサツグには如何する事も出来ないのであった!…


因みにこのシロの報復が終わったのは数十分後の事!…シロはいい仕事をした!

とばかりに汗を拭い!…その一方で追い詰められて居たフィロはベッドに沈み!…

またもや体を痙攣!…もはや本当にmm動く事すら敵わなくなってしまうと、

生きる屍と化していた!…


「……フゥ~!!…スッキリしたのです!!…」


__チ~~ン!!…ビクンッ!…ビクンビクンッ!!…


「……あぁ~…南無三!!…」


「……ちょっとぉ~?…いつまで待てばいいのをぉ~?…」


この時のシロの表情はとても輝いたモノであって、心の底から成し遂げた!と

言った様子が伺え!…そしてベッドに沈むフィロもただただ痙攣したまま

本当に動かず!…頭から突っ伏して何も発さなくなってしまうと、無情にも

その助けを求めた手は垂れ下がっていた!…そしてマサツグもそんな二人の

様子を見て唖然とすると、ベッドに沈むフィロに向かって合掌!…さも成仏

してくれ!とばかりに言葉をポツリと零して行き…その一方でずっと

待たされているアヤは文句を口に!…まだなのか!?と言った様に駄々を

捏ねそうな声が聞こえて来ると、マサツグも慌てて扉を開ける!…


「ッ!!…はいはぁい!…今すぐ!!…

しゃ~ない!!…シロ行くぞ!!……

フィロは……あぁ~もう!!…抱えて行くか!!…」


__ガチャッ!!…ッ!…


「はいお待ちどう様!!!…じゃあ行くか!!…」


とにかくアヤに返事をするとシロに声を!…そしてついて行くと言って居た

フィロも如何するか?と考えると、遂には考えるのが面倒になったのか

小脇に抱えて連行!…そして慌しく部屋の扉を開けて出て行くと、そこには

やはりベロベロの状態のアヤが!…何ならその手には酒瓶が握られて居ると

大事そうに抱えられて居るのが目に映り!…マサツグもその様子に呆れつつ!…

と同時にとにかく待たせた事についてアヤに謝って見せると、アヤも少しは

酔いが醒めて来たのか!…


「……何か有ったの?…フィロがいやに静かだけど?…」


「ッ!…あ、あはははは……」


微睡んだ目でマサツグの状態を確認すると一言!…そして小脇に抱えられている

フィロを見て可笑しい!と…するとその問い掛けに対してマサツグは苦笑いを

するしか無く、とにかくその問い掛けに対してマサツグが戸惑った様な反応を

見せて居ると、シロが気を利かせた様子で挨拶をする!…それこそ先程まで

フィロを追い詰めて居た張本人であり!…そんな様子を見せる事無く笑顔で!…


「…ッ!…アヤさん、こんにちはです!」


「ッ!…あらぁ~シロちゃん、こんにちは!…

……まぁ良いわ!…とにかくここで立ち話もなんだしぃ~?…

三階のレストランで昼食にしましょ?…貴方達もおなかペコペコでしょ?」


「ッ!?…あ、あぁ…そうだな!!…よし、じゃあ行くか!…」


「はいです!!!…」


さも先程有った事を忘れたかの様に元気に挨拶!…笑顔で愛想を振り撒き!…

するとアヤもそんな笑顔のシロに対して挨拶を口に!…この時チラッとだけ

グッタリしているフィロにも視線を向けるのだが、次には気にしなくなった

様子で流し!…立ち話もそこそこにして昼食を!と…早くレストランに向かう

よう改めてマサツグ達を急かしに掛かると、その言葉にマサツグは戸惑って

しまう!…と言うのも流されたフィロの状態についても驚くのだが、何よりも

シロのあの態度で!…もはや女優顔負けの切り替え様を目の前で見せられ、

マサツグとしてもどの方向にシロが進んで居るのか?と…思わずその言動にも

戸惑いの色を見せて行き!…何か不安を覚える様なそんな素振りを見せて

しまって居ると、シロはそんなマサツグの事など御構い無しに返事をする!…

さてそうして一同が集まると最後にオリハの回収に向かい、改めて三階

レストランへ!…


__ワイワイ!!…ガヤガヤ!!……どよぉ!?…


「……なぁアヤさんにオリハさん?…

何か俺…イヤに視線を感じるのは気のせいか?…」


三階のレストランに辿り着くとそこは大盛況!…朝の時同様の混み具合が

伺える一方で何やら視線が…と言うのもこの時マサツグはフィロを小脇に

抱えて運んでおり!…何も知らない者がその様子を何の気なしに見ると、

まるで人攫いが居る様にしか見えないで居た!…何ならシロも一緒になって

抱えられて居る始末あり、二人揃って無気力にダラ~ン!と…となると

そんな様子を見た者からはまるで危ない奴が来た!と…一瞬どよめくと

同時に何かそう言ったイベントが有るのか!?と言った誤解を受けると、

マサツグは針の筵に立たされていた!…さてそうして自身でも如何言った

視線を浴びて居るのかを分かって居つつも質問すると、アヤとオリハは…


「さ…さぁ、どうかしら?…

私にはちょっと分からないわね…」


「……兄さん、答えたほうが良い?…」


「…やっぱいいです…」


アヤは戸惑った様子で苦笑いすると分からないと答え、マサツグから少し

距離を離し…オリハはオリハで改めて現実を突き付ける様!…何か呆れた

様子でマサツグに教えようか?と言葉を口にすると、同じ様に距離を

取ろうとして居た!…するとそんなオリハの容赦ない一言にマサツグも

遂には折れてしまうと、落ち込んだ様子で返事し…仕方が無いと言えば

仕方が無い事では有るのが、如何していつももこうなる?と…物言わぬ

二人を抱えつつ、そして今だ人攫い…或いは誘拐の現行犯の様な恰好で

自分達のテーブルが開くのを待って居ると、次には客を呼びに来たボーイ

にも戸惑われる!…


「……誠にお待たせいたしまし!……ッ!?…」


「ッ!…あ、あはははは…」


「……ッ!!…お、お客様は五名様でしょうか?…」


「あっ…はい……」


その時のボーイの表情と言うのも秀逸!…それこそ最初は冷静にピシッとした

接客態度を見せるのだが、その誘拐の現行犯を見るとその表情は途端に

ギョッ!と…言葉に詰まった様子でマサツグ達を凝視し始め!…マサツグも

そんなボーイの様子を見て苦笑いをするしか出来ないで居ると、ボーイは

途端にハッとする!…それは自身が固まって居る事に気が付くと同時に、

冷静に状況を把握した様子で!…と言うのも普通に考えて今ここで誘拐をして

来て呑気に飯を食うか?と、恐らく何か訳が合ってこの状態なのだと理解し!…

だがその異様な光景に対してやはり戸惑いを覚えてしまうモノであって、

マサツグにその様子を露わにしながらも質問をすると、マサツグも戸惑った

様子で返事をする…さてそうして戸惑われながらもテーブルへ案内!…

その際やはり何度もボーイにチラ見をされ!…


__チラッ?…チラッ?……チラッ?…


「……あぁ~…気にしないでくれる?…

決して疚しい事をしたとかそう言うのでは無いから!……一応保護者!…」


「ッ!!…た、大変申し訳ございません!!…

…えぇ~っと…こ、此方が皆様方のテーブルになります!…

今から料理を運んでまいりますので、

席にお掛けてお待ちになって居て下さい…」


「……如何してこうなる…」


大丈夫と分かって居ながらもやはり気になるモノで!…その開いた席に案内を

する際二度三度と確認を!…するとそれに気が付いたアヤはボーイに向かって

気にするな!と言葉を…苦笑いをしつつマサツグが保護者である事を続けて

口にして行くと、ボーイもハッとした様子で謝り始める!…それこそマサツグ達の

方へ振り返って見せると、腰から曲げて深々と謝罪!…そしてそのマサツグ達の

席に着いた所でボーイは待つよう言葉を!…足早にその場を後にして行き、案内

されたマサツグも何かやりきれない物を感じてしまうと、一言ボソッと呟いて

見せる!…さてそんなボーイの表情を一生忘れられなくなった所で漸くシロと

フィロを解放すると、その案内された席に二人を座らせ!…マサツグも漸く一息

吐けると言った所で席に着き出し、改めて嘆く様なそんな素振りを見せて居ると、

アヤがマサツグのフォローに入る!…


__ガタンッ…ゴゴゴ……はあぁ~~…


「ッ!…ま、まぁ!…一応誤解は解けたみたいだし?…

大丈夫だと思うわよ!……多分……」


「それに今に始まった事じゃないと思うけど?…

兄さんの奇行…」


「……オリハ…

お前後で屋上デッキな?…

久々にキレチマッタヨ……」


「…ッ!?…ちょ!!…ちょっと落ち着きなさいよ!!…

後何か言葉がおかしいわよ?…マサツグ?…」


席に着くとマサツグはゲン○ウポーズを、そして疲れた様に溜息を吐き!…

するとさすがにアヤも同情をする様に言葉を口に!…恐らく大丈夫と

マサツグを励ます様に言葉を続けて居ると、オリハもそこに口を挿む!…

何ならマサツグを煽る様な事を口にすると、スラッ恍けた様にそっぽを

向き!…するとそんなオリハの言葉にマサツグもカチン!と来た様で…

ポーズそのままにまるで某・ヤンキー漫画の様な台詞を口にし出すと、

一触即発の様相を見せて行く!…となるとアヤもさすがに酔いが飛んだ

様子で慌て出すと、次にはマサツグにツッコミを入れ!…とにかく

落ち着きのないマサツグ達のテーブルに他の乗客達もチラチラ!…何か

不穏な空気を感じつつ、大人しく出来ないのか!?と言った不満の様な

モノを感じて居ると、マサツグ達のテーブルに料理が運ばれ始める!…


__カラカラカラカラ……スッ…


「…お待たせいたしました…こちらが本日のコース…前菜からとなります…」


「ッ!?……ま、またコースメニュー!!……

…如何にもなれない…」


「……それに関しては私も同意するわ…兄さん…」


カートに載せて料理を運んで来るとボーイがお辞儀!…この時先程までの事を

忘れたよう冷静に振舞い!…落ち着いた様子でボーイは言葉を口にして行き!…

そしてマサツグ達の前にコースメニューの前菜を置いて行くと、それを目にした

マサツグ達が戸惑い始める!…と言うのも何度見てもそのコースメニューと言う

のは落ち着かないモノで、庶民的には如何にも堅苦しく!…するとマサツグが

思わず本音を漏らすとオリハも同意するよう言葉を口に!…何か他に定食的な

物は無いのか?と…レストランに似つかわしくない考えをふと持ち出し落ち

着かない!と言った様子を見せて居ると、ここである問題が出て来始める!…


__……スッ…プルプルプルプル…カランッ!……


「ッ!……ン?…」


「ッ!?……ッ…」


ここで出て来たある問題と言うのはフィロに有り、フィロはその出された前菜を

食べようとするのだが!…その際フォークを手にとっては掴む事もままならない

様子でプルプル!と…何か手元が震えると言った奇妙な状態を見せて居ると、

次に音を立ててそのフォークを落としてしまう!…となるとそんな音に他の面々

も気になった様子で振り向いて行くと、そこで手を震わせているフィロの様子を

目撃し!…しかしフィロも諦めない様子で再度挑戦をし始め!…並べられて居る

フォークを外側から取り、また手元をプルプルとままならない様子で振るわせて

行くと、再びフォークを落としてしまう!…


__……スッ…プルプルプルプル…カランッ!……


「ッ!?…ッ~~~!!!…クッ!!…

よもや食器を持つ事も敵わぬとは!!…

…どれもこれもお主のせいじゃ白いの!!…」


「ッ!…んん~?…」


__もっしゃ!…もっしゃ!…もっしゃ!…もっしゃ!……ゴックン!!…ッ?…


今だシロに苛められた後遺症が残って居るとばかりに苦虫を噛み!…苛立ちを

隠せない様子でシロを睨むと、続けてシロのせいと文句を言う!…この時机を

軽く叩いてシロに威嚇をするのだが、その肝心のシロはと言うと自由気ままに

食べて居り!…もはや作法など御構い無し!…我が道を行くスタイルで出された

前菜を平らげて見せると、キョトンとした様子でフィロの事を見詰めていた!…

それはさも何の事か分からない?と言った表情を浮かべると、フィロに煽るよう

首を傾げて見せ!…となるとフィロもそれを見て更にカチン!と来た様で…

さすがに暴れる訳には行かない!と…ただ歯を食い縛りシロの事が恨めしい!と

言った怨念めく視線を向け続けて居ると、マサツグが溜息を吐いてある事をする!…


「…はぁ~…何をやってるんだか?…」


__スッ…サクッ!……スッ…


「…ん!…ほれ。」


「ッ!……ふぇ?………」


さも呆れる様にして言葉を呟き…徐にフォークを手に取ってフィロの前菜を

突き出すと、次にはそれをフィロの口元に!…それは言わずもがな俗に言う

あ~ん…と言う奴であり、マサツグがフィロに気付いて貰うよう声を掛けて

突き出すと、フィロも気が付いた様子で振り向いて行く!…するとその目の

前には前菜の刺さったフォークが!…するとそれを見たフィロは突然の事に

驚き戸惑い!…何ならあのマサツグがあ~ん…をしてくれて居る事に更に

困惑!…今夢を見ているのでは!?と言った更なる混乱具合で情報の収集が

付かない様子を見せて居ると、マサツグは更に言葉を続ける!…


「……その調子だとまともに食べられそうに無いから食べさせてやるよ…

…何ならここまで追い込んだの俺だし…」


「ふぇ?……え?……」


__ッ!…じぃ~~~~……


マサツグは若干恥ずかしそうにするとフィロから視線を外し…一応フィロの

状態についても自分に責がある事を口にすると、更にそのフォークを突き

出して見せる!…するとそのマサツグの言葉で更にフィロは困惑!…もはや

戸惑いの言葉しか出て来ない様子でキョトンとしており!…何なら当然その

様子はオリハやアヤの目にもしっかり止まり!…何か青春ドラマの様な!…

きっかけとしてはとてもしょうも無いモノでは有るのだが、何か甘酸っぱい

モノが感じられると言った風に見詰めて居ると、マサツグがフィロを急かす!…


「……何だ?…食べないのか?」


「ッ!?…い!!…いいいい、いただきますなのじゃ!!!」


__パクッ!…モグモグ…じぃ~~~~……


さも視線を感じ取った様子で頬を染め!…フィロに食べないのか?と言葉を!…

するとそのマサツグの言葉にフィロもハッとして見せ!…慌てて我に返るなり

食べる!と言って勢い良くその突き出された前菜を頬張って行くと、更に視線を

集めてしまう!…この時オリハはまるでその様子をテレビを見るかの様に凝視を

すると、次には何かニヤニヤ!と…何ならアヤもその様子を見て頬を染め出し!…

自身も憧れて居る様なそんな表情を浮かべて行くと、勿論それを黙って見て居る

訳が無い者が一人!…ただその様子を穴が開く様に凝視をしては頬を膨らませ!…

次の料理が運ばれて来るのを待って居ると、その黙って居られない者は行動に

出る!…


__カラカラカラカラ……スッ…


「…お待たせいたしました…こちら続きまして…ポタージュになります…」


__……コトッ……スッ…クイクイ!…


「ん?…どうしたシィ…ロ?…」


続いてマサツグ達のテーブルに運ばれて来たのはポタージュ…用はスープで有り、

その者の前に静かに置かれると次にはジッと…何か考える様子でポタージュを

見詰め、そしてふとマサツグの方へ振り向くなりその食べさせている方の腕の袖を

引っ張って見せると、マサツグもそれに反応して振り返る!…するとそこで見た

モノは口を開けて催促するシロの姿で!…やはり羨ましかったのか必死に目で

訴え!…となるとマサツグもそんな様子を見て思わず驚き!…一体何事か?と

言った様子で見て居ると、シロは更に催促する!…因みにこの時着席順としては

マサツグを挟む様にしてフィロとシロが両脇に!…そしてシロの隣にはオリハが!…

と言っても円形テーブルなので向かい合う様に!…アヤもフィロの隣、ただ何事も

無くその出されたポタージュを音を立てずに食し出すと、一人呆れて見せて居た!…


__クイクイ!…クイクイ!…あぁ~ん!!……ッ!…


「……全く!…如何にもお行儀の悪い娘だ!…

今回だけだからな?…」


__ッ!!…ぱあぁ~~!!!…あぁ~ん!!……


「ッ!…ったく、やれやれ…熱いからふぅふぅして……はい、あぁ~ん…」


さて必死にシロが訴え続けて居る一方でマサツグも把握!…途端に呆れた様子で

言葉を口に!…しかしシロには元から甘々であり、マサツグも了承した様子で

ふとスプーンを取って見せると、シロのポタージュを掬い出す!…その際シロが

火傷をしない様に一度冷ますと、続けてシロにあ~ん!と…するとシロは嬉々

した様子でスプーンに食い付き!…次には舌鼓を打つ様に自身の両頬に手を

添えて見せると、歓喜に震える!…さてこうして満足したかと思った矢先!…

今度はまた背後から!…


__スッ…クイクイ!…


「ッ!…今度は何だ?…って、はあぁ~…」


__あぁ~ん!!……


言わずもがなマサツグの腕を引っ張って来たのはフィロで有り!…フィロも

シロと同様に口を開けて催促!…もはやその様子は傍から見て居るとまるで

親鳥の餌やりであり、マサツグもそれに答えるようフィロに再度あ~ん…を

し出すと、それは無限ループと化すのであった!…因みにオリハもそう感じて

しまったのか、アヤには聞こえる様にボソッ!と…


「親鳥の餌やり…」


__チュンチュン…チュンチュン…


「ぼふッ!!!!

げほッ!…げほッ!…げほッ!…」


「ッ!!…

きゅ!?…急にどうした!?…」


オリハの一言にアヤはマサツグを親鳥!…シロとフィロをそれぞれ雛として

考えてしまうと、次にはマサツグに向かってポタージュを噴出す!…それは

余りにもハマり役だったのかアヤは暫くの間咽せに咽せ!…すると当然

マサツグも突如アヤが噴き出した事に酷く驚き!…一体何事か?と言った

具合に声を掛けると、アヤはマサツグの顔を見るなり噴き出すのであった!…

もはやアヤの頭の中ではフィルターが掛かっている様で、マサツグを見ては

大爆笑!…となるとマサツグもそんなアヤの様子を見て更に戸惑い!…

本当に何が有ったのか?と悩み出すと、ただただ困った様子で固まるので

あった!…因みにその様子をオリハは我関せず!とばかりに黙々と食事を

続け、難を逃れ!…そうしてこの後は何事も無く夜を向かえ!…無事飛行船の

旅二日目を終えるのだが…この日アヤはマサツグとシロとフィロを見る度に

オリハの言葉が頭を過ぎると噴出し!…やはりマサツグ達に疑問を持たれる

のであった!…


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