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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章二節 呼び出しアナウンスと回収班とレストランマナー-

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いつものじゃれ合いでマサツグとフィロが文句を言い合って居ると、整備士達も

戸惑い!…一体何をやって居るんだ?とばかりに呆れても居ると、ふとエンジン

ルームの天井より突如穴雲氏が流れ始める!…しかしそれはいつものご機嫌伺いの

様なアナウンスではない様で、何やらお願いを…と言うのもよく聞いてみると

まるで迷子の案内の様な放送が聞こえ、その放送にマサツグとフィロも何か聞き

覚えの有る様子でピクっと反応をして見せると、次にはハァ~っと溜息を吐く!…


__やいやい!!…ぎゃいぎゃい!!…ピンポンパンポ~ン!!……ッ!!…


「…お客様のお呼び出しを申しあげます……

お客様の中に様と様…

この両名様と旅をされている冒険者様にご報告させて頂きます。

現在、当艦のバーにてこの二名のお客様がしまっておいでです。

大変申し訳御座いませんが三階バーまでお越し頂き、この両名様の

保護の程を宜しくお願い申しあげます…繰り返します………etcetc。」


「……なぁフィロ?…これってもしかしなくても…」


「……そうじゃな?…恐らくそう言う事じゃろうな?…」


その聞こえて来た艦内アナウンスと言うのは何やら誰かに向けてへの放送で、

が酔い潰れて居る!と…

するとその放送にマサツグとフィロも途端に喧嘩をピタッと止め!…恐る恐る

その放送の聞こえて来るスピーカーの方へ視線を向けて行くと、次には互いに

冷めた様子で話し合う。マサツグが聞き覚えの有る様子でフィロに疑問を投げて

行くと、フィロはそれを呆れた様子で肯定して行き!…となるとマサツグと

しても聞き間違いで有って欲しかった様子で次には溜息を吐き始め、これから

やらないといけないであろう事について思いっきり肩を落として行くと、更に

フィロへ質問をする!…


「……すうぅ~……はああぁぁ~~…

…このまま知らん振りは出来ないのだろうか?……

俺今までにアヤの酒乱にある程度付き合って来た事は有るんだが…

こんな迷子のお知らせみたいに放送されたのは今回初めてなんだが?……」


「…わっちもそれが出来たら良いなとは思うが…

さすがにそのまま二人を放って置く訳にも行くまい……

…わっちもまさかこの様な呼び出しを喰らうとは思っても居なかったが…

……呼び出しとは……はああぁぁ~~…」


もう目に見えて展開が読めて居る様子で行きたくない!と、フィロに相談する

よう声を掛けるのだが…フィロはマサツグの相談に対して行かねば!と…

まさかの大人の対応で迎えに行く事を口にすると、しかし本音はマサツグと

同じなのか面倒臭がる!…その際まさかの呼び出しに対しても本当にえ?…と

言った具合に戸惑った様で、次にはマサツグ同様溜息を吐き…遂には二人

揃ってアヤの飲兵衛ぶりに呆れたよう…とにかくそのままにして置く訳には

行かないと漸くエンジンルームを後にしようとすると、整備士達もホッとする!…

さて艦内アナウンスがあった三階バーへと向かうのだが、その二階三階と

上がって行く途中…何やら騒がしい声が辺りからふと聞こえ始め、マサツグ達も

その騒動に一体何事か?と言った様子で戸惑って居ると、すれ違う乗客の話を

耳にする!…


__コッ…コッ…コッ…コッ…ワイワイ!…ガヤガヤ!…ッ!…


「……いやぁ!…あのエルフのねぇちゃん無尽蔵だな!?…

酔い潰れて動かなくなったか?と思ったら急に起きてまた飲み出す始末で!…」


「あぁ!…だからバーのマスターもタジタジで!!…

ありゃ今までに体験した事が無いって感じだったぜ?」


「だな!!…ってかそりゃそうだろ!?…

あんだけ飲む客なんて、そうそう!!…いや!…

生涯に一度有るか無いか位の話しだぜ!?」


「……ますます行きたく無くなって来た…」


すれ違った乗客から聞こえて来たのはやはり三階バーでの話で、何やら酔い潰れて

居た筈なのに復活した様子でまた酒を飲み始めた!と…それはさも現場を見て来た

様子で嬉々とした具合に話しており、その際バーの管理を任されているであろう

マスターの様子まで笑いながら話して居ると、マスターはただ慌てた様子だった!と

談笑して居た!…その際アヤの飲みっぷりを一生に一度見るか見ないか?と話して

行くと、そのままマサツグ達の隣を通り過ぎ!…マサツグはマサツグでそんな話を

耳にして更に億劫なってしまい…行きたくない!と更に本音を零して行くと、

それでも三階のバーへと向かって行くのであった!…さてそうして徐々に件の

バーへと近付いて来ると、何やら可笑しな事に歓声が!…まるで何か戦って居る

そんな沸き上がる様な歓声が聞こえ、とにかく普通のバーでは聞けない騒がしい

様子が外の方まで聞こえて来ると、マサツグ達も不審に思う!…


__コッ…コッ…コッ…コッ……うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!…ッ!?…


「……な、何?…今の歓声?…

普通こんな所で聞けない様な歓声が聞こえて来たんだが?…」


「……うぅ~む…ますます何か混沌として来た様な?…

…とにかく事は急いだ方が良さそうじゃぞ?…」


「……はあぁ~…」


当然歓声が聞こえる事に不思議に思い!…一体これは?と話して居ると、

フィロは何か邪気の様な…とにかく何か良くないモノを感じ取った様子で

言葉を続け!…その際マサツグに急ぐよう声を掛けて頭にしがみ付いて

居ると、いつの間にかマサツグと仲直りした様子で指示を出して居た!…

この時肩車をして貰って居ると指を差しては足をパタパタ!…もはや

子供の様に振舞ってはマスコットと化しており…となるとマサツグとしても

そんなフィロの様子など気にして居ない様で、とにかく回収するのが億劫と

言った具合に何度目となる溜息を吐いて居ると、遂にそのバーの前へと

辿り着く!…そしてマサツグが意を決した様子でその扉を開けて行くと、

そこには予想して居た光景が!…


__…ガチャッ!…ガギイイィィ…


「ッ!…い、いらっしゃいませ……ッ!…

…お客様申し訳ありませんが…お子様向けのメニューは…」


「ッ!…あ、いえ……連れを迎えに来ただけなので……はあぁ~…」


マサツグ達がバーに入るとマスターらしき人物が慌てた様子で挨拶を!…この時

頭にフィロ・腹にシロをくっ付けて居る事から先に忠告の言葉を口にしようと

するのだが、マサツグは申し訳なさそうに手を出して違うと否定をして見せ!…

と言うのも次には直ぐに探す事無くアヤが占領しているテーブル席を見つけて

行き、呆れた様子で溜息を吐きつつ!…そのアヤの飲んだくれているテーブル

席へとマサツグが無言ながらに向かって行くと、とにかくアヤに止めるよう声を

掛けようとして見せる!…その際アヤはマサツグ達が来るまでの間、他の乗客達と

飲み比べをして居た様子で、アヤのテーブルの周りにはその挑戦者達が死屍累々!…


「んっんっん……ぷああ!!!……うっしゃあ次!!…

かかってきなさ~い!!!」


「すっげえぇ!!!…あのエルフのネエチャンもう50人抜きだぜ!?……」


「それもこの勝負を吹っかける前にここで浴びる程の酒を飲んでいるのに

まだ飲むって…底なしにも程があるぞ!?…」


「それも酔い潰れたと思っていたら、突然起きてこれだもんな!?…

エルフってとんでもねぇ酒豪なのか!?

…もう勝てる奴居ねぇんじゃねぇのか!?…ッ!!…」


上機嫌の様子で椅子と机を台に高らかに空のジョッキを掲げる!…もはやその様子

からはエルフの国の王女の面影は当然無く、ただ酒に滅法強い!…酒豪エルフの

姿が乗客達の目の前にあった!…そして一緒に連れて行かれたであろうオリハも

机に突っ伏しては椅子に座ったままの状態で倒れており、ピクリとも動かず!…

そんなオリハを余所にアヤは五十人抜きを達成しており!…そんな様子に乗客達も

驚き興奮した様子で話して居ると、ここで漸くアヤがマサツグの存在に気が付き

始める!…


「はぁ~♥…やっぱ、お酒ってサイコ~!!♥…

…ん?…あっ!…お~い、マサツグ~!!」


__ッ!…バババッ!!!…


「……はあぁ~…一体これは何の騒ぎ何だ?…

てかこんだけ飲むとか!……はあぁ~…とにかく!…

今日はもうお開きにするぞ?…これ以上はバーの方にも迷惑が掛かるし!…

また二日酔いと戦う嵌めになるぞ?」


「だいじょ~ぶよ♥…

それにいざとなったらマサツグが居るし~♥」


「そのマサツグさんが既にドクターストップを掛けてんだよ!!…

てか!!…既に艦内アナウンスで保護してくれって放送が掛かってんだよ!!!…

…抵抗しようがもう首に縄を着けてでも連れ帰るからな!!!」


恍惚とした笑みを浮かべてはお酒に酔い!…そしてマサツグを見つけるなり

無邪気に手を振って見せると、アヤの周りの乗客ギャラリー達も一斉に振り向く!…

となるとそんな乗客ギャラリー達の反応にマサツグも戸惑った反応を見せるのだが、

改めて呆れたよう溜息を吐くとアヤにお開きにするよう言葉を!…店側に迷惑が

掛かる事を口にしては同時に地獄を見る!と…先に予見をした具合にアヤへ

忠告の言葉を口にすると、アヤは反省して居ない様子で返事をする!…

と言うのも最初っからマサツグ頼みで居るらしく、頼りにして居る!と…しかし

そんな言葉で当然納得出来る筈も無い訳で!…マサツグがアヤにツッコミを

入れるよう言葉を口にして行くと、無理やりにでも回収を試み始める!…


「ッ!!…ヤダヤァダ!!!…もっとおしゃけ飲むのぉ~!!!…

もっと皆で楽しく飲みたいのぉ~!!!」


「はいはい!!…連行連行!!……っと、オリハも回収しないと…

…よっと!!…はあぁ~…本当に手間の掛かる!…」


「ほんにのぉ?……全く!!…もう少し落ち着きを持つと言う事!…」


「……お前も言えた義理じゃねぇが?…」


マサツグが乗客ギャラリーを掻き分けアヤを回収!…その際アヤは暴れて抵抗をするのだが、

マサツグは慣れた様子でアヤを担ぎ!…その際フィロは気を利かせてマサツグの

肩から降りて見せ!…そしてマサツグの隣を歩こうとすると、ふと気が付いた

様子でマサツグのTシャツの裾を引っ張り始める!…するとマサツグもふと気が

付いた様子でオリハを続いて回収!…その体の何処にそんな筋力が有るのかと

ばかりに二人をダブルホールドして見せ!…となるとマサツグもこれで回収した

とばかりに一息吐き!…手の掛かると文句の言葉を漏らして居ると、その言葉に

フィロも同意するよう言葉を漏らす!…しかしマサツグからすればフィロにも

該当する言葉であって、フィロにもツッコミの言葉を!…とまぁ色々有ったものの

マサツグはそのまま二人を抱えてバーを後に…そんなマサツグの後ろ姿に乗客ギャラリー達は

驚き!…ただ何も言う事無くマサツグの背中に感動!…その雄姿を見送って居ると、

この後トンデモナイ物を目にする事となるのであった!…


さてその後マサツグは二人を抱えて自室に、自室前に辿り着くとそこにはボーイが…

その際マサツグが女性を二人抱えている事で驚かれるのだが…事情を話して理解を

して貰い、自身ではチケットを出せないのでフィロに出して貰ってボーイに確認を!…

確認が取れた所でボーイに自室の部屋を開けて貰い、漸く休む事が出来る様になると、

続けてアヤとオリハを送り始める!…


「……えぇ~っと…Aの12…ここですね?…少々お待ちください…」


__ガサゴソ…ガチャッ!!…ギイィィ…


「では…どうぞ…」


その際二人の分もチケットもマサツグが管理をして居る為、ボーイと協力して

運搬!…となると何か珍妙な事になってしまったので申し訳なく感じ、多少なり

ともチップを渡し…マサツグが感謝の言葉を口にすると、ボーイは恐れながらも

そのチップを受け取るのであった。さてこれで漸く一段落ついて行くと、

マサツグも自室に戻っては休息を…自室に戻って改めて内装を目にし、いつもより

豪華な部屋の内装に戸惑ってしまいそうになって居ると、フィロはベッドの上で

燥いで見せる!…


「フウゥ~……これで一段落…」


__ぽい~ん!!…ばい~ん!!…


「おぉ!!…おぉ!?…いつもの宿屋のベッドよりフカフカなのじゃ!!…

ほれマサツグ!!…コッチに来てみぃ!!」


「……思いっきりエンジョイしているな?……まぁ良いけど…」


一息吐くマサツグ余所にフィロはベッドの上で跳ねて見せる!…その際フィロは

いつもの宿屋のベッドとは違う!と言うと、マサツグを手招き!…そのベッドの

フカフカ具合を一緒に確かめるようマサツグに嬉々として声を掛け続けて見せる

と、マサツグもそんなフィロの様子に呆れて見せる!…と言うのもその時の

フィロの様子はと言うと、まるっきり子供の様で!…これがあの悪女と呼ばれた

魔王なのか?と…ただベッドの上で跳ねる幼女を目にしては苦笑いをして見せ、

マサツグも言われるままにベッドに腰掛けようとすると、次には艦内アナウンスが…


__ピンポンパンポ~ン!!…ッ!…


「…お客様方にご連絡の程をさせて頂きます…

現在時刻…夕方の七時となりました…

三階レストランにてお客様方のお食事のご用意をさせて頂いております…

是非お集まり頂き、空の旅を堪能しながらお召し上がりになって下さいませ…」


「ッ!…食事か……てかもうそんな時間なのか……どっこい正一…」


突如聞こえて来たアナウンスにマサツグが思わずビクッと反応!…それこそもう

アヤ達を回収したのでビクビクとする必要はないのだが、何か思わず警戒する

様なそんな様子を見せて居ると、アナウンスは現在時刻を報告し出す。そして

次には乗客達へ向けて食事の用意が出来たと報告を続けると、三階にある

レストランに集まるよう放送を!…するといつの間にかそこまで時間が経って

いた事にマサツグもハッと若干驚いた様子で反応して見せ!…放送にあった通り

直ぐにそのレストランへ向かおうと立って見せると、次にはアヤとオリハの事を

気に掛ける。…と言うのも…


「…ッ!…そういやあの二人は動けるのかね?…

一人は完全轟沈してたし…もう一人はあの様子だったし…」


「ッ!…うぅ~ん…まぁ一応声を掛ければ分かる事じゃろうて?…

特段気にする必要も無いと思うが?…」


「……それもそうだな?…とにかく三階に向かうか…」


「うむ!…」


オリハは完全に酔い潰れた様子で動けず、アヤはアヤでベロベロ…当然そんな

二人の様子を思い出しては真面に動ける筈も無いと考え…口に出してその疑問に

対し何か考える様な素振りをマサツグが見せて居ると、フィロもそのマサツグの

言葉に反応を示す!…その際耳をピクッと反応させては腕を組んで悩むよう、

一応声は掛けようと…更にはそこまで心配する必要も無いと続け、マサツグに

安心するよう自身の答えを口にすると、マサツグも納得した様子で返事をする!…

そしてフィロの意見を聞き入れた様子で動き出すと、とにかくレストランに

向かい出し!…その道中でアヤとオリハの部屋を訪ね、ノックをしてその状態を

確かめに掛かって行くと、それぞれ奇妙な反応が返って来る!…


__…スッ…コンコンッ!………


「…返事が無い…ただの空室の様だ…」


「完全に死んで居る様じゃな?…そっとしておいてやろう…

ではアヤは?…」


__…スッ…コンコンッ!………ガチャァ…ッ!…


「……何よ!…今度は何処に連れて行こうって言うのよ!…

私からお酒を奪っただけに飽き足らず!…今度は何をする気なの!?…」


「ッ!?…ま、まだ酔ってるのかよ!……はあぁ~…

放送を聞いてなかったのか?…飯が出来たみたいだから食いに行くんだが?」


まずオリハの泊っている部屋に辿り着くと扉をノック!…しかし中からは返事は

聞こえず、更には物音も一つ聞こえず…これにはマサツグも某・大作RPG宜しく

有名な台詞のオマージュを口にし!…フィロもオリハが死んで居ると判断をする

と、次は隣のアヤの部屋をノックする!…すると少し時間を空けてから部屋の

扉が若干開き、そこから何か警戒した様子で外の様子を確認する!…そこに

マサツグ達が立って居る事をアヤはジトッと視線を向け!…まだ酔って居る様子で

先程の事について文句を言い出すと、マサツグは呆れた様子で言葉を零す!…

その際艦内アナウンスを聞いて居なかったのかとツッコミを入れると、訪れた

理由を簡単に述べ!…するとアヤもそれを聞いてピクッと反応をして見せ、

マサツグの用件を聞き入れた様子で更に扉を開けて行くと、ムスッとした様子で

姿を現す!…


「……行く!…」


「……ったく、んじゃまぁとにかく行きますか?…三階に。」


「……と言うかお主…本当に無尽蔵じゃな?…

その調子だといつかトンデモナイ事になりそうな物じゃが?…」


__ッ!…プクゥ~!!…プイッ!!…ッ!?…


さも子供みたくアヤはマサツグに返事!…するとマサツグもそんなアヤの様子を

見て呆れてしまい!…次には苦笑いしながらアヤを連れて三階のレストランへと

向かい始め!…フィロもフィロでそんなアヤに忠告をするよう言葉を口にして

行くと、更にアヤは膨れた様子で拗ねて見せる!…もはやこうなると何を言っても

無駄な様でアヤは自身の耳に手を当て!…となるとそんな反応を見せられた

フィロは驚き戸惑い!…どこまで本気なのか?とアヤのその態度に呆れて見せると、

ただ何も言わずに困惑するのであった!…さて話は進んで三階レストラン!…

レストランに辿り着くとそこでボーイの案内を受け…


「…ッ!…いらっしゃいませ…

ようこそレストラン・ヴェールズへ…さぁこちらに!…」


「ッ!?…おぉう!?…」


「ッ!!…うわあぁ!!…」


「……ほほう?…これは中々!…」


ボーイの案内に従ってレストランに入るとそこはまるでドラマや漫画に出て

来そうな高級ホテルの内装が!…赤い絨毯が敷かれては白いクロスの掛けられた

テーブルが置かれて有って、更には装飾された椅子が綺麗にセッティングされて

おり!…そんな光景を見た事でマサツグも思わず驚いてしまい!…何か場違いな

所に来た様な感覚に陥てしまって居ると、アヤとフィロも感動した様子で言葉を

零す!…しかしマサツグとは違って慣れて居る様子で二人は堂々としており!…

とにかくそんな一行をボーイは席へ案内して行くと、椅子を引いてマサツグ達を

席に座らせ!…一礼をして料理を持って来ると言葉を掛け、その場にマサツグ達を

置いて行くと、途端にマサツグは不安がり始める!…


「……何かめっちゃ場違いな様な気がして来た…」


「ッ!…なぁに言ってるのよ!!…

大丈夫だぁいじょうぶ!!」


「そうじゃぞマサツグ!…別に気にする様な事ではない!…

ちゃんとわっちらはその権利を得てここに居るのじゃ!…

誰かにとやかく言われる筋合いは無い!……まぁ強いて言うなら?…

ちゃんと背筋を伸ばして座らんと締まらんモノじゃぞ?…」


「…それが一番ハードルが高いんだが?…」


基本貧乏性のマサツグからすれば落ち着かない様子で、辺りをキョロキョロと

見回してはオドオド!と…その際マサツグが不安の言葉を零すとアヤは機嫌が

直った様子で言葉を!…マサツグに大丈夫と声を掛け、笑顔でそんなマサツグを

宥めに掛かろうとして行くと、フィロもそれに合わせて声を掛ける!…この時

フィロはここに居るのは当然の権利と主張すると、堂々とする様に声を掛け!…

しかしマサツグからすればそれが一番苦手だ!と…出来たら等にやって居ると

ばかりにとにかく難儀な様子を見せて居ると、そんなマサツグを余所にボーイが

料理を運んで来る!…


__カラカラカラカラ……


「…お待たせいたしました…

こちら「オードブル前菜」の[角切り野菜のスモークサーモン包み]に御座います…」


{ッ!?…え!?…オードブル?…って事は前菜って事だよな?…

だとするとフルコース形式!?…

ちょっと待て、礼儀作法知らねぇぞ!?……ッ!?…}


ボーイがカートに料理を乗せて運んで来ると、マサツグ達の前に提供!…その際

料理はフルコース形式なのか、まずは「オードブル前菜」から料理名を口にしながら出して行くと、

マサツグは途端にテンパった様子で困惑する!…何故なら目の前にある食器は

妙に多く!…フォークだけでも何故か四本置いて有り!…ナイフに至っては何故か

五本!…某・ハンバーグレストランに行ってもまず二本目を使う事が無いので

これは何!?…と言った具合に戸惑って居ると、その礼儀作法に苦しみ出す!…

と言うのもナイフとフォークに馴染みは無く!…レストランの雰囲気が何か

マナーを厳守しなければならない様に感じてしまい!…とにかく如何したら良い

のか分からず固まり!…ふと気が付いた様子でチラッとアヤやフィロの方に

視線を向けると、そこでマサツグには考えられない光景を目にする!…


__スッ…スッ…スッ……ッ!?!?…


「……お次は「スープ」…

[セントラルオニオンのベーコン入りコンソメスープ]に御座います…」


__スッ…スッ…スッ……ッ!?!?!?…


マサツグが見たモノとは難無く食事をする二人の姿で有って、全く音を立てて

いない様子で有り!…それはさも当たり前の様に綺麗に済ませ、次のスープも

啜る事無くスッとスプーンで掬って飲んで行くと、そのイメージを崩壊させる!…

片や幼女と化した魔王でもう片やは飲兵衛!…とてもその様子からはそうは

見えず!…そうこうして居る内にマサツグは更に如何食べたら!?と…

何か追い込まれて居る様な雰囲気に陥ってしまって居ると、シロがいつの間にか

マサツグの隣の席に!…チョコンと座ってはそんなマサツグの顔を覗き込んで

居た!…


「……ご主人様?…」


「ッ!……ッ!?…シ、シロ!?…てか久しぶりに声を聞いた様な?…」


「……ご主人様が如何してそんなに悩んで居るのかは分からないですが…

シロは美味しく食べたら良いと思います!…こうやって……」


__スッ…ッ!…グサァ!!…ッ!?!?…スウゥ…ハグッ!…むぐむぐ…


この時マサツグは久しぶりにシロの声を耳にする!…そしてマサツグもシロの

声に反応するなり隣を確認し始め、シロがいつの間にか座って居る事に!…

何ならシロが自身から離れて食事を取ろうとして居る事に驚いた反応を見せて

居ると、シロはマサツグに話しを続ける!…その際シロは徐にフォークを一本を

手に取って見せると、実演するよう自分の食べたい様に食べれば良い!と…

徐にその出された前菜に向かいフォークを突き立て!…当然礼儀作法など完全

無視してその前菜を口一杯に頬張り始めると、マサツグの度肝を抜いて行く!…

となるとアヤもフィロもふと気が付いた様子でシロに視線を…マサツグから

離れて居る事に驚き!…マサツグもマサツグでそんなシロの無邪気さに戸惑い

慌て!…とにかくシロは構わずムシャムシャと、出された前菜を平らげて見せる

と、マサツグに笑顔を見せて行く!…


__むぐむぐ…むぐむぐ……ゴックン!!…ニイィ!!…


「ッ!!……プッ!!…クククク!!!……

…はあぁ~!…考えるのがアホらしく思えて来た!…

んじゃまぁ食うか!…シロを見習って!!…

元より俺がそんな事出来る筈もねぇんだ!…

また追々覚えて行くとして…とにかく食おう!!」


「ッ!…はいです!!」


シロは前菜を食べた所で満面の笑みをマサツグに、するとマサツグもそんな

シロの反応を見て思わず吹き出し!…次には吹っ切れた様子で一息吐き出し!…

シロの真似をするよう目の前に出された食事に手を付け始めると、いつもの様に

食事をする!…その際その料理を運んで来るボーイが戸惑った反応を見せる

のだが、決してその食べ方の注意をする訳でも無く…と言うのもその豪快な

食べ方で在りながらも音を立てて居ないと!…逆に器用に思えてしまう光景に

困惑したよう固まってしまうと、ただただ料理を平らげる二人の様子を見て

しまうのであった!…


因みにマサツグ達が食事を取り出してから他の乗客達も続々とレストランに

来店!…同じ様にフルコースのメニューを前にするのだが!…そこには

マサツグ達以上の上級者達が!…シロと同様最初っから諦めて居るのか

礼儀作法など御構い無いし!…自身の食べたい様に出された料理を食べて

行くと、足早にレストランを後にする様子が伺えるのであった!…さてこうして

飛行船の旅一日目が幕を閉じようとすると、マサツグ達はそれぞれ自分達の

部屋に…


「…ふあぁ~…あぁ…おやすみぃ~…」


「ッ!…あぁ、おやすみ……シロもお眠か?…」


「…う…んん……ふあぁ~あぁ……んあいです…」


「…ッ!…わっちも…わっちもお眠なのじゃあ…」


「ッ!……はいはい!…全く手の掛かる娘達だ事!…」


眠そうなアヤはマサツグ達と別れる際挨拶を…マサツグもそれに反応して挨拶を

して行き、また自身の腹にくっ付いて居るシロにも声を掛けると、今度は返事が

返って来る!…シロの様子が少し改善された様な気がしてホッと何度する一方で、

フィロもマサツグに甘え出し!…へたり込もうとするフィロにマサツグもふと

気が付いた様子で視線を向け!…フィロの魂胆は分かって居るものの、呆れた

様子でそれでも尚フィロの事も回収すると、自分の部屋に戻って行くなりベッドへ

そのまま倒れ込もうとする!…これがあと二日間…最初からハチャメチャが押し

寄せては疲労感を…マサツグはシロとフィロを抱えたままそのまま眠りに落ちて

しまい、この後に待ち受ける困難の事等!…当然知る由もないままその日一日を

終えるのであった!…

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『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

転生騎士団長の歩き方

Akila
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【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】  たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。 【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。   【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?  ※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
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目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

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