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-第四章-オータムクラウド国編-

-第四章八十九節 ヴェルの悪戯?と終戦後の影響とちょっとした異変-

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突如ヴェルが姿を現した事で一同は困惑!…まさかあの剣神に会えるとは!?

と言った様子で戸惑って居ると、ヴェルは何やら辺りをチラチラと探り出す!…

そして自身の目で…気でも確かめ改めて大丈夫だと悟ると、マサツグ達にふと

声を掛け出すのだが…その際ヴェルは徐に杖を若干持ち上げると床を突く様に

コンッ!と…さも何か意味深な様子でたった一回だけ床を杖で突いて見せると、

マサツグ達にこう話す!…


__…チラッ?…チラッ……スゥ…コンッ!………ゴゴゴゴゴゴ!!!…ッ!?…


「…さぁて?…積もる話も色々ある所じゃが…

今はここからの脱出を優先しようでは無いか!…

見た所この天守閣はもう駄目そうじゃ…長くは持たんて…」


「ッ!?…そ、その前に一体何を仕出かしてくれちゃってる訳!?…

何でこんなに揺れて!?…」


「ホッホッホッホッホ!!…ほぉれ、駆け足駆け足!…」


ヴェルが天守閣の床を突くと天守閣が大きく揺れ出し!…その揺れにマサツグ達も

戸惑った様子で踏ん張る様な素振りを見せて留まって居ると、ヴェルは何事も無い

様にただその場で立ち続ける!…そしてヴェルは話は後と言った具合にマサツグ達

を突如として急かし出すと、その場で駆け足をする様に足を動かし!…となると

マサツグもそんなヴェルに対してツッコむよう言葉を口にして見せ!…この揺れに

ついて嫌な予感を感じて居ると、ヴェルは無邪気に笑ってはその場を後にしようと

する!…さてそうなるとマサツグ達も慌てた様子でヴェルの後を追い駆けると、

揺れに耐えながら天守閣を後にし!…すると天守閣はまもなく音を立てて崩落をし

始め!…中に居ても今崩れたと言うのがハッキリと分かった様な何か違和感を

覚えると、その崩壊に巻き込まれなかった事に安堵する!…


__タッタッタッタッタッタッ……


「…ぜぇ!…ぜぇ!……こ、ここまでくれば大丈夫か?…」


「てかあの爺さん何をしてくれとんねん!!!…

そのまま放って置いたら良かったやないかい!!…」


「ッ!!…おい貴様!!…今師匠の事を!!…」


急ぎ一個下の階層へと逃げて行き!…玲玲と戦ったフロアへと戻って来ると、

そこにはあの兵士達の姿が!…しかし先程と打って変わって困惑したよう…

何か現状が分かって居ない様子でただ武装している自分達の姿に、何なら今

何が起きて居る?と戸惑いを感じて頭を抱え続けて居ると、もう襲ってくる

気配を見せないでいた!…しかしマサツグ達はそれ所ではなく、ただ慌てた

様子で息を切らし!…ライザに至ってはヴェルに対して文句を漏らし、

その文句にグレイが噛み付こうかと言った具合に視線を鋭くする様な様子を

見せて居ると、アヤが全員揃っているかの確認を取る!…


「……とにかく皆無事!?…一応取り残された人は居ないと思うけど?…」


「…こっちは大丈夫だ!!…シロもフィロも抱えてる!!…

…ッ!…シロ?…」


__……ギュッ!!……ッ?…


取り敢えず一段落出来る所まで逃げて来ると、辺りを見回し!…全員が揃って

居る事を確認すると、更に怪我をして居ないかの点呼を取る!…するとそんな

アヤの呼び掛けに対してマサツグも返事!…その際両脇に抱えているシロと

フィロも見せようとするのだが…この時シロはマサツグにくっ付いては決して

離れようとは一切見せず!…マサツグ自身もそんなシロの様子を見て何か

違和感を覚えた反応で戸惑って居ると、その一方でライザがある事にハッと

気付く!…


「……ッ!!!…そ、そうや!!…あの子は!?…

あの子はどないなったんや!?…」


「ッ!……あの子?…」


「ッ!…あぁ、そうか…そういやヤブは見て無かったよな?…

あぁ~っと…簡単に言うと恐らくは人形使いの派生…

キョンシー使いなんだろうが…その子がライザと色々有って…

…まぁ怪我をしたからここに寝かせて行ったんだが…」


ライザが気が付いたのは玲玲の存在!…思い出した様に突如慌てた様な反応を

見せると、その玲玲を寝かせて居た場所へと駆けて行く!…すると当然突如

そんな反応を見せた事でマサツグは驚いたよう反応を示し、一体何事?と驚いて

見せると、モツがハッと気が付いた様子で訳を話す!…と言うのも一から説明を

するとなると中々に面倒で長くなり、要所要所を端折って説明し!…とにかく

怪我をしたからここに休ませて置いたとマサツグに説明!…マサツグもその話を

聞いて理解した様にあぁ~…と頷いて見せて居ると、ライザは近くに居た兵士に

話し掛ける!…


「ッ!!…おいそこのアンタ!!!…ここで小さい子を見いひんかったか!?」


「ッ!?…な、何だ急に!?…小さい子?…」


「深い傷を負ってんねん!!…場合によっては命に関わんねん!!!…

…何処や!?…知っとんのやったら勿体ぶらんと話せ!!!」


「ッ!?…な、何だ!!…何を!!!……ッ!!…そ、そう言えば!…

…さっき冒険者みたいなのが来て連れて行ってた様な?…」


まるで錯乱した様に現場近くに居た兵士へ近付くとズイっと詰め寄り!…玲玲の

居場所について問い質すよう質問をすると、当然そんなライザの反応に兵士も

戸惑う!…いきなり声を掛けて来ては名も知らぬ子供と!…更にはこの状況で

頭が混乱して居るにも関わらず!…そのライザからの問い掛けで更に困惑した

反応を見せて居ると、ライザはその兵士の胸倉を掴んでは更に問う!…となると

もはやライザが一方的に悪く!…場合によっては捕まりそうなモノなのだが!…

兵士は戸惑いながらもふと何かを思い出した様子で、それらしい光景を見た事を

思わずライザにポツリと零してしまうと、ライザは更にハッとした様子で質問を

する!…


「なにぃ!?…何処や!?…何処に連れてかれたんや!?…」


「ッ!?…し、知らんわ!!…」


__ブンッ!!!…ッ!!……


「…冒険者だったのだからギルドにでも搬送されたのでは無いのか!?…

…それよりも先程から無礼な態度を!!…貴様は一体何者なのだ!?…」


「…ギルドか……しゃ~ない!!…行ってみるか!!」


その連れて行かれたという話を聞いてライザが過敏に反応!…更に詰め寄る

様にして兵士に話しを問うのだが、兵士も我慢の限界の様子でライザの腕を

振り払い!…しかし問い掛けには答える様で、連れて行ったのは冒険者…

つまりギルドに連れて行かれたのでは?と返事をすると、遂にはキレた様子

で文句を言う!…しかしライザはそんな兵士の事等お構いなしに!…その場で

考える様な素振りを見せると、ギルドに向かう事を決め!…マサツグ達を

その場で置いてけぼりに!…自分だけ先にギルドに戻るよう足早にその場を

去って行くと、更に兵士を怒らせて行く!…


「ッ!?…あっおい!!!……何なのだアレは!?……」


「……余程心配なんだろうな?……ってか俺達を置いて行くのかよ!!…」


「……とにかく俺達もギルドに向かうか…

…何ならヴェルのジッチャンも居ないし…」


自分の都合だけを押し通すとその場を後に!…当然兵士も謝罪の言葉が無い事で

怒りを露わに!…ムシャクシャした様子で兵士もその場所を後にすると何か奥の

部屋へと歩いて行き!…そしてその場に残されたマサツグ達もそんなライザの

様子を見て心配…する一方で置いて行かれた事に若干のショックを受けつつ!…

自分達も一度ギルドに戻る事を決めると、そのまま下の階層へと降りて行く!…

そして降りて行く毎にその惨状を目の当たりにすると、改めてトンデモナイ戦い

であったと!…襖は蹴破られては見るも無残な状態になっており、畳も土足で

踏み汚れ!…柱は刀傷や突き跡でもうボロボロ!…まるで強盗にでも入られた

かの様な荒れ具合が一瞬で見て取れると、マサツグ達も戸惑う!…

そして秋雲城を出て外に!…


__コッ…コッ…コッ…コッ…ザッ……ッ!!…


「……うわぁ…ヒデェ荒れ様だな…外も…」


「…上に居た時は全く気付かなかったけど……これは……」


城の外に出て更に気付かされるその戦闘の激しさ!…既に瘴気はもう何処にも

残って居ない様子で霧散しており!…外は町の惨状とは裏腹に晴天そのもの!…

まるで皮肉とばかりに太陽が燦燦と照り付けては町の惨状を露わにして居り!…

民家らしき建物はモンスター達に襲われ倒壊!…それも十軒や二十軒ではなく、

とても多い数で硝煙を立ち昇らせ…ふと振り返って城を見れば城も同じく!…

レイヴンが焼き切った屋根の他に外壁に瓦と…天守閣もゴロッと無くなっては

残骸が屋根に引っ掛かり!…それはとても無残な状態でその場に放置されて

居た!…そしてただそれを見てはマサツグ達も唖然!…もはやある意味で見慣れた

光景であり!…出てくる言葉も酷いの言葉…もはやそれしか出て来ない様子で

戸惑って居ると、何やら突如として誰かに呼ばれる様な声を耳にする!…


__……おぉ~い!!…


「……ッ!…今誰かに呼ばれた?…」


「……確かに呼ばれた様な?……ッ!…アレ!…」


「ッ!……え?……ッ!!…」


それは遠方よりマサツグ達を呼ぶ様に聞こえて来る!…そしてそれを耳にした

マサツグがアレ?っとばかりに反応して見せ、今何処からその声が聞こえた

のかについて質問をすると、周りの面々は首を傾げる。と言ってもその声が

聞こえて居ないという訳では無いようで、同じ様に反応しては辺りを見回し…

するとアヤが見つけた様子でハッとして見せ、その何かを見つけた方向に向かって

指を差すと、マサツグ達に声を掛ける!…となるとマサツグ達もその声に反応

してアヤの指差す方に視線を向けるのだが…そこに居たのは恐らくこの戦いに

参加して居たであろう冒険者達で、此方に向かい笑顔で手を振りながら向かって

来ると、その集団の先頭には何故か!…クロエが腕を組みながら歩いて来る

のであった!…


「…クロエ?…とぉ…同業者冒険者達だよな?……何で?…」


「…ッ!!…まさかまだ何か残ってるとかか!?…」


「ッ!?…おい冗談じゃねぇぞ!?…

もうこっちはクタクタだってのに!!…」


一向に足を止める事無く手を振りながら向かって来る冒険者達に!…モツが

疑問符を浮かべた様子でその顔を顰めて見せると、疑問の言葉を口にする!…

と言うのもこの戦いの元凶である宗徳は倒され!…魔王枠である神滅鬼は

消滅!…イベントとしてはこちら側の勝利で有り、一体何の様かと考えて

居ると、マサツグがハッと思い付いた様子である事を話す!…その際

マサツグが言った言葉と言うのは、まだ何か居ると言う!…真の黒幕が居る

のでは!?と言ったモノであり、それを鵜呑みにした様子でレイヴンが

冗談じゃない!と嘆き始めて居ると、クロエが冒険者達に号令を出す!…


「…さぁ!…諸君!!…我らが英雄達の御帰還だ!!!…

我々が持て成さなくて如何する!?…皆で一斉に迎えようでは無いか!!!」


__ッ!…オオオオオオオォォォォォォォ!!!!…ドドドドドドドド!!!!…


「ッ!?…な、何!?…本当に何ぃ!?…」


__ワラワラワラワラ!!!……うわぁっしょい!!…うわぁっしょい!!…


クロエがマサツグ達に向けて腕を伸ばすと突撃命令!…しかし決して攻撃と言った

訳では無く!…あくまでもマサツグ達を称賛してのお迎えなのだが…何処から如何

見ても不穏な様子にしかとても見えず!…冒険者達もその号令を聞いてまるで殺気

立った牛の様に突貫をし出すと、マサツグ達を戸惑わせる!…何故なら真っ先に

先陣を切って走って来たのは恐らく戦士面々!…ゴツイ鎧を着たガタイの良い連中

であって!…勿論そんな連中が走って来た事で大いに慌て!…思考する時間も無く

その戦士の連中に捕まり突如として胴上げをされてしまうと、更にマサツグ達は

困惑を極める!…


「ッ!?…な、何これ!?…何のイベント!?…」


「ちょ!?…キャア!!……ッ!?…へ、変なとこ触らないで!!!…」


「……わっちらはアレじゃな?…

マサツグに捕まっているだけで大丈夫と言うか…

…それよりも先程から静かじゃのう?…白いの?…」


「………。」


マサツグはシロとフィロを抱えたまま胴上げされ!…その他の仲間達も同じ様に

困惑したまま捕縛されると、冒険者達に胴上げされる!…その際アヤが何か

恥かしがる様な声を上げると、同時に何か有ったのか文句を言い!…そして今だ

マサツグと一緒に居るシロとフィロはマサツグを下敷きに!…冒険者達の波から

難を逃れ!…その様子を目にして如何したのもか?…と言った戸惑い様を露わに

して居ると、フィロがふと気が付いた様子で声を掛ける。と言うのも神滅鬼を

倒し終えてからシロはだんまりを決め込み!…マサツグにしがみ付いては一切

離れず!…何なら一度としてマサツグの顔を直視しては居らず、フィロも不思議に

思い静かだな…とちょっかいを出すが、シロは依然としてビクともしない!…

さてそうしてただ流される様にしてマサツグ達が胴上げをされ続けて居ると、

その胴上げをして来る面々の中に見覚えの有る顔がチラホラ…


「うわぁっしょい!!…うわぁっしょい!!…で御座る!!…」


「時嗣!!…これが俺達の国を助けてくれた武士だ!!…

命の恩人でもある!!…シッカリその目に焼き付けておけ!!…」


「ッ!!…はい、兄上!!!…」


「ッ!?…御座るに兼貞!!…おま!!…

何サラッと混ざってんだ!!…これ何とかしてぇ~~!!!…」


何処に紛れて居たのかそこには御座るの姿が!…それも怪我を負った様子で

参加しており、更には兼貞や時嗣の姿も!…マサツグ達の事を恩人と言って

同じ様に胴上げに参加しており、マサツグもハッと気が付いた様子でツッコミ

を入れると、とにかく解放する様に文句を言う!…しかしその言葉は届いて

居るのか居ないのか、マサツグ達が解放される事は決してなく!…そのまま

ギルドまで連れて来られてしまうと、そのまま勝利の宴へと巻き込まれる

のであった!…


さてここまでが秋雲国で起きた騒乱の一部始終!…後日マサツグ達は秋雲国で

普通に日常を過ごす…事が出来ず!…何か慌しい日常へとまた巻き込まれて

しまうと、その処理に当たって居た…と言うのもイベントのラッシュ!…

いつもの様に被害を受けた国の復刻に当たり、遂には次期当主の選別!…

挙句の果てには宗徳に加担して居たとされる義光の裁判にも参加を要請され!…

マサツグ達としても何故に?…と言った日常を送っていた!…ではそんな

マサツグ達が今追われている事とは何か?…それは……


__ピコーーーーン!!…(新着のアイコンメールが届く音)


 ---------------------------------------------------------------------

      「新しいクラン加入申請者が現れました!」


       NAME めん太郎

       Lv.37

       Job  吟遊詩人

            一言

       「宜しくお願いします。」

 ---------------------------------------------------------------------


「……またか…」


「もう今日で何人目?……いや…?…」


「……百を越した辺りで数えるの止めたから分かんね……とにかく…」


「「めんどくせぇ~~!……」」×2


…これである。実はあの祝賀会が有った日に大々的に誰が魔王を討伐したのか?…

そう言った情報がゲーム内で公開されたのであった!…更にはメンバーの経歴や

出来事等々!…異色に異色を重ねた内容まで漏れ出し!…興味を持った者達が

挙ってマサツグ達のクランに加入申請!…中には上から目線で物を言う厄介な者

まで現れ出し、その対処にマサツグ達は追われて居るのであった!…中には

粘着質なまでに申請をする者…或いはストーカー紛いも!…とにかく色んな事に

辟易としており!…マサツグとモツ…二人は町の路地に座り込んでは空を見上げ

ぼやいていた…そして異変と言うのはそれだけには終わらない様で、マサツグの

身にも変化が…


「……そういやシロちゃんは?……って、聞かなくても相変わらずか…

やっぱショックだったんじゃないのか?…

生き返ったとは言え目の前でヤブが死んだのは…」


「……うぅ~ん…」


__ガッシ!!!………。


マサツグの身に起きた変化…と言うよりもシロの心境に変化が有り、シロは

マサツグにくっ付いたまま決して離れようとは一切せず!…マサツグが話し

掛けても答えない!…視線ですら合わせようとしない何か奇妙な様子に陥って

しまって居た!…しかしだからと言ってマサツグの事が嫌いになったのか?と

言えばそうではなく、意思疎通は出来る様で…マサツグが尋ねると頷いたり

首を左右に振ったり…一応最低限の返事はする上にこのくっ付き虫は寝る時で

あろうと食事の時であろうと…決して離れる様子をやはり見せない!…寧ろ

愛が更に深くなった?…様子を見せて居た!…


__ギュ~~~ッ!!!……


「…白いのがこうなったのはあの胴上げの時からじゃったな?…

…やれやれ…まぁ分からんでも無いが?…」


それこそマサツグも最初と次の日まではシロの様子に戸惑った様子を見せて居た

のだが、日にちを掛ける毎に慣れて行き…遂にはある種の連携の様に、食事や

着替え…シロをくっ付けたまま行う事が出来る様になっていた!…しかし当然

周りから見るとその様子と言うのは異様な光景な訳であって…


「……ッ!…マサツグ!!…おい、あのプレイヤーって確か!!…」


「…ッ!!…いやマサツグだけじゃなくてモツも!!…

…って、いやでも何か可笑しいぞ?…何か白い…丸いモノを腹に抱えて?…」


「ッ!……何かのイベントをやってるとかか?…

だとしたら下手に邪魔をしない方が良いか?…」


この様に不思議がられては何かが可笑しいと…それこそ親切な者になれば心配を

してくれるなど様々で…だが質が悪い者になるとこれを良からぬ噂に!…ある事

無い事言っては好き勝手に言いたい放題!…しかし知って居る者からすれば当然

嫌われる行為であって…不思議とそう言った物は広まらず、寧ろ弾圧されては

特定されて吊し上げられ!…引退に追い込まれると言った何かある種の公開処刑

みたいな事が起きていた。さて話は戻ってマサツグ達!…この様に心配されては

特に話し掛けられると言った事は無く…それでもシロの様子が心配な事には

変わらない訳で!…マサツグ自身悩んだ様子を見せて居ると、ふとモツが思い

付いた様子で提案をする。


「……ッ!…とりまギルドに言って相談でもしてみるか?…

今後の事も有るし…何よりこのうざったい申請も何とかしたいし…」


「……そうだな…よし!…いっちょ行きますか!!」


「ッ!…ギルドに向かうのかや?…わっちも行くぅ!!」


__ピョインッ!!…ガッシ!!…


もはや困った事が有ったらギルドへ!…そんなノリでモツがギルドに行く事を

勧めると、自身も用がある様子で言葉を続け!…マサツグもその話を聞いて

乗り気になり!…文字通り重い腰を上げてギルドに向かう事を決めると、フィロも

反応するなりマサツグに飛び付く!…と言うのもあの神滅鬼との一件以来!…

フィロのマサツグ愛も更に深くなった様で!…隙あらば飛び付いてはベタベタの

甘々!…マサツグに頬を摺り寄せ甘える様な仕草を見せると、自分のモノ!…と

ばかりにしがみ付くのであった!…そしてマサツグもそんなフィロの様子にも

慣れた具合にスルーをすると、モツと共にギルドへ向かい!…この時モツはそんな

マサツグにある種の同情を感じつつ!…とにかく二人揃ってギルドの門を潜ると、

そこでは慌しい様子が見られた!…


__カランカラァン♪……カランカラァン♪…


「ッ!……ッ!?…お、おい!!…アレって!!…」


「あ、あぁ!…

あの魔王クラスの化け物と何回もやり合って来たクランの頭と次席だろ!?…

……てかアレは何なんだ?…白い…のと、あれは…狐?…」


{…違う所で要らん注目を浴びてる!?…

…はぁ…あんまり目立ちたくねぇのに…}


ギルドを訪れるとそこにはいつもの光景…とは違い、復興の為に色々と慌しく

動いているギルド職員の姿が!…それと同時に冒険者達もクエストボードへ

群がり!…何かボーナスでも付いているのか挙ってクエストを受ける様子を

見せて居た!…そしてそんな中休憩をして居る冒険者達もふとマサツグ達が

入って来た事に気が付くと、途端にザワ付き!…マサツグ達としては普通に

して居るつもりなのだが、何か噂になって居る様子でただならない!…と言った

反応を見せると、色々と注目を集めていた!…その際最も注目を集めたのは

シロとフィロで、何故マサツグにくっ付いて居るのかと?…となるとマサツグも

その視線を感じてはぁ~…と思わず脱力して見せ、とにかく相談をとばかりに

皐月が居るであろう受付カウンターへ向かうと、そこで奇妙な物を目にする!…


「…すみませぇ~ん!…少し相談したい事がぁ……ッ!?…」


「……何だ?…言いたい事が有るならハッキリと言え!…」


「い、いや!?…た、ただそのぉ……な、なしてその様な御召し物を?…」


カウンターに行くとそこにはクロエが…しかしその格好と言うのはいつのも

軍服姿ではなく何故かメイド姿で…本人も恥ずかしそうにしては頬を染め!…

ギョッとした反応を見せて居るマサツグ達に文句を言うと、マサツグもそんな

クロエに戸惑って見せる!…と言うのもクラシックタイプのロングスカート!…

ではなく思いっきりひらひらフリルのフレンチ!…生足ミニスカマーメイド~♪

と言う奴で!…人によってはキツイと言われる状態に有り!…マサツグは戸惑い

つつも思った事を口にすると、クロエは頬を染めたまま訳を話す!…


「……私がギルドマスターを外された時に…

如何やら私物も勝手に処分されたみたいでな…

…着替えが今無いのだ……これしか…」


「あっ…あぁ~……」


「ッ!?…か!…勘違いするでないぞ!?…

こ、これは私の趣味では無いからな!?…

決して自分から望んで来た訳では!!…」


「……でも似合ってると思いますよ?…ドイツのディアンドルみたいで?…

クロエさんって足が綺麗だから…」


「ッ!?…ッ~~~~!!!!」


クロエが言うには着替えを捨てられたらしく、仕方なしにこれを着ていると…

その際クロエはスカートが短い事を気にして居るのか、裾を掴んでは下に

引っ張り…だが当然隠れる事は決して無く、マサツグ達も同情をした様子で

言葉を口にして居ると、更にクロエは言い訳を口にする!…この時もやはり

頬を染めて必死に言い訳を口にするのだが、マサツグは何を思ったのか本音を…

と言うのもマサツグから見るとアリらしく、思わず自分のフェチを漏らすよう

ポロッと言葉を口にすると、クロエの顔を真っ赤にさせる!…しかしそれと

同時にフィロやシロの嫉妬を買い!…次には!…


__グルンッ!!…ガッシ!!…ッ!?……グッ…


「こりゃマサツグ!!…わっちの言うモノが在りながら何を見て居るか!!…

あの様に無理をした格好の女子よりわっちの方が魅力的で有ろう!!!

今流行りの……ほれ!…[ろりきょにゅう]と言う奴じゃぞ!!」


__ボスッ!!…ボスッ!!…ボスッ!!…ボスッ!!…


「ッ!?…だああぁぁぁ!!…

だからって俺の視界をそのデカい物で隠して来るな!!!…

もっと恥じらいを持て!!!…てか何処でそんな言葉を覚えて来たぁ!!!

…で、シロは執拗に腹にパンチしない!!!」


フィロはシロの真似をする様にマサツグへフェ○スハガー!…この時自身の胸を

押し潰す様にしてマサツグに抱き付き!…シロはマサツグにくっ付いたまま拳を

握り!…その拳をマサツグの腹部目掛けて連打すると、自身も怒って居ると

ばかりにアピールをする!…その際フィロはマサツグに対して文句を口に!…

今のクロエの状態を出しに自分の方がと!…するとフィロがそんな事を言った

物だからクロエもカチンと!…マサツグがツッコミを入れている中!…あから

さまに怒りを覚えた様子でフィロに声を掛け出すと、その手にオートマグを

握って見せる!…


「……おい貴様…さっきの言葉は如何言う意味だ?…」


__チャキン!!…どよ!?……


「ッ!!…あぁ~ん!?…どうもこうも無いわ!!!…

お主の歳でその格好とは!!…もはや言わずとて分かろうに!!!…

…それとも何か?…案外気に入って居るのかや?…

だとしたら一度鏡を見る事じゃ!!…

無理をして居おるのが否応無しに分かるじゃろうて!!」


「ッ!?…貴様は如何やら死にたい様だな?…

…いいだろう!…そんなに死にたければ私が殺してやる!!…」


「ッ!!…フン!!…やれるモンならやってみぃ!!!

その服を焼いてひん剥いてくれようぞ!!!」


一度排莢を挟んで銃を構え!…フィロに先程の言葉の意味について質問をすると、

ギルド内にどよめきが走る!…しかしフィロは銃を突き付けられても尚生意気な

口を全く止めず!…寧ろ火に油を注ぐ様な事を口にすると、更にクロエを怒らせに

掛かる!…それはマサツグを誘惑?…した事に嫉妬しての行動か、とにかく煽りに

煽り!…するとその挑発に乗った様子でクロエがブチ切れ!…フィロに対して宣戦

布告をするよう言葉を口にして見せると、フィロも乗った様子で返事をする!…

するとフィロが返事をした事でクロエは怒りの表情を浮かべたまま呪文を!…


「ッ!!…言ったな小娘!!…後で吠え面を掻くなよ?…ッ~~~……」


__どよどよッ!?……


「ッ!?…ちょ!!…ちょっと待て!!…争いに来た訳じゃ!!…」


__バシュン!!!…おぉ!?!?…


「……はああぁぁ~~~!!!…如何してこうなってしまうんだ!!!…」


「……ドンマイ…ヤブ…」


当然そんなクロエ達の様子を目にして更にギルド内にどよめきが走り!…

マサツグも慌てた様子で二人を止めに掛かろうとするのだが、その声は

二人に届かなかった様子で…フィロとクロエはそのまま何処かへと転移

して行き!…その様子を目にした者達が更に一際驚いた様な声を上げると、

マサツグ達はその場に放置される!…因みにそのやり取りが有った間、

モツは我関せずで他人のフリを…暫くしてマサツグもハッと我に返った

様子で頭を掻き!…いつも上手く行かない!とばかりに溜息を吐きながら

嘆きの言葉を口にすると、モツが不憫に感じた様子で言葉を掛けるので

あった!…

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