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-第四章-オータムクラウド国編-

-第四章八十五節 再びの白い世界ともう一人の自分とそれぞれの奮闘!…-

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※注意 今回この八十五節に限り文字化けを使った文章表記があります。

    これはうぷ主が故意で化けさせているだけでサイト・ご閲覧なされて

    居る皆様方のPCに異変が出た訳では無いのでご安心くださいませ!…

    …あくまでも演出なので、どうぞ気にする事無くお楽しみください。



「………ッ~~……ッ?…

…あ、あれ?…ここはぁ?…何処だ?…

……確か俺は……てか、ここって確かぁ?…」


神滅鬼にやられたマサツグが次に目を覚ましたのは何も無い真っ白な空間で

あった。光らしき物も無ければ自分の影も見掛けられず、ただ無限に白い…

ある意味で目が痛くなる様な光景が目の前に広がって居ると、そんな世界で

自分だけが寝ていた…と言うより何か一応見覚えの有る場所に来た事で

マサツグが戸惑った反応を見せて居ると、それこそ何故ここに?と言った

具合に悩み出す!…それこそ先程まで自分は確か神滅鬼と戦って居た筈!と

困惑すると、次にはリスポーンに失敗した?…と考え!…だがそもそも

リスポーン画面など見て居ない事にハッと気付き!…更に何故?…とばかりに

マサツグが困惑した様子で体を起こそうとして居ると、ふとある気配を感じ

取った具合に警戒をする!…と言うのも…


__ザッ…ザッ……ッ!!…クルリッ!…


「……ッ!…靄?……これって確かあの時も……」


__…ズズズズズ……ヴウン!!…


「ッ!?…え?…えぇ!?…」


マサツグが起きて背後に違和感を感じ!…一体何が有るのか?と言った具合に

振り向くとそこで黒い靄の様なモノを目にする!…それは瘴気の様にも見える

のだが何かが違い!…無から生成される様に見えると、それは何処からか

沸き出す様にして噴き出し続け!…するとマサツグもそんな靄に対してもやはり

見覚えが有り!…あれは?…と言った具合にその靄の事をジッと凝視をし続けて

居ると、次には突如としてその靄に異変が!…その異変と言うのも何やら意思を

持ったようスッと動き!…マサツグに近付く様な挙動を見せると形を変形!…

それは徐々に人の形となって行き!…マサツグもただ戸惑った様子で言葉を

零し!…終いにはまるでマサツグを模した様にその靄が手に大剣を持って見せる

と、マサツグの前に立って見せる!…


__ゴゴゴゴゴッ!!…コッ…コッ…コッ…コッ……


「ッ!?…ッ!?!?…な、何これ!?…

…あ、あのぉ~…展開に付いて行けないのですがぁ?…」


「………。」


「……え、えぇ~っと……バグ?…」


まるで某・黄金三角形のゲームに出て来るダークなんちゃら!…目は赤く輝き

怪しく見詰め!…マサツグも突然の事でただ戸惑い倒し!…付いて行けない!

と思わず訴える様にして困惑の言葉を零すのだが、その靄で出来たマサツグ…

略して靄ツグは決してその問い掛けに対して返事をしようとはして見せない!…

ただ無言でマサツグを見詰めると何もせず!…ただその場で立ち尽くすよう

硬直!…すると当然そんな進展のない様子にマサツグは更に困惑!…進行に

バグが起きた?とただ付いて行けない様子を露わにして居ると、次にはその

靄ツグがオリジナルに喧嘩を売る!…


__…スゥ…ジャキン!!…グオンッ!!…


「ッ!?…うおあっぶな!?…テ、テメェ!!…いきなり何しやがる!!…」


「………。」


「ッ!?…チッ!!…ダンマリかよ!!…てかこの状況は何だ!?……

…とにかくコイツをぶったお…せるかどうかは疑問だが!…

何とかしない事には始まらない!…さっさと片付けて運営に!!……ッ!?…」


靄ツグは何の警告も無しに突如大剣を構えるとマサツグに向かって襲い掛かる!…

するとマサツグもそれにハッと気付くと途端に回避!…そして回避した所で靄ツグ

に対して文句の言葉を口にするのだが、靄ツグは何も反応しないでマサツグに対し

大剣を構え続けて見せると、ただジッとマサツグの事を見詰め続ける!…これには

マサツグももう訳が分からない様子で苛立ちを覚え!…とにかくこの状況を脱する

為に戦う事を選択するのだが、ここでふとある事に気が付く!…と言うのも自身の

背中に背負って居る大剣に向かい手を伸ばして見せるのだが!…


__スカ…スカスカ…


「ッ!!…そ、そうか!!…大剣はあの時神滅鬼に!!…

じゃ、じゃあ刀に!!……ッ!?…」


__パンッ!…パンパンッ!!……ゴソゴソッ!!…


「ッ!?…か、刀もねぇ!?…てかアイテム諸々消えてるし!!…

俺のへそくりエリクサーもねぇ!!!…ちょ!?…冗談も意外に!!…

…てかこのゲーム、デスペナデスペナルティーあったっけぇ!?」


マサツグが幾ら大剣に向かって手を伸ばそうが空振りに終わり…マサツグも

ハッと気が付いた様子で慌て出すと、次には刀に向かって手を伸ばす!…

しかしその刀に向かって伸ばした手も何故かスカっと空を斬り!…マサツグも

アレ?…と言った具合に手応えが無い事に困惑をすると、次には腰を叩いて

何故に無いのかを確認をする!…しかし幾ら叩いた所で刀の影も形も出てくる

気配は全く無く!…遂にはアイテムポーチまで覗き始め!…するとそのポーチ

内にもアイテムは無く!…今まで貯め込んでいたエリクサー等も無くなって

居る事にショックを受けると、デスペナルティーが有ったかどうかについて

疑問を持つ!…しかし幾ら思い出そうとした所で記憶になく!…何で?…と

ばかりにただ戸惑った反応を見せて居ると、更に靄ツグはマサツグに向かって

襲い掛かる!…


__スゥ…ジャコン!!…ババッ!!……ッ!?…


「繝?繝?す繝・譁ャ繧!!!」


「ッ!?…どわああぁぁ!?…」


靄ツグは慌てるマサツグに向かい御構い無しに大剣を構え!…そして一気に

踏み込む様にして大きく大剣を振り被って見せると、次には謎の技名を口に

しながら斬り掛かって行く!…それは色んな言語が混じった様な…或いは

音が籠ってもはや言葉になって居ない様な!…とにかくマサツグも攻撃して

来た事に慌てて見せ、某・マト〇ックスの銃弾を避けるシーンの様にその

靄ツグの水平斬りを避けて見せると、更に靄ツグは遠慮無しの追撃を放つ!…


「ッ!…蜈懷牡繧!!!」


__グンッ!!…ダァン!!…グルン!!…ズオオオォォ!!!…


「ッ!?…マジかよおおぉ!!!」


__ガイイィィィン!!!…


この時もやはり技名なのか?…やはり聞き取り辛い?…いや謎の言語で話し!…

大きく飛び上がっては空中で一回転!…そのままブリッジ状態のマサツグに

向かい大剣を思いっきり振り下ろしに掛かって行くと、マサツグも慌てて

ドッジロールで回避をする!…それはあまり格好の良いモノでは無いのだが、

命の事を考えるとそんな事を言っては居られず!…マサツグが回避した事で

大剣は地面を叩き!…辺り一帯にその金属の独特の音が響き渡ると、一度は

二人の間で静寂が訪れる!…その際何の反動も受けて居ない様子で靄ツグは

スッと立て直すと、やはりマサツグを見詰め!…となるとマサツグも回避した

状態のまま靄ツグを見詰め!…一体何が如何やっているのか今だ理解出来て

いない様子を見せて居ると、靄ツグは大剣を手にしたまま言葉を口にし始める!…


「……豎昴?∝鴨繧呈ャイ縺吶k縺?…」


「ッ!……はぁ?…」


「豎昴?∝鴨繧呈ャイ縺吶k縺縺ィ閨槭>縺溘?縺?…」


「あ、あぁ~っと?…ゴメン…

何を言ってるのかさっぱりなんだが?…」


恐らく靄ツグは何かマサツグに問い掛けようとして居るのであろう…しかし

その言語は難解と、当然これにはマサツグも戸惑い!…だが靄ツグは構わず

質問を続け!…恐らく同じ事を言って居るのだろうがやはりマサツグが聞き

取れない様子で困惑して居ると、更に靄ツグからの問い掛けが飛んで来る!…

しかし今度は少しばかりに声の調整が入ったのか…靄ツグは少し喉を抑える

様な仕草を見せると、マサツグに三度こう尋ねる!…


「豎昴?∽サ翫%縺晉岼隕壹a繧区凾!……再び問う…

汝、力を欲する者か!…」


「ッ!…こ、今度はハッキリと聞こえた?…

…てか何この展開?…やっぱり付いて行けんのだが!?…」


その靄ツグの言語が漸く聞き取れた事でまずは安堵!…しかしその突然の

問い掛けに対してやはり理解出来ない様子で戸惑い!…と言うのも襲い

掛かって来て力が欲しいか?…等ともはやもう意味不明で!…一体如何言う

展開…ノリなのかとにかく混迷を極めそうになって居ると、更に靄ツグは

マサツグに問う!…


「……これが最後の問い掛けだ…汝…力を求めるか?…

如何なる逆境をも弾き返す!…唯一無二の力を!!…

全てを無に帰す力を!!!…」


__ジャキンッ!!…ッ!?……ッ~~…


まるで返答の無いマサツグに対して業を煮やしたよう!…最後と言うと

その力の有無について尋ね出し!…と言うのも無理やりにでも返事を

聞こうと考えたのか大剣を構え!…まるで脅迫する様にマサツグへ迫る

様な様子も見せると、当然マサツグはそんな様子に戸惑って見せる!…

するとマサツグもそんな様子を目にして少しは考える様な素振りを

見せると、次にはハッと…まるで答えを見つけたかの様にスッと真剣な

表情を浮かべて見せ!…靄ツグに対して率直に言うよう、自身の考えを

口にすると、靄ツグもそれを黙って聞く!…



「…別に力は欲しくねぇ!…ただ気ままに好き勝手出来ればそれで良い!…

…まぁ欲しくないと言えばウソにはなるが…それ以上に仲間を守る力を!…

テメェのモンを守れるだけの力が欲しい!!!…

別にテメェの言う大層な力は如何でも良い!!…ただ俺が欲しいのは!…

!…!!…

別に世界征服とか趣味でも無ければ興味も無い!…

やって何になる?ってのが本音だ!……今まで通りで良い!…

皆と笑いながら好き勝ってやるのが楽しいんだからよ!!…」


{……って、とにかく迫られたから思った事を口にしたんだが…如何よこれ?…

幾らゲームの中とは言えめっちゃ恥ずいんだが!?…

何で俺今こんな事真面目に答えてんの!?…それ所じゃないと思うんだが!?…}


マサツグは靄ツグの答えに対してNOと!…しかし違う力は欲しいと口にすると

そのまま続け!…自身の在り様!…それをそのままオープンにするよう身構える

靄ツグに対して言葉を口にし続けると、靄ツグもそのマサツグの言葉に耳を

向ける…それはある意味で品定めをするよう!…その資質が有るかを確かめる

様に!…一応その手前では資格が在るみたいな事を言っては居たのだが!…

それでも確かめる様に一言一句聞き逃さない様にすると、マサツグが恥ずかし

がっている一方でこう呟く!…


「……それが汝の答えか……よかろう…」


「…ッ!…ほっ…」


「では改めて!!…汝!!…我に挑みて力を示せ!!!…」


「ッ!?…ちょ!?…はあぁ!?…お、おい!!…さっきの話全!!…」


まるで認めたかの様に靄ツグは言葉を…そして一度はその構えを解いて見せ…

するとマサツグもそんな靄ツグの様子を見て安堵し始め!…これで終わった…と

ばかりに思わず脱力しそうになって居ると、次には先程までの話を全否定する

様に靄ツグが構える!…その際実力を示せ!とマサツグに迫ると、勿論の事

マサツグは慌てに慌て!…先程までの流れは何だったのかと!…その靄ツグに

対して思いっきりツッコミの言葉を口にしようと戸惑って居ると、靄ツグは

もはや考えるのが面倒になったのかマサツグを襲う!…その際もまた言語があの

訳の分からないモノに戻ってしまうと、マサツグは更に慌てた様子を見せる

のだが!…


「繧ヲ繧ェ繧ェ繧ェ繧ェ繧ェ繧ェ繧ゥ繧ゥ繧ゥ繧ゥ繧ゥ繧ゥ!!!!」


「ッ!?…マジふざけんなっての!!…このクソイベント!!!…

…本当に何も!!……ッ!?…一か八かああぁぁ!!!!」


__ゴオオオォォォォ!!!…ザシュン!!!…………


相手が丸腰だろうと関係とばかりに!…恐らくは吠えて居るであろう様子で

大きく大剣を振り被って来ると、マサツグはその様子に更に慌てた反応を

露わにする!…そして文句を口にしつつ何かないか!?と探して居ると、ふと

背中に違和感が…マサツグもそれに気が付いた様子でハッと反応!…すぐさま

一か八かといつもの様に反撃の一手を神頼みしてしまうと、次には自身でも

驚くべき光景を目にする!…と言うのもマサツグの手には間違いなく何かを

掴んだ感触が!…それを一気に振り向く様にして接近戦を挑み!…その靄ツグと

すれ違う様にして何かまた別の手応えを覚えると、二人は揃って固まって

しまう!…


「………ッ!…え?…な、何これ?…

…大剣?…しかも偉く光っている様な?…」


__……ガイイィン!!!…


「ッ!?…な、何!?…まだやる!?……ッ!?…」


マサツグの手には何かを斬った様な感触が…それと同時にマサツグの手元には

光り輝く何かが!…それは無我夢中で振ったであろう武器で有り!…まるで

光が形を成した様にマサツグの手の内に納まって居ると、その見覚えのない

剣にマサツグは戸惑う!…これは一体何処から?…と言っても思い当たるのは

もう一つしか無いのだが!…とにかくこれは?…と言った具合に戸惑って居る

と自身の背後からは何かを突く音が!…それは明らかに金属で地面を突く様な

音であり!…マサツグもハッと我に返って何かとその様子を確認すると、

そこには地面に大剣を突く!…負傷した靄ツグの姿がそこに有った!…


__………。


「ッ!?…お、おい大丈…」


__ジャキンッ!!…クルゥリ……ジャコンッ!!…


そこそこヤバい一撃を貰ったのか胸に手を当て…大剣を支えに立って居るのが

やっとと言った様子を見せて居ると、思わずマサツグも心配になる!…そして

感情のままにその靄ツグに向かい手を伸ばし心配をし始めるのだが、靄ツグは

まるでそれを察した様にフッと立ち!…次には大剣を引き抜くとマサツグに

対して身構え始め!…マサツグもそんな靄ツグの様子に戸惑った様な反応を

見せると、思わずもう止める様に説得する!…


「ッ!?…ちょ、ちょっと待て!!…もう無理だろ!?…

幾ら……あぁ~っと?…人では無いが…」


__……ンバッ!!…グオン!!!……


「ッ!?……チッ!!…言っても無駄って事な!?…

わぁったよ!!…こうなりゃトコトン相手をしてやる!!!」


その靄ツグを説得するに当たって相手が人間であるかどうかについて悩む

のだが、靄ツグは御構い無しに身構えるとそのままマサツグに向かって攻撃!…

そしてその一撃と言うのは負傷して居るにも関わらずキレのある一撃で有り!…

マサツグも思わず喰らいそうになりながらもギリギリの所で回避をして

見せると、そのまま靄ツグとの戦闘を続行する!…勿論靄ツグに対して改めて

言っても無駄だと言う事を悟ると、文句の言葉を零し!…マサツグも身構えた

所で靄ツグもハッと警戒をし出し!…互いに睨み合う様にして同じ型!…

大剣を構えて向き合い相手の出方を伺って居ると、先に動き出したのは

マサツグ!…今度は展開が逆になった様子で戦闘が再開される!…


「……ッ!!…行くぞ!!」


「謗帙°縺」縺ヲ譚・縺!!!」


__……バババッ!!…コオオオオォォォ!!!…ジャキン!!!…


「「斬裂想刃(譁ャ陬よΦ蛻)!!!」」×2


マサツグが意を決した所で大きく踏み込み!…靄ツグもそれに合わせて大きく

踏み込む様に動き出すと、互いに相手を自身の攻撃間合いに入れてしまう!…

その際まるで示し合わせた様に掛け声を掛けて向かって行くと、靄ツグも

それに答えるよう返事!…そこからは互いに一歩も引かないべた踏みイン

ファイトへと発展して行き!…意地同士がぶつかり合う様な激しさを見せて

行くと、辺りに激しい火花が散る!…


__ガギャギャギャギャギャギャ!!!!…


「ッ!!…クッ!…動きは完全に俺の真似ってか!!…

だとすると動きは分かってんだが!!…ッ!!…

如何も戦い辛くて仕方がねぇ!!!」


__グオン!!!…ガキイイィィィン!!!!…


「ッ!!……へへへ!…

一撃貰ったのに豪くしぶといじゃあないの!?…

だからって引き気はサラサラねぇぞ!!!」


互いが全く同じ技を同タイミングで、勢いも火力も均衡しており!…互いに

歯を食い縛っては圧し合いに圧し合い!…マサツグ自身もやり辛い!と言った

具合に負けじと靄ツグに競り合って居ると、その技の最後の一撃同士で鍔迫り

合いに発展する!…そして互いに顔を見合わせる様にして睨み合うと、

マサツグは何を思ったのかフフッと笑い!…すると靄ツグも何か戸惑った様な

反応を見せ!…更にその反応を見てマサツグが余裕とばかりに言葉を口にし

始めると、靄ツグもその挑発に乗った様子で弾き返す!…さてここからは互いに

思考が一緒の為!…長期戦へと突入し!…


__ガキン!!…ガキィン!!!…ガキイイィィィン!!!!…


「ッ!!!…だはぁ!!…はぁ!…はぁ!…

…チッ!!…しぶとい!!…いい加減倒れても良いと思うんだが!?…」


__ぜぇ!…ぜぇ!…ぜぇ!…ぜぇ!……ッ~~~!!…ジャキン!!!…


「ッ!?……マ、マジかよ!……ハハ!…

さすが俺って言った所か?…クッソしぶてぇ!!…」


体感にして約三時間!…ぶっ続けで靄ツグとの戦闘を繰り広げ!…互いに

一歩も引かなくては何度も何度もぶつかり合い、その度に激しい火花を!…

それと同時に重々しい音も辺りに響かせ!…互いに酷く疲弊した様子で

距離を取り合い!…肩で息をするが如く呼吸を乱しに乱して居ると、

マサツグは靄ツグの事をしぶといと漏らす!…それこそ先に先制をして居る

事も含めてまだ倒れないのか!と続けて漏らして居ると、靄ツグは息を

切らしても尚大剣を構え!…と言うのもまだ倒れる訳には行かない!と

言った窮地に追い込まれた時のマサツグの様子を見せて居り!…マサツグも

それを見てハッ!と…自分が窮地に追い込まれた時そんな表情をして居る

のか!と…その靄ツグのタフネス具合に呆れつつ!…思わず笑ってしまう様に

今度こそ!とばかりに大剣を構え始めて見せると、次には二人の間に沈黙が

訪れる!…


__スッ……ジャコン!!!…………


{……恐らくあの様子だと本当にこれが最後の一撃!!!…

泣いても笑ってもラストだって事には変わりない!!!…

…そんでもって俺もTP的にこれがラスト!!…

これが決まらなければ泥仕合不可避!!!…

何とかそれは避けたいところだが、さて…}


互いに大剣を構えては一歩も動かず!…まるで時代劇の刹那の見切りの様で!…

しかし頭の中では忙しなく思考が働いて居り!…マサツグも改めて今の状況を

確認するようこれがラスト!と考えて居ると、更に場面は硬直する!…それは

俗に言う先に動いたら死ぬと言ったアレ!…そんな風に感じられては相手の

動きをジッと見詰め!…宛らそれは何か合図を待って居る様に!…互いに睨み

とにかく大剣を構え微動だにせずに身構えて居ると、遂にその時は来たと

ばかりにある物が合図となる!…


__…ツゥ~~……ドクンッ!!…ドクンッ!!…ドクンッ!!…ドクンッ!!…


それは一滴の汗であった!…マサツグの額から出て来ると目の横を伝い、

そのまま頬へ…頬を伝っては顎に溜まり!…そのまま落ちるの待つが如く!…

二人も気が付いた様子で緊張した面持ちのまま身構えて居ると、不思議と

自身の心音が耳に入る!…勿論明らかに昂っている心音!…緊張しない

訳もなく!…そして徐々にその緊張もピークに達しようとして居る頃!…

その汗も空気を読んだ様に突如としてマサツグの顎に別れを告げて地面に

落ちると、その汗が弾ける音が二人の耳に入って行く!…


__ぷるぷる…ぷるぷる……ピッ……………ピチャン!!…


「ッ!!!…ウオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォ!!!!!」


「繧ヲ繧ェ繧ェ繧ェ繧ェ繧ェ繧ェ繧ェ繧ェ繧ェ繧ェ繧ェ繧ゥ繧ゥ繧ゥ繧ゥ繧ゥ繧ゥ繧ゥ繧ゥ繧ゥ!!!!!」


「「ダッシュ斬り(繝?繝?す繝・譁ャ繧)!!!」」×2


それは決して大きい音でも何でもない!…だが二人に耳にはハッキリと!…

するとその音を合図に二人は飛び出し!…互いに技を放つよう一気に相手に

向かい肉薄すると、次には大きく振り被って斬撃を放つ!…それはやはり

互いに同じタイミングで同じ勢い!…間合いの取り方から何もかもが!…

しかし互いに臆する事無く真っ向から勝負!…それはまるで自身に意地を

賭けたかの様にぶつかって行くと、次にはただ何かが斬られる音!…それだけが

辺りに響くよう木霊すると、二人は技を繰り出した状態のまま硬直する!…


__ゴオオオオォォォ!!!…ザシュン!!!…………。


「…………。」


「…………。」


__………グラァ……ドシャアァ!!……


それは生々しくも悲しく…少し響くと手に斬った感触が…その感触を確かめる様に

硬直して見せ、何も発する事無く互いに沈黙を貫いて居ると、

のは靄ツグの方であった!…靄ツグはそのまま崩れ去る様にして前のめりに!…

そのまま音を立てる事無く霧散して行き!…マサツグはマサツグで何か悲しい…

しかしこの時不思議とスッキリした様子で…今自身の身に起きているある事に

気付かず!…ただその場でぼおっとすると、ふとここでヴェルの言葉を思い出す!…


{……良いか?…三つ目に教える[内に秘めし力の解放]は言わば…

自身に打ち勝つ事なんじゃ!…}


{っ!…自身に打ち勝つ?…}


{そうじゃ!…してその方法なんじゃが?…

…ハッキリ言って教える事は出来ん!…と言うのも…

その時が来たら自ずと試され…否応なしに越えねばならん!…

それはいつ来るのかもハッキリしておらん!…

何の予告も無しに来るからのぅ…場合によっては風呂に入って居る時!…

或いはトイレに籠っている時!…

…はたまた自身が死地に追い込まれている時!…それは様々じゃ!…

しかし!…この試練に打ち勝つ事が出来れば剣士として!…

人としてとても大きく成長するきっかけとなる!…

…故にワシから言う事はこの言葉だけじゃ!……決して折れるな!…

…真に強き者とはただ武器を振るうにあらず!…己を律し!…

自身の信じる道を突き進んだ者にのみ!…与えられる言葉じゃと!…

如何なる困難にも打ち勝った者が!…

得られる言葉じゃとワシは思うて居るからの?…ほっほっほ!…}


「……ジッチャン……これがその試験だとして…

俺は自分に打ち勝てたのかな?…」


マサツグが思い出したヴェルの言葉と言うのは三つ目の技の様なモノ!…

それはとても曖昧らしく!…ヴェル自身も教えられないと!…この時の

マサツグはその話を聞いて新喜劇宜しくズッ転けて見せ、思わず肩透かしを

食らった様な表情を見せると、ヴェルに戸惑った反応を見せて居た!…

しかし完全に手掛かりが無いと言う訳では無いらしく、更にヴェルの話を

続き!…と言うのもそれはいずれ訪れると言った厄介なモノらしく、

マサツグにその時が来たら心構えをしておくよう言葉を零すと、ただ無邪気に

笑って見せる!…当然そんなヴェルに言葉にマサツグは戸惑い、この時はただ

首を傾げて居たのだが!…これがその試練なのか?と考えると何か不安を

覚えてしまい!…白い世界に一人取り残された様子でただ独り言を口にして

居ると、次には何か眩しい光の様なモノを目にする!……さてそれがマサツグが

見ていた意識の中で!…その外の話はと言うと!…


__ババッ!!…バシュン!!!…グオオオォ!!!…ドゴオォォ!!!…


「ッ!!!…チィ!!…やっぱ!!…キツイ!!!…」


「けどよぉ!!…だからってオチオチ引き下がってられへんよなぁ!!!」


「…まだ体は動く!!…HPもある!!!……ここまで来て負けられるか!!!」


マサツグが倒れているその一方ではどんちゃん騒ぎ!…モツ・ライザ・レイヴン・

グレイの四人によって戦闘が継続され!…その際本来の姿に戻ったフィロは傷付き

倒れてしまい!…辛うじて命だけは取り留めた状態で休んで居ると、倒れる

マサツグにしがみ付いては泣いて居た!…何故ならマサツグの胸からは先程まで

聞こえていた筈の!…何なら自身を安心させてくれた心音が無い訳で!…更には

その体も徐々に徐々にと冷たくなって行っており!…その一方でシロもワンワンと

泣いて現実を受け止められない様子を見せて居ると、アヤも釣られて泣きそうに

なっては動けずに居た!…しかしその間モツ達は決して諦めて居ない様子で戦い

続け!…シロ達を守る様に!…


__ガキイィン!!!……フォン!!!…


「クッ!!…かなりキツイ!!…そっちは大丈夫か!?…」


「ッ~~~!!!…あのアホはいつになったら目ぇ覚ますんや!!…

かれこれもう三十分は戦ってるぞ!!!」


「…確かに徐々に慣れては来たが!!…それでもなぁ!!…」


「……ふむ…何やら急に成長した?…こやつらの気が急に輝きを?…」


何度も挑んでは弾かれ!…その度薙ぎ払われては距離を取られ!…だが確実に

成長はして居る様子で善戦をし!…モツも弾かれながら他人を心配した様子で

言葉を口にし始めて居ると、その一方ではライザが何やら切れていた!…

その際切れた内容と言うのもマサツグの事で、いつになったら目が覚める

のか!?と…この時思う様に神滅鬼に攻撃が入らない事があってかイライラを

積もらせ!…レイヴンも苦戦をして居る様子で冷静に状況判断をすると、

何やらもう一つ手が欲しいと言った具合に言葉を漏らして見せて居た!…

するとその一方では神滅鬼も若干驚いた様子で言葉を零し!…徐々に油断は

出来ない!と…向かって来るモツ達の動きに注意を向け!…一体何処から!?

と全方位に対して身構える様な素振りを見せて居ると、次にはその目を疑う

光景を目にするのであった!…

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【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】  たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。 【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。   【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?  ※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。

はぁ?とりあえず寝てていい?

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嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

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王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

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 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

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